説明

温度データロガーの校正方法およびそれに用いる均熱ブロック

【課題】内部メモリを備えたクロック機能付き温度データロガーを高精度で校正できる手法および均熱ブロックを提供する。
【解決手段】内部メモリMを備えたクロック機能付き温度データロガー1とバス外に設置されたコンピュータ7に計測器を介し接続された基準温度計2とを、均熱ブロック3〜5を介して恒温バス6内に設け、恒温バスを昇温又は降温させ基準温度計2による計測データをコンピュータ7の記憶手段に記憶させ、恒温バスから取り出した温度データロガー1をコンピュータ7に接続し内部メモリMに記憶している計測データをコンピュータの記憶手段に記憶させ、コンピュータ7の演算手段により基準温度計2の計測データと温度データロガー1の計測データの時間軸を合わせて校正した結果を出力させる。均熱ブロック3〜5は、基準温度計2を挿着するための挿着部と温度データロガー1の全体を隙間が略無い状態に覆って収納する収納部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度データロガーの校正方法およびそれに用いる均熱ブロックに係わり、より詳しくは、温度を計測して内部メモリに記憶させるクロック機能付きの温度データロガーの校正方法およびそれに用いる均熱ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
食品、製薬業界などの加熱殺菌、滅菌工程の有効性の検証、すなわちバリデーションに、温度計測したデータをセンサーに記憶させ、計測終了後に記憶データを付属インターフェイスでパソコンに取り込み、様々な解析が行える計測システムが普及している。このような計測システムに用いられる温度センサーの一例として、西華産業(株)が取り扱う米国Mesa Laboratories Inc.製のDatatraceがある。このような温度センサーは、小型で、かつワイヤレスであるという特徴から、種々の移動体の計測が可能であり、またオートクレーブのような気密装置への取り付けなどの利便性から、日本国内でも数多く使われている。
【0003】
近年、前記のような温度センサーを用いた計測の精度向上のため、前後キャリブレーション(校正)の重要性が高まり、校正のトレーサビリティ確立が求められている。
【0004】
温度センサーの校正を、効率的に精度良く行う手法として、測定孔を点対称に設けた円形の均熱ブロックとその下端に配置した加熱ヒータおよび円形に配置した断熱材からなる温度センサー校正炉を用いた手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、設定温度に早く到達し、短いサイクルで多くの設定温度で比較校正試験を行う手法として、銀又は銀合金により均熱ブロックを構成する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
しかしながら、これら従来の手法は、リアルタイムで温度を計測するワイヤ付き温度センサーを校正対象とするものであり、計測データを内部メモリに記憶させるワイヤレスタイプの温度センサーに対応する手法ではなく、温度センサーの一部が均熱ブロックから露出し外気と直接接した状態で校正を行うものである。
【0006】
【特許文献1】特開2004−132941号公報
【特許文献2】特開平8−136361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、内部メモリにデータを蓄積するタイプのクロック機能付きの温度センサー、すなわち温度データロガーを、高精度で校正することができる手法およびそれに用いる均熱ブロックを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る温度データロガーの校正方法は、前述の課題解決のために、温度を計測して内部メモリに記憶させるクロック機能付きの温度データロガーと、バス外に設置されたコンピュータに計測器を介し接続された基準温度計とを、均熱ブロックを介して、恒温バス内に設ける手順と、恒温バスを昇温又は降温させ、基準温度計による計測データをコンピュータの記憶手段に記憶させる手順と、恒温バス内から取り出した前記温度データロガーをコンピュータに接続し、内部メモリに記憶している計測データを該コンピュータの記憶手段に記憶させる手順と、前記コンピュータの演算手段により、記憶手段に記憶されている前記基準温度計の計測データと温度データロガーの計測データの時間軸を合わせて校正した結果を出力させる手順とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記温度データロガーを、恒温バス内に設ける前に、コンピュータに接続して予め計測間隔を含む温度計測条件を入力しておくことが好ましい。
【0010】
さらに、校正した結果を出力させる手法が、前記演算手段により、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間を抽出し、両抽出データの平均値を出力する手法であることが好ましい。
【0011】
また、前記均熱ブロックが、前記温度データロガーの全体を隙間が略無い状態に覆って収納してなることが好ましい。
