説明

溶接ワイヤ用のペールパック

【課題】リサイクルが容易で、強度及び運搬性が向上した溶接ワイヤ用のペールパックを提供する。
【解決手段】胴体を形成する円筒状の外筒10上記外筒10の下端部の内側に提供され、上記外筒10の下端部の内周面に接するように、その枠から下側に折り曲げられて形成された支持部40を有する下板20そして、上記外筒10に内接して提供され、内部に溶接ワイヤの巻取層が収容される多角形の断面を有する多角筒30を含んでなる溶接ワイヤ用のペールパックを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶接ワイヤ用のペールパックに関するものであって、より詳しくはリサイクルが容易で、強度及び運搬姓が向上した溶接ワイヤ用のペールパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動及び半自動の溶接装置で使用されている溶接ワイヤは、ワイヤの巻取方式により大きく、スプール巻取方式とペールパック巻取方式に区分することができる。
【0003】
ここで、ペールパック巻取方式の場合、溶接ワイヤはペールパック容器の内部に巻き取られ、上記ペールパック容器の構造は大別して、外筒のみからなる単筒状の構造と外筒と内筒から構成された二重構造に分けられる。
【0004】
ペールパックの巻き取りは、大量の溶接ワイヤを巻き取られた状態で保管するため、作業時に上記溶接ワイヤの円滑な送給が行われるようにしなければならなく、溶接ワイヤが大容量で巻き取られることにより、長時間の溶接作業に主に所要される。
【0005】
従って、上記溶接ワイヤ用のペールパックは、長時間の溶接作業または連続溶接作業などの環境下でも溶接作業の能率を向上できるようにするため、その使用量が増えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述した従来の溶接ワイヤ用のペールパックは、次のような問題点があった。
【0007】
第一、従来の溶接ワイヤ用のペールパックは、その内部に巻き取られた溶接ワイヤを引き出す過程でねじれ(kink)及びもつれ(tangle)が発生して送給性が低下することを防止するために、加圧板を提供して巻き取られた上記溶接ワイヤの上側で加圧するようにする。
【0008】
しかし、溶接ワイヤが収納される外筒と加圧板との間に空間が形成され、上記加圧板の外側に離脱する溶接ワイヤを拘束し難く、このために別途の装置が追加的に提供されなければならなくなり、構造が複雑になり、製造単価が上昇するという問題点があった。
【0009】
第二、上記ペールパックの外筒は紙で製造したが、内部に300kg以上の溶接ワイヤが収容される特性上、重い荷重を耐え難かった。このために、下板をスチール材質にしたり、上記ペールパックの多数箇所にスチール材質のフレームボルトなどを使用して強度を補強したが、リサイクルの際に上記スチール材質のフレームと紙材質の胴体を煩わしく分離しなければならないため、リサイクルが困難であるという問題点があった。
【0010】
第三、上記ペールパックに使用される紙は接着剤で接着して使用され、このような紙を焼却する場合には、接着剤が燃焼されながら有毒ガスを発生させるようになり、作業者の健康に有害であり、大気も汚染させるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような問題点を解決するために、本発明はリサイクルが容易であり、強度及び運搬性が向上した溶接ワイヤ用のペールパックを提供することを目的とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は胴体を形成する円筒状の外筒;上記外筒の下端部の内側に提供され、上記外筒の下端部の内周面に接するように、その枠から下側に折り曲げられて形成された支持部を有する下板;そして、上記外筒に内接して提供され、内部に溶接ワイヤの巻取層が収容される多角形の断面を有する多角筒を含んでなる溶接ワイヤ用のペールパックを提供する。
【0013】
ここで、上記溶接ワイヤの巻取層の上側には、上記多角筒の内部の断面形状に対応する形状の加圧板が提供されることが好ましい。
【0014】
また、上記溶接ワイヤの巻取層の上側には中空型の円板状の加圧部と、上記加圧部の外周縁に上記多角筒それぞれの角に対応するように、放射状に突設された弾性突出部が提供されることが好ましい。
【0015】
一方、上記掛け部が提供された両端部は上記外筒の両側を貫通して露出され、中央部は上記下板の両側に形成された開口部を貫通し、上記下板の下面を囲むように配置された掛けバンドが提供されることが好ましい。
【0016】
そして、上記開口部は上記支持部が折り曲げられる部分に、上記掛けバンドの幅と厚さに対応するように、上記下板の直径方向にお互い対向するように形成されることが好ましい。
【0017】
また、上記掛けバンドの中央部は、上記下板の中心部を貫通するボルト部材とナット部材に結合され、上記下板に固定されることが好ましく、上記掛けバンドはポリプロピレン材質からなることが好ましい。
