説明

湿式酸化装置

【課題】 反応塔内の温度低下を防ぐことで、エネルギー効率の高い湿式酸化装置を提供する。
【解決手段】 高温高圧状態を保持する反応塔Aと、この反応塔A内に連通する酸素含有ガス供給通路14と、この酸素含有ガス供給通路14を介して上記反応塔A内に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段15とを備え、上記酸素含有ガス供給手段15から供給される酸素含有ガスを反応塔A内のスラリーに混入して、スラリー中の有機物を酸化処理する湿式酸化装置において、上記酸素含有ガス供給通路14は、反応塔A内と連通する過程で、反応塔Aの熱で加熱される加熱通路部14aを備え、酸素含有ガス供給通路14を流通する酸素含有ガスが、上記加熱通路部14aで加熱されて、反応塔A内に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高温高圧下で有機物を酸化処理する湿式酸化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示す湿式酸化装置が知られている。
この湿式酸化装置は、有機物に水を混合したスラリーを、高温高圧状態を維持する反応塔に圧送する。また、この反応塔内にエアや酸素からなる酸素含有ガスを供給することによって、上記有機物を酸化処理するようにしている。
【特許文献1】特開2003−312843号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の湿式酸化装置においては、スラリー中の有機物を酸化処理するために、反応塔内を約200度の高温に維持するとともに、反応塔内に供給されるスラリーを完全燃焼させるのに足りるだけの酸素含有ガスを供給しなければならない。
ところが、反応塔内に供給される酸素含有ガスは反応塔内の温度に比べて極端に低いのが通常である。例えば、酸素含有ガスとしては、通常大気が利用されるが、大気の場合には、20度から25度前後であるのが通常である。したがって、酸素含有ガスとして大気を利用すれば、その大気の温度は、反応塔内の200度前後の温度に比べて極めて低い。
このように、温度の低い大気を反応塔内に供給すると、反応塔内の温度が一気に下がってしまうため、反応塔内の温度を所定の温度に保つように、反応塔を必要以上に加熱しなければならず、エネルギー効率が低下するという問題があった。
【0004】
この発明の目的は、反応塔内の温度低下を防ぐことで、エネルギー効率を高めた湿式酸化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、高温高圧状態を保持する反応塔と、この反応塔内に連通する酸素含有ガス供給通路と、この酸素含有ガス供給通路を介して上記反応塔内に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段とを備え、上記酸素含有ガス供給手段から供給される酸素含有ガスを反応塔内のスラリーに混入して、スラリー中の有機物を酸化処理する湿式酸化装置において、上記酸素含有ガス供給通路は、反応塔内と連通する過程で、反応塔の熱で加熱される加熱通路部を備え、酸素含有ガス供給通路を流通する酸素含有ガスが、上記加熱通路部で加熱されて、反応塔内に供給される点に特徴を有する。
なお、この発明において、上記酸素含有ガスとは、純粋な酸素だけからなる酸素ガスも含まれる概念として用いている。
また、湿式酸化装置の反応塔は、通常、外塔と内塔とからなるが、この発明においては、反応塔の熱によって、酸素含有ガスが加熱されるなら、上記加熱通路部は、外塔あるいは内塔のいずれに接触させるようにしてもよい。
さらに、この発明における反応塔の熱とは、スラリーを酸化処理する際に発生する酸化処理熱、および、反応塔を高温に維持するために供給する加熱ガスの熱の双方を含むものとして用いている。
【0006】
第2の発明は、酸素含有ガス供給通路に、上記加熱通路部を迂回するバイパス通路部を設けるとともに、上記酸素含有ガス供給通路に、上記加熱通路部およびバイパス通路部を開閉する制御バルブを設けた点に特徴を有する。
