温調空気循環式寝具
【課題】運転開始直後における寝具内の温度をきめ細かく制御することで、より一層快適に眠りにつくことができる温調空気循環式寝具を提供する。
【解決手段】空気の温度を調節する温度調節ユニット20と、温度調節ユニット20から吹き出した空気を循環させる空気流路11が形成された寝具本体10と、温度調節ユニット20を制御する制御部58とを備え、温度調節ユニット20により設定温度に温度調節された空気を空気流路11内に循環させて寝具本体10の温度を調節する温調空気循環式寝具1において、温度調節ユニット20は、冷房運転を行い、制御部58は、温度調節ユニット20の運転開始後の所定時間、前記設定温度より低い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を空気流路11内に循環させる初期制御を行い、初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を空気流路11内に循環させる。
【解決手段】空気の温度を調節する温度調節ユニット20と、温度調節ユニット20から吹き出した空気を循環させる空気流路11が形成された寝具本体10と、温度調節ユニット20を制御する制御部58とを備え、温度調節ユニット20により設定温度に温度調節された空気を空気流路11内に循環させて寝具本体10の温度を調節する温調空気循環式寝具1において、温度調節ユニット20は、冷房運転を行い、制御部58は、温度調節ユニット20の運転開始後の所定時間、前記設定温度より低い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を空気流路11内に循環させる初期制御を行い、初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を空気流路11内に循環させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
温度調節ユニットにより温度調節された空気を循環させて寝具内の温度を調節する温調空気循環式寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックなどの車両内で休憩する場合、夏場においては車両内の室温が高くなることが多いことから、車両自体の空気調和装置を作動させて車内を冷房しながら休憩することがある。しかしながら、空気調和装置を動かすためだけにエンジンを回し続けることになるので、エネルギーの浪費に繋がるばかりでなく大気汚染や騒音公害など環境汚染の原因になるという問題がある。
【0003】
そこで、従来、内部に人間が横たわる空間を有する寝具本体とこの寝具本体に接続される空気調和装置とを有し、空気調和装置に設けられた冷凍機などの冷熱源によって発生した冷気を送風装置が寝具本体に供給する寝具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような寝具では、温度制御が行われていないため、快適に眠りにつくことができないおそれがある。例えば、夏場において冷却された寝具内に入ったとしても、体が外部の高温に曝され熱くなっているため、快適に眠りにつくことができないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−105084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、運転開始直後における寝具内の温度をきめ細かく制御することで、より一層快適に眠りにつくことができる温調空気循環式寝具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る温調空気循環式寝具は、空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、前記温度調節ユニットは、冷房運転を行い、前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記設定温度より低い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の温調空気循環式寝具では、上記構成により、運転開始直後における寝具内の温度をきめ細かく制御することができ、使用者がより一層快適に眠りにつくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1実施形態に係る温調空気循環式寝具の構成を示す図である。
【図2】温調空気循環式寝具が備える温度調節ユニットの正面からの断面図である。
【図3】温調空気循環式寝具が備える温度調節ユニットの側断面図である。
【図4】温調空気循環式寝具が備える冷凍サイクルを示す図である。
【図5】図2のA−A断面図である。
【図6】図2のB−B断面図ある。
【図7】温調空気循環式寝具の電源構成を示すブロック図である。
【図8】温調空気循環式寝具の制御構成を示すブロック図である。
【図9】温度調節ユニットの操作部を示す平面図である。
【図10】温調空気循環式寝具の起動時の制御の手順を示すフロー図である。
【図11】温調空気循環式寝具のタイマー制御の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
温調空気循環式寝具(以下、寝具という)1は、使用者Aを収容する収容空間Sが形成された寝具本体10と、空気の温度を調節する温度調節ユニット20と、使用者Aの体温を検出する体温センサ56とを備える。
【0012】
寝具本体10は、例えばトラックなどの車両2内に配設され使用者Aが休憩する際に使用されるものであって、寝具本体10内部に温度調節ユニット20により温度調節された空気が流通する空気流路が形成されている。空気流路11の両端部は、寝具本体10の外方に開口し、一方の開口部12が温度調節ユニット20の吹出ダクト22と連結され、他方の開口部14が温度調節ユニット20の吸込ダクト24と連結されている。
【0013】
なお、本実施形態では寝具本体として敷きマット及び掛けマットが一体となった寝袋について説明するが、本発明はこれに限定されず、内部の少なくとも一部に空気を循環させることができるものであればよく、例えば、敷きマット及び掛けマットのいずれか一方であっても良く、また、敷きマット及び掛けマットの双方を備えたものであってもよい。
【0014】
温度調節ユニット20は、薄鋼板製の筐体21を有し、その内部に寝具本体10内部に設けられた空気流路11に流通させる空気の温度を調節する熱源としての冷凍サイクル30と、温度調節ユニット20全体の制御を司る制御装置58と、を備える。
【0015】
筐体21には、温調空気循環式寝具1のON・OFFや寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度及び流量を設定する操作部26と、温調空気循環式寝具1のON・OFFなどの運転状態やバッテリの電圧低下などの異常を表示する表示部28と、が配設されている。
【0016】
筐体21内部は、図2及び図3に示すように、高さ方向のほぼ中央部を発泡スチロール成型体などからなる断熱仕切壁23で上下の空間に区画されている。断熱仕切壁23の上方の空間には、機械室25が設けられ、冷凍サイクル30の一環をなす冷媒を圧縮して吐出する圧縮機31、吐出された高温高圧の冷媒を受けて放熱し凝縮する第1熱交換器33、圧縮機31等の高温部品を冷却する放熱ファン38等が配設される。また、断熱仕切壁23の下方の空間には、断熱仕切壁23と同様の断熱材により覆われ断熱空間をなす温調室27が設けられ、第2熱交換器36や送風ファン37等が配設される。
