説明

温度制御装置および方法、エアーコンディショナおよびその温度制御方法、並びにプログラム

【課題】ハウス暖房において、燃料の削減率を向上させることができるようにする。
【解決手段】温度制御部32は、エアーコンディショナ17の内蔵メモリの設定温度を、温度判定部33の判定結果に応じて設定することにより、エアーコンディショナ17を、通常運転、または、最大運転させる。エアーコンディショナ17は、内蔵する温度センサにより測定された温度が温度制御部32により設定された設定温度になるようにインバータ制御を行い、地面付近から空気を取り込み、上部から温風を出力する。本発明は、農作物を栽培するハウス内の温度制御を行うハウス温度制御システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度制御装置および方法、エアーコンディショナおよびその温度制御方法、並びにプログラムに関し、特に、ハウス暖房において、燃料の削減率を向上させ、省エネを行うことができるようにした温度制御装置および方法、エアーコンディショナおよびその温度制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのハウス農家においては、重油を燃料としてハウス暖房が行われている。しかしながら、近年、原油価格の高騰によりハウス暖房用燃料が大きく値上がりし、殆どの作物において採算割れを起こしている。
【0003】
ハウス被覆材料の断熱性を上げる、被覆材の隙間をできるだけ塞ぐ、ハウス上部の暖かい空気を攪拌して均一な温度分布にする、または、重油バーナのノズル清掃をこまめに行うなどの対策が提案されているが、これらの省エネ効果は2乃至3割程度である。
【0004】
他に暖房費を低減させる方法としては、重油の代わりに、ヒートポンプを用いたエアーコンディショナ(以下、単にエアーコンディショナと称する)を使用する方法がある。例えば、非特許文献1には、エアーコンディショナを使用して、エアーコンディショナと重油焚温風暖房機を効率よく連動制御することが提案されている。
【0005】
このように、通常はCOPの高いエアーコンディショナで暖房を行い、外気温度が極端に低くなりハウス内温度を設定温度に維持できなくなったときに重油暖房機の助けを借りてハウス内の温度を維持するシステムを、ハイブリッド暖房システムと称する。ここで、COPとは、成績係数(Coefficient Of Performance)であり、1kwの電気入力に対する熱出力の割合を表す。
【0006】
ハイブリッド暖房システムにおいては、通常、エアーコンディショナの設定温度T℃とすると、重油暖房機の設定温度を、T−1℃乃至T−2℃に設定して、ハウス内の温度を、T℃を維持する。外気温度が下がってくると、エアーコンディショナのみで、T℃を維持できなくなり、徐々にハウス内の温度が下がってくる。
【0007】
ハウス内の温度がT−1℃乃至T−2℃になると、重油暖房機が運転を始め、ハウス内の温度が徐々に上がり、T+1℃程度になると、重油暖房機の運転は停止する。外気温度が低い間は、この動作が繰り返される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ネポン株式会社,グリーンパッケージ,[online],[平成21年6月3日検索],インターネット<URL: http://www.nepon.co.jp/products/agriculture/gp/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、現在生産されているエアーコンディショナは、その殆どがインバータ制御を行うものである。インバータ制御においては、ハウス内の温度がエアーコンディショナの設定温度T℃より5℃以上低い場合には全力で運転が行われるが、2乃至3℃低い程度場合には、全力の50乃至70%の能力で運転が行われる。
【0010】
したがって、外気温度が低くなり、ハウス内の温度がT℃を下回り始めても、エアーコンディショナは全力で運転を行わないため、徐々にハウス内の温度が低下していく。その結果、エアーコンディショナの能力に余裕があるにも拘らず、重油暖房機が運転を開始してしまう。そして、重油暖房機が運転を始め、ハウス内の温度が上昇してくると、エアーコンディショナはインバータ制御のため、さらに、暖房能力を下げてしまう。
【0011】
このように、本来、重油暖房機の運転が始まるときにこそ、エアーコンディショナが全力運転を行い、重油暖房機の運転を速やかに停止させなければならないにも拘らず、重油暖房機による暖房が続くことになってしまう。この結果、重油使用量はあまり削減できなかった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ハウス暖房において、燃料の削減率を向上させ、省エネを行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面の温度制御装置は、燃料を用いてハウス内の暖房を行う暖房機、および温風により前記ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナを用いて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御装置において、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させる温度制御手段を備える。
【0014】
前記温度制御手段は、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第2の温度よりも高い第3の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第1の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを通常運転させることができる。
【0015】
前記第3の温度は、前記エアーコンディショナにおいて設定可能な最大温度である。
【0016】
前記稼動制御手段は、さらに、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度、または前記第1の温度よりも低い第4の温度以下になった場合、前記重油暖房機の運転を開始させ、前記ハウス内の温度が、前記第2の温度以上になった場合、さらに、前記重油暖房機の運転を停止させることができる。
【0017】
本発明の一側面の温度設定方法は、燃料を用いてハウス内の暖房を行う暖房機、および温風により前記ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナを用いて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御手段を備える温度制御装置の温度制御方法であって、前記温度制御手段が、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させるステップを含む。
【0018】
本発明の一側面のプログラムは、燃料を用いてハウス内の暖房を行う暖房機、および温風により前記ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナを用いて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御装置のコンピュータを、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させる温度制御手段として機能させる。
