説明

溶融ガラスを混合することによるガラスの製造方法

本発明は、主ファーネスを含む主デバイスによって液体主ガラスの主フローを製造すること、浸漬バーナーを有する補助ファーネスを含む補助デバイスによって液体補助ガラスの補助フローを製造することを含み、2つのフローは次いで最終ガラスの単一の合計フローを形成するように混合される、ガラスの製造のためのデバイス及び方法に関する。最終ガラスが着色されたガラスであるように、補助ファーネスを用いて、主ガラスに着色剤を提供する。極端に均質でありかつその物質中に着色された板ガラスを、低遷移時間のシステムを用いて製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる2つの組成のガラスを混合することによる、高い生産性及び低い遷移時間でガラスを製造するための方法及びプラントであって、光学欠陥なく非常に均一なガラス、特に板ガラスを製造するための方法及びプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
2つの異なるガラスからのガラスの製造は有色ガラスを製造するのに特に行なわれる。有色ガラスは種々の方法で製造されている。主ガラスストリームに固体ガラスフリットを添加することができ、前記フリットは溶融しそして主ガラス中に徐々に混合される。フリットは低い投与量で低温で着色セル中に導入され、この着色セルはガラスが形成機械にフィードされる直前のファーネスの実末端フィーダーにある。フリットは、通常、固体片の形態であり、最終ガラスの色を発生させる殆どの顔料を含有している。しかしながら、均質化手段(スターラー)を用いた場合にも、2つのガラスストリームを有効に混合することが非常に困難であり、そのため、最終ガラスは色の点であまり均一でなく、多くの用途に適さない。一般に、このタイプの製造は、中空器具(フラスコ、びんなど)又はプリントされた板ガラス(キャストガラス)に制限され、そしてより一般には、色の均一性の要求性がより低い、小さい物品に転化されるガラスに制限され、一方、大きいサイズの板ガラスのためには不適切である。米国特許第3,627,504号明細書は溶融ガラスストリーム中へのフリットの添加を教示している。
【0003】
有色板ガラスを製造するために、透明なガラスの表面上に着色された材料の少なくとも1つの層を堆積することも可能である。着色された外見であるこの板ガラスは全体が着色されたものでなく、特定の表面層からその色が引き出されるものである。
【0004】
最後に、有色板ガラスを製造するために、バッチ材料と一緒に、ファーネスの前方端部で着色材料を導入することも可能である。しかしながら、このタイプの製造では、着色の変更に対応する遷移時間が常に非常に長く、このことは、ファーネス中のガラスの質量/一日あたりに抜き出されるガラスの質量の比(特に、板ガラスファーネス中の)が高いことが主な原因である。しばしば、数日が必要であり、このことは、遷移ガラスが販売されるのに適さないのでガラスの実質的な損失をもたらす。特に、脱色(着色されたガラスを透明なガラスに戻すこと)は特に時間を要する。というのは、このような場合に、透明なガラスに戻すのをスピードアップする手段がないためであり、一方、ガラスを着色するときに、着色剤の濃縮物を使用し(最終ガラスよりも一時的に高い濃度の着色剤を導入する)、それにより着色プロセスをスピードアップすることができる。長い遷移時間の問題は、たとえば、着色剤が緑の場合のように、赤外線中に吸収する色の場合に、より重要である。実際、緑色の自動車ガラス又はボトル及びフラスコ用ガラスなどの赤外線吸収性ガラスの製造は、炎からファーネスの床への熱伝導性の低下をもたらし、そのため、この床付近のガラスの温度を低下させ、このため、それが粘性になりそして易動性が低くなる。この結果として、コンベクションベルトにブレーキをかけ、最大可能生産量を抑制する。0.6%の酸化鉄を含み、そして0.30のFe2+レドックス(Fe2+レドックスとは鉄イオンの合計量に対するFe2+イオンの量の比である)を有する緑の自動車ガラスは、同一のキュレット含有分で、わずか0.1%の酸化鉄しか含まない透明ガラスよりも約10〜15%低いプルレートをもってフロートガラスファーネス中で製造される。さらに、ガラスの高い吸収性は、生産量が低下されなければならないか又は加熱されるガラスの深さが制限されなければならないことのいずれかを意味する。
【0005】
長い遷移時間の問題(ガラスの着色の変更の場合について上述)は、一般的にガラスの組成の変更及び、特に、ガラスの吸収性の変更において生じる。このことは、ガラスの組成の変更を望む場合にはいつでも、特に、主ガラスに材料を添加することによって少なくとも特定の波長を吸収することができる能力を変更する目的でガラスの組成を変更することを望む場合にはいつでも、バルク全体に非常に均一にこの変更を行なうのに困難が生じ、この問題は、プルレートが高い場合ほど、そして大きな、特に板ガラスからなる物品にガラスを転化させる場合に厳しい。長い遷移時間の問題も一般に生じる。さらに、組成物のための特定の化合物又は添加剤(適切な場合に、吸収性を与える)は耐火性物質に対して腐食性である欠点を有し、大きなファーネスのバッチ装填端へのその添加は全体の大きなファーネスに対して悪影響がある。この点から、本発明では、より小さいサイズの補助プラント及び製造プラントの下流部分(形成ステーションフィーダー及び形成ステーションならびに可能な混合セル)に有害材料の存在を限定することにより、(大きな主プラントの)実質的な量の耐火性物質を特に助けることが可能である。特に、原料として金属を含むもの(たとえば、金属キャップからの金属で汚染されたボトルの破片などの、汚染された又はあまり良好に分別されていないキュレット)を用いる必要があることがある。このような金属を含む材料はファーネスの床に蓄積しそして耐火性物質のジョイントに浸入する傾向があり、損傷を与えたり又は穴を開けることがある。これらの有害材料を小さい補助プラントに限定することにより、耐火性物質の全体としての消耗はより少なくなる。