【0012】
さらに、前記温度データロガーが、前記内部メモリを収納した本体部と、該本体部より突出するセンサー部とより構成され、前記均熱ブロックが、下向きに収納された温度データロガーのセンサー部を受け入れるとともに前記基準温度計先端のセンサー部を受け入れるセンサー用ブロックと、前記温度データロガーの本体部を収納するとともに基準温度計の本体部を保持する本体用ブロックとに分割構成されていることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る均熱ブロックは、前記の校正方法に用いる均熱ブロックであって、前記基準温度計を挿着するための挿着部と、前記温度データロガーの全体を隙間が略無い状態に覆って収納する収納部とを備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、前記均熱ブロックは、下向きに収納された温度データロガー先端のセンサー部を受け入れ、かつ基準温度計先端のセンサー部を受け入れるためのセンサー用ブロックと、前記温度データロガーの本体部を収納し、かつ基準温度計の本体部を保持するための本体用ブロックと、より分割構成してなることが好ましく、前記本体用ブロックの上下方向に沿って、前記温度データロガー及び前記基準温度計を挿通するための貫通孔をそれぞれ設け、該本体用ブロック下端部に合着される前記センサー用ブロックにおける前記貫通孔に対応する各位置に、それぞれ前記温度データロガーのセンサー部及び前記基準温度計先端のセンサー部が挿入される有底の収納孔を設けてなることがより好ましい。
【0015】
また、前記均熱ブロックは、前記温度データロガーを挿通するための貫通孔に挿着され、収納された温度データロガー本体部上方の余剰空間を塞ぐためのロッド状ブロックを設けてなることが好ましく、互いに合着される前記センサー用ブロックと本体用ブロックとの間に、断熱材を介装してなることがより好ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上にしてなる本願発明に係る温度データロガーの校正方法によれば、前記コンピュータの演算手段により、記憶手段に記憶されている前記基準温度計の計測データと温度データロガーの計測データの時間軸を合わせて校正した結果を出力させることにより、内部メモリにデータを蓄積するタイプのクロック機能付きの温度データロガーを精度よく校正することが可能となる。
【0017】
また、温度データロガーに予め計測間隔を含む温度計測条件を入力するので、計測タイミングを正確に一致させ、校正精度を向上させることができる。
【0018】
また、前記コンピュータの演算手段により、校正した結果を出力させる手法が、前記演算手段により、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間を抽出し、両抽出データの平均値を出力することを特徴とすることにより、両計測データの時間軸に僅かなズレが生じたとしても、校正精度への影響を殆ど無くすことができ、より精度の高い校正が可能となる。
【0019】
ところで、小型のワイヤレス温度データロガーを高精度で校正しようとする場合、熱容量が小さい温度データロガーが外気と接触し放熱することによる影響は勿論のこと、均熱ブロックにおける熱伝導率の偏りや空気の対流に起因する均熱ブロック内の温度勾配による影響も無視できない。そこで校正装置全体としての熱的安定性を向上させ、校正の不確かさを十分に小さくすることが課題となるが、本発明では、均熱ブロックで温度データロガーの全体を隙間が略無い状態に覆って収納することにより、ロガーと外気を接触させず放熱による影響を防止できるものとなり、より高精度で校正することが可能となる。さらに、均熱ブロックを、下向きに収納された温度データロガーのセンサー部を受け入れるとともに基準温度計先端のセンサー部を受け入れるセンサー用ブロックと、温度データロガーの本体部を収納するとともに基準温度計の本体部を保持する本体用ブロックとに分割構成し、前記本体用ブロックの上下方向に沿って、前記温度データロガー及び前記基準温度計を挿通するための貫通孔をそれぞれ設け、該本体用ブロック下端部に合着される前記センサー用ブロックにおける前記貫通孔に対応する各位置に、それぞれ前記温度データロガーのセンサー部及び前記基準温度計先端のセンサー部が挿入される有底の収納孔を設けてなることにより、基準温度計先端と温度データロガーセンサー部とのセンサー用ブロック上下方向の位置合わせを容易にし、かつ、センサー用ブロック或いは本体用ブロックの何れか一方のみを取り替えることにより、様々な長さ、形状のデータロガーに対応したものとなる。
【0020】
また、均熱ブロックが、前記温度データロガーを挿通するための貫通孔に挿着され、収納された温度データロガー本体部上方の余剰空間を塞ぐためのロッド状ブロックを設けてなることにより、温度データロガーの全体を簡単に隙間が無い状態に覆って収納することが可能となり、かつ温度データロガーが外気と接触することを防止することで、外気への放熱による温度変化を無くすことができるとともに、該空間内における空気の対流により均熱ブロック内に温度勾配が生じることを未然に防止することができる。