【0017】
冷凍サイクル30は、図4に示すように、圧縮機31、四方弁32、第1熱交換器33、ドライヤ34、キャピラリーチューブ35及び第2熱交換器36を環状に順次接続してなり、第2熱交換器36が寝具本体10の空気流路11を流通する空気と熱交換する。
【0018】
図2において、実線の矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、圧縮機31から吐出した冷媒は四方弁32を通って凝縮器としての第1熱交換器33に流入して凝縮され、ドライヤ34で水分を除去した後キャピラリーチューブ35に入る。キャピラリーチューブ35で減圧された冷媒は、蒸発器としての第2熱交換器36で蒸発し第2熱交換器36を冷却することで気化し四方弁32を通って圧縮機31に戻り、再び四方弁32を介して第1熱交換器33に流入し循環する。また、破線の矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示し、四方弁32を切り替えて、第1熱交換器33が蒸発器となり、第2熱交換器36が凝縮器となるように冷媒が循環する。
【0019】
図5に示すように、機械室25内には、圧縮機31が断熱仕切壁23の幅方向の一側に寄せて振動吸収用のクッション体50を介して固着されている。
【0020】
第1熱交換器33は、蛇行曲げした冷媒管を多数のフィンに嵌入させて奥行き寸法を薄くした直方体状をなしている。第1熱交換器33は、筐体21の前面に形成した吸込み開口51に沿わせて立設されており、吸込み開口51と第1熱交換器33との間には埃などを遮蔽するためのフィルタ52を設けている。
【0021】
第1熱交換器33の背面には圧縮機31の側方底部に開口した排気口53の端縁に放熱ファン38が立設されており、放熱ファン38の駆動により、外気を前面の開口51から内部に吸引して第1熱交換器33と熱交換させた後、排気口53から下方の排気ダクト54に向けて放出するようにしている。
【0022】
機械室25の上方には、制御装置58が配設されており、筐体21における制御装置58の前方位置に操作部26及び表示部28が設けられている。
【0023】
操作部26は、図9に示すように、温度調節ユニット20の各種動作条件を設定するためのものであって、具体的には、温度調節ユニット20の電源をON・OFFを切り換える電源スイッチ26aと、冷房運転と暖房運転を切り換える冷房・暖房スイッチ26bと、寝具本体10の空気流路11を流通する空気の温度を設定する温度設定スイッチ26cと、後述する初期制御運転の運転強度を切り換えるターボスイッチ26dと、温度調節ユニット20の電源を自動的にOFFするまでの時間であるタイマー時間を切り換えるタイマースイッチ26eとを備える。これらの各スイッチ26a,26b,26c,26d,26eは、押圧操作している間だけ操作信号が出力されるようになっている。
【0024】
断熱仕切壁23の下方に配された温調室27には、図6に示すように、第1熱交換器33からの冷媒を受ける第2熱交換器36を、温調室27の奥行き方向中央部より前方に寄せて、幅方向に亙って立設状態で配置している。
【0025】
第2熱交換器36は、第1熱交換器33と同様、蛇行曲げした冷媒管と冷媒管に嵌着した多数のフィンとから所定の幅と高さ寸法を有して奥行き寸法を薄くした横長の直方体をなしている。第2熱交換器36の側方であって温調室27の幅方向一方側(本実施形態では、図6中の左側)には、シロッコファンからなる送風ファン37が温調室27の奥行き方向に亙り、配設されている。
【0026】
温調室27の幅方向一方側に配設された送風ファン37の前方には、温調室27において温度調節された空気を寝具本体10の空気流路11に導入する吹出ダクト22が配設されている。
【0027】
また、温調室27の幅方向他方側に位置する第2熱交換器36の前面には、吸込ダクト24が配設されており、寝具本体10の開口部14を介して寝具本体10の空気流路11を循環した空気を吸込ダクト24より温調室27内に導入する。そして、吸込ダクト24内には、温度センサ39及び湿度センサ55が配設されており、寝具本体10の空気流路11を循環して戻ってきた空気の温度及び湿度を検出する。
【0028】
上記構成により、温度調節ユニット20において温度調節された空気が、吹出ダクト22を介して寝具本体10の空気流路11に送り込まれ、寝具本体10の空気流路11を流通した空気が吸込ダクト24を介して温度調節ユニット20に戻る。温度調節ユニット20に戻った空気は、温度調節され再び寝具本体10の空気流路11に送り込まれ循環することで、寝具本体10の温度を調節する。
【0029】
温調室27は平面視において上方の排気口53に対応した位置が内方に向けて凹設され、排気ダクト54が形成されている。排気ダクト54は機械室25に設けられた排気口53と車両2の底面あるいは側壁に設けられた排気口3とを接続する(図3参照)。放熱ファン38の駆動時には、圧縮機31や第1熱交換器33と熱交換した空気を排気口53から排気ダクト54を介して下方に流下させ排気口3から車両2の外部へ放出する。
【0030】
上記のような温度調節ユニット20は、車両2に搭載される第2バッテリ40より電力の供給を受けて駆動運転される。第2バッテリ40は、図7に示すように、車両2のエンジン始動時にエンジンを回転駆動するスタータ41に電力を供給する第1バッテリ42とは別個に車両2に搭載される蓄電池であって、車両2のオルタネータ43及び第1バッテリ42の接続点と第2バッテリ40との間にアイソレータ44が設けられている。
【0031】
アイソレータ44は、スタータ41の始動時に第1バッテリ42と第2バッテリ40との接続を遮断して第2バッテリ40の放電を防ぐとともに、車両走行時などのスタータ41が動作せず、かつ、オルタネータ43が発電中において、第1バッテリ42と第2バッテリ40との遮断を無効化して第2バッテリ40をオルタネータ43から直接充電する。
【0032】
体温センサ56は、例えば、アームバンド56aの内周面に取り付けられており、使用者Aの手首にアームバンド56aを装着することで、体温センサ56が使用者Aの手首に接触して使用者Aの体温を検出する。体温センサ56は不図示の接続線を介して温度調節ユニット20の制御装置58に接続されている。
【0033】
制御装置58は、マイクロコンピュータを含んで構成されたもので、図8に示すように、上記したように操作部26からの操作信号以外にも、温度センサ39及び湿度センサ55から寝具本体10の空気流路11を循環して戻ってきた空気の温度及び湿度を検出する温度検出信号及び湿度検出信号が入力され、体温センサ56から使用者Aの体温を検出する体温検出信号が入力され、車両2のエンジン制御部59からエンジンの停止を検出するエンジン停止信号が入力される。
【0034】
また、制御装置58は、書き換え可能なメモリ60に接続されている。このメモリ60には、予め温度調節ユニット20の制御プロクラムが記憶されているとともに、前回動作時の動作条件が記憶される。
【0035】
制御装置58は、上記の各種信号の入力や、メモリ60に記憶された制御プログラム及び前回動作時の動作条件に基づき、表示部28及び冷凍サイクル30が備える圧縮機31、四方弁32、送風ファン37、放熱ファン38を制御する駆動部62に駆動制御信号を出力する。
【0036】
そして、制御装置58は、温度調節ユニット20の起動時に、温度センサ39の検出温度が所定の設定温度と一致するように冷凍サイクル30を制御する通常制御運転と、温度センサ39の検出温度が設定温度と別個に設定される初期温度と一致するように冷凍サイクル30を制御する初期制御運転とを切り換えて行う。