【0019】
本発明の他の側面のエアーコンディショナは、ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナにおいて、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御手段とを備える。
【0020】
前記温度制御手段は、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第2の温度よりも高い第3の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第1の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを通常運転させることができる。
【0021】
前記第3の温度は、前記エアーコンディショナにおいて設定可能な最大温度である。
【0022】
本発明の他の側面の温度制御方法は、温度制御手段を備え、ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナの温度制御方法であって、前記温度制御手段が、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させて、前記ハウス内の温度を制御するステップを含む。
【0023】
本発明の他の側面のプログラムは、ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナのコンピュータを、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御手段として機能させる。
【0024】
本発明の一側面および他の側面においては、ハウス内の温度が、前記ハウス内の所望の温度である第1の温度以下になった場合、エアーコンディショナが全力運転される。また、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナが通常運転される。これにより、前記ハウス内の温度が制御される。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、ハウス暖房を効率的に行うことができる。また、本発明によれば、ハウス暖房において、燃料の削減率を向上させ、省エネを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を適用したハウス温度制御システムの一実施の形態の構成例を示す上面図である。
【図2】図1のハウス温度制御システムを横から見た側面図である。
【図3】図1のハウス温度制御システムの電気的構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のハウス温度制御システムの温度制御処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明を適用したハウス温度制御システムの他の実施の形態の構成例を示す上面図である。
【図6】図5のエアーコンディショナの構成例を示すブロック図である。
【図7】図5のエアーコンディショナの空調制御処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明を適用したハウス温度制御システムの一実施の形態の構成例を示す図である。ハウス温度制御システム1は、外気の温度変化などにより逐次変わるハウス2内の温度を管理し、制御する。
【0029】
図1の例において、ハウス温度制御システム1は、給湯機11、貯湯槽12、循環ファン13−1乃至13−6、温度センサ14−1乃至14−6、湿度センサ15、除湿用エアーコンディショナ16、エアーコンディショナ17−1乃至17−6、および温度制御装置18により構成される。
【0030】
ハウス2は、木材、または鋼材を躯体とし、合成樹脂のフィルムで外壁を被覆した農業用の小屋であり、例えば、1反ほどの広さを有する。このハウス2内には、図示せぬトマト、なす、またはメロンなどの作物が栽培されている。ハウス2の被覆材料には、農業用ポリ塩化ビニルフィルムなどが用いられる。
【0031】
なお、図1の例において、実線矢印は、給湯機11により温められた温水の供給を表しており、点線矢印は、循環ファン13−1乃至13−6からの温水の戻りを表している。
【0032】
給湯機11は、例えば、A重油を燃料として暖房を行う温水ボイラなどで構成される。給湯機11は、貯湯槽12に貯められている温水を取り込み、取り込んだ温水を、重油を燃料としてさらに温め、温めた温水を、貯湯槽12に供給する。
【0033】
貯湯槽12は、循環ファン13−1乃至13−6から戻ってきた温水と、給湯機11により温められた温水とを貯湯する。図1においては図示されないが、貯湯槽12には、温水ポンプ31(図3)が取り付けられており、温水ポンプ31により、貯湯槽12の温水は、循環ファン13−1乃至13−6に備えられる加熱コイル21に給水され、循環ファン13−1乃至13−6から戻ってきた温水は、貯湯槽12に貯められる。
【0034】
すなわち、温水ポンプ31が稼働しなければ、貯湯槽12への温水の出入りがないので、貯湯槽12の温水は計時変化の分しか冷めない。よって、給湯機11においては最低限の燃料しか消費されない。すなわち、給湯機11は、温水ポンプ31が稼働されることで暖房を行うともいえる。
【0035】
循環ファン13−1乃至13−6は、それぞれ、貯湯槽12からの温水により空気を温める加熱コイル21(図2)を有している。すなわち、貯湯槽12からの温水は、加熱コイル21に供給される。循環ファン13−1乃至13−6は、加熱コイル21により温められた空気を取り込み、それを送風することで、ハウス2内の空気を攪拌し、循環させるとともに、ハウス2内を温める。
【0036】
温度センサ14−1乃至14−6は、それぞれ、エアーコンディショナ17−1乃至17−6から所定の距離をおいて配置されている。
【0037】
なお、図1の例において、温度センサ14−6は、除湿用エアーコンディショナ16上に図示されているが、実際には、除湿用エアーコンディショナ16よりも高い位置に配置されている。
【0038】
湿度センサ15は、除湿用エアーコンディショナ16から所定の距離をおいて配置されている。湿度センサ15は、定期的に、ハウス2内の湿度を測定し、測定した湿度の情報を、除湿用エアーコンディショナ16に出力する。
【0039】
除湿用エアーコンディショナ16は、湿度センサ15により測定された湿度に基づいて、ハウス2内の除湿を行う。
【0040】
具体的には、除湿用エアーコンディショナ16は、図示せぬメモリを内蔵しており、そのメモリには、湿度調整の基準となる湿度が設定されて記憶されている。除湿用エアーコンディショナ16は、定期的に、湿度センサ15により測定された湿度が、メモリの設定湿度以上であるか否かを判定する。除湿用エアーコンディショナ16は、湿度センサ15により測定された湿度が設定湿度以上であると判定した場合、除湿運転を行い、湿度センサ15により測定された湿度が設定湿度に満たないと判定した場合、除湿運転を休止する。
【0041】