さらに、前記ロッド状ブロックを、前記本体用ブロックと同じ材質により構成してなることにより、均熱ブロック内の熱伝導度を均一にし、内部の温度安定性により優れたものとなる。
【0021】
また、互いに合着される前記センサー用ブロックと本体用ブロックとの間に断熱材を介装することにより、さらに内部の温度安定性に優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に用いられる校正装置の全体構成の概要を示す説明図であり、より詳細には、後述する図3におけるA−A断面を示している。図2は、本発明に係る均熱ブロックの代表的な実施形態を示す斜視図であり、図3は、本発明の代表的な実施形態に係る均熱ブロックに温度データロガー及び基準温度計を挿着し、これを温度制御手段を備えた恒温バスに設置した状態における断面図であり、図4は、本発明の代表的な実施形態に係る均熱ブロックにおけるセンサー用ブロックの平面図を示している。また、図5は、本発明に係る均熱ブロックの他の実施形態におけるセンサー挿入用ガイド部材を示している。さらに、図6は、本発明に係る校正方法の手順の概要を示している。
【0024】
校正対象となる温度データロガー1は、内部メモリMを備えたワイヤレスタイプのものであり、クロック機能を有する。その使用方法としては、例えばインターフェイスを使ってパソコンに接続し、予め計測開始時刻や計測間隔などの温度測定条件を設定した後に、該温度計測条件に従って自動温度計測させた後、再びパソコンに接続して内部メモリMに記録した温度計測データを回収するというものである。その用途としては、例えば冷凍、冷蔵庫の温度管理、自然環境調査のための大気温、水温測定、ビニルハウス中の室温測定など多岐に渡る。
【0025】
本発明に用いられる基準温度計2(より詳細には、2A或いは2B)は、例えばJCSS認定の標準温度計や、該標準温度計により校正された温度計など、不確かさが把握できている高精度の温度計であることが好ましいが、これらに限定されるものではなく、ここでは温度データロガー1を校正する際の基準として用いる温度計のことを言う。このような基準温度計2としては、校正する温度に応じて、例えば白金抵抗温度計や熱電対などを適宜用いることができる。尚、図2において、基準温度計として2A、2Bの2本を示しているが、本発明に係る校正方法に用いる基準温度計は1本のみであって、他方は実施例において後述するように、該基準温度計を予め校正しておくための基準となる、より精度の高い標準温度計等を示すものである。
【0026】
本発明の均熱ブロックは、前記基準温度計2を挿着するための挿着部と、前記温度データロガー1を収納する収納部とを備えるものであり、校正時には温度データロガー1及び基準温度計2に、後述する温度制御手段9により設定した校正温度を正確に伝えるために、内部の温度を均一に保持する機能を有するものである。均熱ブロック内に温度勾配が生じるようなことがあると、それは校正の誤差となり直接校正精度に影響するため、校正精度の向上には均熱ブロック内の温度を均一化することが不可欠である。
【0027】
そこで、本発明の均熱ブロックは、内部の温度を均一化するために、前記温度データロガー1の全体を隙間が略無い状態に覆って収納する構造を有するものである。このように温度データロガー1の全体を均熱ブロックに収めることにより、温度データロガー1が外気と接触して放熱することによる温度変化を無くすことができる。
【0028】
次に、本発明の均熱ブロックの様々な実施形態について、図1〜図5に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明に係る校正方法は、これら均熱ブロックを用いた場合に何ら限定されるものではない。
【0029】
本発明に係る均熱ブロックの代表的な実施形態は、下向きに収納された温度データロガー先端のセンサー部1aを受け入れ、かつ基準温度計先端のセンサー部2aを受け入れるためのセンサー用ブロック4と、前記温度データロガーの本体部1bを収納し、かつ基準温度計2の本体部を保持するための本体用ブロック3と、後述するロッド状ブロック5からなる。さらには、前記本体用ブロック3の上下方向に沿って、前記温度データロガー1及び前記基準温度計2を挿通するための貫通孔11及び12a、12bをそれぞれ設け、該本体用ブロック3下端部に合着される前記センサー用ブロック4における前記貫通孔11及び12a、12bに対応する各位置に、それぞれ前記温度データロガーのセンサー部1a及び前記基準温度計先端のセンサー部2aに嵌合する有底の嵌合孔13及び14a、14bを設けてなる。このように均熱ブロックを分割構成することによる効果は、前述のとおりである。
【0030】
ロッド状ブロック5は、前記温度データロガーを挿通するための貫通孔11に挿着され、収納された温度データロガー本体部上方の余剰空間を塞ぐためのものである。尚、本実施形態のように均熱ブロックを分割構成した場合、このようなロッド状ブロック5を用いる代わりに、本体用ブロック3に貫通孔11を設けず、該本体用ブロックの下方からロガー本体部bを収納できる有底の収納孔を設けたものとしてもよい。この場合、本体用ブロック3とセンサー用ブロック4とを合着させる前に、温度データロガー1を本体用ブロック3の前記有底の収納孔又はセンサー用ブロック4の有底嵌合孔13に予めセッティングしておき、その後センサー用ブロック4と本体用ブロック3を合着させればよい。
