説明

温浴器

【課題】浴槽の大きさに応じて温浴剤入り容器の個数を増減することのできる温浴器を提供する。
【解決手段】通水孔5を有し且つ内部に温浴剤2を収容している複数個の容器3と、容器3,3同士を着脱可能に連結している連結具4とを備えている。2個の容器3,3を上下に数珠繋ぎ状に連結する場合、下側の容器3には黄土セラミックボール、遠赤外線セラミックボール等のように重くて湯水に沈む温浴剤2を袋7に入れて収容し、上側の容器3には、水溶性の有機ゲルマニウムや、ビタミンC、カプサイシンなどが配合されたボール状の温浴剤2を袋7に入れて収容する。このようにすれば、水溶性の有機ゲルマニウムや、ビタミンC、カプサイシンなどが配合されたボール状の温浴剤2は、湯水より軽いため浮こうとし、これによて上下の容器3,3が湯水中で上下方向一列になって邪魔にならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲルマニウム温浴等で代表され、浴槽に浸漬して温浴効果を高める温浴器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の温浴器は、一般に通水孔を有するステンレスやプラスチック製の容器の中にゲルマニウムやラジウム等の温浴剤を収容している(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
【特許文献1】実開昭61−67749号公報
【特許文献2】実開昭62−66663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単一の容器に温浴剤の全てが収容されている上記温浴器では浴槽の容積の大小に応じた各種大きさのものを用意しておく必要があり、コスト高になる。かと言って、浴槽中に温浴器を浴槽の大きさに合わせてその複数個をばらばらに浸漬するとなると、浴槽の中を狭くしてしまい、太ももや背中などにあたり窮屈感があり、リラクゼーションの妨げになる。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、浴槽の大きさに応じて温浴剤入り容器の個数を増減することのできる温浴器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の温浴器は、通水孔を有し且つ内部にゲルマニウム等の温浴剤を収容している複数個の容器と、容器同士を着脱可能に連結している連結具とを備えていることに特徴を有するものである。
このように構成された温浴器によれば、温浴剤の入っている容器どうしを連結具でもって着脱することにより容器の個数を浴槽の大きさに合わせて簡単に増やしたり減らしたりすることができる。
【0007】
一つの好適な態様として、本発明による温浴器は、前記容器を半球状の上下ケースを開閉可能に突き合わせ接合して中空球状に形成し、前記上ケースの半球面中央上部及び前記下ケースの半球面中央下部にそれぞれ連結孔を設けており、前記連結具はピン部と、ピン部の両端側にそれぞれ前記連結孔に対し係脱可能に形成された周溝部とを有する形に形成したものとすることができる。これによれば、容器が球状に形成されていることにより入浴時に肌に触れても違和感を少なく、また容器を開閉可能とすることにより温浴剤の補充や交換を可能にする。さらに、連結具の周溝部を容器側の連結孔に係脱させることにより容器に対し連結具を簡単に着脱することができる。更に又、複数個の容器も数珠繋ぎ状にまとまった状態に連結することができるため、浴槽の中を可及的に狭くすることなく、浸漬することができる。また、前記連結具としては、容器に対して容易な着脱と確実な連結を確保するために、弾力性のあるエラストマーで構成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、同一寸法、同一形状の容器および連結具を量産化でき、使用に際しその個数を増減するだけで各種大きさの浴槽に対応することができるため、経済的に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る温浴器の好適な実施例を図面に基づき説明する。
【0010】
図1に示すように、本発明に係る温浴器1は、内部に温浴剤2を収容する複数個の容器3と、容器3,3同士を着脱可能に連結している連結具4とを備える。各容器3は、PC、HIPS、PMMA等プラスチック製の半球状の上下ケース3a,3bを開閉可能に突き合わせ接合して中空球状に形成してなる。図2〜図6に示すように、半球状の上下ケース3a,3bにはそれぞれ湯水が出入りする通水孔5を1個もしくは複数個設けている。上下ケース3a,3bを開閉可能に突き合わせ接合する手段としては、図示省略するが、上下ケース3a,3bのうち一方の上ケース3a又は下ケース3bの開口端縁の外周に設けた少なくとも一対の突起を、もう一方の下ケース3b又は上ケース3aの開口端縁の内周に前記突起に対応すべく設けた少なくとも一対のL形状の溝に係合させるバヨネット結合や、上下ケース3a,3bのうち一方の上ケース3a又は下ケース3bの開口端縁の内周に設けた雌ねじをもう一方の下ケース3b又は上ケース3aの開口端縁の外周に設けた雄ねじに螺合させるねじ結合等が採用される。
【0011】