【0018】
そして、上記多角筒と上記外筒との間には、一側が上記外筒の内側に接し、他側は上記多角筒の各面の外側に接して支持構造をなすように、上記多角筒の長手方向に支持部材が提供されることが好ましい。
【0019】
このとき、上記支持部材は円筒状の断面を有することが好ましい。
【0020】
また、上記下板の上面と上記多角筒の下側との間には、上記外筒の内部の断面形状に対応する底補強板がさらに提供されることが好ましい。
【0021】
そして、上記支持部の内周面に密着するように挿入された内部補強部材がさらに提供されることが好ましい。
【0022】
また、上記外筒、下板、多角筒、そして支持部材は積層された後、プレス加工により圧着して形成される紙材質からなることが好ましい。
【0023】
そして、上記外筒と上記多角筒との間には、上記多角筒を囲むようにビニル材質からなる防湿バックが提供されることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
後述するように、本発明による溶接ワイヤ用のペールパックは、次のような効果を提供する。
【0025】
第一、外筒、下板、多角筒、そして支持部材及び各種の構成部材が幾重を積層し、金型を利用したプレス加工により圧着して成形する紙材質からなることにより強度が補強でき、上記溶接ワイヤ用のペールパックのリサイクル性が向上する。
【0026】
第二、掛けバンドはその中央部が上記下板の両側に形成された開口部を貫通して上記下板の外側の下面を囲むように提供されることにより、上記溶接ワイヤ用のペールパックをより安定的に運搬することができる。
【0027】
第三、多角筒が多角形の断面に形成されることにより、上記多角筒の内部に収容される溶接ワイヤの巻取層から離脱した溶接ワイヤが上記加圧板の外側に突出されても、上記の離脱した溶接ワイヤは角度をなしながら形成された上記多角筒の各面に接して拘束し、上記溶接ワイヤの離脱増加が防止できる。
【0028】
第四、加圧板の一側が上記多角筒の内側面に接して拘束するように形成されることにより、上記加圧板の回転が防止でき、上記加圧板を上下方向に移動するように案内する別途の装置がなくても円滑な移動が可能になる。
【0029】
また、上記のように別途の装置が要求されないため、製造性及び生産性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、上記の目的を具体的に実現できる本発明の好適な実施例を、添付する図面を参照して説明する。
【0031】
図1は本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの分解斜視図であり、図2は本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切断斜視図である。
【0032】
図1及び図2で示されるように、上記溶接ワイヤ用のペールパックは外筒10、下板20、多角筒30、そして支持部材40を含んでなることが好ましい。
【0033】
ここで、上記外筒10の下端部の内側には下板20が提供され、上記外筒10に内接して多角形の断面を有する多角筒30が提供され、その内部に溶接ワイヤの巻取層80が収容される。
【0034】
そして、上記多角筒30と上記外筒10との間には、上記支持部材40が提供されて上記多角筒30を支持する。
【0035】
詳しくは、上記外筒10は円筒状からなることが好ましく、上記外筒10の内側の下端部には下板20が提供され、上記下板20の枠は下側にベンドされて支持部22に形成される。
【0036】
このとき、上記支持部22は上記外筒10の下端の内周面と密着して結合されるが、上記支持部22及び外筒10の下端は地面に共に接触するようになる。
【0037】
ここで、上記支持部22は上記外筒10と下板20が結合される空間をなすとともに、上記下板20の下部を安定的に支持するようになる。
【0038】
即ち、上記支持部22は上記下板20の外周縁の曲げ及び引張応力に対する剛性を増大させることにより、構造的に上記下板20の下部支持構造の強度を補強することができる。
【0039】
従って、上記下板20の上面に重い荷重の溶接ワイヤの巻取層80が収容されても、堅固な支持状態を維持できるようにする。
【0040】
ここで、上記支持部22と上記外筒10の下端の接触部には、ステープラー装置により円周方向に沿って所定角度の間隔を置いて締結された多数個のステープラーピン25により固定されることが好ましい。
【0041】
さらに、上記ステープラーピン25の代わりに円周方向に沿って裁縫された紐により結合されることも可能である。
【0042】
一方、上記外筒10の内側には、多角形の断面を有して上記外筒10の長さに対応する筒状の多角筒30が提供されることが好ましく、上記多角筒30の内側の中央部には円筒状の内筒(未図示)が選択的に提供される。
【0043】
ここで、上記多角筒30はその外側が上記外筒10の内周面に接するように提供されることが好ましく、上記多角筒30の下端部は上記下板20の上側面に接するように提供されることが好ましい。