【0031】
均熱ブロックの形状は、本実施形態では円筒形のものを例示しているがこれに限定されず、熱の伝わり方を考慮して適宜決定することができる。
【0032】
また、均熱ブロックの材質についても熱伝導度を考慮して適宜選択することができるが、本実施形態においてはアルミニウムを採用し、熱伝導度を一定にするため、各ブロック3〜5の材質を全て同じにしている。
【0033】
本体用ブロック3とセンサー用ブロック4とを合着させる際には、均熱ブロック内部の温度を均一化するために、隙間が生じないようにすることが重要となる。そこでこれらのブロックを合着させる手法として、本実施形態においては、本体用ブロック3の底面に凸部24を設けるとともに、センサー用ブロック4の上面に凹部25を設け、これらを嵌合してネジ21により固定することで隙間無く強固に合着させる構造を採用しているが、このような構造に何ら限定されず、ネジで螺合する以外にも、例えばクランプなどによりワンタッチで着脱できる構造とすることも好ましい。
【0034】
均熱ブロックに温度データロガー1を挿入する際には、予め本体用ブロック3とセンサー用ブロック4とを合着させた後に、本体用ブロック3上面の貫通孔11から静かに温度データロガー1を挿入してもよいし、本体用ブロック3とセンサー用ブロック4とを合着させる前に、センサー用ブロック4の有底嵌合孔13に温度データロガーのセンサー部1aを挿入するようにして温度データロガー1を静かに配置し、その後温度データロガー1が配置されたセンサー用ブロック4に、本体用ブロック3を被せるようにして合着させてもよい。尚、本実施形態においては、センサー用ブロック4の有底嵌合孔13には、温度データロガーのセンサー部1aを受け入れ易くするために、センサー部案内用の拡径部8を設けている。
【0035】
このような代表的な実施形態に係る均熱ブロックによれば、後述する実施例に示すように内部の温度を非常に高い精度で均一化できるものとなるが、本実施形態においては、内部温度の均一化に対して更に万全を期すために、温度データロガー1と基準温度計2を以下のような配置で挿着或いは収納する構造としている。
【0036】
すなわち、温度データロガー1及び基準温度計2の挿入位置は、図1に示すように、センサー用ブロック4の有底嵌合孔13と有底嵌合孔14a、14bとの深さを合わせることにより、温度データロガー1のセンサー部1aと基準温度計2の感温部2aとが、センサー用ブロック4内で同じ挿入深さとなるように設定されており、これにより均熱ブロック上下方向の温度勾配が僅かに存在するとしても、それによる校正精度への影響を無くすことができるものとなる。
【0037】
また、図3に示すように、本実施形態に係る均熱ブロックは、温度データロガー1を複数個同時に収納して校正することが可能であり、温度データロガー1を受け入れるための本体用ブロックにおける貫通孔11及びセンサー用ブロックにおける嵌合孔13と、基準温度計2を受け入れるための本体用ブロックにおける貫通孔12a、12b及びセンサー用ブロックにおける嵌合孔14a、14bとを、それぞれ均熱ブロック軸心を中心とした同心円上に配置する構造とすることで、均熱ブロック横方向の温度勾配が僅かに存在するとしても、それによる校正精度への影響を無くすことができるものとなる。
【0038】
さらに、本実施形態のように、複数の温度データロガー1を同時に挿着できるタイプの均熱ブロックにおいて、例えば温度データロガー1個のみを校正しようとする場合には、校正対象となる温度データロガーと同形状でかつ均熱ブロックと同材質のダミー部材を、その他の貫通孔11及び嵌合孔13に挿着することにより、内部空間を埋めてブロック内の熱伝導度を均一に保つことができ、均熱ブロック内に温度勾配を生じさせないものとすることができる。
【0039】
また、本発明の均熱ブロックの他の実施形態として、センサー用ブロック4と、本体用ブロック3との間に図示しない断熱材を介装してもよい。断熱材を介装することにより、仮に本体用ブロック3において上下方向の僅かな温度勾配が生じていたとしても、均熱ブロックの中で最も高い精度で温度の均一性が要求されるセンサー用ブロック4については、前記本体用ブロック3と熱的に遮断されることとなり、高い温度均一性を保つことが可能となる。
【0040】
