説明

湿紙の再湿抑制方法及び装置

【課題】抄紙機のプレスパートにおいて、プレス装置で湿紙を脱水した後の湿紙の再湿現象を抑制する。
【解決手段】抄紙機のプレスパート2で、湿紙1を吸水性のフェルトで挟んで加圧脱水するプレス装置4の下流側で、脱水された白水wが湿紙1に逆流するのを抑制する再湿抑制装置において、プレス装置4の直下流側で上側フェルト6aの背面に設けられ該上側フェルトの背面側に分離した白水wを掬い取るピックアップブレード35a〜cと、該上側フェルトの背面と該上側フェルトの背面に対面する該ピックアップブレードのブレード面351,352との間に負圧を形成する手段353,354と、該ピックアップブレードの設置位置を起点として下側フェルト6bを上側フェルト6aから離すように該下側フェルトをガイドするガイド手段16とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機のプレスパートにおいて、脱水用プレスロールを通した後の湿紙に、湿紙から分離された白水が湿紙に逆流するのを抑制して搾水能力を向上可能にした方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
抄紙機の運転速度は、生産速度及び生産効率アップの観点から、既存の抄紙機においても増速が求められている。この増速により必要搾水能力の向上及び高速安定走行を確保する目的で、湿紙を両側から2枚のフェルトで挟んで搾水を行なうダブルフェルトロールプレス又はダブルフェルトシュープレスが多用されるようになってきた。
【0003】
しかしながら、ダブルフェルト方式は、湿紙の両側に搾水を行なうため(湿紙から両側のフェルトに水分が移動する)、搾水能力は増大するものの、湿紙が長い時間フェルトに同伴して移送される場合、湿紙から搾水してフェルトに移行した白水がフェルトから湿紙に逆流する所謂「再湿現象」が生じ、搾水能力が向上しないという問題を引き起こしていた。
【0004】
特許文献1(特開昭60−215893号公報)には、抄紙機のプレスパートにおいて、前記ダブルフェルトロールプレス及びダブルフェルトシュープレスを用いたタンデム型のプレス構成が開示されている。特許文献1は湿紙から多量の水を除去でき、また高速度で満足な脱水が可能な改良型の抄紙機プレス機構を提案するものであるが、特許文献1には、ダブルフェルトロールプレス又はダブルフェルトシュープレスの下流側で、上側フェルトの背面に設けられたサクションシューにより湿紙を上側フェルトに担持させることが開示されているだけであり、再湿抑制機構については何ら開示されていない。
【0005】
【特許文献1】特開昭60−215893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、抄紙機のプレスパートにおいて、ダブルフェルトロールプレス又はダブルフェルトシュープレスの下流側で起こる再湿現象に対する有効な対策はまだ講じられていない。プレスモジュールによる脱水後、再湿現象により湿紙水分が多くなる場合、プレス装置に予め高い線圧を付与して搾水を行なう必要があり、そのため、抄造された紙の密度が大きくなる。
【0007】
一方、現在市場で書籍用用紙として需要があるのは、厚くて軽い嵩高紙である。前述のように、プレス装置に高い線圧を付与して抄造された紙の密度を大きくすると、この需要とは逆行することになり、再湿現象に対する有効な対策が求められている。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、抄紙機のプレスパートにおいて、プレス装置で湿紙を脱水した後の湿紙の再湿現象を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の湿紙の再湿抑制方法は、
抄紙機のプレス工程で、湿紙を吸水性のフェルトで挟んでプレス装置間を通して脱水した後、脱水された白水が湿紙に逆流するのを抑制する再湿抑制方法において、
前記プレスロールの直下流側に上側フェルトの背面に設けたピックアップブレードで該上側フェルトの背面側に分離された白水を掬い取り、
上側フェルトの背面と該上側フェルトの背面に対面する該ピックアップブレードのブレード面との間に負圧を形成することによって、湿紙を該上側フェルトに吸引させるとともに、
該ピックアップブレードの設置位置を起点として下側フェルトを上側フェルトから離すように下側フェルトをガイドすることにより、湿紙を上側フェルトのみに担持させるものである。
【0010】
また、前記本発明方法の実施に好適な本発明の湿紙の再湿抑制装置は、
抄紙機のプレスパートで、湿紙を吸水性のフェルトで挟んで加圧脱水するプレス装置の下流側で、脱水された白水が湿紙に逆流するのを抑制する再湿抑制装置において、
前記プレスロールの直下流側で上側フェルトの背面に設けられ該上側フェルトの背面側に分離した白水を掬い取るピックアップブレードと、
上側フェルトの背面と該上側フェルトの背面に対面する該ピックアップブレードのブレード面との間に負圧を形成する手段と、
