温度検出装置、及び温度検出装置の製造方法
【課題】従来の温度測定装置は、測定面が加工されていたり、ウェハとは異なる材質の小片を温度センサのためのスペーサとして用いられているので、接合装置におけるウェハの温度管理にはそのまま用いることができなかった。
【解決手段】上記課題を解決するために、シース管の内部に少なくとも一対の熱電対素線を配置してなるシース型熱電対と、2枚のワークシリコンウェハと、2枚のワークシリコンウェハに厚み方向で挟持され、シース型熱電対を収容する空間を形成するスペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、シース管の内部に少なくとも一対の熱電対素線を配置してなるシース型熱電対と、2枚のワークシリコンウェハと、2枚のワークシリコンウェハに厚み方向で挟持され、シース型熱電対を収容する空間を形成するスペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度検出装置、及び温度検出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各々に素子、回路等が形成されたウェハを積層して製造された積層型半導体装置がある(特許文献1参照)。積層型半導体装置は、立体的な構造により、素子面積を拡大することなく実効的に高い集積密度を有する。ウェハを貼り合わせる場合には、互いに平行に保持された一対のウェハを、半導体回路の線幅精度で精密に位置決めして積層した後、接合装置により基板全体に加熱、加圧して接合させる。
【0003】
一方、従来より半導体製造工程においては、ウェハが熱処理される工程を多く含んでおり、そのような工程において熱処理されるウェハの温度を検出することが、工程の管理上重要であった。このような要請に対し、例えば、ウェハと同じ面形状を有する治具内部に熱電対を埋め込んだ温度測定装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−261000号公報
【特許文献2】特開平2−112254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接合装置においては、少なくとも2枚のウェハが重ねあわされて加熱、加圧される。したがって、加熱による温度分布、熱膨張及び加圧による耐圧、圧力分布等を十分に考慮する必要がある。しかしながら、従来の温度測定装置は、測定面が加工されていたり、ウェハとは異なる材質の小片を温度センサのためのスペーサとして用いられているので、接合装置におけるウェハの温度管理にはそのまま用いることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様における温度検出装置は、温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、2枚のワークシリコンウェハに厚み方向で挟持され、温度センサを収容する空間を形成するスペーサシリコンウェハと、を備える。
【0007】
また、本発明の第2の態様における温度検出装置の製造方法は、温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの外周部に接するように配置された複数の位置決めピンに、スペーサシリコンウェハを押し当てて位置決めする位置決め工程と、位置決め工程により位置決めされたスペーサシリコンウェハを、2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、接合工程に先立って、又は、接合工程の後に実行される工程であって、位置決め工程によって形成された2枚のワークシリコンウェハとスペーサシリコンウェハの間の空間に温度センサを収容する収容工程とを備える。
【0008】
また、本発明の第3の態様における温度検出装置の製造方法は、温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの表面に位置決め部を設ける設定工程と、設定工程により設けられた位置決め部に、スペーサシリコンウェハを押し当てて位置決めする位置決め工程と、位置決め工程により位置決めされたスペーサシリコンウェハを、2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、接合工程に先立って、又は、接合工程の後に実行される工程であって、位置決め工程によって形成された2枚のワークシリコンウェハとスペーサシリコンウェハの間の空間に温度センサを収容する収容工程とを備える。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る温度検出装置100の外観斜視図である。
【図2】ワークシリコンウェハ101を剥がした状態の、温度検出装置100の上面外略図である。
【図3】スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット320の拡大斜視図である。
【図4】スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部420の拡大斜視図である。
【図5】スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット520の拡大斜視図である。
【図6】スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部620の拡大斜視図である。
【図7】スペーサシリコンウェハ110を分割して形成した空間を説明するための、温度検出装置100の上面外略図である。
【図8】スペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ102上に位置決めする方法の説明図である。
【図9】スペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ103上に位置決めする方法の説明図である。
【図10】シース型熱電対が配置された空間の断面図である。
【図11】シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。
【図12】シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る温度検出装置100の外観斜視図である。温度検出装置100は、加熱、加圧を受ける2枚のワークシリコンウェハ101、102が、スペーサシリコンウェハ110を厚み方向に挟み込む構成を採用する。
【0013】
