温熱療法用マット
【課題】発熱体が断線しにくく、発熱体から発生する熱を人体に効果的に伝えることができる温熱療法マットを提供する。
【解決手段】通電により発熱する第1発熱体31、及び、第1発熱体31を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる第2発熱体32を有する発熱手段3と、発熱手段3が埋設されるマット本体2と、を備えており、マット本体2は、上方マット部21と、上方マット部21の下方に配置される下方マット部22とに分離可能に形成されており、下方マット部22の上面22aには、発熱手段3が収容される凹部24が形成されている温熱療法用マット1。
【解決手段】通電により発熱する第1発熱体31、及び、第1発熱体31を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる第2発熱体32を有する発熱手段3と、発熱手段3が埋設されるマット本体2と、を備えており、マット本体2は、上方マット部21と、上方マット部21の下方に配置される下方マット部22とに分離可能に形成されており、下方マット部22の上面22aには、発熱手段3が収容される凹部24が形成されている温熱療法用マット1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温熱療法用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱体に通電することにより熱を発生させ、この熱を人体に照射して患部の治療や、身体の疲れを取り除く温熱療法マットとして、特許文献1に開示されているものが知られている。
【0003】
この特許文献1に開示されている温熱療法マットは、ウレタン素材製の低反発クッション、この低反発クッションの上部に設けられるスポンジクッション、及び、低反発クッション及びスポンジクッションの間に配置される帯状の発熱体を備えている。発熱体は、塩ビ樹脂によりラミネートされており、通電により発熱するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−334265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の温熱療法マットにおいては、マット上への使用者の横臥の繰り返しにより、発熱体が断線し易いという問題があった。また、発熱体から発生する熱がマット上の人体に伝わりにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、発熱体が断線しにくく、発熱体から発生する熱を人体に効果的に伝えることができる温熱療法マットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、通電により発熱する第1発熱体、及び、前記第1発熱体を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる第2発熱体を有する発熱手段と、前記発熱手段が埋設されるマット本体と、を備えており、前記マット本体は、上方マット部と、前記上方マット部の下方に配置される下方マット部とに分離可能に形成されており、前記下方マット部の上面には、前記発熱手段が収容される凹部が形成されている温熱療法用マットにより達成される。
【0008】
また、この温熱療法用マットにおいて、前記凹部と前記発熱手段との間には、金属製シートが設けられていることが好ましい。
【0009】
また、前記発熱手段は、帯状に形成されていることが好ましい。
【0010】
また、前記発熱手段は、シリコンチューブ内に収容されていることが好ましい。
【0011】
また、前記シリコンチューブは、その内部が密閉されるように両端部が閉塞していることが好ましい。
【0012】
また、前記発熱手段は、前記発熱手段の表面から先端が突出する複数の針状の発振体を備えていることが好ましい。
【0013】
また、炭素繊維から成る第2発熱体には、粉体状の遠赤外線発生物質が担持されていることが好ましい。
【0014】
また、前記マット本体には、振動を発生する発振装置が埋設されており、前記発振装置は、容器本体と、前記容器本体の底面全域を覆うように配置される第1電極と、前記第1電極上に設けられる複数の発振子と、前記容器本体の上部開口部に配置される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に充填される粒状の遠赤外線発生物質からなる遠赤外線発生層とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発熱体が断線しにくく、発熱体から発生する熱を人体に効果的に伝えることができる温熱療法マットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る温熱療法用マットの平面図である。
【図2】図1におけるA−A断面を示す概略構成断面図である。
【図3】マット本体の上方マット部を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す温熱療法用マットの変形例を示す概略構成断面図である。
【図5】図1に示す温熱療法用マットの他の変形例を示す平面図である。
【図6】図5におけるB−B断面を示す概略構成断面図である。
【図7】発振装置の断面を示す概略構成断面図である。
【図8】図1に示す温熱療法用マットの更に他の変形例を示す概略構成断面図である。
【図9】図1に示す温熱療法用マットの更に他の変形例を示す概略構成断面図である。
【図10】図9に示すシリコンチューブの設置例を示す概略構成断面図である。
【図11】図1に示す温熱療法用マットが備える発熱手段3の他の変形例を示す概略構成断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る温熱療法用マットについて添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る温熱療法用マットの平面図であり、図2は、そのA−A断面における概略構成断面図である。
