説明

温水洗浄便座装置およびその組付け方法

【課題】部品点数を削減や組立て工数の低減が可能であり、減速ギア機構の組立て精度を高くする、自動開閉装置を提供する。
【解決手段】便器上に設置される便座と便フタと、便座と便フタとを電動で個別に開閉する自動開閉装置10と、自動開閉装置10の開閉を制御する制御装置と、を備える温水洗浄便座装置であって、自動開閉装置10は、便座を開閉する便座用モータ11と便座用減速ギア機構20と、便フタを開閉する便フタ用モータ13と便フタ用減速ギア機構30と、便座用モータ11と便座用減速ギア機構20と便フタ用モータ13と便フタ用減速ギア機構30とを保持する中間プレート40とケース70と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座と便フタの自動開閉装置を備える温水洗浄便座装置およびその組付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、ウォームギアが回転軸に取り付けられたモータと、便座・便フタを開閉する出力軸と、ウォームギアの回転を減速して出力軸に伝達する減速ギア機構と、を備え、減速ギア機構は、3つの支持部材などを挟持して平行配置された2枚のプレートと、2枚のプレート間に配置された複数のギア群と、を有している、自動開閉装置を備える温水洗浄便座装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−319411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の温水洗浄便座装置では、自動開閉装置の減速ギア機構は、3つの支持部材などを挟持した2枚のプレートの間に配置されている為、部品点数が多くなり、組立て工数が多く必要になると共に減速ギア機構の組立て精度が低くなる、と云う問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、部品点数を削減や組立て工数の低減が可能であり、減速ギア機構の組立て精度を高くする、温水洗浄便座装置およびその組付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の課題解決手段は、便器上に設置される便座と便フタと、前記便座と前記便フタとを電動で個別に開閉する自動開閉装置と、前記自動開閉装置の開閉を制御する制御装置と、を備える温水洗浄便座装置であって、前記自動開閉装置は、前記便座を開閉する便座用モータと便座用減速ギア機構と、前記便フタを開閉する便フタ用モータと便フタ用減速ギア機構と、前記便座用モータと前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用モータと前記便フタ用減速ギア機構とを保持する中間プレートと、前記中間プレートの前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸の受け部の対向側に位置し対向側に露出した前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸を保持するケースと、を具備する、構成である。
【0007】
また、本発明の第2の課題解決手段は、前記便座用減速ギア機構または前記便フタ用減速ギア機構は、前記中間プレートと前記ケースとの当接面に平行なギアの軸を有する減速ギアを具備する、構成である。
【0008】
また、本発明の第3の課題解決手段は、前記自動開閉装置は、前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構とに回転検知センサを具備する、構成である。
【0009】
また、本発明の第4の課題解決手段は、便器上に設置される便座と便フタと、前記便座と前記便フタとを電動で個別に開閉する自動開閉装置と、前記自動開閉装置の開閉を制御する制御装置と、を備える温水洗浄便座装置であって、前記自動開閉装置は、前記便座を開閉する便座用モータと便座用減速ギア機構と、前記便フタを開閉する便フタ用モータと便フタ用減速ギア機構と、前記便座用モータと前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用モータと前記便フタ用減速ギア機構とを保持する中間プレートと、前記中間プレートの前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸の受け部の対向側に位置し対向側