渦流チャンバーを有するノズル装置
ノズル装置は少なくとも1つの流体注入口(312、314)を有する渦流チャンバー(310)を備える。注入口は流体をチャンバー表面に非接線方向に導入するよう構成される。2又はそれ以上の注入口がある場合、注入口の一方は他方より大きな断面積を有していてもよい。又、注入口が接線方向に逆向きに配置される渦流チャンバーを備えたノズル装置と、その表面がチャンバーの横方向だけでなく縦方向にも湾曲する渦流チャンバーを備えたノズル装置とが開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノズル装置に関する。特に、但しそれに限られることなく、この発明は、圧力下でノズル装置を通って流れるようにされる流体のスプレーを生成する際に用いるノズル装置に関する。この発明は又、かかるノズル装置を組み込んだディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルは、様々な流体のスプレーを生成する手段を提供するためにしばしば使用されている。特に、容器に貯えられた流体が噴霧スプレー又は霧の形態で分注され得る手段を提供するため、ノズルは一般にいわゆる"エアロゾル容器"とよばれる加圧された流体で満たされた容器の出口弁に取付けられるアクチュエータ(actuator)に組み込まれる。例えば、制汗スプレー、消臭スプレー、香水、芳香剤、消毒剤、塗料、殺虫剤、つや出し剤、ヘアケア製品、医薬品、水及び潤滑剤を含む形態で、多数の市販品が消費者に提供されている。これに加えて、ポンプ又は引金で動作するノズル装置、すなわち、前記装置と一体部分を構成し手動で操作可能なポンプ又は引金の操作によって非加圧の容器から流体の放出が行われる装置も又、しばしば特定の流体製品の噴霧スプレー又は霧を生成するために用いられる。ポンプ又は引金ノズル装置を用いて一般に分注される製品の例は、種々の園芸及び家庭用品のスプレーと同様、種々の化粧水及び殺虫剤を含む。
【0003】
エアロゾル容器用のノズルは通常、エアロゾル弁から延びるステム(stem)の端に位置するアクチュエータに組み込まれ、又、ノズルの多くの機構をエアロゾル弁それ自体に、及び/又はステムに直接組み込むことが提案されている。従って、ここでノズル装置についての言及は、エアロゾル容器出口弁のステムに取付けられる分離した構成要素を形成するか又は手動で操作可能なポンプ又は引金の一部となるノズル装置だけでなく、エアロゾル出口弁又はステムに組み込まれるノズル装置に及ぶことを意図することは理解されるべきである。
【0004】
又、ノズル装置は、流体のスプレーを生成する必要がある種々の工業用途に用いられる。例えば、噴霧ノズルは、園芸及び冷却用途に用いられる。又、ノズル装置は、エンジンなどの燃料噴射システムの一部としてしばしば用いられる。
【0005】
流体が加圧下でノズル装置を通って流れる時にスプレーが生成される。スプレーを形成するため、前記ノズル装置は、ノズルを通過する流体流が壊れて又は「噴霧化」(atomize)して多数の液滴になり、1又はそれ以上の出口オリフィスから放出されるように構成される。
【0006】
スプレーに要求される液滴の最適な大きさは、主として関係する個々の製品、及びそれが意図する用途による。例えば、患者(例えば、喘息患者)によって吸入される薬物を含む医薬品スプレーは、肺に深く浸透できるように通常は極めて小さな液滴を必要とする。これに対し、つや出しスプレーは、つや出しされる表面にエアロゾル液滴が衝突するのを促進すると共に、特にスプレーが毒性の場合に吸入される程度を減らすよう、好ましくはより大きな直径のスプレー液滴を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のノズル装置によって形成されるエアロゾル液滴の大きさは、出口オリフィスの大きさ、及び流体がノズルを通過させられるための圧力を含む多くの因子に影響される。しかし、微小で粒径分布が狭い液滴を含むスプレーを形成したい場合、特に低圧の場合に問題が生じる。スプレーを生成するために低圧を用いることは、より高価な加圧容器の代わりに手動で操作可能なポンプ又は引金スプレーのような低圧のノズル装置を使用することを可能とし、さらに加圧された流体で満たされた容器については、スプレーに存在する高圧ガスの量を下げるか、又は一般に更に低い圧力を形成する別の高圧ガス(例えば、圧縮ガス)を使用することができるので、ますます好都合である。エアロゾル容器に使用される高圧ガスのレベルを下げる要求は現在の時事的話題となっており、幾つかの国で立案された携帯用のエアロゾル容器に使われる高圧ガスの総量に規制を課すことを提案する法律のため、将来は更に重要になってくると思われる。高圧ガスのレベルを下げることは、ノズル装置を通る流体を推進するのに利用できる圧力の低下をもたらすと共に、また液滴を破壊し易くするため混合物中に存在する高圧ガスを少なくする。そのため、低圧において微小な液滴から成るエアロゾルスプレーを形成できるノズル装置への要求がある。
【0008】
従来のノズル装置に取付けられる周知の加圧型のエアロゾル容器についての更なる問題は、エアロゾル容器の寿命の間、特に、高圧ガスが除々に減少するに従い容器内の圧力が低減するにつれエアロゾル容器の寿命が最後に向かうにつれて、生成されたエアロゾル液滴の大きさが増大する傾向にあることである。この圧力低下は、生成されるエアロゾル液滴の目に見える増加を引き起こし、更に、これにより生成されたスプレーの質が低下する。
【0009】
低圧で高品質のスプレーを提供する問題は、流体を充分に小さな液滴に霧化するのが困難になるため、関与する(concerned)流体が高粘度を有する場合にさらに深刻になる。
【0010】
上記に述べた問題を克服するか、又は少なくとも軽減するため、ノズル装置を改良する種々の提案がされてきた。
【0011】
例えば、出口オリフィスを通ってチャンバーを出る前に流体に回転が与えられるよう、ノズル装置に渦流チャンバーを組み込むことが知られている。一般に、公知の渦流チャンバーは、チャンバーの下流端又は前方端の壁内部の中央に位置する出口オリフィスを備えた円筒形のチャンバーを含む。チャンバーの側部には、流体がチャンバー内で回転するよう、流体を円筒壁の接線方向に向けさせる1又はそれ以上の流体注入口が設けられている。1以上の注入口オリフィスが存在する場合、すべての注入口オリフィスは、流体をチャンバー内の同じ円周方向に供給する。出口オリフィスから円錐スプレーパターンを形成する際に、渦流チャンバーは特に有用である。
【0012】
渦流チャンバーに関し、ここで使用される用語"下流端"及び"上流端"は、チャンバーを通る流体の一般的な運動方向におけるチャンバーの端を示す。従って、前記"下流" 端は、流体がチャンバーを出る端部であり、この部分で出口が形成され、一方で前記"上流"端は前記下流端と反対側の端である。
【0013】
一般的に知られている渦流チャンバーは、ベノイスト(Benoist)の米国特許6367711 B1に記載されている。この装置では、外郭の中心に円筒形チャンバーを規定するため、4つの外郭(profiles)が輪になって配置されている。隣接する外郭(profiles)の間の空間は、流体に旋回運動を与えるよう、流体を中央チャンバーの接線方向に向けさせる注入口を形成する。チャンバー下流端の壁の中央に、スプレーオリフィスが設けられている。
【0014】
又、本出願人の国際特許出願WO01/89958に開示されているように、最終エアロゾルにおける液滴のサイズとサイズ分布の調整手段として、最終出口オリフィスから上流に間隔を空けたことを除き(but)、渦流チャンバーをノズル装置内に組み込むことは有益であると考えられてきた。
【0015】
多くの公知の渦流チャンバーは、一般に液体である流体が出口オリフィスを出る際にそれの周りに回転する空気芯を生成する。前記空気芯は、液体がチャンバー内で回転する際に渦巻を形成する結果として生成され、液体は出口オリフィスの中心を通ってノズルの外側から空気芯を引き込む。空気芯を生成する渦流チャンバーは、中空円錐形のスプレーを生じさせるとともに、ノズルの最終出口スプレーオリフィスに隣接した場所でのみ用いられる。
【0016】
従来の渦流チャンバーは有効であると考えられてきたが、生成されるスプレー品質をさらに向上させるため、又は従来の渦流チャンバーを用いて生成されたものとは異なる特性のスプレーを生成するために使用可能な別の渦流チャンバー構造を有するノズル装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは少なくとも1つの湾曲した表面領域と、前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、前記少なくとも1つの注入口は、前記注入口の反対側の前記チャンバーの表面領域に接する前に、前記注入口から少なくとも前記チャンバーの一部を横切って延びる経路に沿って流体を前記チャンバーの非接線方向に導入するよう構成され、前記装置は、使用時に前記チャンバーに入る流体が前記少なくとも1つの出口オリフィスを通って前記チャンバーから流出する前に前記チャンバー内で回転させられるようになっているノズル装置が提供される。
【0018】
各注入口に直接隣接するチャンバーの表面に対し、前記チャンバーの非接線方向に流体を導入するよう構成される2又はそれ以上の注入口が存在してもよい。前記2又はそれ以上の注入口は、前記チャンバー内で交差しない経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。前記2又はそれ以上の注入口は、実質的に平行な経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも1つは、前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも他の1つより大きい断面積を有してもよい。
【0019】
前記少なくとも1つの非接線方向注入口は、使用時に流体が前記チャンバーの湾曲した表面領域へ導入されるよう構成されてもよい。
【0020】
前記チャンバーは円筒形の表面部分を有し、前記少なくとも1つの注入口は、流体を前記円筒形の表面部分へ導入するよう構成されてもよい。
【0021】
前記チャンバーの縦軸に実質的に垂直な共通平面(common plane)に配置された2又はそれ以上の注入口が存在してもよい。
【0022】
2つの注入口からの流体流が実質的にチャンバーの同じ周方向に前記チャンバーの周囲を回転させられるよう、前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの反対側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。その代わり、前記2つの注入口からの流体流が前記チャンバーの周方向に前記チャンバーの周囲を概ね逆回転させられるよう、前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの同じ側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。
【0023】
少なくとも1つの別の注入口が前記チャンバーの上流端に存在してもよい。
【0024】
前記チャンバーの表面の少なくとも一部は、該チャンバーの横方向と縦方向とに湾曲していてもよい。前記チャンバーの表面の少なくとも一部は、ドーム状(dome-like)、概ね球状又は概ね一部球状であってもよい。
【0025】
本発明の第2の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、前記チャンバーの表面の少なくとも一部がチャンバーの横方向と縦方向とに湾曲するノズル装置が提供される。
【0026】
特にチャンバーの上流端において、前記チャンバーの表面が概ねドーム状又は一部球状の少なくとも1つの領域を含んでもよい。
【0027】
前記チャンバーはさらに、概ねドーム状又は一部球状の表面領域を有する下流部分を含んでもよい。前記上流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域は、前記下流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域に比べて大きな半径を有してもよい。
【0028】
前記上流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域は、前記チャンバーの中間部分によって前記下流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域から分離されていてもよい。
【0029】
前記チャンバーは概ね球状であってもよい。
【0030】
前記チャンバーは、概ね円錐面の領域を持つ下流部分を含んでもよい。
【0031】
前記チャンバーは複数の出口オリフィスを有し、各出口オリフィスは前記チャンバーの概ね一部球状又はドーム状の表面領域に別々に位置されてもよい。各出口オリフィスは、個々の一部球状又はドーム状の表面領域の中心軸(polar axis)上に位置されてもよい。
【0032】
前記チャンバーは、ドーナツ状部分(section)に形成された表面領域を有してもよく、それは前記少なくとも1つの出口オリフィスの周囲の前記チャンバーの下流部分に位置されてもよい。前記ドーナツ状部分表面領域の内側に、前記チャンバーの概ね一部球状又はドーム状の表面領域が位置されてもよい。
【0033】
前記少なくとも1つの注入口が前記チャンバーの上流端領域(region)に設けられてもよい。前記少なくとも1つの注入口は、前記チャンバーの縦方向に延びる経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。2又はそれ以上の注入口が存在してもよく、各注入口は前記チャンバーの上流端領域に設けられる。
【0034】
前記注入口、又は各注入口は、前記注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面に対し非接線方向に流体を前記チャンバーに導入するよう構成されてもよく、前記装置は、前記チャンバーに入る流体が前記チャンバーの表面に接する前に少なくとも前記チャンバーの一部を横切って前記注入口から導入されるようにしてもよい。
【0035】
前記チャンバーは2又はそれ以上の注入口を有してもよく、前記チャンバーは少なくとも2つの前記注入口からの流体流が前記チャンバー内で周方向に概ね逆回転するように構成されてもよい。
【0036】
4又はそれ以上の注入口が存在してもよい。
【0037】
本発明の第3の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、前記少なくとも2つの注入口は、それぞれの注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面の接線方向に流体を導入するようそれぞれ構成され、少なくとも2つの注入口は、使用時に流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置されるノズル装置が提供される。
【0038】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの同じ側から前記チャンバーに入ってもよい。
【0039】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの縦軸に垂直な共通平面に設けられてもよい。
【0040】
前記注入口の1つは少なくとも他の1つの前記注入口より大きい断面積を有していてもよい。
【0041】
2以上の注入口が存在し、その場合、使用時に、少なくとも2つの前記注入口は、流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置されてもよい。