本実施形態における温度検出装置100は、ワークシリコンウェハ101、102の中心部の1点及び周辺部の4点の温度検出領域において温度を検出する。温度検出領域の数および位置は、測定目的に応じて任意に設定され得る。スペーサシリコンウェハ110には、それぞれの温度検出領域に対応して後述のスリットが設けられており、各スリットからケーブル121、122、123、124、125が引き出されている。引き出されたケーブル121、122、123、124、125は、配線ケーブル190の一端に設けられたコネクタで一纏めにされる。配線ケーブル190の他端に設けられたコネクタは、所定の回路、演算装置等に接続される。
【0014】
ワークシリコンウェハ101、102は、形状、材質において、実際のウェハに忠実であることが望ましい。そのため、ワークシリコンウェハ101、102は、例えば直径200mm、厚さ760μmの、規格化されたウェハと同じ外形となるように、単結晶シリコンインゴットからスライス切断して製作する。特に、図示するように、ワークシリコンウェハ101、102の温度検出面は、平滑化された均質な平面であって、凹凸を発生させる追加加工、別体の構造物の貼着などはなされていないことが好ましい。
【0015】
スペーサシリコンウェハ110は、温度検出面を有しないが、広い面積で直接的にワークシリコンウェハ101、102に接触するため、熱分布への影響等を考慮して、規格化されたウェハと同じ外形となるように、単結晶シリコンインゴットからスライス切断して製作する。なお、ワークシリコンウェハ101、102とスペーサシリコンウェハ110の接着には、シリカ及びアルミナを主成分とする耐熱性に優れた無機質の耐熱セメントが用いられる。
【0016】
図2は、ワークシリコンウェハ101を剥がした状態の、温度検出装置100の上面外略図である。スペーサシリコンウェハ110には、5つの温度検出領域に対応してシース型熱電対131、132、133、134、135を配置する空間、及びケーブル121、122、123、124、125を外部に引き出す空間を形成するために、5つのスリット141、142、143、144、145が設けられている。
【0017】
シース型熱電対131、132、133、134、135は、ステンレスシース管の内部に一対の熱電対素線を配置して、シース管中に無機絶縁物を高圧で充填している。これらは、熱電対先端の感温部がステンレスで覆われているので機械的強度にすぐれており、加圧される温度検出装置100への適用に好ましい。また、シース管内で熱電対に接続され、シース管から外部に導かれるケーブル121、122、123、124、125には、耐熱性に優れたシリコン被膜加工がされている。
【0018】
なお、本実施形態においては、温度センサとして上記のシース型熱電対を例として説明するが、温度センサはこれに限られるものではない。熱電対は異種金属間に発生する熱起電力の現象であるゼーベック効果を利用した温度センサであるが、これ以外にも金属の抵抗値が温度と一定の関係にある現象を利用した測温抵抗体の温度センサ等も利用できる。シース型熱電対の場合は、熱電対がシース管の内部に配置されているので、その外形の高さ方向はシース管の直径となるが、他の温度センサの場合には、例えばセンサ部分とケーブルの接続部が高さ方向の最大値になることもある。この最大値が温度センサの最大厚さとなる。したがって、温度センサを配置する空間のうちワークシリコンウェハの厚み方向である高さは、少なくともその温度センサの最大厚さ以上であることが求められる。
【0019】
次に、スペーサシリコンウェハ110に設ける、シース型熱電対を配置する空間のバリエーションについて説明する。図3は、スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット320の拡大斜視図である。スリット320は、スペーサシリコンウェハ110の外周部から内側へ向かって直線状に設けられており、このスリット320にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。スリット320は直線状であるので、加工が容易である。また、後述の溝部と異なり、温度検出装置100をワークシリコンウェハ101、102の表面に対して、厚み方向に対称に製作することができるので、温度検出面の違いによる熱分布の偏りが生じにくい。
【0020】
図4は、スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部420の拡大斜視図である。溝部420は、外周部から内側へ向かって直線状に設けられており、この溝部420にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。溝部420は直線状であるので、加工が容易である。また、スリットと異なり、スペーサシリコンウェハ110の底部は円形を保っており、高い剛性を有する。
【0021】
図5は、スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット520の拡大斜視図である。スリット520は、スペーサシリコンウェハ110の外周部から内側へ向かって、内側へ進むほど幅が狭くなるように設けられており、このスリット520にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。スリット520は、内側へ進むほど幅が狭くなるので、挿入されたシース型熱電対136が目標位置でスリットの両側面とはじめて接するように形成すれば、温度検出装置100の組み立てが容易になる。また、溝部と異なり、温度検出装置100をワークシリコンウェハ101、102の表面に対して、厚み方向に対称に製作することができるので、温度検出面の違いによる熱分布の偏りが生じにくい。
【0022】
図6は、スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部620の拡大斜視図である。溝部620は、スペーサシリコンウェハ110の外周部から内側へ向かって、内側へ進むほど浅くなるように設けられており、この溝部620にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。溝部620は、内側へ進むほど浅くなるので、挿入されたシース型熱電対136が目標位置で溝部620の底面及びワークシリコンウェハ101の面とはじめて接するように形成すれば、温度検出装置100の組み立てが容易になる。また、スリットと異なり、スペーサシリコンウェハ110の底部は円形を保っており、高い剛性を有する。なお、図5及び図6で示した空間は、外周部から内側へ向かって狭くなるように作られる空間であるが、例えば溝部620の側面についても、内側へ進むほど幅が狭くなるように構成しても良い。また、シース型熱電対136のシース管形状に合わせて、溝部及びスリットの壁面が円弧状になるように構成しても良い。
【0023】