なお、上記制御バルブは、オンオフ制御だけができるものであってもよいし、開度を可変にして酸素含有ガスの流通量を制御できるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
第1の発明によれば、酸素含有ガス供給通路の加熱通路部を経由する酸素含有ガスは、反応塔の温度で予め加熱されるので、反応塔内の温度に対して温度差の小さい酸素含有ガスを反応塔内に供給することができる。したがって、酸素含有ガスによる反応塔内の温度低下を防ぐことができ、反応塔内を設定温度に保つために、反応塔を必要以上に加熱する必要がなく、エネルギー効率を高めることができる。
しかも、酸素含有ガスを加熱するのに、反応塔内の熱を利用しているので、酸素含有ガスを加熱するための特別なエネルギーを消費する必要がなく、また、特別な加熱手段を備える必要もない。したがって、エネルギー的にも、設備的にもきわめてコストが低いものとなる。
【0008】
第2の発明によれば、酸素含有ガス供給通路にバイパス通路部を備えたので、例えば、当該装置の運転を停止する際には、バイパス通路部を介して、常温に近い冷たい酸素含有ガスを供給して、当該装置内の圧力を高く保つことができる。もし、当該装置の運転を停止するからといって、超高圧状態から急激に圧力を低くすると、いわゆる再沸騰現象が起こり、通常の制御ができなくなってしまう。そのため、運転を停止する際にも酸素含有ガスを供給し続けて、反応塔内を所定の圧力に維持しなければならない。
このとき、バイパス通路部から冷たい酸素含有ガスを供給し続ければ、当該装置の圧力をある程度保ちつつ、当該酸素含有ガスによって装置を徐々に冷却できるので、装置の運転を速やかに停止することができる。
また、酸化熱によって反応塔内の温度が上がりすぎた場合に、バイパス通路部を介して冷たい酸素含有ガスを供給することにより、速やかに装置の温度を下げることができ、運転時の安全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1,2を用いて、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の湿式酸化装置における簡略的な回路図を示す。
貯留槽1は、焼酎粕等の有機物と水とを混合したスラリーを貯留するタンクであり、フィードポンプ2によって、この貯留槽1に貯留されたスラリーを原料タンク3に供給している。この原料タンク3には、モータMによって駆動する攪拌手段4を設け、固形物質が沈殿しないように混合流体を掻き混ぜるようにしている。
原料タンク3で攪拌されたスラリーは、通路5,6を介して反応塔Aに供給されるが、原料タンク3から反応塔Aへスラリーを供給するのがポンプ機構PPである。
【0010】
このポンプ機構PPは複動シリンダ型のポンプであり、シリンダ内に形成した一対の圧力室7a,7b、および、圧力室7a,7bに隣接するとともにシリンダ内に形成した一対のポンプ作用室7c,7dを備えてなる。上記一対の圧力室7a,7bは、シリンダ内に摺動自在に設けたピストン8によって区画して形成される。
上記ピストン8には、その両端にプランジャ9を設けるとともに、このプランジャ9を圧力室7a,7bから突出させて、その先端を、上記一対のポンプ作用室7c,7d内に臨ませている。
【0011】
上記圧力室7a,7bには、コントロールバルブ10を介して油圧ポンプPを接続し、この油圧ポンプPから吐出する作動油を、圧力室7a,7bのいずれか一方の室に導くとともに、いずれか他方の室からの戻り油をタンクに導くようにしている。
したがって、コントロールバルブ10を切り換えれば、油圧ポンプPから圧力室7a,7bに導かれる作動油によってピストン8が摺動するとともに、このピストン8と一体的にプランジャ9が摺動する。なお、上記コントロールバルブ10は、図示しない制御機構によって連続的に切り換わるように制御されている。したがって、油圧ポンプPから吐出する作動油が、圧力室7a,7bに交互に導かれて、ピストン8およびプランジャ9を連続的に往復動することとなる。