さらに、本発明の均熱ブロックのその他の実施形態として、図5に示すガイド部材31を採用することもできる。上述の代表的な実施形態に係る均熱ブロックにおいては、温度データロガーを挿入する際に、前述のように予め本体用ブロック3とセンサー用ブロック4とを合着させた後に、本体用ブロック3上面の貫通孔11から静かに温度データロガー1を挿入する手法を採用した場合には、取り扱いが乱雑になると温度データロガー1が所定位置に挿入される際に均熱ブロックと衝突することによる衝撃が加わり、内部メモリMの機能に影響が生じる可能性も捨てきれない。そこで、ガイド部材31に温度データロガー1を予めセットしておき、ガイド部材31ごと、ガイド部材挿通用の空間15を設けた本体用ブロック3内に挿入することにより、ゆっくりと確実に、衝撃を与えることなく温度データロガー1を均熱ブロックに挿入できるものとなる。図示したガイド部材31は、3本の枠部材31aをネジ31cを用いて底部材31bに固定したものであるが、このような構造に何ら限定されるものではなく、例えば枠部材を2本以上用いるタイプとすることもできる。また、熱の伝わり方を考慮して、ガイド部材31には均熱ブロックと同材質のものを用いることが好ましい。
【0041】
本発明に用いる恒温バス6は、従来と同様のものを用いることができ、本実施形態では温度制御手段9を備え、前記均熱ブロックを受け入れて前記温度制御手段9により校正温度を制御する機能を有するものである。恒温バス6は、ドライバスであっても、液体バスであってもよい。これらのうち、液体バスのほうが温度を均一に保つ能力において優れている。一方のドライバスは、液体バスのように使用時に蒸気が発生することがない、といった利点がある。温度制御手段9は、校正温度を制御できるものであれば特に限定されるものではないが、温度を設定できるだけでなく、昇温及び降温を時間軸に対し自由に設定して行えるものが好適である。一例として、冷却および加熱の両方が可能で、かつ温度制御も簡単に行えるペルチェモジュールが挙げられる。
【0042】
本発明に用いるコンピュータ7としては、温度データロガー1或いは基準温度計2による計測データを記憶することができる記憶手段と、これらの計測データを演算するための演算手段とを備えたものであれば用いることができ、特に限定されるものではない。
尚、前記基準温度計2、恒温バス6、温度制御手段9およびコンピュータ7は、それぞれ別個独立のものを接続して用いても良いし、例えば基準温度計2、恒温バス6、温度制御手段9及びコンピュータ7が一体となった装置を用いてもよいことは勿論である。
【0043】
本発明に係る温度データロガーの校正方法は、温度を計測して内部メモリに記憶させるクロック機能付きの温度データロガー1と、バス外に設置されたコンピュータ7に計測器を介し接続された基準温度計2とを、均熱ブロックを介して、恒温バス6内に設ける手順と、恒温バスを昇温又は降温させ、基準温度計2による計測データをコンピュータ7の記憶手段に記憶させる手順と、恒温バス6内から取り出した前記温度データロガー1をコンピュータ7に接続し、内部メモリMに記憶している計測データを該コンピュータ7の記憶手段に記憶させる手順と、前記コンピュータ7の演算手段により、記憶手段に記憶されている前記基準温度計の計測データと温度データロガーの計測データの時間軸を合わせて校正した結果を出力させる手順と、を備える。校正温度としては、後述する実施例のように複数の水準を設定して各温度で順次校正を行っても良いし、特定の1水準のみを設定して行ってもよい。
【0044】
以下、本発明に係る温度データロガーの校正方法により、校正を行った場合の校正精度に関し、校正の不確かさの見積もりを行うことにより評価した。
【実施例1】
【0045】
(均熱ブロック)
図2〜図4に示す前記本発明の代表的な実施形態に係る均熱ブロック3〜5を用いた。
【0046】
(温度データロガー)
校正対象となる温度データロガー1として、西華産業(株)が取り扱う米国Mesa Laboratories Inc.製の「Datatrace」を用いた。これは、ワイヤレスで、内部メモリMにデータを蓄積するタイプのクロック機能付きデータロガーである。
【0047】
(基準温度計)
基準温度計2として、山里産業株式会社が保有するJCSS認定の実用標準抵抗温度計を用いた。尚、前記実用標準抵抗温度計は、精密抵抗計測器とともに用いることは勿論である。
【0048】
(恒温バス)
温度制御手段9を有する恒温バス6として、バス内の温度安定性に優れる「ハイドラ(英国アイソサーマルテクノロジー社製、液体バス、校正温度範囲−60℃〜300℃)」を用いた。
【0049】
(校正温度)
−20℃、121℃、138℃の3水準にて校正を行った。
【0050】
(温度データロガーの校正手順)
温度データロガー1の校正は、図6に示すような手順で行った。すなわち、温度データロガー1をコンピュータ7に接続し、前記コンピュータ7に内蔵される時計を基準として、予め温度データロガー1に計測開始時間、終了時間及び計測間隔を入力し(S101)、このように温度計測条件を入力した前記温度データロガー1を均熱ブロック3〜5内に収納し(S102)、さらに温度データロガー1を収納した均熱ブロック3〜5を恒温バス6内に設置し(S103)、バス外に設置されたコンピュータ7に計測器を介し接続された基準温度計2を前記均熱ブロックに挿着して図1に示すような校正装置を組み上げた(S104)。尚、均熱ブロックには、基準温度計2挿着用の孔が2つ設けられているが、基準温度計2を挿着していない孔には、本体用ブロックと同材質のダミー部材を挿着し、内部に空間が生じないようにした。