【0042】
前記チャンバーの縦に沿って間隔をあけて配置されるよう、前記チャンバーの縦軸に垂直な複数の異なる平面に複数の注入口が設けられていてもよい。前記異なる平面のそれぞれに少なくとも2つの注入口が存在してもよく、使用時に、それらは流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう流体の流れを前記チャンバー内に導入するように配置されてもよい。
【0043】
本発明の第4の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置し、それを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、少なくとも1つの前記流体注入口は、少なくとも他の1つの前記流体注入口より大きい断面積を有するノズル装置が提供される。本発明の第4の実施態様に従うノズルは、本発明の第1、第2及び第3の実施態様のいかなる特徴を含んでもよい。
【0044】
本発明の種々の態様において、前記渦流チャンバーは、前記チャンバーの下流端の中心に配置される単一の出口オリフィスを有してもよい。その代わり、前記渦流チャンバーは、複数の出口オリフィスを有してもよい。前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記ノズル装置の最終スプレーオリフィスであってもよい。その代わりに、前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記チャンバーから流出する流体を、前記ノズル装置の前記最終出口オリフィス又は他のオリフィ)から上流にある前記ノズル装置の延長部分に導入してもよい。
【0045】
前記渦流チャンバーが1以上の注入口を有する場合、すべての前記注入口が流体源から同一の液体を前記チャンバーに供給するよう配置されてもよい。その代わりに、少なくとも1つの前記注入口が第1の流体源から第1の液体を前記チャンバーに供給するよう配置されてもよいし、かつ、少なくとも1つの他の注入口が第2の流体源から異なる流体を前記チャンバーに供給するよう配置されてもよい。前記異なる流体はガスであってもよい。
【0046】
本発明の種々の態様において、前記ノズル装置は、互いに並列又は直列に配置される2又はそれ以上の渦流チャンバーを含んでもよい。膨張(expansion)チャンバーと直列に配置される2つの渦流チャンバーが存在してもよく、膨張チャンバーは前記2つの渦流チャンバー間の流路に配置される。
【0047】
本発明の種々の態様において、前記出口オリフィス又は各出口オリフィスを通って前記ノズル装置から流出する流体は、空気芯を含まない完全円錐の霧化スプレーを形成してもよい。
【0048】
本発明の第5の態様によれば、本発明のこれまでの実施態様のいずれか1つに従うノズル装置を含むディスペンサーが提供される。
【0049】
添付の図を参照し、本発明のいくつかの実施形態が一例として記述される:
図1は、本発明に従うノズル装置の一部を形成する渦流チャンバーの略断面図であり、図は前記チャンバーの縦軸Yを含む平面を通って得られる。
図2は、図1のX−X線に沿って得られた略断面図である。
図3は、図2に類似する図であるが、2つの注入口オリフィスが同じ側からチャンバーに入るものとしたチャンバーの別の実施形態を示す図である。
図4は、図1に類似する図であるが、チャンバーのいずれかの側に複数の注入口オリフィスが備えられた他の代替実施形態を示している。
図5は、図2に類似する図であるが2つの注入口オリフィスが流体をチャンバーの接線方向の逆向きに導入するよう配置されるさらに他の代替実施形態を示している。
図6a、6b及び6cは、本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部のそれぞれ正面概略図、側面概略図及び平面概略図であり、渦流チャンバーの隠れた細部が破線で示される。
図7a、7b及び7cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示している。
図8a、8b及び8cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図9a、9b及び9cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図10a、10b及び10cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図11a及び11bは、それぞれ図6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図12a、12b及び12cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図13a、13b及び13cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図14a、14b及び14cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
【0050】
最初に図1及び2に関し、本発明に従うノズル装置に使用されるチャンバー10が図式的に示される。ここに記載されるすべての実施形態と同様、特にスプレー状に流体源から流体を分注するのに適したあらゆるノズル装置にチャンバー10を組み込むことができる。例えば、ノズル装置は、エアロゾル容器の出口弁に嵌め込まれるアクチュエータ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。その代わりに、前記チャンバーが前記出口弁それ自体又は前記出口弁から突出するステム(stem)に組み込まれてもよい。前記チャンバーは、非加圧型容器から流体を噴霧するのに適した手動ポンプ又は引金式ディスペンサーのノズル装置に組み込まれてもよい。前記チャンバーはさらに、工業用ノズル又は燃料噴射ノズルの一部を形成してもよい。
【0051】
図2に示すように、前記チャンバー10は円形断面を持つ円筒状をなしている。流体は、反対側から前記チャンバーに入る2つの側部注入口12,14を通って前記チャンバー10に供給される。出口16は、前記チャンバー10の下流端を規定する壁18の中心に位置している。
【0052】
ここに開示されたすべての実施形態と同様、出口16は、ノズル装置の最終スプレー出口オリフィスであってもよく、又は出口16は、ノズル装置内で出口オリフィス若しくはオリフィスに通じる更なる流路の一部又は追加のチャンバーに、チャンバーから流出する流体を導入してもよい。出口16は、チャンバーの下流端壁の中心に位置している必要はないが、チャンバー内のあらゆる適切な場所に位置させることができる。特定の用途においては、1以上の出口16が提供されてもよい。
【0053】
図2から最も理解されるように、側部注入口12、14は、互いに対してオフセットされるとともに、注入口に直接隣接するチャンバーの壁に対して接線でない方向に流体をチャンバー内に導入するよう配置され、前記チャンバーの反対側の壁部分に接する前に2つの流体流を交差させない。これは流体流を、湾曲している反対側の壁部分にチャンバーを横切って向けさせることになる。流体流が反対側の壁部分に当ると、流体の一部が壁から跳ね返り、流体に過流運動を与えるための壁部分の湾曲のため、一部がチャンバー内で回転させられる。図2に示すように配置された側部注入口12、14により、流体流はチャンバーの周囲で同じ円周方向に回転する傾向にあり、図に示した装置においては時計周りとなる。
【0054】
この装置は、チャンバーの周囲を円周方向に動くように注入口がチャンバーの内壁面の接線方向に流体を導入する従来の渦流チャンバーとは異なる。注入口が入り込む渦流チャンバーの壁表面に対して接線でない方向で渦流チャンバーに流体を導入する注入口は、一般に非接線注入口と呼ばれる。
【0055】
本出願人は、従来の同等の渦流チャンバーに比べ、非接線注入口を持つ渦流チャンバーが微小液滴を有すると共に完全で広範な円錐状のスプレーを生成することを見出した。渦流チャンバー内で非接線注入口を用いる利点は、チャンバーに入る流体が、注入口に隣接するチャンバーの壁に直接導入される従来の渦流の流体と同じレベルの摩擦を受けないことにあると考えられる。このように、非接線注入口を用いると流体のエネルギー損失を低減するので、流体の破砕又は霧化を補助するために流体内により多くのエネルギーが存在するため、低い操作圧においても渦が優れたスプレーパターンを生成することができる。又、このことは、例えばその粘度のため他の方法では霧化が困難な溶液(solutions)にノズルを有効に用いることを可能とする。
【0056】
一般に、注入口の流れが渦流チャンバー壁の表面から遠くなるほど、ノズルのスプレー特性が向上することが観察されてきた。しかし、流れが出口オリフィスと重なることは望ましくなく、互いに影響を及ぼすことは望ましくない。
【0057】
チャンバー内の流体に回転運動を与えるためには、流体流が導入されるチャンバー表面が湾曲していることが都合がよい。本実施形態においてチャンバー10は円形の断面を有するが、このことは必須ではなく、流体流が導入され得る湾曲した壁の一部又は壁部分をチャンバーが有していれば、非円形断面を有するチャンバーを使用することができる。
【0058】
図1及び2に示すように、側部注入口12、14は同じ大きさであるが、特定の用途では片方の注入口が他方の注入口より大きい方が有利であることがわかっている。断面積の異なる注入口を用いると異なる速度を持つ流体の流れが生成し、チャンバー内で流れが混ざると、速度差は流体の破砕を促進するのに有利な付加的な乱流を引き起こすと考えられる。その結果、特にスプレーパルス(pulse)の端に向かって、ノズルは微小な液滴サイズを持つスプレーパターンを生成する。
【0059】
異なる大きさの注入口を用いる概念は、本実施形態に従う渦流チャンバーに限られず、その他の点は従来の接線方向の注入口を有する渦流チャンバーと同様にここに開示されたすべての実施形態に関して用いることができる。
【0060】
図1及び2に示す実施形態は側部注入口12、14を2つのみ有するが、2以上の側部注入口を備えてもよい。図4は、チャンバーの両側の縦方向に間隔をあけて配置される3つの側部注入口12a、12b、12c、14a、14b、14cが存在する実施形態を示す。個々の側部注入口は、図2に示す注入口12、14と同様な方法で流体をチャンバーに導入するよう配置される。一方の側の側部注入口12a-12cは、他方の側の側部注入口14a-14cより大きくてもよい。図4は、両側に3つの側部注入口があるものを示すが、あらゆる適切な数の側部注入口が提供され得ることは充分に理解される。さらに、流体の流れがチャンバーの反対側の湾曲した壁部分に接する前に互いに交差しないという条件で、側部注入口は、縦方向でなく周方向に、又は縦方向に加え周方向に間隔をあけて配置されてもよい。
【0061】
図3は、流体が概ね同じ横方向にチャンバーを横切る、すなわち両方がチャンバーの同じ側から反対側に移動するように、チャンバーの同じ側から流体をチャンバーに供給するように2つの側部注入口112、114が配置されるチャンバー110の追加実施形態を示す。図2に示す実施形態と同様、側部注入口112、114は、チャンバーの湾曲した側壁に対し接線でない方向に流体をチャンバー内に導入し、各流体流を交差させない。このことは、チャンバーを横切って反対側の湾曲した壁面に向かって流体流を導入させる。流体流が反対側の壁面に当ると流体の一部が壁から跳ね返り、一部がチャンバー内で回転させられて流体に渦運動を与える。
【0062】
側部注入口12、14からの流体流が同一の周方向に回転する図2に示す実施形態とは異なり、この実施形態では側部注入口112、114からの流体流は、互いに影響を与えるよう周方向に逆回転する。流体流がチャンバーの周りに逆回転すると、流れの一方が他方の下に押し込まれ、乱流が増大して流体を液滴に破砕するのを促進する。
【0063】
前の実施形態と同様、側部注入口112、114は異なる大きさであってもよく、2以上の注入口が備えられていてもよい。例えば、図4に示すものと同様な方法で、2又はそれ以上の側部注入口がチャンバーの縦方向に沿って注入口112、114と一列に間隔をあけて設けられてもよい。
【0064】
図2及び3に示す実施形態においては、側部注入口12、14、112、114は、流体の流れを実質的に互いに平行にチャンバー10、110へ導入するよう構成される。これは特に有利な配置と考えられているが必須でなく、チャンバー壁の反対側の湾曲部分に接する前に流体の流れが交差するのであれば、側部注入口が互いにある角度を持って配置されていてもよい。
【0065】
図5は、本発明の別の実施形態を示す。図2に示す実施形態と同様、チャンバー210は、流体を反対側からチャンバーに導入する2つの側部注入口212、214を有する。この実施形態では、注入口に直接隣接するチャンバー壁に流体が接し、従来の渦と同様の方法で回転させられるように、側部注入口212、214は、流体をチャンバーの接線方向に導入するよう配置される。しかし、すべての注入口が流体をチャンバーの同じ周方向に導入する従来の渦と異なり、この実施形態の側部注入口212、214は、流体をチャンバー210の周方向に逆向きに導入し、その結果、側部注入口212、214からの流体流がチャンバーの周りを逆回転し、流体流の一方が他方の下に押し込まれるように互いに衝突する。このことはチャンバー内で乱流を増大させ、最終スプレーで液滴を微小にし、完全円錐をもたらす。側部注入口212、214の一方が注入口オリフィス212、214の他方より大きくてもよい。
【0066】
流体をチャンバーの接線方向であるが、周方向に逆向きに導入するよう配置される注入口は、ここで逆接線と呼ばれる。
【0067】
流体をチャンバーの周方向に逆向きに導入するため、側部注入口の少なくとも2つが逆接線方向に配置されるのであれば、前の実施形態と同様、チャンバー210が2以上の側部注入口212、214を有してもよい。例えば、チャンバーの両側に複数の側部注入口が備えられていてもよい。
【0068】
図2に関して上記した出口16と同様の方法で、チャンバー210は、チャンバーの下流端の中心に位置してよい少なくとも1つの出口オリフィスを有する。出口はノズル装置の最終出口若しくは出口オリフィスであってもよく、又はチャンバーから出る流体を、出口オリフィス若しくはオリフィスへ通じるノズル装置内のさらなる流路の一部へ導入してもよく、又は別のチャンバーへ導入してもよい。
【0069】
チャンバー210は円形の断面を有するものとして示されているが、これは必須ではない。実際、この実施形態において、流体に回転又はスピン運動を与えるために、注入口が壁の接線方向に流体を導入できるのであれば、チャンバーの壁が湾曲していることは必須ではない。
【0070】
上記したすべての実施形態において、側部注入口12、14、112、114、212、214は、チャンバーの縦軸Yに垂直な共通平面上に一対で示される。しかし、このことは必須ではなく、縦軸に垂直な異なる平面上に側部注入口が位置することも可能である。
【0071】
さらに、記載された実施形態のすべてにおいて、1又はそれ以上の付加的な注入口が上流端からチャンバー10、110、210に入ってもよい。これは、上流端壁22を通り、流体をチャンバー10に縦方向に導入する1個の注入口20を破線で示す図1に説明されている。図1には付加的な注入口が1つのみ示されているが、1以上の付加的な注入口が設けられてもよい。
【0072】
すべての側部注入口は、液体又はガスであってよい同一の流体をチャンバーに供給するよう構成されてもよい。その代わりに、1又はそれ以上の側部注入口が第1の流体をチャンバーに供給し、残りの側部注入口が第2の流体を供給するよう構成されていてもよい。第1及び第2の流体は異なる液体から成ってもよく、又は第1の流体が液体であり他が空気などのガスであってもよい。