図7は、スペーサシリコンウェハ110を分割して形成した空間を説明するための、温度検出装置100の上面外略図である。単結晶シリコンインゴットからスライス切断して作成されたスペーサシリコンウェハ110を、さらに複数に分割して、これらを並べて配置することで、シース型熱電対を配置する空間を形成している。具体的には、スペーサシリコンウェハ110を、扇形状の5つのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115に分割する。分割は、ワークシリコンウェハ102上に、外周部が一致するようにスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を互いに離間させて載置したときに、シース型熱電対131、132、133、134、135を配置する空間が確保されるように行う。
【0024】
図8は、扇形状のスペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ102上に位置決めする方法の説明図である。上述のように、扇形状のスペーサシリコンウェハ111の円弧部である外周部を、ワークシリコンウェハ102の外周部に一致させる。外周部を一致させるには、まず、治具上に設けられた位置決めピン801、802に対し、ワークシリコンウェハ102の外周部が接するように押し当てる。そして、ワークシリコンウェハ102上で、スペーサシリコンウェハ111の外周部を位置決めピン801、802に押し当てる。他のスペーサシリコンウェハ112、113、114、115も同様に、各々に用意された位置決めピンを利用して外周部を一致させる。このようにして、ワークシリコンウェハ102上の適切な位置に、扇形状の5つのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を配置することができる。
【0025】
5つのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を位置決めする方法は、上記の方法に限らない。図9は、スペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ103上に位置決めする方法の説明図である。ここでの方法を実現するため、ワークシリコンウェハ102に替えて、スペーサシリコンウェハと接する側を加工したワークシリコンウェハ103を用いる。具体的には、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を押し当てるための隆起した位置決め部901を、ワークシリコンウェハ103上に設ける。図示するワークシリコンウェハ103は、エッチング加工により、位置決め部901が所定の深さとなるように、他の部分を除去することで位置決め部901を形成している。これに限らず、位置決め部901を別体として製作しておき、平坦なワークシリコンウェハ102に別体である位置決め部901を取り付けてワークシリコンウェハ103としても良い。
【0026】
例えば、エッチングにより除去された面は、それぞれのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の外形にほぼ一致する。したがって、例えばスペーサシリコンウェハ111を、矢印方向に位置決め部901へ押し当てるだけで、外周部を一致させることができる。
【0027】
シース型熱電対を配置する空間は、位置決め部901と、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115と、ワークシリコンウェハ101に囲まれた空間である。したがって、位置決め部901の高さは、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の厚さより小さく、その差はシース管の直径以上でなければならない。なお、図3ないし図8を用いて説明したスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の厚さは、スリットを用いてシース型熱電対を配置する空間を形成する場合は、シース管の直径以上であり、溝部を用いてシース型熱電対を配置する空間を形成する場合は、シース管の直径よりも大きい。一方で、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の厚さが大きすぎると、温度検出面からシース型熱電対131、132、133、134、135までの距離が大きくなってしまうので、上記の条件を満たす限りで薄くする方が好ましい。そのため、スペーサシリコンウェハは、予め適切な厚さで切り出したものを用いるか、もしくは、CMPなどにより研磨して薄くして用いることが好ましい。その結果、シース管の直径にもよるが、スペーサシリコンウェハはワークシリコンウェハよりも薄くすることができる場合もある。
【0028】
次に、上記のように形成された空間内に、シース型熱電対を固定する方法について説明する。図10は、シース型熱電対が配置された空間の断面図である。例えば、ワークシリコンウェハ101、102及びスペーサシリコンウェハ110に囲まれて形成された空間に配置されたシース型熱電対137は、ワークシリコンウェハ101側に接するように寄せられて、少なくともシース管が密封されるように、その隙間が充填材910により充填される。充填材910は、ワークシリコンウェハ101、102と同等の熱膨張係数を有するシリコン系樹脂が用いられる。このようにして、シース型熱電対137は空間内部で固定される。
【0029】
固定方法は上記に限らない。図11は、シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。ここでは充填材910を用いる代わりに、付勢部材911を用いて、シース型熱電対137をワークシリコンウェハ101側に押し付けることにより固定する。付勢部材911としては、スプリングコイル、板バネ、耐熱性ゴム等を用いることができる。
【0030】
シース型熱電対の空間への配置は、上記に限らない。図12は、シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。シース型熱電対137は、図示するようにシース管151の内部に一対の熱電対素線152を収めて構成されている。
【0031】
シース型熱電対137を空間に配置しようとする場合、シース管151の直径Dは、スペーサシリコンウェハ110の高さtよりも小さくなければならない。しかしながら、用いたいシース型熱電対が常にこの条件を満たすとは限らない。そのような場合であっても、熱電対素線152が外部に露出しない程度にシース管151をカットすれば、空間に収めることができる場合がある。具体的には、シース管151の内径をdとしたときに、(D+d)/2がtよりも小さければ、熱電対素線152を外部に露出させないように肉厚を残して、シース管151の一部をカットすることができる。
【0032】