【0037】
詳細には、図10のフロー図に示すように、制御装置58は、操作部26の電源スイッチ26aが押圧されると、エンジン制御部59より入力されるエンジン停止信号の有無からエンジンが停止しているか否か判断する(ステップS1)。エンジンが動作していると判断されると、制御装置58は温度調節ユニット20の起動を禁止して(ステップS2)、制御を終了する。エンジンが停止していると判断されるとステップS3に進み、制御装置58は温度調節ユニット20を起動させる。
【0038】
ステップS3では、メモリ60より前回動作時の動作条件を読み込む。具体的には、前回動作時において、温度調節ユニット20の運転が冷房運転及び暖房運転のいずれに設定されているか、寝具本体10の温度設定が「強」「中」「弱」のいずれに設定されているか、初期制御運転の運転強度が「強」「中」「切」のいずれに設定されているか、をメモリ60から読み込み、ステップS4に進む。なお、ステップS3では、温度調節ユニット20の起動時に、冷房・暖房スイッチ26b、温度設定スイッチ26c、又はターボスイッチ26dが押圧操作されると、メモリ60から読み込んだ前回動作条件に換えて押圧操作されたスイッチに対応する動作条件を読み込む。
【0039】
本実施形態では、例えば、制御装置58は、冷房運転時において温度設定が「強」で24℃、「中」で26℃、「弱」で28℃に寝具本体10の空気流路11内を循環する空気の温度を設定する。また、制御装置58は、暖房運転時において温度設定が「強」で24℃、「中」で22℃、「弱」で20℃に寝具本体10の空気流路11内を循環する空気の温度、を設定する。
【0040】
ステップS4では、ステップS3において読み込んだ初期制御運転の運転強度の設定が「強」又は「中」の場合はステップS5に進み、「切」の場合はステップS8に進む。
【0041】
ステップS5では、制御装置58は、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を初期温度に調節する初期制御運転を行い、ステップS6に進む。
【0042】
具体的には、冷房運転時では、初期制御運転の運転強度の設定が「強」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より3℃低い温度に初期温度を設定し、初期制御運転の運転強度の設定が「中」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より2℃低い温度に初期温度を設定する。また、暖房運転時では、初期制御運転の運転強度の設定が「強」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より5℃高い温度に初期温度を設定し、初期制御運転の運転強度の設定が「中」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より3℃高い温度に初期温度を設定する。このように、暖房運転時における設定温度と初期温度との温度変化量を冷房運転時より大きく設定することで、外気温度と快適な温度との温度差が夏場に比べて大きい冬場であっても素早く身体を暖めることができる。
【0043】
ステップS6では、温度調節ユニット20の運転開始から所定時間(本実施形態では、例えば5分間)経過したか否か判断し、所定時間経過していればステップS7に進み、経過していなければステップS6を繰り返し、温度センサ39の検出温度が上記のように設定された初期温度と一致するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を初期温度に温度調節する初期制御運転を所定時間だけ行う。
【0044】
ステップS7では、温度センサ39の検出温度が初期温度から設定温度まで所定時間(本実施形態では、例えば10分間)かけて変更するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を初期温度からステップS3で設定した設定温度まで所定時間(本実施形態では、例えば10分間)かけて変更する移行制御運転を行い、移行制御運転が終了するとステップS8に進む。
【0045】
ステップS8では、温度センサ39の検出温度が設定温度と一致するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度に温度調節する通常制御運転を行い、制御装置58は温度調節ユニット20の起動時における制御を終了する。
【0046】
また、制御装置58は、温度調節ユニット20の動作中に、タイマースイッチ26eが押圧操作されると、タイマー制御運転を開始する。
【0047】
詳細には、図11のフロー図に示すように、制御装置58は、ステップS11において、押圧された時点から押圧操作されたタイマースイッチ26eに対応付けられた時間経過後に温度調節ユニット20を停止する時刻(停止時刻)を設定する。
【0048】
例えば、「6」のタイマースイッチ26eが押圧操作された場合、制御装置58は、タイマースイッチ26eが押圧操作された時点から6時間後に停止時刻を設定し、同様に、「4」及び「2」のタイマースイッチ26eが押圧操作された場合、制御装置58はタイマースイッチ26eが押圧操作された時点から4時間後及び2時間後に停止時刻をそれぞれ設定する。
【0049】
また、制御装置58は停止時刻の設定と併せて、停止時刻から所定時間(本実施形態では、例えば、10分間)遡った停止時刻前の所定時刻(終了制御開始時刻)を設定し、ステップS12に進む。
【0050】
ステップS12では、ステップS11において設定した終了制御開始時刻を経過した否か判断する。終了制御開始時刻を経過していればステップS13に進み、終了制御開始時刻を経過していなければステップS12を繰り返し、上記した通常制御運転、すなわち、温度センサ39の検出温度が設定温度と一致するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度に温度調節する運転を行う。
【0051】
ステップS13では、制御装置58は、ステップS11で設定した終了制御開始時刻から停止時刻までの間、温度センサ39の検出温度が設定温度から寝具本体10の設置場所の雰囲気温度(外部温度)に漸次近づくように冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度から寝具本体10の外部温度に漸次近づける終了制御運転を行う。
【0052】
そして、停止時刻を経過して終了制御運転が終了するとステップS14に進み、制御装置58は温度調節ユニット20を停止させタイマー制御運転を終了する。
【0053】
また、制御装置58は、温度調節ユニット20の動作中に温度センサ39の検出温度が、所定時間(例えば、10秒間)内に所定温度(例えば、5℃)以上変化した場合、吹出ダクト22又は吸込ダクト24が寝具本体10から脱落しているなどの理由により、車両2内の空気が吸込ダクト24より温調室27内に導入されているとして、表示部28にエラー表示を行い異常報知を行う。なお、制御装置58は、吹出ダクト22又は吸込ダクト24が寝具本体10から脱落した場合に、エラー表示に換えて又はエラー表示と併せて警告音を出力してもよい。
【0054】
以上のように本実施形態の温調空気循環式寝具1では、運転開始時における寝具本体10内の温度を通常制御運転時より、冷房運転では低く設定し、暖房運転では高く設定する初期制御運転を行うことで、夏場では寝具本体10の涼しさを、冬場では寝具本体10の暖かさを強調することができ、一年を通じて快適な眠りを提供することができる。
