説明

測定装置

【課題】ユーザが標準液の特性値に関わりになく校正を行うのに適した状態になっているという確信を得てから校正を開始することができ、その校正結果に高い信頼性を与えることができる測定装置を提供する。
【解決手段】対をなす電極部を有しそれら各電極部を測定対象物に接触させて生じる電位差を出力する検出部21と、その電位差に基づいて得られる前記測定対象物の特性値を測定結果として表示する本体と、を備えた測定装置であって、ユーザからの校正開始指令を受け付ける校正開始指令受付部6と、前記特性値の変化量に基づいて、当該特性値の安定度を算出する安定度算出部7と、少なくとも前記校正開始指令受付部5が前記ユーザからの校正開始指令を受け付ける以前において、前記安定度の値そのものを表示する表示出力部8と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物のpH、酸化還元電位、イオン濃度、導電率、溶存酸素濃度等を測定する測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の測定装置において、対をなす電極部を測定対象物に接触させて生じる電位差を出力する検出部と、その電位差に基づいて得られる前記測定対象物のpH、イオン濃度等に係る特性値を測定結果として表示する本体とを備えたものが知られている。例えば、前記電位差とイオン濃度の対数との間には比例関係があり、測定前にイオン濃度が既知の標準液を用いて事前に校正を行っておくことにより精度よく測定を行うことができるようになる。
【0003】
ところで、この種の装置における校正では、電極部を標準液につけてしばらくの間は前記電極部から出力される電位差は変化し続けているので、その変化量が小さくなって安定するまで待ってから校正を開始する必要がある。この校正を開始するタイミングは、周囲の環境や標準液の濃度の違い等でそれぞれ異なるため、不慣れなユーザでは、不十分な待ち時間しかとらずに校正を開始してしまい、正確な校正ができていないことがある。このような不具合を解決するために、ユーザが標準液に前記電極部を浸してから内部演算によって電位差が許容範囲内で安定していると判断すると、自動的に校正を開始する測定装置が用いられることがある。
【0004】
上述した内部演算による自動校正機能を有した測定装置は、特許文献1に示されるように所定時間を経過しても電位差が安定しない場合等にはエラーを出力して校正を中止するようにも構成されている。つまり、このような自動校正機能を有した測定装置を用いると、電極部を標準液に浸しても必ず校正が終了するのではなく、まれではあってもエラーが出力され校正が中止される場合が生じることになる。
【0005】
もし校正が中止される事態が発生すると、前記測定装置は内部演算により電位差の安定を判断しているだけなので、本当に標準液が安定していないのか、あるいは測定装置自体に問題があるのかについてユーザは判断できない。このような疑問が生じると、測定装置に問題がなく校正が成功している場合であっても、本当は測定装置に問題が生じているのではないかとユーザは考えてしまい、測定装置への信頼性が損なわれてしまうことがある。
【0006】
一方、特許文献2及び図6に示される、マニュアル操作により校正を行うものであり、電位差が安定しているかどうかインジケータIの点滅周期によって知らせるイオン濃度測定装置100Aであれば、上述したような信頼性に関する問題を解決できるようにも見える。
【0007】
しかしながら、この特許文献2に示されている測定装置100Aでも、点滅周期が変わるだけなので、なぜ安定していると測定装置が判断しているのかはインジケータIや表示画面等を見てもユーザは理解することができない。従って、従来と同様に校正開始後にエラーが生じる等して校正が強制中止されると、やはり前記インジケータI及び測定装置100Aへの信頼性が損なわれてしまうという第1の問題がある。
【0008】
さらに、この特許文献2に示されている測定装置100Aにおいて内部演算で使用されている安定度の指標にも校正の信頼性を担保する点で問題がある。具体的に説明すると、この測定装置では、安定度Δは、現在の電位差Enと所定時間前の電位差Emの差分を電極感度Sで割った値が所定の固定された閾値内にあるかどうかによって安定であるかどうかを判断している。さらに、電位差とイオン濃度の対数は比例する事が知られているので、En、Emに対応する濃度Cn、Cm、下限、上限の閾値を示す定数Gl、Guを用いるとともに、変動幅aによりCn=Cm+aと記述できるとすると、この測定装置では以下のような条件で安定の判別を行っていることになる。