【0006】
同様に、ある特定の化合物(又は添加剤)の溶融が主ファーネスにとっては高すぎる温度を要求するならば、特に高カロリー値の浸漬バーナーを備えている場合に補助プラントによって最終ガラスに導入することが好ましいことがある。
【発明の開示】
【0007】
本発明は上記の問題を解決する。本発明によると、組成変更のための遷移時間は短くなり、さらに、赤外線吸収性ガラス(特に、一般に酸化第一鉄と酸化第二鉄との混合物である酸化鉄を含む緑のガラス)の製造の際にも、高ガラスプルレートが可能である。これは、従来技術の慣用の溶融では、もし赤外線吸収性顔料がバッチ装填端(ファーネスの前方)で他のバッチ材料と同様に導入されるならば、大気バーナーは液体ガラスの深さにわたって加熱することが非常に困難になるであろう(ガラス自体の吸収性のために)。そのため、プルレートを低下させるか又は浅い深さの液体ガラスを提供するかのいずれかが必要になる。本発明によると、主ファーネスよりも低いプルレートの補助プラントによって最終ガラス中に吸収性要素が主としてフィードされうる。それにより、高いプルレート及び大きいガラス深さを維持することが可能である。このため、主ファーネスは高い特定プルレートを維持することが可能であり、1.4〜2t/d.m2の範囲であることができる。1メートルを超えることがある、溶融ガラスの大きい深さをもって操作することができる。というのは、酸化鉄などの赤外線吸収性要素は補助ガラスによって導入されるからである。補助ファーネスは、ファーネスが低い体積で高い特定プルレートを有するような浸漬バーナーのタイプであることが有利であり、このタイプはさらに遷移時間の低減も補助する。この利点は、もし電気ファーネスを用いて比較を行なうならば、特に重要である。さらに、このような電気ファーネスの電極(一般にMoから製造される)は、特に本発明の内容の範囲の場合のように、高いイオン濃度を有する補助ガラスの存在下に急速に消耗される。
【0008】
本発明の内容の範囲では、補助ガラスの添加によって主ガラスに変更がなされ、これらの2つのガラスの混合物は最終ガラスと呼ばれる。このように、本発明は、ガラスの主ストリーム(主ガラスと呼ぶ)を生じさせる主ファーネスを含む主プラントによって液体主ガラスを製造すること、及び、ガラスの補助ストリーム(補助ガラスと呼ぶ)を生じさせる補助ファーネスを含む補助プラントによって液体補助ガラスを製造することを含む、最終ガラスを製造するためのプラント及び方法に関し、補助ストリームは主ストリームよりも小さく、補助ガラスは主ガラスとは異なる組成を有し、そして、これらの2つのストリームは混合されて最終ガラスからなる単一の合計ストリームを形成する。最終ガラスの組成は、補助ガラスの添加によって変更されているので主ガラスの組成とは異なる。この変更のために、最終ガラスの吸収性は、場合によって、主ガラスと異なることがある。
【0009】
補助ガラスは少なくとも1つの化合物(本明細書中「特定化合物」とも呼ぶこともある)について主ガラスと組成が異なる。このように、本発明は主ガラス中の少なくとも1つの化合物(又は添加剤)の含有分の変更に関し、この変更によって最終ガラスがもたらされる。
【0010】
補助ガラスの機能は主ガラスの特定化合物の含有分を高めるために使用されることができ、この場合、前記化合物の含有分は最終ガラス中よりも補助ガラス中において高く、そして前記化合物の含有分は主ガラス中よりも最終ガラス中において高い。特に、補助ガラスは、主ガラスを着色する着色性ガラスであってよい。この状況で、主ガラスから最終ガラスで化合物の含有分を増加させることが望まれ、そして同一の主ガラスを用いた2つの製造運転で遷移時間をさらに短縮することが望まれている場合に、前記化合物の最終ガラス中の含有分がより急速に達するように、第二の製造運転の開始時に補助ガラス中に注目の化合物を一時的に過多量で添加することが可能である。その後、前記化合物の補助ガラス中の含有分を制御した様式で低減して最終ガラス中の前記化合物の所望の含有分を維持する。
【0011】
補助ガラスの機能は主ガラス中の特定化合物の含有分を低下させることであることができ、その場合には、前記化合物の含有分は最終ガラス中よりも主ガラス中で高く、そして前記化合物の含有分は補助ガラス中よりも最終ガラス中で高い。特に、主ガラスはすでに着色されたガラスであってよく、それに透明補助ガラスを添加することによって脱色することが望まれる。
【0012】
合計ストリームは、一般に、中空器具又は板ガラスを製造するためにガラス形成ステーションにフィードされる。それゆえ、ガラス形成ステーションは、フロートガラスインストーレーションなどの連続板ガラス形成ステーションであることができる。このような設備で、板ガラスは1メートルを超える、一般に2メートルを超えるそしてより一般に3メートルを超える幅の広いリボンとして連続的に製造される。好ましくは、2つの液体(溶融)ガラスが混合されるときに、それらの温度は類似しており、すなわち、互いに100℃を超えて相違しておらず、そして、また、類似の粘度を有する。一般に、2つのストリームは1100℃〜1300℃の温度であり、さらには1100℃〜1200℃である。