該ピックアップブレードの設置位置を起点として下側フェルトを上側フェルトから離すように下側フェルトをガイドするガイド手段と、を備え、
前記プレス装置の直下流側で湿紙を該上側フェルトのみで担持させるように構成したものである。
【0011】
プレス装置では、プレス装置のニップ部から下流側に向けて湿紙から分離された白水が上下フェルトを通り上下フェルトの背面側に飛散したり、あるいは上下フェルトの背面上を伴送する現象が起こる。このように、湿紙から分離した白水は、プレス装置の下流側で湿紙がフェルトに同伴する状態が長く続くと、再び湿紙に逆流してしまう。
【0012】
本発明においては、プレス装置の直下流側で上側フェルトの背面に前記ピックアップブレードを設けたことにより、プレス装置のニップ部で湿紙から分離し上側フェルトの背面側に飛散したりあるいは上側フェルトの背面上で伴送される白水を掬い取ることができる。これによって、上側フェルトの背面側での再湿現象を抑制することができる。
【0013】
一方、湿紙から分離して下側フェルトの背面側に飛散した白水は重力により下方に落下するため、飛散した白水が湿紙に逆流することはない。しかしながら、再湿現象は、プレス装置のニップ圧により湿紙が圧縮変形を起こしたのち、ニップ圧が開放されると共に湿紙が変形回復する事によるフェルト中に含まれる白水がフェルトから湿紙への逆流作用であるから、プレス装置でのニップ後早く湿紙からフェルトを離すことで再湿を抑制することができる。
【0014】
この観点から、本発明では、前記負圧形成手段を備え、かつ上側フェルトの背面側に設けられたピックアップブレードの設置位置を起点として下側フェルトを上側フェルトから離すようにして、湿紙を上側フェルトのみに担持させてようにしている。これによって、プレス装置のニップ部で湿紙から分離して下側フェルトに移行した白水が湿紙に逆流することはない。
このように、本発明によれば、プレス装置下流側での上下フェルトから湿紙へ白水が逆流する再湿現象を簡単な装置構成で効果的に抑制することができる。
【0015】
なお、本発明において、好ましくは、上側フェルトの背面に対面するピックアップブレードのブレード面に該上側フェルト背面側に突出する断面円弧状の曲率を設け、該曲率部分を起点として下側フェルトを上側フェルトから離すようにガイドするとよい。このように、ピックアップブレードに断面円弧状の曲率を設けることにより、該曲率部分で湿紙を下側フェルトから離すことが容易になる。
【0016】
また、本発明方法において、該ピックアップブレードのブレード面に設けられた凹溝又は貫通孔に負圧を形成させることによって、上側フェルトの背面と該ブレード面間に負圧を形成させるようにするとよい。かかる構成によって、ピックアップブレードのブレード面に負圧を形成させることが容易になり、これによって、湿紙を上側フェルトへ吸引する吸引力を高め、湿紙を下側フェルトから離すことが容易になり、かつ、湿紙の走行安定性が増す。
さらに、この構成と前記構成(ピックアップブレードに断面円弧状の曲率を設ける)との組み合わせにより、湿紙を下側フェルトから離し、上側フェルトだけで担持させることがさらに容易になる。
【0017】
本発明装置において、負圧形成手段を、ピックアップブレードに設けられ該ピックアップブレードのブレード面に開口する凹溝又は貫通孔と、該凹溝又は貫通孔内を吸引する真空吸引装置とから構成するとよい。ピックアップブレードのブレード面に凹溝又は貫通孔を設け、該凹溝又は貫通孔の内部に真空吸引装置によって負圧を形成することにより、該ブレード面に確実に負圧を形成することができる。
【0018】
なお、前記凹溝を凹溝内の雰囲気が真空吸引装置により吸引される方向に向けて配置するようにすれば、該凹溝内を通って吸引される白水の流れに対する該凹溝の抵抗が低減されるので、上側フェルト中の白水除去が容易になる。また、前記貫通孔はピックアップブレードのブレード面に対して直角方向又は傾斜した方向に穿設されてもよい。更に、該貫通孔を該真空吸引装置により吸引される方向に向けて傾斜して配置すれば、該貫通孔内を流れる白水の流れに対する該貫通孔の抵抗が低減されるので、上側フェルト中の白水除去が容易になる。
【0019】
負圧形成手段の別な構成として、前記凹溝と、該凹溝の端部近傍に接続される圧縮空気流路と、該圧縮空気流路に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置とから構成するとよい。かかる構成では、該凹溝に圧縮空気を供給することにより、該凹溝に高速の空気流を生じさせ、これによって、凹溝内を負圧にすることができる。この場合、真空吸引装置を不要とする利点がある。
【0020】