このように予め加工されたシース型熱電対137を用いれば、スペーサシリコンウェハ110をワークシリコンウェハ102に位置決めした後にこのシース型熱電対137を収容し、その上からワークシリコンウェハ101を覆い被せて温度検出装置100を完成させることができる。このように構成することにより、シース型熱電対137は、上下のワークシリコンウェハ101、102の両方と密着するので、より正確に温度を測定することができる。
【0033】
なお、以上の説明においてはいずれにおいても、スペーサシリコンウェハ110を位置決めする位置決め工程の後に、スペーサシリコンウェハ110を2枚のワークシリコンウェハ101、102で挟み込んで接合する接合工程を行う。一方、シース型熱電対131、132、133、134、135を配置する空間は、位置決め工程によって形成されるので、これらを収容する収容工程は、接合工程の前に行っても、後に行っても良い。
【0034】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0035】
100 温度検出装置、101、102 ワークシリコンウェハ、110、111、112、113、114、115 スペーサシリコンウェハ、121、122、123、124、125 ケーブル、131、132、133、134、135、136、137 シース型熱電対、141、142、143、144、145、320、520 スリット、151 シース管、152 熱電対素線、190 配線ケーブル、420、620 溝部、801、802 位置決めピン、901 位置決め部、910 充填材、911 付勢部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度検出装置、及び温度検出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各々に素子、回路等が形成されたウェハを積層して製造された積層型半導体装置がある(特許文献1参照)。積層型半導体装置は、立体的な構造により、素子面積を拡大することなく実効的に高い集積密度を有する。ウェハを貼り合わせる場合には、互いに平行に保持された一対のウェハを、半導体回路の線幅精度で精密に位置決めして積層した後、接合装置により基板全体に加熱、加圧して接合させる。
【0003】
一方、従来より半導体製造工程においては、ウェハが熱処理される工程を多く含んでおり、そのような工程において熱処理されるウェハの温度を検出することが、工程の管理上重要であった。このような要請に対し、例えば、ウェハと同じ面形状を有する治具内部に熱電対を埋め込んだ温度測定装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−261000号公報
【特許文献2】特開平2−112254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接合装置においては、少なくとも2枚のウェハが重ねあわされて加熱、加圧される。したがって、加熱による温度分布、熱膨張及び加圧による耐圧、圧力分布等を十分に考慮する必要がある。しかしながら、従来の温度測定装置は、測定面が加工されていたり、ウェハとは異なる材質の小片を温度センサのためのスペーサとして用いられているので、接合装置におけるウェハの温度管理にはそのまま用いることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様における温度検出装置は、温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、2枚のワークシリコンウェハに厚み方向で挟持され、温度センサを収容する空間を形成するスペーサシリコンウェハと、を備える。
【0007】
また、本発明の第2の態様における温度検出装置の製造方法は、温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの外周部に接するように配置された複数の位置決めピンに、スペーサシリコンウェハを押し当てて位置決めする位置決め工程と、位置決め工程により位置決めされたスペーサシリコンウェハを、2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、接合工程に先立って、又は、接合工程の後に実行される工程であって、位置決め工程によって形成された2枚のワークシリコンウェハとスペーサシリコンウェハの間の空間に温度センサを収容する収容工程とを備える。
【0008】
また、本発明の第3の態様における温度検出装置の製造方法は、温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの表面に位置決め部を設ける設定工程と、設定工程により設けられた位置決め部に、スペーサシリコンウェハを押し当てて位置決めする位置決め工程と、位置決め工程により位置決めされたスペーサシリコンウェハを、2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、接合工程に先立って、又は、接合工程の後に実行される工程であって、位置決め工程によって形成された2枚のワークシリコンウェハとスペーサシリコンウェハの間の空間に温度センサを収容する収容工程とを備える。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る温度検出装置100の外観斜視図である。
【図2】ワークシリコンウェハ101を剥がした状態の、温度検出装置100の上面外略図である。
【図3】スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット320の拡大斜視図である。
【図4】スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部420の拡大斜視図である。
【図5】スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット520の拡大斜視図である。
【図6】スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部620の拡大斜視図である。
【図7】スペーサシリコンウェハ110を分割して形成した空間を説明するための、温度検出装置100の上面外略図である。
【図8】スペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ102上に位置決めする方法の説明図である。
【図9】スペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ103上に位置決めする方法の説明図である。
【図10】シース型熱電対が配置された空間の断面図である。
【図11】シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。
