説明

温感布団

【課題】より快適な睡眠の得られる温感布団を提供する。
【解決手段】高湿潤発熱性化合物の固着されている獣毛や羽毛等を主原料とする、温度30℃、相対湿度90%における水分率が23%以上で、温度30℃、相対湿度90%における水分率と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差が7%以上である中綿が用いられている温感布団、及び側地として輻射熱反射成分が固着されている布帛が用いられている温感布団。中綿に高湿潤発熱性化合物が固着されている場合は、該化合物が汗を吸収した時、発熱作用を奏するので布団内環境が暖かく保たれ、また、輻射熱反射成分を固着した布帛を側地として用いると、体から出る熱の布団外への発散を抑え、布団内の温度低下を和らげる保温作用を奏するので、快適な睡眠が得られるようになる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、睡眠中の発汗によるべたつき感と発汗後の冷え感を緩和できる温感布団に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
睡眠時の発汗量は非常に多く、身体と布団の間の空間は非常に湿度が高くなり不快と感じる人が多い。さらに睡眠中に体温が低下していくにつれ、発汗により悪寒を感じることも多い。例えば冬季において、就寝時は暖房器具により部屋の温度はある程度暖かく、かつ体温も通常値であるから、相応の寝具をもって床につけば、応分の発汗が認められる。しかし時間が経ち、つまり明け方近くになれば、部屋の温度は相当下がり体温も低下しているので、就寝時にかいた汗が冷え感を催す場合があり、係る冷え感を防止できる布団の出現が望まれていた。
そこで、吸湿発熱性があり保温性にも優れている羊毛や羽毛を中綿として用いた布団が提案されている。この種の羊毛もしくは羽毛布団は、暖かく身体へのフィット感も良好で冬用寝具として好適で、冷え感防止に効果はあるものの、就寝時多量の発汗があった場合は、羊毛もしくは羽毛が具備する吸湿発熱性では吸湿効果が少なくべたつき感を十分に抑えることができない。
【0003】
これを解決するため、羽毛布団に吹込口を設け、ヘアドライヤーなど任意の手段で温風あるいは冷風を吹き込み、布団環境を整える方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この風によって、例えば、多量の発汗がある時は冷風を、また冷え感を催す時は温風を吹き込み、布団内部を快適温度に保つことで快眠を奏すことができるため、上記問題が解決できる。
しかしながら、この方法では、常に布団内部の温度を管理しなければならず、係る装置を設定するためのコストや第3者の援助がなければ、風を送り込めない等の問題が存在し、仮にこれらの問題が克服されても同一の布団環境でも寒暖の感覚は個人差があり、一律に布団環境のみで送風の種類を決定付けることには課題が残る。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−204072号公報(〔0010〕〔0016〕)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な現状に鑑みて行われたものであり、就寝時の多量の発汗によるべたつき感とその後の冷え感を軽減し、かつ低コストで製造可能な布団を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するものであり、温度30℃、相対湿度90%における水分率が23%以上であって、温度30℃、相対湿度90%における水分率と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差が7%以上である中綿が用いられていることを特徴とする温感布団、及び中綿が高湿潤発熱性化合物の固着されている獣毛あるいは羽毛である前記温感布団、並びに側地として輻射熱反射成分が内側に固着されている布帛が用いられている温感布団、及び側地として輻射熱反射成分が固着されている布帛が用いられている上記の温感布団を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における第一の発明は、中綿として温度30℃、相対湿度90%における水分率が23%以上であって、温度30℃、相対湿度90%における水分率と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差が7%以上である綿状物が用いられた温感布団である。