に露出した前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸を保持するケースと、を具備し、前記便座用減速ギア機構または前記便フタ用減速ギア機構は、前記中間プレートと前記ケースとの当接面に平行なギアの軸を有する減速ギアを具備する、水洗浄便座の組付け方法であって、前記便座用減速ギア機構または前記便フタ用減速ギア機構を前記中間プレートとで保持し、且つ前記中間プレートと前記ケースとの当接面に平行な面で前記中間プレートまたは前記ケースに組付ける、温水洗浄便座装置の組付け方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の温水洗浄便座装置は、自動開閉装置の中間プレートとケースで便座用モータと便座用減速ギア機構と便フタ用モータと便フタ用減速ギア機構とを保持することで、自動開閉装置の部品点数を削減や組立て工数の低減も可能となり、減速ギア機構の組立て精度を高くする、ことができる。即ち、従来技術の3つの支持部材と1枚のプレートを中間プレートに一体成形することで、部品点数を削減し、組立て工数低減と組立て精度向上が、可能になる。
【0011】
また、本発明の温水洗浄便座装置は、中間プレートとケースとの当接面に平行なギアの軸を有する減速ギアを具備する。これにより、ヘリカルギアまたはピニオンギアを同じ平面に並べて平面を大きくせず、平面と直交する面の隙間に配置することが可能になり、自動開閉装置のサイズをより小さくすることが可能になる。加えて、便座または便フタの重量増が必要になった際に、モータや出力軸の間の空間を利用してギアを配置し、自動開閉装置の減速比をより大きくすることが可能になる。
【0012】
また、本発明の温水洗浄便座装置は、便座用減速ギア機構と便フタ用減速ギア機構とに回転検知センサを具備することで、回転検知センサによって便座と便フタの開角度をより正確に把握し、制御装置でより正確に制御することが可能になる。
【0013】
また、本発明の温水洗浄便座装置は、中間プレートとケースとの当接面に平行なギアの軸を有する減速ギアを具備する。これにより、ヘリカルギアまたはピニオンギアを同じ平面に並べて平面を大きくせず、平面と直交する面の隙間に配置することが可能になり、自動開閉装置のサイズをより小さくすることが可能になる。加えて、便座または便フタの重量増が必要になった際に、モータや出力軸の間の空間を利用してギアを配置し、自動開閉装置の減速比をより大きくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の温水洗浄便座装置の斜視図
【図2】図1に示す自動開閉装置の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の温水洗浄便座装置1の斜視図である。本発明の温水洗浄便座装置1は、便器2上に設置される便座3と便フタ4と、便座3と便フタ4とを電動で個別に開閉する自動開閉装置10と、自動開閉装置10の開閉を制御する制御装置5と、を備えている。制御装置5には、人体検知センサ6と便座開閉スイッチ7と便フタ開閉スイッチ8と、が電気的に連結されている。
【0017】
図2は、図1に示す自動開閉装置10の分解斜視図である。自動開閉装置10は、便座3を開閉する便座用モータ11と便座用減速ギア機構20と、便フタ4を開閉する便フタ用モータ13と便フタ用減速ギア機構30と、便座用モータ11と便座用減速ギア機構20と便フタ用モータ13と便フタ用減速ギア機構30とを保持する中間プレート40とケース70と、を具備している。
【0018】
以下に、便座用減速ギア機構20の構成を説明する。中間プレート40の受け面には、便座用第1ウォームギアの軸受け部41に便座用第1ウォームギア21が挿入され、2箇所の便座用モータ固定孔46に2本のモータ固定ねじ15を貫通させ、便座用第1ウォームギア21に締結された便座用モータ11の便座用モータねじ孔12に2本のモータ固定ねじ15で、ねじ留めしている。便座用第1ウォームギア21と平行に係合する便座用第1ヘリカルギア22の軸中心と、便座用第1ヘリカルギア22と同軸上に一体成形された便座用第2ウォームギア23の軸中心には、中間プレート40の便座用第1ヘリカルギアの軸受け孔42を圧入貫通させた第1の便座ギア用ピン28を圧入貫通させ、更に、中間プレート40の便座用第2ウォームギアの軸受け孔43に圧入貫通させている。