【図12】シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る温度検出装置100の外観斜視図である。温度検出装置100は、加熱、加圧を受ける2枚のワークシリコンウェハ101、102が、スペーサシリコンウェハ110を厚み方向に挟み込む構成を採用する。
【0013】
本実施形態における温度検出装置100は、ワークシリコンウェハ101、102の中心部の1点及び周辺部の4点の温度検出領域において温度を検出する。温度検出領域の数および位置は、測定目的に応じて任意に設定され得る。スペーサシリコンウェハ110には、それぞれの温度検出領域に対応して後述のスリットが設けられており、各スリットからケーブル121、122、123、124、125が引き出されている。引き出されたケーブル121、122、123、124、125は、配線ケーブル190の一端に設けられたコネクタで一纏めにされる。配線ケーブル190の他端に設けられたコネクタは、所定の回路、演算装置等に接続される。
【0014】
ワークシリコンウェハ101、102は、形状、材質において、実際のウェハに忠実であることが望ましい。そのため、ワークシリコンウェハ101、102は、例えば直径200mm、厚さ760μmの、規格化されたウェハと同じ外形となるように、単結晶シリコンインゴットからスライス切断して製作する。特に、図示するように、ワークシリコンウェハ101、102の温度検出面は、平滑化された均質な平面であって、凹凸を発生させる追加加工、別体の構造物の貼着などはなされていないことが好ましい。
【0015】
スペーサシリコンウェハ110は、温度検出面を有しないが、広い面積で直接的にワークシリコンウェハ101、102に接触するため、熱分布への影響等を考慮して、規格化されたウェハと同じ外形となるように、単結晶シリコンインゴットからスライス切断して製作する。なお、ワークシリコンウェハ101、102とスペーサシリコンウェハ110の接着には、シリカ及びアルミナを主成分とする耐熱性に優れた無機質の耐熱セメントが用いられる。
【0016】
図2は、ワークシリコンウェハ101を剥がした状態の、温度検出装置100の上面外略図である。スペーサシリコンウェハ110には、5つの温度検出領域に対応してシース型熱電対131、132、133、134、135を配置する空間、及びケーブル121、122、123、124、125を外部に引き出す空間を形成するために、5つのスリット141、142、143、144、145が設けられている。
【0017】
シース型熱電対131、132、133、134、135は、ステンレスシース管の内部に一対の熱電対素線を配置して、シース管中に無機絶縁物を高圧で充填している。これらは、熱電対先端の感温部がステンレスで覆われているので機械的強度にすぐれており、加圧される温度検出装置100への適用に好ましい。また、シース管内で熱電対に接続され、シース管から外部に導かれるケーブル121、122、123、124、125には、耐熱性に優れたシリコン被膜加工がされている。
【0018】
なお、本実施形態においては、温度センサとして上記のシース型熱電対を例として説明するが、温度センサはこれに限られるものではない。熱電対は異種金属間に発生する熱起電力の現象であるゼーベック効果を利用した温度センサであるが、これ以外にも金属の抵抗値が温度と一定の関係にある現象を利用した測温抵抗体の温度センサ等も利用できる。シース型熱電対の場合は、熱電対がシース管の内部に配置されているので、その外形の高さ方向はシース管の直径となるが、他の温度センサの場合には、例えばセンサ部分とケーブルの接続部が高さ方向の最大値になることもある。この最大値が温度センサの最大厚さとなる。したがって、温度センサを配置する空間のうちワークシリコンウェハの厚み方向である高さは、少なくともその温度センサの最大厚さ以上であることが求められる。
【0019】
次に、スペーサシリコンウェハ110に設ける、シース型熱電対を配置する空間のバリエーションについて説明する。図3は、スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット320の拡大斜視図である。スリット320は、スペーサシリコンウェハ110の外周部から内側へ向かって直線状に設けられており、このスリット320にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。スリット320は直線状であるので、加工が容易である。また、後述の溝部と異なり、温度検出装置100をワークシリコンウェハ101、102の表面に対して、厚み方向に対称に製作することができるので、温度検出面の違いによる熱分布の偏りが生じにくい。
【0020】
図4は、スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部420の拡大斜視図である。溝部420は、外周部から内側へ向かって直線状に設けられており、この溝部420にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。溝部420は直線状であるので、加工が容易である。また、スリットと異なり、スペーサシリコンウェハ110の底部は円形を保っており、高い剛性を有する。
【0021】
図5は、スペーサシリコンウェハ110に設けたスリット520の拡大斜視図である。スリット520は、スペーサシリコンウェハ110の外周部から内側へ向かって、内側へ進むほど幅が狭くなるように設けられており、このスリット520にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。スリット520は、内側へ進むほど幅が狭くなるので、挿入されたシース型熱電対136が目標位置でスリットの両側面とはじめて接するように形成すれば、温度検出装置100の組み立てが容易になる。また、溝部と異なり、温度検出装置100をワークシリコンウェハ101、102の表面に対して、厚み方向に対称に製作することができるので、温度検出面の違いによる熱分布の偏りが生じにくい。
【0022】
図6は、スペーサシリコンウェハ110に設けた溝部620の拡大斜視図である。溝部620は、スペーサシリコンウェハ110の外周部から内側へ向かって、内側へ進むほど浅くなるように設けられており、この溝部620にシース型熱電対136を矢印方向に挿入する。溝部620は、内側へ進むほど浅くなるので、挿入されたシース型熱電対136が目標位置で溝部620の底面及びワークシリコンウェハ101の面とはじめて接するように形成すれば、温度検出装置100の組み立てが容易になる。また、スリットと異なり、スペーサシリコンウェハ110の底部は円形を保っており、高い剛性を有する。なお、図5及び図6で示した空間は、外周部から内側へ向かって狭くなるように作られる空間であるが、例えば溝部620の側面についても、内側へ進むほど幅が狭くなるように構成しても良い。また、シース型熱電対136のシース管形状に合わせて、溝部及びスリットの壁面が円弧状になるように構成しても良い。