【0055】
また、初期制御運転は、設定温度と初期温度との温度変化量を変更することで、その運転強度を変更できるため、使用者Aの好みに応じた温度調節が可能になり、より一層快適な眠りを提供することができる。
【0056】
また、本実施形態の温調空気循環式寝具1では、停止時刻前に設定された終了制御開始時刻から停止時刻までの間、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度から寝具本体10の外部温度に徐々に近づける終了制御運転を行うため、タイマー制御運転により停止時刻に温度調節ユニット20が停止しても寝具本体10の温度が急激に変化することなく、快適な目覚めが可能となる。
【0057】
また、本実施形態の温調空気循環式寝具1では、吹出ダクト22又は吸込ダクト24が寝具本体10から脱落すると制御装置58が異常を報知するため、速やかに使用者Aにダクト22,24の脱落を知らしめることができる。
【0058】
特に、吸込ダクト24が寝具本体10から脱落しているなどの理由により、車両2内の空気が吸込ダクト24より温調室27内に導入されると、温度センサ39の検出温度と設定温度との偏差が大きくなる。そうすると、制御装置58は冷凍サイクル30の運転強度を強く設定してしまい、冷房運転時において寝具本体10を冷やし過ぎ、暖房運転時において寝具本体10を暖め過ぎて、使用者Aの体調を害するおそれがあるが、本実施形態の温調空気循環式寝具1では、速やかに使用者Aに異常を知らしめることができるため、寝具本体10を冷やし過ぎや暖め過ぎることを防止することができる。
【0059】
なお、上記した本実施形態では、運転開始後の所定時間行う初期制御運転として、上記のような初期温度に温度調節された空気を寝具本体10の空気流路11に循環させたが、例えば、初期制御運転時の送風ファン37の回転速度を通常制御運転時より速く設定し、
初期制御運転時における寝具本体10の空気流路11を循環する空気の流量を通常制御運転時より多く設定してもよい。このような場合であっても、運転開始時に運転強度を強めることで、夏場では寝具本体10の涼しさを、冬場では寝具本体10の暖かさを強調することができ、一年を通じて快適な眠りを提供することができる。
【0060】
また、上記した本実施形態では、制御装置58は、温度調節ユニット20の運転開始から所定時間経過すると初期制御運転を終了するが、例えば、アームバンド56aに取り付けられた体温センサ56が検出する使用者Aの体温に基づいて、初期制御運転を終了する時間を決定してもよい。
【0061】
詳細には、温度調節ユニット20が冷房運転を行っている場合、体温センサ56の検出温度が所定温度(例えば0.3℃)以上低下した時点で初期制御運転を終了するように設定する。また、温度調節ユニット20が暖房運転を行っている場合、所定時間毎に温度変化率を計算し、計算された温度変化率が所定値より小さくなった時点で初期制御運転を終了するように設定する。
【0062】
このように体温センサ56が検出する使用者Aの体温に基づいて初期制御運転を終了する時間を決定することで、使用者Aの身体が求める快適な温度制御が可能となる。
【0063】
また、温度調節ユニット20が暖房運転を行っている場合、所定時間毎に温度変化率を計算し、計算された温度変化率が所定値より小さくなった時点で初期制御運転を終了することで、体温センサ56が使用者Aの体温を検知するまでの温度上昇を、使用者Aの体温上昇と誤って検知することが無くなり、精度良く初期制御運転を終了する時間を決定することができる。
【0064】
さらにまた、上記した本実施形態では、制御装置58は、温度調節ユニット20の運転開始から所定時間経過すると初期制御運転を終了するが、例えば、吸込ダクト24内に設けられた湿度センサ55が検出する空気の湿度に基づいて、初期制御運転を終了する時間を決定してもよい。
【0065】
詳細には、温度調節ユニット20が冷房運転を行っている場合、所定時間毎に湿度センサ55が検出する湿度の変化率を計算し、計算された湿度変化率がマイナス値となった時点、つまり、湿度センサ55が検出する湿度が低下した時点で初期制御運転を終了するように設定する。また、温度調節ユニット20が暖房運転を行っている場合、所定時間毎に湿度センサ55が検出する湿度の変化率を計算し、計算された湿度変化率が所定値より小さくなった時点で初期制御運転を終了するように設定する。
【0066】
このように湿度センサ55が検出する寝具本体10の空気流路11を循環して戻ってきた空気の湿度に基づいて使用者Aの発汗状態に即したタイミングで初期制御運転を終了する時間を決定することで、使用者Aの身体が求める快適な温度制御が可能となる。
【符号の説明】
【0067】
1…温調空気循環式寝具
10…寝具本体
11…空気流路
20…温度調節ユニット
22…吹出ダクト
24…吸込ダクト
26…操作部
30…冷凍サイクル
55…湿度センサ
56…体温センサ
56a…アームバンド
58…制御装置
A…使用者
【技術分野】
【0001】
温度調節ユニットにより温度調節された空気を循環させて寝具内の温度を調節する温調空気循環式寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックなどの車両内で休憩する場合、夏場においては車両内の室温が高くなることが多いことから、車両自体の空気調和装置を作動させて車内を冷房しながら休憩することがある。しかしながら、空気調和装置を動かすためだけにエンジンを回し続けることになるので、エネルギーの浪費に繋がるばかりでなく大気汚染や騒音公害など環境汚染の原因になるという問題がある。
【0003】
そこで、従来、内部に人間が横たわる空間を有する寝具本体とこの寝具本体に接続される空気調和装置とを有し、空気調和装置に設けられた冷凍機などの冷熱源によって発生した冷気を送風装置が寝具本体に供給する寝具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような寝具では、温度制御が行われていないため、快適に眠りにつくことができないおそれがある。例えば、夏場において冷却された寝具内に入ったとしても、体が外部の高温に曝され熱くなっているため、快適に眠りにつくことができないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−105084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、運転開始直後における寝具内の温度をきめ細かく制御することで、より一層快適に眠りにつくことができる温調空気循環式寝具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る温調空気循環式寝具は、空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、前記温度調節ユニットは、冷房運転を行い、前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記設定温度より低い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の温調空気循環式寝具では、上記構成により、運転開始直後における寝具内の温度をきめ細かく制御することができ、使用者がより一層快適に眠りにつくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の1実施形態に係る温調空気循環式寝具の構成を示す図である。
