説明

温度制御媒体

本発明は、液体と固体粒子とを含有する温度制御媒体に関し、その際に固体粒子は炭素粒子を含有する。好ましくは、温度制御媒体中の炭素の割合は20質量%未満である。炭素粒子は、合成黒鉛、天然黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛繊維又は膨張黒鉛又はこれらの要素の少なくとも2種の混合物を含有していてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性及び電気伝導性の液体、並びにそれらの製造及びそれらの使用に関する。
【0002】
熱もしくは冷熱(Kaelte)を伝達するための液体 − 以下に温度制御媒体(Temperiermedien)と呼ぶ − は、多数の分野に見出されうる。例は、工業プロセス、プラント、機械、エンジン、工業用装置、建築物の空気調和、地熱エネルギー及び太陽工学(solartechnischer)エネルギーの利用である。その際に、それぞれの熱媒及び冷媒への要求は絶えず増大している。
【0003】
その熱物理的性質に基づき温度制御の課題にとって好ましい媒体である水に加えて、それぞれの用途のための温度レベル及び粘度の要求に応じて、特殊な液体、例えば多価アルコール、例えばプロピレングリコールをベースとするものも使用される。
【0004】
温度制御媒体、例えば水及びアルコールには、多数の用途のため及び液体が通る管系並びにポンプ等を保護するために、添加剤、例えば塩、ケイ酸塩、分散剤、紫外線安定剤、凍結防止剤、防食剤、抑制剤及び別の添加剤が添加される。添加剤のこのたいてい不可避の添加に基づいて、熱伝導率が有意に低下されている温度制御媒体が生じる。慣用の水がなお約0.58W/mKの熱伝導率を有する場合には、熱媒又は冷媒として現在普通に使用される液体混合物の場合の熱伝導率は、かろうじて約0.02〜0.25W/mKの範囲内である。
【0005】
故に、この種の慣用の温度制御媒体の熱伝導率を高めるという志向がある。
【0006】
このためには、液状の温度制御媒体に、乳濁液を製造するために熱伝導率を上昇させる液体が混合されるか、又は固体と共に懸濁液が製造された。高い熱伝導率の金属粉末のような固体、例えば銅又はアルミニウムの使用は、しかしながら重大な欠点を有する。例えば、金属粉末は、約0.60〜1.20g/cm3の慣用の温度制御媒体の密度に基づき極めて迅速に沈殿し、管路及びポンプへの著しい摩耗作用を有し、かつ一部は液状の温度制御媒体と又はとりわけ添加剤とも化学的に反応する。そして、銅粒子は例えば塩と激しく反応する。
【0007】
この理由から、高い熱伝導率の固体をナノ粉末として温度制御液体へ導入する研究に集中する。このことは、極めて迅速な沈降及び著しい摩耗に抵抗するはずである。しかしながらこの場合に不利であるのは、この種の粉末の製造のための高い労力であり、それにより生じるコストと結びついている。そのうえ、ナノ粉末は、常に凝集(Agglomeration)する傾向があり、これはそしてまた高い労力で防止されなければならない。そのうえ、熱伝導率の有意な増加のために、当初の研究によれば、5〜10質量%を超える極めて高い量のナノ粉末が添加されなければならない。
【0008】
本発明の課題は、前記の欠点を克服し、かつ特に、摩耗を生じさせず、かつ化学的に相対的に不活性である高い熱伝導率の容易に製造されるべき温度制御媒体を提供することである。
【0009】
この課題は、請求項1の特徴を有する温度制御液体を用いて解決される。本発明による温度制御媒体は、熱伝導率を高める固体として炭素粒子を含有する。炭素は、高い熱伝導率を有し、その低い密度のために液体中でゆっくりとしか沈降せず、かつ事実上摩耗を生じさせない。さらに、炭素は化学的に不活性であるので、もちろん化学的に攻撃的な液体中で変化せず、そのうえ添加剤と反応せず、ひいては液体の性質にも影響を及ぼさない。さらにまた、本発明による温度制御媒体は安価であり、かつ既存のプラントの再設計を不要にするか又はせいぜいごく僅かに必要にする。これは、例えば管断面積及びポンプ出力に関係する。
【0010】