【0009】
【数1】

【0010】
つまり、特性値であるイオン濃度の比の対数により安定かどうかを評価していることになる。ここで、式数1より変動幅aが濃度に関わらず略一定の値が表れ得るとすると、安定度Δは濃度の対数値であることからCmの濃度が低濃度であるほど安定度Δは大きな値となり、逆にCmの濃度が高濃度であるほど安定度Δは小さな値として出力されることになる。従って、式数1に示すように閾値は固定されているので、校正を行っている各イオン濃度において変動幅aが略同じであったとしても、低濃度の標準液を用いている場合には厳しい基準で安定かどうかを判断していることになり、逆に高濃度の標準液を用いている場合には、優しい基準で安定かどうかを判断してしまっていることになる。
【0011】
このように特許文献2の測定装置では、複数の特性値の異なる標準液を用いて校正を行うと安定度の判断基準が変わってしまっており、校正の信頼性を担保することが十分にはできていないという第2の問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平08−220049号公報
【特許文献2】特開2009−244006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上述したような各問題点を鑑みてなされたものであり、校正を開始する際において、ユーザが標準液の特性値に関わりになく校正を行うのに適した状態になっているという確信を得てから校正を開始することができ、その校正結果に高い信頼性を与えることができる測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち、本発明の測定装置は、対をなす電極部を有しそれら各電極部を測定対象物に接触させて生じる電位差を出力する検出部と、その電位差に基づいて得られる前記測定対象物の特性値を測定結果として表示する本体と、を備えた測定装置であって、ユーザからの校正開始指令を受け付ける校正開始指令受付部と、前記特性値の変化量に基づいて、当該特性値の安定度を算出する安定度算出部と、少なくとも前記校正開始指令受付部が前記ユーザからの校正開始指令を受け付ける以前において、前記安定度の値そのものを表示する表示出力部と、を備えた事を特徴とする。
【0015】
このようなものであれば、前記表示出力部が、ユーザが校正開始指令を入力する前において前記特性値の変化量に基づいて算出される安定度の値そのものを、前記本体に表示しているので、ユーザはその安定度の値が一定になったのを確認してから前記校正開始指令を入力することができる。つまり、予め測定装置に設定された閾値等により測定装置が勝手に校正を開始するのではなく、ユーザが安定度について納得してから校正が開始を開始することができるので、その校正結果についてもユーザが信頼することができるようになる。仮に、校正開始指令を入力してから何らかのエラーにより校正が失敗したとしても、ユーザ自身が安定度を確認しているので、測定装置側の問題ではなく、自身の安定度の判断に誤りがあったのだと納得することができ、測定装置への信頼性が損なわれる事態を防ぐことができる。
【0016】
さらに、前記安定度は、前記電位差に基づいて得られる特性値の変化量から算出されているので、例えば、特性値の大きさによって、変化量に対する感度が異なり、安定度の評価を誤るのを防ぐことができる。言い換えると、安定度は特性値の変化量から算出されているので、校正に用いられる標準液が異なっていても変動量が同じであれば同じ分だけ安定度の変化として現れるので、偏りなく均一な基準で安定を判断することができる。
【0017】
これらのことから、ユーザの測定装置の校正結果及びそれに基づいた測定結果に対して信頼性をより高めることが可能となる。
【0018】
安定度により校正を開始しているのに適した状態になっているかどうかをユーザがより判断しやすくするには、前記安定度算出部が、所定期間ごとに前記安定度を算出するものであり、当該安定度が、前記所定期間内に得られた特性値の最大値と最小値の差分であればよい。このようなものであれば、所定期間ごとに安定度が表示されることになるので、細かいノイズ等により頻繁に値が変動するのに比べて容易に安定度の傾向をユーザが掴むことができる。
【0019】
ユーザが特性値ごとに安定度の算出基準等が変更されているのではないかと疑い、校正に対する信頼性が損なわれるのを防ぐには、前記表示出力部が、前記安定度とともに現在の特性値の値そのものを表示するように構成されたものであればよい。