また、本発明装置において、ピックアップブレードと、該ピックアップブレードで掬い取られた白水を外部に排出する排出口に導く排出路と、前記負圧形成手段とを一体的に構成するとよい。かかる構成とすれば、白水の掬い取りと上側フェルトへの湿紙の吸引を同時に行なうことができ、これによって、湿紙を高速で安定して移送できるので、高速運転が可能になる。また、本発明装置をコンパクトにできるので、プレス装置のニップ部から湿紙が下側フェルトから離れるまでの距離を短縮でき、これによって、下側フェルトから湿紙への白水の逆流をさらに低減することができる。
【0021】
また、本発明装置において、ピックアップブレードを湿紙搬送方向に沿って間隔を開けて複数段設け、最上流側のピックアップブレードのブレード面に前記曲率を設け、後続するピックアップブレードのブレード面を平面とするように構成してもよい。かかる構成とすることにより、最上流側のピックアップブレードにより下側フェルトを湿紙から離すことが容易にとなり、後続のピックアップブレードのブレード面を平面とすることにより、上側フェルトへのダメージを軽減でき、フェルト脱毛を低減することができる。また、最上流側ピックアップブレードと後続するピックアップブレード間に間隔をもうけたことにより、該間隔を通して真空吸引装置により、上側フェルトと該ブレード面間に負圧を付与することが容易になる。
【0022】
また、本発明装置において、前記凹溝の溝深さは一定であってもよいが、該凹溝を真空吸引装置による吸引方向に向かって、あるいは圧縮空気の流れ方向下流側に向かって溝深さが漸増するように構成するとよい。かかる構成によって、フォイル効果を発現しやすくすることができ、フォイル効果により該凹溝の末端まで減圧状態を確実に形成することができる。
【0023】
また、本発明装置において、前記凹溝をピックアップブレードのブレード面に湿紙幅方向に傾斜して設けるか、又は前記貫通孔を湿紙幅方向に分散して配置するようにするとよい。これによって、該凹溝又は貫通孔の開口が湿紙幅方向に均一に分散して上側フェルトの背面に対面するので、湿紙の幅方向に均一な吸引作用を含めた均一な履歴を与えることができる。これによって、湿紙幅方向の品質ムラを低減することができる。
【0024】
また、本発明装置において、ピックアップブレードをセラミックで構成するとよい。これによって、耐摩耗性及び耐食性が向上するため、ピックアップブレードを長寿命化することができるとともに、耐熱性が向上し、熱膨張が低減するため、寸法精度が向上する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、プレス装置の直下流側で上側フェルトの背面にピックアップブレードを設けたことにより、上側フェルトの背面側で湿紙から分離した白水を掬い取るようにしているので、上側フェルトの背面側で再湿現象を抑制できる。
また、上側フェルトの背面と該上側フェルトの背面に対面する該ピックアップブレードのブレード面との間に負圧を形成することによって、湿紙を該上側フェルトに吸引させるとともに、該ピックアップブレードの設置位置を起点として下側フェルトを上側フェルトから離すようにガイドしているので、プレス装置のニップ部で湿紙から分離して下側フェルトに移行した白水が湿紙に逆流することがなくなる。
【0026】
このように、本発明によれば、湿紙へ白水の再湿現象を簡単な装置で効果的に抑制することができるため、従来と同等な湿紙水分量でよい場合は、プレス装置のプレス線圧を低下できるため、需要が大きい嵩高紙の抄造が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
【0028】
図1は本発明の第1実施形態に係る抄紙機のプレスパート及びドライヤパートを示す構成図である。図1において、図示しないワイヤパートからワイヤ8上に担持されて移送されてきた湿紙1は、サクションロール5aにより吸引されて上側フェルト6aに担持される。その後、湿紙1は上側フェルト6aに担持された状態、あるいは上側フェルト6aと下側フェルト6bとにより両面から挟持された状態で脱水用最終プレス4に搬送される。該脱水用最終プレス4では、シューモジュール4aとプレスボトムロール4bとを備えており、これらのニップ部で付加されるニップ圧により湿紙1に含まれる水分を上下フェルト6a、6bに移動させて搾水を行なっている。なお、図中のaは湿紙1の搬送方向を示す。
【0029】
脱水用最終プレス4にて搾水された湿紙1は、フェルト6a及び6bに挟持された状態で、ニップドサクションロール21に搬送されるが、脱水用最終プレス4のニップ部の直下流側で上側フェルト6aの背面側に本発明の主要部である再湿抑制装置30が設けられている。脱水用最終プレス4で脱水され上側フェルト6aの背面側に分離した白水は、湿紙1に逆流しないように再湿抑制装置30で掬い取られる。また、下側フェルト6bは再湿抑制装置30が設置された位置で湿紙1から離れるように案内ロール16で案内される。
【0030】
再湿抑制装置30の下流側で、湿紙1は、上側フェルト6aを介してニップドサクションロール21の表面に吸着される。その下流側で、ニップドサクションロール21は、スムーザボトムロール12bとの間で第1のニップ部Nを形成しており、湿紙1は第1のニップ部Nに向かう。