有利には、温度制御媒体中の炭素粒子の割合は、20質量%未満、好ましくは10質量%未満、特に5質量%未満である。特に有利であるのは、0.1〜2質量%の割合である。これまで、文献では、特定のしきい値から、著しく高められた熱伝導率を達成するために、橋かけ状に又は三次元状に(geruestartig)高い数の粒子相互の接触を達成する努力が存在した。それとは異なり、本発明による温度制御媒体は、炭素粒子の割合に関して、しきい値を有しないので、意外なことに液体中の炭素の前記の好ましい低い割合で既に熱伝導率は極めて高い。本発明は、しかしながらもちろん、例えば50質量%まで及びそれを上回る、それどころか70もしくは95質量%までの明らかにより高い割合の炭素粒子も含む。
【0011】
意外なことに、本発明による温度制御媒体による熱伝達は、運動している状態でも極めて高い、それというのも、熱は、連続的にだけでなく、とりわけ、熱輸送又は冷熱輸送の目的のための温度制御媒体が含まれている容器、例えば管の壁への炭素粒子の個々の衝突によっても、伝達されるからである。それゆえ、個々の炭素粒子は互いに及び壁の方へ熱又は冷熱を輸送する温度キャリヤーとして作用する。
【0012】
好ましくは、温度制御媒体の液体は、水、アルコール、例えばプロパノール、グリセリン、グリコール、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール、及び炭化水素、例えば鉱油、シリコーン油、水素化油、石油、パラフィン又はナフサ基油をベースとするもの、シリコーン油等、エステル又はエーテル、例えばリン酸エステル、並びに芳香族化合物からなる群の液体又はそのような液体の少なくとも2種の混合物である。
【0013】
水は、例えば水銀以外の全ての液体で最高の伝導率を有し、安価で容易に入手可能な適した粘度の液体であるという利点を有する。
【0014】
アルコールは、マイナス60℃〜300℃の典型的な使用範囲内で固体にならず、故に凍結防止剤が添加される必要がないという利点を有する。
【0015】
炭化水素は、マイナス60℃〜300℃内の典型的な使用範囲内で同様に固体にならず、さらにまた潤滑剤として作用するという利点を有する。
【0016】
本発明のさらなる一態様によれば、前記液体に、添加剤、例えば塩、ケイ酸塩、分散剤、紫外線安定剤、凍結防止剤、防食剤及び抑制剤が添加されている。典型的な凍結防止剤は、グリコール、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコール、及び塩、例えばギ酸カリウムもしくはプロピオン酸カリウムをベースとするものである。
【0017】
さらに、本発明による温度制御媒体の液体として、有利には液化ガス、例えば−196℃での窒素も、使用されることができる。そのような液体中でも、前記の利点は作用する。
【0018】
さらに、本発明のさらなる好ましい一変法によれば、前記液体は、溶融物、特にポリマー溶融物である。これは、例えば太陽熱プラントの場合に生じるような高温で、液体として特に好適である。ポリマーとして、特に熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及び類似の熱可塑性プラスチック、並びにこれらのポリマーの少なくとも2種のコンパウンドが考慮に値する。これらは、例えば180〜450℃の温度範囲内で使用可能であるが、融点が何度であるか、かつ何度から分解するかに依存する。この種の溶融物は、高温での低い蒸気圧の利点を有する。
【0019】
好ましくは使用される炭素粒子は、合成黒鉛、天然黒鉛、カーボンブラック(Russ)、炭素繊維、黒鉛繊維又は膨張黒鉛を含有する粒子である。前記粒子は、この場合に薄片(Flocken)、粉末、顆粒及び凝集物、もしくはフレーク(Flakes)としても存在していてよい。フレークは、辺の長さ約5〜10mmの膨張黒鉛箔の片であると理解されるべきである。
【0020】
膨張黒鉛は、たいてい酸及び温度の作用により黒鉛を膨張させることによって製造され、そうするとたいてい薄片状で存在する。膨張黒鉛及びその製造は、当業者に知られており、故にこの箇所ではより詳細に説明されない。黒鉛箔は、膨張黒鉛の少なくとも部分的な再圧縮により製造され、かつ同様に文献から知られている。
【0021】
膨張黒鉛は、本発明の範囲内で、粉砕され、少なくとも部分的に圧縮された膨張黒鉛であるとも理解されるべきである。これは、例えば粉砕過程において破砕される黒鉛箔である。破砕に加えて、膨張黒鉛の粒子は、少なくとも部分的に再び圧縮されるので、粉砕された膨張黒鉛は、粉砕されない膨張黒鉛に比べて、0.1〜1.8g/cm3、好ましくは0.4〜1.4g/cm3のより高い密度を有する。