【0018】
本実施形態に係る温熱療法用マット1は、図1及び図2に示すように、マット本体2と、発熱手段3とを備えている。マット本体2は、人間が横になって寝ることができる大きさに形成されている。マット本体2を形成する材料としては、天然ゴムや、ウレタン素材等を例示することができるが、床ずれを防止する観点から、天然ゴムが特に好ましい。このマット本体2は、図3の斜視図に示すように、上方マット部21と、この上方マット部21の下方に配置される下方マット部22とを備えている。上方マット部21と下方マット部22とは、互いに分離可能に形成されている。図3においては、上方マット部21の一部と下方マット部22の一部とが連結し、この連結部分23を支点として上方マット部21が開閉可能となる構成を示しているが、例えば、上方マット部21と下方マット部22とが完全に分離するような構成を採用してもよい。
【0019】
下方マット部22の上面22aには、図2及び図3に示すように、凹部24が複数形成されている。各凹部24は、帯状の発熱手段3を収容できるようにそれぞれ帯状に形成されており、さらに、各凹部24は、互いに略平行となるように形成されている。また、各凹部24の深さは、発熱手段3の一部が下方マット部22の上面22aを越えて上方に突出しないように設定されている。
【0020】
発熱手段3は、図2に示すように、第1発熱体31及び第2発熱体32を備えている。この発熱手段3は、上述のように下方マット部22に形成される凹部24に収容されている。第1発熱体31は、通電により発熱する帯状の発熱体であり、例えば、ポリエステルフィルムの上面に導電性の高いニッケルインヂウム酸化化合物を添加した塗料を塗布した面にポリエステルフィルムを積層した面状発熱体を採用することができる。また、このような面状発熱体に代えて、ニクロム線又はマンガニン線などの金属製抵抗線により形成された発熱体を絶縁部材により被覆したものを採用することができる。
【0021】
第2発熱体32は、第1発熱体31を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる発熱体である。このような第2発熱体32は、炭素繊維からなる炭素繊維不織布や、炭素繊維織布から形成することができる。
【0022】
発熱手段3の各端部3a、3bにおいては、第1発熱体31と第2発熱体32とが互いに電気的に接続しており、発熱手段3の両端部3a、3bに電圧を印加することにより、電気が第1発熱体31及び第2発熱体32の双方に流れ、第1発熱体31及び第2発熱体32が共に発熱するように構成されている。
【0023】
このように構成された発熱手段3には、図示しない電源ユニット及びコントローラが接続している。電源ユニットは、入力電源電圧がAC(Alternating Current;交流)100V〜240V、出力電源電圧がDC(Direct Current;直流)12V〜24Vであり、12〜14A程度の電流を安全に供給可能なようにヒューズ等の安全装置を備えている。
【0024】
コントローラは、発熱手段3が発生する熱量を制御する装置であり、電源操作部、発熱手段3に作用する電圧を変化させて発熱手段3の温度調節を行う温度調節操作部や、発熱手段3の作動時間を制御するタイマー部などを備えている。
【0025】
次に、本実施形態に係る温熱療法用マット1の使用方法について説明する。まず、温熱療法を受けようとする使用者は、温熱療法を受ける時間をタイマー部にセットし、発熱手段3を作動させた後、温熱療法用マット1上に横臥する(上方マット部21の上面側に横臥する)。発熱手段3から発せられる熱は、使用者の全身にムラ無く効率的に伝導する。このとき、発熱手段3を構成する第1発熱体31及び第2発熱体32からは、熱の他に、細胞修復に適した周波数の波動も発せられるので、より効果的に人体の患部の治療や、身体の疲れを取り除くことが可能になる。タイマー部にセットした作動時間が経過すると、電源がOFFになり、発熱手段3の作動が終了する。
【0026】
本実施形態に係る温熱療法用マット1は、第1発熱体31とこの第1発熱体31を被覆する炭素繊維から成る第2発熱体32とにより発熱手段3が構成され、さらに、この発熱手段3をマット本体2の下方マット部22に形成された凹部24内に収容するように構成されているので、温熱療法用マット1に使用者が乗り降りする際に、発熱手段3に作用する外力を低下させることが可能になり、発熱手段3が断線することを防止することができる。更に、上方マット部21の下面と下方マット部22の上面22aとの間に発熱手段3を配置するのではなく、下方マット部22の凹部24内に発熱手段3を収容しているため、横臥時において使用者が発熱手段3を異物と感じることを防止して、良好な寝心地感を使用者に与えることができる。また、第1発熱体31は、第2発熱体32により被覆されているため、発熱手段3に何らかの大きな外力が働いたとしても、第2発熱体32が緩衝材の働きをするため、第1発熱体31が断線することを確実に防止することができる。なお、第2発熱体32は、炭素繊維からなる炭素繊維不織布や炭素繊維織布から形成されているため、断線に対する耐久性が大きい。
【0027】
また、発熱手段3は、第1発熱体31を被覆すると共に通電により発熱する第2発熱体32を備えているため、発熱手段3から発せられる熱量を大きくすることができる。その結果、温熱療法用マット1に横臥する使用者に熱を効果的に伝導することが可能になる。また、第2発熱体32は炭素繊維から形成されているので、通電により遠赤外線を放射することができる。この結果、人体の血液循環や新陳代謝等を効果的に活性化することができる。
【0028】