【0013】
もし、最終ガラスが吸収性を与える化合物を含むならば、それは、吸収性ガラスとも呼ばれることがある。
【0014】
本発明は、詳細には、主ガラスの吸収性の増加又は減少である、吸収性の変更に関する。減少は特定化合物の含有分を低下させることにより行なわれ、そして増加は前記化合物の含有分の増加によって行なわれることが理解される。
【0015】
補助化合物は、特に、主ガラスの吸収性を変更させることができる。このことはいずれのタイプの電磁線に関する吸収性にも関連し、すなわち、可視線の波長又はUV又は赤外線又はX−線又はα−線又はβ−線又はγ−線の波長、あるいは、これらの範囲の少なくとも2種の波長を有する電磁線に関する吸収性に関連する。
【0016】
主ガラスの吸収性を増加させることが望まれるならば、それより吸収性である補助ガラスが用いられ、それにより、最終ガラスは補助ガラスよりも吸収性が低いが、主ガラスよりも吸収性が高くなる。3つのガラスの吸収性のこの序列は主題の吸収性とする化合物のそれぞれの含有分に反映される。このように、本発明の方法は、特に、主ガラスから最終ガラスに移行するときに特定の顔料の含有分が増加される、ガラスを着色するための方法であることができる。
【0017】
主ガラスの吸収性を低下させることが望まれるならば、それより吸収性が低い補助ガラスが使用され、それにより、最終ガラスは補助ガラスよりも吸収性が高いが、主ガラスよりも吸収性が低くなる。3つのガラスの吸収性のこの序列は主題の吸収性とする化合物のそれぞれの含有分に反映される。このように、本発明の方法は、特に、主ガラスから最終ガラスに移行するときに特定の顔料の含有分が低下される、ガラスを脱色するための方法であることができる。このことは特に以下の利点がある可能性がある。もし主ファーネスが高い含有分の化合物(たとえば、2重量%の酸化鉄)を含む主ガラスを製造し、そして時に、最終ガラスにはより低い割合の前記化合物(たとえば、最終ガラスが1重量%の酸化鉄を含む)が必要であれば、このガラスは、主ファーネスの操作を中断し又は阻害することなく、主ガラスに対して、前記化合物をさらに少量でしか含まない補助ガラス(たとえば、0%の酸化鉄)を添加することにより容易に製造されうる。所望の体積が製造されたときに、補助ガラスの添加を停止し、このようにして、ここでも主ファーネスの操作を阻害することなく、以前の製造を再開する。
【0018】
従来技術によるガラスフリットの使用に関して(着色の目的で)、溶融ファーネスに導入される原材料を用いてガラスの組成(及び適切である場合にその吸収性)を変更することはなく、ファーネスの末端ゾーンに導入して変更する。しかし、本発明の内容の範囲内で、
−フリットはもはや用いず、製造しようとする最終ガラスと(添加剤又は特定化合物などの特定の要素以外の化学組成が)同一であるか又は類似の補助マトリックスガラスを用いる。
−補助ガラスを高温でかつ溶融した状態で主ガラスに導入する。
−主ファーネスの傍らでかつ必要ならばミキシングセルの近くで、補助ガラスを別の設備において製造する。特に、補助ガラスを製造するためのプラントは小さいことがあり、浸漬バーナーの技術を用いるときに特に顕著であり、それにより、一般的な基礎構造に変更を行なうことなく、主プラントの隣に補助プラントを加えることが一般に可能である。
【0019】
さらに、着色の内容の範囲内で、着色性酸化物などの着色性顔料の使用はフリットの使用よりも安価である。
【0020】
主ファーネスは、主に少なくとも1つの大気バーナー(時々、空気バーナーとも呼ばれ、このタイプのバーナーは浸漬されていない)によって一般に加熱される。このことはこのファーネスに供給される熱エネルギーの少なくとも半分は少なくとも1つの大気バーナーによって供給されることを意味する。もし必要ならば、主ファーネスの加熱手段が大気バーナーのみから形成されるような主ファーネスであってもよい。
【0021】
主ファーネスは、溶融ゾーン及び該溶融ゾーンの後にある精製ゾーンを一般に含む溶融ファーネスである。この主ファーネスは、一般に、200〜600m2の範囲、特に300〜500m2の範囲の床面積を有する。必要ならば、この溶融ファーネスの後には、設備のサイズによって床面積が種々であってよい、たとえば、50〜300m2の熱状態調節のためのコンディショニングゾーン又はワーキングエンドがある。主ファーネス、次いで、コンディショニングゾーンを含むことができる主プラントは250〜900m2の床面積を有することができる。
【0022】
補助ガラスを発生する補助ファーネスの場合には、従来の、全電気又は部分電気の溶融技術を選択することができる。このタイプのファーネスは、一般に、十分なレベルの精製(最終製品中のバブルの低い含有分)を提供する。
【0023】
しかしながら、補助ガラスを発生する補助ファーネスは、好ましくは、少なくとも1つの浸漬バーナーを含む。好ましくは、この補助ファーネスは少なくとも1つの浸漬バーナーによって主として加熱される。このことはこのファーネスに供給される熱エネルギーの少なくとも一部、特に、少なくとも半分は少なくとも1つの浸漬バーナーによることを意味する。補助ファーネスは、その加熱手段が浸漬バーナーのみからなるようなものであってよい。実際、浸漬燃焼技術を選択することは、第一に、高い特定プルレートが可能であるために有利であり(たとえば、15t/d.m2のソーダライムガラスキュレットに対応するレートを超えることがある)、たとえば、5〜20t/d.m2である。そのことは短い遷移時間(1つの製造から別の製造に切り替えるための時間、たとえば、ある色から別の色)を必要とする。このことが可能であるのは引き抜かれるガラスの質量に対するファーネス中に滞留しているガラスの質量の比が大きく低減されるからである。このことは、全プラントの全体の遷移時間を実際に決定するのが補助ファーネスの遷移時間であるので有利である。この浸漬バーナー技術は、また、浸漬燃焼技術が提供する強い混合効果のために、本発明の内容で有利であり、このことは補助ガラスの均一性をより良好にする。