【0022】
同じように、本発明の範囲内で、黒鉛箔の破砕された片はいわゆるフレークとして使用可能である。黒鉛箔片の使用は特に、黒鉛箔の残留片をそれらの製造もしくはさらなる加工の際に利用できるという利点を有する。
【0023】
膨張黒鉛は、特に低い密度の利点を有し、これは液体中での粒子の長い浮遊となる。僅かな運動、例えば対流により既に、沈降する粒子は再び舞い上がる。それゆえ、特に均質で長期安定な温度制御媒体が存在する。
【0024】
特に有利であるのは、プラズマで処理されている膨張黒鉛を使用すること又は製造することである。プラズマ処理は、それ自体として無極性の黒鉛粒子の、極性液体、例えば水に対する親和力を高め、それにより混合挙動を改善する。
【0025】
有利には、炭素粒子は、1μm〜15mm、特に好ましくは2μm〜10mm、特に50μm〜1mmの粒度分布を有する。
【0026】
炭素粒子としての炭素繊維には、これらのサイズの記載は、長さにも相応して当てはまる。しかしながら、炭素繊維として、本発明によれば、長さ50mmまで、特に30mmまで、特に長さ15mmまでの長繊維も使用されることができる。
【0027】
本発明による温度制御媒体に有利には使用される膨張黒鉛の薄片は、同様に長さ対厚さの高い比を有する。それらの好ましい長さは、長さ20mmまで、特に10mmまで、特に5mmまでである。特に炭素粒子としての黒鉛薄片を有する温度制御媒体のより長期の使用後に、それらの長さは、前記薄片の機械的応力により、しかしまた3mmまで、特に1mmまでに過ぎなくてもよい。それらの好ましい厚さもしくはそれらの好ましい直径は、100〜1000μm、特に300〜800μmである。
【0028】
そのように好ましい粒度は、これらが極めて小さい粒子、例えばナノ粒子とは異なり、低い労力で製造可能であるという利点を有する。これらは、それどころか例えば膨張黒鉛の製造方法から、さらに加工されることなく直接取り出されることができる。少なくとも、ごく僅かな破砕工程のみが必要である。得られる高い粒度は、凝集する傾向がないか又は少なくとも殆ど凝集する傾向がないので、これらは、傾向的に大きな凝集に合一するより小さい粒子、例えばナノ粒子よりも長く浮遊したままである。
【0029】
使用される炭素粒子の密度は、好ましくは、0.05〜2.2g/cm3、特に好ましくは0.1〜1g/cm3、特に0.2〜0.6g/cm2の範囲内である。相応して、かさ密度は、好ましくは0.002g/cm3〜0.05g/cm3、特に好ましくは0.005〜0.01g/cm3である。このような密度の場合に、沈降は殆ど起こらない;低い外的影響は、粒子を容易に再び浮遊させる。炭素繊維の場合、特に短繊維の場合に、かさ密度は明らかにより高く、例えば1g/cm3までであってよい。
【0030】
本発明による温度制御媒体の製造は、本発明の意味での炭素粒子を相応する液体へ混入又は撹拌混入することにより行われる。これは、慣用の撹拌機又はミキサー、例えばフリクションミキサーを用いて、又は単純に手でも、行われることができる。有利に、知られた計量供給装置も使用される。温度制御媒体の製造は、極めて単純である、なぜなら、前記の全ての炭素粒子が、凝集することなく、容易に前記の液体と混合できるからである。プラズマ処理された粒子は、水に対する特に良好な親和力を有するが、しかし本発明により使用される他の全ての炭素粒子も、極めて温良な混入挙動を示す。それゆえ、本発明による温度制御媒体は、低い労力及び低いコストで製造されることができる。
【0031】
前記課題は、さらに、たいてい熱収支もしくは冷熱収支を調節するための温度制御媒体(熱媒又は冷媒とも呼ぶ)としての炭素粒子を含有する液体の使用を用いて解決される。これは特に、建築技術における、工業用プラントのため、装置組立における、車両技術及び交通技術における、これは例えば水運及び鉄道にも関する、航空学及び宇宙航空学における及びエネルギー生成における、使用を含む。同じように、高い熱量が生じ、かつ冷却されなければならない材料加工における、特に金属加工及びプラスチック加工、ガラス加工及びセラミック加工、木材加工、しかしまた繊維状材料の加工、例えば織物加工における。さらに、炭素粒子を有する液体は本発明によれば、地熱発電所及び太陽熱プラントにおいて、地中熱交換パイプ(Erdsonden)、ヒートポンプ及び熱回収システムにおいて使用される。本発明によるさらなる使用は、液状ガスで極低温に冷却される医療技術及び超電導技術においてである。その化学的な不活性、ひいては食品適性は、本発明によれば、食品製造技術において、例えば食品、しかしまた他の傷みやすい品物、例えば医薬、血液及び臓器等の冷却用の冷凍倉庫及び冷凍車両中でも使用されることができる。