【0073】
チャンバー10、110、210が1又はそれ以上の付加的な注入口20を有する場合、空気などのガスを前記1又はそれ以上の付加的な注入口を通って概ね縦方向にチャンバーに導入し、液体が側部注入口を通ってチャンバーに供給されるのが特に有利であると考えられる。
【0074】
上記実施形態において、渦流チャンバー10;110;210はすべて平らな上流及び下流端壁部分を有する。このことは必須ではなく、端部はあらゆる適切な形状とすることができる。特定の例では、チャンバーの1つ又は両方の端が先細りになっていて円錐又は截頭円錐(frusto-conical)形状を形成してもよい。このようにして、チャンバーの上流端は、上流端からチャンバーの縦に沿って離れた位置へ外側に先細っていてもよく、及び/又はチャンバーの下流端は、チャンバーの縦に沿って離れた位置から下流端へ内側に先細っていてもよい。しかし、一方又は両方の先細りになる(taper)方向は逆であってもよい。さらに、チャンバーの上流端は、チャンバー内へ離れて延びると共にその周りにチャンバー内の流体が回転する先細りの突起を有してもよい。この配置は図4の破線24によって説明されている。
【0075】
前に記載した実施形態はすべて、チャンバーの縦に沿った縦の中心線に平行に延びるのを除き、チャンバーの縦の中心線周りに(横断面で見たとき)湾曲する側面を持つ円筒形の渦流チャンバーを有する。ドーム状の表面部分を形成するため、少なくとも表面の一部がチャンバーの縦にも湾曲する渦流チャンバーを形成すると特に有利であると考えられている。図6から図14を参照して記述されるように、いくつかの渦流チャンバーの実施形態は1又はそれ以上のドーム状表面領域を有する。
【0076】
図6aから図6cは、本発明に従うノズルのさらなる実施形態の図式化部分を示す。ノズルは本体300、及び破線によって隠れた (hidden)細部が示される渦流チャンバー310を含む。渦流チャンバー310は2つの概ね半球状の表面領域310a、310bを有する。第1の半球面領域310aはチャンバーの上流端を形成し、一方で他の半球領域310bはチャンバーの下流端を形成し上流部分310aより小さい半径を持つ。チャンバーはさらに、大きな半球領域310aの下流端と、小さな半球領域310bの上流端との間に環状の平面領域310cを有する。出口オリフィス316は、下流半球領域310bの中心軸上に位置する。
【0077】
渦流チャンバー310は、チャンバーの上流端に2つの非接線注入口312、314を有する。注入口312、314はチャンバーの両側の異なる平面上に配置され、図6bに示すようにチャンバーの縦軸Yに対し約30度の角度をなし、チャンバーの平面部分310cに向かって互いに分岐する流路(図6bの矢印Zで表される)に沿って流体を導入する。使用時に、注入口からの流体流は平坦な壁部分310cに角度を持って衝突し、流体は上流半球領域310aの湾曲面に向かって後方及び外側へ偏向させられ、そこで流体はチャンバーの周りに回転又はスピンさせられる。注入口312、314はチャンバーの両側に逆向きに角度を付けられているため、図6aの矢印に示されるように、両方の注入口からの流体流はチャンバー310の周りを同じ周方向に回転させられる。
【0078】
上記したように、流体がチャンバーの平面310cに衝突する前に少なくともチャンバーの一部を横断するよう、注入口312、314は上流半球領域310aの表面に非接線方向に並ぶ。流体流がチャンバーの表面310cに接する前に交差しないよう、かつ流体流が出口オリフィス316の中心線を横断しないように注入口が配置される。
【0079】
本実施形態では双方の注入口が同じ大きさであるが、別の実施形態では、一方の注入口が他の注入口より大きな断面積を有していてもよい。
【0080】
チャンバー310がドーム状又は一部球状の表面領域310a、310bを有するので、上流端を通ってチャンバーに入り、チャンバー表面へ概ね縦方向にチャンバーに流体流を導入して流体を回転又は旋回させるように注入口312、314を配置することができる。このことは、湾曲した円筒側面に沿って注入口が流体を側方からチャンバー内に導入するため、側部流路手段を必要とする従来の円筒形渦流チャンバーに対し、有利である。チャンバーの上流端を通って入る注入口は、側部流路に比べて一般に製造が容易であり詰まりも少ない。さらに、側部流路を必要とせず、横方向に必要な空間が少ないため、渦流チャンバー310を省スペースで取り付けることができる。このことは又、出口オリフィスによって生成されるスプレーが重なり合うか接触するよう、多数の上記渦流チャンバーを極めて接近し隣り合って配置させることができる。
【0081】
すべての注入口は同一の液体又は溶液をチャンバー310に導入するように配置されていてもよい。その代わり、溶液と混合するために第2の液体又は空気などのガスでさえもチャンバー310に導入するよう、1又はそれ以上の注入口を配置することもできる。ガスが導入される場合、1又は複数のガス注入口はチャンバーの上流端又は側方を通って提供され得る。
【0082】
注入口312、314の数及び配置は必要に応じて変えることができる。少なくとも2つの注入口が好ましいが、出口オリフィスから離れた向きであるが、上流端からの単一の注入口を使用することができる。
【0083】
図7から図14は、少なくとも1つのドーム状又は一部球状の表面領域を持ち本発明に従うノズル装置に組み込むことができる、多くの別の渦流チャンバー装置を示す。
【0084】
図7aから図7cに示されるチャンバー410は、注入口412、414が1つの流路から分岐するものとして示されることを除き、図6aから図6cに示されるものと同様である。一方の注入口412は他方の注入口414より大きな断面積を有する。
【0085】
図8aから図8cは、チャンバーの下流端の中心軸に位置する1つの出口オリフィスを備えた球面を有するチャンバー510を示す。注入口512、514はチャンバーの上流端に備えられ、上記チャンバー310と同様な方法で配置されている。チャンバーの下流端の湾曲した表面に流体が接するよう、注入口は流体をチャンバーの非接線方向に導入し、流体はチャンバー内で回転又は旋回させられる。
【0086】
図9aから図9cに示す装置において、チャンバー610は、上流端に位置する湾曲した表面領域と、チャンバーの縦軸Yに一致する中心軸とを有する半球状をなしている。1個の出口オリフィス616がチャンバーの平坦な下流端壁の中心に位置する。2つの非接線注入口612、614はチャンバーの上流端を通って入り、上記チャンバー310と同様な方法で流体を平坦な下流端壁に角度を持って導入し、その結果、流体はチャンバー内へ後退し、さらにチャンバーの湾曲面の外側に偏向し、そこで流体はチャンバーの周りに回転させられる。
【0087】
図10aから図10cは、チャンバーの下流領域が出口オリフィス716に向かって先細りしている円錐面領域710bを有することを除き、上記チャンバー310と同様な渦流チャンバー710を備えたノズル装置を示す。
【0088】
複数の出口オリフィス816を備えた渦流チャンバー810を組み込んだノズル装置が図11a及び図11bに示される。チャンバー810は、半球面を持つ上流領域810aと、下流領域に3つの出口オリフィス816とを備える。各出口オリフィスは、個々のドーム状又は半球状のチャンバー領域830の先端に位置する。チャンバーは、図6aから図6cに対応する上記チャンバー310のものと同様な方法で、チャンバーの上流端に位置する2つの非接線注入口812、814を有する。本実施形態では、メインチャンバーの周りに回転するのと同様に、流体が出口オリフィス816に隣接する個々のドーム状領域830の周りに回転する。
【0089】
図12aから図12cは、図6aから図6cに対応する上記チャンバー310と同様な渦流チャンバー910を備えたノズル装置を示す。しかし、この実施形態では、チャンバー910は、チャンバーの上流端910aの周りに空間をあけて配置される4つの注入口912a、912b、914a、914bを有する。注入口は流体を非接線方向にチャンバー内に導入し、その結果、流体流は環状の平面領域910cに接し、さらに湾曲した上流半球面910aの後方かつ外に向かって偏向し、そこで流体はチャンバーの周りに回転又は旋回させられる。
【0090】
図13aから図13cに示すノズル装置は、連結面領域1010dによって分離される上流半球面領域1010aと下流半球面領域1010bとを有する渦流チャンバー1010を備える。2つの半球面領域1010a、1010bは同じ大きさであるが、連結領域1010dはこれより小さい半径を有する。この実施形態の連結領域1010dは、内側へ向かって先細り、中央で頂点に至る表面を有するが、別の実施形態では連結領域は円筒面を有してもよい。チャンバー1010は、図6aから図6cに対応する上記チャンバー310の注入口312、314と同様、2つの非接線流体注入口1012、1014を有する。1つの出口オリフィス1016が下流半球面領域1010bの中心に備えられている。
【0091】
上記実施形態は様々に変更できることは理解されるべきである。例えば、連結部分1010dの大きさや形状は変えることができる。従って、連結部分は2つの半球領域1010a、1010bと同じ半径とすることができるし、又、2つの半球領域1010a、1010bを分離する円筒面領域を形成することができる。その代わりに、2つの半球領域1010a、1010bの相対的な大きさを変更することができる。従って、下流半球領域1010bを上流半球領域より小さくすることができるし、その逆とすることもできる。
【0092】
図14aから図14cに示されるノズル装置の渦流チャンバー1110も又、図6aから図6cに対応する上記渦流チャンバー310と同様であるが、唯一の違いは、この実施形態のチャンバー1110は、小さい上流半球面領域1110bを囲む環状表面領域1110dを有することである。環状表面領域はチャンバーの上流端に向かって開口し、注入口1112、1114はチャンバーの上流端から流体をチャンバーの非接線方向に導入し、その結果、流体流が環状表面領域1110dの凹面に接してチャンバーの周りに回転又は旋回させられる。環状部1110dは断面が概ねU字状の環状領域を有し、それは小さな下流半球領域を囲む。
【0093】
図6から図14に示される実施形態は、ドーム状表面領域がどのようにノズル装置の渦流チャンバーに組み込まれるかを示す例に過ぎないことは理解されるべきである。示された種々の実施形態は多くの方法で変更することができる。例えば、示されたいかなる実施形態も、標準的な接線注入口、逆向き接線注入口又は非接線注入口であってよい1又はそれ以上の注入口を備えることができる。さらに、示されたいかなる渦流チャンバーも、1以上の出口オリフィスを有することができる。
【0094】
表面は一部球状、半球状または球状であるとして記述されたが、流体がチャンバーの周りにスピン又は回転するのを促進する限り、表面が完全に球状又は一部球状である必要はないことは理解されるべきである。
【0095】
実験では、チャンバーの横方向だけでなく縦方向にも湾曲するドーム状の表面領域を有する渦流チャンバーは、同様な動作条件での従来の同等の渦流チャンバーに比べ、完全円錐かつ微小液滴を有する改良されたスプレー性能を実現することが見出されている。
【0096】
ここに記述されたいかなる実施形態に従うチャンバーも、従来の渦流チャンバーに比べて都合良く大きく製造できることがわかった。公知の渦流チャンバーは一般に直径1mmから2mmの範囲にあるが、本発明に従うチャンバーは、直径又は幅6mmの大きさに至るまで有効であることがわかった。特に3mmから5mm、とりわけ4mmの直径/幅を持つ本発明に従うチャンバーは、有利な結果をもたらすことがわかった。チャンバーはあらゆる適切な長さとすることができるが、一般には0.3mmから10mmのどの長さとしてもよい。大抵の用途ではチャンバーが0.5mmから3mmの長さを持つことが期待される。逆向き接線注入口を有するチャンバーはより短い0.5mmから4mmの長さを持ち、0.5mmから1.5mmの長さが好ましい。
【0097】
本発明に従うノズル装置の一部を形成する渦流チャンバーは、旋回する液体の中心に空気芯を生成することに依存しない。これは、渦流チャンバーがノズル装置の最終スプレーオリフィスに隣接する場合にのみ使用されるべきでなく、最終スプレーオリフィスから上流で使用でき、さらには従来の渦流チャンバー又は本発明の任意の態様に従う1つであってよい少なくとも1つの他の渦流チャンバーと直列であっても使用できることを意味する。1つの有利な装置において、2つの渦流チャンバーが直列に配置され、それらの間の流路には膨張チャンバーが備えられる。
【0098】
渦流チャンバーが最終出口又はスプレーオリフィスに隣接して配置される場合、本発明に従うノズルは、広いスプレー円錐角であっても中空円錐でなく完全円錐スプレーパターンを生成するであろう。このノズルはさらに、従来の類似の渦を持つノズルより微小な液滴サイズで、かつ狭い液滴サイズ分布を有するスプレーを生成するであろう。生成されたスプレーは、従来の類似の渦を持つノズルより軸方向に高い速度成分を持つ放物線のようなパターンを有する。その結果、本発明に従うノズルによって生成されたスプレーは従来の渦に比べ、長い浸透距離を有し、出口オリフィスからの距離による平均液滴サイズの増加率が小さい。
【0099】
本発明に従うノズル装置は、エアロゾル又は手動ポンプディスペンサーを含む幅広い種類の用途、並びに噴霧ノズル及びエンジン等の燃料噴射システムを含む多くの工業用途に使用することができる。本発明に従うノズル装置は、0.5barから250bar又はそれ以上にわたる動作圧力で、溶液を含むいかなる粘度の流体への使用に適合する。
【0100】
上記した好ましい実施形態では、ノズル装置は、特に低コストで大量生産に適した射出成形技術を用いたポリマー材料から製造される。しかし、本発明は、あらゆる適切な技術を用いたあらゆる適切な材料から製造されるノズル装置を包含することは理解されるべきである。一般にノズルは、渦流チャンバーを規定するために組み合わされる2つの部分を有する本体を含む。この部分はそれぞれ接合面を有していてもよく、それは他の部分の対応する接合面と結合する。2つの部分が組み立てられた時に渦流チャンバーを規定するため、一連の溝及び/又は凹部が少なくとも1つの接合面に形成されてもよい。一般に、対応する溝及び/又は凹部が両方の部分の接合面に形成され、2つの部分が組み立てられた時、それらの間で渦流チャンバーを規定する。
【0101】
本発明は、現在のところ最も実用的で好ましい実施形態と考えられるものに関して記述されたが、本発明は開示された装置に限られるのでなく、本発明の範囲内で種々の変更及び均等な構成に及ぶことを意図することは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に従うノズル装置の一部を形成する渦流チャンバーの略断面図であり、図は前記チャンバーの長手方向軸Yを含む平面を通って得られる。
【図2】図1のX−X線に沿って得られた略断面図である。
【図3】図2に類似する図であるが2つの注入口オリフィスが同じ側からチャンバーに入るチャンバーの代替実施形態を示す図である。
【図4】図1に類似する図であるがチャンバーのいずれかの側に複数の注入口オリフィスが備えられた他の代替実施形態を示す図である。
【図5】図2に類似する図であるが2つの注入口オリフィスが流体をチャンバーの接線方向に逆向きに導入するよう配置されるさらに他の代替実施形態を示す図である。
【図6a】本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部の正面概略図である。
【図6b】本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部の側面概略図である。