【0031】
フェルト6aに担持され第1のニップ部Nで面圧を付与された湿紙1は、スムーザボトムロール12bの表面平滑度がフェルト6aよりも高いので、第1のニップ部Nの出口でフェルト6aから分離してスムーザボトムロール12bの表面に転移される。スムーザボトムロール12bの表面に転移された湿紙1は、第2のニップ部Nに移送される。
【0032】
第1のニップ部Nの下流側で、スムーザボトムロール12bは、スムーザトップロール12aとの間で第2のニップ部Nを形成している。スムーザトップロール12a及びスムーザボトムロール12bは、表面平滑度を高くするため、表面に硬質材としてのハードカバー(例えば硬質ゴムやセラミック溶射等)が装着されている。
【0033】
案内ロール18を経て湿紙1とともに第2のニップ部Nに通される通紙ベルト13は、弾性部材(例えばゴム製)からなり表面が滑らかで微通気性(即ち若干の水分吸収可能)を有する。通紙ベルト13は、湿紙1とともにニップ部Nを通ることにより湿紙1の通紙性を向上させ、またニップ部Nで弾性変形を起こし、ニップ幅を確保できるようにしている。
【0034】
また通紙ベルト13は、スムーザボトムロール12bの表面平滑度よりも低い表面平滑度をもたせることで、湿紙1をニップ部Nの出口でスムーザボトムロール12bの表面に転移させるようにしている。湿紙1は、通紙ベルト13とともにスムーザトップロール12a及びスムーザボトムロール12bのニップ部Nでニップ圧が加えられ、湿紙1両面の平滑化処理が行われる。その後、通紙ベルト13よりスムーザボトムロール12bのほうが表面平滑度が高いので、湿紙1は引き続きスムーザボトムロール12bの表面に付着したまま搬送される。
【0035】
その後、湿紙1は、カンバス7cとともにドライヤパート3に移送され、1番ドライヤロール3aから図示しない2番ドライヤロール、3番ドライヤロールと順に経由し、湿紙1の乾燥が行なわれる。なお図1中の符号20a、20bは真空ロールである。また、符号14から19及び22は、湿紙1、フェルト6a、6b及び通紙ベルト13等を支持し、それらの移動経路を決める案内ロールである。図1には、ダブルフェルトプレスの下流側にスムーザプレスを設置した場合のマシン構成を示したが、本発明は2基のダブルフェルトロールプレスあるいは2基のダブルフェルトシュープレス(通常タンデムプレスと称呼される)の個々のプレスニップへ適用する事も可能である。
【0036】
次に本実施形態の主要部である再湿抑制装置30の構成を図2及び図3に基づいて説明する。図2は再湿抑制装置30の縦断立面図、図3は最上流側に配置されたピックアップブレードの斜視図である。図2及び図3において、再湿抑制装置30は脱水用最終プレス4を構成するシューモジュール4aとプレスブトムロール4bのニップ部の直下流側で上側フェルト6aの背面側に設けられている。再湿抑制装置30のハウジング31は、隔壁34によって白水回収空間32と真空形成空間33とに区画されている。隔壁34は、白水回収空間32と真空形成空間33とを湿紙搬送方向に仕切る側壁341と、湿紙搬送方向上流側に延設されて白水回収空間32の底面を形成する底壁342とからなる。
【0037】
ハウジング31の下面には、湿紙搬送方向上流側から第1ピックアップブレード35a、第2ピックアップブレード35b及び第3ピックアップブレード35cが順に設けられている。これらピックアップブレードはセラミックで構成されている。これらピックアップブレード間には、間隔iがもうけられ、ピックアップブレードの背面側は、底壁342によって区画され真空形成空間33に連通する吸引路331が設けられている。また、真空形成空間33には、真空形成空間33を減圧するための図示しない真空ポンプに接続する接続口36が設けられるとともに、白水回収空間32の奥には、底壁342に開口する排出口37aに接続された白水の排出管37が取り付けられている。
【0038】
湿紙1が脱水用最終プレス4のシューモジュール4aとプレスボトムロール4bとのニップ部を通ると、湿紙1から分離されて白水wが上下フェルト6a及び6bから飛び散るスプラッシュsが生じる。あるいは白水wが上側フェルト6aの背面上を上側フェルト6aとともに伴送してくる。
一方、再湿抑制装置30には、湿紙搬送方向上流側に面してハウジング31と底壁342との間に開口311が設けられ、湿紙1から分離し上側フェルト6aの背面側に飛び散った白水wは、開口311からハウジング31内の白水回収空間32に入り込む。
【0039】
また、上側フェルト6aの背面上で伴送してくる白水は、第1ピックアップブレード35aの先端上面で掬い上げられ、開口311から白水回収空間32に入り込む。白水回収空間32に入り込んだ白水wは、底壁342の上面342a上を流れて排出口37aに達し、排出管37から外部に排出される。
【0040】