2個以上の容器3を連結具4で着脱可能に連結するにあたっては、図4、図5に示すように、各容器3の上ケース3aの半球面中央上部及び下ケース3bの半球面中央下部にそれぞれ径大円形孔部6aと径小円形部6bを有する鍵穴形状の連結孔6を設ける。一方、図1に示すように、連結具4はウレタンエラストマー等のプラスチックでもって中ほどが細く括れた形状のピン部4aと、ピン部4aの両端側にそれぞれ径大円形孔部6aに対し出し入れ可能に且つ径小円形孔部6bより径大に形成された抜止め突起4b、及び径小円形孔部6bに対し係脱可能に形成された周溝部4cとを有する形に成形している。かくして、例えば、2個の容器3,3のうち一方の容器3の下ケース3bの径大円形孔部6aに連結具4の一端側の抜止め突起4bを入れた後連結具4を径小円形孔部6bの方向へ移動させて周溝部4cを径小円形孔部6bの内周縁に係合させ、もう一方の容器3の上ケース3bの径大円形孔部6aに連結具4の他端側の抜止め突起4bを入れた後連結具4を径小円形孔部6bの方向へ移動させて周溝部4cを径小円形孔部6bの内周縁に係合させることにより、図1、図7に示すように2個の容器3,3が上下に数珠繋ぎ状に連結される。それと同じ要領でもって3個以上の容器3を2個以上の連結具4を用いて上下に数珠繋ぎ状に連結することができる。因みに、こうした連結操作はゴム状弾性を有するエラストマーで形成されている連結具4を使用することによりその弾性を利用して容器3,3どうしを容易にかつ確実に連結することができる。
【0012】
各容器3の内部に収容される温浴剤2としては、32度以上になると活性化してマイナスイオンを放出して肩こり、腰痛、疲れ、不眠等に効くゲルマニウム鉱石あるいは有機ゲルマニウムが用いられ、また、ビタミンCや体温上昇・発汗作用のあるカプサイシンが配合されたものも用いられ、他方、新陳代謝の向上など温浴効果を高める遠赤外線を発生する黄土セラミックボールや遠赤外線セラミックボール、血行促進、疲労回復などに効果のあるラジウムボールなどが用いられる。これら温浴剤2は適宜配合して不織布や布製の袋7に入れて容器3の中に収容される。たとえば、図1に示すように、2個の容器3,3を上下に数珠繋ぎ状に連結する場合、下側の容器3には黄土セラミックボール、遠赤外線セラミックボール等のように重くて湯水に沈む温浴剤2を袋7に入れて収容し、上側の容器3には、水溶性の有機ゲルマニウムや、ビタミンC、カプサイシンなどが配合されたボール状の温浴剤2を袋7に入れて収容する。このようにすれば、水溶性の有機ゲルマニウムや、ビタミンC、カプサイシンなどが配合されたボール状の温浴剤2は、湯水より軽いため浮こうとし、これによて上下の容器3,3が湯水中で上下方向一列になって邪魔にならず、さらには水溶性の有機ゲルマニウム等が何回か使用しているうちに湯水に解けて無くなった時には、たとえば上側の容器3のみを連結具4から取り外して新しいものを再度連結すれば交換も簡単に行うことができるものである。
【0013】
最上段側の容器3には、図7に示すように、浴槽8に吸着自在な吸盤9を耐水性の紐10で取り付ける。紐10は上ケース3aの通水孔5を利用して該通水孔5に通すことにより容器3にくくり付けることができる。
【0014】
このように構成された温浴器1は浴槽8に吸盤9を吸着することで浴槽8内の湯水11に浸漬して使用され、浴槽8の大きさに合った容器3の個数だけ連結具4で数珠繋ぎに連結して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例を示す温浴器の断面図である。
【図2】同温浴器の容器の正面図である。
【図3】同温浴器の容器の背面図である。
【図4】同温浴器の容器の平面図である。
【図5】同温浴器の容器の底面図である。
【図6】同温浴器の容器の左側面図である。
【図7】同温浴器の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 温浴器
2 温浴剤
3 容器
4 連結具
5 通水孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水孔を有し且つ内部に温浴剤を収容している複数個の容器と、容器同士を着脱可能に連結している連結具とを備えていることを特徴とする温浴器。
【請求項2】
前記容器は半球状の上下ケースを開閉可能に突き合わせ接合して中空球状に形成し、前記上ケースの半球面中央上部及び前記下ケースの半球面中央下部にそれぞれ連結孔を設けており、前記連結具はピン部と、ピン部の両端側にそれぞれ前記連結孔に対し係脱可能に形成された周溝部とを有する形に形成している請求項1記載の温浴器。
【請求項3】
前記連結具が、弾力性のあるエラストマーで構成されている請求項2記載の温浴器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−114001(P2008−114001A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302495(P2006−302495)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(505310655)株式会社満天社 (3)
【Fターム(参考)】