【図6c】本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部の平面概略図であり、渦流チャンバーの隠れた細部が破線で示される。
【図7a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図7b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図7c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図8a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図8b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図8c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図10a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図10b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図10c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図11a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図11b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図11c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図12a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図12b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図12c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図13a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図13b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図13c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図14a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図14b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図14c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノズル装置に関する。特に、但しそれに限られることなく、この発明は、圧力下でノズル装置を通って流れるようにされる流体のスプレーを生成する際に用いるノズル装置に関する。この発明は又、かかるノズル装置を組み込んだディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルは、様々な流体のスプレーを生成する手段を提供するためにしばしば使用されている。特に、容器に貯えられた流体が噴霧スプレー又は霧の形態で分注され得る手段を提供するため、ノズルは一般にいわゆる"エアロゾル容器"とよばれる加圧された流体で満たされた容器の出口弁に取付けられるアクチュエータ(actuator)に組み込まれる。例えば、制汗スプレー、消臭スプレー、香水、芳香剤、消毒剤、塗料、殺虫剤、つや出し剤、ヘアケア製品、医薬品、水及び潤滑剤を含む形態で、多数の市販品が消費者に提供されている。これに加えて、ポンプ又は引金で動作するノズル装置、すなわち、前記装置と一体部分を構成し手動で操作可能なポンプ又は引金の操作によって非加圧の容器から流体の放出が行われる装置も又、しばしば特定の流体製品の噴霧スプレー又は霧を生成するために用いられる。ポンプ又は引金ノズル装置を用いて一般に分注される製品の例は、種々の園芸及び家庭用品のスプレーと同様、種々の化粧水及び殺虫剤を含む。
【0003】
エアロゾル容器用のノズルは通常、エアロゾル弁から延びるステム(stem)の端に位置するアクチュエータに組み込まれ、又、ノズルの多くの機構をエアロゾル弁それ自体に、及び/又はステムに直接組み込むことが提案されている。従って、ここでノズル装置についての言及は、エアロゾル容器出口弁のステムに取付けられる分離した構成要素を形成するか又は手動で操作可能なポンプ又は引金の一部となるノズル装置だけでなく、エアロゾル出口弁又はステムに組み込まれるノズル装置に及ぶことを意図することは理解されるべきである。
【0004】
又、ノズル装置は、流体のスプレーを生成する必要がある種々の工業用途に用いられる。例えば、噴霧ノズルは、園芸及び冷却用途に用いられる。又、ノズル装置は、エンジンなどの燃料噴射システムの一部としてしばしば用いられる。
【0005】
流体が加圧下でノズル装置を通って流れる時にスプレーが生成される。スプレーを形成するため、前記ノズル装置は、ノズルを通過する流体流が壊れて又は「噴霧化」(atomize)して多数の液滴になり、1又はそれ以上の出口オリフィスから放出されるように構成される。
【0006】
スプレーに要求される液滴の最適な大きさは、主として関係する個々の製品、及びそれが意図する用途による。例えば、患者(例えば、喘息患者)によって吸入される薬物を含む医薬品スプレーは、肺に深く浸透できるように通常は極めて小さな液滴を必要とする。これに対し、つや出しスプレーは、つや出しされる表面にエアロゾル液滴が衝突するのを促進すると共に、特にスプレーが毒性の場合に吸入される程度を減らすよう、好ましくはより大きな直径のスプレー液滴を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のノズル装置によって形成されるエアロゾル液滴の大きさは、出口オリフィスの大きさ、及び流体がノズルを通過させられるための圧力を含む多くの因子に影響される。しかし、微小で粒径分布が狭い液滴を含むスプレーを形成したい場合、特に低圧の場合に問題が生じる。スプレーを生成するために低圧を用いることは、より高価な加圧容器の代わりに手動で操作可能なポンプ又は引金スプレーのような低圧のノズル装置を使用することを可能とし、さらに加圧された流体で満たされた容器については、スプレーに存在する高圧ガスの量を下げるか、又は一般に更に低い圧力を形成する別の高圧ガス(例えば、圧縮ガス)を使用することができるので、ますます好都合である。エアロゾル容器に使用される高圧ガスのレベルを下げる要求は現在の時事的話題となっており、幾つかの国で立案された携帯用のエアロゾル容器に使われる高圧ガスの総量に規制を課すことを提案する法律のため、将来は更に重要になってくると思われる。高圧ガスのレベルを下げることは、ノズル装置を通る流体を推進するのに利用できる圧力の低下をもたらすと共に、また液滴を破壊し易くするため混合物中に存在する高圧ガスを少なくする。そのため、低圧において微小な液滴から成るエアロゾルスプレーを形成できるノズル装置への要求がある。
【0008】
従来のノズル装置に取付けられる周知の加圧型のエアロゾル容器についての更なる問題は、エアロゾル容器の寿命の間、特に、高圧ガスが除々に減少するに従い容器内の圧力が低減するにつれエアロゾル容器の寿命が最後に向かうにつれて、生成されたエアロゾル液滴の大きさが増大する傾向にあることである。この圧力低下は、生成されるエアロゾル液滴の目に見える増加を引き起こし、更に、これにより生成されたスプレーの質が低下する。
【0009】
低圧で高品質のスプレーを提供する問題は、流体を充分に小さな液滴に霧化するのが困難になるため、関与する(concerned)流体が高粘度を有する場合にさらに深刻になる。
【0010】
上記に述べた問題を克服するか、又は少なくとも軽減するため、ノズル装置を改良する種々の提案がされてきた。
【0011】
例えば、出口オリフィスを通ってチャンバーを出る前に流体に回転が与えられるよう、ノズル装置に渦流チャンバーを組み込むことが知られている。一般に、公知の渦流チャンバーは、チャンバーの下流端又は前方端の壁内部の中央に位置する出口オリフィスを備えた円筒形のチャンバーを含む。チャンバーの側部には、流体がチャンバー内で回転するよう、流体を円筒壁の接線方向に向けさせる1又はそれ以上の流体注入口が設けられている。1以上の注入口オリフィスが存在する場合、すべての注入口オリフィスは、流体をチャンバー内の同じ円周方向に供給する。出口オリフィスから円錐スプレーパターンを形成する際に、渦流チャンバーは特に有用である。
【0012】
渦流チャンバーに関し、ここで使用される用語"下流端"及び"上流端"は、チャンバーを通る流体の一般的な運動方向におけるチャンバーの端を示す。従って、前記"下流" 端は、流体がチャンバーを出る端部であり、この部分で出口が形成され、一方で前記"上流"端は前記下流端と反対側の端である。
【0013】
一般的に知られている渦流チャンバーは、ベノイスト(Benoist)の米国特許6367711 B1に記載されている。この装置では、外郭の中心に円筒形チャンバーを規定するため、4つの外郭(profiles)が輪になって配置されている。隣接する外郭(profiles)の間の空間は、流体に旋回運動を与えるよう、流体を中央チャンバーの接線方向に向けさせる注入口を形成する。チャンバー下流端の壁の中央に、スプレーオリフィスが設けられている。
【0014】
又、本出願人の国際特許出願WO01/89958に開示されているように、最終エアロゾルにおける液滴のサイズとサイズ分布の調整手段として、最終出口オリフィスから上流に間隔を空けたことを除き(but)、渦流チャンバーをノズル装置内に組み込むことは有益であると考えられてきた。
【0015】
多くの公知の渦流チャンバーは、一般に液体である流体が出口オリフィスを出る際にそれの周りに回転する空気芯を生成する。前記空気芯は、液体がチャンバー内で回転する際に渦巻を形成する結果として生成され、液体は出口オリフィスの中心を通ってノズルの外側から空気芯を引き込む。空気芯を生成する渦流チャンバーは、中空円錐形のスプレーを生じさせるとともに、ノズルの最終出口スプレーオリフィスに隣接した場所でのみ用いられる。
【0016】
従来の渦流チャンバーは有効であると考えられてきたが、生成されるスプレー品質をさらに向上させるため、又は従来の渦流チャンバーを用いて生成されたものとは異なる特性のスプレーを生成するために使用可能な別の渦流チャンバー構造を有するノズル装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは少なくとも1つの湾曲した表面領域と、前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、前記少なくとも1つの注入口は、前記注入口の反対側の前記チャンバーの表面領域に接する前に、前記注入口から少なくとも前記チャンバーの一部を横切って延びる経路に沿って流体を前記チャンバーの非接線方向に導入するよう構成され、前記装置は、使用時に前記チャンバーに入る流体が前記少なくとも1つの出口オリフィスを通って前記チャンバーから流出する前に前記チャンバー内で回転させられるようになっているノズル装置が提供される。
【0018】
各注入口に直接隣接するチャンバーの表面に対し、前記チャンバーの非接線方向に流体を導入するよう構成される2又はそれ以上の注入口が存在してもよい。前記2又はそれ以上の注入口は、前記チャンバー内で交差しない経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。前記2又はそれ以上の注入口は、実質的に平行な経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも1つは、前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも他の1つより大きい断面積を有してもよい。
【0019】
前記少なくとも1つの非接線方向注入口は、使用時に流体が前記チャンバーの湾曲した表面領域へ導入されるよう構成されてもよい。
【0020】
前記チャンバーは円筒形の表面部分を有し、前記少なくとも1つの注入口は、流体を前記円筒形の表面部分へ導入するよう構成されてもよい。
【0021】
前記チャンバーの縦軸に実質的に垂直な共通平面(common plane)に配置された2又はそれ以上の注入口が存在してもよい。
【0022】
2つの注入口からの流体流が実質的にチャンバーの同じ周方向に前記チャンバーの周囲を回転させられるよう、前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの反対側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。その代わり、前記2つの注入口からの流体流が前記チャンバーの周方向に前記チャンバーの周囲を概ね逆回転させられるよう、前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの同じ側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。
【0023】
少なくとも1つの別の注入口が前記チャンバーの上流端に存在してもよい。
【0024】
前記チャンバーの表面の少なくとも一部は、該チャンバーの横方向と縦方向とに湾曲していてもよい。前記チャンバーの表面の少なくとも一部は、ドーム状(dome-like)、概ね球状又は概ね一部球状であってもよい。
【0025】
本発明の第2の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、前記チャンバーの表面の少なくとも一部がチャンバーの横方向と縦方向とに湾曲するノズル装置が提供される。
【0026】
特にチャンバーの上流端において、前記チャンバーの表面が概ねドーム状又は一部球状の少なくとも1つの領域を含んでもよい。
【0027】
前記チャンバーはさらに、概ねドーム状又は一部球状の表面領域を有する下流部分を含んでもよい。前記上流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域は、前記下流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域に比べて大きな半径を有してもよい。
【0028】
前記上流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域は、前記チャンバーの中間部分によって前記下流部分の概ねドーム状又は一部球状の表面領域から分離されていてもよい。
【0029】
前記チャンバーは概ね球状であってもよい。
【0030】
前記チャンバーは、概ね円錐面の領域を持つ下流部分を含んでもよい。
【0031】
前記チャンバーは複数の出口オリフィスを有し、各出口オリフィスは前記チャンバーの概ね一部球状又はドーム状の表面領域に別々に位置されてもよい。各出口オリフィスは、個々の一部球状又はドーム状の表面領域の中心軸(polar axis)上に位置されてもよい。
【0032】
前記チャンバーは、ドーナツ状部分(section)に形成された表面領域を有してもよく、それは前記少なくとも1つの出口オリフィスの周囲の前記チャンバーの下流部分に位置されてもよい。前記ドーナツ状部分表面領域の内側に、前記チャンバーの概ね一部球状又はドーム状の表面領域が位置されてもよい。
【0033】
前記少なくとも1つの注入口が前記チャンバーの上流端領域(region)に設けられてもよい。前記少なくとも1つの注入口は、前記チャンバーの縦方向に延びる経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成されてもよい。2又はそれ以上の注入口が存在してもよく、各注入口は前記チャンバーの上流端領域に設けられる。