【0012】
そして、プランジャ9が一対のポンプ作用室7c,7d内で往復動すると、ポンプ作用室7c,7dにおいて吸入工程と吐出工程とが繰り返し行われる。つまり、プランジャ9が図中下方に移動すると、原料タンク3からチェック弁Cを介してスラリーがポンプ作用室7cに吸入される。一方、プランジャ9が図中上方に移動すると、ポンプ作用室7cに吸入されたスラリーが、再び通路5に吐出されるとともに、チェック弁Cを押し開いて後述する反応塔Aに導かれる。また、ポンプ作用室7cにおいてスラリーの吸入、吐出がされると同時に、ポンプ作用室7dにおいても、通路6およびチェック弁C、Cを介して上記ポンプ作用室7cと同様の吸入、吐出が連続的に行われる。ただし、ポンプ機構PPの構成上、ポンプ作用室7cが吸入工程にあるときには、ポンプ作用室7dが吐出工程にあり、ポンプ作用室7cが吐出工程にあるときには、ポンプ作用室7dが吸入工程にある。したがって、ポンプ機構PP全体で見れば、吸入工程および吐出工程の双方が連続的に行われていることになる。
【0013】
上記ポンプ機構PPから吐出されたスラリーは、反応塔Aに導かれるとともに、この反応塔Aにおいてスラリー中の有機物が酸化処理される。反応塔Aは、第1反応塔11〜第3反応塔13を直列に接続してなり、ポンプ機構PPから吐出されたスラリーが、各反応塔11〜13を順次通過するようにしている。
上記第1反応塔11は、図2に示すように、内部を高温高圧状態に維持する内塔11aと、この内塔11aを囲む外塔11bとからなり、内塔11aと外塔11bとの間には空間11cが形成されている。そして、この空間11cに、図示しない熱風炉から高温の加熱ガスを循環させて、内塔11aを所定の温度に維持している。なお、ここでは第1反応塔11についてのみ説明したが、第2反応塔12および第3反応塔13も上記第1反応塔11と同様の構成である。
【0014】
上記の構成からなる反応塔Aには、図1に示すように、酸素含有ガス供給通路14を接続している。酸素含有ガス供給通路14は、第1反応塔11、より具体的には、第1反応塔11の空間11cを経由する加熱通路部14aを備え、この加熱通路部14aを経由した後、各反応塔11〜13内に連通するようにしている。なお、ここでいう反応塔内とは、内塔の内部のことを言う。
そして、上記酸素含有ガス供給通路14には、所定の圧力でエアまたは酸素等からなる酸素含有ガス(以下、酸素含有ガスという)を供給する酸素含有ガス供給手段15を接続するとともに、この酸素含有ガス供給手段15から供給する酸素含有ガスが、加熱通路部14aを経由して、各反応塔11〜13内に導かれるようにしている。
したがって、酸素含有ガス供給手段15から供給された酸素含有ガスは、加熱通路部14aを経由する過程で、第1反応塔11の熱(内塔11a内に生じる酸化熱および内塔11aを加熱するために空間11cを循環する加熱ガスの熱)によって加熱されるとともに、このように加熱された状態で、各反応塔11〜13内に導かれることとなる。
【0015】
そして、各反応塔11〜13は、その内部を高温高圧状態に維持しており、この高温高圧状態を維持する反応塔11〜13内で、酸素含有ガスがスラリー中の有機物に接触し、当該有機物の酸化を促進する。
上記のように反応塔Aを通過したスラリーは、反応塔A内で完全燃焼するとともに、処理流体として第3反応塔13から排出手段16および気液分離器17に導かれ、当該気液分離器17において、水と二酸化炭素とに分離される。
【0016】
なお、酸素含有ガス供給通路14には、上記加熱通路部14aを迂回するバイパス通路部14bを接続している。そして、上記酸素含有ガス供給通路14には、加熱通路部14aの上流側とバイパス通路部14bとに、一対の制御バルブ18,18を設けている。この制御バルブ18,18は、それを制御することによって、バイパス通路部14bを経由する酸素含有ガスすなわち加熱通路部14aを経由しない酸素含有ガスと、加熱通路部14aを経由する酸素含有ガスとの流量を制御する。