【0024】
浸漬バーナーからの攪拌により提供される高い対流熱伝導の結果として、赤外線に強い吸収性のあるガラスを溶融するのが特に困難でない。このことは、着色性ガラスが一般に酸化鉄などの着色剤に富むので特に望ましい。もし、加熱手段がより特に輻射性であるならば(大気バーナー及び浸漬電極の場合)、溶融ガラスのバルク中に急な温度傾斜が観測されうることになり、このことは均一性に有害であるからである。
【0025】
最後に、浸漬バーナーを用いたファーネスの設計は、それが小さい面積を必要としそして非常に熱い超構造でないから、単純である。たとえば、生産量が100t/dで、ソーダライムキュレットを溶融する浸漬燃焼を用いるファーネスは6m2以下の面積を有することができる。
【0026】
補助ファーネスは溶融ファーネスであり、そして一般に、床面積が1〜50m2であり、それゆえ、6m2未満であることが可能である。2つのガラスストリームが混合される前に、補助ガラスは好ましくは精製セル又はリファイナー中で精製される。リファイナーは1〜50m2の床面積を有することができる。このため、補助ファーネス、次いで、リファイナーを含むことができる補助プラントは床面積が2〜100m2であることができる。
【0027】
少なくとも1つの浸漬バーナーを含むファーネスに続く1つの特に適切な精製方法はWO99/35099に記載されるとおりの真空精製である。ここでも、遷移時間を短くするために、最少量の滞留ガラス量を有する精製システムは最良である。静的であるか又は動的回転部材を含む真空精製は好ましい。
【0028】
補助ガラスは主ストリームを形成ステーションに運ぶフィーダー中に注がれることができる。必要ならば、補助ガラス及び主ガラスは、両方とも、形成ステーションの前に配置されたミキシングセル(組成物の変更が色の変更である場合には着色セルとも呼ばれることがある)に注がれてよい。全ての場合に、最終ガラス中の2つのガラスの混合はガラスが形成ステーションに到達する前にスターラーによって均一にされる。
【0029】
ミキシングセルはほぼ正方形又は長方形(上記に見られる)のコンパートメントであってよく、有効に均質化するために十分に強力なスターラーを備えている。このセルのサイズ及びスターラーの数は生産量によって決まる。その操作温度は一般に1100℃〜1300℃であり、特に、1200℃程度である。
【0030】
スターラー(場合により存在するミキシングセル中のものであることができる)は、特に垂直であってよく、そして互いに向かい合った方向に幾つかのレベルの傾斜したブレードを含み、それにより、垂直方方向及び水平方向の混合を同時に行なうことができる。これらのスターラーは、たとえば、ロジウム化白金、耐火性合金、又は、構造セラミック(アルミナ、ムライト−ジルコニウム、ムライトなど)から形成されてよい。後者2つの場合には、適切なバリア層が付着された後にガラスとの接触時に不活性を維持するために白金のプラズマ蒸着を行なう。
【0031】
溶融補助ガラスはバブルの形成を回避するようにして主ガラスに導入される。
【0032】
主ガラスと補助ガラスとを混合した後に得られる最終ガラスは意図した製品の仕様に適合するように均質(特に色について)でなければならず、前記仕様は建設又は自動車のための板ガラスの場合に特に要求される。
【0033】
補助ガラスは、一般に、最終ガラスの質量の20%以下、特に、0.5〜20%、より一般には1〜15%、さらには2〜10%である。
【0034】
最終ガラスのドウ品質を維持するために、特に、低いバブル含有分を確保するために、混合される2つのガラスは酸化還元の観点から一定であることを確保するのが好ましい。このように、もし、金属、好ましくは所与の金属について、この金属のイオンの量(モルもしくは質量基準)/同金属の合計量の比を金属イオンの「レドックス」と呼ぶならば、一方で、主ガラス中のそしてもう一方で補助ガラス中の種々のイオンのレドックス値は、0.1を超えて異なることはない。例をとれば、Fe2+イオンの場合、主ガラス中のFe2+イオンのレドックスが0.2であれば、補助ガラス中のFe2+イオンのレドックスは好ましくは0.2±0.1である。
【0035】
好ましくは、2つのガラスはそれらが実質的に同一の温度である間に混合され、すなわち、それらの温度差は100℃以下である。一般に、補助ガラスを主ガラスと混合するときに、それは両方とも1100℃〜1300℃、さらには1100℃〜1200℃の温度を有する。
【0036】
温度及びレドックスの観点からの2つのガラスの調和におけるこの懸念は、過度に大きく異なると、混合するとすぐにバブルを新たに形成することがあるという事実が生じる。
【0037】
