説明

演出内容特定装置、遊技媒体貸出装置、情報管理装置、情報記録方法、情報管理方法、情報記録プログラム、および情報管理プログラム

【課題】機種に応じたテーブルを記録することにより、演出内容を的確に特定すること。
【解決手段】遊技媒体貸出装置は、記録部501と、第1受信部502と、特定部504と、出力部505と、読込部511と、送信部512と、第2受信部513と、記録制御部515とを備える。記録部501は、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を予め記録する。特定部504は、第1受信部502が受信した所定の信号に基づいて、テーブルから演出内容を特定する。出力部505は、特定部504によって特定された演出内容の情報を出力する。送信部512は、読込部511によって読み込まれた機種情報を、ホールコンピュータへ送信する。第2受信部513は、ホールコンピュータから、機種に応じたテーブルの情報を受信する。記録制御部515は、第2受信部513によって受信されたテーブルの情報を、記録部501に記録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、演出内容特定装置、遊技媒体貸出装置、情報管理装置、情報記録方法、情報管理方法、情報記録プログラム、および情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技者の遊技履歴情報を収集し、当該遊技履歴情報を用いて、遊技場の運営計画に役立てたり、遊技者が自らの遊技履歴の閲覧を可能にしたりしたものが知られている。たとえば、遊技機から遊技履歴情報を取得することが可能な遊技媒体貸出装置に、遊技者の識別情報が記録されているポイントカードを挿入し、この遊技媒体貸出装置から、遊技者の識別情報と遊技機からの遊技履歴情報とを、ホール内に設置されるコンピュータ装置に送信することにより、当該コンピュータ装置にて遊技者ごとの遊技履歴情報を管理するようにした技術が知られている(下記、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−198552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、遊技機から送出される、大当たり回数、スタート回数、アウト玉数およびセーフ玉数などに基づく差球データ(収支金額)、機種ごとの遊技時間などの遊技履歴情報を管理することはできるものの、遊技において発生した演出内容については管理することができないといった問題があった。
【0005】
また、近年の遊技機は、演出において多彩な画面演出の内容が用意されている。ところが、従来の技術では、演出内容を管理することができないため、多彩な画面演出に対応した有効な演出やサービスをおこなうことができず、遊技者に対し興趣性のあるサービスを提供することができないといった問題があった。
【0006】
また、仮に、遊技機から演出内容を示す情報を取得するようにし、演出内容を特定するようにしたとしても、新装開店時など遊技機の入れ替えがあった場合には、それに柔軟に対応することができないといった不具合が想定される。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、演出内容の特定を可能にするとともに、遊技機の入れ替えや新規に演出内容を特定するための装置を設置する場合であっても、入れ替えのあった遊技機の演出内容を特定することを可能にすることにより、遊技者に対し興趣性のあるサービスの提供を可能にする演出内容特定装置、遊技媒体貸出装置、情報管理装置、情報記録方法、情報管理方法、情報記録プログラム、および情報管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる演出内容特定装置は、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を予め記録する記録手段と、遊技機から、予め定められた所定の信号を受信する第1受信手段と、前記第1受信手段が受信した前記所定の信号に基づいて、前記テーブルから演出内容を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された演出内容の情報を出力する出力手段と、を備えた演出内容特定装置であって、遊技機の機種情報を読み込む読込手段と、前記読込手段によって読み込まれた機種情報を、前記テーブルの情報を管理する情報管理装置に送信する送信手段と、前記送信手段による送信を受けて、前記情報管理装置から、遊技機の機種に応じた前記テーブルの情報を受信する第2受信手段と、前記第2受信手段によって受信された前記テーブルの情報を、前記記録手段に記録させる記録制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、機種に応じたテーブルの情報を記録させることができる。
【0010】
また、上記発明において、前記読込手段によって読み込まれた機種情報に基づいて、遊技機が変更されている場合に、前記機種情報を、前記情報管理装置に送信させる制御をおこなう制御手段をさらに備え、前記第2受信手段は、前記制御手段の制御による送信を受けて、前記テーブルの情報を受信し、前記記録制御手段は、前記第2受信手段によって受信された前記テーブルの情報を用いて、前記記録手段に記録されている前記テーブルの情報を書き替えるようにしてもよい。
【0011】
この発明によれば、機種に応じたテーブルの情報を書き替えることができる。
【0012】
また、上記発明において、遊技機から出力される所定の情報に基づいて、図柄変動時間を算出する算出手段をさらに備え、前記テーブルは、遊技機ごとの演出内容と、演出をおこなう際の図柄変動時間とを対応付けたテーブルであり、前記第1受信手段は、遊技機から、遊技球が始動入賞口に入賞した際に送信される始動入賞信号、または図柄が確定した際に送信される図柄確定信号を受信し、前記算出手段は、前記第1受信手段が受信した前記始動入賞信号または前記図柄確定信号に基づいて、図柄変動時間を算出し、前記特定手段は、前記算出手段によって算出された図柄変動時間を用いて、前記テーブルから演出内容を特定するようにしてもよい。
【0013】
この発明によれば、遊技球が始動入賞口に入賞した際に送信される始動入賞信号、または図柄が確定した際に送信される図柄確定信号に基づいて、演出内容を特定することができる。
【0014】
また、上記発明において、前記テーブルは、図柄変動中の演出内容を構成する演出要素および演出制御基板から出力される演出要素を示す出力信号の種別を対応付けた要素テーブルと、前記演出内容および前記演出要素の組合せとを対応付けた組合せテーブルとからなり、前記第1受信手段は、予め定めた複数の外部端子を有し、当該外部端子を用いて図柄変動中の演出内容を構成する演出要素を示す信号を出力する演出制御基板から、当該出力信号を受信し、前記特定手段は、前記第1受信手段によって受信された前記出力信号に基づいて、前記要素テーブルの中から前記出力信号に対応する演出要素を特定するとともに、特定した演出要素を組み合わせて前記組合せテーブルの中から前記演出要素の組合せに対応する演出内容を特定するようにしてもよい。
【0015】
この発明によれば、演出制御基板からの演出要素を示す出力信号に基づいて、演出内容を特定することができる。
【0016】
また、上記発明において、遊技機から出力される所定の信号に基づいて、図柄変動時間を算出する算出手段をさらに備え、前記テーブルは、遊技機ごとの演出内容と、演出をおこなう際の図柄変動時間とを対応付けたテーブルであり、前記第1受信手段は、予め定めた複数の外部端子を用いて図柄変動中を示す図柄変動信号を出力する演出制御基板から、当該図柄変動信号を受信し、前記算出手段は、前記第1受信手段によって受信された図柄変動信号に基づいて、図柄変動時間を算出し、前記特定手段は、前記算出手段によって算出された図柄変動時間の情報を用いて、前記テーブルから演出内容を特定するようにしてもよい。
【0017】
この発明によれば、演出制御基板からの図柄変動信号に基づいて、演出内容を特定することができる。
【0018】
また、上記発明において、前記読込手段は、遊技機に設けられた非接触ICタグの所定範囲内に配設されたアンテナを用いて、前記非接触ICタグから機種情報を読み込むようにしてもよい。
【0019】
この発明によれば、非接触ICタグから遊技機の機種情報を読み込むことができる。
【0020】
また、この発明にかかる遊技媒体貸出装置は、上記に記載の演出内容特定装置を備えることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、新たに演出内容特定装置を設ける必要がなく、遊技機に対応して設けられている遊技媒体貸出装置を演出内容特定装置として用いることができる。
【0022】
また、この発明にかかる情報管理装置は、遊技場内に設置され、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を機種情報に対応させて予め記録する記録手段と、遊技機ごとに設けられている演出内容特定装置から、遊技機の機種情報を受信する機種情報受信手段と、前記機種情報受信手段によって受信された機種情報に基づいて、前記記録手段に記録されているテーブルの情報から、機種情報に対応したテーブルの情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記テーブルの情報を前記演出内容特定装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、遊技機に応じたテーブルの情報を演出内容特定装置に送信することができる。
【0024】
また、上記発明において、外部のサーバから、変更のあった機種の前記テーブルの情報を受信するテーブル情報受信手段と、前記テーブル情報受信手段によって受信されたテーブルの情報を用いて、前記記録手段に機種情報に対応して記録されている前記テーブルの情報を更新する更新手段と、を備えるようにしてもよい。
【0025】
この発明によれば、最新のテーブルの情報を保持しておくことができる。
【0026】
また、この発明にかかる情報記録方法は、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を予め記録する記録部と、遊技機から、予め定められた所定の信号を受信する第1受信部と、前記第1受信部が受信した前記所定の信号に基づいて、前記テーブルから演出内容を特定する特定部と、前記特定部によって特定された演出内容の情報を出力する出力部と、を備えた演出内容特定装置の情報記録方法であって、遊技機の機種情報を読み込む読込工程と、前記読込工程にて読み込まれた機種情報を、前記テーブルの情報を管理する情報管理装置に送信する送信工程と、前記送信工程による送信を受けて、前記情報管理装置から、遊技機の機種に応じた前記テーブルの情報を受信する第2受信工程と、前記第2受信工程にて受信された前記テーブルの情報を、前記記録手段に記録させる記録制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0027】
また、この発明にかかる情報管理方法は、遊技場内に設置され、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を機種情報に対応させて予め記録する記録部を備えた情報管理装置の情報管理方法であって、遊技機ごとに設けられている演出内容特定装置から、遊技機の機種情報を受信する機種情報受信工程と、前記機種情報受信工程にて受信された機種情報に基づいて、前記記録部に記録されているテーブルの情報から、機種情報に対応したテーブルの情報を抽出する抽出工程と、前記抽出工程にて抽出された前記テーブルの情報を前記演出内容特定装置に送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0028】
また、この発明にかかる情報記録プログラムは、上記の情報記録方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
また、この発明にかかる情報管理プログラムは、上記の情報管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、機種に応じたテーブルの情報を記録させることができる。したがって、遊技機の演出内容を的確に特定することができる。特に、遊技機の入れ替えがあった場合には、テーブルの情報のみを書き替えればよいので、通信時のデータの容量を抑えながら、的確に演出内容を特定することができる。これにより、遊技機の画面演出の内容に応じ、遊技者に対して興趣性のある演出やサービスをおこなうことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる演出内容特定装置、遊技媒体貸出装置、情報管理装置、情報記録方法、情報管理方法、情報記録プログラム、および情報管理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態1では、遊技機から受信する始動入賞信号または図柄確定信号に基づいて、図柄変動時間を算出し、算出した図柄変動時間を用いて、テーブルから演出内容を特定するようにした遊技媒体貸出装置を用いた場合について説明する。
【0032】
また、実施の形態2では、遊技機の演出制御基板に設けられた外部端子から、図柄変動中の演出内容を構成する演出要素を示す信号を受信するようにし、受信した出力信号に基づいて、演出内容を特定するようにした遊技媒体貸出装置を用いた場合について説明する。さらに、実施の形態3では、遊技機の演出制御基板に設けられた外部端子から、図柄変動中を示す図柄変動信号を受信するようにし、受信した図柄変動信号に基づいて、図柄変動時間を算出するとともに、算出した図柄変動時間を用いて演出内容を特定するようにした遊技媒体貸出装置を用いた場合について説明する。
【0033】
(演出内容管理システムのシステム構成)
まず、実施の形態1にかかる演出内容管理システムのシステム構成について説明する。図1は、実施の形態1にかかる演出内容管理システムのシステム構成図である。図1において、演出内容管理システム100は、管理サーバ110と、複数の遊技場としてのホールH−1〜H−n(以下「ホールH」という)と、クライアント端末130とを備えている。管理サーバ110と、複数のホールコンピュータ120と、クライアント端末130とは、それぞれインターネット、LANおよびWANなどのネットワークを介して接続されている。
【0034】
管理サーバ110は、遊技者ごとに、遊技者が遊技によって発生させたリーチ演出内容や、リーチ演出を予告する予告演出内容を含む遊技履歴情報を格納する。格納する遊技履歴情報は、ホールH別としてもよいし、全てのホールHの累計としてもよい。また、管理サーバ110は、たとえば、遊技者が遊技によって発生させた演出内容に応じて提供するサービスとしての配信可能なコンテンツなども格納している。
