演壇照明用途においてLED型スポットライト照明を提供する方法及び装置
演劇用照明を提供する方法及び装置である。一実施例において、モジュール型照明器具300は略円筒状のハウジング320を有し、該ハウジングは当該照明器具を経る空気経路を設けるための第1開口325を含んでいる。LED型照明アセンブリ350は、上記ハウジング内に配置されると共に、複数のLED光源104を含むLEDモジュール360と、上記光源を制御するための第1制御回路368,370,373と、上記空気経路に沿って冷却空気の流れを供給するためのファン376とを有している。端部ユニット330は上記ハウジングに着脱可能に結合されると共に、第2開口332を有している。第2制御回路384は、該端部ユニット内に配置され、前記第1制御回路に電気的に結合される一方、該第1制御回路から実質的に熱的に絶縁される。この照明アセンブリは、上記冷却空気の流れを少なくとも1つの第1制御回路に向けて、効果的に熱を除去するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは照明に係り、更に詳細には演壇照明用途のためのLED型照明器具の実施化及び制御に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具は、長年、種々の劇場、テレビジョン及び建築の照明用途においてセット及び演壇(ステージ)照明のために使用されてきた。典型的に、各照明器具は凹状反射器に隣接して取り付けられた白熱電球を含み、該反射器はレンズアセンブリを介して光を反射させ、光のビームを劇場の演壇等に向かって投射する。カラーフィルタを該照明器具の前端部に取り付けて、電球により放出された光の選択された波長を透過させる一方、他の波長を吸収及び/又は反射させることができる。これにより、投射されたビームに特定のスペクトル組成を付与する。
【0003】
このような照明器具に使用されるカラーフィルタ(通常、"ジェル"とも呼ばれる)は、典型的に、拡散された化学色素を担持する、例えばポリエステル又はポリカーボネイトからなるプラスチックフィルム又はガラスを有する。斯かる色素は、光の特定の波長を透過させる一方、他の波長を吸収する。このようなフィルタにより数百の異なる色を提供することができ、これらの色のうちの幾つかは産業において標準色として広く受け入れられている。
【0004】
概ね効果的ではあるが、このようなプラスチックのカラーフィルタは、典型的には、吸収された波長から生じる大量の熱を放散させる必要性から、限られた寿命しか有さない。このことは、青及び緑の波長を透過させるフィルタにとり特に問題であった。更に、カラーフィルタにより実現することが可能な色の多様性は大きいが、それにも拘わらず、色の選択は、市販の色素の入手可能性及び斯かる色素のガラス又はプラスチック基板との親和性により限られたものである。加えて、選択されない波長を吸収するメカニズム自体が、かなりのエネルギが熱として失われるという点で本来非効率的である。
【0005】
幾つかの照明用途においては、ガス放電ランプが白熱電球に取って代わり、ダイクロイックフィルタがカラーフィルタに取って代わっている。このようなダイクロイックフィルタは、典型的に、多層のダイクロイックコーティングを担持したガラス基板の形態を有しており、該コーティングは特定の波長を反射する一方、残りの波長を透過させる。これらの代替的照明器具は、概ね改善された効率を有し、斯かる照明器具のダイクロイックフィルタは過熱により生じる退色又は他の劣化を受けることがない。しかしながら、ダイクロイックフィルタは色の限られた制御しか提供せず、斯かる照明器具は、産業標準として受け入れられている吸収性フィルタにより生成される複雑な色の多くを複製することができない。
【0006】
幾つかの照明用途では、特定の照明器具により生成されている光の色を変化させることが時には望ましい。従って、近年、幾つかの遠隔的に操作される色変化装置が開発されている。一つの斯様な装置はカラースクローラを有し、該カラースクローラは、典型的に16個の事前に選択された吸収性カラーフィルタを含むスクロールを有している。上記カラースクローラにおけるフィルタは、前記個々の吸収性フィルタがそうであるのと同様の退色及び変形の問題を受ける。他の斯様な装置は、ダイクロイックカラーホイールであり、該カラーホイールは事前に選択されたダイクロイックコーティングを担持する回転可能なホイールを有している。これらのカラーホイールは上述した退色及び変形の問題は回避するものの、より少ない(典型的には、約8つの)色しか担持することができず、カラースクローラよりもかなり高価である。
【0007】
デジタル照明技術、即ち発光ダイオード(LED)等の半導体光源に基づく照明は、伝統的な蛍光、HID及び白熱電球に対する実行可能な代替手段を提供する。LEDの機能的利点及び利益は、高エネルギ変換及び光学効率、耐用性、低運転コスト、並びに多くの他のものを含む。LED技術の近年の進歩は、多くの用途において種々の照明効果を可能にするような効率的及び強固な全スペクトル照明源を提供している。これらの光源を具現化した照明器具の幾つかは、例えば米国特許第6,016,038号及び第6,211,626号(参照により、本明細書に組み込まれるものとする)に詳細に説明されているように、例えば赤、緑及び青等の異なる色を生成することが可能な1以上のLED並びに斯かるLEDの出力を独立に制御して種々の色及び色変化照明効果を発生させるプロセッサを含む照明モジュールを特徴とする。
【0008】
近年、幾つかの照明器具は白熱電球及びガス放電ランプをLEDにより置換している。等数の赤色、緑色及び青色LEDが、典型的に、適切なアレイに配置されて使用されている。幾つかのLED照明器具は、更に、等数の琥珀色LEDを含んでいる。選択された量の電力を、典型的にはパルス幅変調された電流を用いて、これらLEDに供給することにより、種々の色の光を投射することができる。これらの照明器具は、カラーフィルタの必要性を除去し、これにより、白熱電球又はガス放電ランプを組み込んだ従来の照明器具の効率を改善している。
【0009】