以上、本発明に係る温熱療法用マット1の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な構成は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、下方マット部22に形成される凹部24の底面と、当該凹部24内に収容される発熱手段3との間に、図4に示すように、厚さ10μm〜50μmの金属製シート4を設けるようにしてもよい。金属製シート4は、例えば、ガラス繊維シートにアルミニウムやマグネシウム等の金属を蒸着して形成することができる。このような構成により、金属製シート4が、発熱手段3から発生した熱や細胞修復に適した周波数の波動を温熱療法用マット1の上方側(マット本体2の上方マット部21側)に反射することができるので、発熱手段3によって生成した熱等をマット1上に横臥する人体に対して、より効果的に伝えることが可能になる。また、金属製シート4は、凹部24内に配置されているため、温熱療法用マット1上への使用者の横臥の繰り返しによっても金属製シート4が所定の位置からずれることを効果的に防止することができると共に、使用者の横臥時に金属製シート4に作用する外力を低減することができるので、金属製シート4が破断することを効果的に防止することが可能になる。この結果、発熱手段3から発生した熱等を温熱療法用マット1の上方側に反射する金属製シート4の作用の長期間の継続化が可能になる。
【0029】
また、第2発熱体32を形成する炭素繊維に、最大径が例えば50μm〜100μmの粉体状の遠赤外線発生物質を担持してもよい。遠赤外線発生物質としては、天然ラジウム、ゲルマニウム、変成岩(SGE)、トルマリン、医王石、貴陽石、ホルンヘルス、隕石、黒曜石、麦飯石、御影石、竜王石、光明石、黄土、溶岩絹雲母、紫水晶、生光石、蛇紋石、美向石、ブラックシリカ鉱石(神光石・黒鉛珪石)、三仙石赤、三仙石膏、黒点花蛇紋石、石英変岩石等の天然鉱石や、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化クロム二酸化マンガン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、シリカ又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を例示することができる。また、これらの粉体状の天然鉱石や金属酸化物などを混練した後、高温焼成してセラミック化したものを、遠赤外線発生物質として例示することができる。
【0030】
第2発熱体32を形成する炭素繊維に粉体状の遠赤外線発生物質を担持するには、粉体状に砕いた遠赤外線発生物質を樹脂系塗料に混ぜたものを、炭素繊維不織布に塗布・乾燥させることにより行うことができる。樹脂系塗料としては、無機系塗料と有機系塗料の2種類を大別して例示できる。無機系塗料として、アルコキシ金属塩系塗料、水性金属塩系塗料、または無機物を主体として、これに有機物をハイブリッドした、変性シリコン樹脂塗料からなるものを例示できる。また有機系塗料としては、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、熱可塑性エラストマー等を例示できる。また、第2発熱体32を形成する炭素繊維に、米粉のりを用いて粉体状の遠赤外線発生物質を担持してもよい。
【0031】
このように第2発熱体32を形成する炭素繊維に粉体状の遠赤外線発生物質を担持することにより、温熱療法用マット1を使用する使用者に作用する温熱効果をより一層高めることが可能になる。
【0032】
また、図5及びそのB−B断面図である図6に示すように、例えば、マット本体2の四隅近傍及び中央部に振動を発生する発振装置5を埋設してもよい。発振装置5は、図7の断面図に示すように、容器本体51と、容器本体51の底面全域を覆うように配置される第1電極52と、第1電極52上に設けられる複数の発振子53と、容器本体51の上部開口部51aに配置される第2電極54と、第1電極52及び第2電極54の間に充填される粒状の遠赤外線発生物質からなる遠赤外線発生層55とを備えている。また、この発振装置5は、第1電極52と第2電極54との間に電圧を印加できるように構成されている。発振子53は、電圧を印加することによりパルスを発生する部材である。
【0033】
発振子53が発生するパルスの周波数は、例えば、20Hz〜1MHzである。身体の疲労回復を効果的に行うという観点からは、20kHz〜100kHzの周波数を発生するように発振子53を構成するのが好ましい。また、発振子53が発生するパルスの周波数の値を、使用者個人の身体や病気部位が有する固有振動数の値と等しくすることが特に好ましい。このように、発振子53が発生するパルスの周波数を使用者個人の身体や病気部位が有する固有振動数と等しくすることにより、使用者の視聴覚や骨振動を通じてバイオレゾナンス現象が生じ、使用者の心拍数、脈波、脈拍、脳波等の生理学的数値の安定化、あるいは、心身の平安や安息状態を得ることができる。
【0034】
遠赤外線発生層55は、最大径が例えば、50μm〜100μm程度の大きさの粒状の遠赤外線発生物質を容器本体51内に充填して形成されている。遠赤外線発生物質としては、天然ラジウム、ゲルマニウム、変成岩(SGE)、トルマリン、医王石、貴陽石、ホルンヘルス、隕石、黒曜石、麦飯石、御影石、竜王石、光明石、黄土、溶岩絹雲母、紫水晶、生光石、蛇紋石、美向石、ブラックシリカ鉱石(神光石・黒鉛珪石)、三仙石赤、三仙石膏、黒点花蛇紋石、石英変岩石等の天然鉱石や、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化クロム二酸化マンガン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、シリカ又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を例示することができる。また、これらの粉体状の天然鉱石や金属酸化物などを混練した後、高温焼成してセラミック化したものを、遠赤外線発生物質として例示することができる。