本発明において中綿として用いられる綿状物のベースとしては、綿やポリエステル繊維であってもよいが、吸湿性の優れている獣毛や羽毛が好ましい。獣毛としては、羊毛、カシミヤ、アルパカ、モヘヤ、アンゴラ等が挙げられ、羊毛が主に用いられるが、他の種類のものが混用されてもよい。羽毛は、ダックやグース等の鳥類の一般的に羽毛と呼ばれているものであって、ダウンでもフェザーでもかまわない。
【0008】
本発明の布団に用いられている中綿の温度30℃、相対湿度90%における水分率を23%以上とするのが肝要である。これは、人が激しく発汗した時の雰囲気に近いといわれる温度30℃、相対湿度90%での吸湿性を大きくした中綿を用いることにより、睡眠中の発汗の吸湿性を向上し、汗による不快感を取り除くためで、23%未満では、吸湿性が乏しいため、べたつき感が大きく快適な使用が不可能である。好ましい水分率は23〜30%であり、30%を超えると中綿が水分を溜め込んで、かえってべたつき感が助長されることがある。
さらに中綿の温度30℃、相対湿度90%における水分率と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差を7%以上とするのが肝要である。これにより中綿がより積極的に吸湿して暖かく快適な睡眠環境をもたらすことができるようになる。係る水分率の差が7%未満になると積極的な吸湿が行われず、布団内環境は湿度が高いままであるため、不快感があり好ましくない。特に中綿に高湿潤発熱性化合物が固着されている場合は、湿潤熱エネルギーが低く蓄熱性に劣る結果となる。係る水分率差については、本発明者らの研究では、好ましくは7〜15%であった。15%を超えると、中綿が積極的に吸湿しすぎて水分を溜め込み、かえってべたつき感が助長され、また、湿潤熱エネルギーで中綿表面が相当時間暖かいため、側地にカビ・ダニを発生させる場合もあり好ましくない。
【0009】
一方、前記中綿の主成分については、綿、ポリエステル繊維、獣毛、羽毛等が好ましく、特に獣毛または羽毛に高湿潤発熱性化合物を固着させたものが特に好ましい。
【0010】
高湿潤発熱性化合物とは、化合物自身が水蒸気を吸着しやすく、水蒸気を吸着した時に水和熱を発生する特性を有する化合物であり、1分子中にアミノ基、カルボキシル基、水酸基等の極性基を1つもしくは複数有する化合物である。具体的には、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、アルギニン、グリシン、セリン、プロリン等のアミノ酸系化合物、シルクフィブロイン、シルクセリシン、ウールケラチン、コラーゲン等の蛋白質系化合物、キチン・キトサン、ヒアルロン酸ナトリウム、トレハロース、カルボキシメチルセルロース等の多糖類、乳酸ナトリウム、グリセリン、尿素、ヒドラジド類、第4級アンモニウム塩類、ポリアルキレングリコール類、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0011】
上記の化合物の内、水に溶解したときにカチオン性を示す化合物をカチオン系高湿潤発熱性化合物といい、具体的には、キチン・キトサン、尿素、ヒドラジド類、第4級アンモニウム塩類を挙げることができる。また、水溶液のpHを酸性に調節することによりカチオン性を示すアミノ酸系化合物や蛋白質系化合物等の両性化合物を挙げることができる。
【0012】
また、化合物のうち水に溶解したときにアニオン性を示す化合物をアニオン系高湿潤発熱性化合物といい、具体的には、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等を挙げることができる。また、水溶液のpHをアルカリ性に調節することによりアニオン性を示すアミノ酸系化合物や蛋白質系化合物等の両性化合物を挙げることができる。