【発明の効果】
【0020】
このように本発明によれば、ユーザが校正開始指令を入力する前において、前記表示出力部が、前記特性値の変化量から算出される安定度を表示しているので、ユーザは安定したかどうかについて納得してから校正を開始することができる。このため、従来であればブラックボックス的に校正が開始及び終了してしまうために、エラー等が生じた際にはユーザの測定装置に対する信頼が損なわれていたところを、本発明ではユーザが安定度について納得しているので、校正結果や測定装置への信頼性を疑われるのを防ぐことができる。また、前記安定度が特性値の変化量から算出されるので、特性値の大きさに関わらず、常に一定の基準で安定度が評価されることになり、校正結果や測定装置への信頼性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態における測定装置を示す模式的斜視図。
【図2】同実施形態における測定装置の機能ブロック図。
【図3】同実施形態における測定装置に表示される測定モードにおける画面表示の例。
【図4】同実施形態における測定装置に表示される校正モードにおける画面表示の例
【図5】同実施形態における安定度算出部における安定度の算出方法を概念的に示すグラフ
【図6】標準液の安定度についてインジケータの点滅周期によりユーザに知らせる機能を有した従来の測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
本実施形態の測定装置100は、図1に示すように、測定対象物に接触させるプローブ2と、そのプローブ2に無線又は有線ケーブルCLで接続された本体1とを備えたものであり、前記測定対象物の特性値であるpH、酸化還元電位、イオン濃度、導電率、溶存酸素を測定して前記本体1に設けたタッチパネルディスプレイ3にその測定値を表示するものである。そして、この測定装置は、測定対象物の特性値を測定するための測定モードと、各特性値が既知の標準液に基づいて校正を行うための校正モードとに切り替え可能に構成してある。
【0024】
各部を詳述すると、プローブ2は測定目的に応じて複数種類、すなわちイオン濃度測定用プローブ、pH測定用プローブ、酸化還元電位用プローブ、導電率測定用プローブ、溶存酸素測定用プローブが用意してあり、測定目的に対応するプローブ2を本体1に接続して使用するように構成してある。本実施形態では、イオン濃度測定用プローブを代表例として以下の説明を行う。
【0025】
このイオン濃度測定用プローブは、イオン濃度測定用電極と比較電極とを一体化して備えたいわゆる複合電極と称されるものであり、先端部に前記イオン濃度測定用電極及び比較電極の感応部を露出させてあり、これを水溶液などの測定対象物に接触させ得るように構成してある。前記イオン濃度測定用電極、及び比較電極で発生した電位差は、プローブ信号として出力されるようにしてある。なお、図1中では、通常のガラス電極のものを示しているが、これに限られるものではなく、例えば先端の尖ったニードル型のものであってもよいし、イオン濃度電極と比較電極とが別体のもの等、その他種々のタイプのプローブであってもよいことは言うまでもない。
【0026】
前記本体1は、ハードウェア構成として、CPU、A/Dコンバータ、メモリ、入出力手段とディスプレイが一体となったタッチパネルディスプレイ3等を一体的に備えたものである。そして、前記CPUや必要に応じてその周辺機器が、前記メモリに記憶されているプログラムに基づいて動作することにより、図2の機能ブロック図に示すように少なくとも、検出部21、特性値算出部4、モード決定部5、校正開始指令受付部6、安定度算出部7、表示出力部8、としての機能を発揮するように構成してある。
【0027】
各部について説明する。
【0028】
前記検出部21は、プローブ2からのプローブ信号に基づいて各電極間に生じた電位差の値を出力するものである。例えばA/Dコンバータや、サンプラー等がこの検出部21に相当する。
【0029】
前記特性値算出部4は、前記本体に接続されているプローブ2の形式に応じてそれぞれ使用する変換式、キャリブレーションデータを切り替えて、前述した測定対象の特性値であるイオン濃度値、pH値、酸化還元電位、導電率、溶存酸素のいずれかを算出するものである。本実施形態では、前記プローブ2により測定される電位差に基づいてイオン濃度値を出力するようにしてある。より具体的には、特性値算出部4は前記電位差を所定の演算式に代入して特性値であるイオン濃度を算出するものであり、前記所定の演算式は例えばネルンストの式等である。加えて、前記特性値算出部4は、所定のサンプリング周期ごとに得られる電位差から常に新たなイオン濃度値を算出するようにしてある。なお、電位差に基づいて特性値を算出する方法としては、予め作成した電位差と特性値との間の関係を示すテーブルを参照して電位差から特性値を取得する等様々な方法がある。