【図2】温調空気循環式寝具が備える温度調節ユニットの正面からの断面図である。
【図3】温調空気循環式寝具が備える温度調節ユニットの側断面図である。
【図4】温調空気循環式寝具が備える冷凍サイクルを示す図である。
【図5】図2のA−A断面図である。
【図6】図2のB−B断面図ある。
【図7】温調空気循環式寝具の電源構成を示すブロック図である。
【図8】温調空気循環式寝具の制御構成を示すブロック図である。
【図9】温度調節ユニットの操作部を示す平面図である。
【図10】温調空気循環式寝具の起動時の制御の手順を示すフロー図である。
【図11】温調空気循環式寝具のタイマー制御の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
温調空気循環式寝具(以下、寝具という)1は、使用者Aを収容する収容空間Sが形成された寝具本体10と、空気の温度を調節する温度調節ユニット20と、使用者Aの体温を検出する体温センサ56とを備える。
【0012】
寝具本体10は、例えばトラックなどの車両2内に配設され使用者Aが休憩する際に使用されるものであって、寝具本体10内部に温度調節ユニット20により温度調節された空気が流通する空気流路が形成されている。空気流路11の両端部は、寝具本体10の外方に開口し、一方の開口部12が温度調節ユニット20の吹出ダクト22と連結され、他方の開口部14が温度調節ユニット20の吸込ダクト24と連結されている。
【0013】
なお、本実施形態では寝具本体として敷きマット及び掛けマットが一体となった寝袋について説明するが、本発明はこれに限定されず、内部の少なくとも一部に空気を循環させることができるものであればよく、例えば、敷きマット及び掛けマットのいずれか一方であっても良く、また、敷きマット及び掛けマットの双方を備えたものであってもよい。
【0014】
温度調節ユニット20は、薄鋼板製の筐体21を有し、その内部に寝具本体10内部に設けられた空気流路11に流通させる空気の温度を調節する熱源としての冷凍サイクル30と、温度調節ユニット20全体の制御を司る制御装置58と、を備える。
【0015】
筐体21には、温調空気循環式寝具1のON・OFFや寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度及び流量を設定する操作部26と、温調空気循環式寝具1のON・OFFなどの運転状態やバッテリの電圧低下などの異常を表示する表示部28と、が配設されている。
【0016】
筐体21内部は、図2及び図3に示すように、高さ方向のほぼ中央部を発泡スチロール成型体などからなる断熱仕切壁23で上下の空間に区画されている。断熱仕切壁23の上方の空間には、機械室25が設けられ、冷凍サイクル30の一環をなす冷媒を圧縮して吐出する圧縮機31、吐出された高温高圧の冷媒を受けて放熱し凝縮する第1熱交換器33、圧縮機31等の高温部品を冷却する放熱ファン38等が配設される。また、断熱仕切壁23の下方の空間には、断熱仕切壁23と同様の断熱材により覆われ断熱空間をなす温調室27が設けられ、第2熱交換器36や送風ファン37等が配設される。
【0017】
冷凍サイクル30は、図4に示すように、圧縮機31、四方弁32、第1熱交換器33、ドライヤ34、キャピラリーチューブ35及び第2熱交換器36を環状に順次接続してなり、第2熱交換器36が寝具本体10の空気流路11を流通する空気と熱交換する。
【0018】
図2において、実線の矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、圧縮機31から吐出した冷媒は四方弁32を通って凝縮器としての第1熱交換器33に流入して凝縮され、ドライヤ34で水分を除去した後キャピラリーチューブ35に入る。キャピラリーチューブ35で減圧された冷媒は、蒸発器としての第2熱交換器36で蒸発し第2熱交換器36を冷却することで気化し四方弁32を通って圧縮機31に戻り、再び四方弁32を介して第1熱交換器33に流入し循環する。また、破線の矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示し、四方弁32を切り替えて、第1熱交換器33が蒸発器となり、第2熱交換器36が凝縮器となるように冷媒が循環する。
【0019】
図5に示すように、機械室25内には、圧縮機31が断熱仕切壁23の幅方向の一側に寄せて振動吸収用のクッション体50を介して固着されている。
【0020】
第1熱交換器33は、蛇行曲げした冷媒管を多数のフィンに嵌入させて奥行き寸法を薄くした直方体状をなしている。第1熱交換器33は、筐体21の前面に形成した吸込み開口51に沿わせて立設されており、吸込み開口51と第1熱交換器33との間には埃などを遮蔽するためのフィルタ52を設けている。
【0021】
第1熱交換器33の背面には圧縮機31の側方底部に開口した排気口53の端縁に放熱ファン38が立設されており、放熱ファン38の駆動により、外気を前面の開口51から内部に吸引して第1熱交換器33と熱交換させた後、排気口53から下方の排気ダクト54に向けて放出するようにしている。
【0022】
機械室25の上方には、制御装置58が配設されており、筐体21における制御装置58の前方位置に操作部26及び表示部28が設けられている。
【0023】
操作部26は、図9に示すように、温度調節ユニット20の各種動作条件を設定するためのものであって、具体的には、温度調節ユニット20の電源をON・OFFを切り換える電源スイッチ26aと、冷房運転と暖房運転を切り換える冷房・暖房スイッチ26bと、寝具本体10の空気流路11を流通する空気の温度を設定する温度設定スイッチ26cと、後述する初期制御運転の運転強度を切り換えるターボスイッチ26dと、温度調節ユニット20の電源を自動的にOFFするまでの時間であるタイマー時間を切り換えるタイマースイッチ26eとを備える。これらの各スイッチ26a,26b,26c,26d,26eは、押圧操作している間だけ操作信号が出力されるようになっている。
【0024】
断熱仕切壁23の下方に配された温調室27には、図6に示すように、第1熱交換器33からの冷媒を受ける第2熱交換器36を、温調室27の奥行き方向中央部より前方に寄せて、幅方向に亙って立設状態で配置している。
【0025】
第2熱交換器36は、第1熱交換器33と同様、蛇行曲げした冷媒管と冷媒管に嵌着した多数のフィンとから所定の幅と高さ寸法を有して奥行き寸法を薄くした横長の直方体をなしている。第2熱交換器36の側方であって温調室27の幅方向一方側(本実施形態では、図6中の左側)には、シロッコファンからなる送風ファン37が温調室27の奥行き方向に亙り、配設されている。
【0026】
温調室27の幅方向一方側に配設された送風ファン37の前方には、温調室27において温度調節された空気を寝具本体10の空気流路11に導入する吹出ダクト22が配設されている。
【0027】
また、温調室27の幅方向他方側に位置する第2熱交換器36の前面には、吸込ダクト24が配設されており、寝具本体10の開口部14を介して寝具本体10の空気流路11を循環した空気を吸込ダクト24より温調室27内に導入する。そして、吸込ダクト24内には、温度センサ39及び湿度センサ55が配設されており、寝具本体10の空気流路11を循環して戻ってきた空気の温度及び湿度を検出する。
【0028】
上記構成により、温度調節ユニット20において温度調節された空気が、吹出ダクト22を介して寝具本体10の空気流路11に送り込まれ、寝具本体10の空気流路11を流通した空気が吸込ダクト24を介して温度調節ユニット20に戻る。温度調節ユニット20に戻った空気は、温度調節され再び寝具本体10の空気流路11に送り込まれ循環することで、寝具本体10の温度を調節する。