【0013】
中綿に上記の高湿潤発熱性化合物を固着する方法としては、バインダー樹脂による方法とイオン的に固着する方法等があり、使用する高湿潤発熱性化合物により選択すればよい。バインダー樹脂による方法は、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等をバインダー樹脂として用い、これらの樹脂の水溶液、溶剤溶液、分散液に上記の高湿潤発熱性化合物を溶解・分散させ、スプレー法あるいは浸漬法により付与する方法である。
【0014】
イオン的に固着する方法としては、カチオン系樹脂による先処理を行った後にアニオン系高湿潤発熱性化合物を固着する方法、アニオン系樹脂による先処理を行った後にカチオン系高湿潤発熱性化合物を固着する方法、酸化剤により羽毛をアニオン化した後カチオン系高湿潤発熱性化合物を固着する方法、あるいは処理浴のpHを下げてベースとなる獣毛や羽毛のカチオン座席を増加させておいた後アニオン系高湿潤発熱性化合物を固着する方法等が挙げられる。
高湿潤発熱性化合物の付着量は、ベース素材や使用される高湿潤発熱性化合物の種類にもよるが、8〜12重量%とするのが好ましい。8重量%未満では、十分な湿潤熱エネルギーを得ることができず、例えば厳冬期の使用に適合させるには多量の中綿を使用しなければならず、布団重量が増すので快眠性が低下し、さらにその分製造コストも増加するので好ましくない。逆に12重量%を超えると、中綿が水分を吸収しすぎて、かえってべたつき感が増し、側地にカビ・ダニを発生させる場合があり好ましくない。
【0015】
以上の如く本発明の温感布団は、高温高湿における吸湿性の優れた中綿が用いられているので、睡眠中にかいた汗が吸収され、汗が冷えることに起因する悪寒による睡眠の影響をうけにくく、快適な睡眠が得られるようになる。また、高湿潤発熱性化合物の固着された中綿が用いられる場合には、睡眠中にかいた汗が吸収されることによるだけでなく、高湿潤発熱性化合物が水分を吸収した時の発熱作用で布団内の温度の上昇が促され、布団内環境を暖かく保ち、快適な睡眠が得られるようになる。
【0016】
本発明における第二の発明の温感布団には、側地として該側地の内側に輻射熱反射成分の固着された布帛が用いられている。側地用の布帛としては、織物、編物のいずれでもよいが、通常織物が用いられる。布帛に用いられる繊維は、綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラ、精製セルロース等のセルロース系繊維、ポリエステル、ナイロン、ビニロン等の合成繊維、羊毛、カシミヤ、絹等の動物性繊維等のいずれでもよいが、吸湿性に優れているセルロース系繊維や動物性繊維であるのが好ましい。また、上記の繊維の混紡糸が用いられたものであったり、交織、交編されたものであってもよい。
【0017】
本発明において用いることのできる輻射熱反射成分としては、金、白金、銀、チタン、アルミニウム等が挙げられ、輝度の高いもの程輻射熱反射効果が大きく、蓄熱効果に優れている。布帛に輻射熱反射成分を固着する方法としては、金属蒸着、スパッタリング、コーティング、ラミネート、プリント、グラビア印刷等の方法が挙げられる。布帛に輻射熱反射成分が固着されている面積が小さいと充分な輻射熱反射効果が得られず、固着されている面積が大きすぎると布帛の通気性が損なわれ快適な睡眠を阻害するおそれがでてくるので、輻射熱反射成分が固着されている面積は、20〜70%であるのが好ましい。
なお、上記固着処理を施すにあたり重要なことは、係る布帛を側地として使用する際に内側すなわち中綿に接する面に前記固着処理を施すのが肝要で、外気側に位置する面では、固着による効果は少ない。例えば、布帛そのものにプリントもしくは変化柄等の意匠性が付与されている場合は、布帛の表裏が決定しており、側地にした際、布帛の表面が通常外気側に配されるから、加工は布帛裏面に施さなければならない。
【0018】