エアーコンディショナ17−1乃至17−6は、それぞれ、図示せぬ空気の取り込み口に温度センサを内蔵している。エアーコンディショナ17−1乃至17−6は、温度制御装置18の制御のもと、内蔵する温度センサからの温度に基づくインバータ制御を行って、温風を出力することで、ハウス2内の温度を調整する。
【0042】
温度制御装置18は、例えば、汎用コンピュータで構成される。温度制御装置18は、温度センサ14−1乃至14−6からの温度の情報に応じて、エアーコンディショナ17−1乃至17−6の運転、および貯蓄槽12に取り付けられている温水ポンプ31の運転を制御して、ハウス2内の温度を制御する。
【0043】
すなわち、温度制御装置18は、エアーコンディショナ17−1乃至17−6を制御し、最大能力による運転(以下、最大運転と称する)および通常運転のどちらか一方の運転を行わせる。また、温度制御装置18は、温水ポンプ31の運転のオンまたはオフを制御する。
【0044】
なお、以下、循環ファン13−1乃至13−6、温度センサ14−1乃至14−6、およびエアーコンディショナ17−1乃至17−6を個々に区別する必要がない場合、単に循環ファン13、温度センサ14、およびエアーコンディショナ17と称する。
【0045】
また、図1においては、給湯機11が1台、貯湯槽12が1台、循環ファン13が6台、温度センサ14が6つ、湿度センサ15が1つ、除湿用エアーコンディショナ16が1台、およびエアーコンディショナ17が6台の例が示されているが、それらの台数および配置場所は、図1の例に限らない。
【0046】
図2は、図1のハウス温度制御システム1のハウス2内を横から見た側面図である。なお、図2の例において、矢印は、空気の流れ(気流)を表しており、除湿センサ15、除湿用エアーコンディショナ16、および温度制御装置18は省略されている。
【0047】
循環ファン13は、貯湯槽12からの温水により温められる(加熱される)加熱コイル21を有している。すなわち、循環ファン13は、その上部に設置される空気取り込みダクト22と、その下部に設置される送風ダクト23を有しており、加熱コイル21は、循環ファン13の上部の空気取り込みダクト22に設置されている。
【0048】
循環ファン13は、実線矢印に示されるように、空気取り込みダクト22から空気を取り込み、取り込んだ空気を、送風ダクト23から送風する。これにより、ハウス2内の空気は、循環される。このとき、加熱コイル21が貯湯槽12からの温水(すなわち、給湯機11により温められた温水)により温められていれば、空気取り込みダクト22から取り込まれた空気は、加熱コイル21により温められ、循環ファン13により送風ダクト23から送風される。これにより、ハウス2内の空気は、循環されるとともに、温められる。
【0049】
温度センサ14aは、ハウス2の上部(天井付近)に配置され、定期的に、ハウス2の上部の温度を測定し、測定した温度の情報を、温度制御装置18に出力する。温度センサ14bは、ハウス2の天井と地面の中間付近に配置され、定期的に、ハウス2の中間付近の温度を測定し、測定した温度の情報を、温度制御装置18に出力する。なお、温度センサ14bの配置位置は、作物の高さあたりとすることもできる。このように、温度センサ14を異なる高さに配置することで、ハウス2内の温度むらを検出し、調整することもできる。
【0050】
エアーコンディショナ17−1乃至17−6は、温度制御装置18の制御のもと、内蔵する温度センサからの温度に基づくインバータ制御を行い、点線矢印に示されるように、地面付近から空気を取り込み、エアーコンディショナ17の上部から温風を出力して、ハウス2内を温める。
【0051】
以上のように、ハウス温度制御システム1は、加熱コイル21を有した循環ファン13を用いての重油を燃料とする給湯機11による暖房と、エアーコンディショナ17による暖房の2通りの暖房方法を有している。
【0052】
これらの給湯機11およびエアーコンディショナ17は、ともに、給湯機11およびエアーコンディショナ17のどちらか一方のみでも、ハウス2内の暖房を行うことができる能力を持つように構成されている。
【0053】
そして、図1のハウス温度制御システム1は、温度センサ14により測定されるハウス2内部の温度に基づいて、エアーコンディショナ17の運転を制御し、その補佐として、給湯機11の暖房の稼働(すなわち、温水ポンプ31の稼働)を制御することにより、ハウス2内の温度制御を行う。これにより、ハウス2の暖房における重油の削減率を向上させることができる。
【0054】
図3は、図1のハウス温度制御システム1の電気的構成例を示している。
【0055】
図3の例において、ハウス温度制御システム1は、循環ファン13、温度センサ14、エアーコンディショナ17、外部温度センサ24、温水ポンプ31、並びに、温度制御装置18に構成される温度制御部32および温度判定部33からなる。
【0056】
給湯機11は、温度制御部32の制御のもと稼働する。そして、稼働後、給湯機11は、貯湯槽12に貯められている温水が常に所定の温度(例えば、80℃)以上になるように、貯湯槽12に貯められている温水を温める。すなわち、給湯機11は、貯湯槽12に貯められている温水が90℃になれば運転(動作)を停止し、80℃を下回ると運転を開始する。
【0057】
なお、貯湯槽12を、循環ファン13から戻ってきた温水と給湯機11により温められた温水を分けて貯湯するように構成することもできる。この場合、給湯機11は、例えば、循環ファン13から戻ってきた温水が常に所定の温度になるように温める。
【0058】
循環ファン13は、温度制御部32の制御のもと稼働する。稼働後、循環ファン13は、空気取り込みダクト22から空気を取り込み、取り込んだ空気を、送風ダクト23から送風する。
【0059】
エアーコンディショナ17は、温度制御部32の制御のもと稼働する。稼働後、エアーコンディショナ17は、内蔵する温度センサからの温度に基づくインバータ制御を行って、温風を出力することで、ハウス2内の温度を調整する。
【0060】
すなわち、エアーコンディショナ17は、図示せぬメモリを内蔵しており、そのメモリには、それぞれ、温度調整の基準となる設定温度が記憶されている。この設定温度は、温度制御部32により、温度センサ14からの温度の情報に応じて設定される。
【0061】
エアーコンディショナ17は、定期的に、内蔵する温度センサにより測定された温度と、温度制御部32により設定されるメモリの設定温度とを比較する。そして、エアーコンディショナ17は、内蔵する温度センサにより測定された温度が設定温度になるように、インバータ制御を行い、図2の点線矢印に示されるように、地面付近から空気を取り込み、エアーコンディショナ17の上部から温風を出力する。
【0062】
温水ポンプ31は、温度制御部32の制御のもと、稼動したり、その動作(運転)を停止する。すなわち、温水ポンプ31は、温度制御部32により稼動が指示されると、図示せぬ2方弁制御を行い、貯湯槽12の温水を、循環ファン13が有する加熱コイル21に給水したり、加熱コイル21からの温水を貯湯槽12に戻す。この結果、加熱コイル21が貯湯槽12からの温水により温められるので、循環ファン13の空気取り込みダクト22から取り込まれた空気は、加熱コイル21により温められ、循環ファン13により送風ダクト23から送風される。
【0063】