【0034】
前記注入口、又は各注入口は、前記注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面に対し非接線方向に流体を前記チャンバーに導入するよう構成されてもよく、前記装置は、前記チャンバーに入る流体が前記チャンバーの表面に接する前に少なくとも前記チャンバーの一部を横切って前記注入口から導入されるようにしてもよい。
【0035】
前記チャンバーは2又はそれ以上の注入口を有してもよく、前記チャンバーは少なくとも2つの前記注入口からの流体流が前記チャンバー内で周方向に概ね逆回転するように構成されてもよい。
【0036】
4又はそれ以上の注入口が存在してもよい。
【0037】
本発明の第3の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、前記少なくとも2つの注入口は、それぞれの注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面の接線方向に流体を導入するようそれぞれ構成され、少なくとも2つの注入口は、使用時に流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置されるノズル装置が提供される。
【0038】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの同じ側から前記チャンバーに入ってもよい。
【0039】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの縦軸に垂直な共通平面に設けられてもよい。
【0040】
前記注入口の1つは少なくとも他の1つの前記注入口より大きい断面積を有していてもよい。
【0041】
2以上の注入口が存在し、その場合、使用時に、少なくとも2つの前記注入口は、流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置されてもよい。
【0042】
前記チャンバーの縦に沿って間隔をあけて配置されるよう、前記チャンバーの縦軸に垂直な複数の異なる平面に複数の注入口が設けられていてもよい。前記異なる平面のそれぞれに少なくとも2つの注入口が存在してもよく、使用時に、それらは流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう流体の流れを前記チャンバー内に導入するように配置されてもよい。
【0043】
本発明の第4の態様によれば、渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置し、それを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、少なくとも1つの前記流体注入口は、少なくとも他の1つの前記流体注入口より大きい断面積を有するノズル装置が提供される。本発明の第4の実施態様に従うノズルは、本発明の第1、第2及び第3の実施態様のいかなる特徴を含んでもよい。
【0044】
本発明の種々の態様において、前記渦流チャンバーは、前記チャンバーの下流端の中心に配置される単一の出口オリフィスを有してもよい。その代わり、前記渦流チャンバーは、複数の出口オリフィスを有してもよい。前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記ノズル装置の最終スプレーオリフィスであってもよい。その代わりに、前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記チャンバーから流出する流体を、前記ノズル装置の前記最終出口オリフィス又は他のオリフィ)から上流にある前記ノズル装置の延長部分に導入してもよい。
【0045】
前記渦流チャンバーが1以上の注入口を有する場合、すべての前記注入口が流体源から同一の液体を前記チャンバーに供給するよう配置されてもよい。その代わりに、少なくとも1つの前記注入口が第1の流体源から第1の液体を前記チャンバーに供給するよう配置されてもよいし、かつ、少なくとも1つの他の注入口が第2の流体源から異なる流体を前記チャンバーに供給するよう配置されてもよい。前記異なる流体はガスであってもよい。
【0046】
本発明の種々の態様において、前記ノズル装置は、互いに並列又は直列に配置される2又はそれ以上の渦流チャンバーを含んでもよい。膨張(expansion)チャンバーと直列に配置される2つの渦流チャンバーが存在してもよく、膨張チャンバーは前記2つの渦流チャンバー間の流路に配置される。
【0047】
本発明の種々の態様において、前記出口オリフィス又は各出口オリフィスを通って前記ノズル装置から流出する流体は、空気芯を含まない完全円錐の霧化スプレーを形成してもよい。
【0048】
本発明の第5の態様によれば、本発明のこれまでの実施態様のいずれか1つに従うノズル装置を含むディスペンサーが提供される。
【0049】
添付の図を参照し、本発明のいくつかの実施形態が一例として記述される:
図1は、本発明に従うノズル装置の一部を形成する渦流チャンバーの略断面図であり、図は前記チャンバーの縦軸Yを含む平面を通って得られる。
図2は、図1のX−X線に沿って得られた略断面図である。
図3は、図2に類似する図であるが、2つの注入口オリフィスが同じ側からチャンバーに入るものとしたチャンバーの別の実施形態を示す図である。
図4は、図1に類似する図であるが、チャンバーのいずれかの側に複数の注入口オリフィスが備えられた他の代替実施形態を示している。
図5は、図2に類似する図であるが2つの注入口オリフィスが流体をチャンバーの接線方向の逆向きに導入するよう配置されるさらに他の代替実施形態を示している。
図6a、6b及び6cは、本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部のそれぞれ正面概略図、側面概略図及び平面概略図であり、渦流チャンバーの隠れた細部が破線で示される。
図7a、7b及び7cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示している。
図8a、8b及び8cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図9a、9b及び9cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図10a、10b及び10cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図11a及び11bは、それぞれ図6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図12a、12b及び12cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図13a、13b及び13cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
図14a、14b及び14cは、それぞれ図6a、6b及び6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示している。
【0050】
最初に図1及び2に関し、本発明に従うノズル装置に使用されるチャンバー10が図式的に示される。ここに記載されるすべての実施形態と同様、特にスプレー状に流体源から流体を分注するのに適したあらゆるノズル装置にチャンバー10を組み込むことができる。例えば、ノズル装置は、エアロゾル容器の出口弁に嵌め込まれるアクチュエータ又は他の構成要素に組み込まれてもよい。その代わりに、前記チャンバーが前記出口弁それ自体又は前記出口弁から突出するステム(stem)に組み込まれてもよい。前記チャンバーは、非加圧型容器から流体を噴霧するのに適した手動ポンプ又は引金式ディスペンサーのノズル装置に組み込まれてもよい。前記チャンバーはさらに、工業用ノズル又は燃料噴射ノズルの一部を形成してもよい。
【0051】
図2に示すように、前記チャンバー10は円形断面を持つ円筒状をなしている。流体は、反対側から前記チャンバーに入る2つの側部注入口12,14を通って前記チャンバー10に供給される。出口16は、前記チャンバー10の下流端を規定する壁18の中心に位置している。
【0052】
ここに開示されたすべての実施形態と同様、出口16は、ノズル装置の最終スプレー出口オリフィスであってもよく、又は出口16は、ノズル装置内で出口オリフィス若しくはオリフィスに通じる更なる流路の一部又は追加のチャンバーに、チャンバーから流出する流体を導入してもよい。出口16は、チャンバーの下流端壁の中心に位置している必要はないが、チャンバー内のあらゆる適切な場所に位置させることができる。特定の用途においては、1以上の出口16が提供されてもよい。
【0053】
図2から最も理解されるように、側部注入口12、14は、互いに対してオフセットされるとともに、注入口に直接隣接するチャンバーの壁に対して接線でない方向に流体をチャンバー内に導入するよう配置され、前記チャンバーの反対側の壁部分に接する前に2つの流体流を交差させない。これは流体流を、湾曲している反対側の壁部分にチャンバーを横切って向けさせることになる。流体流が反対側の壁部分に当ると、流体の一部が壁から跳ね返り、流体に過流運動を与えるための壁部分の湾曲のため、一部がチャンバー内で回転させられる。図2に示すように配置された側部注入口12、14により、流体流はチャンバーの周囲で同じ円周方向に回転する傾向にあり、図に示した装置においては時計周りとなる。
【0054】
この装置は、チャンバーの周囲を円周方向に動くように注入口がチャンバーの内壁面の接線方向に流体を導入する従来の渦流チャンバーとは異なる。注入口が入り込む渦流チャンバーの壁表面に対して接線でない方向で渦流チャンバーに流体を導入する注入口は、一般に非接線注入口と呼ばれる。
【0055】
本出願人は、従来の同等の渦流チャンバーに比べ、非接線注入口を持つ渦流チャンバーが微小液滴を有すると共に完全で広範な円錐状のスプレーを生成することを見出した。渦流チャンバー内で非接線注入口を用いる利点は、チャンバーに入る流体が、注入口に隣接するチャンバーの壁に直接導入される従来の渦流の流体と同じレベルの摩擦を受けないことにあると考えられる。このように、非接線注入口を用いると流体のエネルギー損失を低減するので、流体の破砕又は霧化を補助するために流体内により多くのエネルギーが存在するため、低い操作圧においても渦が優れたスプレーパターンを生成することができる。又、このことは、例えばその粘度のため他の方法では霧化が困難な溶液(solutions)にノズルを有効に用いることを可能とする。
【0056】
一般に、注入口の流れが渦流チャンバー壁の表面から遠くなるほど、ノズルのスプレー特性が向上することが観察されてきた。しかし、流れが出口オリフィスと重なることは望ましくなく、互いに影響を及ぼすことは望ましくない。
【0057】
チャンバー内の流体に回転運動を与えるためには、流体流が導入されるチャンバー表面が湾曲していることが都合がよい。本実施形態においてチャンバー10は円形の断面を有するが、このことは必須ではなく、流体流が導入され得る湾曲した壁の一部又は壁部分をチャンバーが有していれば、非円形断面を有するチャンバーを使用することができる。
【0058】
図1及び2に示すように、側部注入口12、14は同じ大きさであるが、特定の用途では片方の注入口が他方の注入口より大きい方が有利であることがわかっている。断面積の異なる注入口を用いると異なる速度を持つ流体の流れが生成し、チャンバー内で流れが混ざると、速度差は流体の破砕を促進するのに有利な付加的な乱流を引き起こすと考えられる。その結果、特にスプレーパルス(pulse)の端に向かって、ノズルは微小な液滴サイズを持つスプレーパターンを生成する。
【0059】
異なる大きさの注入口を用いる概念は、本実施形態に従う渦流チャンバーに限られず、その他の点は従来の接線方向の注入口を有する渦流チャンバーと同様にここに開示されたすべての実施形態に関して用いることができる。
【0060】
図1及び2に示す実施形態は側部注入口12、14を2つのみ有するが、2以上の側部注入口を備えてもよい。図4は、チャンバーの両側の縦方向に間隔をあけて配置される3つの側部注入口12a、12b、12c、14a、14b、14cが存在する実施形態を示す。個々の側部注入口は、図2に示す注入口12、14と同様な方法で流体をチャンバーに導入するよう配置される。一方の側の側部注入口12a-12cは、他方の側の側部注入口14a-14cより大きくてもよい。図4は、両側に3つの側部注入口があるものを示すが、あらゆる適切な数の側部注入口が提供され得ることは充分に理解される。さらに、流体の流れがチャンバーの反対側の湾曲した壁部分に接する前に互いに交差しないという条件で、側部注入口は、縦方向でなく周方向に、又は縦方向に加え周方向に間隔をあけて配置されてもよい。
【0061】
図3は、流体が概ね同じ横方向にチャンバーを横切る、すなわち両方がチャンバーの同じ側から反対側に移動するように、チャンバーの同じ側から流体をチャンバーに供給するように2つの側部注入口112、114が配置されるチャンバー110の追加実施形態を示す。図2に示す実施形態と同様、側部注入口112、114は、チャンバーの湾曲した側壁に対し接線でない方向に流体をチャンバー内に導入し、各流体流を交差させない。このことは、チャンバーを横切って反対側の湾曲した壁面に向かって流体流を導入させる。流体流が反対側の壁面に当ると流体の一部が壁から跳ね返り、一部がチャンバー内で回転させられて流体に渦運動を与える。
【0062】
側部注入口12、14からの流体流が同一の周方向に回転する図2に示す実施形態とは異なり、この実施形態では側部注入口112、114からの流体流は、互いに影響を与えるよう周方向に逆回転する。流体流がチャンバーの周りに逆回転すると、流れの一方が他方の下に押し込まれ、乱流が増大して流体を液滴に破砕するのを促進する。
【0063】
前の実施形態と同様、側部注入口112、114は異なる大きさであってもよく、2以上の注入口が備えられていてもよい。例えば、図4に示すものと同様な方法で、2又はそれ以上の側部注入口がチャンバーの縦方向に沿って注入口112、114と一列に間隔をあけて設けられてもよい。
【0064】
図2及び3に示す実施形態においては、側部注入口12、14、112、114は、流体の流れを実質的に互いに平行にチャンバー10、110へ導入するよう構成される。これは特に有利な配置と考えられているが必須でなく、チャンバー壁の反対側の湾曲部分に接する前に流体の流れが交差するのであれば、側部注入口が互いにある角度を持って配置されていてもよい。
【0065】
図5は、本発明の別の実施形態を示す。図2に示す実施形態と同様、チャンバー210は、流体を反対側からチャンバーに導入する2つの側部注入口212、214を有する。この実施形態では、注入口に直接隣接するチャンバー壁に流体が接し、従来の渦と同様の方法で回転させられるように、側部注入口212、214は、流体をチャンバーの接線方向に導入するよう配置される。しかし、すべての注入口が流体をチャンバーの同じ周方向に導入する従来の渦と異なり、この実施形態の側部注入口212、214は、流体をチャンバー210の周方向に逆向きに導入し、その結果、側部注入口212、214からの流体流がチャンバーの周りを逆回転し、流体流の一方が他方の下に押し込まれるように互いに衝突する。このことはチャンバー内で乱流を増大させ、最終スプレーで液滴を微小にし、完全円錐をもたらす。側部注入口212、214の一方が注入口オリフィス212、214の他方より大きくてもよい。
【0066】