図3は、第1ピックアップブレード35aの先端部を示す断面図である。第1ピックアップブレード35aのブレード面351は上側フェルト6aに沿って略上側フェルト6aに接する位置に配置されている。そして、第1ピックアップブレード35aの先端部は、上側フェルト6aの背面上で伴送してくる白水を掬い取るのに好適な1.0〜10.0mmのRが形成されている。
【0041】
第1ピックアップブレード35a及び第2ピックアップブレード35bの上側フェルト6aに接するブレード面351及び352には、図4及び図5に示すような凹溝353及び354が刻設されている。凹溝353又は354はブレード面351又は352に対して長方形状に開口している。図4において、第1ピックアップブレード35aのブレード面351には、湿紙搬送方向aに対してある傾斜角αをもって複数の凹溝353が並設されている。凹溝353は湿紙搬送方向aの上流側から下流側に向かって溝深さが漸増するように構成されている。
【0042】
一方、第2ピックアップブレード35bのブレード面352には、湿紙搬送方向aに対して凹溝353とは対称に−αだけ傾斜した複数の凹溝354が並設されている。凹溝354も、凹溝353と同様に、湿紙搬送方向aの上流側から下流側に向かって溝深さが漸増するように構成されている。
【0043】
再湿抑制装置30では、図示しない真空ポンプを稼動させることによって、真空形成空間33の空気を外部に排出することによって、真空形成空間33を真空状態とする。真空形成空間33は吸引路331を介して各ピックアップブレードの背面側に連通している。そのため、各ピックアップブレード間の間隔iから上側フェルト6aを吸引して、上側フェルト6a中の白水を吸引する。また、第1ピックアップブレード35a及び第2ピックアップブレード35bのブレード面351及び352に形成された凹溝353及び354も吸引路331に連通しているので、真空状態となり、これら凹溝でも上側フェルト6aを吸引する作用をもつ。
【0044】
凹溝353及び354は湿紙搬送方向の上流側から下流側に向かって溝深さが漸増するように構成されているので、フォイル効果を発現しやすい構造となっており、これら凹溝内の真空状態を保持することができる。このように、各ピックアップブレード間の間隔i及び凹溝353及び354からの吸引作用が上側フェルト6aを通して湿紙1に作用するため、湿紙1は上側フェルト6aに担持されて搬送される。
【0045】
図4に示すように、第1ピックアップブレード35aのブレード面351は大きな曲率半径Rをもつ曲率を有し、上側フェルト6a側に突出する円弧状をなしている。また、案内ロール16によってブレード面351の位置で下側フェルト6bが湿紙1から離れるようにガイドされる。かかる構成によって、下側フェルト6bを湿紙1から容易に離すことができる。
【0046】
下側フェルト6bから下方にスプラッシュした白水は、重力の作用でそのまま下方に落下し、さらに、前記のように、下側フェルト6bは第1ピックアップブレード35aの位置で湿紙1から離れるので、上下フェルト6a及び6bからの湿紙1への白水の逆流が低減される。なお、第2ピックアップブレード35b及び第3ピックアップブレード35cの上側フェルト6aに接するブレード面は平面状に形成されている。
【0047】
このように、本実施形態によれば、脱水用最終プレス4の直下流側に再湿抑制装置30を設けるとともに、下側フェルト6bを再湿抑制装置30の設置位置で湿紙1から離す案内ロール16を設けたことにより、脱水用最終プレス4のニップ部で湿紙搬送方向下流側に飛び散った白水や、該ニップ部の下流側で上側フェルト6aの背面上を伴送する白水が湿紙1に逆流するのを抑制し、又、湿紙上側フェルト、下側フェルトの両方に挟まれている時間(言い換えれば速度が決まると距離に相当)を低減する事により湿紙1の水分含有量を低減することができる。この再湿による湿紙水分の増加は2〜6重量%程度であり、再湿による湿紙1の水分増加を押えることにより、最終湿紙水分を低減することができる。
【0048】
なお、本実施形態において、第1ピックアップブレード35a及び第2ピックアップブレード35bのブレード面351および352に凹溝353及び354を設けたが、第3ピックアップブレード35cのブレード面355に対してもフォイル効果を付与するために、凹溝を設けるようにしてもよい。逆に、第1ピックアップブレード35aのみ凹溝を有し,下流の第2及び第3ピックアップブレードの35b、35cは凹溝を有しない構造でも良い。これは、湿紙の重さ(坪量g/m2/湿紙濃度%/100)と抄紙速度によって変更し得るものである。
【0049】
また、本実施形態において、図5に示すように、凹溝351及びを湿紙搬送方向aに対してαだけ傾けたことにより、吸引作用を湿紙1の紙幅方向に均一に作用させることができる。そのため、湿紙1の紙幅方向に均一な吸引作用を含めた均一な履歴を与えることができ、局所的脱毛などフェルトへ局所的なダメージを与えるおそれがない。
【0050】