温度制御部32は、ハウス2内における温度制御処理の開始とともに、給湯機11、循環ファン13、およびエアーコンディショナ17を稼動させる。そして、温度制御部32は、ハウス2内の温度制御処理として、温度判定部33の判定結果に応じて、エアーコンディショナ17を、通常運転させたり、最大運転させる。すなわち、温度制御部32は、エアーコンディショナ17の内蔵メモリの設定温度を、温度判定部33の判定結果に応じて設定することにより、エアーコンディショナ17を、通常運転させたり、最大運転させる。
【0064】
また、温度制御部32は、温度判定部33の判定結果に応じて、温水ポンプ31の稼動および停止を制御する。すなわち、温水ポンプ31の稼働が制御されることにより、結果的に、重油を用いての給湯機11による暖房の稼働および停止が制御される。
【0065】
温度判定部33は、メモリ41を有している。温度判定部33は、温度センサ14からの温度の情報に基づき、ハウス2内の温度と、メモリ41に記憶されている温度とを比較し、その比較結果を、温度制御部32に供給する。
【0066】
メモリ41には、エアーコンディショナ17の通常運転時の設定温度Tn、最大運転時の設定温度Tm、最大運転開始温度Ts、および通常運転開始温度Te、並びに、温水ポンプ31の稼動開始温度Tpが設定されて、記憶されている。
【0067】
エアーコンディショナ17の通常運転時の設定温度Tnは、ハウス2内の所望(理想)の温度であり、ハウス2内で栽培される作物によって異なるものが設定される。メモリ41においては、ある作物の通常運転時の設定温度Tnとして、例えば、20度が設定される。
【0068】
エアーコンディショナ17の最大運転時の設定温度Tmは、エアーコンディショナ17がその能力を最大として運転を始める温度であれば何度でもよい。
【0069】
上述したように、エアーコンディショナは、インバータ制御を行うため、一般的に、設定温度より5℃以上低い場合には全力で運転が行われるが、2乃至3℃低い程度場合には、全力の50乃至70%の能力で運転が行われる。したがって、最大運転時の設定温度Tmとしては、通常運転時の設定温度Tnよりも5℃以上高い温度が推奨される。好ましくは、通常運転時の設定温度Tnに拠らないために、メモリ41においては、最大運転時の設定温度Tmとして、エアーコンディショナ17で設定可能な最大の温度(例えば、30度)が設定される。
【0070】
エアーコンディショナ17の最大運転開始温度Tsは、最大運転を開始するか否かの判定時の閾値であり、メモリ41においては、最大運転開始温度Tsとして、通常運転時の設定温度Tnと同じ温度が設定される。
【0071】
エアーコンディショナ17の通常運転開始温度Teは、通常運転を開始するか否かの判定時の閾値である。メモリ41においては、通常運転開始温度Teとして、通常運転時の設定温度Tn+α(0<α<1)が設定される。例えば、αには、0.1や0.2が設定される。
【0072】
温水ポンプ31の稼動開始温度Tpは、温水ポンプ31が稼働を開始するか否かの判定時の閾値である。メモリ41においては、稼動開始温度Tpとして、最大運転開始温度Tsと同じ値か、あるいは、最大運転開始温度Tsによりも低い値で、かつ、より近い値が設定される。すなわち、稼動開始温度Tpとしては、例えば、Ts−0.5度や、Ts−1℃、すなわち、最大運転開始温度Ts−β(0≦β≦2)が設定される。
【0073】
次に、図4のフローチャートを参照して、ハウス温度制御システム1の温度制御処理を説明する。
【0074】
温度制御処理が開始されると、温度制御部32は、給湯機11、循環ファン13、およびエアーコンディショナ17を稼動させる。
【0075】
これにより、給湯機11は、貯湯槽12に貯められている温水が常に所定の温度(例えば、80℃)以上になるように、貯湯槽12に貯められている温水を温める。循環ファン13は、空気取り込みダクト22からの空気を取り込み、取り込んだ空気を、送風ダクト23から送風する。
【0076】
エアーコンディショナ17は、稼働直後、通常運転を行う。すなわち、エアーコンディショナ17は、定期的に、内蔵する温度センサにより測定された温度と、メモリの通常運転時の設定温度Tn(例えば、20度)とを比較する。エアーコンディショナ17は、内蔵する温度センサにより測定された温度が、通常運転時の設定温度Tnになるように、インバータ制御を行い、地面付近から空気を取り込み、エアーコンディショナ17の上部から温風を出力する。
【0077】
温度センサ14は、ハウス2内の温度を測定し、測定した温度の情報を、温度判定部33に出力する。温度判定部33は、ステップS11において、温度センサ14からの温度の情報を取得する。温度判定部33は、ステップS12において、温度センサ14からのハウス2内の温度と、メモリ41の最大運転開始温度Ts(例えば、20度)を比較し、ハウス2内の温度が、メモリ41の最大運転開始温度Ts以下になったか否かを判定する。
【0078】
ステップS12において、ハウス2内の温度が、メモリ41の最大運転開始温度Ts以下になったと判定された場合、処理は、ステップS13に進む。ステップS13において、温度制御部32は、エアーコンディショナ17のメモリの温度設定を、最大運転時の設定温度Tm(例えば、30度)にする。
【0079】
これにより、エアーコンディショナ17においては、内蔵する温度センサにより測定された温度(例えば、20度以下)が、最大運転時の設定温度Tm(例えば、30度)になるように、インバータ制御が行われるので、最大運転が行われることとなる。
【0080】
すなわち、ハウス2内の温度が、通常運転時の設定温度Tn以下になったと判定された場合、すぐに、エアーコンディショナ17が能力最大の運転を開始する。これにより、エアーコンディショナ17の能力に余裕があるにも拘らず温水ポンプ31が運転を開始してしまうことが抑制される。
【0081】
エアーコンディショナ17による最大運転が開始された後、温度センサ14は、ハウス2内の温度を測定し、測定した温度の情報を、温度判定部33に出力する。温度判定部33は、ステップS14において、温度センサ14からのハウス2内の温度の情報を取得する。
【0082】
温度判定部33は、ステップS15において、温度センサ14からのハウス2内の温度と、メモリ41の温水ポンプ31の稼動開始温度Tp(例えば、19度)を比較し、ハウス2内の温度が、メモリ41の温水ポンプ31の稼動開始温度Tp以下になったか否かを判定する。ステップS15において、内蔵する温度センサにより測定された温度が、メモリ41の温水ポンプ31の稼動開始温度Tp以下になったと判定された場合、処理はステップS16に進む。
【0083】
ステップS16において、温度制御部32は、温水ポンプ31を稼動させる。これにより、給湯機11によるハウス2内の暖房が開始される。
【0084】
具体的には、温水ポンプ31は、図示せぬ2方弁制御を行い、貯湯槽12の温水を、循環ファン13に備えられる加熱コイル21に給水したり、加熱コイル21からの温水を貯湯槽12に戻す。この結果、加熱コイル21が貯湯槽12からの温水により温められるので、循環ファン13の空気取り込みダクト22から取り込まれた空気は、加熱コイル21により温められ、循環ファン13により送風ダクト23から送風される。これにより、ハウス2内の空気は、循環されるとともに、さらに、温められる。
【0085】
すなわち、エアーコンディショナ17による最大運転をもってしても、ハウス2内の温度が下がった場合だけ、温水ポンプ31による運転が開始される。これにより、重油使用量を最低限に抑えることができる。
【0086】