続いて、恒温バス6を温度制御手段9により昇温又は降温させて、−20℃、121℃、138℃の順にバス内を校正温度に設定し(S105)、各校正温度において基準温度計2による計測データをコンピュータ7の記憶手段にリアルタイムで記憶させ(S106)、すべての校正温度で計測が終了した後に温度データロガー1を均熱ブロックから取り出してコンピュータ7に接続し(S107)、内部メモリMに記憶している計測データを該コンピュータ7の記憶手段に回収した(S108)。さらに、コンピュータ7の演算手段により、記憶手段に記憶されている前記基準温度計2の計測データと温度データロガー1の計測データの時間軸を合わせ(S109)、−20℃、121℃、138℃の各校正温度において、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間をそれぞれ抽出し(S110a)、両抽出データの平均値をそれぞれ算出し(S110b)、算出した結果を出力する(S110c)ことにより、温度データロガー1の校正を行った。
【0051】
尚、本実施例では、上記の手順(S110a)において、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間を抽出する手法としては、コンピュータ7の演算手段に予め抽出すべき区間の条件(例えば計測データの温度バラツキ範囲等)を設定しておき、該演算手段により、所定区間を自動抽出する手法を採用した。さらに、手順(S110b)において、両抽出データの平均値を算出する手法としては、コンピュータ7の演算手段に予め両抽出データの平均値を算出する条件を設定しておき、該演算手段により自動で両抽出データの平均値をそれぞれ算出する手法を採用した。
【0052】
また、本実施例では、(S110a)において、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間をそれぞれ抽出する手法を採用したが、本発明に係る温度データロガーの校正方法において、両計測データの抽出方法はこれに限定されるものではなく、例えば、基準温度計の計測データについては所定バラツキ内に収束した所定区間を抽出し、温度データロガーの計測データについては、前記基準温度計の計測データにおける所定区間と時間軸に対して同じ区間を抽出してもよい。
【0053】
(校正の不確かさ)
以上のようにして温度データロガー1の校正を行った場合における校正の精度、すなわち校正の標準不確かさを表1に示す。不確かさの評価は、基準温度計の不確かさ、計測の不確かさ、ハイドラ内に設置された均熱ブロックの水平温度分布、ハイドラ内に設置された均熱ブロックの垂直温度分布、温度データロガーの計測データの安定性、分解能の各要因について行った。これらのうち、温度データロガー1による計測データの安定性に関する「不確かさ」の見積もりは、各校正温度において、15分間、90個のデータから標準偏差を算出することで行った。
【0054】
尚、本実施例1において、「不確かさ」の見積もりは、Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement(GUM)に基づき、定量的に評価した。
【0055】
【表1】

【0056】
表1に示すとおり、拡張不確かさは0.07〜0.08℃となり、本発明に係る温度データロガーの校正方法によれば、高い精度でワイヤレスタイプの温度データロガーを校正できることが分かった。
【実施例2】
【0057】
(均熱ブロック)
実施例1と同様に、図2〜図4に示す前記本発明の代表的な実施形態に係る均熱ブロック3〜5を用いた。
【0058】
(温度データロガー)
実施例1と同様に、校正対象となる温度データロガー1として、西華産業(株)が取り扱う米国Mesa Laboratories Inc.製の「Datatrace」を用いた。
【0059】
(基準温度計)
基準温度計2としては、後述する恒温バスに付属する温度指示計を用いた。
【0060】
(恒温バス)
恒温バス6として、「ハイパリオンS(英国アイソサーマルテクノロジー社製、校正温度範囲−20℃〜140℃)」を用いた。ハイパリオンSには、恒温バス内の温度をリアルタイムでモニターに表示する温度指示計が付属している。また、ハイパリオンSにおける温度制御手段9は、ペルチェ素子を用いたものであり、温度制御特性に優れている。ハイパリオンSは液体バスとしてもドライバスとしても用いることができるが、本実施例ではドライバスとして用いた。
【0061】
(校正温度)
実施例1と同様に、−20℃、121℃、138℃の3水準にて校正を行った。
【0062】
(温度データロガーの校正手順)
先ず、山里産業株式会社が保有するJCSS認定の実用標準抵抗温度計を用いて、ハイパリオンSに付属する温度指示計を校正した。このようにして校正した前記温度指示計を基準温度計2として用い、かつ温度制御手段9を備えた恒温バス6としてハイドラの代わりに、ハイパリオンSを用いた以外は実施例1と同様の手順で、温度データロガーの校正を行った。
【0063】