便座用第2ウォームギア23と平行に係合する便座用第2ヘリカルギア24には、便座用第2ヘリカルギア24と同軸上に便座用第3ピニオンギア25が一体成形されている。便座用第2ヘリカルギア24と便座用第3ピニオンギア25の軸中心には、第2の便座ギア用ピン29を回転軸として圧入貫通させている。便座用第2ヘリカルギア24側に突出た第2の便座ギア用ピン29は、中間プレート40の便座用第2ヘリカルギアの軸受け部44に挿入されている。便座用第3ピニオンギア25に突出た第2の便座ギア用ピン29は、中間プレート40の当接面59とケース70の当接面75が組み合わされる際に、ケース70の便座用第3ピニオンギアの軸受け部71に挿入される。便座用第3ピニオンギア25と平行に係合する便座用第3出力ギア26の同軸延長部には、便座用第3出力軸27が一体成形されている。便座用第3出力ギア26の回転軸は、中間プレート40の便座用第3出力ギアの軸受け部45に挿入されている。便座用第3出力軸27は、ケース70の便座用第3出力軸27受け部72に挿入されている。
【0019】
以下に、便フタ用減速ギア機構30の構成を説明する。中間プレート40には、便フタ用第1ウォームギアの軸受け部50に便フタ用第1ウォームギア31の回転軸が挿入され、2箇所の便フタ用モータ固定孔55に2本のモータ固定ねじ15を貫通させ、便フタ用第1ウォームギア31に締結された便フタ用モータ13の便フタ用モータねじ孔14に2本のモータ固定ねじ15で、ねじ留めしている。便フタ用第1ウォームギア31と平行に係合する便フタ用第1ヘリカルギア32の軸中心と、便フタ用第1ヘリカルギア32と同軸上に一体成形された便フタ用第2ウォームギア33の軸中心には、中間プレート40の便フタ用第1ヘリカルギアの軸受け孔52を圧入貫通させた第1の便フタギア用ピン38を圧入貫通させ、更に、中間プレート40の便フタ用第2ウォームギアの軸受け孔53に圧入貫通させている。便フタ用第2ウォームギア33と平行に係合する便フタ用第2ヘリカルギア34には、便フタ用第2ヘリカルギア34と同軸上に便フタ用第3ピニオンギア35が一体成形されている。便フタ用第2ヘリカルギア34と便フタ用第3ピニオンギア35の軸中心には、第2の便フタギア用ピン39を回転軸として圧入貫通させている。便フタ用第2ヘリカルギア34に突出た第2の便フタギア用ピン39は、中間プレート40の便フタ用第2ヘリカルギアの軸受け部51に挿入されている。便フタ用第3ピニオンギア35に突出た第2の便フタギア用ピン39は、中間プレート40の当接面59とケース70の当接面75が組み合わされる際に、ケース70の便フタ用第3ピニオンギアの軸受け部73に挿入される。便フタ用第3ピニオンギア35と平行に係合する便フタ用第3出力ギア36の同軸延長部には、便フタ用第3出力軸37が一体成形されている。便フタ用第3出力ギア36の回転軸は、中間プレート40の便フタ用第3出力ギアの軸受け部54に挿入されている。
【0020】
中間プレート40に便座用減速ギア機構20と便フタ用減速ギア機構30とを組付け、中間プレート40の当接面59とケース70の当接面75とを組み合わせたサブアッセンブリ80には、便座用回転センサガイドピン48に便座用回転センサ61の便座用回転センサガイド孔62が入る様に、便フタ用回転センサ取付け孔に便座用回転センサ61が挿入され、便座用回転センサ61の便座用回転センサねじ孔63に1本の便座用回転センサ固定ねじ67をねじ留めして、便座用回転センサ61が、固定されている。サブアッセンブリ80には、便フタ用回転センサガイドピン57に便フタ用回転センサ64の便フタ用回転センサガイド孔65が入る様に、便フタ用回転センサ取付け孔56に便フタ用回転センサ64が挿入され、便フタ用回転センサ64の便フタ用回転センサねじ孔66に1本の便座用回転センサ固定ねじ68をねじ留めして、便フタ用回転センサ64が、固定されている。
【0021】
サブアッセンブリ80の当接面76に、カバー90の当接面91を更に組付け、サブアッセンブリ80とカバー90を4本のカバー固定ねじ92で締結して、自動開閉装置10を形成している。自動開閉装置10は、温水洗浄便座装置固定ねじ16で温水洗浄便座装置1に締結される。
【0022】