なお、温水ポンプ31の稼動開始温度Tpが、最大運転開始温度Tsと同じ場合には、ステップS14およびS15の処理はスキップされる。
【0087】
温水ポンプ31の運転が開始された後、温度センサ14は、ハウス2内の温度を測定し、測定した温度の情報を、温度判定部33に出力する。温度判定部33は、ステップS17において、温度センサ14からのハウス2内の温度の情報を取得する。そして、処理は、ステップS18に進む。
【0088】
一方、ステップS12において、ハウス2内の温度が、メモリ41の最大運転開始温度Ts以下になっていないと判定された場合、ステップS13乃至S17の処理はスキップされ、処理は、ステップS18に進む。また、ステップS15において、ハウス2内の温度が、メモリ41の温水ポンプ31の稼動開始温度Tp以下になっていないと判定された場合、ステップS16およびS17の処理はスキップされ、処理は、ステップS18に進む。
【0089】
ステップS18において、温度判定部33は、温度センサ14からのハウス2内の温度と、メモリ41の通常運転開始温度Te(例えば、20.2度)を比較し、温度判定部33は、ハウス2内の温度が、メモリ41の通常運転開始温度Te以上になったか否かを判定する。すなわち、ステップS18においては、ステップS11、S14、またはS17の処理により取得された温度センサ14からのハウス2内の温度が通常運転開始温度Teと比較判定される。
【0090】
ステップS18において、ハウス2内の温度が、メモリ41の通常運転開始温度Te以上になったと判定された場合、処理は、ステップS19に進む。ステップS19において、温度制御部32は、エアーコンディショナ17のメモリの温度設定を、通常運転時の設定温度Tn(例えば、20度)にする。
【0091】
これに対応して、エアーコンディショナ17は、内蔵する温度センサにより測定された温度が、通常運転時の設定温度Tnになるように、インバータ制御を行い、地面付近から空気を取り込み、エアーコンディショナ17の上部から温風を出力する。
【0092】
さらに、温度制御部32は、ステップS20において、温水ポンプ31の動作を停止させる。すなわち、ハウス2内の温度が、通常運転時の設定温度Tn+α(0<α<1)以上になったとき、すぐに、エアーコンディショナ17が通常運転に戻され、温水ポンプ31の動作が停止される。
【0093】
これにより、ハウス2内の温度を、所望の温度である設定温度Tnに保つことができる。
【0094】
ステップS18において、ハウス2内の温度が、メモリ41の通常運転開始温度Te以上になっていないと判定された場合、ステップS19およびS20の処理はスキップされ、処理は、ステップS21に進む。
【0095】
ステップS21において、温度制御部32は、温度制御処理を終了するか否かを判定する。例えば、図示せぬ操作部などを操作することで、ユーザが温度制御処理の終了を指示する。このユーザの指示に対応して、ステップS21において、温度制御処理を終了すると判定された場合、図4の温度制御処理は終了される。
【0096】
ステップS21において、温度制御処理をまだ終了しないと判定された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0097】
以上のように、ハウス内の温度が所望の(理想の)温度以下になった場合、すぐに、エアーコンディショナの運転が全力(最大)運転にされる。したがって、エアーコンディショナの能力に余裕があるにも拘らず、温水ポンプ(すなわち、給湯機)が運転を開始してしまうことが抑制される。これにより、重油使用量を削減することができる。
【0098】
また、エアーコンディショナが全力運転中に、ハウス内の温度が、理想の温度より+α(0<α<1)以上になった場合、すぐに、エアーコンディショナが通常運転にされるので、ハウス内の温度を理想の温度に保つことができる。
【0099】
さらに、エアーコンディショナが全力運転中に、ハウス内の温度が下がった場合に、温水ポンプ(すなわち、給湯機)の運転が開始され、エアーコンディショナが全力運転中に、ハウス内の温度が、理想の温度より+α(0<α<1)以上になった場合、すぐに、温水ポンプの運転が停止される。
【0100】
したがって、エアーコンディショナによる最大運転をもってしても、ハウス内の温度が下がった場合だけ、重油暖房機による運転が開始される。これにより、重油使用量を最低限に抑えることができる。
【0101】
なお、上記説明においては、温水ポンプ31の稼働を制御することで、給湯機11の稼働を間接的に制御するようにしたが、温水ポンプ31とともに給湯機11も直接制御するようにすることも可能である。
【0102】
また、上記説明においては、温度制御装置18によりハウス温度制御システム1を構成する各装置の制御をまとめて行う例を説明したが、温度制御装置18が、上述したエアーコンディショナの制御だけを行うようにしてもよい。また、次に説明するように、エアーコンディショナに自己の制御を行わせるようにすることもできる。
【0103】
図5は、本発明を適用したハウス温度制御システムの他の実施の形態の構成例を示す図である。
【0104】
このハウス温度制御システム51は、給湯機11、貯湯槽12、循環ファン13−1乃至13−6、温度センサ14−1乃至14−6、湿度センサ15、除湿用エアーコンディショナ16を備える点が、図1のハウス温度制御システム1と共通している。
【0105】
これに対し、ハウス温度制御システム51は、エアーコンディショナ17−1乃至17−6に代えて、エアーコンディショナ61−1乃至61−6を備えている点と、温度制御装置18が除かれている点が、図1のハウス温度制御システム1と異なっている。
【0106】
すなわち、ハウス温度制御システム51においては、各装置が、それぞれ自分で稼働や運転を行い、それによって、ハウス2内の温度を制御する。
【0107】
なお、以下、エアーコンディショナ61−1乃至61−6を個々に区別する必要がない場合、単にエアーコンディショナ61と称する。
【0108】
具体的には、ハウス温度制御システム51において、温度センサ14は、ハウス2の所定の位置に配置され、定期的に、ハウス2の温度を測定し、測定した温度の情報を、エアーコンディショナ61および温水ポンプ31に出力する。なお、温水ポンプ31は、図5の例において図示されないが、ハウス温度制御システム51においても、貯湯槽12に取り付けられている。
【0109】
エアーコンディショナ61は、温度センサ14からの温度の情報に応じて、最大運転または通常運転を切り替えて、内蔵する温度センサからの温度に基づくインバータ制御を行って、温風を出力することで、ハウス2内の温度を調整する。
【0110】
また、温水ポンプ31は、図示せぬメモリを内蔵しており、そのメモリには、稼働開始および動作停止の際に基準となる2つの温度が記憶されている。すなわち、図3を参照して上述した稼動開始温度Tpと、通常運転開始温度Teと同じ温度である動作停止温度Teが記憶されている。
【0111】
温水ポンプ31は、動作停止中、定期的に、温度センサ14により測定された温度が、メモリの稼動開始温度Tp以下であるか否かを判定する。温水ポンプ31は、温度センサ14により測定された温度が、メモリの稼動開始温度Tp以上であると判定した場合、稼働を開始する。また、温水ポンプ31は、稼働中、定期的に、温度センサ14により測定された温度が、メモリの動作停止温度Te以上になったか否かを判定する。温水ポンプ31は、温度センサ14により測定された温度が、メモリの動作停止温度Te以上になったと判定した場合、動作を停止する。