つまり、各反応塔11〜13に供給する酸素含有ガスの温度を高くしたい場合には、制御バルブ18を制御して、酸素含有ガス供給手段15から供給される酸素含有ガスの全流量が、加熱通路部14aを経由するようにすればよい。
このように、高温の酸素含有ガスを各反応塔11〜13に供給すれば、反応塔11〜13の温度低下を低減することができ、エネルギー効率を向上することができる。
【0017】
一方、温度の低い酸素含有ガスを各反応塔11〜13内に供給したい場合には、制御バルブ18を制御して、酸素含有ガス供給手段15から供給される酸素含有ガスの全流量が、バイパス通路部14bを経由するようにする。言い換えれば、酸素含有ガスの全流量が、加熱通路部14aを経由しないようにする。
このように、低温の酸素含有ガスを各反応塔11〜13に供給する場合としては、反応塔Aの温度が高温になりすぎた場合が考えられる。つまり、反応塔Aは、約230℃〜250℃に維持されるようにしているが、反応塔Aが、酸化熱によって設定温度よりも高い280℃程度にまで高くなってしまうことがある。このように、反応塔Aの温度が上がりすぎた場合に、相対的に冷たい酸素含有ガスを供給することで、反応塔Aの温度を下げることができる。つまり、反応塔Aの温度上昇を防ぐ安全手段として機能させることができる。
【0018】
また、低温の酸素含有ガスを供給する別の場合としては、当該湿式酸化装置の運転を中止する際に行う冷却運転時が考えられる。
冷却運転とは、スラリーの酸化処理作業を終えた後に、スラリーではなく常温の水を供給して装置を作動させる運転のことであり、このような冷却運転は、装置内に残存するスラリーを除去して装置内を洗浄するために行うものである。
ただし、冷却運転開始後しばらくの間は、反応塔A内の温度を高温に保たなければならない。なぜなら、装置内に残存するスラリーを完全燃焼させて排出しなければならないからである。そして、反応塔A内のスラリーが完全に除去されたら、冷却運転しながら反応塔Aを自然冷却する。
このとき、反応塔A内には、スラリー中の有機物を燃焼させる必要がないにも関わらず、酸素含有ガス供給手段15から酸素含有ガスを供給しなければならない。なぜなら、反応塔内が100度以上に保たれている場合には、酸素含有ガスを供給して反応塔内を飽和水蒸気圧に保たなければならないからである。
【0019】
すなわち、反応塔A内は、運転中200度以上の高温に維持されているため、自然冷却開始後でも、しばらくの間100度以上に保たれている。この状態で、圧力が低下してしまうと、反応塔A内の水に再沸現象が起こり、通常の制御ができなくなってしまう。そのため、スラリー中の有機物を燃焼させる必要がない冷却運転時にも、反応塔A内に酸素含有ガスを供給し続けて、反応塔A内を飽和水蒸気圧に保たなければならない。
【0020】
ところが、反応塔A内の圧力を保つために供給する酸素含有ガスが、加熱通路部14aを経由して加熱されていると、反応塔Aを自然冷却しているにも関わらず、なかなか反応塔A内の温度が低下しなくなってしまい、運転を完全に停止するまでに長時間を要しなければならない。
そこで、スラリー中の有機物を燃焼させる必要のない冷却運転時には、制御バルブ18を制御するとともに、バイパス通路部14bを経由した加熱していない酸素含有ガスを反応塔A内に供給するのである。
このように、反応塔A内に低温の酸素含有ガスを供給すれば、反応塔Aの自然冷却を早めることができ、運転を完全に停止するまでの時間を短縮することができる。
【0021】
上記のように、制御バルブ18を制御することによって、加熱された高温の酸素含有ガスを供給したり、あるいは加熱されていない低温の酸素含有ガスを供給したりできれば、反応塔Aが高温になりすぎるのを防いで安全性を向上することができる。また、酸化処理運転時のみならず冷却運転時のエネルギー効率も向上することができる。
さらには、制御バルブ18の開度を調整することによって、供給される酸素含有ガスの一部のみを加熱するとともに、加熱した酸素含有ガスと加熱していない酸素含有ガスとを合流させて各反応塔11〜13内に導くようにしてもよい。このように、開度調整可能にすれば、用途に応じてより最適に温度調節された酸素含有ガスを供給することができる。
