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温室用ガラス板落下防止具
説明

温室用ガラス板落下防止具

【課題】温室において破損したガラス板の落下を防止する。
【解決手段】防護ネット1と取付用部材2とからなる。防護ネット1は、破損したガラス板の比較的大型の破片を受止める強靱なネット材からなる。取付用部材2は、防護ネット2の縁辺を支持する支持部21と温室RのH型鋼からなる骨材Fのフランジに取付けられる取付部22とが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板で透光面が構成される温室に使用されて破損したガラス板の落下防止器具に係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガラス板で透光面が構成される温室では、H型鋼からなる骨材に桟材を掛渡してブラケットでガラス板を固定する構築構造が採用される。従って、地震等でガラス板が破損した場合には、ガラス板が骨材,桟材の間を通過して落下してしまうため、温室の内部で作業している人にとって極めて危険な状況をもたらすことになる。
【0003】
なお、ガラス板の破損自体を防止する技術としては、ガラス板に樹脂フィルム(PET)を貼着するものがある。然しながら、樹脂フィルムが高価であるためあまり普及していないという状況がある。
【0004】
このため、温室において破損したガラス板の落下を防止する技術の開発が要望されている。
【0005】
従来、例えば、構造物からの落下を防止する技術としては、特許文献1,2に記載のものが知られている。
【0006】
特許文献1,2には、落下物の落下を受止めるために防護ネットを備える技術が記載されている。特許文献1は、ブロックやコンクリートの構造物の表面に格子状落下防止材をアンカーボルトまたは鋲で固定する構造となっている。また、特許文献2は、建物の壁面に網体をはりめぐらすことを開示している(段落0006,段落0007,段落0012)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−293150号公報
【特許文献2】特開2008−206502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2に係る温室用ガラス板落下防止具では、温室において防護ネットを張設する技術の提案がなされていないため、いずれも温室用としての実現性がないという問題点がある。特許文献1は、ブロック等の構造物の表面にわたってアンカーボルトまたは鋲で格子状落下防止材を固定しなければならず、H型鋼の骨材のみを固定部位にできる温室には適用できる技術ではない。特許文献2は、建物の壁面に網体をはりめぐらす以外の固定方向が一切示されていない。
【0009】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、温室において破損したガラス板の落下を防止することのできる温室用ガラス板落下防止具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するため、本発明では、防護ネットと取付用部材とを備え、防護ネットは破損したガラス板の破片を受止める強靱なネット材から構成され、取付用部材は防護ネットの縁辺を支持する支持部と温室のH型鋼からなる骨材のフランジに係合される取付部とが形成されている手段を採用する。
【0011】
この手段では、取付用部材の取付部を温室のH型鋼からなる骨材のフランジに係合することで取付けされ、取付用部材の支持部に防護ネットの縁辺を支持させることで、防護ネットを温室の骨材の間に張設することができる。
【0012】
また、本発明では、取付用部材は取付部がH型鋼からなる骨材のフランジの外側面,端面,内側面に当接される係合構造からなることを特徴とする手段を採用する。
【0013】
この手段では、取付用部材が係合構造でH型鋼からなる骨材のフランジに当接して取付けられることで、高い取付強度が得られる。
【0014】
また、本発明では、取付用部材は取付部が支持部に掛かる防護ネットの引張力でH型鋼からなる骨材のフランジに押圧されるものであることを特徴とする手段を採用する。
【0015】
この手段では、取付用部材は取付部が防護ネットの引張力で押圧されることで、より高い取付強度が得られる。
【0016】
また、本発明では、取付用部材は取付部がH型鋼からなる骨材のフランジの外側面に接着されるものであることを特徴とする手段を採用する。
【0017】
この手段では、取付用部材がH型鋼からなる骨材のフランジの外側面に接着で取付けられることで、取付用部材の大きさがフランジの幅に規制されなくなる。
【0018】
また、本発明では、取付用部材は支持部が弾性により防護ネットの縁辺の離脱を阻止するロック構造が設けられていることを特徴とする手段を採用する。
【0019】