かくして、本発明の布団は、上記のようにして輻射熱反射成分を固着した布帛を側地とし、輻射熱反射成分を固着した面を内側して、すなわち中綿に接するように用いたものである。中綿としては、綿、ポリエステル繊維、獣毛、羽毛等のいずれであってもよいが、温度30℃、相対湿度90%における水分率が23%以上であって、温度30℃、相対湿度90%における水分率と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差が7%以上である綿状物、あるいは高湿潤発熱性化合物の固着されていて温度30℃、相対湿度90%における水分率が23%以上であって、温度30℃、相対湿度90%における水分率と温度20℃、相対湿度65%における水分率との差が7%以上である獣毛や羽毛であるのが好ましい。
【0019】
本発明のように輻射熱反射成分を固着した布帛を側地として用いると、体から出る熱が布団の外に発散する度合いを低くし、布団内の温度を低下するのを和らげる作用を発揮し、快適な睡眠を助けることができる。高湿潤発熱性化合物の固着された中綿が用いられる場合には、睡眠中にかいた汗が吸収されることによるだけでなく、高湿潤発熱性化合物が水分を吸収した時に発生する熱の布団の外への発散を防止するので、布団内環境をより暖かく保つことができるようになる。
このように、本発明の温感布団は、敷きまたは掛け布団あるいは寝袋,枕等の寝具全般に好適に使用できる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、実施例における性能の評価は以下の方法に準じた。
(1)水分率
中綿を105℃に設定した乾燥機に4時間放置後に試料の質量Mを測定し、次いで対象とする環境下に24時間放置し、その後の質量Nを測定して、次式によりそれぞれの環境したでの水分率を算出する。
水分率(%)=((N−M)/M)×100
(2)吸湿発熱性
中綿を1.3kg入れた長さ200cm、幅140cmの布団中綿の中心部に表面温度センサーを入れて、温度30℃、相対湿度40%の環境下に4時間放置後、温度30℃、相対湿度90%の環境下に移し、直後から所定の時間経過後の中綿温度を測定する。
(3)布団内環境
中綿を5g入れた10cm×10cmの布団を温度20℃、相対湿度65%の環境下に24時間放置後、容量5リットルのテトラバッグに投入すると同時に温度30℃、相対湿度90%に調節した空気を入れて放置し、1時間後のテトラバッグ内の湿度を測定する。係る布団内環境は値が小さい程吸湿効果が高く、布団内をさらっとした感覚に保つ。
【0021】
実施例1
ダックの羽毛を洗浄・水洗後、羽毛質量の20倍に希釈し、酢酸でpH4.5に調整したヒアルロン酸ナトリウム10%o.m.f.水溶液をスプレーにて羽毛に付与し、撹拌、乾燥して、高湿潤発熱性羽毛を得た。綿100%の60番単糸を経緯糸として用いた経糸密度198本/吋、緯糸密度155本/吋で5枚朱子組織の朱子織物を長さ210cm,幅140cmの袋状に縫製した側地に、得られた羽毛を1.3kg封入して本発明の温感布団を得た。
【0022】
比較例1
実施例1において、ヒアルロン酸ナトリウムを付与しない羽毛を用いて作成した布団を比較例1とした。
【0023】
比較例2
ヒアルロン酸ナトリウム水溶液の付着量を4%o.m.f.へ変更する以外は実施例1と同様にして、比較例2とした。
【0024】
実施例2
実施例1で用いた5枚朱子組織の朱子織物に下記処方のアルミ含有捺染糊を生地面積比60%でドット状に捺染し、捺染面を内側にして長さ210cm,幅140cmの袋状に縫製した側地に、実施例1と同様にしてヒアルロン酸ナトリウムを付与した羽毛を1.3kg封入して本発明の温感布団を得た。



【0025】
実施例3
実施例2で用いた側地に、洗浄・水洗のみでヒアルロン酸ナトリウムを付与しない羽毛を1.3kg封入して本発明の温感布団を得た。
【0026】
実施例4
実施例1で用いた5枚朱子組織の朱子織物に下記処方2の酸化チタン含有捺染糊を生地面積比60%で格子状に捺染し、捺染面を内側にして長さ210cm,幅140cmの袋状に縫製した側地に、洗浄・水洗した羽毛を1.3kg封入して本発明の温感布団を得た。



【0027】
実施例5
実施例4で用いた側地に、洗浄・水洗後に高湿潤発熱性化合物としてヒアルロン酸ナトリウムを付与した羽毛を1.3kg封入して本発明の温感布団を得た。
【0028】