【0035】
さらに、管理サーバ110は、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けた最新のテーブルの情報を格納しており、ホールコンピュータ120からの要求に応じて、当該テーブルの情報をホールコンピュータ120へ送信する機能を有している。なお、テーブル内の演出内容に対応付けられている所定の情報は、図柄変動時間、演出制御基板から出力される演出要素を示す出力信号の種別、演出要素の組合せ、などの情報である。
【0036】
ホールHには、ホールH内の各コンピュータ装置を管理するホールコンピュータ120が配置される。ホールコンピュータ120には、PC(Personal Computer)が用いられ、遊技者が遊技によって発生させたリーチ演出内容や、リーチ演出を予告する予告演出内容を含む遊技履歴情報を格納したり、これら演出内容の情報を管理サーバ110へ送信したりする。遊技履歴情報は、たとえば、遊技者の識別情報に紐付けられて格納されている。また、ホールコンピュータ120は、遊技者の識別情報に紐付けて、遊技者の年齢、住所、性別などの属性を格納している。
【0037】
ホールコンピュータ120は、本発明の情報管理装置に相当する。具体的には、ホールコンピュータ120は、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を記録しており、記録しているテーブルの情報から、後述する遊技媒体貸出装置から受信する遊技機の機種情報に基づいて、機種情報に対応したテーブルの情報を抽出して、遊技媒体貸出装置に送信する機能を有している。また、ホールコンピュータ120は、管理サーバ110から、変更のあった機種のテーブルの情報を受信し、受信したテーブルの情報を用いて、記録しているテーブルの情報を更新する機能を有している。
【0038】
クライアント端末130は、たとえば、遊技者が所有する自宅のPCや、携帯電話端末など、管理サーバ110に接続可能なコンピュータ装置である。遊技者は、クライアント端末130を用いて、遊技者が遊技によって発生させた演出内容に基づくサービスの提供を受けることが可能になっている。サービスは、たとえば、コンテンツの配信によるサービスである。
【0039】
(遊技システムのシステム構成)
つぎに、図2を用いて、ホールHにおける遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、ホールHにおける遊技システムのシステム構成図である。図2において、遊技システム200は、ホールコンピュータ120と、複数の遊技機210−1〜210−n(以下「遊技機210」という)と、複数の遊技媒体貸出装置220−1〜220−n(以下「遊技媒体貸出装置220」という)と、呼出ランプ230−1〜230−n(以下「呼出ランプ230」という)とを備え、それぞれを有線または無線にて接続したものである。
【0040】
遊技機210は、ホールHに設置される、ぱちんこ遊技機である。この遊技機210は、リーチ演出をおこなう遊技機であり、いわゆるデジパチタイプのものである。デジパチタイプの遊技機210は、具体的には、始動入賞口と、液晶や役物などの図柄表示部と、大入賞口などの可動入賞部を備え、始動入賞口への入賞を起点に図柄や役物による演出がおこなわれ、大当たりとなった際には可動入賞部が所定回数開放する機種を指す。
【0041】
図柄表示部には、図柄の変動および停止図柄が表示される。遊技球が始動入賞口に入賞することにより、図柄表示部には、たとえば、3つの図柄が変動するとともに、それぞれ、7,3,5のように確定した図柄が停止した状態で表示される。3つの図柄が7,7,7のように揃うと、可動入賞部が所定回数開放し、大当たり状態となる。図柄の変動中に、3つの図柄のうち、7,7のように2つが揃った状態では、所定の演出がおこなわれるリーチ演出となる。
【0042】
また、図柄表示部は、リーチ演出を予告する予告演出として、リーチの前段階の図柄変動中に、背景色を変えたりキャラクタなどを出現させたりした画面を表示する。リーチ演出は、たとえば、通常のノーマルリーチから、期待度が高く、図柄変動所要時間の長いスーパーリーチに発展する。また、リーチ演出がおこなわれる前段階として、リーチ演出を予告する予告演出がおこなわれる。
【0043】
また、遊技機210は、遊技の進行にともなって発生する遊技情報を遊技媒体貸出装置220に送信する機能を有している。遊技情報は、遊技球の始動入賞、図柄の変動開始、図柄の確定、大当たりの発生、確率変動状態の発生、スタート回数などを示す情報などのほか、発射された遊技媒体の数(アウト玉数)や、遊技機210が払い出した遊技媒体の数(セーフ玉数)などを示す情報である。
【0044】
遊技媒体貸出装置220は、それぞれ隣接する遊技機210と一対一で設置/接続されており、遊技機210の遊技に使用される遊技球などの遊技媒体を貸し出すコンピュータ装置である。遊技媒体貸出装置220は、本発明の演出内容特定装置に相当し、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を記録しており、当該テーブルと遊技機から送出される所定の信号とを用いて、演出内容を特定する。また、遊技媒体貸出装置220は、遊技機210の機種に応じたテーブルの情報の送信依頼をホールコンピュータ120へ要求するとともに、当該要求を受けてホールコンピュータ120から受信したテーブルの情報を記録する。
【0045】
さらに、遊技媒体貸出装置220は、遊技者が所持する会員カードの識別情報を読み込んだり、隣接する遊技機210の種別を特定するための機種情報を遊技機210から読み込んだりするとともに、識別情報、機種情報、遊技情報、演出内容を含む遊技履歴情報をそれぞれ紐付けて、ホールコンピュータ120に送信する機能を有している。また、遊技媒体貸出装置220は、特定した演出内容の情報を呼出ランプ230へ送信する機能を有している。
【0046】
なお、ここでは、遊技媒体貸出装置220を用いて本発明の演出内容特定装置を実現しているが、これに限られるものではなく、遊技機210ごとに設置される台コンピュータを用いることも可能であるし、呼出ランプ230を用いることも可能である。
【0047】
呼出ランプ230は、遊技機210の上部に、遊技機210と一対一で設置/接続されており、遊技機210から送信される大当たり信号や確変(確率変動)遊技中を示す信号などに基づいて、所定の色に点灯したり点滅したりする。なお、呼出ランプ230は、店員を呼び出すために、呼出ランプ230の前面に設けられている所定のボタンが押下されることにより、所定の色に点灯したり点滅したりもする。
【0048】
(遊技媒体貸出装置220の外観)
つぎに、図3を用いて、遊技媒体貸出装置220の外観について説明する。図3は、遊技媒体貸出装置220の一例を示す外観図である。図3において、遊技媒体貸出装置220は、紙幣投入口301と、ディスプレイ302と、操作ボタン303と、会員カード投入口304と、精算コイン投入口305と、精算コイン返却口306と、第1のアンテナ307と、第2のアンテナ308と、液晶ディスプレイ309とを備えている。
【0049】
紙幣投入口301は、遊技媒体の借り入れに使用される紙幣の投入を受け付ける。ディスプレイ302は、紙幣投入口301に投入された紙幣の投入金額やポイント情報などを表示する。操作ボタン303は、機能設定に関する各種の入力や遊技者による暗証番号入力などを受け付ける。
【0050】
会員カード投入口304は、遊技場の会員に対して発行される会員カードの挿入を受け付け、また、挿入された会員カードの返却をおこなう。精算コイン投入口305は、たとえば、会員以外の遊技者、いわゆるビジターである遊技者が使用する精算コインの投入を受け付ける。精算コイン返却口306は、遊技終了時などに、残額のある精算コインを返却する。
【0051】
第1のアンテナ307は、会員カード投入口304と精算コイン投入口305との間の装置内部に配設されており、会員情報などを読み取る。この第1のアンテナ307は、会員カード投入口304に挿入された会員カード、および精算コイン投入口305に投入された精算コインから電波を受信する機能を有している。
【0052】
第2のアンテナ308は、装置本体に配線されており、遊技機210内部の部品に貼付された非接触ICタグの近傍に取り付けられ、非接触ICタグからの電波を受信する機能を有している。非接触ICタグは、電磁誘導または電波を利用して非接触通信をおこなうICタグであり、たとえば、RFID(Radio Frequency Identification)タグである。
【0053】
この非接触ICタグは、たとえば、遊技機210の制御を司る主制御基板や、主制御基板に実装されているROMなどのほか、主制御基板を被覆する基板ケースなどに貼付される。また、非接触ICタグには、遊技機210固有の識別情報が記録されている。非接触ICタグは、この識別情報を外部に発信する機能を有している。識別情報は、非接触ICタグに一意的に割り当てられた情報であり、たとえば、遊技機210を識別するための遊技機ID、遊技場を識別するための遊技場ID、および遊技機210の製造業者を特定するための業者IDなどを含んでいる。
【0054】
遊技媒体貸出装置220は、第2のアンテナ308が受信する非接触ICタグからの電波を用いることにより、遊技機210の機種を特定することが可能になっている。この第2のアンテナ308は、新台入れ替え時などにおいて、遊技機210が入れ替えられると、非接触ICタグの近傍から取り外され、入れ替えられた遊技機Mの非接触ICタグの近傍に再度取り付けられる。
【0055】
液晶ディスプレイ309は、ガイドレール309aが設けられており、当該ガイドレール309aと遊技媒体貸出装置220の筐体に設けられた不図示のガイドレールとで構成されるスライド機構により、収納自在にスライドする構成になっている。この液晶ディスプレイ309は、たとえば、テレビ映像、当日や前日などの遊技情報、スタート回数の情報、飲食サービスなどの情報を表示することが可能になっている。なお、上述したディスプレイ302を設けずに、液晶ディスプレイ309に、ディスプレイ302に表示させる情報、すなわち、紙幣投入口301に投入された紙幣の投入金額やポイント情報などを表示してもよい。
【0056】
(遊技媒体貸出装置のハードウェア構成)
つぎに、図4を用いて、遊技媒体貸出装置220のハードウェア構成について説明する。図4は、遊技媒体貸出装置220のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、遊技媒体貸出装置220は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、音声I/F(インタフェース)404と、スピーカ405と、入力デバイス406と、映像I/F407と、ディスプレイ302(液晶ディスプレイ309)と、アンテナ408と、通信I/F409とを備えている。また、各構成部401〜409はバス420によってそれぞれ接続されている。
【0057】
CPU401は、遊技媒体貸出装置220全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、演出内容特定プログラム、予定変動回数計測プログラム、情報記録プログラムなどのプログラムを記録している。演出内容特定プログラムは、通信I/F409により遊技機210から受信した始動入賞信号または図柄確定信号に基づいて、図柄変動時間を算出するとともに、算出した図柄変動時間を用いて、後述するテーブルから演出内容を特定するプログラムである。
【0058】
予定変動回数計測プログラムは、始動入賞信号に基づいて、以降に図柄変動をおこなう予定変動回数を計測する一方、予定変動回数が予め設定される所定の最大予定変動回数に達したときに始動入賞信号が受信した場合、予定変動回数の計測をおこなわないようにするプログラムである。なお、予定変動回数は、図柄変動(スタート)可能な回数であり、詳細については、図5を用いて後述する。
【0059】
情報記録プログラムは、アンテナ408を用いて読み込んだ遊技機210の機種情報をホールコンピュータ120に送信し、当該送信を受けて、ホールコンピュータ120から受信したテーブルの情報をRAM403に記録させるプログラムである。また、情報記録プログラムは、アンテナ408を用いて読み込んだ機種情報に基づいて、遊技機210が変更されている場合に、当該機種情報に応じたテーブルの情報をホールコンピュータ120から受信して、書き替える情報書替プログラムも含む。
【0060】
RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。RAM403は、詳細については図6を用いて後述するが、各遊技機210の図柄変動ごとの演出内容と、演出をおこなう際の図柄変動時間とを対応付けたテーブルの情報を記録している。
【0061】
音声I/F404は、音声出力用のスピーカ405に接続される。スピーカ405は、音声を出力する。入力デバイス406は、操作ボタン303に相当し、機能設定に関する各種の入力や遊技者による暗証番号入力などを受け付ける。
【0062】
映像I/F407は、ディスプレイ302(液晶ディスプレイ309)と接続される。映像I/F407は、具体的には、たとえば、ディスプレイ302(液晶ディスプレイ309)全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ302(液晶ディスプレイ309)を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0063】
ディスプレイ302(液晶ディスプレイ309)には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、または文字や画像などの各種データが表示される。具体的には、紙幣投入口301に投入された紙幣の投入金額やポイント情報、テレビ映像、当日や前日などの遊技情報、スタート回数の情報、飲食サービスなどの情報などが表示される。
【0064】
アンテナ408は、第1のアンテナ307および第2のアンテナ308に相当し、会員カードから会員情報などを読み取る機能を有するとともに、遊技機210の機種情報を読み取る機能を有している。アンテナ408によって読み取られた会員情報および機種情報は、RAM403などに記録される。
【0065】
通信I/F409は、ネットワークに接続され、CPU401とのインタフェースとして機能する。通信I/F409は、具体的には、遊技機210から送信される遊技情報を受信する。なお、遊技情報は、上述したように、遊技球の始動入賞、図柄の変動開始、図柄の確定、大当たりの発生、確率変動状態の発生、スタート回数などを示す情報などのほか、発射された遊技媒体の数(アウト玉数)や、遊技機210が払い出した遊技媒体の数(セーフ玉数)などを示す情報である。