さらに、第1ピックアップブレード35aで凹溝353は湿紙搬送方向aに対して傾斜角αをもうけているため、湿紙1が凹溝353を通過する時に紙幅方向の一方に偏った分力を受け、そのため、湿紙1が蛇行するおそれがあるが、本実施形態では、図5に示すように、第2ピックアップブレード35bの凹溝354を湿紙搬送方向aに対して凹溝353とは対称に−αだけ傾斜させているので、湿紙1が第1ピックアップブレード35aで受ける紙幅方向の分力と第2ピックアップブレード35bで受ける紙幅方向の分力とを吊り合わせることができる。そのため、湿紙1が紙幅方向の一方に偏ったり、蛇行したりすることがない。
【0051】
また、本実施形態では、第1〜第3ピックアップブレード35a、35b及び35cをセラミックで構成しているので、金属製のように錆びることがなく、耐熱性及び耐摩耗性が良好であるので、樹脂製又は金属製と比べて大幅な長寿命化を可能とする。また、熱膨張しないので、良好な寸法精度を得ることができる。
(実施形態2)
【0052】
本発明の第2実施形態を図6に基づいて説明する。図6の(a)は、第1ピックアップブレード40aのブレード面401及び第2ピックアップブレード40bのブレード面402に前記第1実施形態とは別の形状の凹溝を設けた実施形態である。ブレード面401及び402に設けられた凹溝は、ブレード面に対して長方形状の開口部を有し、左半分が湿紙搬送方向aに対して傾斜角αをもった凹溝403aであり、右半分が湿紙搬送方向aに対して傾斜角−αをもった凹溝403bで構成されている。その他の構成は、図5に示す凹溝353,354と同一である。例えば、湿紙搬送方向下流側に向かって溝深さが漸増している。
【0053】
かかる構成の凹溝403a及び403bにより、湿紙1には湿紙1の紙幅方向に均一な履歴を与えることができ、局所的なダメージを与えるおそれがなく、また、湿紙1に加わる紙幅方向の分力は湿紙1の中心から左側は左に、右側は右に向うように付加され、かつ左右の分力は等しくなるので、湿紙1には、湿紙中央付近を基準として紙端方向に力が作用する所謂湿紙の幅方向への拡張作用が働くので湿紙1に皺が寄ったり、蛇行したりすることがない。
【0054】
図6の(b)は、該凹溝の別の例を示す。図6(b)において、第1ピックアップブレード50aのブレード面501に刻設された凹溝503は、湿紙搬送方向aに対して傾斜して配置されているとともに、湿紙搬送方向下流側に向かって徐々に幅広となるように形成されている。第2ピックアップブレード50bに刻設された凹溝504は、湿紙搬送方向aに対して凹溝503と対称となるように逆方向に傾斜し、湿紙搬送方向下流側に向かって徐々に幅広となるように形成されている。その他の構成は図5に示す凹溝353,354と同一である。
【0055】
かかる構成の凹溝503及び504では、湿紙搬送方向aに対して傾斜しているので、湿紙1の紙幅方向に均一な履歴を与えることができ、局所的なダメージを与えるおそれがない。また、湿紙搬送方向下流側に向かって徐々に幅広となるように形成されているので、図5の凹溝353,354より凹溝の開孔面積が増加するので凹溝の湿紙搬送方向上流側末端まで真空状態を形成しやすく湿紙1をより安定して保持する事が可能となる。
【0056】
図6の(c)は、さらに凹溝の別の例を示す。図6(c)において、第1ピックアップブレード60aのブレード面601に刻設された凹溝603は、湿紙搬送方向aに対して傾斜して配置されているとともに、湿紙搬送方向上流側で幅広に形成され、下流側に向かって徐々に幅狭となるように形成されている。第2ピックアップブレード50bに刻設された凹溝504は、湿紙搬送方向aに対して凹溝503と対称となるように逆方向に傾斜し、湿紙搬送方向下流側に向かって徐々に幅狭になるように形成されている。その他の構成は図5に示す凹溝353,354と同一である。
【0057】
かかる構成の凹溝603及び604では、湿紙搬送方向aに対して傾斜して配置されることによる作用効果に加えて、該凹溝の湿紙搬送方向先端部で確実に真空状態を形成できる。従って、ブレード面601及び602の先端まで確実に真空状態を形成できることが特徴である。
【0058】
図6の(d)は、ピックアップブレード70の上側フェルト6aに接するブレード面701に、凹溝の代わりに多数の貫通孔702を分散配置した例を示す。貫通孔702は湿紙搬送方向aの方向に傾斜して配置されている。貫通孔702はブレード面701に対して直交する方向に配置してもよいが、図6(d)に示すように、湿紙搬送方向aに向けて傾斜させれば、上側フェルト6aから吸引した白水の流動抵抗を少なくし、吸引効果を増すことができる。
(実施形態3)
【0059】
次に本発明の第3実施形態を図7及び図8に基づいて説明する。図7において、ピックアップブレード80は、最上流側に配置される第1ピックアップブレード又はその後続に配置されるピックアップブレードのどちらかに限定されず、両者に共通に使用されるピックアップブレードとする。ピックアップブレード80の上側フェルト6aに接するブレード面81には、湿紙搬送方向aに複数の凹溝82が刻設されている。図5の凹溝353又は354と同様に、凹溝82がブレード面81に開口する開口部の形状は長方形をなし、該長方形の長手軸方向は湿紙搬送方向aに対して傾斜しているとともに、溝深さは湿紙搬送方向下流側に向かって漸増している。