【0112】
なお、図5のハウス温度制御システム51においては、温度制御装置18に制御されていた給湯機11および循環ファン13も、すべて自分で稼動する。
【0113】
すなわち、給湯機11は、ユーザの操作に応じて稼動し、貯湯槽12に貯められている温水が常に所定の温度(例えば、80℃)以上になるように、貯湯槽12に貯められている温水を温める。循環ファン13は、ユーザの操作に応じて稼動し、空気取り込みダクト22から空気を取り込み、取り込んだ空気を、送風ダクト23から送風する。
【0114】
図6は、図4のエアーコンディショナ61の構成例を示している。
【0115】
図6の例において、エアーコンディショナ61は、信号調節部71、マイクロコンピュータ72、空調制御部73、空調部74、および内部温度センサ75により構成されている。
【0116】
信号調節部71は、温度センサ14からの温度の情報を、温度信号に変換して、マイクロコンピュータ72に出力する。具体的には、温度センサ14においては、温度に応じて抵抗値が変化し、変化した抵抗値が、信号調節部71に出力される。信号調節部71は、抵抗値に電圧をかけて、電流値を読み取り、その変化を温度信号として出力する。
【0117】
マイクロコンピュータ72は、I/O(Input/Output)81、CPU(Central Processing Unit)82、メモリ83、RAM(Random Access Memory)84により構成される。
【0118】
I/O81は、入力部91および出力部92を含んで構成され、マイクロコンピュータ72の外部からのデータを入力したり、マイクロコンピュータ72の外部へデータを出力する。
【0119】
CPU82は、演算処理部93を含んで構成され、メモリ83およびRAM84に記憶されるデータと、I/O81から入力される温度データを用いて、エアーコンディショナ61を制御する制御信号を生成し、生成した制御信号を、I/O81に出力する。
【0120】
メモリ83は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)などからなる。メモリ83には、図4のメモリ41に記憶されていた温度情報のうち、エアーコンディショナ17の通常運転時の設定温度Tn、最大運転時の設定温度Tm、最大運転開始温度Ts、および通常運転開始温度Teが設定されて、記憶されている。これらの温度情報は、図4のメモリ41の温度情報と同様に、作物毎に、ユーザにより設定可能である。
【0121】
RAM84には、現在の運転が、通常であるか、最大であるかのステータスが記憶されており、逐次、CPU82により更新される。
【0122】
入力部91は、信号調節部71からの温度信号を入力し、入力した温度信号に対してA/D(Analog/Digital)変換を行い、デジタルの温度データとして、CPU82に出力する。出力部92は、CPU82からの制御信号を、空調制御部73に応じた形式に変換して、空調制御部73に出力する。
【0123】
演算処理部93は、メモリ83の設定温度情報を読み込み、RAM84の現在のステータスを読み込み、入力部91からの温度データと、読み込まれた設定温度のうちの開始温度とを比較、判定することにより、空調部74の設定温度を求める。演算処理部93は、求めた設定温度の情報を、制御信号として、出力部92に出力する。また、演算処理部93は、比較、判定により、現在のステータスが変更した場合には、RAM84の現在のステータスを更新する。
【0124】
空調制御部73は、空調部74の動作を制御するために基準となる設定温度を記憶する図示せぬメモリを内蔵しており、そのメモリの設定温度を、出力部92からの制御信号が示す設定温度に変更する。
【0125】
空調制御部73は、内部温度センサ75からの情報が示す温度が、メモリの設定温度に近づくようにインバータ制御を行い、空調部74を制御する。
【0126】
空調部74は、空調制御部73の制御のもと、地面付近から空気を取り込み、エアーコンディショナ61の上部から温風を出力して、ハウス2内を温める。
【0127】
内部温度センサ75は、例えば、エアーコンディショナ61の空気の取り込み口に設けられており、定期的に、ハウス2内の温度を測定し、測定した温度の情報を、空調制御部73に出力する。
【0128】
なお、図6の例においては、信号調節部71およびマイクロコンピュータ72をエアーコンディショナ61に内蔵する例を説明したが、外に設けることも可能である。
【0129】
次に、図7のフローチャートを参照して、ハウス2内の温度を制御する1つの処理としての、図5のエアーコンディショナ61の空調制御処理を説明する。例えば、ユーザが図示せぬ操作部を操作することで、エアーコンディショナ61の電源をオンすることにより、図7の空調制御処理は開始される。
【0130】
ステップS51において、演算処理部93は、メモリ83から、設定温度(Tn,Tm,Ts,Te)を読み込むとともに、RAM84の現在のステータスを、初期値(通常)にする。すなわち、演算処理部93には、メモリ83からの、エアーコンディショナ17の通常運転時の設定温度Tn、最大運転時の設定温度Tm、最大運転開始温度Ts、および通常運転開始温度Teが読み込まれる。
【0131】
温度センサ14は、定期的に、ハウス2内の温度を測定し、測定した温度の情報を、信号調節部71に出力する。信号調節部71は、温度センサ14からの温度の情報を、温度信号に変換して、入力部91に出力する。入力部91は、信号調節部71からの温度信号を入力し、入力した温度信号に対してA/D変換を行い、デジタルの温度データとして、演算処理部93に出力する。
【0132】
ステップS52において、演算処理部93は、入力部91を介して入力された温度データtdを取得する。
【0133】
演算処理部93は、RAM84の現在のステータスを読み込み、ステップS53において、現在のステータスは、通常であるか否かを判定する。ステップS53において、現在のステータスが通常であると判定された場合、処理は、ステップS54に進む。
【0134】
演算処理部93は、ステップS54において、温度データtdが最大運転開始温度Ts以上であるか否かを判定する。ステップS54において、温度データtdが最大運転開始温度Ts以上であると判定された場合、ステップS55において、演算処理部93は、空調部74の設定温度を、通常運転時の設定温度Tnとし、現在のステータスを、通常にする。
【0135】
ステップS54において、温度データtdが最大運転開始温度Tsより小さいと判定された場合、ステップS56において、演算処理部93は、空調部74の設定温度を、最大運転時の設定温度Tmとし、現在のステータスを、最大にする。
【0136】
一方、ステップS53において、現在のステータスが最大であると判定された場合、処理は、ステップS57に進む。演算処理部93は、ステップS57において、温度データtdが通常運転開始温度Te以上であるか否かを判定する。ステップS57において、温度データtdが通常運転開始温度Te以上であると判定された場合、ステップS58において、演算処理部93は、空調部74の設定温度を、通常運転時の設定温度Tnとし、現在のステータスを、通常にする。
【0137】