【0066】
通信I/F409によって遊技機210から受信した遊技情報は、CPU401による演出内容の特定に用いられる。CPU401によって特定された演出内容は、会員情報および機種情報に紐付けられて、通信I/F409により、ホールコンピュータ120へ送信される。また、通信I/F409は、CPU401の制御により、遊技機210の機種情報をホールコンピュータ120へ送信するとともに、ホールコンピュータ120から機種に応じたテーブル情報を受信する機能を有している。
【0067】
(遊技媒体貸出装置の機能的構成)
つぎに、図5を用いて、遊技媒体貸出装置220の機能的構成について説明する。図5は、遊技媒体貸出装置220の機能的構成を示したブロック図である。図5において、遊技媒体貸出装置220は、記録部501と、第1受信部502と、算出部503と、特定部504と、出力部505と、計測部506と、判定部507と、読込部511と、送信部512と、第2受信部513と、制御部514と、記録制御部515とを備えている。
【0068】
記録部501は、各遊技機210の図柄変動ごとの演出内容と、演出をおこなう際の図柄変動時間とを対応付けたテーブルの情報を予め記録する。なお、記録部501は、図4に示したRAM403によって実現される。
【0069】
ここで、図6を用いて、テーブルについて説明する。図6は、テーブルの一例を示した説明図である。図6において、テーブル600は、図柄変動時間とリーチ演出内容とを対応付けたものである。このテーブル600を用いることにより、図柄変動時間からリーチ演出内容を特定することが可能になっている。具体例を挙げると、符号601に示すように、図柄変動時間が40秒であることがわかれば、この図柄変動時間からリーチ演出内容をリーチAとして特定することが可能になっている。なお、このテーブル600は機種やバージョンごとに異なる。
【0070】
また、各リーチ演出内容には、当該リーチ演出内容を識別するための識別情報が付されている。なお、演出内容は、ここではリーチ演出内容を示しているが、予告演出内容についても同様に図柄変動時間と対応付けられている。
【0071】
図5に戻り、第1受信部502は、遊技機210から、遊技球が始動入賞口に入賞した際に送信される始動入賞信号、または図柄が確定した際に送信される図柄確定信号を受信する。なお、これら始動入賞信号および図柄確定信号は、遊技情報に含まれる。第1受信部502は、図4に示した通信I/F409によって実現される。
【0072】
算出部503は、第1受信部502が受信した始動入賞信号または図柄確定信号に基づいて、図柄変動時間を算出する。図柄変動時間は、詳細については後述するが、具体的には、始動入賞信号を受信してから図柄確定信号を受信するまでの時間、または、前回の図柄確定信号を受信してから今回の図柄確定信号を受信するまでの時間である。
【0073】
特定部504は、算出部503によって算出された図柄変動時間を用いて、テーブル600から演出内容を特定する。なお、算出部503と特定部504とは、図4に示したCPU401によって実現される。すなわち、CPU401が演出内容特定プログラムを実行することにより、算出部503と特定部504との機能を実現する。
【0074】
出力部505は、特定部504によって特定された演出内容を出力する。なお、出力される演出内容の情報は、演出内容を特定するための識別情報である。この演出内容を特定するための識別情報は、不図示の関連紐付け部によって遊技者の識別情報と紐付けられた上、ホールコンピュータ120や、ホールコンピュータ120を介して管理サーバ110に送信される。出力部505は、図4に示した通信I/F409によって実現される。
【0075】
なお、上述したテーブル600は、管理サーバ110およびホールコンピュータ120にも記録されており、管理サーバ110およびホールコンピュータ120では、演出内容を識別するための識別情報を取得することにより、当該識別情報に対応した演出内容の特定等が可能になっている。
【0076】
また、計測部506は、第1受信部502によって受信された始動入賞信号に基づいて、以降に図柄変動をおこなう予定変動回数を計測する。予定変動回数は、図柄変動(スタート)可能な回数である。遊技機210の始動入賞口に遊技球が1つのみ入賞し、遊技機210に保留球のない状態を、予定変動回数1とする。また、所定時間内に遊技機210の始動入賞口に遊技球が5つ入賞し、遊技機210に保留球が4つある状態を予定変動回数5とする。言い換えれば、予定変動回数は、遊技機210の保留球表示部が点灯した数に+1した値である。
【0077】
計測部506は、遊技球が始動入賞口に入賞する度に、すなわち、始動入賞信号を受信する度に、予め設定される一定の値を上限値として予定変動回数を+1する。また、計測部506は、遊技機210での図柄の変動が終了した場合、すなわち、遊技機210から図柄確定信号を受信した場合、予定変動回数を−1する。
【0078】
判定部507は、計測部506によって計測された図柄変動開始直前の予定変動回数に基づいて、図柄変動開始直前に遊技機210が保留球状態にあるか否かを判定する。具体的には、判定部507は、図柄変動開始直前の予定変動回数が0の場合、すなわち、遊技球の始動入賞により図柄変動を開始する際に予定変動回数が0→1になった場合、遊技機210が保留球状態にないものと判定する。
【0079】
一方、判定部507は、図柄変動開始直前の予定変動回数が2以上の場合、すなわち、図柄変動が終了したことにより図柄変動を開始する際に予定変動回数が2→1,3→2,4→3または5→4になった場合、遊技機210が保留球状態にあるものと判定する。
【0080】
算出部503は、判定部507によって図柄変動開始時の遊技機210が保留球状態にないと判定された場合に、図柄確定信号を受信した時間から、始動入賞信号を受信した時間を減じた時間を図柄変動時間として算出する。図柄確定信号を受信した時間とは、具体的には、図柄が確定した時間である。始動入賞信号を受信した時間とは、具体的には、図柄変動を開始した時間である。なお、ここでは、図柄確定信号を受信した時間から始動入賞信号を受信した時間を減じた時間を、第1変動時間という。
【0081】
一方、算出部503は、判定部507によって図柄変動開始直前の遊技機210が保留球状態にあると判定された場合に、今回の図柄確定信号を受信した時間から、前回の図柄確定信号を受信した時間を減じた時間を図柄変動時間として算出する。今回の図柄確定信号を受信した時間とは、具体的には、今回の図柄が確定した時間である。前回の図柄確定信号を受信した時間とは、具体的には、今回の図柄変動を開始した時間に相当する。なお、ここでは、今回の図柄確定信号を受信した時間から前回の図柄確定信号を受信した時間を減じた時間を、第2変動時間という。
【0082】
また、計測部506は、予定変動回数が予め設定される所定の最大予定変動回数に達し、かつ、第1受信部502によって始動入賞信号が受信された場合、予定変動回数の計測をおこなわないようにする。具体的には、計測部506は、最大予定変動回数(たとえば5)に達したときに始動入賞信号を受信した場合、予定変動回数を6として計測せずに、5の状態を保持する。
【0083】
最大予定変動回数は、遊技機210ごとに異なり、たとえば、遊技機210に貼付された非接触ICタグに保留球数に対応して記録されている。遊技媒体貸出装置220は、第2のアンテナ308が非接触ICタグから最大保留球数を読み込むことにより、最大保留球数に+1した値を最大予定変動回数としてRAM403に記録する。ここでは、最大予定変動回数を5(遊技機210の保留球数を4)とするが、これに限られるものではなく、たとえば、最大予定変動回数を9(遊技機210の保留球数を8)とすることも可能である。計測部506と判定部507とは、図4に示したCPU401によって実現される。すなわち、CPU401が予定変動回数計測プログラムを実行することにより、計測部506と判定部507との機能を実現する。
【0084】
読込部511は、遊技機210の機種情報を読み込む。具体的には、読込部511は、遊技機210に貼付された非接触ICタグから機種情報を読み込む。読込部511は、図4に示したアンテナ408(図3の第2のアンテナ308)に相当する。
【0085】
送信部512は、読込部511によって読み込まれた機種情報を、テーブル600の情報を管理するホールコンピュータ120へ送信する。送信部512は、具体的には、制御部514による制御を受けて、たとえば、電源投入時や所定の時刻に機種情報をホールコンピュータ120へ送信する。
【0086】
第2受信部513は、送信部512による機種情報の送信を受けて、ホールコンピュータ120から、遊技機210の機種に応じたテーブル600の情報を受信する。第2受信部513は、図4に示した通信I/F409によって実現される。
【0087】
記録制御部515は、制御部514に含まれ、第2受信部513によって受信されたテーブル600の情報を、記録部501に記録させる。制御部514と、記録制御部515とは、図4に示したCPU401によって実現される。すなわち、CPU401が情報記録プログラムを実行することにより、記録制御部515の機能を実現する。
【0088】
さらに、制御部514は、読込部511によって読み込まれた機種情報に基づいて、遊技機210が変更されている場合に、機種情報を、ホールコンピュータ120へ送信させる制御をおこなう。遊技機210が変更されているか否かの判断は、たとえば、前回の電源投入時に読み込んだ機種情報をRAM403などの記録部501に記録させておき、今回の電源投入時に読み込んだ機種情報と比較することによっておこなわれる。
【0089】
このような制御部514を備えた構成において、第2受信部513は、制御部514の制御による送信を受けて、テーブル600の情報を受信する。そして、記録制御部515は、第2受信部513によって受信されたテーブル600の情報を用いて、記録部501に記録されているテーブル600の情報を書き替える。
【0090】
(遊技媒体貸出装置による図柄変動時間の算出の概要)
つぎに、図7を用いて、遊技媒体貸出装置220による図柄変動時間の算出の概要について説明する。図7は、遊技媒体貸出装置220による図柄変動時間の算出の概要を示した説明図である。図7に示す説明図700は、始動入賞信号710と、予定変動回数720と、図柄変動時間730と、図柄確定信号740とを示している。始動入賞信号710に示す入賞No.は、始動入賞した複数の遊技球をそれぞれ識別するために付した番号である。また、図柄変動時間730および図柄確定信号740に示す番号は、この入賞No.に対応している。
【0091】
遊技媒体貸出装置220は、たとえば、始動入賞信号710のうち、入賞No.11の信号を受信すると、当該信号に基づいて予定変動回数720の「1」を計測する。このとき、遊技機210は図柄変動を開始する。そして、遊技機210にて、入賞No.11に対応する図柄変動時間730が経過し、図柄変動が終了すると、遊技媒体貸出装置220は、遊技機210から、入賞No.11に対応する図柄確定信号740を受信する。
【0092】
したがって、遊技媒体貸出装置220は、図柄変動開始直前の予定変動回数720が0の場合、遊技機210から送信される始動入賞信号710および図柄確定信号740を用い、すなわち、始動入賞信号710を受信した時間から、図柄確定信号740を受信した時間までの時間を算出することにより、上述した第1変動時間に相当する図柄変動時間730を導くことが可能になっている。
【0093】
つぎに、入賞No.12〜15の始動入賞信号710について説明する。遊技機210にて、入賞No.11に対応する図柄の変動が確定したあと、符号721に示すように、始動入賞のない状態がしばらく存在したとする。この状態において、遊技媒体貸出装置220は、入賞No.12の始動入賞信号710を受信したとする。遊技媒体貸出装置220は、この入賞No.12の始動入賞信号710を受信すると、当該信号に基づいて予定変動回数720の「1」を計測する。このとき、遊技機210は図柄変動を開始する。
【0094】
入賞No.12に対応する図柄変動時間730の間に、遊技機210にて、入賞No.13,14,15の遊技球が続けて始動入賞口に入賞したとする。すなわち、遊技媒体貸出装置220は、入賞No.12に対応する図柄変動時間730の間に、入賞No.13,14,15の始動入賞信号710を受信したとする。この場合、遊技媒体貸出装置220は、入賞No.13,14,15に対応させて、それぞれ予定変動回数720の2,3,4を計測する。このとき、遊技機210は、保留球数を示す保留球表示部の1つ目から3つ目までを点灯させる。
【0095】
そして、入賞No.12に対応する図柄変動時間730が経過し、図柄変動が終了すると、遊技媒体貸出装置220は、遊技機210から入賞No.12に対応する図柄確定信号740を受信する。したがって、遊技媒体貸出装置220は、図柄変動開始直前の予定変動回数720が0の場合、遊技機210から送信された始動入賞信号710および図柄確定信号740を用いて、すなわち、図柄確定信号740を受信した時間から、始動入賞信号710を受信した時間を減じることにより、第1変動時間に相当する図柄変動時間730を算出することが可能になっている。
【0096】
なお、この場合、図柄変動時間730を、図柄確定信号740間の時間(第2変動時間)とすると、符号721に示すように、入賞No.11の図柄確定信号740を受信してから、入賞No.12の図柄確定信号740を受信するまでの時間を図柄の変動に要した時間として算出してしまう。すなわち、たとえば、今回遊技をする遊技者の前に遊技をしていた遊技者の最後の図柄変動を終えてから、今回遊技をする遊技者の最初の図柄変動が完了するまでの間が図柄変動時間730となってしまう。
【0097】
つまり、遊技機210が客待ち状態となっている時間や、遊技中であっても遊技球が始動入賞口に入賞しない時間も図柄変動時間730に含まれるといった不具合が生じる。このような不具合が生じないよう、図柄変動開始直前の予定変動回数720が0の場合には、始動入賞信号710を受信してから図柄確定信号740を受信するまでの間(第1変動時間)を図柄変動時間730としている。
【0098】
なお、入賞No.12の図柄変動時間730は、入賞No.11の図柄変動時間730に比べて長くなっており、これは、リーチがあったことを示している。すなわち、入賞No.12に対応する図柄変動時間730は、スーパーリーチを含むリーチ時の変動時間を示している。
【0099】
つぎに、入賞No.13の始動入賞信号710について説明する。遊技機210において、入賞No.13の始動入賞信号710による図柄変動の開始は、入賞No.12に対応する図柄変動が終了するまで、保留の状態になっている。遊技媒体貸出装置220は、入賞No.12に対応する図柄確定信号740を受信すると、予定変動回数720を−1し、すなわち、予定変動回数720を4から3に減じる。このとき、遊技機210は、図柄変動を開始するとともに、遊技機210の保留球表示部の3つ目を消灯させ、2つ目までが点灯した状態になる。