すなわち、図6に示すとおり、温度データロガー1をコンピュータ7に接続し、前記コンピュータ7に内蔵される時計を基準として、予め温度データロガー1に計測開始時間、終了時間及び計測間隔を入力し(S101)、このように温度計測条件を入力した前記温度データロガー1を均熱ブロック3〜5内に収納し(S102)、さらに温度データロガー1を収納した均熱ブロック3〜5を恒温バス6内に設置し(S103)、バス外に設置されたコンピュータ7に計測器を介し接続された基準温度計2を前記均熱ブロックに挿着して図1に示すような校正装置を組み上げた(S104)。尚、均熱ブロックには、基準温度計2挿着用の孔が2つ設けられているが、基準温度計2を挿着していない孔には、本体用ブロックと同材質のダミー部材を挿着し、内部に空間が生じないようにした。続いて、恒温バス6を温度制御手段9により昇温又は降温させて、−20℃、121℃、138℃の順にバス内を校正温度に設定し(S105)、各校正温度において基準温度計2による計測データをコンピュータ7の記憶手段にリアルタイムで記憶させ(S106)、すべての校正温度で計測が終了した後に温度データロガー1を均熱ブロックから取り出してコンピュータ7に接続し(S107)、内部メモリMに記憶している計測データを該コンピュータ7の記憶手段に回収した(S108)。さらに、コンピュータ7の演算手段により、記憶手段に記憶されている前記基準温度計2の計測データと温度データロガー1の計測データの時間軸を合わせ(S109)、−20℃、121℃、138℃の各校正温度において、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間をそれぞれ抽出し(S110a)、両抽出データの平均値をそれぞれ算出し(S110b)、算出した結果を出力する(S110c)ことにより、温度データロガー1の校正を行った。尚、本実施例では、上記の手順(S110a)において、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間を抽出する手法としては、コンピュータ7の演算手段に予め抽出すべき区間の条件(例えば計測データの温度バラツキ範囲等)を設定しておき、該演算手段により、所定区間を自動抽出する手法を採用した。さらに、手順(S110b)において、両抽出データの平均値を算出する手法としては、コンピュータ7の演算手段に予め両抽出データの平均値を算出する条件を設定しておき、該演算手段により自動で両抽出データの平均値をそれぞれ算出する手法を採用した。
【0064】
(校正の不確かさ)
以上のようにして温度データロガー1の校正を行った場合における校正の精度、すなわち校正の標準不確かさの評価結果のうち、実用標準抵抗温度計の不確かさ、計測の不確かさ、ハイパリオンS内に設置された均熱ブロックの水平温度分布、ハイパリオンS内に設置された均熱ブロックの垂直温度分布、基準温度計2の計測データの安定性、分解能の各要因に関する評価結果を表2に示す。
【0065】
【表2】

【0066】
表2に示す不確かさの要因のうち、ハイパリオンS内に設置された均熱ブロックの水平温度分布については、基準温度計2受け入れ用の有底嵌合孔14aと温度データロガー受け入れ用の6つの有底嵌合孔13(6つの孔をそれぞれ、A孔〜F孔とする。)間の温度差から算出した。また、ハイパリオンS内に設置された均熱ブロックの垂直温度分布については、温度データロガーのセンサー部1aにおける感温素子が最大でも10mm程度の取り付けバラツキ範囲内であると想定し、通常の温度データロガー収納位置と、その位置から均熱ブロック上方向に10mmずらした位置との温度差から算出した。このようにしてハイパリオンS内に設置された均熱ブロックの水平温度分布及び垂直温度分布に関する不確かさを評価した結果を表3に示す。
【0067】
【表3】

【0068】
尚、本実施例2において、「不確かさ」の見積もりは、実施例1と同様に、GUMに基づき、定量的に評価した。
【0069】
表2に示す拡張不確かさは0.10〜0.11℃となり、これに温度データロガー1の計測データの安定性と分解能に関する不確かさを合成すると、実施例2における温度データロガーの−20℃、121℃、138℃における校正の拡張不確かさ(95%信頼)は表2に示す拡張不確かさとほぼ同じ値、±0.11℃となった。これは、例えば温度データロガー1の−20℃における計測データの安定性と分解能に関する不確かさが±0.0097℃で、表2に示す−20℃における合成標準不確かさ±0.054℃に対して十分に小さかったためである。
【0070】
このように、基準温度計2として、ハイパリオンSに付属する温度指示計を用いた場合においても、本発明に係る温度データロガーの校正方法によれば、高い精度でワイヤレスタイプの温度データロガーを校正できることが分かった。
【0071】
(校正の結果)
実施例2のようにして温度データロガー1を校正した場合の結果は、例えば表4に示すような校正成績書に記載される。
【0072】
【表4】

【0073】
尚、表4において、校正温度とは、基準温度計2が指示する温度をいう。
【0074】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係る校正装置の概要を示す説明図。
【図2】本発明に係る均熱ブロックの代表的な実施形態を示す斜視図。
【図3】本発明の代表的な実施形態に係る均熱ブロックに温度データロガー及び基準温度計を挿着し、これを恒温バスに設置した状態における断面図。