【0029】
温調室27は平面視において上方の排気口53に対応した位置が内方に向けて凹設され、排気ダクト54が形成されている。排気ダクト54は機械室25に設けられた排気口53と車両2の底面あるいは側壁に設けられた排気口3とを接続する(図3参照)。放熱ファン38の駆動時には、圧縮機31や第1熱交換器33と熱交換した空気を排気口53から排気ダクト54を介して下方に流下させ排気口3から車両2の外部へ放出する。
【0030】
上記のような温度調節ユニット20は、車両2に搭載される第2バッテリ40より電力の供給を受けて駆動運転される。第2バッテリ40は、図7に示すように、車両2のエンジン始動時にエンジンを回転駆動するスタータ41に電力を供給する第1バッテリ42とは別個に車両2に搭載される蓄電池であって、車両2のオルタネータ43及び第1バッテリ42の接続点と第2バッテリ40との間にアイソレータ44が設けられている。
【0031】
アイソレータ44は、スタータ41の始動時に第1バッテリ42と第2バッテリ40との接続を遮断して第2バッテリ40の放電を防ぐとともに、車両走行時などのスタータ41が動作せず、かつ、オルタネータ43が発電中において、第1バッテリ42と第2バッテリ40との遮断を無効化して第2バッテリ40をオルタネータ43から直接充電する。
【0032】
体温センサ56は、例えば、アームバンド56aの内周面に取り付けられており、使用者Aの手首にアームバンド56aを装着することで、体温センサ56が使用者Aの手首に接触して使用者Aの体温を検出する。体温センサ56は不図示の接続線を介して温度調節ユニット20の制御装置58に接続されている。
【0033】
制御装置58は、マイクロコンピュータを含んで構成されたもので、図8に示すように、上記したように操作部26からの操作信号以外にも、温度センサ39及び湿度センサ55から寝具本体10の空気流路11を循環して戻ってきた空気の温度及び湿度を検出する温度検出信号及び湿度検出信号が入力され、体温センサ56から使用者Aの体温を検出する体温検出信号が入力され、車両2のエンジン制御部59からエンジンの停止を検出するエンジン停止信号が入力される。
【0034】
また、制御装置58は、書き換え可能なメモリ60に接続されている。このメモリ60には、予め温度調節ユニット20の制御プロクラムが記憶されているとともに、前回動作時の動作条件が記憶される。
【0035】
制御装置58は、上記の各種信号の入力や、メモリ60に記憶された制御プログラム及び前回動作時の動作条件に基づき、表示部28及び冷凍サイクル30が備える圧縮機31、四方弁32、送風ファン37、放熱ファン38を制御する駆動部62に駆動制御信号を出力する。
【0036】
そして、制御装置58は、温度調節ユニット20の起動時に、温度センサ39の検出温度が所定の設定温度と一致するように冷凍サイクル30を制御する通常制御運転と、温度センサ39の検出温度が設定温度と別個に設定される初期温度と一致するように冷凍サイクル30を制御する初期制御運転とを切り換えて行う。
【0037】
詳細には、図10のフロー図に示すように、制御装置58は、操作部26の電源スイッチ26aが押圧されると、エンジン制御部59より入力されるエンジン停止信号の有無からエンジンが停止しているか否か判断する(ステップS1)。エンジンが動作していると判断されると、制御装置58は温度調節ユニット20の起動を禁止して(ステップS2)、制御を終了する。エンジンが停止していると判断されるとステップS3に進み、制御装置58は温度調節ユニット20を起動させる。
【0038】
ステップS3では、メモリ60より前回動作時の動作条件を読み込む。具体的には、前回動作時において、温度調節ユニット20の運転が冷房運転及び暖房運転のいずれに設定されているか、寝具本体10の温度設定が「強」「中」「弱」のいずれに設定されているか、初期制御運転の運転強度が「強」「中」「切」のいずれに設定されているか、をメモリ60から読み込み、ステップS4に進む。なお、ステップS3では、温度調節ユニット20の起動時に、冷房・暖房スイッチ26b、温度設定スイッチ26c、又はターボスイッチ26dが押圧操作されると、メモリ60から読み込んだ前回動作条件に換えて押圧操作されたスイッチに対応する動作条件を読み込む。
【0039】
本実施形態では、例えば、制御装置58は、冷房運転時において温度設定が「強」で24℃、「中」で26℃、「弱」で28℃に寝具本体10の空気流路11内を循環する空気の温度を設定する。また、制御装置58は、暖房運転時において温度設定が「強」で24℃、「中」で22℃、「弱」で20℃に寝具本体10の空気流路11内を循環する空気の温度、を設定する。
【0040】
ステップS4では、ステップS3において読み込んだ初期制御運転の運転強度の設定が「強」又は「中」の場合はステップS5に進み、「切」の場合はステップS8に進む。
【0041】
ステップS5では、制御装置58は、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を初期温度に調節する初期制御運転を行い、ステップS6に進む。
【0042】
具体的には、冷房運転時では、初期制御運転の運転強度の設定が「強」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より3℃低い温度に初期温度を設定し、初期制御運転の運転強度の設定が「中」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より2℃低い温度に初期温度を設定する。また、暖房運転時では、初期制御運転の運転強度の設定が「強」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より5℃高い温度に初期温度を設定し、初期制御運転の運転強度の設定が「中」の場合、ステップS3で設定した温度(設定温度)より3℃高い温度に初期温度を設定する。このように、暖房運転時における設定温度と初期温度との温度変化量を冷房運転時より大きく設定することで、外気温度と快適な温度との温度差が夏場に比べて大きい冬場であっても素早く身体を暖めることができる。
【0043】
ステップS6では、温度調節ユニット20の運転開始から所定時間(本実施形態では、例えば5分間)経過したか否か判断し、所定時間経過していればステップS7に進み、経過していなければステップS6を繰り返し、温度センサ39の検出温度が上記のように設定された初期温度と一致するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を初期温度に温度調節する初期制御運転を所定時間だけ行う。
【0044】
ステップS7では、温度センサ39の検出温度が初期温度から設定温度まで所定時間(本実施形態では、例えば10分間)かけて変更するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を初期温度からステップS3で設定した設定温度まで所定時間(本実施形態では、例えば10分間)かけて変更する移行制御運転を行い、移行制御運転が終了するとステップS8に進む。
【0045】
ステップS8では、温度センサ39の検出温度が設定温度と一致するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度に温度調節する通常制御運転を行い、制御装置58は温度調節ユニット20の起動時における制御を終了する。
【0046】