ここで、中間プレート40、ケース70、カバー90、は例えば耐薬品性に優れ高強度であるポリブチレンテレフタレート(PBT)を使用している。便座用第1ウォームギア21、便座用第1ヘリカルギア22、便座用第2ウォームギア23、便座用第2ヘリカルギア24、便座用第3ピニオンギア25、便座用第3出力ギア26、便座用第3出力軸27、便フタ用第1ウォームギア31、便フタ用第1ヘリカルギア32、便フタ用第2ウォームギア33、便フタ用第2ヘリカルギア34、便フタ用第3ピニオンギア35、便フタ用第3出力ギア36、便フタ用第3出力軸37、は耐摩耗性に優れ高強度であるポリアセタール(POM)を使用しており、各ギアには潤滑グリスを塗布している。第1の便座ギア用ピン28、第2の便座ギア用ピン29、第1の便フタギア用ピン38、第2の便フタギア用ピン39はS45C(鉄)を使用している。
【0023】
なお、サブアッセンブリ80にはカバー90を組み付けず、サブアッセンブリ80の状態で4本のカバー固定ねじ92を用いて締結して、自動開閉装置10を形成することも可能である。ポリブチレンテレフタレートの代わりにポリプロピレン等の樹脂を、ポリアセタールの代わりにポリアミド(ナイロン)等の樹脂や真鍮等の金属を、S45Cの代わりにステンレス鋼等の金属を、使用することも可能である。
【0024】
以下に、本発明の温水洗浄便座装置1の動作について、説明する。
【0025】
図1の人体検知センサ6で使用者が温水洗浄便座装置1の便座3先端から50cm未満の位置に近づいたことを検知すると、自動開閉装置10は制御装置5の制御によって便フタ4を開ける。便座3も開けたい場合は、使用者が、便座開閉スイッチ7を押すことで、自動開閉装置10は制御装置5の制御によって便座3を開ける。使用者が温水洗浄便座装置1の便座3先端から50cm以上の位置に離れたことを検知すると、制御装置5の制御によって便フタ4を閉じる。この際、便座3も開いている場合には便座3を先に閉じてから便フタ4を閉じる。使用者が、便座開閉スイッチ7または便フタ開閉スイッチ8を押すことで任意に便座3と便フタ4を開閉することも可能である。
【0026】
なお、ここでは人体検知センサ6の検知判定距離を50cmで記載しているが、得意先や使用者と云ったお客様の要望によって任意の距離に変更することも可能である。
【0027】
以下に、使用者がトイレに入室して温水洗浄便座装置を使用する際の便座3と便フタ4の動きに合わせて、自動開閉装置10の内部の動きに付いて説明する。
【0028】
便フタ4を開ける際には、制御装置5の制御を受けて、便フタ用モータ13が、図2の右から見てCCW(反時計回り)に回転し、便フタ用第1ウォームギア31が図2の右から見てCCWに回転し、便フタ用第1ヘリカルギア32と便フタ用第2ウォームギア33が図2の前から見てCW(時計回り)に回転し、便フタ用第2ヘリカルギア34と便フタ用第3ピニオンギア35が図2の右から見てCCWに回転し、便フタ用第3出力ギア36と便フタ用第3出力軸37が図2の右から見てCWに回転する。この際、便フタ4の開き量は、便フタ用回転センサ64によって監視され、制御装置5に開き量データとして送信される。次いで、制御装置5の制御を受けて、便フタ4が、便座3上から所定の位置まで開けられる。
【0029】
便座3を開ける際には、制御装置5の制御を受けて、便座用モータ11が、図2の右から見てCCWに回転し、便座用第1ウォームギア21が図2の右から見てCCWに回転し、便座用第1ヘリカルギア22と便座用第2ウォームギア23が図2の前から見てCCWに回転し、便座用第2ヘリカルギア24と便座用第3ピニオンギア25が図2の右から見てCCWに回転し、便座用第3出力ギア26と便座用第3出力軸27が図2の右から見てCWに回転する。この際、便座3の開き量は、便座用回転センサ61によって監視され、制御装置5に開き量データとして送信される。次いで、制御装置5の制御を受けて、便座3が、便器2上から所定の位置まで開けられる。
【0030】
便座3を閉める際には、制御装置5の制御を受けて、便座用モータ11が、図2の右から見てCWに回転し、便座用第1ウォームギア21が図2の右から見てCWに回転し、便座用第1ヘリカルギア22と便座用第2ウォームギア23が図2の前から見てCWに回転し、便座用第2ヘリカルギア24と便座用第3ピニオンギア25が図2の右から見てCWに回転し、便座用第3出力ギア26と便座用第3出力軸27が図2の右から見てCCWに回転する。この際、便座3の閉じ量は、便座用回転センサ61によって監視され、制御装置5に閉じ量データとして送信される。次いで、制御装置5の制御を受けて、便座3が、所定の位置から便器2上まで閉じられる。
【0031】