【0100】
そして、入賞No.13に対応する図柄変動時間730の間に、入賞No.16,17,18,19の遊技球が続けて始動入賞口に入賞したとする。すなわち、遊技媒体貸出装置220は、入賞No.13に対応する図柄変動時間730の間に、入賞No.16,17,18,19の始動入賞信号710を受信したとする。この場合、遊技媒体貸出装置220は、入賞No.16,17に対応して、予定変動回数720を4,5として計測する。このとき、遊技機210は、保留球として保留球表示部の3つ目と4つ目を点灯させる。
【0101】
なお、遊技機210において、入賞No.18,19については、保留球の上限値4に達しているため、保留されない。遊技媒体貸出装置220では、入賞No.18,19の始動入賞信号710を受信しているものの、RAM403に記録されている予定変動回数720の上限値5に達しているため、これらの計測をおこなわず、予定変動回数720を5として保持する。
【0102】
そして、入賞No.13に対応する図柄変動時間730が経過し、図柄変動が終了すると、遊技媒体貸出装置220は、遊技機210から入賞No.13に対応する図柄確定信号740を受信する。したがって、図柄変動開始直前の予定変動回数720が2以上(遊技機210の保留球が1以上)の場合、遊技媒体貸出装置220は、遊技機210から出力された図柄確定信号740を用い、前回の図柄確定信号740を受信した時間から、今回の図柄確定信号740を受信した時間を減じることにより、第2変動時間に相当する図柄変動時間730を算出することが可能になっている。なお、入賞No.13の図柄変動時間730は、入賞No.12の図柄変動時間730(リーチ時の変動時間)に比べて長くなっており、たとえば、より期待度の高いリーチを示している。
【0103】
入賞No.14〜17の図柄変動時間730の算出手法は、入賞No.13の図柄変動時間730の算出手法と同様であり、説明を省略する。なお、入賞No.18,19については、予定変動回数720として計測されないため、遊技媒体貸出装置220における図柄変動時間730の算出がおこなわれないようになっている。
【0104】
(ホールコンピュータのハードウェア構成)
つぎに、図8を用いて、図1に示したホールコンピュータ120のハードウェア構成について説明する。図8は、ホールコンピュータ120のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0105】
図8において、ホールコンピュータ120は、CPU801と、ROM802と、RAM803と、磁気ディスクドライブ804と、磁気ディスク805と、光ディスクドライブ806と、光ディスク807と、音声I/F(インタフェース)808と、スピーカ809と、入力デバイス810と、映像I/F811と、ディスプレイ812と、通信I/F813とを備えている。また、各構成部801〜813はバス820によってそれぞれ接続されている。
【0106】
CPU801は、コンピュータ装置全体の制御を司る。ROM802は、ブートプログラム、情報管理プログラムなどの各種プログラムを記録している。RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される。
【0107】
情報管理プログラムは、遊技媒体貸出装置220から受信した機種情報に基づいて、磁気ディスク805などに記録されている複数のテーブル600の情報から、機種情報に対応したテーブル600の情報を抽出して、遊技媒体貸出装置220へ送信するプログラムである。また、情報管理プログラムは、管理サーバ110から、変更のあった機種のテーブル600の情報を受信すると、当該テーブル600の情報を用いて、磁気ディスク805などに記録している各機種のテーブル600の情報を更新する情報更新プログラムも含んでいる。
【0108】
磁気ディスクドライブ804は、CPU801の制御にしたがって、磁気ディスク805に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク805は、磁気ディスクドライブ804の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク805は、複数のテーブル600の情報を、それぞれ機種情報に対応させて記録されている。磁気ディスク805としては、たとえば、HD(ハードディスク)や、FD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0109】
光ディスクドライブ806は、CPU801の制御にしたがって、光ディスク807に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク807は、光ディスクドライブ806の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク807は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク807のほかに、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0110】
音声I/F808は、音声出力用のスピーカ809に接続される。スピーカ809は、音声を出力する。入力デバイス810は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0111】
映像I/F811は、ディスプレイ812と接続される。映像I/F811は、具体的には、たとえば、ディスプレイ812全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ812を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0112】
ディスプレイ812には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、または文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ812は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0113】
通信I/F813は、ネットワークに接続され、CPU801とのインタフェースとして機能する。通信I/F813は、遊技媒体貸出装置220から機種情報や、遊技によって発生した演出内容の情報を含む遊技履歴情報などを受信する。また、通信I/F813は、機種情報や遊技履歴情報を管理サーバ110へ送信するとともに、管理サーバ110から各機種の最新のテーブル600の情報を受信する。
【0114】
(ホールコンピュータの機能的構成)
つぎに、図9を用いて、ホールコンピュータ120の機能的構成について説明する。図9は、ホールコンピュータ120の機能的構成の一例を示す説明図である。
【0115】
図9において、ホールコンピュータ120は、記録部901と、機種情報受信部902と、抽出部903と、送信部904と、テーブル情報受信部905と、更新部906とを備えている。記録部901は、各機種のテーブル600の情報を機種情報に対応させて記録する。記録部901は、磁気ディスク805などによって実現される。
【0116】
機種情報受信部902は、遊技媒体貸出装置220から遊技機210の機種情報を受信する。抽出部903は、機種情報受信部902によって受信された機種情報に基づいて、記録部901に記録されているテーブル600の情報から、機種情報に対応したテーブル600の情報を抽出する。送信部904は、抽出部903によって抽出されたテーブル600の情報を遊技媒体貸出装置220へ送信する。
【0117】
テーブル情報受信部905は、管理サーバ110から、変更のあった機種のテーブル600の情報を受信する。更新部906は、テーブル情報受信部905によって受信されたテーブルの情報を用いて、記録部901に記録されているテーブル600の情報を更新する。
【0118】
なお、テーブル情報受信部905によるテーブル600の情報の受信の前段階として、管理サーバ110へテーブル600の情報の送信を要求するようにしてもよい。具体的には、たとえば、遊技媒体貸出装置220により遊技機210の変更が認められた場合に、管理サーバ110へテーブル600の情報の送信を要求するようにすればよい。これによって、最新のテーブル600の情報を得ることができる。
【0119】
なお、機種情報受信部902と、送信部904と、テーブル情報受信部905とは、図8に示した通信I/F813によって実現される。抽出部903と更新部906とは、図8に示したCPU801によって実現される。すなわち、CPU801が情報管理プログラムを実行することによって抽出部903と更新部906との機能を実現する。
【0120】
(ホールコンピュータに記録されているテーブルの情報の一例)
つぎに、図10を用いてホールコンピュータ120に記録されているデータの一例について説明する。図10は、ホールコンピュータ120に記録されているデータの情報の一例を示した説明図である。
【0121】
図10において、ホールコンピュータ120の磁気ディスク805などに記録されているデータ1000は、機種情報1001に対応させてテーブル600の情報を記録している。機種情報1001は、機種名と、遊技機IDとからなる。遊技機IDは、遊技機210固有の識別情報である。テーブル600の情報は、遊技媒体貸出装置220に隣接する遊技機210の機種に応じて、遊技媒体貸出装置220へ送信されるものである。また、テーブル600の情報は、機種ごとに逐次更新されるようになっている。
【0122】
(遊技媒体貸出装置がおこなう予定変動回数計測処理の一例)
つぎに、図11を用いて、遊技媒体貸出装置220がおこなう予定変動回数計測処理(図5の計測部506参照)の一例について説明する。図11は、遊技媒体貸出装置220がおこなう予定変動回数計測処理の一例を示したフローチャートである。なお、図11に示す処理は、CPU401が予定変動回数計測プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0123】
図11において、遊技媒体貸出装置220のCPU401は、遊技機210から始動入賞信号を受信するまで待機状態にあり(ステップS1101:Noのループ)、始動入賞信号を受信すると(ステップS1101:Yes)、RAM403に記録されている予定変動回数が5であるか否かを判断する(ステップS1102)。なお、本実施の形態において、予定変動回数の上限値は5であり、これは、遊技機210の保留球数の上限値4に相当する。
【0124】
ステップS1102において、予定変動回数が5ではないと判断した場合(ステップS1102:No)、予定変動回数を+1する(ステップS1103)。このあと、RAM403に+1した予定変動回数を記録し(ステップS1104)、一連の処理を終了する。一方、ステップS1102において、予定変動回数が5であると判断した場合(ステップS1102:Yes)、一連の処理を終了する。
【0125】
上述した処理によれば、遊技媒体貸出装置220は、遊技機210の保留球数に対応して、予定変動回数を計測することができる。すなわち、遊技媒体貸出装置220は、遊技機210にて図柄変動をおこなう回数やタイミングを的確に計測することができる。したがって、適正な図柄変動時間を算出することができ、適正な演出内容を特定することが可能になる。
【0126】
(遊技媒体貸出装置がおこなう演出内容特定処理の一例)
つぎに、図12を用いて、遊技媒体貸出装置220がおこなう演出内容特定処理の一例について説明する。図12は、遊技媒体貸出装置220がおこなう演出内容特定処理の一例を示したフローチャートである。なお、図12に示す処理は、CPU401が演出内容特定プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0127】
図12において、遊技媒体貸出装置220のCPU401は、遊技機210の図柄変動が開始したか否かを判断する(ステップS1201)。なお、遊技機210の図柄変動が開始となるタイミングは、具体的には、図柄変動開始直前の遊技機210が保留状態にない状況にて遊技機210から始動入賞信号を受信したタイミングか、または、図柄変動開始直前の遊技機210が保留状態にある状況にて遊技機210から前回の図柄変動の図柄確定信号を受信したタイミングである。
【0128】
ステップS1201において、遊技機210の図柄変動が開始するまで待機状態にあり(ステップS1201:Noのループ)、遊技機210の図柄変動が開始すると(ステップS1201:Yes)、RAM403に記録されている予定変動回数が1か否かを判断する(ステップS1202)。予定変動回数が1であると判断した場合(ステップS1202:Yes)、図柄変動開始直前の予定変動回数が0か否かを判断する(ステップS1203)。
【0129】
図柄変動開始直前の予定変動回数が0の場合(ステップS1203:Yes)、すなわち、図柄変動開始直前の遊技機210が保留状態にない状況であった場合、第1変動時間を算出する(ステップS1204)。第1変動時間は、始動入賞信号を受信したときから、図柄確定信号を受信するまでの時間であり、図7を用いて説明した通りである。そして、テーブル600(図6参照)から図柄変動時間に対応する演出内容を特定する(ステップS1205)。なお、テーブル600に、図柄変動時間に対応する演出内容が存在しない場合、すなわち、演出内容が通常の図柄変動であった場合は、一連の処理を終了すればよい。
【0130】
一方、ステップS1202において、予定変動回数が1ではないと判断した場合(ステップS1202:No)、すなわち、予定変動回数が2以上の場合、第2変動時間を算出し(ステップS1207)、ステップS1205に移行する。なお、予定変動回数が0の場合は、ステップS1201において、遊技機210の図柄変動が開始とはならないため、ここでの場合分けにおいて考慮する必要はない。第2変動時間は、前回の図柄確定信号を受信したときから、今回の図柄確定信号を受信するまでの時間であり、図7を用いて説明した通りである。
【0131】
また、ステップS1203において、図柄変動開始直前の予定変動回数が0ではないと判断した場合(ステップS1203:No)、すなわち、図柄変動開始直前の予定変動回数が2(遊技機210の保留球数が1)の場合、ステップS1207における第2変動時間の算出をおこなう。
【0132】