また、制御装置58は、温度調節ユニット20の動作中に、タイマースイッチ26eが押圧操作されると、タイマー制御運転を開始する。
【0047】
詳細には、図11のフロー図に示すように、制御装置58は、ステップS11において、押圧された時点から押圧操作されたタイマースイッチ26eに対応付けられた時間経過後に温度調節ユニット20を停止する時刻(停止時刻)を設定する。
【0048】
例えば、「6」のタイマースイッチ26eが押圧操作された場合、制御装置58は、タイマースイッチ26eが押圧操作された時点から6時間後に停止時刻を設定し、同様に、「4」及び「2」のタイマースイッチ26eが押圧操作された場合、制御装置58はタイマースイッチ26eが押圧操作された時点から4時間後及び2時間後に停止時刻をそれぞれ設定する。
【0049】
また、制御装置58は停止時刻の設定と併せて、停止時刻から所定時間(本実施形態では、例えば、10分間)遡った停止時刻前の所定時刻(終了制御開始時刻)を設定し、ステップS12に進む。
【0050】
ステップS12では、ステップS11において設定した終了制御開始時刻を経過した否か判断する。終了制御開始時刻を経過していればステップS13に進み、終了制御開始時刻を経過していなければステップS12を繰り返し、上記した通常制御運転、すなわち、温度センサ39の検出温度が設定温度と一致するように制御装置58は冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度に温度調節する運転を行う。
【0051】
ステップS13では、制御装置58は、ステップS11で設定した終了制御開始時刻から停止時刻までの間、温度センサ39の検出温度が設定温度から寝具本体10の設置場所の雰囲気温度(外部温度)に漸次近づくように冷凍サイクル30を制御し、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度から寝具本体10の外部温度に漸次近づける終了制御運転を行う。
【0052】
そして、停止時刻を経過して終了制御運転が終了するとステップS14に進み、制御装置58は温度調節ユニット20を停止させタイマー制御運転を終了する。
【0053】
また、制御装置58は、温度調節ユニット20の動作中に温度センサ39の検出温度が、所定時間(例えば、10秒間)内に所定温度(例えば、5℃)以上変化した場合、吹出ダクト22又は吸込ダクト24が寝具本体10から脱落しているなどの理由により、車両2内の空気が吸込ダクト24より温調室27内に導入されているとして、表示部28にエラー表示を行い異常報知を行う。なお、制御装置58は、吹出ダクト22又は吸込ダクト24が寝具本体10から脱落した場合に、エラー表示に換えて又はエラー表示と併せて警告音を出力してもよい。
【0054】
以上のように本実施形態の温調空気循環式寝具1では、運転開始時における寝具本体10内の温度を通常制御運転時より、冷房運転では低く設定し、暖房運転では高く設定する初期制御運転を行うことで、夏場では寝具本体10の涼しさを、冬場では寝具本体10の暖かさを強調することができ、一年を通じて快適な眠りを提供することができる。
【0055】
また、初期制御運転は、設定温度と初期温度との温度変化量を変更することで、その運転強度を変更できるため、使用者Aの好みに応じた温度調節が可能になり、より一層快適な眠りを提供することができる。
【0056】
また、本実施形態の温調空気循環式寝具1では、停止時刻前に設定された終了制御開始時刻から停止時刻までの間、寝具本体10の空気流路11を循環する空気の温度を設定温度から寝具本体10の外部温度に徐々に近づける終了制御運転を行うため、タイマー制御運転により停止時刻に温度調節ユニット20が停止しても寝具本体10の温度が急激に変化することなく、快適な目覚めが可能となる。
【0057】
また、本実施形態の温調空気循環式寝具1では、吹出ダクト22又は吸込ダクト24が寝具本体10から脱落すると制御装置58が異常を報知するため、速やかに使用者Aにダクト22,24の脱落を知らしめることができる。
【0058】
特に、吸込ダクト24が寝具本体10から脱落しているなどの理由により、車両2内の空気が吸込ダクト24より温調室27内に導入されると、温度センサ39の検出温度と設定温度との偏差が大きくなる。そうすると、制御装置58は冷凍サイクル30の運転強度を強く設定してしまい、冷房運転時において寝具本体10を冷やし過ぎ、暖房運転時において寝具本体10を暖め過ぎて、使用者Aの体調を害するおそれがあるが、本実施形態の温調空気循環式寝具1では、速やかに使用者Aに異常を知らしめることができるため、寝具本体10を冷やし過ぎや暖め過ぎることを防止することができる。
【0059】
なお、上記した本実施形態では、運転開始後の所定時間行う初期制御運転として、上記のような初期温度に温度調節された空気を寝具本体10の空気流路11に循環させたが、例えば、初期制御運転時の送風ファン37の回転速度を通常制御運転時より速く設定し、
初期制御運転時における寝具本体10の空気流路11を循環する空気の流量を通常制御運転時より多く設定してもよい。このような場合であっても、運転開始時に運転強度を強めることで、夏場では寝具本体10の涼しさを、冬場では寝具本体10の暖かさを強調することができ、一年を通じて快適な眠りを提供することができる。
【0060】
また、上記した本実施形態では、制御装置58は、温度調節ユニット20の運転開始から所定時間経過すると初期制御運転を終了するが、例えば、アームバンド56aに取り付けられた体温センサ56が検出する使用者Aの体温に基づいて、初期制御運転を終了する時間を決定してもよい。
【0061】
詳細には、温度調節ユニット20が冷房運転を行っている場合、体温センサ56の検出温度が所定温度(例えば0.3℃)以上低下した時点で初期制御運転を終了するように設定する。また、温度調節ユニット20が暖房運転を行っている場合、所定時間毎に温度変化率を計算し、計算された温度変化率が所定値より小さくなった時点で初期制御運転を終了するように設定する。
【0062】
このように体温センサ56が検出する使用者Aの体温に基づいて初期制御運転を終了する時間を決定することで、使用者Aの身体が求める快適な温度制御が可能となる。
【0063】
また、温度調節ユニット20が暖房運転を行っている場合、所定時間毎に温度変化率を計算し、計算された温度変化率が所定値より小さくなった時点で初期制御運転を終了することで、体温センサ56が使用者Aの体温を検知するまでの温度上昇を、使用者Aの体温上昇と誤って検知することが無くなり、精度良く初期制御運転を終了する時間を決定することができる。
【0064】
さらにまた、上記した本実施形態では、制御装置58は、温度調節ユニット20の運転開始から所定時間経過すると初期制御運転を終了するが、例えば、吸込ダクト24内に設けられた湿度センサ55が検出する空気の湿度に基づいて、初期制御運転を終了する時間を決定してもよい。
【0065】
詳細には、温度調節ユニット20が冷房運転を行っている場合、所定時間毎に湿度センサ55が検出する湿度の変化率を計算し、計算された湿度変化率がマイナス値となった時点、つまり、湿度センサ55が検出する湿度が低下した時点で初期制御運転を終了するように設定する。また、温度調節ユニット20が暖房運転を行っている場合、所定時間毎に湿度センサ55が検出する湿度の変化率を計算し、計算された湿度変化率が所定値より小さくなった時点で初期制御運転を終了するように設定する。
【0066】
このように湿度センサ55が検出する寝具本体10の空気流路11を循環して戻ってきた空気の湿度に基づいて使用者Aの発汗状態に即したタイミングで初期制御運転を終了する時間を決定することで、使用者Aの身体が求める快適な温度制御が可能となる。