補助ファーネスが少なくとも1つの浸漬バーナーを含むならば、浸漬バーナーの1つの利点は、補助ガラス中のスルフェート含有分(一般に%SO3として表現する)を低下させることである。これは、補助ガラスを有効に攪拌する燃焼ガスにより生じる水が補助ガラスから殆ど全てのスルフェートをストリップするからである。このように、補助ガラスはSO2の気体発生から生じるバブル源とはなることがない。補助ガラスは最終ガラスのレドックスに単に影響を及ぼすために使用されることができる。このことは、ガラス中のスルフェートの溶解度限界は、レドックス(特にFe2+レドックス)が増加するときに減少曲線によって示されることができるからである。このことは、異なるレドックスを有する2つのガラスを混合することが一般に自明なことでない理由である。補助ガラスを製造するための浸漬バーナーを有するファーネスの使用は、この問題に解決手段を与える。というのは、補助ガラスはスルフェートがストリッピングされた場合に、補助ガラスの添加は主ガラス中に存在するスルフェートを希釈し、それゆえ、溶解度限界からさらに遠ざけることになるになるからである。それゆえ、バブル形成の危険は低減される。若干高いレドックスを有する補助ガラスを製造することにより、最終ガラスのレドックスを若干高めるために、この希釈を利用することができるのでプロセスにフレキシビリティーを与える。特に、電気加熱などの他の加熱技術と比較して、浸漬バーナー技術によって、補助ガラスを製造する温度を低減することができる。このことは有利である。というのは、浸漬バーナー技術によって、混合される2つのガラスを製造する温度よりも有利に低い、2つのガラスを混合するときの温度を、もっとより急速に達成することができるからである。温度を低下させることは、スルフェート溶解度限界からさらに遠ざける効果を有する。このため、補助ファーネスのために浸漬バーナー技術を用いた本発明による方法では、非常に広い範囲にわたってFe2+レドックスを変化させることができることにより、緑から青までの範囲で酸化鉄によって着色されたガラスを製造することが可能になる。
【0038】
このように、本発明は特に以下の方法に関する。
−補助ファーネスは、それにフィードするバッチ材料中に存在する補助ガラスの殆ど全てのスルフェートをストリップする。
−補助ガラスは主ガラスよりも高い鉄イオン含有分を有し、主ガラスよりも高いFe2+レドックスを有する。
【0039】
本発明は、特に、補助ガラスが殆どゼロのスルフェート含有分を有し、主ガラスが0.2〜0.35%(SO3の重量%で表記して)を有し、そして補助ガラスが主ガラスよりも高いFe2+レドックスを有しそして主ガラスよりも高い鉄含有分を有する、方法に関する。
【0040】
例として、主ガラスはオーバーヘッドバーナーを有するファーネス中で製造されることができ、以下の特徴を有することができる。
− 0.24%SO3
− Fe2+レドックス:0.23、
− Fe含有分:900重量ppm、
− 調製温度:1450℃、
− 最終ガラスの百分率:90%、
【0041】
そして、補助ガラスは浸漬バーナーを有するファーネス中で製造されることができ、以下の特徴を有することができる。
− 0%SO3
− Fe2+レドックス:0.36、
− Fe含有分:4.3重量%、
− 調製温度:1200℃、
− 最終ガラスの百分率:10%、
【0042】
これら2つのガラスを1150℃で混合し、以下の特徴を有する最終ガラスを製造することができる。
− 0.22%SO3
− Fe2+レドックス:0.34、
− Fe含有分:0.51重量%、
【0043】
レドックスを調節することは困難であるから、オーバーヘッドバーナーを有する従来のファーネス中で高いレドックスを有するガラスを如何に製造するかについては現在のところ知られていない。
【0044】
主ガラスを製造するためのファーネスは、一般に、粉末の形態の従来のバッチ材料でフィードされており、適切な場合には部分的にキュレットとともにフィードされている。キュレットの量は、一般に、主ファーネスにフィードする原料の5〜25質量%である。
【0045】
補助ガラスを製造するためのファーネスは幾つかの方法でフィードされることができる。
− リターンラインなどからの(すなわち、主プラントの下流のガラスの切断又は破壊から生じる)キュレットとともに、
− 又は、一般に粉末の形態である、従来のバッチ組成物とともに、
− 又は、主ガラスストリームからの上流タップオフから生じる溶融ガラスとともに、
− 又は、特に、ガラスを酸化クロムで着色することを望むときに、着色フリットとともに、
又は、これらの手段の少なくとも2つの組み合わせで、フィードされることができる。
【0046】
補助ファーネスにフィードするために、幾つかの場合に(たとえば、リターンラインのキュレットをリサイクルする必要がない場合)、2つのストリームが混合される点の上流で、たとえば、主ファーネスの後のコンディショニングゾーンにおいて、主ガラスをタップオフすることが有利であることがある。その後、補助ファーネスに供給されるエネルギーはかなり低減される。
【0047】
本発明の内容で、補助ガラスと主ガラス中の濃度が異なる特定化合物として使用することができる着色剤(又は顔料)は、一般に、非常に溶融可能な酸化物(鉄、コバルト、ニッケルなどの酸化物)である。もし、最終ガラスがクロム酸化物を含まなければならないならば、これは、最終ガラス中に存在するバッチストーンのリスクを最小にするように、フリットの形態で補助ファーネス中に導入されることができる。クロム酸化物は、一般に、ガラスに緑又は黄色の色を与えるためだけに用いられ、又は、青色ガラスの場合にはそれはコバルト酸化物に加えて存在する。
【0048】
補助ガラス溶融ファーネスは、有利には、そのファーネスにフィードされる原料(たとえば、キュレット)を、そのファーネスから発生するフルーガスによって加熱することを目的とした熱回収システムを含む(フルーガスは入ってくる原料に対して向流で流れる)。このようにして、エネルギーは節約され、このことは可燃性ガスと純粋酸素を用いてファーネスが操作されている場合に特に有利であり、浸漬燃焼のためのもっとも単純なシステムである。
【0049】
本発明による方法及びプラントは、一般に、2つのガラスが混合される点から下流において、適切な場合にはミキシングセルにおいて、形成ステーションを含み、それはフロートガラスファーネス、ローリングステーション又は中空器具形成ステーションであることができる。
【0050】
主ガラスは、一般に、少なくとも55重量%のシリカ(SiO2)を含む。主ガラスは、一般に、5重量%未満のアルミナを含む。
【0051】
主ガラスは一般に、
− 65〜75重量%のSiO2
− 10〜15重量%のNa2O、
− 7〜11重量%のCaO(アウトフロープロモータとして作用)
を含む。
【0052】
主ガラスはさらに、
− 0〜5重量%のB23
− 0〜5重量%のMgO、
− 0〜2重量%のアルミナ、
− 0〜2重量%の酸化鉄、
− 0〜200重量ppmのセレン(その金属形態で)、
− 0〜500重量ppmの酸化コバルト、
− 0〜1000重量ppmの酸化クロム、
− 0〜1000重量ppmの酸化銅、
− 0〜2000重量ppmの酸化ニッケル、
− 0〜1重量%の酸化タングステン、
− 0〜2重量%の酸化セリウム、
− 0〜2重量%の酸化チタン、
− 0〜2500重量ppmの酸化ウラン。
【0053】
補助ガラスは、一般に、少なくとも50重量%、さらには、少なくとも55重量%のSiO2を含む。補助ガラスは、一般に、5重量%未満のアルミナを含む。
【0054】
補助ガラスは、一般に、
− 50〜75重量%のSiO2
− 8〜15重量%のNa2O、
− 0〜5重量%のB23、及び、
− 0〜2重量%のアルミナ、
を含む。
【0055】
補助ガラスとは主ガラスで異なる含有分を有する化合物は顔料であってよく、それは、たとえば、以下の少なくとも1つを含んでよい。
− 金属(Si、Na、B及びAl以外)、たとえば、鉄、クロム、コバルト、銅、ニッケル、ジルコニウム、チタン、マンガン、プラセオジミウム、亜鉛、セリウム、ネオジム、エルビウム、バナジウム及びタングステンの酸化物、
− セレン(その金属形態)。
【0056】
適切な場合には、補助ガラスとは主ガラスで異なる含有分を有する化合物は酸化鉛であってよく、さらに、非常に実質的な量であってよい(たとえば、30重量%)。これは、ガラス中の酸化鉛がX−線を吸収するように機能することができるからである。この酸化物は耐火性物質に対して特に腐食性であるから、補助プラントをとおして最終ガラス中にそれを導入することが特に有利である。というのは、このようにして、有害性に暴露される補助プラントをより小さくすることができ、主プラントがそれから回避されるからである。このように、耐火性物質はより少ししか消耗を受けない。もちろん、このことは主ガラスが酸化鉛を含むことを排除する。
【0057】
適切な場合には、特定化合物は、一般に、補助ガラス中に20重量ppm〜30重量%の含有分で存在する。本発明によると、補助ガラスとは主ガラスで異なる含有分を有する化合物はSi、Na、B及びAl以外の金属の酸化物であってよい。この酸化物は、裸眼で視認可能な補助ガラスの色の元であることができ、前記酸化物は主ガラス中の同酸化物よりも高い含有分の補助ガラス中に存在している(それゆえ、主ガラスはこの酸化物を全く含まなくてもよい)。このように、特定化合物は、補助ガラス中に存在する顔料であってよく、その含有分は主ガラス中の同顔料の含有分よりも高くかつ最終ガラスに裸眼で視認可能な色を与えるために十分なものである。
【0058】
補助ガラス又は主ガラス又は最終ガラス中の特定化合物は前記ガラス中の溶解度限界を下回る含有分でその中に存在し、この限界は前記ガラスの組成物に依存することがある。
【0059】
このように、特に補助ガラスの機能が吸収性を上げることである場合には、それは、一般に、以下の量で以下の要素の少なくとも1つを含むことができる。
− 0〜30重量%の、より特に、0.5〜20重量%の酸化鉄、
− 0〜1.5重量%の、より特に、20重量ppm〜1重量%のセレン、
− 0〜2重量%の、より特に、20重量ppm〜2重量%の酸化コバルト、
− 0〜2重量%の、より特に、20重量ppm〜2重量%の酸化クロム、
− 0〜5重量%の、より特に、50重量ppm〜5重量%の酸化ニッケル、
− 0〜15重量%の、より特に、0.5重量%〜10重量%の酸化セリウム、
【0060】
補助ガラスの機能が特定化合物によって吸収性を上げることである場合に、前記ガラスは前記化合物を主ガラスよりも多量で含み(そのため、主ガラスは前記化合物を含まないことができる)、それによって、主ガラスに対して、最終ガラス中のこの化合物の含有分を上げる。特に、最終ガラスに裸眼で視認可能な緑色を与えるために十分な量で酸化鉄を補助ガラスが含むことができる。もし、補助ガラス中に含まれる酸化鉄のために緑色を最終ガラスに与える場合には、このことは、主ガラスが既に酸化鉄を含むならば、補助ガラスはより多量に(より高い含有分で)含み、それにより、裸眼で主ガラスよりも顕著な緑色を最終ガラスが有する。
【0061】
主ガラスはSi、Na、B及びAl以外の金属の少なくとも1種のイオンを含んでよく、前記イオンは補助ガラス中にも含まれ、一方で主ガラス、他方で補助ガラス中のこのイオンのレドックスの差が0.1以下である。
【0062】
主ガラスと補助ガラスの間で、少なくとも1つの化合物の含有分の差異がある。含有分の差異は、一般に、これら2つのガラスのより高い含有分(重量%で)の少なくとも10%であり、100%までであることができる。このように、例としてあげると、もし特定化合物がこれらのガラスのうちの1つに0%の量で存在するならば、他方で20%の量であり、含有分の差異は20−0=20であり、すなわち、より高い含有分の100%である。
【0063】
特に、本発明は厚さにわたって均一な緑色を提供する酸化鉄を含む板ガラス、及び、厚さにわたって(バルクに)均一な青色を提供する酸化鉄を含む板ガラスに関する。このようなガラスは、溶融金属バス上にフロートしているプラントによって幅が2mを超えるリボンとして製造されうる。
【0064】
図1は本発明の1つの態様を非常に模式的に示している。原料の装填はこの図には示していない。主プラントはファーネス1及びコンディショニングゾーン3を含む。大気バーナーを備え、粉末の形態及び/又はキュレットのバッチ材料でフィードされるファーネス1はウエスト2をとおしてコンディショニングゾーン3(熱コンディショニングのための)に流れる主ガラスを製造し、前記主ガラスは、フィーダー4を介して、板ガラスを製造するためのフロートガラス形成セクション5をフィードする。フィーダー4は浸漬バーナーを備えたファーネス6中で製造された補助ガラスを受け入れ、そこからのガラスは7で精製される。補助プラントはファーネス6とリファイナー7を含む。2つのガラス(主ガラス及び着色ガラス)を、機械均質化器(スターラー)を備えたフィーダー4で混合し、その後に、混合物がフロートステーション5に到達し、そのほんの一部が示されている。
【0065】
着色自動車ガラスの例を下記に示す。

本発明によるプラントは横断大気バーナーを備え、床面積が350m2であり、1.5mの溶融ガラス深さで操作する主ファーネス(メルターとも呼ぶ)と、浸漬バーナーを備え、床面積が3m2である補助ファーネスからなり、2つのガラスストリームは約24m2の床面積を有し、2列以上のスターラーを含み、そのブレードの外径が500mmである着色セル中で混合される。
【0066】
主ファーネスは、0.6%の酸化鉄を含み、0.30のFe2+レドックスを有する薄い色のガラスを600t/d(メトリックトン/日)のプルレートで連続的に製造する。連続操作は製造されるガラスの品質及びファーネスの寿命にとって好ましい。0.85%の酸化鉄を含む最終ガラスを得るために、5.85%の酸化鉄を含む30t/日の補助ガラスを加える。これには約28tキュレット/日が必要であり、すなわち、リターンラインのキュレットの一部のみであり、他の部分は0.6%の酸化鉄を含むガラスを製造するために適切な量で主ファーネスに導入される。ラインの合計のプルレートは630t/dであり、従来のメルティングでは(すなわち、着色剤がバッチ装填端で導入される)、プルレートは約560t/dに低下されねばならない。
【0067】
1%の酸化鉄を含む着色グレードとするために、同一の酸化鉄導入速度で補助ファーネスのプルレートを約46t/dに上げることができ(このとき、床面積は約4.5m2)、又は、同一の30t/dのプルレートでこの含有分を9%に上げることができる。第一の場合には、合計プルレートは646t/dに達し、一方、従来のメルティングでは(1つのメルティングファーネスのみ)、これは550t/dを超えない。
【0068】
遷移は補助ファーネス中での遷移によって行なわれる:滞留ガラス:プルレートの比は約7.5t/50t/d、すなわち、1.5日である。遷移は(着色剤濃縮物を用いることでさらに短縮できる)は約0.15×3=0.45日で完了される。この時間にわたって、補助ファーネスからのガラスは好ましくは主ファーネスに導入されない。
【0069】
主ファーネス中の着色及び脱色遷移時間はせいぜい半日程度であり、それは、従来の構成、すなわち、同一の合計プルレートで単一のファーネスを用い、着色フリットを形成工程前にストリームに導入する構成で必要とされる3〜5日よりずっと短い。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の1つの態様の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ファーネスを含む主プラントにより液体主ガラスの主ストリームを製造すること、及び、補助ファーネスを含む補助プラントにより液体補助ガラスの補助ストリームを製造することを含む、ガラスの製造方法であって、前記補助ストリームは前記主ストリームよりも小さく、前記補助ガラスは前記主ガラスとは組成が異なり、そしてこれら2つのストリームは、その後、混合されて最終ガラスからなる単一の合計ストリームを形成し、前記補助ファーネスは少なくとも1つの浸漬バーナーを含む、ガラスの製造方法。
【請求項2】
前記補助プラントは前記補助ファーネスの後にあるリファイナーを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記補助ストリームは合計ストリームの20%以下であることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記最終ガラスは板ガラスに転化され、特に、フロートガラスステーションによって転化されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記板ガラスは幅が2メートルより大きいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記板ガラスは幅が3メートルより大きいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記主ガラスは少なくとも55重量%のシリカ及び5重量%未満のアルミナを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記補助ガラスは少なくとも50重量%のシリカ及び5重量%未満のアルミナを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記補助ガラスは少なくとも1つの化合物に関して主ガラスと組成が異なり、前記化合物は補助ガラス中に20重量ppm〜30重量%の含有分で存在することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記補助ガラスは少なくとも1つの化合物に関して主ガラスと組成が異なり、前記化合物は以下のもの、