【0030】
前記モード決定部5は、測定対象物のイオン濃度値の測定を行う測定モード(MEASモード)と、標準液による校正を行うための校正モード(CALモード)と、いずれかのモードによって前記測定装置100を駆動するかを決定するものである。より具体的には、タッチパネル上の左上にあるモード選択部51からユーザがいずれのモードで駆動するかを選択できるようにしてある。前記測定モードが選択されると後述する表示出力部8は、図3に示すように、前記特性値算出部4において算出されたイオン濃度値をそれぞれ測定値として表示する。なお、図3の各図は、それぞれ別ページとして切り替えて表示できるようにしてあり、ユーザがタッチパネルディスプレイ3に対して左右方向にタッチスライド動作を入力すると別のページの表示形式に切り替えられるようにしてある。つまり図3(a)のアナログ計表示ページから、図3(b)の時系列表示ページや、図3(c)の数値表示ページ等、必要に応じて切り替えられる。前記校正モードが選択されている場合は図4のような校正用ページに切り替えられる。
【0031】
この校正用ページには、少なくとも前記特性値算出部4により前記プローブ2から出力される電位差から算出されるイオン濃度値と、後述する安定度と、校正を開始するためにユーザが入力するためのスタートボタンと、が表示してある。
【0032】
前記校正開始指令受付部6は、ユーザからの校正開始指令を受け付けるものであり、本実施形態では前述した前記校正用ページにおいて表示されているスタートボタンがそれに該当する。このスタートボタンに対してユーザがタッチするまで校正は開始されず、スタートボタンがタッチされた場合は、その時点または、その時点から所定のサンプリング数の電位差及び特性値の関係に基づいて、校正が行われるようにしてある。このように、本実施形態では、ユーザが標準液にプローブを漬けただけでは校正は行われず、ユーザが校正開始指令をスタートボタンにより入力して初めて校正が開始されるようにしてある。
【0033】
前記安定度算出部7は、前記特性値であるイオン濃度値の変化量に基づいて、当該特性値の安定度を算出するものである。すなわち、本実施形態では電位差から安定度を算出するのではなく、電位差から所定の演算式で変換されたイオン濃度値そのものを用いて安定度を算出するようにしてある。例えば、前記安定度算出部7は、前記特性値の変化量を所定の演算式に代入して安定度を算出する、あるいは、前記特性値の変化量の値自体を用いた四則演算により安定度を算出するものである。より具体的な安定度の算出方法について説明すると、前記安定度算出部7は、所定期間ごとに前記安定度を算出するものであり、前記所定期間内に得られた特性値の最大値と最小値の差分を安定度とするものである。つまり、特性値であるイオン濃度値はサンプリング周期ごとに更新されるのに対して、安定度は複数のサンプリングが行われたあとに1回だけ出力されることになるので、イオン濃度値に比べると更新頻度が低くなる。前記安定度について具体的な式で記述すると、以下のように記載することができる。
【0034】
【数2】

【0035】
ここで、Δ:安定度、f():電位差から特性値へと変換するための関数、E(t):ある時間tにおける電位差、tmax:所定期間内において特性値が最大値となる時間、tmin:所定期間内において特性値が最小値となる時間。
【0036】
このように構成された前記安定度算出部7における安定度算出部7の具体例は各所定期間をTn、各所定期間に対応する安定度をΔnとすると図5のように出力されることになり、図4の表示画面のける安定度の表示が更新されていくことになる。
【0037】
前記表示出力部8は、測定モードにおいては、現時点で測定されているイオン濃度値を画面に表示し、校正モードにおいては少なくとも前記校正開始指令受付部6が前記ユーザからの校正開始指令を受け付ける以前において、前記安定度の値そのものを表示するよう構成してある。より具体的には、表示出力部8は図4に示すように画面中央部に特性値であるイオン濃度値を表示するとともに、イオン濃度値よりも小さい表記によって安定度を数値によって表示するように構成してある。また、少なくとも前記スタートボタンによりユーザが校正開始指令を入力するまでの間は、ユーザに対して校正を促す表示も行われる。また、前記イオン濃度値と前記安定度については表示する桁数を同じにして表示してある。