【符号の説明】
【0067】
1…温調空気循環式寝具
10…寝具本体
11…空気流路
20…温度調節ユニット
22…吹出ダクト
24…吸込ダクト
26…操作部
30…冷凍サイクル
55…湿度センサ
56…体温センサ
56a…アームバンド
58…制御装置
A…使用者
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記温度調節ユニットは、冷房運転を行い、
前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記設定温度より低い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項2】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記温度調節ユニットは、暖房運転を行い、
前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記設定温度より高い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項3】
前記設定温度と前記初期温度との温度差を変更できることを特徴する請求項1又は2に記載の温調空気循環式寝具。
【請求項4】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより温度調節された所定流量の空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記所定流量より多い流量の空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記所定流量の空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項5】
前記寝具本体の利用者の体温を検出する体温検出装置を備え、前記体温検出装置が検出する温度変化に基づいて、前記運転開始時から前記初期制御を終了するまでの時間を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温調空気循環式寝具。
【請求項6】
前記空気流路を循環する空気の湿度を検出する湿度検知装置を備え、前記湿度検出装置が検出する湿度変化に基づいて、前記運転開始時から前記初期制御を終了するまでの時間を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温調空気循環式寝具。
【請求項7】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより所定の設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記制御部は、所定時刻に設定された停止時刻に前記温度調節ユニットの運転を停止させるタイマー制御を行い、前記停止時刻前の所定時刻から前記停止時刻まで前記設定温度を前記寝具本体の外部温度に漸次近づける終了制御を行うことを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項8】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部と、前記空気流路を循環する空気の温度を検出する温度センサとを備え、
前記制御部は、所定時間内に所定値以上の温度変化を前記温度センサが検出すると、異常報知を行うことを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項1】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記温度調節ユニットは、冷房運転を行い、
前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記設定温度より低い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項2】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記温度調節ユニットは、暖房運転を行い、
前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記設定温度より高い温度に設定された初期温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項3】
前記設定温度と前記初期温度との温度差を変更できることを特徴する請求項1又は2に記載の温調空気循環式寝具。
【請求項4】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより温度調節された所定流量の空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記制御部は、前記温度調節ユニットの運転開始後の所定時間、前記所定流量より多い流量の空気を前記空気流路内に循環させる初期制御を行い、前記初期制御後、前記所定流量の空気を前記空気流路内に循環させることを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項5】
前記寝具本体の利用者の体温を検出する体温検出装置を備え、前記体温検出装置が検出する温度変化に基づいて、前記運転開始時から前記初期制御を終了するまでの時間を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温調空気循環式寝具。
【請求項6】
前記空気流路を循環する空気の湿度を検出する湿度検知装置を備え、前記湿度検出装置が検出する湿度変化に基づいて、前記運転開始時から前記初期制御を終了するまでの時間を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温調空気循環式寝具。
【請求項7】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部とを備え、前記温度調節ユニットにより所定の設定温度に温度調節された空気を前記空気流路内に循環させて前記寝具本体の温度を調節する温調空気循環式寝具において、
前記制御部は、所定時刻に設定された停止時刻に前記温度調節ユニットの運転を停止させるタイマー制御を行い、前記停止時刻前の所定時刻から前記停止時刻まで前記設定温度を前記寝具本体の外部温度に漸次近づける終了制御を行うことを特徴とする温調空気循環式寝具。
【請求項8】
空気の温度を調節する温度調節ユニットと、前記温度調節ユニットから吹き出した空気を循環させる空気流路が形成された寝具本体と、前記温度調節ユニットを制御する制御部と、前記空気流路を循環する空気の温度を検出する温度センサとを備え、
前記制御部は、所定時間内に所定値以上の温度変化を前記温度センサが検出すると、異常報知を行うことを特徴とする温調空気循環式寝具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−187841(P2010−187841A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33943(P2009−33943)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
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