【0032】
原則的に、本発明による温度制御媒体は、熱又は冷熱の除去、もしくは供給又は伝達が望まれている一般分野及び工業分野のあらゆるところで使用可能である。その際に、極めて良好な熱伝導率に加えて、炭素粒子を有する液体の多くの利点を結果として生じる。特に、炭素は、500℃までの高温でも分解生成物を形成せず、環境にやさしく、無毒であり、かつ水に有害でなく、貯蔵及び輸送の際に安定なままであり、液体中の他の添加剤と又は容器壁との化学反応をしない。ベース液体の粘度は殆ど影響を受けず、ポンプ輸送性は極めて良好である。意外なことに、炭素粒子は液体中でも潤滑作用をするので、ポンプ及び他の回転部品の寿命はそれどころか高められる。
【0033】
特別な利点は、整備の高度なしやすさである、なぜなら、温度制御媒体は、低い摩耗、低い沈降及び使用される炭素粒子の不活性のために、そうであったとしても、極めて長い整備間隔で交換されなければならないに過ぎないからである。このことは、特に原子力発電所及び地熱発電所における冷却循環の場合に有利であるが、しかし全く同じように、一般世帯における各種の加熱装置、化学工業における熱交換器又は炭素粒子を添加しないこれまで慣用の温度制御媒体が使用されたその他の全ての考えられる用途にも該当する。
【0034】
これまで挙げた実施態様及び利点は、電気伝導率についても原則的に熱伝導率と全く同じように当てはまる。しかしながら、本発明によれば、電気伝導率が、より少量の炭素粒子で既に上昇することが確かめられた。
【0035】
本発明のさらに有利な形態及びさらなる形態並びに利点は、図面と組み合わせて本発明を例示的に説明する実施例から明らかになる。その際に以下のものを示す:
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】純水と比較した、静止水中の本発明による黒鉛薄片の1%懸濁液の熱伝導率の、10℃の段階で20〜80℃の温度への依存性を示す測定曲線;
【図1b】純水と比較した、静止水中の黒鉛薄片の本発明による1%懸濁液の熱伝導率の、5℃の段階で25〜55℃の温度への依存性を示す測定曲線;
【図2】流動状態の膨張黒鉛薄片と水とからなる本発明による温度制御媒体の、シミュレーション計算により決定された伝達された熱量並びに熱伝導率。
【0037】
本発明による温度制御媒体の熱伝導率の測定を実施し、それらの結果は図1a及び図1bに示されている。そのためには、水中の膨張黒鉛の黒鉛薄片の1%(単位:質量%)懸濁液を撹拌混入した。薄片は平均して、長さ約3mm及び直径約0.5mmの範囲内である。比較のために、炭素を添加しない水を測定した。測定を、静止した温度制御媒体で実施した。図1aには、純水についてそれぞれ3個の測定値1及び1%懸濁液についてそれぞれ3個の測定値2が示されている。追加的に、比較として、文献からの水の熱伝導率を示す実線3が書き込まれている。双方の温度制御媒体の場合に、熱伝導率は20から80℃への温度増加に伴い上昇するが、しかしながら本発明による懸濁液の場合に熱伝導率は常に水の熱伝導率を上回る。同じことは、図1b中での測定に該当し、そこでは図1aからのデータがより狭い測定段階でのみ検証された。熱伝導率の卓越した上昇は、この場合に1質量%のみ炭素粒子の添加で既に約30〜50%であった。
【0038】
運動する温度制御媒体については、測定の代わりにシミュレーション計算を実施した。
実効熱伝導を、Maxwellの方程式、Maxwell-Garnett方程式及びHamilton及びCrosserによる方程式を用いて実験的に計算した。
【0039】