【0044】
そして、上記多角筒30の内部には、溶接ワイヤが巻かれる方式で積層された溶接ワイヤの巻取層80が収容される。
【0045】
また、上記多角筒30の各面の外側と上記外筒10の内側との間には、上記多角筒30の各面を支持するための支持部材40が提供されることが好ましい。
【0046】
ここで、上記支持部材40は上記多角筒30の長手方向に上記多角筒30の長さに対応する長さに提供されることが好ましい。
【0047】
上記外筒10、下板20、多角筒30、そして支持部材40は幾重を積層して、金型を利用したプレス加工により圧着して成形する紙材質からなることが好ましく、これにより上記溶接ワイヤ用のペールパックのリサイクル性を向上させることができる。
【0048】
上記下板20の中央部には、上記下板20を貫通してボルト部材34が締結されることが好ましく、上記ボルト部材34の上端には固定リング32が提供される。
【0049】
上記下板20の内側と外側には上記ボルト部材34に結合され、上記ボルト部材34を固定するためのナット部材36がそれぞれ結合される。
【0050】
上記溶接ワイヤの巻取層80の上側には、上記溶接ワイヤの巻取層80を加圧するための加圧板35が提供され、上記加圧板35の上側には据置台91が提供される。
【0051】
ここで、上記据置台91は上記加圧板35の上面に接して上記加圧板35を横切るように提供されることが好ましい。
【0052】
そして、上記据置台91の両側は上記多角筒30の角部に位置するように提供されることが好ましいが、これにより上記据置台91が上記多角筒30の内側面に接するようになり、上記据置台91の回転が拘束される。
【0053】
上記固定リング32には、スプリング92の一端が連結され、上記スプリング92の他端は上記据置台91に連結されるが、上記スプリング92の収縮力により上記加圧板35には下向きの外力が適用される。
【0054】
従って、上記加圧板35は上記溶接ワイヤの巻取層80を下側に持続的に加圧し、安定的に固定された状態を維持するようにできる。
【0055】
ここで、上記スプリング92の他端が上記据置台91に連結される方法は、多様な形態に行われる。
【0056】
また、上記据置台91はある特定な形状に限定されるものではなく、その断面が板型、棒型及び角型のように多様な形状からなり得る。また、上記スプリング92の代わりに弾性力を提供できるゴム紐を使用することもできる。
【0057】
一方、上記外筒10と上記多角筒30との間には、上記多角筒30を囲むように防湿バック50が提供されることが好ましい。ここで、上記防湿バック50は湿気が通過しないようにビニル材質からなることが好ましい。
【0058】
上記防湿バック50は上記多角筒30の内部に収容された溶接ワイヤを湿気から保護するためのものであって、上記多角筒30の下部を囲むと共に上記の各支持部材40と上記多角筒30との間に提供される。
【0059】
さらに、上記防湿バック50は上記の各支持部材40と上記多角筒30との間に提供されることが好ましいが、上記の各支持部材40と上記外筒10との間に選択的に提供される。
【0060】
また、上記外筒10の上側には上記溶接ワイヤ用のペールパックを運搬するための掛けバンド60が提供されることが好ましい。
【0061】
図3及び図4は本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの平面図である。
【0062】
図3で示されるように、上記支持部材40はその長手方向に対して折り曲げられた断面形状をなすように提供される。
【0063】
ここで、上記支持部材40の中央部は折り曲げられて折曲部42が形成され、上記折曲部42から両側に同一の長さに延長される延長部44を含む断面形状からなることが好ましい。
【0064】
また、上記折曲部42は上記多角筒30の中央部に接するように提供され、上記延長部44は上記外筒10の内周面に接するように提供されることが好ましい。
【0065】
ここで、上記折曲部42の折曲半径は多様な大きさに形成されることができる。
【0066】
これにより、上記多角筒30の内部に溶接ワイヤが巻き取られるうち、上記多角筒30の各面の中央部に加えられる外力と、溶接ワイヤの巻取層80に外接する上記各面の中央部に持続的に適用される外力が、上記折曲部42により適用される支持力と相衝することもあり得る。
【0067】
従って、上記多角筒30の各面が外側に反ることを防止できる。
【0068】
また、上記支持部材40が折り曲げられた断面形状になることにより、上記多角筒30の各面を支持するための支持強度はさらに補強できる。
【0069】
そして、上記支持部材40は上記折曲部42が上記多角筒30の各面の中央部に接し、上記延長部44が上記外筒10の内側に接するように提供される。
【0070】
従って、上記支持部材40は上記多角筒30の各面の外側と上記外筒10の内周面からなる空間の中央に位置するようになる。
【0071】