以上、実施例1〜5の性能評価結果、並びに比較のために、中綿である羽毛へ高湿潤発熱性化合物の処理を行わずかつ側地へも輻射熱反射成分を固着しない、つまり通常の羽毛布団である比較例1、そして羽毛への高湿潤発熱性化合物の付着量を低く抑えた比較例2の性能評価結果を併せ、表1に示す。
【0029】
【表1】



【0030】
表1から明らかなように、実施例1の中綿である羽毛への高湿潤発熱性化合物を使用した処理が十分に施されているため高温高湿時(温度30℃、相対湿度90%)の吸湿性が大きく、吸湿時における発熱量が大きくて、本発明の布団を用いると暖かく、汗による悪寒を低減できる。そして、実施例2及5の布団は、実施例1の羽毛にさらに側地へ輻射熱反射性物質を固着した例で、両者の相乗効果が具現しており、実施例1より優れた温感布団であると認められる。
また、実施例3及び4の布団は、側地に輻射熱反射性物質を固着しているが、羽毛には前記処理が施されておらず、温感布団として、蓄熱性に優れ睡眠中の発汗に起因する悪寒を低減させることはできるが、係る効果は実施例1,2及び5より劣るといえる。
一方、通常の羽毛布団である比較例1は、吸湿発熱性は認められるが、実施例と比べ高温高湿時(温度30℃、相対湿度90%)の吸湿性が小さく、多量の発汗時にべとつき感を低減させる効果が少ない。また、該高温高湿時と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差が小さく、積極的な吸湿により暖かく快適な睡眠環境をもたらす作用が小さいといえる。比較例2は、比較例1と比べ該高温高湿時の吸湿性が大きく、かつ該高温高湿時と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差も大きいため、多量の発汗時のべとつき感を低減させる効果及び積極的な吸湿による暖かで快適な睡眠環境をもたらす作用は大きいといえる。しかし、その効果も快眠を促すレベルには達しておらず、実施例には及ばないものであった。
【0031】
【発明の効果】
本発明のように、布団の中綿として高温高湿における吸湿性の優れた中綿を用いると、睡眠中にかいた汗が吸収され、快適な睡眠が得られるようになり、この中綿に高湿潤発熱性化合物が固着されている場合には、睡眠中にかいた汗が吸収されることによるだけでなく、高湿潤発熱性化合物が水分を吸収した時の発熱作用により布団内環境を暖かく保ち、快適な睡眠が得られるようになる。
【0032】
また、輻射熱反射成分を固着した布帛を側地として用いると、体から出る熱の布団外への発散を抑え、布団内の温度低下を和らげる保温作用を発揮し、快適な睡眠が得られるようになり、高湿潤発熱性化合物の固着された中綿が用いられる場合には、睡眠中にかいた汗が吸収されることによるだけでなく、高湿潤発熱性化合物が水分を吸収した時に発生する熱の布団外への発散を抑えるので、布団内環境をより暖かく保つことができ、快適な睡眠が得られるようになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度30℃、相対湿度90%における水分率が23%以上であって、温度30℃、相対湿度90%における水分率と、温度20℃、相対湿度65%における水分率との差が7%以上である中綿が用いられていることを特徴とする温感布団。
【請求項2】
中綿が高湿潤発熱性化合物の固着されている獣毛あるいは羽毛であることを特徴とする請求項1記載の温感布団。
【請求項3】
側地として輻射熱反射成分が内側に固着されている布帛が用いられていることを特徴とする温感布団。
【請求項4】
側地として輻射熱反射成分が固着されている布帛が用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の温感布団。

【公開番号】特開2004−350696(P2004−350696A)
【公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−108005(P2003−108005)
【出願日】平成15年4月11日(2003.4.11)
【出願人】(599089332)ユニチカテキスタイル株式会社 (53)
【Fターム(参考)】