ステップS1205において演出内容の特定をおこなったあと、演出内容を出力し(ステップS1206)、一連の処理を終了する。なお、出力される演出内容は、遊技者の識別情報と紐付けられ、ホールコンピュータ120へ送出される。そして、ホールコンピュータ120では、遊技者の識別情報と紐付けられた演出内容の情報を格納するとともに、当該情報を管理サーバ110へ送信する。
【0133】
また、特定された演出内容が一定時間以上の長さを有するもの(たとえば、スーパーリーチ)である場合、呼出ランプ230にその旨を示す情報を送信し、呼出ランプ230を点灯または点滅させるようにしてもよい。このようにすれば、スーパーリーチが発生した際に、呼出ランプ230を用いたリアルタイムの演出をおこなうことができるとともに、遊技機210による演出を引き立てることができる。
【0134】
なお、このような演出内容特定処理は、ホールH内の全ての遊技媒体貸出装置220によっておこなわれる。つまり、遊技者が遊技する台を変えたとしても、各機種において、演出内容を特定することが可能になっている。また、遊技媒体貸出装置220によって特定された演出内容は、管理サーバ110およびホールコンピュータ120にて、全て遊技者と紐付けて格納される。つまり、遊技者が遊技した全ての機種および当該機種の演出内容は、管理サーバ110およびホールコンピュータ120にて、管理されるようになっている。また、管理サーバ110は、店舗の異なる全てのホールHにて発生させた演出内容を遊技者ごとに、たとえば、累計化して格納することも可能である。
【0135】
上述した処理によれば、始動入賞信号または図柄確定信号に基づいて、図柄変動時間を算出し、算出した図柄変動時間を用いて、テーブル600から演出内容を特定するようにしたので、遊技機210からの特殊な信号や情報を用いることなく、演出内容を特定することができる。したがって、遊技機210の演出内容に応じて、他の装置による演出やサービスをおこなうことができる。
【0136】
また、図柄変動開始直前に遊技機が保留球状態にない場合に、図柄確定信号を受信した時間から、始動入賞信号を受信した時間を減じた時間を第1変動時間として算出するようにしたので、予定変動回数が0→1になった状況下で、図柄変動時間を正確に計ることができる。したがって、正確に演出内容を特定することができる。
【0137】
また、図柄変動開始直前の遊技機が保留球状態にある場合に、今回の図柄確定信号を受信した時間から、前回の図柄確定信号を受信した時間を減じた時間を第2変動時間として算出するようにしたので、予定変動回数が2→1や3→2となった状況下、すなわち、遊技機210が保留球状態にある状況下であっても、図柄変動時間を正確に計ることができる。したがって、正確に演出内容を特定することができる。
【0138】
また、予定変動回数が予め設定される所定の最大予定変動回数に達し、かつ、始動入賞信号を受信した場合、予定変動回数の計測をおこなわないようにしたので、遊技機210の保留球数が最大となっている状況下で、始動入賞があったとしても、最大予定変動回数を計測せずに、的確な図柄変動時間を計ることができる。したがって、的確に演出内容を特定することができる。
【0139】
(遊技媒体貸出装置がおこなう情報記録処理の一例)
つぎに、図13を用いて、遊技媒体貸出装置220がおこなう情報記録処理の一例について説明する。図13は、遊技媒体貸出装置220がおこなう情報記録処理の一例を示したフローチャートである。なお、図13に示す処理は、CPU401が情報記録プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0140】
図13のフローチャートにおいて、遊技媒体貸出装置220のCPU401は、アンテナ408が遊技機210から遊技機IDなどの機種情報を読み込んだか否かを判断する(ステップS1301)。なお、機種情報の読み込みは、たとえば、遊技媒体貸出装置220の電源投入時におこなわれる。
【0141】
機種情報を読み込むまで待機状態にあり(ステップS1301:Noのループ)、機種情報を読み込むと(ステップS1301:Yes)、機種情報をホールコンピュータ120へ送信する(ステップS1302)。そして、この送信を受けて、ホールコンピュータ120から機種に応じたテーブル600の情報を受信する(ステップS1303)。このあと、RAM403に受信したテーブル600の情報を記録し(ステップS1304)、一連の処理を終了する。
【0142】
上述した処理によれば、たとえば、電源投入時にその都度、最新のテーブル600の情報をホールコンピュータ120から受信し、記録することができる。すなわち、新たに遊技媒体貸出装置220を設置した場合に、人手による操作を要することなく、当該遊技媒体貸出装置220の電源を投入することにより、テーブル600の情報を自動的に取得することができる。また、ホールコンピュータ120にて管理されるテーブル600が更新された場合であっても、更新されたテーブル600の情報を反映させることができる。
【0143】
(遊技媒体貸出装置がおこなう情報書換え処理の一例)
つぎに、図14を用いて、遊技媒体貸出装置220がおこなう情報書換え処理の一例について説明する。図14は、遊技媒体貸出装置220がおこなう情報書換え処理の一例を示したフローチャートである。なお、図14に示す処理は、CPU401が情報記録プログラムに含まれる情報書換えプログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0144】
図14のフローチャートにおいて、遊技媒体貸出装置220のCPU401は、アンテナ408が遊技機210から遊技機IDなどの機種情報を読み込んだか否かを判断する(ステップS1401)。なお、機種情報の読み込みは、たとえば、遊技媒体貸出装置220の電源投入時におこなわれる。
【0145】
機種情報を読み込むまで待機状態にあり(ステップS1401:Noのループ)、機種情報を読み込むと(ステップS1401:Yes)、遊技機210が変更されているか否かを判断する(ステップS1402)。なお、遊技機210が変更されているか否かの判断は、具体的には、読み込んだ機種情報が、前回読み込んだ機種情報と異なるか否かの判断である。
【0146】
遊技機210が変更されていると判断した場合(ステップS1402:Yes)、機種情報をホールコンピュータ120へ送信する(ステップS1403)。そして、この送信を受けて、ホールコンピュータ120から機種に応じたテーブル600の情報を受信する(ステップS1404)。このあと、RAM403に受信したテーブル600の情報を書換え(ステップS1405)、一連の処理を終了する。一方、ステップS1402において、遊技機210が変更されていないと判断した場合(ステップS1402:No)、一連の処理を終了する。
【0147】
上述した処理によれば、遊技機210が入れ替わった際に、テーブル600の情報を書き替えることができる。したがって、データの更新を必要最小限に抑えることができる。
【0148】
(ホールコンピュータがおこなう情報管理処理の一例)
つぎに、図15を用いて、ホールコンピュータ120がおこなう情報管理処理の一例について説明する。図15は、ホールコンピュータ120がおこなう情報管理処理の一例を示したフローチャートである。なお、図15に示す処理は、CPU801が情報管理プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0149】
図15において、ホールコンピュータ120は、遊技媒体貸出装置220から機種情報を受信するまで待機状態にあり(ステップS1501:Noのループ)、機種情報を受信すると(ステップS1501:Yes)、磁気ディスク805から機種情報に対応したテーブル600の情報を抽出する(ステップS1502)。そして、遊技媒体貸出装置220へ、抽出したテーブル600の情報を送信し(ステップS1503)、一連の処理を終了する。なお、上述した処理は、機種情報の受信をトリガとしているが、これに限られるものではなく、図16を用いて後述するテーブル600の情報の更新をトリガとし、更新のあったテーブル600に対応する機種の遊技媒体貸出装置220に、テーブル600の情報を送信するようにしてもよい。
【0150】
上述した処理によれば、装置の入れ替えなどを要することなく、テーブル600の情報のみ送信することによって、遊技媒体貸出装置220にて機種に対応したテーブル600の情報を記録することができる。したがって、通信時のデータ量を抑えることができ、遊技媒体貸出装置220にて、テーブル600の情報の記録を簡単且つ迅速におこなうことができる。
【0151】
(ホールコンピュータがおこなう情報更新処理の一例)
つぎに、図16を用いて、ホールコンピュータ120がおこなう情報更新処理の一例について説明する。図16は、ホールコンピュータ120がおこなう情報更新処理の一例を示したフローチャートである。なお、図16に示す処理は、CPU801が情報管理プログラムに含まれる情報更新プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0152】
図16において、ホールコンピュータ120は、管理サーバ110からテーブル600が更新された旨の情報を受信したか否かを判断する(ステップS1601)。テーブル600が更新された旨の情報を受信するまで待機状態にあり(ステップS1601:Noのループ)、テーブル600が更新された旨の情報を受信すると(ステップS1601:Yes)、管理サーバ110からテーブル600の情報を受信する(ステップS1602)。このあと、磁気ディスク805に記録しているテーブル600の情報を更新し(ステップS1603)、一連の処理を終了する。なお、更新をおこなったあとに、更新のあったテーブル600に対応する機種の遊技媒体貸出装置220に、テーブル600の情報を送信するようにしてもよい。
【0153】
上述した処理によれば、常時最新のテーブル600の情報を記録することができる。したがって、遊技媒体貸出装置220に最新のテーブル600の情報を記録させることができるとともに、的確な演出内容の特定をおこなわせることができる。
【0154】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、遊技機の演出制御基板に設けられた外部端子から、図柄変動中の演出内容を構成する演出要素を示す信号を受信するようにし、受信した出力信号に基づいて、演出内容を特定するようにした遊技媒体貸出装置を用いた場合について説明する。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成部については同様の符号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0155】
(遊技機の制御部の内部構成)
図17は、実施の形態2にかかる遊技機の制御部の内部構成を示した説明図である。制御部1700は、主制御部1701と、賞球制御部1702と、演出制御部1703とからなる。主制御部1701は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。賞球制御部1702は、払い出す賞球を制御する。演出制御部1703は、遊技中または待機中の演出動作を制御する。
【0156】
ここで、演出制御部1703について詳細に説明する。演出制御部1703は、遊技中における演出内容の制御をおこなう。この演出制御部1703は、主制御部1701から送出されるコマンドに基づき、演出内容を統括する演出統括部1710と、演出統括部1710によって指示された画像および音声の制御をおこなう画像・音声制御部1720と、遊技盤および枠に設けられたランプの点灯を制御するランプ制御部1730によって構成されている。
【0157】
演出統括部1710は、演出処理を実行するCPU1711と、演出のプログラムを記憶するROM1712と、CPU1711の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM1713とを備えて構成される。演出統括部1710は、主制御部1701から送出されるコマンドに基づき、CPU1711がROM1712に記憶されたプログラムを読み込んで、演出内容を決定し、画像・音声制御部1720およびランプ制御部1730に指示出力する。
【0158】
画像・音声制御部1720は、画像表示部1743に対しては、遊技中における演出内容、たとえば、図柄の変動表示や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)、および大当たり時の各種表示情報を生成して出力する。具体的には、画像・音声制御部1720は、CPU1721と、ROM1722と、RAM1723とを備える。CPU1721は、画像・音声制御部1720全体の制御を司る。ROM1722は、画像・音声生成プログラムや、出力制御プログラムなどの各種プログラムのほか、背景画像、図柄画像、キャラクタ画像など各種画像データや各種音声を記憶する。
【0159】
出力制御プログラムは、演出統括部1710から取得した演出内容の情報を取得し、演出内容を構成する演出要素を抽出してRAM1723に書き込むとともに、当該演出要素の情報を外部端子1741から送出させるプログラムである。RAM1723は、画像表示部1743に表示させる画像データや演出要素のデータのほか、スピーカ1742を介して出力させる音声データを格納する。
【0160】
また、画像・音声制御部1720のCPU1721は、演出統括部1710によって指示された演出内容に基づいて、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行し、必要な画像データおよび音声データをROM1722から読み出してRAM1723に書き込む。RAM1723に書き込まれた背景画像、図柄画像、キャラクタ画像などの演出要素は、表示画面上において画像表示部1743に重畳表示される。なお、図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。
【0161】
ランプ制御部1730は、ランプ点灯等のための処理を実行するCPU1731と、ランプ点灯等の制御データを記憶するROM1732と、CPU1731のワークエリアとしてのRAM1733と、枠ランプ1751および盤ランプ1752と、可動役物1753と、を備えて構成される。
【0162】
ランプ制御部1730は、演出統括部1710から出力されたランプ点灯等のコマンドに基づいて、遊技盤に設けられている盤ランプ1752や、枠部材に設けられている枠ランプ1751を点灯制御するデータを出力する。また、可動役物1753に対して動作制御するデータを出力する。
【0163】
以上の演出制御部1703は、たとえば演出制御基板によってその機能を実現する。図17に示すように、演出制御部1703は、演出統括部1710と、画像・音声制御部1720と、ランプ制御部1730とがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しており、演出統括部1710を中心として、この演出統括部1710は、画像・音声制御部1720と、ランプ制御部1730との間でコマンドを送受する構成とすればよい。