【0035】
このように構成された発振装置5によれば、第1電極52及び第2電極54間に電圧を印加することにより、発振子53及び遠赤外線発生層55に電流が流れ、発振子53からはパルスが発生し、遠赤外線発生層55からは遠赤外線が放射されることになる。この結果、発振子53から発生するパルス及び遠赤外線発生層55から放射される遠赤外線の効果により、温熱療法用マット1に横臥する使用者の患部の治癒や、身体の疲労回復をより効果的に行うことができる。
【0036】
また、図8に示すように、下方マット部22と上方マット部21との界面にシート状の面状発熱体6を設ける構成を採用してもよい。このような面状発熱体6としては、炭素繊維からなるシート状の不織布に電極を接続して通電可能に構成される発熱体を例示することができる。
【0037】
また、本実施形態に係る温熱療法用マット1においては、図9に示すように、帯状の発熱手段3をシリコンチューブ7の内部に収容するように構成してもよい。このような構成により、シリコンチューブ7が緩衝材の機能を発揮し、発熱手段3が断線することをより一層確実に防止することができる。なお、図4において示される金属製シート4をシリコンチューブ7の内部であって発熱手段3の下方に配置してもよい。また、内部に発熱手段3を収容したシリコンチューブ7の下方に金属製シート4を配置してもよい。
【0038】
また、上述のようにシリコンチューブ7の内部に発熱手段3を収容する場合、シリコンチューブ7の両端部を閉塞させて、シリコンチューブ7の内部が密閉状態となるように構成することがより好ましい。このような構成を採用した場合、両端が閉塞されたシリコンチューブ7自体が、内部に封入されている空気との作用によりエアークッションとして機能し、マット本体2上に横臥する使用者に快適な寝心地を提供することが可能になる。なお、両端が閉塞されたシリコンチューブ7の内部に、空気の代わりにヘリウムガスや窒素ガス等の不活性ガスを別途封入するようにしてもよい。このような構成により、発熱手段3の酸化が防止されるので、発熱手段の耐久性を向上させることができる。
【0039】
また、図10に示すように凹部24内に配置されるシリコンチューブ7の上方の一部分が下方マット部22の上面22aから突出するように、内部に発熱手段3を収容したシリコンチューブ7を配置してもよい。このような構成により、突出部分が上方マット部21を介して横臥する使用者の身体を押圧することになるため、極めて優れた指圧効果を得ることできる。
【0040】
また、本実施形態に係る温熱療法用マット1においては、図11に示すように、発熱手段3が、発熱手段3の表面から先端が突出する複数の針状の発振体8を備えるように構成することもできる。この発振体8は。金属製の針部81と、この針部81の一端部(下端部)を支持する支持部82とを備えている。支持部82は、発熱手段3に埋設されるように配置されている。このような発振体8は、発熱手段3を流れる電流に乗じて通電し、遠赤外線の放射熱波(温波)を発生させることが可能であり、温熱療法用マット1に横臥する使用者の患部治療や、身体の疲労回復を効果的に行うことができる。また、発熱手段3を流れる電流のリズムを、例えばクラシック音楽のリズムに併せることにより、発振体8から発せられる温波にクラシック音楽のリズムを与えることができ、温熱療法用マット1に横臥する使用者の患部治療等をより一層効果的に行うことが可能になる。
【0041】
また、本実施形態においては、発熱手段3が収容される各凹部24は。それぞれが帯状となるように下方マット部22の上面に形成されているが、特にこのような構成に限定されない。例えば、横臥する使用者の胸部や腹部の位置、或いは上肢又は下肢におけるリンパ節部分の位置に対応する下方マット部22の部分に各凹部24を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 温熱療法用マット
2 マット本体
21 上方マット部
22 下方マット部
22a 下方マット部の上面
23 連結部分
24 凹部
3 発熱手段
31 第1発熱体
32 第2発熱体
4 金属製シート
5 発振装置
51 容器本体
52 第1電極
53 発振子
54 第2電極
55 遠赤外線発生層
6 面状発熱体
7 シリコンチューブ
8 発振体
81 針部
82 支持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、温熱療法用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発熱体に通電することにより熱を発生させ、この熱を人体に照射して患部の治療や、身体の疲れを取り除く温熱療法マットとして、特許文献1に開示されているものが知られている。
【0003】
この特許文献1に開示されている温熱療法マットは、ウレタン素材製の低反発クッション、この低反発クッションの上部に設けられるスポンジクッション、及び、低反発クッション及びスポンジクッションの間に配置される帯状の発熱体を備えている。発熱体は、塩ビ樹脂によりラミネートされており、通電により発熱するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−334265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の温熱療法マットにおいては、マット上への使用者の横臥の繰り返しにより、発熱体が断線し易いという問題があった。また、発熱体から発生する熱がマット上の人体に伝わりにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、発熱体が断線しにくく、発熱体から発生する熱を人体に効果的に伝えることができる温熱療法マットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、通電により発熱する第1発熱体、及び、前記第1発熱体を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる第2発熱体を有する発熱手段と、前記発熱手段が埋設されるマット本体と、を備えており、前記マット本体は、上方マット部と、前記上方マット部の下方に配置される下方マット部とに分離可能に形成されており、前記下方マット部の上面には、前記発熱手段が収容される凹部が形成されている温熱療法用マットにより達成される。