ステップS57において、温度データtdが通常運転開始温度Teより小さいと判定された場合、ステップS59において、演算処理部93は、空調部74の設定温度を、最大運転時の設定温度Tmとし、現在のステータスを、最大にする。
【0138】
ステップS55、S56、S58、およびS59の後、処理は、ステップS60に進む。
【0139】
ステップS60において、演算処理部93は、出力部92を介して、空調制御部73へ、設定温度を出力し、RAM84のステータスを更新する。すなわち、ステップS55、S56、S58、およびS59で求められた設定温度が、制御信号として、出力部92を介して、空調制御部73に出力される。また、RAM84の現在のステータスが、ステップS55、S56、S58、およびS59で求められたステータスで更新される。
【0140】
これに対応して、空調制御部73においては、メモリの設定温度が、出力部92からの制御信号が示す設定温度に変更される。空調制御部73は、内部温度センサ75からの情報が示す温度が、メモリの設定温度に近づくように、空調部74をインバータ制御する。
【0141】
すなわち、現在のステータスが通常である場合に、温度データtdが最大運転開始温度Ts以上であると判定されたとき(ステップS55)、空調制御部73のメモリの設定温度は、通常運転時の設定温度Tn(例えば、20度)のままとなる。
【0142】
これにより、空調制御部73は、内部温度センサ75からの情報が示す温度が、20度に近づくように空調部74をインバータ制御するので、ハウス2内を、20度に維持することができる。
【0143】
現在のステータスが通常である場合に、温度データtdが最大運転開始温度Tsより小さいと判定されたとき(ステップS56)、空調制御部73のメモリの設定温度が最大運転時の設定温度Tm(例えば、30度)に更新される。
【0144】
これにより、空調制御部73は、内部温度センサ75からの情報が示す温度が、30度に近づくように空調部74をインバータ制御するので、結果的に、空調部74は、最大のパワーで運転を行うことになる。
【0145】
一方、現在のステータスが最大である場合に、温度データtdが通常運転開始温度Te以上であると判定されたとき(ステップS58)、空調制御部73のメモリの設定温度は、通常運転時の設定温度Tn(例えば、20度)に更新される。
【0146】
これにより、空調制御部73は、内部温度センサ75からの情報が示す温度が、20度に近づくように空調部74をインバータ制御するので、ハウス2内を、20度に維持することができる。
【0147】
現在のステータスが最大である場合に、温度データtdが通常運転開始温度Teより小さいと判定されたとき(ステップS59)、空調制御部73のメモリの設定温度は最大運転時の設定温度Tm(例えば、30度)のままとなる。
【0148】
これにより、空調制御部73は、内部温度センサ75からの情報が示す温度が、30度に近づくように空調部74をインバータ制御するので、結果的に、空調部74は、最大のパワーのまま運転を行うことになる。
【0149】
なお、この場合、並行して、温水ポンプ31は、動作停止中、定期的に、温度センサ14により測定された温度が、メモリの稼動開始温度Tp以下であるか否かを判定しており、温度センサ14により測定された温度が、メモリの稼動開始温度Tp以上であると判定した場合、稼働を開始する。すなわち、重油暖房機による暖房も並行して行われる。
【0150】
また、温水ポンプ31は、稼働中、定期的に、温度センサ14により測定された温度が、メモリの動作停止温度Te以上になったか否かを判定しており、温度センサ14により測定された温度が、メモリの動作停止温度Te以上になったと判定した場合、動作を停止する。
【0151】
すなわち、エアーコンディショナ61が最大運転を行っても能力が足りない場合のみ、温水ポンプ31により重油暖房が行われる。この結果、ハウス2内の温度は、エアーコンディショナ61のみの場合よりも早く上昇するので、すぐに、空調部74を通常運転に戻すとともに、重油暖房機による暖房も停止することができる。
【0152】
ステップS61において、演算処理部93は、空調制御処理を終了するか否かを判定する。例えば、図示せぬ操作部などを操作することで、ユーザがエアーコンディショナ61の電源のオフを指示する。このユーザの指示に対応して、ステップS61において、空調制御処理を終了すると判定された場合、図7の空調制御処理は終了される。
【0153】
ステップS61において、温度制御処理をまだ終了しないと判定された場合、処理は、ステップS52に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0154】
以上のように、ハウス内の温度が所望の温度以下になった場合、エアーコンディショナを全力運転にさせるようにしたので、エアーコンディショナの能力に余裕があるにも拘らず重油暖房機が運転を開始してしまうことが抑制される。これにより、重油の使用量を削減することができる。
【0155】
また、ハウス内の温度が、所望の温度+α(0<α<1)以上になった場合、エアーコンディショナを通常運転にさせるようにしたので、ハウス内の温度を所望の温度に保つことができる。
【0156】
以上により、本発明によれば、インバータ制御のよさ(なめらかな温度変化)を残しながら、インバータ制御において、ハウスの温度が設定温度より2乃至3℃低い程度場合には、全力の50乃至70%の能力で運転が行われてしまうという、ハウスの温度制御において望ましくない点を抑制することができる。
【0157】
なお、上記説明においては、エアーコンディショナのインバータ制御をそのまま利用して、設定温度を変更することにより、最大運転と通常運転を切り替える例を説明したが、制御方法は、この例に限らず、例えば、最大運転とする際には、インバータ制御を禁止して、最大運転させ、通常運転とする際には、インバータ制御に戻すという制御を行ってもよい。
【0158】
また、上記説明においては、重油暖房機として、給湯機、貯湯槽、循環ファン、温水ポンプを用いた温水ボイラを用いる例を説明したが、A重油を燃料とした暖房機であれば、これに限らず、例えば、温風暖房機を用いることもできる。
【0159】
さらに、この暖房機の燃料としては、A重油に限らず、本発明は、エアーコンディショナと、灯油またはプロパンガスなどの燃料を用いる暖房機を併用したハウス温度制御システムにも適用することができる。
【0160】
すなわち、本発明によれば、燃料の削減率を向上させることができる。
【0161】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0162】
図8は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0163】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続されている。
【0164】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、およびドライブ210が接続されている。
【0165】
入力部206は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部207は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部209は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア211を駆動する。