流体をチャンバーの接線方向であるが、周方向に逆向きに導入するよう配置される注入口は、ここで逆接線と呼ばれる。
【0067】
流体をチャンバーの周方向に逆向きに導入するため、側部注入口の少なくとも2つが逆接線方向に配置されるのであれば、前の実施形態と同様、チャンバー210が2以上の側部注入口212、214を有してもよい。例えば、チャンバーの両側に複数の側部注入口が備えられていてもよい。
【0068】
図2に関して上記した出口16と同様の方法で、チャンバー210は、チャンバーの下流端の中心に位置してよい少なくとも1つの出口オリフィスを有する。出口はノズル装置の最終出口若しくは出口オリフィスであってもよく、又はチャンバーから出る流体を、出口オリフィス若しくはオリフィスへ通じるノズル装置内のさらなる流路の一部へ導入してもよく、又は別のチャンバーへ導入してもよい。
【0069】
チャンバー210は円形の断面を有するものとして示されているが、これは必須ではない。実際、この実施形態において、流体に回転又はスピン運動を与えるために、注入口が壁の接線方向に流体を導入できるのであれば、チャンバーの壁が湾曲していることは必須ではない。
【0070】
上記したすべての実施形態において、側部注入口12、14、112、114、212、214は、チャンバーの縦軸Yに垂直な共通平面上に一対で示される。しかし、このことは必須ではなく、縦軸に垂直な異なる平面上に側部注入口が位置することも可能である。
【0071】
さらに、記載された実施形態のすべてにおいて、1又はそれ以上の付加的な注入口が上流端からチャンバー10、110、210に入ってもよい。これは、上流端壁22を通り、流体をチャンバー10に縦方向に導入する1個の注入口20を破線で示す図1に説明されている。図1には付加的な注入口が1つのみ示されているが、1以上の付加的な注入口が設けられてもよい。
【0072】
すべての側部注入口は、液体又はガスであってよい同一の流体をチャンバーに供給するよう構成されてもよい。その代わりに、1又はそれ以上の側部注入口が第1の流体をチャンバーに供給し、残りの側部注入口が第2の流体を供給するよう構成されていてもよい。第1及び第2の流体は異なる液体から成ってもよく、又は第1の流体が液体であり他が空気などのガスであってもよい。
【0073】
チャンバー10、110、210が1又はそれ以上の付加的な注入口20を有する場合、空気などのガスを前記1又はそれ以上の付加的な注入口を通って概ね縦方向にチャンバーに導入し、液体が側部注入口を通ってチャンバーに供給されるのが特に有利であると考えられる。
【0074】
上記実施形態において、渦流チャンバー10;110;210はすべて平らな上流及び下流端壁部分を有する。このことは必須ではなく、端部はあらゆる適切な形状とすることができる。特定の例では、チャンバーの1つ又は両方の端が先細りになっていて円錐又は截頭円錐(frusto-conical)形状を形成してもよい。このようにして、チャンバーの上流端は、上流端からチャンバーの縦に沿って離れた位置へ外側に先細っていてもよく、及び/又はチャンバーの下流端は、チャンバーの縦に沿って離れた位置から下流端へ内側に先細っていてもよい。しかし、一方又は両方の先細りになる(taper)方向は逆であってもよい。さらに、チャンバーの上流端は、チャンバー内へ離れて延びると共にその周りにチャンバー内の流体が回転する先細りの突起を有してもよい。この配置は図4の破線24によって説明されている。
【0075】
前に記載した実施形態はすべて、チャンバーの縦に沿った縦の中心線に平行に延びるのを除き、チャンバーの縦の中心線周りに(横断面で見たとき)湾曲する側面を持つ円筒形の渦流チャンバーを有する。ドーム状の表面部分を形成するため、少なくとも表面の一部がチャンバーの縦にも湾曲する渦流チャンバーを形成すると特に有利であると考えられている。図6から図14を参照して記述されるように、いくつかの渦流チャンバーの実施形態は1又はそれ以上のドーム状表面領域を有する。
【0076】
図6aから図6cは、本発明に従うノズルのさらなる実施形態の図式化部分を示す。ノズルは本体300、及び破線によって隠れた (hidden)細部が示される渦流チャンバー310を含む。渦流チャンバー310は2つの概ね半球状の表面領域310a、310bを有する。第1の半球面領域310aはチャンバーの上流端を形成し、一方で他の半球領域310bはチャンバーの下流端を形成し上流部分310aより小さい半径を持つ。チャンバーはさらに、大きな半球領域310aの下流端と、小さな半球領域310bの上流端との間に環状の平面領域310cを有する。出口オリフィス316は、下流半球領域310bの中心軸上に位置する。
【0077】
渦流チャンバー310は、チャンバーの上流端に2つの非接線注入口312、314を有する。注入口312、314はチャンバーの両側の異なる平面上に配置され、図6bに示すようにチャンバーの縦軸Yに対し約30度の角度をなし、チャンバーの平面部分310cに向かって互いに分岐する流路(図6bの矢印Zで表される)に沿って流体を導入する。使用時に、注入口からの流体流は平坦な壁部分310cに角度を持って衝突し、流体は上流半球領域310aの湾曲面に向かって後方及び外側へ偏向させられ、そこで流体はチャンバーの周りに回転又はスピンさせられる。注入口312、314はチャンバーの両側に逆向きに角度を付けられているため、図6aの矢印に示されるように、両方の注入口からの流体流はチャンバー310の周りを同じ周方向に回転させられる。
【0078】
上記したように、流体がチャンバーの平面310cに衝突する前に少なくともチャンバーの一部を横断するよう、注入口312、314は上流半球領域310aの表面に非接線方向に並ぶ。流体流がチャンバーの表面310cに接する前に交差しないよう、かつ流体流が出口オリフィス316の中心線を横断しないように注入口が配置される。
【0079】
本実施形態では双方の注入口が同じ大きさであるが、別の実施形態では、一方の注入口が他の注入口より大きな断面積を有していてもよい。
【0080】
チャンバー310がドーム状又は一部球状の表面領域310a、310bを有するので、上流端を通ってチャンバーに入り、チャンバー表面へ概ね縦方向にチャンバーに流体流を導入して流体を回転又は旋回させるように注入口312、314を配置することができる。このことは、湾曲した円筒側面に沿って注入口が流体を側方からチャンバー内に導入するため、側部流路手段を必要とする従来の円筒形渦流チャンバーに対し、有利である。チャンバーの上流端を通って入る注入口は、側部流路に比べて一般に製造が容易であり詰まりも少ない。さらに、側部流路を必要とせず、横方向に必要な空間が少ないため、渦流チャンバー310を省スペースで取り付けることができる。このことは又、出口オリフィスによって生成されるスプレーが重なり合うか接触するよう、多数の上記渦流チャンバーを極めて接近し隣り合って配置させることができる。
【0081】
すべての注入口は同一の液体又は溶液をチャンバー310に導入するように配置されていてもよい。その代わり、溶液と混合するために第2の液体又は空気などのガスでさえもチャンバー310に導入するよう、1又はそれ以上の注入口を配置することもできる。ガスが導入される場合、1又は複数のガス注入口はチャンバーの上流端又は側方を通って提供され得る。
【0082】
注入口312、314の数及び配置は必要に応じて変えることができる。少なくとも2つの注入口が好ましいが、出口オリフィスから離れた向きであるが、上流端からの単一の注入口を使用することができる。
【0083】
図7から図14は、少なくとも1つのドーム状又は一部球状の表面領域を持ち本発明に従うノズル装置に組み込むことができる、多くの別の渦流チャンバー装置を示す。
【0084】
図7aから図7cに示されるチャンバー410は、注入口412、414が1つの流路から分岐するものとして示されることを除き、図6aから図6cに示されるものと同様である。一方の注入口412は他方の注入口414より大きな断面積を有する。
【0085】
図8aから図8cは、チャンバーの下流端の中心軸に位置する1つの出口オリフィスを備えた球面を有するチャンバー510を示す。注入口512、514はチャンバーの上流端に備えられ、上記チャンバー310と同様な方法で配置されている。チャンバーの下流端の湾曲した表面に流体が接するよう、注入口は流体をチャンバーの非接線方向に導入し、流体はチャンバー内で回転又は旋回させられる。
【0086】
図9aから図9cに示す装置において、チャンバー610は、上流端に位置する湾曲した表面領域と、チャンバーの縦軸Yに一致する中心軸とを有する半球状をなしている。1個の出口オリフィス616がチャンバーの平坦な下流端壁の中心に位置する。2つの非接線注入口612、614はチャンバーの上流端を通って入り、上記チャンバー310と同様な方法で流体を平坦な下流端壁に角度を持って導入し、その結果、流体はチャンバー内へ後退し、さらにチャンバーの湾曲面の外側に偏向し、そこで流体はチャンバーの周りに回転させられる。
【0087】
図10aから図10cは、チャンバーの下流領域が出口オリフィス716に向かって先細りしている円錐面領域710bを有することを除き、上記チャンバー310と同様な渦流チャンバー710を備えたノズル装置を示す。
【0088】
複数の出口オリフィス816を備えた渦流チャンバー810を組み込んだノズル装置が図11a及び図11bに示される。チャンバー810は、半球面を持つ上流領域810aと、下流領域に3つの出口オリフィス816とを備える。各出口オリフィスは、個々のドーム状又は半球状のチャンバー領域830の先端に位置する。チャンバーは、図6aから図6cに対応する上記チャンバー310のものと同様な方法で、チャンバーの上流端に位置する2つの非接線注入口812、814を有する。本実施形態では、メインチャンバーの周りに回転するのと同様に、流体が出口オリフィス816に隣接する個々のドーム状領域830の周りに回転する。
【0089】
図12aから図12cは、図6aから図6cに対応する上記チャンバー310と同様な渦流チャンバー910を備えたノズル装置を示す。しかし、この実施形態では、チャンバー910は、チャンバーの上流端910aの周りに空間をあけて配置される4つの注入口912a、912b、914a、914bを有する。注入口は流体を非接線方向にチャンバー内に導入し、その結果、流体流は環状の平面領域910cに接し、さらに湾曲した上流半球面910aの後方かつ外に向かって偏向し、そこで流体はチャンバーの周りに回転又は旋回させられる。
【0090】
図13aから図13cに示すノズル装置は、連結面領域1010dによって分離される上流半球面領域1010aと下流半球面領域1010bとを有する渦流チャンバー1010を備える。2つの半球面領域1010a、1010bは同じ大きさであるが、連結領域1010dはこれより小さい半径を有する。この実施形態の連結領域1010dは、内側へ向かって先細り、中央で頂点に至る表面を有するが、別の実施形態では連結領域は円筒面を有してもよい。チャンバー1010は、図6aから図6cに対応する上記チャンバー310の注入口312、314と同様、2つの非接線流体注入口1012、1014を有する。1つの出口オリフィス1016が下流半球面領域1010bの中心に備えられている。
【0091】
上記実施形態は様々に変更できることは理解されるべきである。例えば、連結部分1010dの大きさや形状は変えることができる。従って、連結部分は2つの半球領域1010a、1010bと同じ半径とすることができるし、又、2つの半球領域1010a、1010bを分離する円筒面領域を形成することができる。その代わりに、2つの半球領域1010a、1010bの相対的な大きさを変更することができる。従って、下流半球領域1010bを上流半球領域より小さくすることができるし、その逆とすることもできる。
【0092】
図14aから図14cに示されるノズル装置の渦流チャンバー1110も又、図6aから図6cに対応する上記渦流チャンバー310と同様であるが、唯一の違いは、この実施形態のチャンバー1110は、小さい上流半球面領域1110bを囲む環状表面領域1110dを有することである。環状表面領域はチャンバーの上流端に向かって開口し、注入口1112、1114はチャンバーの上流端から流体をチャンバーの非接線方向に導入し、その結果、流体流が環状表面領域1110dの凹面に接してチャンバーの周りに回転又は旋回させられる。環状部1110dは断面が概ねU字状の環状領域を有し、それは小さな下流半球領域を囲む。
【0093】
図6から図14に示される実施形態は、ドーム状表面領域がどのようにノズル装置の渦流チャンバーに組み込まれるかを示す例に過ぎないことは理解されるべきである。示された種々の実施形態は多くの方法で変更することができる。例えば、示されたいかなる実施形態も、標準的な接線注入口、逆向き接線注入口又は非接線注入口であってよい1又はそれ以上の注入口を備えることができる。さらに、示されたいかなる渦流チャンバーも、1以上の出口オリフィスを有することができる。
【0094】
表面は一部球状、半球状または球状であるとして記述されたが、流体がチャンバーの周りにスピン又は回転するのを促進する限り、表面が完全に球状又は一部球状である必要はないことは理解されるべきである。
【0095】
実験では、チャンバーの横方向だけでなく縦方向にも湾曲するドーム状の表面領域を有する渦流チャンバーは、同様な動作条件での従来の同等の渦流チャンバーに比べ、完全円錐かつ微小液滴を有する改良されたスプレー性能を実現することが見出されている。
【0096】
ここに記述されたいかなる実施形態に従うチャンバーも、従来の渦流チャンバーに比べて都合良く大きく製造できることがわかった。公知の渦流チャンバーは一般に直径1mmから2mmの範囲にあるが、本発明に従うチャンバーは、直径又は幅6mmの大きさに至るまで有効であることがわかった。特に3mmから5mm、とりわけ4mmの直径/幅を持つ本発明に従うチャンバーは、有利な結果をもたらすことがわかった。チャンバーはあらゆる適切な長さとすることができるが、一般には0.3mmから10mmのどの長さとしてもよい。大抵の用途ではチャンバーが0.5mmから3mmの長さを持つことが期待される。逆向き接線注入口を有するチャンバーはより短い0.5mmから4mmの長さを持ち、0.5mmから1.5mmの長さが好ましい。
【0097】
本発明に従うノズル装置の一部を形成する渦流チャンバーは、旋回する液体の中心に空気芯を生成することに依存しない。これは、渦流チャンバーがノズル装置の最終スプレーオリフィスに隣接する場合にのみ使用されるべきでなく、最終スプレーオリフィスから上流で使用でき、さらには従来の渦流チャンバー又は本発明の任意の態様に従う1つであってよい少なくとも1つの他の渦流チャンバーと直列であっても使用できることを意味する。1つの有利な装置において、2つの渦流チャンバーが直列に配置され、それらの間の流路には膨張チャンバーが備えられる。
【0098】
渦流チャンバーが最終出口又はスプレーオリフィスに隣接して配置される場合、本発明に従うノズルは、広いスプレー円錐角であっても中空円錐でなく完全円錐スプレーパターンを生成するであろう。このノズルはさらに、従来の類似の渦を持つノズルより微小な液滴サイズで、かつ狭い液滴サイズ分布を有するスプレーを生成するであろう。生成されたスプレーは、従来の類似の渦を持つノズルより軸方向に高い速度成分を持つ放物線のようなパターンを有する。その結果、本発明に従うノズルによって生成されたスプレーは従来の渦に比べ、長い浸透距離を有し、出口オリフィスからの距離による平均液滴サイズの増加率が小さい。
【0099】
本発明に従うノズル装置は、エアロゾル又は手動ポンプディスペンサーを含む幅広い種類の用途、並びに噴霧ノズル及びエンジン等の燃料噴射システムを含む多くの工業用途に使用することができる。本発明に従うノズル装置は、0.5barから250bar又はそれ以上にわたる動作圧力で、溶液を含むいかなる粘度の流体への使用に適合する。