【0164】
(遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成)
つぎに、図18を用いて、実施の形態2にかかる遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成について説明する。図18は、実施の形態2にかかる遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成を示したブロック図である。図18において、遊技機1800は、画像・音声制御部1720に、取得部1801と、抽出部1802と、出力制御部1803と、外部端子1741とを備えている。
【0165】
取得部1801は、演出内容の情報を取得する。演出内容の情報は、リーチ演出内容を示す情報や、予告演出内容を示す情報である。取得部1801は、図17に示した演出統括部1710の演出内容決定処理によって決定された演出内容の情報を、演出統括部1710から取得する。取得部1801が取得した演出内容の情報は、たとえば、演出内容を構成するキャラクタや背景などの演出要素ごとにVRAMなどに記録される。
【0166】
抽出部1802は、取得部1801によって取得された演出内容の情報に基づいて、演出内容を構成するキャラクタや背景などの演出要素を抽出する。具体的には、抽出部1802はVRAMなどに記録された演出内容の情報から、演出要素を抽出する。
【0167】
出力制御部1803は、抽出部1802によって抽出された演出要素を示す出力信号を外部端子1741から出力させる。出力信号は、演出要素を区別することができる信号であれば、いずれの形式の信号を出力させてもよいが、代表的には、演出要素に応じて予め定めた複数の外部端子から出力されるとともに、演出要素に応じて所定のパルス数にて出力されるものである。出力制御部1803による信号を出力させるタイミングは、たとえば、演出がおこなわれた直後であるが、これに限らず、演出がおこなわれている最中、すなわち、演出中にキャラクタが表示されたときとしてもよいし、演出前に演出内容の情報を取得することにより演出の直前としてもよい。
【0168】
なお、取得部1801と、抽出部1802と、出力制御部1803とは、図17に示した画像・音声制御部1720のCPU1721によって実現される。すなわち、画像・音声制御部1720のCPU1721が、画像・音声制御部1720のROM1722などに記録されている出力信号制御プログラムを実行することにより、取得部1801と、抽出部1802と、出力制御部1803との機能を実現する。
【0169】
遊技媒体貸出装置1810は、読込部511と、送信部512と、第2受信部513と、制御部514と、記録制御部515と、記録部1811と、第1受信部1812と、要素特定部1813と、出力部1814と、組合せ部1815と、演出特定部1816とを備えている。なお、要素特定部1813と、組合せ部1815と、演出特定部1816とにより、本発明の特定部1820を実現している。読込部511と、送信部512と、第2受信部513と、制御部514と、記録制御部515との説明については、扱うテーブルがテーブル600ではなく、後述する要素テーブルおよび組合せテーブルである点以外は実施の形態1と同様のため、省略する。
【0170】
記録部1811は、図柄変動中の演出内容を構成するキャラクタなどの演出要素と、画像・音声制御部1720から出力される演出要素を示す出力信号の種別とを対応付けた要素テーブルを記録する。また、この要素テーブルは、少なくとも、演出要素と出力信号の種別とを対応付けたものであればよいが、本実施の形態においては、さらに演出要素と出力信号のパルス数とを対応付けたものとしている。なお、要素テーブルの詳細については、図19を用いて後述する。
【0171】
第1受信部1812は、遊技機1800の画像・音声制御部1720から出力信号を受信する。要素特定部1813は、第1受信部1812によって受信された出力信号に基づいて、要素テーブルの中から出力信号に対応する演出要素を特定する。また、要素特定部1813は、第1受信部1812によって受信された出力信号に基づいて、要素テーブルの中から出力信号の種別または出力信号のパルス数に対応する演出要素を特定する。
【0172】
また、記録部1811は、演出内容と、演出要素の組合せとを対応付けた組合せテーブルの情報を予め記録する。なお、要素テーブルの詳細については、図20を用いて後述する。組合せ部1815は、要素特定部1813によって特定された演出要素を組み合わせる。演出特定部1816は、組合せ部1815によって組み合わされた演出要素を用いて、組合せテーブルの中から演出要素の組合せに対応する演出内容を特定する。
【0173】
出力部1814は、演出特定部1816によって特定された演出内容の情報を出力する。出力される演出内容の情報は、不図示の関連紐付け部によって遊技者の識別情報と紐付けられた上、ホールコンピュータ120や、ホールコンピュータ120を介して管理サーバ110に送信される。なお、管理サーバ110やホールコンピュータ120により、演出内容に応じたサービス、すなわち、遊技によって発生させた演出内容の種類や回数などに応じたコンテンツの配信などのサービスが可能になる。
【0174】
なお、出力部1814は、演出内容の情報を出力することに限らず、要素特定部1813によって特定された演出要素の情報を出力するようにしてもよい。この場合、出力される演出要素の情報は、不図示の関連紐付け部によって遊技者の識別情報と紐付けられた上、ホールコンピュータ120や、ホールコンピュータ120を介して管理サーバ110に送信される。管理サーバ110やホールコンピュータ120により、演出要素に応じたサービス、すなわち、遊技によって出現させたキャラクタ画像の種類や回数などに応じたコンテンツの配信などのサービスをおこなうようにしてもよい。
【0175】
なお、上述した記録部1811は、図4に示したRAM403によって実現される。第1受信部1812と、出力部1814とは、図4に示した通信I/F409によって実現される。要素特定部1813と、組合せ部1815と、演出特定部1816とは、CPU401によって実現される。すなわち、CPU401が、演出内容特定プログラムを実行することにより、要素特定部1813と、組合せ部1815と、演出特定部1816との機能を実現する。
【0176】
(遊技媒体貸出装置に記録されている要素テーブルの一例)
つぎに、図19を用いて、遊技媒体貸出装置1810に記録されている要素テーブルの一例について説明する。図19は、遊技媒体貸出装置1810に記録されている要素テーブルの一例を示した説明図である。なお、ここでは予告演出の演出内容を例に挙げて説明するが、リーチ演出内容についても同様である。
【0177】
図19において、要素テーブル1900は、図柄変動中の演出内容を構成するキャラクタなどの演出要素と、画像・音声制御部1720から出力される演出要素を示す出力信号の種別とを対応付けたものである。出力信号の種別は、画像・音声制御部1720の外部端子1741の種別(端子1901)に相当する。すなわち、要素テーブル1900は、端子1901ごとに演出要素を対応付けたものである。具体的には、パルス数1902が「1」の場合、端子1901は、端子1〜7ごとにそれぞれ「緑バス」、「青マフラー」、・・・などのように演出要素が対応付けられている。したがって、出力元の外部端子1741の種別(出力される信号の種別)がわかれば、演出要素を特定することが可能になっている。
【0178】
ここで、要素テーブル1900に示す演出要素について具体的に説明する。端子1〜4の括弧書きに示す「ステップ」は、予告演出中に演出要素が出現する順番を示している。すなわち、端子1の「ステップ1」から順に、予告演出中の最初の段階を示し、端子4の「ステップ4」は、リーチ演出に移行する直前の予告演出中の最後の段階を示している。
【0179】
具体的には、「ステップ1」の「緑バス」は、予告演出中の最初の段階で緑色のバスが登場する演出を示している。「ステップ2」の「青マフラー」は、ステップ1の次の段階で青色のマフラーを巻いた女性が登場する演出を示している。ステップ3の「イラスト男性」は、ステップ2の次の段階でイラストの男性が登場する演出を示している。ステップ4の「女性ハート群」は、予告演出中の最後の段階でハート群が登場する演出を示している。なお、要素テーブル1900に示しているその他の演出要素については説明を省略するが、同様に登場するキャラクタなどを示したものである。
【0180】
端子5は、シーンなどの背景を示したものである。端子6および端子7は、図柄変動中の背景に出現させるキャラクタを示したものであり、出現により、リーチ演出や大当たりへの期待度を告知するものである。
【0181】
また、図19に示すように、要素テーブル1900は、演出要素と出力信号のパルス数とを対応付けたものである。すなわち、要素テーブル1900は、パルス数1902ごとに演出要素を対応付けたものである。具体的には、端子1において、パルス数1902は、「1,2,3…」ごとにそれぞれ「緑バス」、「赤バス」、「ゼブラバス」・・・などのように演出要素が対応付けられている。
【0182】
したがって、外部端子1741から出力されるパルス数がわかれば、演出要素を特定することが可能になっている。なお、図19に示す演出内容は予告演出内容であるが、リーチ演出内容についても同様に、リーチ演出を構成する演出要素と出力信号とを対応付けたテーブルとして記録されている。なお、符号1903に示す演出要素を囲む枠については、図21を用いた出力信号の説明にて後述する。
【0183】
(遊技媒体貸出装置に記録されている組合せテーブルの一例)
つぎに、図20を用いて、遊技媒体貸出装置1810に記録されている組合せテーブルの一例について説明する。図20は、遊技媒体貸出装置1810に記録されている組合せテーブルの一例を示した説明図である。なお、ここでも予告演出の演出内容を例に挙げて説明するが、リーチ演出内容についても同様である。
【0184】
図20において、組合せテーブル2000は、演出要素の組合せと予告演出内容とを対応付けたものである。演出要素の組合せは、図19の要素テーブル1900を用いて特定された演出要素を組み合わせたものである。すなわち、演出要素の組合せは、予告演出において出現したキャラクタなどをもとめたものである。組合せテーブル2000を用いることにより、演出要素の組合せがわかれば、予告演出内容を特定することが可能になっている。
【0185】
(画像・音声制御部の外部端子から出力される出力信号の一例)
つぎに、図21を用いて、画像・音声制御部1720の外部端子1741から出力される出力信号の一例について説明する。図21は、画像・音声制御部1720の外部端子1741から出力される出力信号の一例を示した説明図である。なお、ここでも予告演出の演出内容を例に挙げて説明するが、リーチ演出内容についても同様である。
【0186】
図21は、ある予告演出内容の出力信号2100を示している。予告演出中の最初の段階を示すステップ1の信号として端子1からは、パルス数2の信号が出力されている。端子2からは、パルス数3の信号が出力されている。端子3〜7についても、それぞれ、図21に示すパルス数の信号が出力されている。具体的には、端子1〜7からの出力信号2100は、順に、「2,3,1,1,3,3,3」のパルス数の信号が出力されている。なお、出力する端子(信号)の種別やパルス数は、演出内容ごとに予め定められている。
【0187】
遊技媒体貸出装置1810は、この出力信号を、図19に示した要素テーブル1900に当てはめる。すなわち、遊技媒体貸出装置1810は、この出力信号を用いて、図19の要素テーブル1900のうち、符号1903に示すように、枠に囲って示した演出要素を特定できるようになっている。
【0188】
(遊技機の演出制御部がおこなう出力信号制御処理の一例)
つぎに、図22を用いて、遊技機1800の演出制御部1703(詳細には画像・音声制御部1720)がおこなう出力信号制御処理の一例について説明する。図22は、遊技機1800の演出制御部1703がおこなう出力信号制御処理の一例を示したフローチャートである。なお、図22に示す処理は、画像・音声制御部1720のCPU1721が出力信号制御プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0189】
図22において、画像・音声制御部1720のCPU1721は、演出統括部1710から演出内容の情報を取得するまで待機状態にあり(ステップS2201:Noのループ)、演出内容の情報を取得すると(ステップS2201:Yes)、VRAMなどに記録した演出要素を抽出する(ステップS2202)。そして、抽出した演出要素を示す信号を外部端子1741から所定のパルス数にて出力させ(ステップS2203)、一連の処理を終了する。なお、所定のパルス数は、演出内容ごとに予め定められている所定の端子から出力される。
【0190】
上述した処理によれば、演出統括部1710が取得した演出内容の情報に基づいて、演出要素を示す出力信号を出力させることができる。したがって、遊技媒体貸出装置1810などの演出内容特定装置にて、演出内容を特定させることができる。
【0191】
また、演出内容の情報に基づいて、演出要素を示す出力信号を所定のパルス数にて所定の外部端子1741から出力させるようにしたので、演出制御基板上に設けられている外部端子1741の数に制限がある場合であっても、パルス数により、演出要素または演出内容を区別することが可能な出力信号を出力させることができる。
【0192】
(遊技媒体貸出装置がおこなう演出内容特定処理の一例)
つぎに、図23を用いて、遊技媒体貸出装置1810がおこなう演出内容特定処理の一例について説明する。図23は、遊技媒体貸出装置1810がおこなう演出内容特定処理の一例を示したフローチャートである。なお、図23に示す処理は、遊技媒体貸出装置1810のCPU401が演出内容特定プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0193】
図23において、遊技媒体貸出装置1810のCPU401は、通信I/F409が画像・音声制御部1720の外部端子1741からの出力信号を受信するまで待機状態にあり(ステップS2301:Noのループ)、出力信号を受信すると(ステップS2301:Yes)、RAM403に記録されている要素テーブル1900を用いて、演出要素を特定する(ステップS2302)。
【0194】
