清涼肌着

【課題】肌着の素材として一般に用いられているものは通気性に乏しいため皮膚の発汗作用で体温を効率的に下げることができず、他方吸水性と通気性に優れている不織布は伸縮性に乏しく肌着の素材として不適切な点である。
【解決手段】不織布で肌着を構成することにより、吸水性に優れている不織布で汗を効果的に肌から吸い上げ、通気性に優れている不織布内で汗を気化させ、その過程で発生した温度の低い空気を通気性に優れている不織布を通して肌に触れさせることができるため、皮膚の発汗作用を体温低下に効果的に結びつけることができる。また、不織布に設けた通気孔により通気性と伸縮性を改善し、清涼肌着の効果を更に高めるとともに体に合った肌着を実現し、楽に脱ぎ着ができるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、高温の環境下において清涼感を得る為の肌着に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
高温の環境下で人間が汗をかくのは、その汗が気化するときに奪われる気化熱で体温を下げようとしているのであり、その目的を達成するには肌着に吸収された汗が気化するときに体温が効果的に下がるようにすることが大切である。
【０００３】
汗対応肌着の素材として一般に用いられているものには、クレープ地や肌の汗を吸収し素材の表面からその汗を蒸発させるように特別に工夫されたものなどが使われているが通気性に乏しく、汗が素材から蒸発したときに奪われる気化熱で効率的に体温を下げることができない。
【特許文献１】特開２００５−１４６４８５号公報
【０００４】
他方、吸水性と通気性が極めて大きい素材として不織布があるが、伸縮性に乏しく肌着の素材としては不適切である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
肌着の素材として一般に用いられているものは通気性に乏しいため、汗が蒸発するときに奪われる気化熱で素材表面の温度は下がるが、その効果を肌表面の温度低下に効果的に結びつけることができない点である。また、吸水性と通気性が優れている不織布は伸縮性に乏しく肌着の素材として不適切なことである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
不織布が大きな吸水性と通気性を有することを利用し、この不織布で肌着を構成することにより皮膚の発汗作用を体温低下に効果的に役立てることができる。
【０００７】
この発明においては、不織布（１）に通気孔（２）を設けることにより素材の通気性を更に増すとともに通気孔の形状と配置を工夫して素材の伸縮性を改善し、肌着が体形に合うようにするとともに肌着の脱ぎ着が楽にできるようにしている。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の清涼肌着では、素材として用いられている吸水性のよい不織布で汗が効果的に肌から吸い上げられ通気性のよい不織布内で汗が蒸発し気化熱が奪われ、そのために温度が下がった空気が通気性のよい不織布を通して肌に触れるため効率的に体温を下げることができる。
【０００９】
また、本発明では不織布に通気孔を設けることにより伸縮性を改善し、体形に合うようにするとともに楽に脱ぎ着ができるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
皮膚の発汗作用により効率的に体温を下げるという目的を、肌着の素材に吸水性と通気性に優れている不織布を用いることにより実現した。
【実施例１】
【００１１】
図１は、本発明の清涼肌着の概念図である。不織布にスリット状の通気孔を配置することにより不織布の通気性と伸縮性を改善している。
【００１２】
不織布は織物ではないためほころびるという現象が起きず、したがって通気孔の形状は、方形、円、楕円などさまざまな形とすることができるほか、単に直線状に切れ目を入れる方法も用いることができる。また、通気孔の配置にも図１に示す方法のほかさまざまな方法を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【００１３】
本発明の清涼肌着は、わずかでも空気の流れがあると清涼効果が特に大きくなるので、屋外での労働や炎天下のゴルフなどアウトドアースポーツで効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】清涼肌着の概念図である。
【符号の説明】
【００１５】
１不織布
２通気孔

【特許請求の範囲】
【請求項１】
不織布（１）に通気孔（２）を設けた素材で構成したことを特徴とする清涼肌着。

【図１】