【0008】
また、この温熱療法用マットにおいて、前記凹部と前記発熱手段との間には、金属製シートが設けられていることが好ましい。
【0009】
また、前記発熱手段は、帯状に形成されていることが好ましい。
【0010】
また、前記発熱手段は、シリコンチューブ内に収容されていることが好ましい。
【0011】
また、前記シリコンチューブは、その内部が密閉されるように両端部が閉塞していることが好ましい。
【0012】
また、前記発熱手段は、前記発熱手段の表面から先端が突出する複数の針状の発振体を備えていることが好ましい。
【0013】
また、炭素繊維から成る第2発熱体には、粉体状の遠赤外線発生物質が担持されていることが好ましい。
【0014】
また、前記マット本体には、振動を発生する発振装置が埋設されており、前記発振装置は、容器本体と、前記容器本体の底面全域を覆うように配置される第1電極と、前記第1電極上に設けられる複数の発振子と、前記容器本体の上部開口部に配置される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に充填される粒状の遠赤外線発生物質からなる遠赤外線発生層とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発熱体が断線しにくく、発熱体から発生する熱を人体に効果的に伝えることができる温熱療法マットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る温熱療法用マットの平面図である。
【図2】図1におけるA−A断面を示す概略構成断面図である。
【図3】マット本体の上方マット部を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す温熱療法用マットの変形例を示す概略構成断面図である。
【図5】図1に示す温熱療法用マットの他の変形例を示す平面図である。
【図6】図5におけるB−B断面を示す概略構成断面図である。
【図7】発振装置の断面を示す概略構成断面図である。
【図8】図1に示す温熱療法用マットの更に他の変形例を示す概略構成断面図である。
【図9】図1に示す温熱療法用マットの更に他の変形例を示す概略構成断面図である。
【図10】図9に示すシリコンチューブの設置例を示す概略構成断面図である。
【図11】図1に示す温熱療法用マットが備える発熱手段3の他の変形例を示す概略構成断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る温熱療法用マットについて添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る温熱療法用マットの平面図であり、図2は、そのA−A断面における概略構成断面図である。
【0018】
本実施形態に係る温熱療法用マット1は、図1及び図2に示すように、マット本体2と、発熱手段3とを備えている。マット本体2は、人間が横になって寝ることができる大きさに形成されている。マット本体2を形成する材料としては、天然ゴムや、ウレタン素材等を例示することができるが、床ずれを防止する観点から、天然ゴムが特に好ましい。このマット本体2は、図3の斜視図に示すように、上方マット部21と、この上方マット部21の下方に配置される下方マット部22とを備えている。上方マット部21と下方マット部22とは、互いに分離可能に形成されている。図3においては、上方マット部21の一部と下方マット部22の一部とが連結し、この連結部分23を支点として上方マット部21が開閉可能となる構成を示しているが、例えば、上方マット部21と下方マット部22とが完全に分離するような構成を採用してもよい。
【0019】
下方マット部22の上面22aには、図2及び図3に示すように、凹部24が複数形成されている。各凹部24は、帯状の発熱手段3を収容できるようにそれぞれ帯状に形成されており、さらに、各凹部24は、互いに略平行となるように形成されている。また、各凹部24の深さは、発熱手段3の一部が下方マット部22の上面22aを越えて上方に突出しないように設定されている。
【0020】
発熱手段3は、図2に示すように、第1発熱体31及び第2発熱体32を備えている。この発熱手段3は、上述のように下方マット部22に形成される凹部24に収容されている。第1発熱体31は、通電により発熱する帯状の発熱体であり、例えば、ポリエステルフィルムの上面に導電性の高いニッケルインヂウム酸化化合物を添加した塗料を塗布した面にポリエステルフィルムを積層した面状発熱体を採用することができる。また、このような面状発熱体に代えて、ニクロム線又はマンガニン線などの金属製抵抗線により形成された発熱体を絶縁部材により被覆したものを採用することができる。
【0021】
第2発熱体32は、第1発熱体31を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる発熱体である。このような第2発熱体32は、炭素繊維からなる炭素繊維不織布や、炭素繊維織布から形成することができる。
【0022】
発熱手段3の各端部3a、3bにおいては、第1発熱体31と第2発熱体32とが互いに電気的に接続しており、発熱手段3の両端部3a、3bに電圧を印加することにより、電気が第1発熱体31及び第2発熱体32の双方に流れ、第1発熱体31及び第2発熱体32が共に発熱するように構成されている。
【0023】