そして、特定した演出要素を組み合わせる(ステップS2303)。さらに、演出要素の組合せと、RAM403に記録されている組合せテーブル2000とを用いて、演出内容を特定する(ステップS2304)。このあと、通信I/F409によりホールコンピュータ120へ、演出内容の情報を出力し(ステップS2305)、一連の処理を終了する。なお、出力される演出内容の情報は、遊技者の識別情報と紐付けられ、ホールコンピュータ120へ送出される。そして、ホールコンピュータ120では、遊技者の識別情報と紐付けられた演出内容の情報を格納するとともに、当該情報を管理サーバ110へ送信する。
【0195】
上述した処理によれば、遊技機1800のリーチ演出や予告演出などの演出内容を特定することができる。したがって、遊技機1800のリーチ演出内容に応じて、遊技者に対して趣向性のある演出やサービスをおこなうことができる。
【0196】
また、要素テーブル1900を用い、画像・音声制御部1720から出力される出力信号の種別またはパルス数に基づいて、演出要素を特定するようにしたので、多様な演出要素を簡単に特定することができる。また、組合せテーブル2000を用い、画像・音声制御部1720から出力される演出要素を示す信号に基づいて、演出内容を特定するようにしたので、多様な演出内容を簡単に特定することができる。
【0197】
実施の形態2に示した、遊技機1800および遊技媒体貸出装置1810を用いて、遊技媒体貸出装置1810に、要素テーブル1900および組合せテーブル2000を記録させる場合、実施の形態1の図13〜16に示した処理と同様の処理をおこなえばよい。すなわち、遊技機1800に入れ替えがあった場合であっても、装置の入れ替えなどを要することなく、要素テーブル1900および組合せテーブル2000を更新するだけで、機種に応じた演出内容の特定をおこなうことができる。このように、実施の形態2であっても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0198】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、遊技機の演出制御基板に設けられた外部端子から、図柄変動中を示す図柄変動信号を受信するようにし、受信した図柄変動信号に基づいて、図柄変動時間を算出するとともに、算出した図柄変動時間を用いて演出内容を特定するようにした遊技媒体貸出装置を用いた場合について説明する。なお、実施の形態3において、実施の形態1または実施の形態2と同様の構成部については同様の符号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0199】
(実施の形態3にかかる遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成)
図24を用いて、実施の形態3にかかる遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成について説明する。図24は、実施の形態3にかかる遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成を示したブロック図である。図24において、遊技機2400は、画像・音声制御部2401は、取得部2402と、出力制御部2403と、外部端子2404とを備えている。
【0200】
取得部2402は、図柄の変動開始を示す信号と、図柄の確定を示す信号とを取得する。取得部2402は、具体的には、たとえば、図17に示した演出統括部1710から上記信号を取得する。出力制御部2403は、取得部2402によって取得された信号に基づいて、図柄変動中を示す図柄変動信号を外部端子2404から出力させる。
【0201】
なお、取得部2402と、出力制御部2403とは、図17に示したCPU1721に相当する。すなわち、画像・音声制御部2401のCPU1721が、画像・音声制御部2401のROM1722などに記録されている出力信号制御プログラムを実行することにより、取得部2402と、出力制御部2403との機能を実現する。
【0202】
遊技媒体貸出装置2410は、読込部511と、送信部512と、第2受信部513と、制御部514と、記録制御部515と、記録部2411と、第1受信部2412と、算出部2413と、特定部2414と、出力部2415とを備えている。読込部511と、送信部512と、第2受信部513と、制御部514と、記録制御部515との説明については、扱うテーブルがテーブル600ではなく、後述する演出時間テーブルである点以外は実施の形態1と同様のため、省略する。
【0203】
記録部2411は、遊技機2400ごとの演出内容と、演出をおこなう際の図柄変動時間とを対応付けた演出時間テーブルの情報を予め記録する。なお、演出時間テーブルの詳細については、図25を用いて後述する。第1受信部2412は、予め定めた外部端子を用いて図柄変動中を示す図柄変動信号を出力する画像・音声制御部2401の外部端子2404から、当該図柄変動信号を受信する。
【0204】
算出部2413は、第1受信部2412によって受信された図柄変動信号に基づいて、図柄変動時間を算出する。算出部2413は、具体的には、第1受信部2412による図柄変動信号の受信が完了した時刻から受信が開始された時刻を減じることにより図柄変動時間を算出してもよいし、第1受信部2412が図柄確定信号を受信している時間を計測することにより図柄変動時間を算出するようにしてもよい。
【0205】
特定部2414は、算出部2413によって算出された図柄変動時間の情報を用いて、演出時間テーブルから演出内容を特定する。出力部2415は、特定部2414によって特定された演出内容の情報を出力する。出力される演出内容の情報は、不図示の関連紐付け部によって遊技者の識別情報と紐付けられた上、ホールコンピュータ120や、ホールコンピュータ120を介して管理サーバ110に送信される。
【0206】
なお、上述した記録部2411は、図4に示したRAM403によって実現される。第1受信部2412と、出力部2415とは、図4に示した通信I/F409によって実現される。算出部2413と、特定部2414とは、CPU401によって実現される。すなわち、CPU401が、演出内容特定プログラムを実行することにより、算出部2413と、特定部2414との機能を実現する。
【0207】
(実施の形態3にかかる遊技媒体貸出装置に記録されている演出時間テーブルの一例)
つぎに、図25を用いて、実施の形態3にかかる遊技媒体貸出装置2410に記録されている演出時間テーブルの一例について説明する。図25は、実施の形態3にかかる遊技媒体貸出装置2410に記録されている演出時間テーブルの一例を示した説明図である。なお、ここではリーチ演出の演出内容を例に挙げて説明するが、予告演出内容についても同様である。
【0208】
図25において、演出時間テーブル2500は、図柄変動時間とリーチ演出内容とを対応付けたものである。この演出時間テーブル2500を用いることにより、図柄変動時間からリーチ演出内容を特定することが可能になっている。具体例を挙げると、符号2501に示すように、図柄変動時間が40秒であることがわかれば、この図柄変動時間からリーチ演出内容をリーチAとして特定することが可能になっている。なお、この演出時間テーブル2500は機種やバージョンごとに異なる。また、各リーチ演出内容には、当該リーチ演出内容を識別するための識別情報が付されている。
【0209】
(画像・音声制御部の外部端子から出力される図柄変動信号の一例)
つぎに、図26を用いて、実施の形態3にかかる画像・音声制御部2401の外部端子2404から出力される図柄変動信号の一例について説明する。図26は、実施の形態3にかかる画像・音声制御部2401の外部端子2404から出力される図柄変動信号の一例を示した説明図である。
【0210】
図26において、図柄変動信号2600は、図柄変動の開始から図柄変動の確定までの間、外部端子2404から出力される信号を示している。なお、図柄変動信号2600は、図柄変動の開始から図柄変動の確定までを示すものであれば、これに限られるものではなく、たとえば、図柄変動の開始時と図柄変動の確定時にのみパルス信号を送信するようにしてもよい。遊技媒体貸出装置2410は、図柄変動信号2600が出力されている時間を算出し、図25に示した演出時間テーブル2500に当てはめる。たとえば、算出した時間が40秒である場合、図25の演出時間テーブル2500のうち、符号2501に示すように、リーチ演出内容としてリーチAを特定することができるようになっている。
【0211】
(遊技機の演出制御部がおこなう出力信号制御処理の一例)
つぎに、図27を用いて、実施の形態3にかかる遊技機2400の演出制御部1703(詳細には画像・音声制御部2401)がおこなう出力信号制御処理の一例について説明する。図27は、実施の形態3にかかる遊技機2400の演出制御部1703がおこなう出力信号制御処理の一例を示したフローチャートである。なお、図27に示す処理は、画像・音声制御部2401のCPU1721が出力信号制御プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0212】
図27において、画像・音声制御部2401は、演出統括部1710から図柄変動の開始を示す信号を受信するまで待機状態にあり(ステップS2701:Noのループ)、当該信号を受信すると(ステップS2701:Yes)、外部端子2404から図柄変動信号を出力する(ステップS2702)。このあと、演出統括部1710から図柄確定信号を取得したか否かを判断する(ステップS2703)。
【0213】
図柄確定信号を取得するまで(ステップS2703:No)、ステップS2702に戻り、図柄確定信号の出力をおこなう。一方、図柄確定信号を取得すると(ステップS2703:Yes)、外部端子2404からの図柄変動信号の出力を停止し(ステップS2704)、一連の処理を終了する。
【0214】
上述した処理によれば、図柄の変動開始を示す信号と図柄の確定を示す信号とに基づいて、図柄変動信号を出力させることができる。したがって、実施の形態1と同様に、遊技媒体貸出装置2410などの演出内容特定装置にて、演出内容を特定させることができる。
【0215】
(遊技媒体貸出装置がおこなう演出内容特定処理の一例)
つぎに、図28を用いて、実施の形態3にかかる遊技媒体貸出装置2410がおこなう演出内容特定処理の一例について説明する。図28は、実施の形態3にかかる遊技媒体貸出装置2410がおこなう演出内容特定処理の一例を示したフローチャートである。なお、図28に示す処理は、遊技媒体貸出装置2410のCPU401が演出内容特定プログラムを実行することによっておこなわれる処理を示す。
【0216】
図28において、遊技媒体貸出装置2410のCPU401は、通信I/F409が画像・音声制御部2401の外部端子2404からの図柄変動信号を受信するまで待機状態にあり(ステップS2801:Noのループ)、図柄変動信号を受信すると(ステップS2801:Yes)、図柄変動時間を算出する(ステップS2802)。そして、RAM403に記録されている演出時間テーブル2500を用いて、演出内容を特定する(ステップS2803)。
【0217】
このあと、通信I/F409によりホールコンピュータ120へ、演出内容の情報を出力し(ステップS2804)、一連の処理を終了する。なお、出力される演出内容の情報は、遊技者の識別情報と紐付けられ、ホールコンピュータ120へ送出される。そして、ホールコンピュータ120では、遊技者の識別情報と紐付けられた演出内容の情報を格納するとともに、当該情報を管理サーバ110へ送信する。
【0218】
上述した処理によれば、リーチ演出や予告演出などの演出内容を特定することができる。したがって、実施の形態1または2と同様に、遊技機2400のリーチ演出内容に応じて、遊技者に対して趣向性のある演出やサービスをおこなうことが可能になる。
【0219】
実施の形態3に示した、遊技機2400および遊技媒体貸出装置2410を用いて、遊技媒体貸出装置2410に、演出時間テーブル2500を記録させる場合、実施の形態1の図13〜16に示した処理と同様の処理をおこなえばよい。すなわち、遊技機2400に入れ替えがあった場合であっても、装置の入れ替えなどを要することなく、演出時間テーブル2500を更新するだけで、機種に応じた演出内容の特定をおこなうことができる。このように、実施の形態3であっても、実施の形態1または実施の形態2と同様の効果を奏する。
【0220】
なお、実施の形態1〜3に示した遊技媒体貸出装置220,1810,2410(以下「遊技媒体貸出装置220」という)によって特定された演出内容を用いたサービスについて補足しておく。たとえば、サービスの一例としてコンテンツの配信が挙げられる。すなわち、遊技者に対し、遊技において発生した演出内容に応じたコンテンツの配信によるサービスを提供する。コンテンツは、たとえば、演出内容に対応するムービーとしてもよいし、実際のリーチ演出に相当するリーチ演出内容そのものの映像や音楽などとしてもよい。ムービーのコンテンツは、機種やリーチ演出内容に則したものであることが望ましく、たとえば、映画やキャラクタなどをモチーフにした機種の場合、当該映画やキャラクタを用いたものであり、かつ、各演出内容に則したものであることが望ましい。
【0221】
また、サービスのほかにも、呼出ランプ230の点灯または点滅などの演出や、遊技媒体貸出装置220の液晶ディスプレイ309によるリプレイを表示させることも可能である。呼出ランプ230の点灯または点滅などの演出は、具体的には、遊技媒体貸出装置220により遊技機210にて一定時間以上のリーチであることが特定された場合、当該情報を呼出ランプ230に送出し、呼出ランプ230を点灯または点滅させることによって、実現することが可能である。すなわち、リーチ演出がおこなわれている際、期待度の高いスーパーリーチ等に発展した際に、呼出ランプ230による演出をおこなうことが可能である。このような演出をおこなうことにより、遊技機210による演出をリアルタイムに引き立てることができるとともに、遊技者を注目させることができる。
【0222】
また、遊技媒体貸出装置220の液晶ディスプレイ309によるリプレイの表示は、具体的には、遊技媒体貸出装置220にリーチ演出内容の映像を予め記録させておき、遊技者が発生させたリーチ演出内容を、当該リーチ演出内容の直後や遊技者が選択したタイミングにて、液晶ディスプレイ309から再生させることによって、実現することが可能である。
【0223】
また、リーチ演出内容を用いた、その他のサービスや利用形態について例示しておく。たとえば、ホールHにて、リーチ演出内容を用いたイベントをおこなうことも可能である。具体的には、たとえば、ホールHにて、「○○のリーチで大当たりしろ!」といったミッション、「○○のリーチ、××のリーチの順で大当たりしろ!」といった段階型のミッションを用意しておき、すなわち、RAM403にミッションに該当する特定のリーチ情報を記録しておき、ミッションに該当する大当たりが発生した場合に、液晶ディスプレイ309からのリプレイ演出や、呼出ランプ230を用いた演出をおこなうとともに、ホールHからの景品やポイントの付与などのサービスの提供をおこなってもよい。なお、大当たりが発生したか否かの判断は、図柄確定信号とともに受信する大当たり信号に基づいておこなわれる。