図2には、シミュレーション計算の結果が示されている。黒鉛薄片の多様な質量割合を採用し、かつ熱伝導率並びに管壁へ伝達された熱量Qを計算した。その際に、80℃の温度制御媒体の出発温度及び20℃の管壁の温度を採用した。管の長さは5cmであり、直径は7mmであった。熱伝導率の計算値は、小さい菱形4で示されており、それらを通る曲線5が引かれており、伝達された熱量6の値は大きな正方形7で示されており、それらを通る曲線8が引かれている。x軸の量の記載は、質量%で示されている。
【0040】
炭素粒子の量が増加するにつれて、熱伝導率並びに管壁へ伝達された熱量Qが上昇することがわかる。約0.6W/mKの純水の熱伝導率は、黒鉛薄片の5質量%でほぼ10倍の値に上昇する。1質量%で既に、熱伝導率は、図1a及び図1bに示されるような静止水の場合よりもいっそう明らかに著しく上昇している。この理由は、流れにより引き起こされている管壁への黒鉛薄片の高められた数の衝突であろう。相応して、黒鉛薄片の量が増加するにつれて、より高い熱量が伝達される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と、固体粒子とを含有する温度制御媒体であって、
前記固体粒子が炭素粒子を含有することを特徴とする、温度制御媒体。
【請求項2】
温度制御媒体中の炭素の割合が20質量%未満である、請求項1記載の温度制御媒体。
【請求項3】
前記液体が、水、アルコール及び炭化水素からなる群の少なくとも1種の液体である、請求項1又は2記載の温度制御媒体。
【請求項4】
前記液体に、凍結防止剤、防食剤、抑制剤、分散剤、安定剤のような添加剤が添加されている、請求項3記載の温度制御媒体。
【請求項5】
前記液体が、ポリマー溶融物のような溶融物である、請求項1又は2記載の温度制御媒体。
【請求項6】
炭素粒子が、合成黒鉛、天然黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛繊維又は膨張黒鉛又はこれらの要素の少なくとも2種の混合物を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の温度制御媒体。
【請求項7】
炭素粒子が、薄片、粉末、顆粒、凝集物又はフレークとして存在するか、又はこれらの粒子形の少なくとも2種の混合物を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の温度制御媒体。
【請求項8】
炭素粒子が、プラズマ処理された黒鉛を含有する、請求項6又は7記載の温度制御媒体。
【請求項9】
炭素粒子が、サイズもしくは長さ1μm〜2mm、炭素繊維の場合には50mmまで及びフレークの場合には辺の長さ15mmまでの分布を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の温度制御媒体。
【請求項10】
温度制御媒体としての、特に請求項1から9までのいずれか1項記載の、炭素粒子を含有する液体の使用。
【請求項11】
加熱装置又は冷却装置において、材料加工において、作動液として、車両技術又は建築技術において温度制御媒体として使用する、請求項10記載の使用。
【請求項12】
地熱発電所又は太陽熱プラントにおいて、地中熱交換パイプ、ヒートポンプ又は熱回収系において温度制御媒体として使用する、請求項10又は11記載の使用。
【請求項13】
内燃機関の冷却装置において、医療技術において、建築技術において、エネルギー生成において又は傷みやすい品物の冷却のために温度制御媒体として使用する、請求項10から12までのいずれか1項記載の使用。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−530161(P2012−530161A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515398(P2012−515398)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003683
【国際公開番号】WO2010/145833
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(501090803)エスゲーエル カーボン ソシエタス ヨーロピア (47)
【氏名又は名称原語表記】SGL CARBON SE
【住所又は居所原語表記】Rheingaustrasse 182, D−65203 Wiesbaden, Germany