【0023】
図7は、スペーサシリコンウェハ110を分割して形成した空間を説明するための、温度検出装置100の上面外略図である。単結晶シリコンインゴットからスライス切断して作成されたスペーサシリコンウェハ110を、さらに複数に分割して、これらを並べて配置することで、シース型熱電対を配置する空間を形成している。具体的には、スペーサシリコンウェハ110を、扇形状の5つのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115に分割する。分割は、ワークシリコンウェハ102上に、外周部が一致するようにスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を互いに離間させて載置したときに、シース型熱電対131、132、133、134、135を配置する空間が確保されるように行う。
【0024】
図8は、扇形状のスペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ102上に位置決めする方法の説明図である。上述のように、扇形状のスペーサシリコンウェハ111の円弧部である外周部を、ワークシリコンウェハ102の外周部に一致させる。外周部を一致させるには、まず、治具上に設けられた位置決めピン801、802に対し、ワークシリコンウェハ102の外周部が接するように押し当てる。そして、ワークシリコンウェハ102上で、スペーサシリコンウェハ111の外周部を位置決めピン801、802に押し当てる。他のスペーサシリコンウェハ112、113、114、115も同様に、各々に用意された位置決めピンを利用して外周部を一致させる。このようにして、ワークシリコンウェハ102上の適切な位置に、扇形状の5つのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を配置することができる。
【0025】
5つのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を位置決めする方法は、上記の方法に限らない。図9は、スペーサシリコンウェハ111を、ワークシリコンウェハ103上に位置決めする方法の説明図である。ここでの方法を実現するため、ワークシリコンウェハ102に替えて、スペーサシリコンウェハと接する側を加工したワークシリコンウェハ103を用いる。具体的には、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115を押し当てるための隆起した位置決め部901を、ワークシリコンウェハ103上に設ける。図示するワークシリコンウェハ103は、エッチング加工により、位置決め部901が所定の深さとなるように、他の部分を除去することで位置決め部901を形成している。これに限らず、位置決め部901を別体として製作しておき、平坦なワークシリコンウェハ102に別体である位置決め部901を取り付けてワークシリコンウェハ103としても良い。
【0026】
例えば、エッチングにより除去された面は、それぞれのスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の外形にほぼ一致する。したがって、例えばスペーサシリコンウェハ111を、矢印方向に位置決め部901へ押し当てるだけで、外周部を一致させることができる。
【0027】
シース型熱電対を配置する空間は、位置決め部901と、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115と、ワークシリコンウェハ101に囲まれた空間である。したがって、位置決め部901の高さは、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の厚さより小さく、その差はシース管の直径以上でなければならない。なお、図3ないし図8を用いて説明したスペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の厚さは、スリットを用いてシース型熱電対を配置する空間を形成する場合は、シース管の直径以上であり、溝部を用いてシース型熱電対を配置する空間を形成する場合は、シース管の直径よりも大きい。一方で、スペーサシリコンウェハ111、112、113、114、115の厚さが大きすぎると、温度検出面からシース型熱電対131、132、133、134、135までの距離が大きくなってしまうので、上記の条件を満たす限りで薄くする方が好ましい。そのため、スペーサシリコンウェハは、予め適切な厚さで切り出したものを用いるか、もしくは、CMPなどにより研磨して薄くして用いることが好ましい。その結果、シース管の直径にもよるが、スペーサシリコンウェハはワークシリコンウェハよりも薄くすることができる場合もある。
【0028】
次に、上記のように形成された空間内に、シース型熱電対を固定する方法について説明する。図10は、シース型熱電対が配置された空間の断面図である。例えば、ワークシリコンウェハ101、102及びスペーサシリコンウェハ110に囲まれて形成された空間に配置されたシース型熱電対137は、ワークシリコンウェハ101側に接するように寄せられて、少なくともシース管が密封されるように、その隙間が充填材910により充填される。充填材910は、ワークシリコンウェハ101、102と同等の熱膨張係数を有するシリコン系樹脂が用いられる。このようにして、シース型熱電対137は空間内部で固定される。
【0029】
固定方法は上記に限らない。図11は、シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。ここでは充填材910を用いる代わりに、付勢部材911を用いて、シース型熱電対137をワークシリコンウェハ101側に押し付けることにより固定する。付勢部材911としては、スプリングコイル、板バネ、耐熱性ゴム等を用いることができる。
【0030】
シース型熱電対の空間への配置は、上記に限らない。図12は、シース型熱電対が配置された空間の他の断面図である。シース型熱電対137は、図示するようにシース管151の内部に一対の熱電対素線152を収めて構成されている。
【0031】
シース型熱電対137を空間に配置しようとする場合、シース管151の直径Dは、スペーサシリコンウェハ110の高さtよりも小さくなければならない。しかしながら、用いたいシース型熱電対が常にこの条件を満たすとは限らない。そのような場合であっても、熱電対素線152が外部に露出しない程度にシース管151をカットすれば、空間に収めることができる場合がある。具体的には、シース管151の内径をdとしたときに、(D+d)/2がtよりも小さければ、熱電対素線152を外部に露出させないように肉厚を残して、シース管151の一部をカットすることができる。