【0224】
また、ミッションに該当する大当たりが発生した場合に、液晶ディスプレイ309を特殊な色に変更させたり、ミッションの達成度合いに応じてプレミアムな背景色に変更させたりすることも可能である。また、当該ミッションに該当する大当たりが発生した場合に、QRコードを表示させることにより、着メロ、着うた、待受画面等の、ダウンロードサービスへの誘導をおこなってもよい。
【0225】
さらに、このほかにも、ミッションに該当する大当たりが発生した場合に、クーポンの配信、プレミアムコンテンツの閲覧権(パスワードの配信)、展示会等の招待状の配信、URL配信によるダウンロードサイトへの誘導、クリックによるポイントの付与、などのサービスをおこなうことも可能である。
【0226】
以上説明したように、本発明にかかる演出内容特定装置、遊技媒体貸出装置、情報管理装置、情報記録方法、情報管理方法、情報記録プログラム、および情報管理プログラムによれば、機種に応じたテーブルの情報を記録させることができる。したがって、遊技機の演出内容を的確に特定することができる。特に、遊技機の入れ替えがあった場合には、テーブルの情報のみを書き替えればよいので、通信時のデータの容量を抑えながら、的確に演出内容を特定することができる。これにより、遊技機の画面演出の内容に応じ、遊技者に対して興趣性のある演出やサービスをおこなうことができる。
【0227】
なお、本実施の形態で説明した情報記録方法および情報管理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0228】
以上のように、本発明は、リーチ演出や予告演出などの演出をおこなう遊技機の演出内容を特定する、演出内容特定装置、遊技媒体貸出装置、情報管理装置、情報記録方法、情報管理方法、情報記録プログラム、および情報管理プログラムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0229】
【図1】実施の形態1にかかる演出内容管理システムのシステム構成図である。
【図2】ホールHにおける遊技システムのシステム構成図である。
【図3】遊技媒体貸出装置の一例を示す外観図である。
【図4】遊技媒体貸出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】遊技媒体貸出装置の機能的構成を示したブロック図である。
【図6】テーブルの一例を示した説明図である。
【図7】遊技媒体貸出装置による図柄変動時間の算出の概要を示した説明図である。
【図8】ホールコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図9】ホールコンピュータの機能的構成の一例を示す説明図である。
【図10】ホールコンピュータに記録されているデータの情報の一例を示した説明図である。
【図11】遊技媒体貸出装置がおこなう予定変動回数計測処理の一例を示したフローチャートである。
【図12】遊技媒体貸出装置がおこなう演出内容特定処理の一例を示したフローチャートである。
【図13】遊技媒体貸出装置がおこなう情報記録処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】遊技媒体貸出装置がおこなう情報書換え処理の一例を示したフローチャートである。
【図15】ホールコンピュータがおこなう情報管理処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】ホールコンピュータがおこなう情報更新処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】実施の形態2にかかる遊技機の制御部の内部構成を示した説明図である。
【図18】実施の形態2にかかる遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成を示したブロック図である。
【図19】遊技媒体貸出装置に記録されている要素テーブルの一例を示した説明図である。
【図20】遊技媒体貸出装置に記録されている組合せテーブルの一例を示した説明図である。
【図21】画像・音声制御部の外部端子から出力される出力信号の一例を示した説明図である。
【図22】遊技機の演出制御部がおこなう出力信号制御処理の一例を示したフローチャートである。
【図23】遊技媒体貸出装置がおこなう演出内容特定処理の一例を示したフローチャートである。
【図24】実施の形態3にかかる遊技機および遊技媒体貸出装置の機能的構成を示したブロック図である。
【図25】実施の形態3にかかる遊技媒体貸出装置に記録されている演出時間テーブルの一例を示した説明図である。
【図26】実施の形態3にかかる画像・音声制御部の外部端子から出力される図柄変動信号の一例を示した説明図である。
【図27】実施の形態3にかかる遊技機の演出制御部がおこなう出力信号制御処理の一例を示したフローチャートである。
【図28】実施の形態3にかかる遊技媒体貸出装置がおこなう演出内容特定処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0230】
100 演出内容管理システム
110 管理サーバ
120 ホールコンピュータ(情報管理装置)
130 クライアント端末
210 遊技機
220 遊技媒体貸出装置(演出内容特定装置)
230 呼出ランプ
501 記録部(記録手段)
502 第1受信部(第1受信手段)
503 算出部(算出手段)
504 特定部(特定手段)
505 出力部(出力手段)
506 計測部
507 判定部
511 読込部(読込手段)
512 送信部(送信手段)
513 第2受信部(第2受信手段)
514 制御部(制御手段)
515 記録制御部(記録制御手段)
600 テーブル
901 記録部(記録手段)
902 機種情報受信部(機種情報受信手段)
903 抽出部(抽出手段)
904 送信部(送信手段)
905 テーブル情報受信部(テーブル情報受信手段)
906 更新部(更新手段)
1811 記録部(記録手段)
1812 第1受信部(第1受信手段)
1814 出力部(出力手段)
1820 特定部(特定手段)
1900 要素テーブル
2000 組合せテーブル
2411 記録部(記録手段)
2412 第1受信部(第1受信手段)
2413 算出部(算出手段)
2414 特定部(特定手段)
2415 出力部(出力手段)
2500 演出時間テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を予め記録する記録手段と、
遊技機から、予め定められた所定の信号を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段が受信した前記所定の信号に基づいて、前記テーブルから演出内容を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された演出内容の情報を出力する出力手段と、
を備えた演出内容特定装置であって、
遊技機の機種情報を読み込む読込手段と、
前記読込手段によって読み込まれた機種情報を、前記テーブルの情報を管理する情報管理装置に送信する送信手段と、
前記送信手段による送信を受けて、前記情報管理装置から、遊技機の機種に応じた前記テーブルの情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段によって受信された前記テーブルの情報を、前記記録手段に記録させる記録制御手段と、
を備えることを特徴とする演出内容特定装置。
【請求項2】
前記読込手段によって読み込まれた機種情報に基づいて、遊技機が変更されている場合に、前記機種情報を、前記情報管理装置に送信させる制御をおこなう制御手段をさらに備え、
前記第2受信手段は、前記制御手段の制御による送信を受けて、前記テーブルの情報を受信し、
前記記録制御手段は、前記第2受信手段によって受信された前記テーブルの情報を用いて、前記記録手段に記録されている前記テーブルの情報を書き替えることを特徴とする請求項1に記載の演出内容特定装置。
【請求項3】
遊技機から出力される所定の情報に基づいて、図柄変動時間を算出する算出手段をさらに備え、
前記テーブルは、遊技機ごとの演出内容と、演出をおこなう際の図柄変動時間とを対応付けたテーブルであり、
前記第1受信手段は、遊技機から、遊技球が始動入賞口に入賞した際に送信される始動入賞信号、または図柄が確定した際に送信される図柄確定信号を受信し、
前記算出手段は、前記第1受信手段が受信した前記始動入賞信号または前記図柄確定信号に基づいて、図柄変動時間を算出し、
前記特定手段は、前記算出手段によって算出された図柄変動時間を用いて、前記テーブルから演出内容を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の演出内容特定装置。
【請求項4】
前記テーブルは、図柄変動中の演出内容を構成する演出要素および演出制御基板から出力される演出要素を示す出力信号の種別を対応付けた要素テーブルと、前記演出内容および前記演出要素の組合せとを対応付けた組合せテーブルとからなり、
前記第1受信手段は、予め定めた複数の外部端子を有し、当該外部端子を用いて図柄変動中の演出内容を構成する演出要素を示す信号を出力する演出制御基板から、当該出力信号を受信し、
前記特定手段は、前記第1受信手段によって受信された前記出力信号に基づいて、前記要素テーブルの中から前記出力信号に対応する演出要素を特定するとともに、特定した演出要素を組み合わせて前記組合せテーブルの中から前記演出要素の組合せに対応する演出内容を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の演出内容特定装置。
【請求項5】
遊技機から出力される所定の信号に基づいて、図柄変動時間を算出する算出手段をさらに備え、
前記テーブルは、遊技機ごとの演出内容と、演出をおこなう際の図柄変動時間とを対応付けたテーブルであり、
前記第1受信手段は、予め定めた複数の外部端子を用いて図柄変動中を示す図柄変動信号を出力する演出制御基板から、当該図柄変動信号を受信し、
前記算出手段は、前記第1受信手段によって受信された図柄変動信号に基づいて、図柄変動時間を算出し、
前記特定手段は、前記算出手段によって算出された図柄変動時間の情報を用いて、前記テーブルから演出内容を特定することを特徴とする請求項1または2に記載の演出内容特定装置。
【請求項6】
前記読込手段は、遊技機に設けられた非接触ICタグの所定範囲内に配設されたアンテナを用いて、前記非接触ICタグから機種情報を読み込むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の演出内容特定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の演出内容特定装置を備えることを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項8】
遊技場内に設置され、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を機種情報に対応させて予め記録する記録手段と、
遊技機ごとに設けられている演出内容特定装置から、遊技機の機種情報を受信する機種情報受信手段と、
前記機種情報受信手段によって受信された機種情報に基づいて、前記記録手段に記録されているテーブルの情報から、機種情報に対応したテーブルの情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記テーブルの情報を前記演出内容特定装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報管理装置。
【請求項9】
外部のサーバから、変更のあった機種の前記テーブルの情報を受信するテーブル情報受信手段と、
前記テーブル情報受信手段によって受信されたテーブルの情報を用いて、前記記録手段に機種情報に対応して記録されている前記テーブルの情報を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の情報管理装置。
【請求項10】
遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を予め記録する記録部と、遊技機から、予め定められた所定の信号を受信する第1受信部と、前記第1受信部が受信した前記所定の信号に基づいて、前記テーブルから演出内容を特定する特定部と、前記特定部によって特定された演出内容の情報を出力する出力部と、を備えた演出内容特定装置の情報記録方法であって、
遊技機の機種情報を読み込む読込工程と、
前記読込工程にて読み込まれた機種情報を、前記テーブルの情報を管理する情報管理装置に送信する送信工程と、
前記送信工程による送信を受けて、前記情報管理装置から、遊技機の機種に応じた前記テーブルの情報を受信する第2受信工程と、
前記第2受信工程にて受信された前記テーブルの情報を、前記記録手段に記録させる記録制御工程と、
を含むことを特徴とする情報記録方法。
【請求項11】
遊技場内に設置され、遊技機ごとの演出内容と、所定の情報とを対応付けたテーブルの情報を機種情報に対応させて予め記録する記録部を備えた情報管理装置の情報管理方法であって、
遊技機ごとに設けられている演出内容特定装置から、遊技機の機種情報を受信する機種情報受信工程と、
前記機種情報受信工程にて受信された機種情報に基づいて、前記記録部に記録されているテーブルの情報から、機種情報に対応したテーブルの情報を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程にて抽出された前記テーブルの情報を前記演出内容特定装置に送信する送信工程と、
を含むことを特徴とする情報管理方法。
【請求項12】
請求項10に記載の情報記録方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報記録プログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の情報管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−75298(P2010−75298A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245003(P2008−245003)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.着メロ
3.着うた
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】