便フタ4を閉める際には、制御装置5の制御を受けて、便フタ用モータ13が、図2の右から見てCWに回転し、便フタ用第1ウォームギア31が図2の右から見てCWに回転し、便フタ用第1ヘリカルギア32と便フタ用第2ウォームギア33が図2の前から見てCCWに回転し、便フタ用第2ヘリカルギア34と便フタ用第3ピニオンギア35が図2の右から見てCWに回転し、便フタ用第3出力ギア36と便フタ用第3出力軸37が図2の右から見てCCWに回転する。この際、便フタ4の閉じ量は、便フタ用回転センサ64によって監視され、制御装置5に閉じ量データとして送信される。次いで、制御装置5の制御を受けて、便フタ4が、所定の位置から便座3上まで閉じられる。
【0032】
即ち、便座用モータ11と便蓋用モータ13とは、中間プレート40にモータ固定ネジ15でねじ留めされており、便座用減速ギア機構20と便フタ用減速ギア機構30との各ギアは、中間プレート40とケース70の間または中間プレート40のみに軸支されている。
【0033】
なお、便座用モータ11、便座用第1ウォームギア21、便座用第1ヘリカルギア22、便座用第2ウォームギア23、便座用第2ヘリカルギア24、便座用第3ピニオンギア25、便座用第3出力ギア26、便座用第3出力軸27と、便フタ用モータ13、便フタ用第1ウォームギア31、便フタ用第1ヘリカルギア32、便フタ用第2ウォームギア33、便フタ用第2ヘリカルギア34、便フタ用第3ピニオンギア35、便フタ用第3出力ギア36、便フタ用第3出力軸37と、の回転方向の組み合わせは、設計者の要求によって変更することが可能である。更に、便座用第3出力軸27または便フタ用第3出力軸37には、便座または便フタを開ける際の便座用モータ11または便フタ用13モータのトルクあるいは便座用減速ギア機構20または便フタ用減速ギア機構30の減速比を小さくする為の付勢スプリングとしてトーションスプリングを設置することも可能である。加えて、ケース70の当接面75とカバー90の当接面91の間には、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)と云ったパッキンを防水部品として使用することも可能である。便座用第3出力軸27とケース70の便座用第3出力軸受け部72の間や便蓋用第3出力軸37と便蓋用第3出力軸受け部74の間には、メカニカルシールまたは、ポリアセタール(POM)と云った滑りやすく体摩耗製の高い平ワッシャと潤滑性が高く電気部品接点部の電気導電性を損なわないリチウム石鹸系グリスと云った液体パッキンを組み合わせ、防水部品として使用することも可能である。
【0034】
以下に、本発明の温水洗浄便座装置1の効果について説明する。
【0035】
本発明の温水洗浄便座装置1は、自動開閉装置10の中間プレート40とケース70で便座用モータ11と便座用減速ギア機構20と便フタ用モータ13と便フタ用減速ギア機構30とを保持することで、自動開閉装置10の部品点数を削減して、組立て工数も低減すると共に減速ギア機構の組立て精度を高くする、ことが可能になる。即ち、従来技術の3つの支持部材と1枚のプレートを本発明の中間プレート40に一体成形することで、部品点数を削減し、組立て工数低減と組立て精度向上が、可能になる。更に、本発明では、従来技術の3つの支持部材によって発生する各ギアの軸の高さとピッチのバラツキを調整する治具または補正部品を、必要としなくなる。
【0036】
また、本発明の温水洗浄便座装置1は、中間プレート40の当接面59とケース70の当接面75に平行な第1の便座ギア用ピン28軸と第1の便フタギア用ピン38軸とをそれぞれ有する便座用減速ギア機構20と便フタ用減速ギア機構30とを具備している。これにより、ギア輪列を同一方向に配置することによるギア輪列平面の増大を防止し、自動開閉装置のサイズをより小さくすることが可能になる。加えて、便座3または便フタ4の重量増が必要になった際に、便座用モータ11、便蓋用モータ13、便座用第3出力軸27、便蓋用第3出力軸37、の間の空間へ便座用減速ギア機構20や便フタ用減速ギア機構30を配置し、自動開閉装置10の減速比をより大きくすることが可能になる。
【0037】
また、本発明の温水洗浄便座装置1は、便座用減速ギア機構20と便フタ用減速ギア機構30とに便座用回転センサ61と便フタ用回転センサ64を具備することで、便座3と便フタ4の開角度をより正確に制御することが可能になる。これにより、便器タンク9への便フタ4の衝突や便座3の便フタ4への衝突による、衝突音の発生や便フタ4の衝突や便座3の割れ等の破損を防止することが可能になる。
【0038】