この手段では、防護ネットがロック構造で取付用部材に確実に支持されることで、H型鋼からなる骨材に対するネットの張設位置の選択幅が広がる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る温室用ガラス板落下防止具は、取付用部材の取付部を温室のH型鋼からなる骨材のフランジに係合することで取付けすることができ、取付用部材の支持部に防護ネットの縁辺を支持させることで、防護ネットを温室の骨材の間に張設することができるため、温室において破損したガラス板の落下を防止することができる効果がある。特に、防護ネットは縁辺から張設されているので、室内空間での栽培作業に何ら影響を与えるものではなく、ガラス板の比較的大型の破片を受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る温室用ガラス板落下防止具を実施するための形態の第1例の使用状態の斜視図である。
【図2】図1の要部の拡大斜視図である。
【図3】図1の要部の拡大断面図である。
【図4】図1の要部の拡大側面図である。
【図5】本発明に係る温室用ガラス板落下防止具を実施するための形態の第2例の要部の斜視図である。
【図6】本発明に係る温室用ガラス板落下防止具を実施するための形態の第3例の要部の斜視図である。
【図7】図6の使用状態を示す断面図である。
【図8】図6の一部の動作を示すものであり、(A)に防護ネットの取付前の状態が示され、(B)に防護ネットの取付後の状態が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る温室用ガラス板落下防止具を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図4は、本発明に係る温室用ガラス板落下防止具を実施するための形態の第1例を示すものである。
【0024】
第1例では、切妻式の屋根構造をもった温室Rに適用されるものを示してある。
【0025】
この温室Rは、両フランジFaの間にウエブFbが設けられたH型鋼からなる骨材(柱,垂木,棟木,軒桁等)Fに掛渡された桟材Pにブラケットでガラス板Gが固定されている。
【0026】
第1例は、防護ネット1,取付用部材2からなる。
【0027】
防護ネット1は、破損したガラス板Gの比較的大型の破片を受止める強靱なネット材からなるもので、合成樹脂材,金属材やこれ等の複合材で形成されている。この防護ネット1については、耐久性を高めるために、必要に応じて紫外線吸収材が塗布,混入される。防護ネット1のメッシュ度については、温室Rの大きさ(ガラス板Gの落下距離)や温室の使用目的(太陽光の光量)に対応して選択されるが、温室の内部で作業している人にけがをもたらすことがなくしかも重量が重くならない程度にできるだけ細かい方が好ましい。また、防護ネット1の縁辺10については、折返構造等によって補強されているのが好ましい。
【0028】
取付用部材2は、図2,図3に詳細に示されるように、合成樹脂材,金属材で弾性を有して一体的に形成された支持部21,取付部22からなり、略コ字形の支持部21が対向配置されて基片22aで連結される全体形状を呈している。支持部21は、コ字形に形成されてなるもので、防護ネット1の縁辺10をメッシュを利用して引掛けて支持することができる把手片21aと基部片21bから形成されている。取付部22は、H型鋼からなる骨材FのフランジFaの外側面Fc,端面Fd,内側面Feに当接されて係合される係合構造で取付けられるもので、フランジFaの外側面Fcに当接される基片22aの両側にフランジFaの端面Fdに当接される起立片22bが設けられ、起立片22bの先端にフランジFaの内側面Feに突当てられる爪片22cが設けられている。なお、取付部22の起立片22bは、支持部21に連続されている。
【0029】
第1例を使用するには、図1に示すように、H型鋼からなる骨材Fに沿って適当な間隔でガラス板G側のフランジFaに取付用部材2の取付部22を嵌込むようにして取付ける。この後、H型鋼からなる骨材FのフランジFaに取付けられている取付用部材2の支持部21に順次防護ネット1の縁辺を支持していく。なお、防護ネット1の張設面積が広くなった場合には、図4に示すように、防護ネット1と桟材Pとを部分的に支持部材3で連結するとよい。
【0030】
第1例が取付けられた状態では、図3に示すように、取付用部材2の支持部21に張設された防護ネット1の引張力aが作用するため、取付用部材2の支持部21と一体化されている取付部22(特に、爪片22c)に反力として押圧力bが作用する。この結果、取付用部材2のフランジFaへの取付強度が高くなって、取付用部材2のフランジFaから不測の離脱が防止される。
【0031】
第1例が取付けられた状態でガラス板Gが破損した場合には、ガラス板Gの比較的大型の破片が防護ネット1で受止められて落下することがない。従って、温室Rの内部で作業している人の安全性が確保される。なお、ガラス板Gの比較的小型の破片が防護ネット1を通過するものの、温室Rの内部で作業している人の安全性の確保にあまり支障はない。また、防護ネット1でガラス板Gの比較的大型の破片が受止められると、取付用部材2の支持部21への防護ネット1の引張力aが高められるが、前述のように取付用部材2のフランジFaへの取付強度が高くなることから、取付用部材2がフランジFaから不測に離脱するようなことはない。