【0166】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、記憶部208に記憶されているプログラムを入出力インタフェース205及びバス204を介してRAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0167】
コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア211に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0168】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア211をドライブ210に装着することにより、入出力インタフェース205を介して、記憶部208にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部209で受信し、記憶部208にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0169】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0170】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0171】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0172】
1 ハウス温度制御システム, 11 給湯機, 12 貯湯槽, 13−1乃至13−6 循環ファン, 14−1乃至14−6,14a,14b 温度センサ, 17−1乃至17−6 エアーコンディショナ, 21 加熱コイル, 31 温水ポンプ,32 温度制御部, 33 温度判定部, 41 メモリ, 51 ハウス温度制御システム, 61−1乃至61−6 エアーコンディショナ, 72 マイクロコンピュータ, 73 空調制御部, 74 空調部, 75 内部温度センサ, 81 I/O, 82 CPU, 83 メモリ, 84 RAM, 93 演算処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を用いてハウス内の暖房を行う暖房機、および温風により前記ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナを用いて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御装置において、
前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させる温度制御手段を
備える温度制御装置。
【請求項2】
前記温度制御手段は、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第2の温度よりも高い第3の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第1の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを通常運転させる
請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記第3の温度は、前記エアーコンディショナにおいて設定可能な最大温度である
請求項2に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記温度制御手段は、さらに、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度、または前記第1の温度よりも低い第4の温度以下になった場合、前記重油暖房機の運転を開始させ、
前記ハウス内の温度が、前記第2の温度以上になった場合、さらに、前記重油暖房機の運転を停止させる
請求項2に記載の温度制御装置。
【請求項5】
燃料を用いてハウス内の暖房を行う暖房機、および温風により前記ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナを用いて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御手段を備える温度制御装置の温度制御方法であって、
前記温度制御手段が、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させる
ステップを含む温度制御方法。
【請求項6】
燃料を用いてハウス内の暖房を行う暖房機、および温風により前記ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナを用いて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御装置のコンピュータを、
前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させる温度制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナにおいて、
前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させる温度制御手段と
を備えるエアーコンディショナ。
【請求項8】
前記温度制御手段は、前記ハウス内の温度が、前記第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第2の温度よりも高い第3の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナの設定温度を、前記第1の温度に設定することで、前記エアーコンディショナを通常運転させる
請求項7に記載のエアーコンディショナ。
【請求項9】
前記第3の温度は、前記エアーコンディショナにおいて設定可能な最大温度である
請求項8に記載のエアーコンディショナ。
【請求項10】
温度制御手段を備え、ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナの温度制御方法であって、
前記温度制御手段が、前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させる
ステップを含む温度制御方法。
【請求項11】
ハウス内の暖房を行うエアーコンディショナのコンピュータを、
前記ハウス内の温度が、所望の温度である第1の温度以下になった場合、前記エアーコンディショナを全力運転させ、
前記ハウス内の温度が、前記第1の温度+α(0<α<1)である第2の温度以上になった場合、前記エアーコンディショナを通常運転させて、前記ハウス内の温度を制御する温度制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−4634(P2011−4634A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149919(P2009−149919)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(508139974)株式会社微振動研究所 (3)
【Fターム(参考)】