このように構成された発熱手段3には、図示しない電源ユニット及びコントローラが接続している。電源ユニットは、入力電源電圧がAC(Alternating Current;交流)100V〜240V、出力電源電圧がDC(Direct Current;直流)12V〜24Vであり、12〜14A程度の電流を安全に供給可能なようにヒューズ等の安全装置を備えている。
【0024】
コントローラは、発熱手段3が発生する熱量を制御する装置であり、電源操作部、発熱手段3に作用する電圧を変化させて発熱手段3の温度調節を行う温度調節操作部や、発熱手段3の作動時間を制御するタイマー部などを備えている。
【0025】
次に、本実施形態に係る温熱療法用マット1の使用方法について説明する。まず、温熱療法を受けようとする使用者は、温熱療法を受ける時間をタイマー部にセットし、発熱手段3を作動させた後、温熱療法用マット1上に横臥する(上方マット部21の上面側に横臥する)。発熱手段3から発せられる熱は、使用者の全身にムラ無く効率的に伝導する。このとき、発熱手段3を構成する第1発熱体31及び第2発熱体32からは、熱の他に、細胞修復に適した周波数の波動も発せられるので、より効果的に人体の患部の治療や、身体の疲れを取り除くことが可能になる。タイマー部にセットした作動時間が経過すると、電源がOFFになり、発熱手段3の作動が終了する。
【0026】
本実施形態に係る温熱療法用マット1は、第1発熱体31とこの第1発熱体31を被覆する炭素繊維から成る第2発熱体32とにより発熱手段3が構成され、さらに、この発熱手段3をマット本体2の下方マット部22に形成された凹部24内に収容するように構成されているので、温熱療法用マット1に使用者が乗り降りする際に、発熱手段3に作用する外力を低下させることが可能になり、発熱手段3が断線することを防止することができる。更に、上方マット部21の下面と下方マット部22の上面22aとの間に発熱手段3を配置するのではなく、下方マット部22の凹部24内に発熱手段3を収容しているため、横臥時において使用者が発熱手段3を異物と感じることを防止して、良好な寝心地感を使用者に与えることができる。また、第1発熱体31は、第2発熱体32により被覆されているため、発熱手段3に何らかの大きな外力が働いたとしても、第2発熱体32が緩衝材の働きをするため、第1発熱体31が断線することを確実に防止することができる。なお、第2発熱体32は、炭素繊維からなる炭素繊維不織布や炭素繊維織布から形成されているため、断線に対する耐久性が大きい。
【0027】
また、発熱手段3は、第1発熱体31を被覆すると共に通電により発熱する第2発熱体32を備えているため、発熱手段3から発せられる熱量を大きくすることができる。その結果、温熱療法用マット1に横臥する使用者に熱を効果的に伝導することが可能になる。また、第2発熱体32は炭素繊維から形成されているので、通電により遠赤外線を放射することができる。この結果、人体の血液循環や新陳代謝等を効果的に活性化することができる。
【0028】
以上、本発明に係る温熱療法用マット1の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な構成は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、下方マット部22に形成される凹部24の底面と、当該凹部24内に収容される発熱手段3との間に、図4に示すように、厚さ10μm〜50μmの金属製シート4を設けるようにしてもよい。金属製シート4は、例えば、ガラス繊維シートにアルミニウムやマグネシウム等の金属を蒸着して形成することができる。このような構成により、金属製シート4が、発熱手段3から発生した熱や細胞修復に適した周波数の波動を温熱療法用マット1の上方側(マット本体2の上方マット部21側)に反射することができるので、発熱手段3によって生成した熱等をマット1上に横臥する人体に対して、より効果的に伝えることが可能になる。また、金属製シート4は、凹部24内に配置されているため、温熱療法用マット1上への使用者の横臥の繰り返しによっても金属製シート4が所定の位置からずれることを効果的に防止することができると共に、使用者の横臥時に金属製シート4に作用する外力を低減することができるので、金属製シート4が破断することを効果的に防止することが可能になる。この結果、発熱手段3から発生した熱等を温熱療法用マット1の上方側に反射する金属製シート4の作用の長期間の継続化が可能になる。
【0029】
また、第2発熱体32を形成する炭素繊維に、最大径が例えば50μm〜100μmの粉体状の遠赤外線発生物質を担持してもよい。遠赤外線発生物質としては、天然ラジウム、ゲルマニウム、変成岩(SGE)、トルマリン、医王石、貴陽石、ホルンヘルス、隕石、黒曜石、麦飯石、御影石、竜王石、光明石、黄土、溶岩絹雲母、紫水晶、生光石、蛇紋石、美向石、ブラックシリカ鉱石(神光石・黒鉛珪石)、三仙石赤、三仙石膏、黒点花蛇紋石、石英変岩石等の天然鉱石や、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化クロム二酸化マンガン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、シリカ又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を例示することができる。また、これらの粉体状の天然鉱石や金属酸化物などを混練した後、高温焼成してセラミック化したものを、遠赤外線発生物質として例示することができる。
【0030】
第2発熱体32を形成する炭素繊維に粉体状の遠赤外線発生物質を担持するには、粉体状に砕いた遠赤外線発生物質を樹脂系塗料に混ぜたものを、炭素繊維不織布に塗布・乾燥させることにより行うことができる。樹脂系塗料としては、無機系塗料と有機系塗料の2種類を大別して例示できる。無機系塗料として、アルコキシ金属塩系塗料、水性金属塩系塗料、または無機物を主体として、これに有機物をハイブリッドした、変性シリコン樹脂塗料からなるものを例示できる。また有機系塗料としては、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、熱可塑性エラストマー等を例示できる。また、第2発熱体32を形成する炭素繊維に、米粉のりを用いて粉体状の遠赤外線発生物質を担持してもよい。