また、上記支持部材40は接着剤で接着しなくても、上記の空間で移動したり回転することなく固定されるように提供でき、接着剤が使用されないことによりリサイクルが容易であり、焼却の際に接着剤による有害ガスの発生も防止できる。
【0072】
一方、上記多角筒30の断面形状は上記多角筒30内側の面積を広くすることにより収容される溶接ワイヤの量を増大させ、上記支持部材40の大きさを適切にして支持構造としての機能を十分に果たせるように、六角形及び八角形のいずれかになり得る。
【0073】
このとき、上記多角筒30の断面形状は六角形からなることが好ましい。
【0074】
そして、上記溶接ワイヤの巻取層80の上側には、上記溶接ワイヤの巻取層80を加圧するための加圧板35が提供される。
【0075】
ここで、上記加圧板35はその外側が上記多角筒30の内部の断面形状に対応する形状に形成されることが好ましく、これにより、上記加圧板35は上記多角筒30の内部で回転することなく提供される。
【0076】
そして、上記加圧板35の回転が防止されることにより、その回転を防止するための別途の構成部材が要求されなくて構造的にも単純化することができ、上記溶接ワイヤ用のペールパックを軽量化することができる。
【0077】
また、上記溶接ワイヤの巻取層80から離脱した溶接ワイヤは上記加圧板35の外側に突出しても、角度をなしながら形成された上記多角筒30の各面に接して拘束される。
【0078】
従って、離脱した上記溶接ワイヤの突出が増加することが防止できる。
【0079】
一方、図4で示されるように、支持部材140はその断面形状が円筒状からなり得る。
【0080】
ここで、上記支持部材140の一側は上記外筒10の内側に接し、他側は上記多角筒30の外側面に接する。
【0081】
このとき、上記支持部材140の他側は上記多角筒30の外側面の中央部に接することが好ましい。
【0082】
これにより、上記多角筒30の内部に溶接ワイヤが巻き取られるうち、上記多角筒30の各面の中央部に加えられる外力と、溶接ワイヤの巻取層80に外接する上記各面の中央部に持続的に適用される外力が、上記折曲部42により適用される支持力と相衝することもあり得る。
【0083】
従って、上記多角筒30の各面が外側に反ることが防止できる。
【0084】
一方、上記溶接ワイヤの巻取層80の上側には中空型の円板状の加圧部137と、上記加圧部137の外周縁に突設される弾性突出部138を含んでなる加圧板135が提供されることもできる。
【0085】
このとき、上記弾性突出部138は上記加圧部137の外周縁に上記多角筒30それぞれの角に接するように、放射状に突設されることが好ましい。
【0086】
また、上記弾性突出部138の各端部は、上記多角筒30の各面がなす角度に対応するように形成されることが好ましく、各端部が上記多角筒30の内側面に所定の長さに接するように提供される。
【0087】
これにより、上記弾性突出部138は各端部が上記多角筒30の各角に密着して拘束され、上記多角筒30の内部での回転が防止できる。
【0088】
そして、上記弾性突出部138はボルト又は接着剤のような結合部材139により結合できる。
【0089】
一方、上記加圧板135の上面に提供される据置台191は、所定の角度をなしながら中央から三つの方向にそれぞれ延長された延長部からなることもできる。
【0090】
このとき、上記の各延長部の端部は上記多角筒30の角部に位置するように形成されることが好ましく、これにより上記据置台191の回転が防止できる。
【0091】
また、上記据置台191と上記固定リング32にはスプリング192が連結され、上記スプリング192により上記据置台191は上記加圧板135を下向きに加圧するようになる。
【0092】
このとき、上記据置台191は三つの方向以上に延長された延長部からなることができ、上記スプリング192の代わりにゴム紐のような弾性体も使用できる。
【0093】
図5は本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの断面図であり、図6は本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの背面図であり、図7は本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの下板の斜視図である。
【0094】
図5〜図7で示されるように、上記外筒10の上側には上記外筒10を貫通して貫通部12がお互い対向するように形成されることが好ましいが、上記貫通部12は上記掛けバンド60の幅と厚さに対応するように形成されることが好ましい。
【0095】
また、上記外筒10の下端部に提供される上記下板20の両側には、上記支持部22が折り曲げられる部分に上記掛けバンド60の幅と厚さに対応するように切開された開口部23が、直径方向にお互い対向するように形成されることが好ましい。
【0096】
そして、上記下板20は上記の各開口部23が上記貫通部12から垂直方向に下側に位置するよう、上記外筒10に結合されることが好ましい。