また、本発明の温水洗浄便座装置1は、中間プレート40の当接面59とケース70の当接面75に平行な第1の便座ギア用ピン28軸と第1の便フタギア用ピン38軸とをそれぞれ有する便座用減速ギア機構20と便フタ用減速ギア機構30とを具備している。これにより、ギア輪列を同一方向に配置することによるギア輪列平面の増大を防止し、自動開閉装置のサイズをより小さくすることが可能になる。加えて、便座3または便フタ4の重量増が必要になった際に、便座用モータ11、便蓋用モータ13、便座用第3出力軸27、便蓋用第3出力軸37、の間の空間へ便座用減速ギア機構20や便フタ用減速ギア機構30を配置し、自動開閉装置10の減速比をより大きくすることが可能になる。
【符号の説明】
【0039】
1 温水洗浄便座装置
2 便器
3 便座
4 便フタ
5 制御装置
10 自動開閉装置
11 便座用モータ
13 便フタ用モータ
20 便座用減速ギア機構
30 便フタ用減速ギア機構
40 中間プレート
61 便座用回転センサ
64 便フタ用回転センサ
70 ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器上に設置される便座と便フタと、
前記便座と前記便フタとを電動で個別に開閉する自動開閉装置と、
前記自動開閉装置の開閉を制御する制御装置と、
を備える温水洗浄便座装置であって、
前記自動開閉装置は、
前記便座を開閉する便座用モータと便座用減速ギア機構と、
前記便フタを開閉する便フタ用モータと便フタ用減速ギア機構と、
前記便座用モータと前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用モータと前記便フタ用減速ギア機構とを保持する中間プレートと、
前記中間プレートの前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸の受け部の対向側に位置し対向側に露出した前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸を保持するケースと、を具備する、
温水洗浄便座装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温水洗浄便座装置に於いて、
前記便座用減速ギア機構または前記便フタ用減速ギア機構は、前記中間プレートと前記ケースとの当接面に平行なギアの軸を有する減速ギアを具備する、
温水洗浄便座装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の温水洗浄便座装置に於いて、
前記自動開閉装置は、
前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構とに回転検知センサを具備する、
温水洗浄便座装置。
【請求項4】
便器上に設置される便座と便フタと、
前記便座と前記便フタとを電動で個別に開閉する自動開閉装置と、
前記自動開閉装置の開閉を制御する制御装置と、
を備える温水洗浄便座装置であって、
前記自動開閉装置は、
前記便座を開閉する便座用モータと便座用減速ギア機構と、
前記便フタを開閉する便フタ用モータと便フタ用減速ギア機構と、
前記便座用モータと前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用モータと前記便フタ用減速ギア機構とを保持する中間プレートと、
前記中間プレートの前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸の受け部の対向側に位置し対向側に露出した前記便座用減速ギア機構と前記便フタ用減速ギア機構のギアの軸を保持するケースと、を具備し、
前記便座用減速ギア機構または前記便フタ用減速ギア機構は、前記中間プレートと前記ケースとの当接面に平行なギアの軸を有する減速ギアを具備する、
温水洗浄便座装置の組付け方法であって、
前記便座用減速ギア機構または前記便フタ用減速ギア機構を前記中間プレートとで保持し、且つ前記中間プレートと前記ケースとの当接面に平行な面で前記中間プレートまたは前記ケースに組付ける、
温水洗浄便座装置の組付け方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−66549(P2013−66549A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206035(P2011−206035)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】