【0032】
このように予め加工されたシース型熱電対137を用いれば、スペーサシリコンウェハ110をワークシリコンウェハ102に位置決めした後にこのシース型熱電対137を収容し、その上からワークシリコンウェハ101を覆い被せて温度検出装置100を完成させることができる。このように構成することにより、シース型熱電対137は、上下のワークシリコンウェハ101、102の両方と密着するので、より正確に温度を測定することができる。
【0033】
なお、以上の説明においてはいずれにおいても、スペーサシリコンウェハ110を位置決めする位置決め工程の後に、スペーサシリコンウェハ110を2枚のワークシリコンウェハ101、102で挟み込んで接合する接合工程を行う。一方、シース型熱電対131、132、133、134、135を配置する空間は、位置決め工程によって形成されるので、これらを収容する収容工程は、接合工程の前に行っても、後に行っても良い。
【0034】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0035】
100 温度検出装置、101、102 ワークシリコンウェハ、110、111、112、113、114、115 スペーサシリコンウェハ、121、122、123、124、125 ケーブル、131、132、133、134、135、136、137 シース型熱電対、141、142、143、144、145、320、520 スリット、151 シース管、152 熱電対素線、190 配線ケーブル、420、620 溝部、801、802 位置決めピン、901 位置決め部、910 充填材、911 付勢部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度センサと、
2枚のワークシリコンウェハと、
前記2枚のワークシリコンウェハに厚み方向で挟持され、前記温度センサを収容する空間を形成するスペーサシリコンウェハと、
を備える温度検出装置。
【請求項2】
前記空間は、前記スペーサシリコンウェハに溝部を設けることにより形成される請求項1に記載の温度検出装置。
【請求項3】
前記空間は、前記スペーサシリコンウェハにスリットを設けることにより形成される請求項1に記載の温度検出装置。
【請求項4】
前記空間は、前記スペーサシリコンウェハを複数に分割して、互いに離間した状態で前記2枚のワークシリコンウェハで挟持することにより形成される請求項1に記載の温度検出装置。
【請求項5】
互いに離間した複数のスペーサシリコンウェハの間に位置決め部が形成された請求項4に記載の温度検出装置。
【請求項6】
前記位置決め部の高さは前記スペーサシリコンウェハの厚さよりも小さい請求項5に記載の温度検出装置。
【請求項7】
前記スペーサシリコンウェハは、前記2枚のワークシリコンウェハよりも薄い請求項1ないし6のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項8】
前記スペーサシリコンウェハは、前記温度センサの最大厚さ以上の厚さを有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項9】
前記空間は、外周部から内側へ向かって狭くなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項10】
前記空間は、外周部から内側へ向かって、前記厚み方向である高さが小さくなるように狭くなる請求項9に記載の温度検出装置。
【請求項11】
前記空間は、外周部から内側へ向かって、前記厚み方向に直交する方向である幅が小さくなるように狭くなる請求項9または10に記載の温度検出装置。
【請求項12】
前記温度センサと前記2枚のワークシリコンウェハとの隙間が充填材で密封される請求項1ないし11のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項13】
前記温度センサを前記2枚のワークシリコンウェハのいずれかの面に付勢する付勢部材を前記空間に備える請求項1ないし11のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項14】
前記温度センサは、熱電対であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項15】
前記熱電対は、シース管と、前記シース管の内部に少なくとも一対の熱電対素線を配置してなるシース型熱電対であることを特徴とする請求項14に記載の温度検出装置。
【請求項16】
前記シース管は、前記空間の形状に合わせて、かつ、前記一対の熱電対素線が外部空間に露出しないように、一部がカットされていることを特徴とする請求項15に記載の温度検出装置。
【請求項17】
温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、
前記2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの外周部に接するように配置された複数の位置決めピンに、前記スペーサシリコンウェハを当接させて位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程により位置決めされた前記スペーサシリコンウェハを、前記2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、
前記接合工程に先立って、又は、前記接合工程の後に実行される工程であって、前記位置決め工程によって形成された前記一方のワークシリコンウェハと前記スペーサシリコンウェハの間の空間に前記温度センサを収容する収容工程と
を備える温度検出装置の製造方法。
【請求項18】
温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、
前記2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの表面に位置決め部を設ける設定工程と、
前記設定工程により設けられた前記位置決め部に、前記スペーサシリコンウェハを当接させて位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程により位置決めされた前記スペーサシリコンウェハを、前記2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、
前記接合工程に先立って、又は、前記接合工程の後に実行される工程であって、前記位置決め工程によって形成された前記一方のワークシリコンウェハと前記スペーサシリコンウェハの間の空間に前記温度センサを収容する収容工程と
を備える温度検出装置の製造方法。
【請求項19】
前記設定工程は、前記一方のワークシリコンウェハの表面をエッチングすることにより前記位置決め部を設ける請求項18に記載の温度検出装置の製造方法。