【0100】
上記した好ましい実施形態では、ノズル装置は、特に低コストで大量生産に適した射出成形技術を用いたポリマー材料から製造される。しかし、本発明は、あらゆる適切な技術を用いたあらゆる適切な材料から製造されるノズル装置を包含することは理解されるべきである。一般にノズルは、渦流チャンバーを規定するために組み合わされる2つの部分を有する本体を含む。この部分はそれぞれ接合面を有していてもよく、それは他の部分の対応する接合面と結合する。2つの部分が組み立てられた時に渦流チャンバーを規定するため、一連の溝及び/又は凹部が少なくとも1つの接合面に形成されてもよい。一般に、対応する溝及び/又は凹部が両方の部分の接合面に形成され、2つの部分が組み立てられた時、それらの間で渦流チャンバーを規定する。
【0101】
本発明は、現在のところ最も実用的で好ましい実施形態と考えられるものに関して記述されたが、本発明は開示された装置に限られるのでなく、本発明の範囲内で種々の変更及び均等な構成に及ぶことを意図することは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に従うノズル装置の一部を形成する渦流チャンバーの略断面図であり、図は前記チャンバーの長手方向軸Yを含む平面を通って得られる。
【図2】図1のX−X線に沿って得られた略断面図である。
【図3】図2に類似する図であるが2つの注入口オリフィスが同じ側からチャンバーに入るチャンバーの代替実施形態を示す図である。
【図4】図1に類似する図であるがチャンバーのいずれかの側に複数の注入口オリフィスが備えられた他の代替実施形態を示す図である。
【図5】図2に類似する図であるが2つの注入口オリフィスが流体をチャンバーの接線方向に逆向きに導入するよう配置されるさらに他の代替実施形態を示す図である。
【図6a】本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部の正面概略図である。
【図6b】本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部の側面概略図である。
【図6c】本発明の別の実施形態に従うノズル装置の一部の平面概略図であり、渦流チャンバーの隠れた細部が破線で示される。
【図7a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図7b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図7c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに他の実施形態を示す図である。
【図8a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図8b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図8c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図9c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図10a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図10b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図10c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図11a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図11b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図11c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図12a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図12b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図12c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図13a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図13b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図13c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図14a】図6aに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図14b】図6bに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【図14c】図6cに類似する図であるが本発明のさらに別の実施形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは少なくとも1つの湾曲した表面領域と、前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、
前記少なくとも1つの注入口は、前記注入口の反対側の前記チャンバーの表面領域に接する前に、前記注入口から少なくとも前記チャンバーの一部を横切って延びる経路に沿って流体を前記チャンバーの非接線方向に導入するよう構成され、
前記装置は、使用時に前記チャンバーに入る流体が前記少なくとも1つの出口オリフィスを通って前記チャンバーから流出する前に前記チャンバー内で回転させられるようになっているノズル装置。
【請求項2】
各注入口に直接隣接するチャンバーの表面に対し非接線方向に流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される2又はそれ以上の注入口が存在する請求項1記載のノズル装置。
【請求項3】
前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも2つは、前記チャンバー内で交差しない経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2
記載のノズル装置。
【請求項4】
前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも2つは、実質的に平行な経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2又は請求項3記載のノズル。
【請求項5】
前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも1つは、前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも他の1つより大きい断面積を有する請求項2〜4のいずれか1に記載のノズル。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非接線注入口は、使用時に流体が前記チャンバーの湾曲した表面領域へ導入されるよう構成される先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル。
【請求項7】
前記チャンバーは円筒形の表面部分を有し、前記少なくとも1つの注入口は、流体を前記円筒形の表面部分へ導入するよう構成される請求項6記載のノズル。
【請求項8】
前記チャンバーの縦軸に対して実質的に垂直な共通平面に配置された2又はそれ以上の注入口が存在する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル。
【請求項9】
前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの反対側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2、又は請求項2に従属する請求項3〜8のいずれか1に記載のノズル。
【請求項10】
前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの同じ側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2、又は請求項2に従属する請求項3〜8のいずれか1に記載のノズル。
【請求項11】
少なくとも1つの別の注入口が前記チャンバーの上流端に存在する請求項8〜10のいずれか1に記載のノズル。
【請求項12】
前記チャンバーの表面の少なくとも一部は、該チャンバーの横方向と縦方向の両方に湾曲している先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル。
【請求項13】
前記チャンバーの表面の少なくとも一部は概ね球状又は一部球状である請求項11記載のノズル。
【請求項14】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、
前記チャンバーの表面の少なくとも一部がチャンバーの横方向と縦方向の両方に湾曲するノズル装置。
【請求項15】
前記チャンバーの表面は概ね一部球状の少なくとも1つの領域を含む請求項14記載のノズル。
【請求項16】
前記チャンバーの少なくとも上流部分が概ね一部球状の表面領域を含み、前記概ね一部球状の表面領域の中心軸は実質的に前記チャンバーの縦軸に一致する請求項14記載のノズル。
【請求項17】
前記チャンバーはさらに、概ね一部球状の表面領域を有する下流部分を含む請求項16記載のノズル。
【請求項18】
前記チャンバーが概ね球状である請求項17記載のノズル。
【請求項19】
前記上流部分の概ね一部球状の表面領域は、前記下流部分の概ね一部球状の表面領域に比べて大きな半径を有する請求項17記載のノズル。
【請求項20】
前記上流部分の概ね一部球状の表面領域は、前記チャンバーの中間部分によって前記下流部分の概ね一部球状の表面領域から分離している請求項16又は請求項19記載のノズル。
【請求項21】
前記チャンバーは、概ね円錐面の領域を持つ下流部分を含む請求項16記載のノズル。
【請求項22】
前記チャンバーは複数の出口オリフィスを有し、各出口オリフィスは前記チャンバーの概ね一部球状の表面領域に別々に位置する請求項14〜20のいずれか1に記載のノズル。
【請求項23】
各出口オリフィスは、個々の一部球状の表面領域の中心軸上に位置する請求項22記載のノズル。
【請求項24】
前記チャンバーは、ドーナツ状部分に形成された表面領域を有する請求項14〜22のいずれか1に記載のノズル。
【請求項25】
前記ドーナツ状部分表面領域は、前記少なくとも1つの出口オリフィスの周囲の前記チャンバーの下流部分に位置する請求項23記載のノズル。
【請求項26】
前記チャンバーの下流部分は、前記ドーナツ状部分表面領域の内側に位置する概ね一部球状の表面領域をさらに含む請求項23〜25のいずれか1に記載のノズル。
【請求項27】
前記少なくとも1つの注入口が前記チャンバーの上流端部分に設けられる請求項14〜16のいずれか1に記載のノズル。
【請求項28】
前記少なくとも1つの注入口は、前記チャンバーの縦方向に延びる経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項27記載のノズル。
【請求項29】
前記チャンバーの上流端部分に設けられる2又はそれ以上の注入口が存在する請求項27又は28記載のノズル。
【請求項30】
前記注入口、又は各注入口は、前記注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面に対し非接線方向に流体を前記チャンバーに導入するよう構成され、
前記装置は、前記チャンバーに入る流体が前記チャンバーの表面に接する前に少なくとも前記チャンバーの一部を横切って前記注入口から導入されるようにする請求項27〜29のいずれか1に記載のノズル。
【請求項31】
前記チャンバーは2又はそれ以上の注入口を有し、前記チャンバーは少なくとも2つの前記注入口からの流体流が前記チャンバー内で周方向に概ね逆回転するように構成される請求項29又は30に記載のノズル。
【請求項32】
4又はそれ以上の注入口が存在する先行する全ての請求項のうちいずれかに記載のノズル。
【請求項33】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、
前記少なくとも2つの注入口はそれぞれの注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面の接線方向に流体を導入するようそれぞれ構成され、
少なくとも2つの注入口は、使用時に流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置されるノズル装置。
【請求項34】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの同じ側から前記チャンバーに入る請求項33記載のノズル。
【請求項35】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの縦軸に対して垂直な共通平面に設けられている請求項33又は請求項34記載のノズル。
【請求項36】
少なくとも1つの前記注入口は少なくとも他の1つの前記注入口より大きい断面積を有する請求項33〜35のいずれか1に記載のノズル。
【請求項37】
2以上の注入口が存在し、使用時に、少なくとも2つの前記注入口は、流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置される請求項33〜36のいずれか1に記載のノズル。
【請求項38】
前記チャンバーに沿って間隔をあけて配置されるよう、前記チャンバーの縦軸に対して垂直な複数の異なる平面に複数の注入口が設けられている請求項37記載のノズル。
【請求項39】
異なる平面のそれぞれに少なくとも2つの注入口が存在し、使用時に、それらは流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、流体の流れを前記チャンバー内に導入するように配置される請求項38記載のノズル。
【請求項40】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、
少なくとも1つの前記流体注入口は少なくとも他の1つの前記流体注入口より大きい断面積を有するノズル装置。
【請求項41】
請求項40、及び請求項1〜39のいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項42】
前記渦流チャンバーは、前記チャンバーの下流端の中心に配置される単一の出口オリフィスを有する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項43】
前記渦流チャンバーは、複数の出口オリフィスを有する請求項1〜41のいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項44】
前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記ノズル装置の最終スプレーオリフィスである先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項45】
前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記チャンバーから流出する流体を、前記ノズル装置の前記最終出口オリフィス又はオリフィスから上流にある前記ノズル装置の延長部分に導入する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項46】