【0031】
このように第2発熱体32を形成する炭素繊維に粉体状の遠赤外線発生物質を担持することにより、温熱療法用マット1を使用する使用者に作用する温熱効果をより一層高めることが可能になる。
【0032】
また、図5及びそのB−B断面図である図6に示すように、例えば、マット本体2の四隅近傍及び中央部に振動を発生する発振装置5を埋設してもよい。発振装置5は、図7の断面図に示すように、容器本体51と、容器本体51の底面全域を覆うように配置される第1電極52と、第1電極52上に設けられる複数の発振子53と、容器本体51の上部開口部51aに配置される第2電極54と、第1電極52及び第2電極54の間に充填される粒状の遠赤外線発生物質からなる遠赤外線発生層55とを備えている。また、この発振装置5は、第1電極52と第2電極54との間に電圧を印加できるように構成されている。発振子53は、電圧を印加することによりパルスを発生する部材である。
【0033】
発振子53が発生するパルスの周波数は、例えば、20Hz〜1MHzである。身体の疲労回復を効果的に行うという観点からは、20kHz〜100kHzの周波数を発生するように発振子53を構成するのが好ましい。また、発振子53が発生するパルスの周波数の値を、使用者個人の身体や病気部位が有する固有振動数の値と等しくすることが特に好ましい。このように、発振子53が発生するパルスの周波数を使用者個人の身体や病気部位が有する固有振動数と等しくすることにより、使用者の視聴覚や骨振動を通じてバイオレゾナンス現象が生じ、使用者の心拍数、脈波、脈拍、脳波等の生理学的数値の安定化、あるいは、心身の平安や安息状態を得ることができる。
【0034】
遠赤外線発生層55は、最大径が例えば、50μm〜100μm程度の大きさの粒状の遠赤外線発生物質を容器本体51内に充填して形成されている。遠赤外線発生物質としては、天然ラジウム、ゲルマニウム、変成岩(SGE)、トルマリン、医王石、貴陽石、ホルンヘルス、隕石、黒曜石、麦飯石、御影石、竜王石、光明石、黄土、溶岩絹雲母、紫水晶、生光石、蛇紋石、美向石、ブラックシリカ鉱石(神光石・黒鉛珪石)、三仙石赤、三仙石膏、黒点花蛇紋石、石英変岩石等の天然鉱石や、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化クロム二酸化マンガン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、シリカ又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を例示することができる。また、これらの粉体状の天然鉱石や金属酸化物などを混練した後、高温焼成してセラミック化したものを、遠赤外線発生物質として例示することができる。
【0035】
このように構成された発振装置5によれば、第1電極52及び第2電極54間に電圧を印加することにより、発振子53及び遠赤外線発生層55に電流が流れ、発振子53からはパルスが発生し、遠赤外線発生層55からは遠赤外線が放射されることになる。この結果、発振子53から発生するパルス及び遠赤外線発生層55から放射される遠赤外線の効果により、温熱療法用マット1に横臥する使用者の患部の治癒や、身体の疲労回復をより効果的に行うことができる。
【0036】
また、図8に示すように、下方マット部22と上方マット部21との界面にシート状の面状発熱体6を設ける構成を採用してもよい。このような面状発熱体6としては、炭素繊維からなるシート状の不織布に電極を接続して通電可能に構成される発熱体を例示することができる。
【0037】
また、本実施形態に係る温熱療法用マット1においては、図9に示すように、帯状の発熱手段3をシリコンチューブ7の内部に収容するように構成してもよい。このような構成により、シリコンチューブ7が緩衝材の機能を発揮し、発熱手段3が断線することをより一層確実に防止することができる。なお、図4において示される金属製シート4をシリコンチューブ7の内部であって発熱手段3の下方に配置してもよい。また、内部に発熱手段3を収容したシリコンチューブ7の下方に金属製シート4を配置してもよい。
【0038】
また、上述のようにシリコンチューブ7の内部に発熱手段3を収容する場合、シリコンチューブ7の両端部を閉塞させて、シリコンチューブ7の内部が密閉状態となるように構成することがより好ましい。このような構成を採用した場合、両端が閉塞されたシリコンチューブ7自体が、内部に封入されている空気との作用によりエアークッションとして機能し、マット本体2上に横臥する使用者に快適な寝心地を提供することが可能になる。なお、両端が閉塞されたシリコンチューブ7の内部に、空気の代わりにヘリウムガスや窒素ガス等の不活性ガスを別途封入するようにしてもよい。このような構成により、発熱手段3の酸化が防止されるので、発熱手段の耐久性を向上させることができる。
【0039】
また、図10に示すように凹部24内に配置されるシリコンチューブ7の上方の一部分が下方マット部22の上面22aから突出するように、内部に発熱手段3を収容したシリコンチューブ7を配置してもよい。このような構成により、突出部分が上方マット部21を介して横臥する使用者の身体を押圧することになるため、極めて優れた指圧効果を得ることできる。
【0040】