【0032】
図5は、本発明に係る温室用ガラス板落下防止具を実施するための形態の第2例を示すものである。
【0033】
第2例は、第1例の取付用部材2を折曲げ形成している。
【0034】
第2例によると、取付用部材2を金属材で形成する場合に、1枚の板材から折曲げ加工で簡単に製造することができる。
【0035】
図6〜図8は、本発明に係る温室用ガラス板落下防止具を実施するための形態の第3例を示すものである。
【0036】
第3例は、第1例の取付用部材2の取付部22は、基片22aのみとされて両面シート4でH型鋼からなる骨材FのフランジFaの外側面に接着で取付けられるようになっている。また、第1例の取付用部材2の支持部21には、弾力性をもった弾性爪21c,21dが圧接するロック構造が設けられている。ロック構造は、図8に示すように、相対的に短い弾性爪21cと相対的に長い弾性爪21dとで構成され、短い弾性爪21cが長い弾性爪21dの内側(両端側)に位置され、短い弾性爪21cと長い弾性爪21dとの間には間隙21eが形成されている。防護ネット1の取付けで長い弾性爪21dが押込まれて短い弾性爪21cの内側に位置されるようになっている。
【0037】
第3例によると、取付用部材2の取付部22が第1例のようにフランジFaに係合されるものではないため、取付用部材2の幅DがフランジFaの幅に規制されない自由度を得ることができる。従って、骨材Fの大きさや防護ネット1の大きさへの対応性が確保されて汎用性が高くなる。
【0038】
また、取付用部材2の支持部21がロック構造を備えているため、H型鋼からなる骨材Fにガラス板Gと反対側のフランジFaに取付用部材2を取付けても、ガラス板Gの破片を受けて重量が増加した防護ネット1が不測に取付用部材2の支持部21から離脱することがない。また、ロック構造が長い弾性爪21dを短い弾性爪21cが抜止めする格好となっていることから、地震等によって激しく揺れた場合においても、防護ネット1の不測の取付用部材2の支持部21からの離脱の阻止に有効に機能する(図8(B)参照)。
【0039】
以上、図示した各例の外に、骨材Fが図1に示した垂木ではなく柱等の場合で、ガラス板Gが横方向へ落下(傾倒)する場合にも適用することができる。
【0040】
さらに、防護ネット1のメッシュ度の異なるものを複数重ねて使用するようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る温室用ガラス板落下防止具は、一般的に温室以外に使用されているガラス板を主要建築材とする各種の構築物にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 防護ネット
2 取付用部材
21 支持部
21a 把手片
21b 基部片
21c,21d 弾性爪(ロック構造)
21e 間隙
22 取付部
22a 基片(係合構造)
22b 起立片(係合構造)
22c 爪片(係合構造)
F 骨材
G ガラス板
R 温室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防護ネットと取付用部材とを備え、防護ネットは破損したガラス板の破片を受止める強靱なネット材から構成され、取付用部材は防護ネットの縁辺を支持する支持部と温室のH型鋼からなる骨材のフランジに係合される取付部とが形成されている温室用ガラス板落下防止具。
【請求項2】
請求項1の温室用ガラス板落下防止具において、取付用部材は取付部がH型鋼からなる骨材のフランジの外側面,端面,内側面に当接される係合構造からなることを特徴とする温室用ガラス板落下防止具。
【請求項3】
請求項2の温室用ガラス板落下防止具において、取付用部材は取付部が支持部に掛かる防護ネットの引張力でH型鋼からなる骨材のフランジに押圧されるものであることを特徴とする温室用ガラス板落下防止具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの温室用ガラス板落下防止具において、取付用部材は取付部がH型鋼からなる骨材のフランジの外側面に接着されるものであることを特徴とする温室用ガラス板落下防止具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの温室用ガラス板落下防止具において、取付用部材は支持部が弾性により防護ネットの縁辺の離脱を阻止するロック構造が設けられていることを特徴とする温室用ガラス板落下防止具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−229436(P2011−229436A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101483(P2010−101483)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(507120773)中川化成株式会社 (4)
【Fターム(参考)】