【図4】本発明の代表的な実施形態に係る均熱ブロックにおけるセンサー用ブロックの平面図
【図5】本発明に係る均熱ブロックの他の実施形態におけるセンサー挿入用ガイド部材の斜視図。
【図6】本発明に係る校正方法の手順の概要を示す説明図。
【符号の説明】
【0076】
1 温度データロガー
1a センサー部
1b 本体部
2 基準温度計
2a センサー部
3 本体用ブロック
4 センサー用ブロック
5 ロッド状ブロック
6 恒温バス
7 コンピュータ
8 拡径部
9 温度制御手段
11 貫通孔
12a、12b 貫通孔
13 有底嵌合孔
14a、14b 有底嵌合孔
15 ガイド部材挿通用の空間
21 ネジ
22 ネジ穴
23 ネジ穴
24 凸部
25 凹部
31 ガイド部材
31a 枠部材
31b 底部材
31c ネジ
31d ネジ穴


【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度を計測して内部メモリに記憶させるクロック機能付きの温度データロガーと、バス外に設置されたコンピュータに計測器を介し接続された基準温度計とを、均熱ブロックを介して、恒温バス内に設ける手順と、
恒温バスを昇温又は降温させ、基準温度計による計測データをコンピュータの記憶手段に記憶させる手順と、
恒温バス内から取り出した前記温度データロガーをコンピュータに接続し、内部メモリに記憶している計測データを該コンピュータの記憶手段に記憶させる手順と、
前記コンピュータの演算手段により、記憶手段に記憶されている前記基準温度計の計測データと温度データロガーの計測データの時間軸を合わせて校正した結果を出力させる手順と、
を備えたことを特徴とする温度データロガーの校正方法。
【請求項2】
前記温度データロガーを、恒温バス内に設ける前に、コンピュータに接続して予め計測間隔を含む温度計測条件を入力する手順を備えた請求項1記載の温度データロガーの校正方法。
【請求項3】
前記校正した結果を出力させる手法が、前記演算手段により、両計測データが各々所定バラツキ内に収束した所定区間を抽出し、両抽出データの平均値を出力することを特徴とする請求項1又は2記載の温度データロガーの校正方法。
【請求項4】
前記均熱ブロックが、前記温度データロガーの全体を隙間が略無い状態に覆って収納してなる請求項1〜3の何れか1項に記載の温度データロガーの校正方法。
【請求項5】
前記温度データロガーが、前記内部メモリを収納した本体部と、該本体部より突出するセンサー部とより構成され、前記均熱ブロックが、下向きに収納された温度データロガーのセンサー部を受け入れるとともに前記基準温度計先端のセンサー部を受け入れるセンサー用ブロックと、前記温度データロガーの本体部を収納するとともに基準温度計の本体部を保持する本体用ブロックとに分割構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の温度データロガーの校正方法。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか1項に記載の校正方法に用いる均熱ブロックであって、前記基準温度計を挿着するための挿着部と、前記温度データロガーの全体を隙間が略無い状態に覆って収納する収納部とを備える均熱ブロック。
【請求項7】
下向きに収納された温度データロガー先端のセンサー部を受け入れ、かつ基準温度計先端のセンサー部を受け入れるためのセンサー用ブロックと、前記温度データロガーの本体部を収納し、かつ基準温度計の本体部を保持するための本体用ブロックと、より分割構成してなる請求項6記載の均熱ブロック。
【請求項8】
前記本体用ブロックの上下方向に沿って、前記温度データロガー及び前記基準温度計を挿通するための貫通孔をそれぞれ設け、
該本体用ブロック下端部に合着される前記センサー用ブロックにおける前記貫通孔に対応する各位置に、それぞれ前記温度データロガーのセンサー部及び前記基準温度計先端のセンサー部が挿入される有底の収納孔を設けてなる請求項7記載の均熱ブロック。
【請求項9】
前記温度データロガーを挿通するための貫通孔に挿着され、収納された温度データロガー本体部上方の余剰空間を塞ぐためのロッド状ブロックを設けてなる請求項8記載の均熱ブロック。
【請求項10】
前記ロッド状ブロックを、前記本体用ブロックと同じ材質により構成してなる請求項9記載の均熱ブロック。
【請求項11】
互いに合着される前記センサー用ブロックと本体用ブロックとの間に、断熱材を介装してなる請求項7〜10の何れか1項に記載の均熱ブロック。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−127487(P2007−127487A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319526(P2005−319526)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(390007744)山里産業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】