また、本実施形態に係る温熱療法用マット1においては、図11に示すように、発熱手段3が、発熱手段3の表面から先端が突出する複数の針状の発振体8を備えるように構成することもできる。この発振体8は。金属製の針部81と、この針部81の一端部(下端部)を支持する支持部82とを備えている。支持部82は、発熱手段3に埋設されるように配置されている。このような発振体8は、発熱手段3を流れる電流に乗じて通電し、遠赤外線の放射熱波(温波)を発生させることが可能であり、温熱療法用マット1に横臥する使用者の患部治療や、身体の疲労回復を効果的に行うことができる。また、発熱手段3を流れる電流のリズムを、例えばクラシック音楽のリズムに併せることにより、発振体8から発せられる温波にクラシック音楽のリズムを与えることができ、温熱療法用マット1に横臥する使用者の患部治療等をより一層効果的に行うことが可能になる。
【0041】
また、本実施形態においては、発熱手段3が収容される各凹部24は。それぞれが帯状となるように下方マット部22の上面に形成されているが、特にこのような構成に限定されない。例えば、横臥する使用者の胸部や腹部の位置、或いは上肢又は下肢におけるリンパ節部分の位置に対応する下方マット部22の部分に各凹部24を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 温熱療法用マット
2 マット本体
21 上方マット部
22 下方マット部
22a 下方マット部の上面
23 連結部分
24 凹部
3 発熱手段
31 第1発熱体
32 第2発熱体
4 金属製シート
5 発振装置
51 容器本体
52 第1電極
53 発振子
54 第2電極
55 遠赤外線発生層
6 面状発熱体
7 シリコンチューブ
8 発振体
81 針部
82 支持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により発熱する第1発熱体、及び、前記第1発熱体を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる第2発熱体を有する発熱手段と、
前記発熱手段が埋設されるマット本体と、を備えており、
前記マット本体は、上方マット部と、前記上方マット部の下方に配置される下方マット部とに分離可能に形成されており、
前記下方マット部の上面には、前記発熱手段が収容される凹部が形成されている温熱療法用マット。
【請求項2】
前記凹部と前記発熱手段との間には、金属製シートが設けられている請求項1に記載の温熱療法用マット。
【請求項3】
前記発熱手段は、帯状に形成されている請求項1または2に記載の温熱療法用マット。
【請求項4】
前記発熱手段は、シリコンチューブ内に収容されている請求項3に記載の温熱療法用マット。
【請求項5】
前記シリコンチューブは、その内部が密閉されるように両端部が閉塞している請求項4に記載の温熱療法用マット。
【請求項6】
前記発熱手段は、前記発熱手段の表面から先端が突出する複数の針状の発振体を備えている請求項1から5のいずれかに記載の温熱療法用マット。
【請求項7】
炭素繊維から成る第2発熱体には、粉体状の遠赤外線発生物質が担持されている請求項1から6のいずれかに記載の温熱療法用マット。
【請求項8】
前記マット本体には、振動を発生する発振装置が埋設されており、
前記発振装置は、容器本体と、前記容器本体の底面に配置される第1電極と、前記第1電極上に設けられる複数の発振子と、前記容器本体の上部開口部に配置される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に充填される粒状の遠赤外線発生物質からなる遠赤外線発生層とを備える請求項1から7のいずれかに記載の温熱療法用マット。
【請求項1】
通電により発熱する第1発熱体、及び、前記第1発熱体を被覆すると共に通電により発熱する炭素繊維からなる第2発熱体を有する発熱手段と、
前記発熱手段が埋設されるマット本体と、を備えており、
前記マット本体は、上方マット部と、前記上方マット部の下方に配置される下方マット部とに分離可能に形成されており、
前記下方マット部の上面には、前記発熱手段が収容される凹部が形成されている温熱療法用マット。
【請求項2】
前記凹部と前記発熱手段との間には、金属製シートが設けられている請求項1に記載の温熱療法用マット。
【請求項3】
前記発熱手段は、帯状に形成されている請求項1または2に記載の温熱療法用マット。
【請求項4】
前記発熱手段は、シリコンチューブ内に収容されている請求項3に記載の温熱療法用マット。
【請求項5】
前記シリコンチューブは、その内部が密閉されるように両端部が閉塞している請求項4に記載の温熱療法用マット。
【請求項6】
前記発熱手段は、前記発熱手段の表面から先端が突出する複数の針状の発振体を備えている請求項1から5のいずれかに記載の温熱療法用マット。
【請求項7】
炭素繊維から成る第2発熱体には、粉体状の遠赤外線発生物質が担持されている請求項1から6のいずれかに記載の温熱療法用マット。
【請求項8】
前記マット本体には、振動を発生する発振装置が埋設されており、
前記発振装置は、容器本体と、前記容器本体の底面に配置される第1電極と、前記第1電極上に設けられる複数の発振子と、前記容器本体の上部開口部に配置される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に充填される粒状の遠赤外線発生物質からなる遠赤外線発生層とを備える請求項1から7のいずれかに記載の温熱療法用マット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−233332(P2009−233332A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75093(P2009−75093)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(508066555)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(508066555)
【Fターム(参考)】
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