【0022】
なお、上記実施形態においては、第1反応塔11〜第3反応塔13の3つで反応塔Aを構成したが、反応塔Aは1つの塔で構成してもよいし、いくつの塔を接続して構成しても構わない。いずれにしても、反応塔自身の熱を利用して、反応塔内に供給する酸素含有ガスを加熱すればよい。したがって、反応塔が複数の塔によって構成される場合には、いずれの塔で酸素含有ガスを加熱してもよいし、また、複数の塔を経由させて酸素含有ガスを加熱してもよい。
また、制御バルブ18は、加熱通路部14aを経由する酸素含有ガスの流量を制御できれば、酸素含有ガス供給通路14のいずれの場所に設けてもよいこと当然である。
【0023】
さらには、上記実施形態においては、図2に示すように、加熱通路部14aを空間11c内に進入させているだけであるが、例えば、別の実施形態として、内塔11aの外周に加熱通路部14aをコイル状にして巻き付けても構わない。内塔11aは酸化熱によって高温に維持されているため、内塔11aに加熱通路部14aをしっかりと接触させることによって、熱交換率を高めることができる。
また、加熱通路部14aは、内塔11a内を経由するようにしても構わない。このようにすれば、一層熱交換率を高めることができる。
【0024】
一方、加熱通路部14aを外塔11bの内壁に固定すれば、上記に比べて熱交換率が低下する。このように加熱通路部14aを外塔11bの内壁に固定すれば、バイパス通路部14bを設けなくても冷たい酸素含有ガスを供給することができる。
つまり、反応塔Aの温度が上がりすぎた場合には、図示しない熱風炉の運転を停止して、反応塔Aへの加熱ガスの供給を停止する。この場合でも内塔11a内では酸化熱が生じているため、内塔11aは依然として高温に維持される。しかし、加熱ガスの供給が停止したことによって、空間11cの温度は、内塔11a内の温度に比べて短時間のうちに低下する。
したがって、加熱通路部14aを外塔11bの内壁に固定すれば、言い換えれば、内塔11aからある程度の距離を保って加熱通路部14aを設ければ、内塔11a内の温度に比べて相対的に温度の低い酸素含有ガスを、内塔11a内に供給することができる。このようにすれば、バイパス通路部14bを設けなくても、反応塔Aの温度が上がりすぎた場合に、相対的に温度の低い酸素含有ガスを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この実施形態に係る湿式酸化装置を示す図である。
【図2】この実施形態に係る反応塔を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
11 第1反応塔
12 第2反応塔
13 第3反応塔
14 酸素含有ガス供給通路
14a 加熱通路部
14b バイパス通路部
15 酸素含有ガス供給手段
18 制御バルブ
A 反応塔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温高圧状態を保持する反応塔と、この反応塔内に連通する酸素含有ガス供給通路と、この酸素含有ガス供給通路を介して上記反応塔内に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段とを備え、上記酸素含有ガス供給手段から供給される酸素含有ガスを反応塔内のスラリーに混入して、スラリー中の有機物を酸化処理する湿式酸化装置において、上記酸素含有ガス供給通路は、反応塔内と連通する過程で、反応塔の熱で加熱される加熱通路部を備え、酸素含有ガス供給通路を流通する酸素含有ガスが、上記加熱通路部で加熱されて、反応塔内に供給される構成にした湿式酸化装置。
【請求項2】
酸素含有ガス供給通路には、上記加熱通路部を迂回するバイパス通路部を設けるとともに、上記酸素含有ガス供給通路に、上記加熱通路部およびバイパス通路部を開閉する制御バルブを設けた請求項1記載の湿式酸化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate