説明

溶解ポンプにおける分離装置

【課題】濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液を循環させて溶解運転をする場合でも、運転効率を低下させることなく連続運転を行うことができる溶解ポンプにおける分離装置を提供すること。
【解決手段】溶解ポンプ6の吐出側6aに連なる導入パイプ12を円筒状容器11の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器11の上部に排出口13を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプ6に連通する循環口14を備え、導入パイプ12の吐出端12aに、導入パイプ12から吐出される溶解液の流れを旋回させる捻り板20を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶解ポンプにおける分離装置に関し、特に、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液を循環させて溶解運転をする場合でも、効率を低下させることなく運転することができる溶解ポンプにおける分離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉体を溶媒である液体に溶解する場合に、粉体及び液体の供給と混合を1つのポンプで行うことができるようにした粉体吸引式の溶解ポンプがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この粉体吸引式の溶解ポンプは、スリットを有する筒状体からなるステータによって、溶解ポンプに導入される粉体及び液体の量的な調整を行うとともに、攪拌翼によって、溶解ポンプに導入される粉体及び液体を混合、溶解を行い、懸濁状態の溶解液を溶解液吐出口から送り出すようにしている。
【0004】
溶解液吐出口から送り出される溶解液は、分離フィルタからなる分離装置によって濾過することによって未溶解物を含有しない状態で気泡と共に送り出されるとともに、未溶解物は一部の溶解液と共に、循環流路を介して、溶解ポンプに導入し、新たに導入される粉体及び液体と共に混合、溶解を行うことにより、溶解液を循環させながら粉体と液体の混合、溶解が促進されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−216172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の溶解ポンプにおける分離フィルタからなる分離装置は、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液の場合、分離フィルタが閉塞してメンテナンスのために運転を中止しなければならなかったり、気泡が分離されずに循環流路を介して溶解ポンプに導入され、溶解ポンプの吸引力が低下し、運転効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の溶解ポンプにおける分離装置が有する問題点に鑑み、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液を循環させて溶解運転をする場合でも、運転効率を低下させることなく連続運転を行うことができる溶解ポンプにおける分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本第1発明の溶解ポンプにおける分離装置は、溶解ポンプの吐出側に連なる導入パイプを円筒状容器の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器の上部に排出口を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプに連通する循環口を備え、導入パイプの吐出端に、導入パイプから吐出される溶解液の流れを旋回させる捻り板を配設したことを特徴とする。
【0009】
この場合において、捻り板を、長手方向の中心線が互いにねじれの位置関係となるように複数枚配設することができる。
【0010】
また、同じ目的を達成するため、本第2発明の溶解ポンプにおける分離装置は、溶解ポンプの吐出側に連なる導入パイプを円筒状容器の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器の上部に排出口を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプに連通する循環口を備え、導入パイプの吐出端の上部に、導入パイプから吐出される溶解液を攪拌する攪拌羽根を配設したことを特徴とする。
【0011】
この場合において、円筒状容器の容積を、排出口から排出される溶解液の1分当たりの排出量の1〜10倍に設定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本第1発明の溶解ポンプにおける分離装置によれば、溶解ポンプの吐出側に連なる導入パイプを円筒状容器の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器の上部に排出口を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプに連通する循環口を備え、導入パイプの吐出端に、導入パイプから吐出される溶解液の流れを旋回させる捻り板を配設することにより、導入パイプから吐出される溶解液を捻り板によって旋回流とすることができ、旋回流による遠心作用と比重差によって気泡を多く含んだ比重の小さい溶解液成分を上部の排出口から排出するようにするとともに、未溶解物を含む比重の大きい溶解液成分を反転、流下させ、下部の循環口から循環流路を介して、溶解ポンプに戻すようにすることができる。
このとき、循環流路を介して、溶解ポンプに導入された未溶解物を含む比重の大きい溶解液成分は、気泡の含有量が少ないため、溶解ポンプに新たに導入される粉体及び液体の吸引の障害とならず、導入される粉体及び液体と共に混合、溶解を行うことにより、溶解液を循環させながら粉体と液体の混合、溶解が促進されるので、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液の場合でも、運転効率を低下させることなく連続運転を行うことができる。
【0013】
また、捻り板を、長手方向の中心線が互いにねじれの位置関係となるように複数枚配設することにより、偏りのない旋回流を発生させることができ、比重の小さい溶解液成分と比重の大きい溶解液成分の分離を確実に行うことができる。
【0014】
また、本第2発明の溶解ポンプにおける分離装置によれば、溶解ポンプの吐出側に連なる導入パイプを円筒状容器の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器の上部に排出口を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプに連通する循環口とを備え、導入パイプの吐出端の上部に、導入パイプから吐出される溶解液を攪拌する攪拌羽根を配設することにより、導入パイプから吐出される溶解液を攪拌羽根の遠心作用と比重差によって気泡を多く含んだ比重の小さい溶解液成分を上部の排出口から排出するようにするとともに、未溶解物を含む比重の大きい溶解液成分を反転、流下させ、下部の循環口から循環流路を介して、溶解ポンプに戻すようにすることができる。
このとき、循環流路を介して、溶解ポンプに導入された未溶解物を含む比重の大きい溶解液成分は、気泡の含有量が少ないため、溶解ポンプに新たに導入される粉体及び液体の吸引の障害とならず、導入される粉体及び液体と共に混合、溶解を行うことにより、溶解液を循環させながら粉体と液体の混合、溶解が促進されるので、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液の場合でも、運転効率を低下させることなく連続運転を行うことができる。
また、導入パイプから吐出される溶解液を攪拌羽根により強制排出することによって、溶解ポンプの吐出力を補助することができるとともに、攪拌羽根による溶解液の攪拌、流動化によって、溶解液の粘度を低下させて流動抵抗を低減することができ、溶解液の流動性を改善し、運転効率を向上することができる。
【0015】
また、円筒状容器の容積を、排出口から排出される溶解液の1分当たりの排出量の1〜10倍に設定することにより、攪拌羽根による溶解液の攪拌、流動化によって、溶解液が分離することを防止しながら、また、運転効率を低下させることなく、溶解液の滞留時間(1〜10分程度)を確保することができ、これにより、例えば、粉体として米粉等のデンプン質の粉体を使用し、デンプン分解酵素を加えて溶解運転をする場合に、デンプン質の粉体が分解される時間を確保しながら、溶解液の攪拌、流動化によって、均一な分解を促し、溶解液が分離を起こしたり、溶解液の粘度が高くなって流動化が阻害されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本第1発明の溶解ポンプにおける分離装置の一実施例を示し、(a)は正面断面図、(b)は気泡とダマ状や房状の凝集物の拡大図である。
【図2】捻り板の一部切り欠きの詳細図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は斜視図である。
【図3】同分離装置を適用した溶解ポンプを含む粉体溶解装置の全体図である。
【図4】本第2発明の溶解ポンプにおける分離装置の一実施例を示す正面断面図である。
【図5】同分離装置を適用した溶解ポンプを含む粉体溶解装置の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の溶解ポンプにおける分離装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1〜図3に、本第1発明の溶解ポンプにおける分離装置を適用した溶解ポンプを含む粉体溶解装置の一実施例を示す。
この分離装置1は、粉体供給装置3から供給される粉体と溶媒供給装置4から供給される溶媒(水)とを混合する溶解ポンプ6の吐出側に配設され、溶解液のうち比重の大きい未溶解物(ダマ状や房状の凝集物等をいい、以下、「未溶解物F」という。)を含有した溶解液を循環させて混合を促進する真空溶解運転を行うとともに、溶解液のうち、気泡Bを含み比重が軽く未溶解物Fを含有しない溶解液を排出口13から送り出すようにするのもので、溶解ポンプ6の吐出側6aに連なる導入パイプ12を円筒状容器11の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器11の上部に排出口13を備えるとともに、下部に溶解ポンプ6に連通する循環口14を備え、導入パイプ12の吐出端12aに、導入パイプ12から吐出される溶解液の流れを旋回させる捻り板20を配設するようにしている。
【0019】
導入パイプ12の吐出端12aに配設する捻り板20は、導入パイプ12から吐出される溶解液の流れを旋回させることができるものであれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、図2に示すように、複数(本実施例では4枚)の捻り板20を、導入パイプ12の中心軸Cを含む面に対して角度αだけ傾斜させて取り付けるとともに、捻り板20の長手方向の中心線20aが互いにねじれの位置関係となるように配設するようにしている。
捻り板20の導入パイプ12の中心軸Cを含む面に対する傾斜角度αは、40〜50°、好ましくは45°とし、捻り板20と導入パイプ12の内周面とが当接するように、捻り板20の導入パイプ12との当接辺20bは、導入パイプ12を角度αで切断した際の楕円形状に倣った円弧形状に形成するようにする。
また、導入パイプ12から吐出される溶解液を捻り板20によって効果的に旋回流とするために、捻り板20の先端は、導入パイプ12の吐出端12aから長さLだけ突出するように配設する。この長さLは、吐出端12aの内径の10〜15%程度とすることが好ましい。
【0020】
次に、本実施例の分離装置1を用いた粉体の溶解運転を説明する。
図3に示すように、粉体供給装置3に投入された粉体は、溶解ポンプ6の真空吸引力で吸引され、ミキシングノズル5を旋回しながら流下する溶媒(水)とともに溶解ポンプ6に流入する。
粉体は、溶解ポンプ6内において、混合、剪断、遠心作用を受け、溶媒に分散、溶解した後、吐出流となって溶解ポンプ6の吐出側6aから導入パイプ12を介して分離装置1の上部に流入する。
【0021】
このとき、図1に示すように、気泡B及び未溶解物Fの混在する溶解液は、導入パイプ12の吐出端12aに配設した捻り板20によって旋回し、吐出端12aの上部で逆円錐形状の旋回流Tとなる。
【0022】
そして、この旋回流Tによる遠心作用及び比重差によって、気泡Bを多く含み、未溶解物Fを含まない比重の小さい溶解液成分は、未溶解物Fを上部の排出口13から排出される。
一方、気泡Bが少なく、未溶解物Fを含む比重の大きい溶解液成分は、反転、流下し、下部の循環口14から循環流路を介して溶解ポンプ6に戻される。
このとき、溶解ポンプ6から吐出される溶解液に含まれる気泡Bを、効率よく分離して、未溶解物Fを含まない比重の小さい溶解液成分と共に、上部の排出口13から排出するから、循環口14を経て溶解ポンプ6に戻される溶解液は、気泡の含有量が少ないため、気泡混入による吸気能力の低下を抑制することができ、溶解ポンプ6に新たに導入される粉体及び液体の吸引の障害とならず、導入される粉体及び液体と共に混合、溶解を行うことができる。
これにより、溶解液を循環させながら粉体と液体の混合、溶解が促進されるので、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液の場合でも、運転効率を低下させることなく連続運転を行うことができる。
【0023】
また、捻り板20は構造が単純であり、溶解液が通過する際の圧力損失は小さく、未溶解物Fも詰まることなく通過させることができることから、メンテナンスの頻度を少なくして連続運転を可能にすることができる。
【0024】
また、本実施例において、円筒状容器11の容積は、特に限定されるものではないが、例えば、排出口13から排出される溶解液の1分当たりの排出量の0.2〜1倍程度に設定するようにすることができる。
これにより、溶解液が分離を起こしたり、溶解液の粘度が高くなって流動化が阻害されることを防止することができる。
【実施例2】
【0025】
図4〜図5に、本第2発明の溶解ポンプにおける分離装置を適用した溶解ポンプを含む粉体溶解装置の一実施例を示す。
【0026】
この分離装置1は、第1発明の分離装置と同様、粉体供給装置3から供給される粉体と溶媒供給装置4から供給される溶媒(水)とを混合する溶解ポンプ6の吐出側に配設され、溶解液のうち比重の大きい未溶解物Fを含有した溶解液を循環させて粉体と液体との混合を促進する真空溶解運転を行うとともに、溶解液のうち、気泡Bを含み比重が軽く未溶解物Fを含有しない溶解液を排出口13から送り出すようにするのもので、溶解ポンプ6の吐出側6aに連なる導入パイプ12を円筒状容器11の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器11の上部に排出口13を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプ6に連通する循環口14を備えるようにしている。
【0027】
そして、分離装置1は、導入パイプ12の吐出端12aの上部に、導入パイプ12から吐出される溶解液を攪拌する攪拌羽根22を配設するようにしている。
【0028】
攪拌羽根22は、導入パイプ12の吐出端12aから吐出される溶解液を攪拌させるように構成するものであれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、円筒状容器11の上面の中心付近から、円筒状容器11の内部に延設した回転軸23の先端に配設した複数(本実施例では4枚)の板状部材からなる。
【0029】
回転軸23は、円筒状容器11に、例えば、メカニカルシール25によってシールして配設され、上端をモータM等の駆動装置と連結し、円筒状容器11内で攪拌羽根22を回転させるようにしている。
【0030】
攪拌羽根22は、攪拌羽根22の表面22aが導入パイプ12の中心軸Cを含む面に位置するように平坦面に形成するほか、所定角度、例えば、30〜45°傾斜して取り付けたり、彎曲して形成することにより、吐出端12aから吐出される溶解液を効果的に旋回させるように構成することもできる。
【0031】
円筒状容器11の上部に開口する排出口13は、攪拌羽根22によって遠心力を付与された溶解液が効果的に排出されるようにするために、図4に示すように、円筒状容器11の上部側面に、好ましくは、円筒状容器11の接線方向に、開口するようにしている。
【0032】
次に、本実施例の分離装置1を用いた粉体の溶解運転を説明する。
図5に示すように、粉体供給装置3に投入された粉体は、溶解ポンプ6の真空吸引力で吸引され、ミキシングノズル5を旋回しながら流下する溶媒(水)とともに溶解ポンプ6に流入する。
粉体は、溶解ポンプ6内において、混合、剪断、遠心作用を受け、溶媒に分散、溶解した後、吐出流となって溶解ポンプ6の吐出側6aから導入パイプ12を介して分離装置1の上部に流入する。
【0033】
このとき、図4に示すように、気泡B及び未溶解物Fの混在する溶解液は、導入パイプ12の吐出端12aの上部に配設した攪拌羽根22によって遠心作用を受ける。
【0034】
そして、この攪拌羽根22による遠心作用及び比重差によって、気泡Bを多く含み、未溶解物Fを含まない比重の小さい溶解液成分は、未溶解物Fを上部の排出口13から排出される。
一方、気泡Bが少なく、未溶解物Fを含む比重の大きい溶解液成分は、反転、流下し、下部の循環口14から循環流路を介して溶解ポンプ6に戻される。
このとき、溶解ポンプ6から吐出される溶解液に含まれる気泡Bを、効率よく分離して、未溶解物Fを含まない比重の小さい溶解液成分と共に、上部の排出口13から排出するから、循環口14を経て溶解ポンプ6に戻される溶解液は、気泡の含有量が少ないため、気泡混入による吸気能力の低下を抑制することができ、溶解ポンプ6に新たに導入される粉体及び液体の吸引の障害とならず、導入される粉体及び液体と共に混合、溶解を行うことができる。
これにより、溶解液を循環させながら粉体と液体の混合、溶解が促進されるので、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液の場合でも、運転効率を低下させることなく連続運転を行うことができる。
また、導入パイプ12から吐出される溶解液を攪拌羽根22により強制排出することによって、溶解ポンプ6の吐出力を補助することができるとともに、攪拌羽根22による溶解液の攪拌、流動化によって、溶解液の粘度を低下させて流動抵抗を低減することができ、溶解液の流動性を改善し、運転効率を向上することができる。
【0035】
また、本実施例において、円筒状容器11の容積は、特に限定されるものではないが、例えば、排出口13から排出される溶解液の1分当たりの排出量の1〜10倍程度に設定するようにする(上記第1発明の分離装置の実施例のように、0.2〜1倍程度に設定することも可能である。)ことができる。
これにより、攪拌羽根22による溶解液の攪拌、流動化によって、溶解液が分離することを防止しながら、また、運転効率を低下させることなく、溶解液の滞留時間(1〜10分程度)を確保することができる。
そして、例えば、粉体として米粉等のデンプン質の粉体を使用し、デンプン分解酵素を加えて溶解運転をする場合に、デンプン質の粉体が分解される時間を確保しながら、溶解液の攪拌、流動化によって、均一な分解を促し、溶解液が分離を起こしたり、溶解液の粘度が高くなって流動化が阻害されることを防止することができる。
【0036】
以上、本発明の溶解ポンプにおける分離装置について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の溶解ポンプにおける分離装置は、運転効率を低下させることなく連続運転することができるという特性を有していることから、例えば、濃度の高い溶解液や溶解しにくく、例えば、ダマ状や房状の凝集物が生じやすい溶解液を循環させて溶解運転をする粉体溶解装置の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 分離装置
11 円筒状容器
12 導入パイプ
12a 吐出端
13 排出口
14 循環口
20 捻り板
20a 中心線
22 攪拌羽根
6 溶解ポンプ
6a 溶解ポンプの吐出側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解ポンプの吐出側に連なる導入パイプを円筒状容器の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器の上部に排出口を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプに連通する循環口を備え、導入パイプの吐出端に、導入パイプから吐出される溶解液の流れを旋回させる捻り板を配設したことを特徴とする溶解ポンプにおける分離装置。
【請求項2】
捻り板を、長手方向の中心線が互いにねじれの位置関係となるように複数枚配設したことを特徴とする請求項1記載の溶解ポンプにおける分離装置。
【請求項3】
溶解ポンプの吐出側に連なる導入パイプを円筒状容器の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器の上部に排出口を備えるとともに、下部に前記溶解ポンプに連通する循環口を備え、導入パイプの吐出端の上部に、導入パイプから吐出される溶解液を攪拌する攪拌羽根を配設したことを特徴とする溶解ポンプにおける分離装置。
【請求項4】
円筒状容器の容積を、排出口から排出される溶解液の1分当たりの排出量の1〜10倍に設定したことを特徴とする請求項3記載の溶解ポンプにおける分離装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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