−鉄、クロム、コバルト、銅、ニッケル、ジルコニウム、チタン、マンガン、プラセオジウム、亜鉛、セリウム、ネオジム、エルビウム、バナジウム及びタングステンから選ばれる金属の酸化物、
−セレン、
から選ばれる顔料であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記補助ガラスは少なくとも1つの化合物に関して主ガラスと組成が異なり、前記化合物は前記補助ガラス中に存在する顔料であり、その顔料は前記主ガラス中の同一の顔料の含有分よりも高い含有分でそして裸眼で視認可能な色を前記最終ガラスに与えるために十分な含有分で前記補助ガラス中に存在することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記補助ガラスは少なくとも1つの化合物に関して主ガラスと組成が異なり、前記化合物は緑から青の色を与える酸化鉄であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記補助ガラスと前記主ガラスとを混合するときに、両方は1100℃〜1200℃の温度であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記補助ファーネスは、フィードするバッチ材料中に存在する、補助ガラスの殆ど全てのスルフェートをストリッピングし、前記補助ガラスは主ガラスよりも高い鉄含有分を有し、そして主ガラスよりも高いFe2+レドックスを有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記補助ガラスはスルフェート含有分がほぼ0であり、前記主ガラスはスルフェート含有分がSO3の重量%で表記して0.2〜0.35%であり、前記補助ガラスは主ガラスよりも高いFe2+レドックスを有しそして主ガラスよりも高い鉄含有分を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記補助ガラスは0.5〜20重量%の酸化鉄を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記主ファーネスは1.4〜2t/d.m2の範囲の特定プルレート及び1メートルより大きい溶融ガラス深さで操作し、そして補助ファーネスは5〜20t/d.m2の範囲の特定プルレートで操作することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記補助ファーネスは1〜50m2の床面積を有し、前記主ファーネスは200〜600m2の床面積を有することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
ガラスの製造のためのプラントであって、特に、上記請求項いずれか1項記載の方法を用いるガラスの製造ためのプラントであり、
ガラスの主ストリームを生じさせる主ファーネスを含む主プラント、及び、少なくとも1つの浸漬バーナーにより主として加熱されそして補助ガラスの補助ストリームを生じさせる補助ファーネスを含む補助プラントを含み、これら2つのストリームを混合して最終ガラスを生じる単一の合計ストリームを形成する、ガラスの製造のためのプラント。
【請求項20】
前記主ファーネスは少なくとも1つの大気バーナーによって主として加熱されることを特徴とする、請求項19記載のプラント。
【請求項21】
2つのストリームが混合されるポイントの後に、連続板ガラス形成ステーションを含むことを特徴とする、請求項19又は20記載のプラント。
【請求項22】
前記補助ファーネスは1〜50m2の床面積を有し、前記主ファーネスは200〜600m2の床面積を有することを特徴とする、請求項19〜21のいずれか1項記載のプラント。
【請求項23】
前記請求項のいずれか1項記載の方法又はプラントを用いて製造されるガラス。
【請求項24】
厚さにわたって均一な緑色を与える酸化鉄を含む板ガラス。
【請求項25】
厚さにわたって均一な青色を与える酸化鉄を含む板ガラス。
【請求項26】
請求項24又は25記載のガラスを含む、幅が2mを超えるリボン。

【図1】
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【公表番号】特表2007−526863(P2007−526863A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505677(P2006−505677)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000420
【国際公開番号】WO2004/078664
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)