【0097】
従って、上記掛けバンド60は上記外筒10の外側から上記貫通部12のいずれかを通じて上記外筒10の内側に流入され、垂直に下向延長されて開口部23により上記下板20の外側に導出できる。
【0098】
上記のように、導出された上記掛けバンド60は上記下板20を直径方向に囲むと共に、上記開口部23に対向するように形成された他の開口部23により上記外筒10の内側に再び流入される。
【0099】
以後、垂直に上向延長されて上記外筒10の一側に形成された他の貫通部12により上記外筒10の外側に導出される。
【0100】
このように、上記掛けバンド60が上記下板20の中央を囲むと共に垂直方向に提供されることにより、上記溶接ワイヤ用のペールパックは偏ることなく安定的に運搬できる。
【0101】
一方、上記外筒10の内側に内在される上記掛けバンド60の一部は、上記防湿バック50が破損しないように上記防湿バック50の外側に提供されることが好ましい。
【0102】
そして、上記下板20の外側に流出されて上記下板20の外面に直径方向に接して提供される上記掛けバンド60一部の中央部は、上記ボルト部材34と上記ナット部材36に結合されて固定されることが好ましい。
【0103】
また、上記各貫通部12により外側に導出された上記掛けバンド60の両端部は、それぞれ折れてリベット又は縫裁された紐のような締結具62に結合され、取っ手状の掛け部64が形成されることが好ましい。
【0104】
このとき、上記掛け部64には、上記溶接ワイヤ用のペールパックを運搬するための運搬装置が結合できる。
【0105】
従って、上記掛け部64に結合された運搬装置により上記掛けバンド60が持ち上げられると、上記溶接ワイヤ用のペールパックも持ち上げられる。
【0106】
このとき、上記掛けバンド60の中央部は上記下板20の外側に突出して上記下板20に直径方向に接して固定されることにより、上記溶接ワイヤ用のペールパックの移送がより効率的に行われる。
【0107】
そして、上記掛けバンド60は上記溶接ワイヤ用のペールパックを移送するに十分な強度を有するように、自動車用シートベルトと同様な材質からなり得るが、ナイロン、ポリエステル等の材質からなり得、好ましくはポリプロピレン材質からなり得る。
【0108】
そして、上記掛けバンド60は引張力が増加するようにウィービングされて形成される。
【0109】
図8は本発明の別の実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの断面図である。
【0110】
本実施例による溶接ワイヤ用のペールパックでは、底補強板70及び内部補強部材72がさらに提供されるという点を特徴とし、他の構成は前述した一実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
図8で示されるように、上記下板10の上面には、上記外筒10の内部の断面形状に対応する形状の底補強板70が提供される。
【0112】
これにより、上記底補強板70は上記下板20の強度を補強して、上記溶接ワイヤの巻取層80の荷重から上記下板20を保護することができる。
【0113】
ここで、上記底補強板70は上記下板20の上側に位地した上記防湿バック50の上側に提供されたり、上記下板20と上記防湿バック50との間に選択的に提供される。
【0114】
そして、上記底補強板70の両側には、上記外筒10の内側に内在される上記掛けバンド60が円滑に提供されるように、上記掛けバンド60の厚さと幅に対応するように溝(図示しない)も形成されることができる。
【0115】
一方、上記下板20の支持部22の内周面には、内部補強部材72が密着するようにさらに提供されるが、上記内部補強部材72は上記支持部22が上記下板20に加えられる過度な荷重により内側に折り曲げられることが防止できる。
【0116】
上記底補強板70と上記内部補強部材72は同時に提供されて使用されたり、一つのみ選択的に使用される。
【0117】
また、上記底補強板70と上記内部補強部材72は幾重を積層して、金型を利用したプレス加工により圧着して成形する紙材質からなることが好ましく、これによりリサイクル性が向上する。
【0118】
以上説明したように、本発明は前述した特定の好適な実施例に限定されなく、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく、当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変形の実施が可能であり、このような変形は本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの分解斜視図。
【図2】本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの部分切断斜視図。
【図3】本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの平面図。