【0060】
ピックアップブレード80の湿紙搬送方向上流側に紙幅方向に圧縮空気供給孔83が穿設され、圧縮空気供給孔83は図示されない圧縮空気供給装置85と管路86で連通されている。また、圧縮空気供給孔81と各凹溝82の湿紙搬送方向上流側端は空気流路84で連通されている。各凹溝82の湿紙搬送方向下流側は、図2に示す吸引路331を介して白水回収空間32に連通している。なお、図7において、凹溝82は紙幅方向に等間隔に配列されるが、凹溝82及び空気流路84は一部のみ図示され、その他は省略されている。
【0061】
かかる構成において、圧縮空気供給装置85から圧縮空気供給孔83に圧縮空気cが供給されると、圧縮空気cは空気流路84を通って各凹溝82の湿紙搬送方向上流側端に流入する。各凹溝82内を圧縮空気cが高速で湿紙搬送方向aに向かって流れると、各凹溝82内が負圧となる。各凹溝82内が負圧となることによって、上側フェルト6aを吸引する吸引力が働き、上側フェルト6aから白水を吸引することができる。このように、本実施形態では、圧縮空気cによって上側フェルト6aを吸引する吸引力を発生させることができるので、真空形成手段が不要になる。
【0062】
図8は、圧縮空気を用いた前記第3実施形態の変形例を示す。図8において、ピックアップブレード90は、図7のピックアップブレード80と同様に、最上流側に配置される第1ピックアップブレード又はその後続に配置されるピックアップブレードのどちらかに限定されないピックアップブレードとする。この変形例は、前記第3実施形態でピックアップブレード80の内部に圧縮空気供給孔83を穿設する代わりに、ピックアップブレード90の外部で湿紙搬送方向a上流側端面に容器93を装着し、該圧縮空気供給孔83の代替とするものである。
【0063】
ピックアップブレード90の上側フェルト6aに接するブレード面91に複数の凹溝92が並設され、これら複数の凹溝92と容器93とが空気流路94で連通している。凹溝92は図7に示す凹溝82と同一の構成をなすものとする。かかる構成によって、圧縮空気供給装置95から管路96を介して容器93に圧縮空気cが供給されと、圧縮空気cは空気流路94を介して各凹溝92の湿紙搬送方向上流側端に供給させる。各凹溝92に圧縮空気cが供給され、圧縮空気cが各凹溝93内で湿紙搬送方向aに高速で流れると、前記第3実施形態と同様に、各凹溝92内が負圧となることによって、上側フェルト6aをピックアップブレード90に吸引する吸引力が働く。そのため、上側フェルト6aから白水を吸引することができる。
【0064】
この変形例によれば、前記第3実施形態のように、ピックアップブレード80の内部に圧縮空気供給孔83を穿設する代わりに、容器93をピックアップブレード90に取り付けるだけでよいので、ピックアップブレード90の加工費を低減することができる利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、抄紙機のプレスパートにおいて、脱水用プレス装置を通した後の湿紙に湿紙からフェルト側に分離された白水が湿紙に逆流するのを抑制して、脱水効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施形態の構成図である。
【図2】前記第1実施形態の再湿抑制装置30の縦断立面図である。
【図3】前記再湿抑制装置30の一部拡大図である。
【図4】前記再湿抑制装置30の一部拡大斜視図である。
【図5】(a)は前記再湿抑制装置30の一部の模式図であり、(b)は(a)中のA−A断面図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の第2実施形態及びその変形例を示す模式図であり、(d)はさらに別な変形例を示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態の斜視図である。
【図8】前記第3実施形態の変形例の斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 湿紙
2 プレスパート
4 脱水用最終プレス
4a シューモジュール
4b プレスボトムロール
6a 上側フェルト
6b 下側フェルト
16 案内ロール(ガイド手段)
30 再湿抑制装置
33 真空形成空間
35a 第1ピックアップブレード
35b 第2ピックアップブレード
35c 第3ピックアップブレード
36 ポンプ(真空吸引装置)への接続口
37a 排出口
84,94 空気流路(圧縮空気流路)
85,95 圧縮空気供給装置
331 吸引路
342a 底壁上面(排出路)
351,352 ブレード面
353,354 凹溝
702 貫通孔
i 間隔
曲率半径
w 白水
s スプラッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抄紙機のプレス工程で、湿紙を吸水性のフェルトで挟んでプレス装置間を通して加圧脱水した後、脱水された白水が湿紙に逆流するのを抑制する再湿抑制方法において、
前記プレス装置の直下流側に上側フェルトの背面に設けたピックアップブレードで該上側フェルトの背面側に分離した白水を掬い取るとともに、
上側フェルトの背面と該上側フェルトの背面に対面する該ピックアップブレードのブレード面との間に負圧を形成することによって、湿紙を該上側フェルトに吸引させるとともに、
該ピックアップブレードの設置位置を起点として下側フェルトを上側フェルトから離すように下側フェルトをガイドすることにより、前記プレス装置の直下流側で湿紙を上側フェルトのみに担持させることを特徴とする湿紙の再湿抑制方法。
【請求項2】
前記上側フェルトの背面に対面するピックアップブレードのブレード面に該上側フェルト背面側に突出する断面円弧状の曲率を設け、該曲率部分を起点として下側フェルトを湿紙及び上側フェルトから離すようにガイドすることを特徴とする請求項1に記載の湿紙の再湿抑制方法。
【請求項3】
前記上側フェルトの背面に対面する該ピックアップブレードのブレード面に設けられた凹溝又は貫通孔に負圧を形成させることによって、上側フェルトの背面と該ブレード面間に負圧を形成させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の湿紙の再湿抑制方法。
【請求項4】
抄紙機のプレスパートで、湿紙を吸水性のフェルトで挟んで加圧脱水するプレス装置の下流側で、脱水された白水が湿紙に逆流するのを抑制する再湿抑制装置において、
前記プレス装置の直下流側で上側フェルトの背面に設けられ該上側フェルトの背面側に分離した白水を掬い取るピックアップブレードと、
上側フェルトの背面と該上側フェルトの背面に対面する該ピックアップブレードのブレード面との間に負圧を形成する手段と、
該ピックアップブレードの設置位置を起点として下側フェルトを上側フェルトから離すように下側フェルトをガイドするガイド手段と、を備え、
前記プレス装置の直下流側で湿紙を該上側フェルトのみで担持させるように構成したことを特徴とする湿紙の再湿抑制装置。
【請求項5】
前記上側フェルトの背面に対面するピックアップブレードのブレード面に該上側フェルト背面側に突出する断面円弧状の曲率を設け、該曲率部分を起点として下側フェルトを湿紙及び上側フェルトから離すようにガイドしたことを特徴とする請求項4に記載の湿紙の再湿抑制装置。
【請求項6】
前記負圧形成手段が、前記ピックアップブレードに設けられ該ピックアップブレードのブレード面に開口する凹溝又は貫通孔と、該凹溝又は貫通孔の内部に負圧を形成する真空吸引装置とからなることを特徴とする請求項4に記載の湿紙の再湿抑制装置。
【請求項7】
前記負圧形成手段が、前記ピックアップブレードに設けられ該ピックアップブレードのブレード面に開口する凹溝と、該凹溝の一端近傍に接続される圧縮空気流路と、該圧縮空気流路に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置とからなり、該凹溝内に圧縮空気を供給することにより負圧を形成することを特徴とする請求項4に記載の湿紙の再湿抑制装置。
【請求項8】
前記ピックアップブレードと、該ピックアップブレードで掬い取られた白水を外部に排出する排出口に導く排出路と、前記負圧形成手段とを一体的に構成したことを特徴とする請求項4に記載の湿紙の再湿抑制装置。
【請求項9】
前記ピックアップブレードを湿紙搬送方向に沿って間隔を開けて複数段設け、最上流側のピックアップブレードのブレード面に前記曲率を設け、後続するピックアップブレードのブレード面を平面としたことを特徴とする請求項5に記載の湿紙の再湿抑制装置。
【請求項10】
前記凹溝を前記真空吸引装置による吸引方向に向かってあるいは前記圧縮空気の流れ方向下流側に向かって溝深さが漸増するように構成したことを特徴とする請求項6又は7に記載の湿紙の再湿抑制装置。
【請求項11】
前記凹溝を湿紙幅方向に傾斜して設けるか、又は前記貫通孔を湿紙幅方向に分散して配置したことを特徴とする請求項6又は7に記載の湿紙の再湿抑制装置。
【請求項12】
前記ピックアップブレードをセラミックで構成したことを特徴とする請求項4又は9に記載の湿紙の再湿抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−308781(P2008−308781A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156879(P2007−156879)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(507009216)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (76)
【Fターム(参考)】