【0038】
このように構成された本実施形態の測定装置100によれば、校正モードが選択された場合に表示される校正用ページにおいて、少なくともユーザが校正開始指令を入力するまでの間は、前記安定度の数値そのものが表示されるので、プローブを標準液につけた際に校正を行うのに適した状態であるかどうかをユーザは容易に確認することができる。しかも、安定度については数値そのものが表示されているので、測定装置100内で内部的に何をやっているかわからないという不安感をユーザに与えることがなく、出力される安定度について納得しやすい。このため、ユーザ自身が納得して校正をスタートさせることができているので、校正をスタートして仮にエラー等が出力されたとしても測定装置100側に問題があると思わせることを防ぐことができる。その結果、今まで行ってきた校正結果や、測定結果についてもユーザにより信頼してもらうことができる。
【0039】
また、前記安定度は電位差から変換された特性値であるイオン濃度値そのもの変化量から算出されているので、イオン濃度値のオーダが異なっていても、変化幅が同じであれば同様に前記安定度として算出される。言い換えると、特性値の全体にわたって、安定度と特性値の変化量との間で線形性が保たれるように安定度の算出方法を設定してあるので、オーダに関わりなく均一な安定度評価を行うことができる。従って、イオン濃度値が異なる標準液においても同じ基準で安定度を見ることができ、その結果、校正結果に対するユーザの信頼性をより向上させることができる。
【0040】
その他の実施形態について説明する。
【0041】
前記実施形態では、イオン濃度値に基づいて説明を行ったが、その他特性値であっても同様に構成すればよい。すなわち、前記安定度は、電位差から変換されたpH値の差分や、電位差から変換された導電率等の差分等に基づいて算出されるものであってもよい。また、前記実施形態では、安定度の数値そのものを校正開始指令が入力される前において表示するようにしていたが、例えば安定度の値そのものを示す時系列グラフ等を表示するようにしても構わない。加えて、前記安定度の算出方法は特性値の差分を取ることだけに限られない。例えば、特性値の微分に基づいて安定度を算出するように構成しても構わない。要するに、前記特性値の変化量に関連する値から安定度が算出されるようにしてあればよい。
【0042】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0043】
100・・・測定装置
1 ・・・本体
2 ・・・電極部
21 ・・・検出部
6 ・・・校正開始指令受付部
7 ・・・安定度算出部
8 ・・・表示出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対をなす電極部を有しそれら各電極部を測定対象物に接触させて生じる電位差を出力する検出部と、その電位差に基づいて得られる前記測定対象物の特性値を測定結果として表示する本体と、を備えた測定装置であって、
ユーザからの校正開始指令を受け付ける校正開始指令受付部と、
前記特性値の変化量に基づいて、当該特性値の安定度を算出する安定度算出部と、
少なくとも前記校正開始指令受付部が前記ユーザからの校正開始指令を受け付ける以前において、前記安定度の値そのものを表示する表示出力部と、を備えた事を特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記安定度算出部が、所定期間ごとに前記安定度を算出するものであり、
当該安定度が、前記所定期間内に得られた特性値の最大値と最小値の差分である請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記表示出力部が、前記安定度とともに現在の特性値の値そのものを表示するように構成された請求項1又は2記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−184970(P2012−184970A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47008(P2011−47008)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)