【図4】本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの平面図。
【図5】本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの断面図。
【図6】本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの背面図。
【図7】本発明の一実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの下板の斜視図。
【図8】本発明の別の実施例による溶接ワイヤ用のペールパックの断面図。
【符号の説明】
【0120】
10 外筒
20 下板
30 多角筒
35、135 加圧板
40、140 支持部材
50 防湿バック
60 掛けバンド
70 底補強板
80 溶接ワイヤの巻取層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体を形成する円筒状の外筒;
上記外筒の下端部の内側に提供され、上記外筒の下端部の内周面に接するように、その枠から下側に折り曲げられて形成された支持部を有する下板;そして、
上記外筒に内接して提供され、内部に溶接ワイヤの巻取層が収容される多角形の断面を有する多角筒を含んでなる溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項2】
上記溶接ワイヤの巻取層の上側には、上記多角筒の内部の断面形状に対応する形状の加圧板が提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項3】
上記溶接ワイヤの巻取層の上側には、中空型の円板状の加圧部と、
上記加圧部の外周縁に上記多角筒それぞれの角に対応するように、放射状に突設された弾性突出部が提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項4】
上記掛け部が提供された両端部は上記外筒の両側を貫通して露出され、中央部は上記下板の両側に形成された開口部を貫通し、上記下板の下面を囲むように配置された掛けバンドが提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項5】
上記開口部は上記支持部が折り曲げられる部分に、上記掛けバンドの幅と厚さに対応するように、上記下板の直径方向にお互い対向するように形成されることを特徴とする、請求項4記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項6】
上記掛けバンドの中央部は、上記下板の中心部を貫通するボルト部材とナット部材に結合され、上記下板に固定されることを特徴とする、請求項4記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項7】
上記掛けバンドは、ポリプロピレン材質からなることを特徴とする、請求項4記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項8】
上記多角筒と上記外筒との間には、一側が上記外筒の内側に接し、他側は上記多角筒の各面の外側に接して支持構造をなすように、上記多角筒の長手方向に支持部材が提供されることを特徴とする、請求項4記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項9】
上記支持部材は円筒状の断面を有することを特徴とする、請求項8記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項10】
上記下板の上面と上記多角筒の下側との間には、上記外筒の内部の断面形状に対応する底補強板がさらに提供されることを特徴とする、請求項8記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項11】
上記支持部の内周面に密着するように挿入された内部補強部材がさらに提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項12】
上記外筒、下板、多角筒、そして支持部材は積層された後、プレス加工により圧着して形成される紙材質からなることを特徴とする、請求項1または8記載の溶接ワイヤ用のペールパック。
【請求項13】
上記外筒と上記多角筒との間には、上記多角筒を囲むようにビニル材質からなる防湿バックが提供されることを特徴とする、請求項1記載の溶接ワイヤ用のペールパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−149376(P2008−149376A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275540(P2007−275540)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(503375337)株式会社キスウェル (11)
【Fターム(参考)】