【請求項20】
前記設定工程は、前記一方のワークシリコンウェハの表面に別体の位置決め部材を取り付けることにより前記位置決め部を設ける請求項18に記載の温度検出装置の製造方法。
【請求項21】
前記温度センサは、シース管と、前記シース管の内部に少なくとも一対の熱電対素線を配置してなるシース型熱電対であり、
前記収容工程に先立って、前記シース管を、前記空間の形状に合わせて、かつ、前記一対の熱電対素線が外部空間に露出しないように、一部をカットする加工工程を実行する請求項17ないし20のいずれか1項に記載の温度検出装置の製造方法。
【請求項1】
温度センサと、
2枚のワークシリコンウェハと、
前記2枚のワークシリコンウェハに厚み方向で挟持され、前記温度センサを収容する空間を形成するスペーサシリコンウェハと、
を備える温度検出装置。
【請求項2】
前記空間は、前記スペーサシリコンウェハに溝部を設けることにより形成される請求項1に記載の温度検出装置。
【請求項3】
前記空間は、前記スペーサシリコンウェハにスリットを設けることにより形成される請求項1に記載の温度検出装置。
【請求項4】
前記空間は、前記スペーサシリコンウェハを複数に分割して、互いに離間した状態で前記2枚のワークシリコンウェハで挟持することにより形成される請求項1に記載の温度検出装置。
【請求項5】
互いに離間した複数のスペーサシリコンウェハの間に位置決め部が形成された請求項4に記載の温度検出装置。
【請求項6】
前記位置決め部の高さは前記スペーサシリコンウェハの厚さよりも小さい請求項5に記載の温度検出装置。
【請求項7】
前記スペーサシリコンウェハは、前記2枚のワークシリコンウェハよりも薄い請求項1ないし6のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項8】
前記スペーサシリコンウェハは、前記温度センサの最大厚さ以上の厚さを有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項9】
前記空間は、外周部から内側へ向かって狭くなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項10】
前記空間は、外周部から内側へ向かって、前記厚み方向である高さが小さくなるように狭くなる請求項9に記載の温度検出装置。
【請求項11】
前記空間は、外周部から内側へ向かって、前記厚み方向に直交する方向である幅が小さくなるように狭くなる請求項9または10に記載の温度検出装置。
【請求項12】
前記温度センサと前記2枚のワークシリコンウェハとの隙間が充填材で密封される請求項1ないし11のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項13】
前記温度センサを前記2枚のワークシリコンウェハのいずれかの面に付勢する付勢部材を前記空間に備える請求項1ないし11のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項14】
前記温度センサは、熱電対であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の温度検出装置。
【請求項15】
前記熱電対は、シース管と、前記シース管の内部に少なくとも一対の熱電対素線を配置してなるシース型熱電対であることを特徴とする請求項14に記載の温度検出装置。
【請求項16】
前記シース管は、前記空間の形状に合わせて、かつ、前記一対の熱電対素線が外部空間に露出しないように、一部がカットされていることを特徴とする請求項15に記載の温度検出装置。
【請求項17】
温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、
前記2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの外周部に接するように配置された複数の位置決めピンに、前記スペーサシリコンウェハを当接させて位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程により位置決めされた前記スペーサシリコンウェハを、前記2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、
前記接合工程に先立って、又は、前記接合工程の後に実行される工程であって、前記位置決め工程によって形成された前記一方のワークシリコンウェハと前記スペーサシリコンウェハの間の空間に前記温度センサを収容する収容工程と
を備える温度検出装置の製造方法。
【請求項18】
温度センサと、2枚のワークシリコンウェハと、スペーサシリコンウェハとを備える温度検出装置の製造方法であって、
前記2枚のワークシリコンウェハのうち一方のワークシリコンウェハの表面に位置決め部を設ける設定工程と、
前記設定工程により設けられた前記位置決め部に、前記スペーサシリコンウェハを当接させて位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程により位置決めされた前記スペーサシリコンウェハを、前記2枚のワークシリコンウェハで厚さ方向に挟み込んで接合する接合工程と、
前記接合工程に先立って、又は、前記接合工程の後に実行される工程であって、前記位置決め工程によって形成された前記一方のワークシリコンウェハと前記スペーサシリコンウェハの間の空間に前記温度センサを収容する収容工程と
を備える温度検出装置の製造方法。
【請求項19】
前記設定工程は、前記一方のワークシリコンウェハの表面をエッチングすることにより前記位置決め部を設ける請求項18に記載の温度検出装置の製造方法。
【請求項20】
前記設定工程は、前記一方のワークシリコンウェハの表面に別体の位置決め部材を取り付けることにより前記位置決め部を設ける請求項18に記載の温度検出装置の製造方法。
【請求項21】
前記温度センサは、シース管と、前記シース管の内部に少なくとも一対の熱電対素線を配置してなるシース型熱電対であり、
前記収容工程に先立って、前記シース管を、前記空間の形状に合わせて、かつ、前記一対の熱電対素線が外部空間に露出しないように、一部をカットする加工工程を実行する請求項17ないし20のいずれか1項に記載の温度検出装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−107103(P2011−107103A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265487(P2009−265487)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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