前記渦流チャンバーが1以上の注入口を有し、すべての前記注入口が流体源から同一の液体を前記チャンバーに供給するよう配置される先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項47】
前記渦流チャンバーが1以上の注入口を有し、少なくとも1つの前記注入口が第1の流体源から液体を前記チャンバーに供給するよう配置され、少なくとも1つの他の注入口が第2の流体源から異なる流体を前記チャンバーに供給するよう配置される請求項1〜45のいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項48】
前記異なる流体はガスである請求項47に記載のノズル装置。
【請求項49】
前記ノズル装置は、互いに並列に配置される2又はそれ以上の渦流チャンバーを含む先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項50】
前記ノズル装置は、直列に配置される2又はそれ以上の渦流チャンバーを含む先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項51】
直列に配置される2つの渦流チャンバーと、前記2つの渦流チャンバー間の流路に配置される膨張チャンバーとを含む請求項50に記載のノズル装置。
【請求項52】
前記出口オリフィス又は各出口オリフィスを通って前記チャンバーから流出する流体は、空気芯を含まない完全円錐の霧化スプレーを形成する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項53】
種々の図に関し、及び種々の図で示される実質的に前述したノズル装置。
【請求項54】
先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置を含むディスペンサー。
【請求項1】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは少なくとも1つの湾曲した表面領域と、前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、
前記少なくとも1つの注入口は、前記注入口の反対側の前記チャンバーの表面領域に接する前に、前記注入口から少なくとも前記チャンバーの一部を横切って延びる経路に沿って流体を前記チャンバーの非接線方向に導入するよう構成され、
前記装置は、使用時に前記チャンバーに入る流体が前記少なくとも1つの出口オリフィスを通って前記チャンバーから流出する前に前記チャンバー内で回転させられるようになっているノズル装置。
【請求項2】
各注入口に直接隣接するチャンバーの表面に対し非接線方向に流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される2又はそれ以上の注入口が存在する請求項1記載のノズル装置。
【請求項3】
前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも2つは、前記チャンバー内で交差しない経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2
記載のノズル装置。
【請求項4】
前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも2つは、実質的に平行な経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2又は請求項3記載のノズル。
【請求項5】
前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも1つは、前記2又はそれ以上の注入口の少なくとも他の1つより大きい断面積を有する請求項2〜4のいずれか1に記載のノズル。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非接線注入口は、使用時に流体が前記チャンバーの湾曲した表面領域へ導入されるよう構成される先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル。
【請求項7】
前記チャンバーは円筒形の表面部分を有し、前記少なくとも1つの注入口は、流体を前記円筒形の表面部分へ導入するよう構成される請求項6記載のノズル。
【請求項8】
前記チャンバーの縦軸に対して実質的に垂直な共通平面に配置された2又はそれ以上の注入口が存在する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル。
【請求項9】
前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの反対側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2、又は請求項2に従属する請求項3〜8のいずれか1に記載のノズル。
【請求項10】
前記2又はそれ以上の注入口の2つは、前記チャンバーの同じ側から流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項2、又は請求項2に従属する請求項3〜8のいずれか1に記載のノズル。
【請求項11】
少なくとも1つの別の注入口が前記チャンバーの上流端に存在する請求項8〜10のいずれか1に記載のノズル。
【請求項12】
前記チャンバーの表面の少なくとも一部は、該チャンバーの横方向と縦方向の両方に湾曲している先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル。
【請求項13】
前記チャンバーの表面の少なくとも一部は概ね球状又は一部球状である請求項11記載のノズル。
【請求項14】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも1つの流体注入口とを備え、
前記チャンバーの表面の少なくとも一部がチャンバーの横方向と縦方向の両方に湾曲するノズル装置。
【請求項15】
前記チャンバーの表面は概ね一部球状の少なくとも1つの領域を含む請求項14記載のノズル。
【請求項16】
前記チャンバーの少なくとも上流部分が概ね一部球状の表面領域を含み、前記概ね一部球状の表面領域の中心軸は実質的に前記チャンバーの縦軸に一致する請求項14記載のノズル。
【請求項17】
前記チャンバーはさらに、概ね一部球状の表面領域を有する下流部分を含む請求項16記載のノズル。
【請求項18】
前記チャンバーが概ね球状である請求項17記載のノズル。
【請求項19】
前記上流部分の概ね一部球状の表面領域は、前記下流部分の概ね一部球状の表面領域に比べて大きな半径を有する請求項17記載のノズル。
【請求項20】
前記上流部分の概ね一部球状の表面領域は、前記チャンバーの中間部分によって前記下流部分の概ね一部球状の表面領域から分離している請求項16又は請求項19記載のノズル。
【請求項21】
前記チャンバーは、概ね円錐面の領域を持つ下流部分を含む請求項16記載のノズル。
【請求項22】
前記チャンバーは複数の出口オリフィスを有し、各出口オリフィスは前記チャンバーの概ね一部球状の表面領域に別々に位置する請求項14〜20のいずれか1に記載のノズル。
【請求項23】
各出口オリフィスは、個々の一部球状の表面領域の中心軸上に位置する請求項22記載のノズル。
【請求項24】
前記チャンバーは、ドーナツ状部分に形成された表面領域を有する請求項14〜22のいずれか1に記載のノズル。
【請求項25】
前記ドーナツ状部分表面領域は、前記少なくとも1つの出口オリフィスの周囲の前記チャンバーの下流部分に位置する請求項23記載のノズル。
【請求項26】
前記チャンバーの下流部分は、前記ドーナツ状部分表面領域の内側に位置する概ね一部球状の表面領域をさらに含む請求項23〜25のいずれか1に記載のノズル。
【請求項27】
前記少なくとも1つの注入口が前記チャンバーの上流端部分に設けられる請求項14〜16のいずれか1に記載のノズル。
【請求項28】
前記少なくとも1つの注入口は、前記チャンバーの縦方向に延びる経路に沿って流体を前記チャンバー内に導入するよう構成される請求項27記載のノズル。
【請求項29】
前記チャンバーの上流端部分に設けられる2又はそれ以上の注入口が存在する請求項27又は28記載のノズル。
【請求項30】
前記注入口、又は各注入口は、前記注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面に対し非接線方向に流体を前記チャンバーに導入するよう構成され、
前記装置は、前記チャンバーに入る流体が前記チャンバーの表面に接する前に少なくとも前記チャンバーの一部を横切って前記注入口から導入されるようにする請求項27〜29のいずれか1に記載のノズル。
【請求項31】
前記チャンバーは2又はそれ以上の注入口を有し、前記チャンバーは少なくとも2つの前記注入口からの流体流が前記チャンバー内で周方向に概ね逆回転するように構成される請求項29又は30に記載のノズル。
【請求項32】
4又はそれ以上の注入口が存在する先行する全ての請求項のうちいずれかに記載のノズル。
【請求項33】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、
前記少なくとも2つの注入口はそれぞれの注入口に直接隣接する前記チャンバーの表面の接線方向に流体を導入するようそれぞれ構成され、
少なくとも2つの注入口は、使用時に流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置されるノズル装置。
【請求項34】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの同じ側から前記チャンバーに入る請求項33記載のノズル。
【請求項35】
前記少なくとも2つの注入口は、前記チャンバーの縦軸に対して垂直な共通平面に設けられている請求項33又は請求項34記載のノズル。
【請求項36】
少なくとも1つの前記注入口は少なくとも他の1つの前記注入口より大きい断面積を有する請求項33〜35のいずれか1に記載のノズル。
【請求項37】
2以上の注入口が存在し、使用時に、少なくとも2つの前記注入口は、流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、前記チャンバー内に流体の流れを導入するように配置される請求項33〜36のいずれか1に記載のノズル。
【請求項38】
前記チャンバーに沿って間隔をあけて配置されるよう、前記チャンバーの縦軸に対して垂直な複数の異なる平面に複数の注入口が設けられている請求項37記載のノズル。
【請求項39】
異なる平面のそれぞれに少なくとも2つの注入口が存在し、使用時に、それらは流体流が前記チャンバーの周方向に概ね逆回転するよう、流体の流れを前記チャンバー内に導入するように配置される請求項38記載のノズル。
【請求項40】
渦流チャンバーを含むノズル装置であって、前記渦流チャンバーは前記チャンバーの下流端に位置しそれを通って流体が前記チャンバーから流出可能な少なくとも1つの出口オリフィスと、少なくとも2つの流体注入口とを備え、
少なくとも1つの前記流体注入口は少なくとも他の1つの前記流体注入口より大きい断面積を有するノズル装置。
【請求項41】
請求項40、及び請求項1〜39のいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項42】
前記渦流チャンバーは、前記チャンバーの下流端の中心に配置される単一の出口オリフィスを有する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項43】
前記渦流チャンバーは、複数の出口オリフィスを有する請求項1〜41のいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項44】
前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記ノズル装置の最終スプレーオリフィスである先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項45】
前記渦流チャンバーの前記出口オリフィス又は各出口オリフィスは、前記チャンバーから流出する流体を、前記ノズル装置の前記最終出口オリフィス又はオリフィスから上流にある前記ノズル装置の延長部分に導入する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項46】
前記渦流チャンバーが1以上の注入口を有し、すべての前記注入口が流体源から同一の液体を前記チャンバーに供給するよう配置される先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項47】
前記渦流チャンバーが1以上の注入口を有し、少なくとも1つの前記注入口が第1の流体源から液体を前記チャンバーに供給するよう配置され、少なくとも1つの他の注入口が第2の流体源から異なる流体を前記チャンバーに供給するよう配置される請求項1〜45のいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項48】
前記異なる流体はガスである請求項47に記載のノズル装置。
【請求項49】
前記ノズル装置は、互いに並列に配置される2又はそれ以上の渦流チャンバーを含む先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項50】
前記ノズル装置は、直列に配置される2又はそれ以上の渦流チャンバーを含む先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項51】
直列に配置される2つの渦流チャンバーと、前記2つの渦流チャンバー間の流路に配置される膨張チャンバーとを含む請求項50に記載のノズル装置。
【請求項52】
前記出口オリフィス又は各出口オリフィスを通って前記チャンバーから流出する流体は、空気芯を含まない完全円錐の霧化スプレーを形成する先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項53】
種々の図に関し、及び種々の図で示される実質的に前述したノズル装置。
【請求項54】
先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置を含むディスペンサー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【公表番号】特表2008−521601(P2008−521601A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543901(P2007−543901)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004415
【国際公開番号】WO2006/059065
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(502393958)リーフグリーン リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004415
【国際公開番号】WO2006/059065
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(502393958)リーフグリーン リミテッド (12)
【Fターム(参考)】
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