赤色、緑色及び青色のLEDを組み込んだ照明器具、即ちRGB LED照明器具は、特に白又は他の完全に反射性の表面を照明する場合に、白の知覚色(apparent color)を持つ光のビームを投射することができる。しかしながら、この見掛けの白色の実際のスペクトルは、白熱電球を組み込んだ照明器具により提供される白色光のものとは、どう見ても、同一ではない。これは、LEDが狭い波長帯域で光を放出し、3つの異なるLEDの色の合成光出力は、全可視スペクトルをカバーするには不十分であるからである。このようなRGBLED照明器具により照明された有色物体は、しばしば、斯かる物体の真の色では見えない。例えば、黄色光のみを反射する、従って白色光により照明された場合に黄色であるように見える物体は、RGB LED照明器具の赤及び緑LEDにより生成される見掛けの黄色を有する光で照明された場合、黒に見えるであろう。従って、このような照明器具は、劇場の演壇、テレビジョンのセット、建物のインテリア又は展示窓等の背景(setting)を照明する場合に劣った演色しか提供しないと考えられる。限られた数のLED照明器具しか、赤色、緑色及び青色光を放出するLEDのみならず、琥珀色の光を放出するLEDも含んでいることはない。このような照明器具は、時には、RGBA LED照明器具と呼ばれる。これらの照明器具も、RGB LED照明器具と同様の欠点を有するが、僅かに少ない程度である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した説明から明らかなように、個別の色の光源、例えばLEDを含む照明器具に使用するのに適した改善された照明装置及び方法であって、白熱電球及びガス放電ランプを組み込んだ照明の電力効率を改善し、それでいて、一層正確に制御され得る光束スペクトルを持つ光のビームを生成することができ、更に、従来の照明器具のスペクトルを密に模し、かくして改善された演色を提供することができるような照明装置及び方法に対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記に鑑み、本発明の種々の態様及び実施例は、LED型の劇場照明を提供する方法及び装置を目指すものである。一構成例において、劇場用照明器具は、熱放散を改善すると共に、劇場照明を含む種々の用途に有用なスペクトル形状(プロファイル)を生成するためにLED型光源を採用している。本発明の他の態様は、上記種々の用途に有用なスペクトル形状を提供する方法に関するものである。
【0012】
例えば、一態様において、本発明は劇場照明を提供するためのモジュール型照明器具を目指す。該照明器具は、実質的に円筒状のハウジングを有し、該ハウジングは当該照明器具を経る空気の経路を設けるための少なくとも1つの第1開口を含む。該照明器具は、上記ハウジング内に配置されたLED型照明アセンブリを更に有し、該LED型照明アセンブリは、異なる色及び/又は異なる色温度を有すると共に印刷回路基板上に配置された複数のLED光源を含むLEDモジュールと、上記複数のLED光源を制御するための少なくとも1つの第1制御回路と、当該照明を経る上記空気経路に沿って冷却空気の流れを供給するための少なくとも1つのファンとを有する。当該照明器具は、更に、上記ハウジングに着脱可能に結合されると共に当該照明器具を経て上記空気経路を形成するための少なくとも1つの第2開口を含む端部ユニットと、該端部ユニット内に配置された少なくとも1つの第2制御回路とを有し、該少なくとも1つの第2制御回路は上記少なくとも1つの第1制御回路と電気的に結合されると共に該少なくとも1つの第1制御回路から実質的に熱的に絶縁される。上記LED型照明アセンブリは、上記冷却空気の流れを上記少なくとも1つの第1制御回路に向けて、少なくとも該少なくとも1つの第1制御回路により発生された熱を効果的に除去するように構成される。
【0013】
他の態様において、上記少なくとも1つの第1制御回路は、少なくとも1つの電源回路基板と、少なくとも1つのドライバ回路基板とを有する。更に他の態様において、前記LED型照明アセンブリは、前記LEDモジュールに結合されると共に前記ハウジングの前記少なくとも1つの第1開口に実質的に整列された複数のフィンを含むヒートシンクと、該ヒートシンクに隣接して配置されると共に前記冷却空気の流れを前記少なくとも1つの電源回路基板及び少なくとも1つのドライバ回路基板に向けるように構成されたシュラウドと、当該照明器具を経る前記空気の経路を設けるための開口を有し、少なくとも前記少なくとも1つの電源回路基板及び少なくとも1つのドライバ回路基板を取り付けるための取付プレート(374)とを更に有する。
【0014】
本発明の更に他の態様は、異なる色及び/又は色温度を持つ複数のLED光源を含む照明器具から劇場用照明を供給する方法に関するものである。該方法は、A)当該照明の所望の出力色又は色温度を表す少なくとも1つの入力信号を入力するステップと、B)上記少なくとも1つの入力信号を処理して、n個組(nタプル)のチャンネル値を含む照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給するステップとを有し、その場合において、上記nタプルのチャンネル値は前記複数のLED光源の異なる各色又は色温度に対して1つの値を含む。
【0015】
一構成例において、前記少なくとも1つの入力信号は多次元色空間内での前記所望の出力色の表現を含み、前記B)は上記多次元色空間内での所望の出力色の表現をnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する。他の構成例において、前記少なくとも1つの入力信号は、前記所望の出力色の表現を光源スペクトル及びジェルフィルタ色を定義する<光源,フィルタ>対の形態で含み、前記B)は上記<光源,フィルタ>対をnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する。
【0016】
本開示の目的で本明細書において使用される場合、"LED"なる用語は、電気信号に応答して放射を発生することが可能な如何なるエレクトロルミネッセントダイオード又は他の形式のキャリア注入/接合型システムをも含むものと理解されるべきである。このように、LEDなる用語は、これらに限定されるものではないが、電流に応答して光を放出する種々の半導体型構造、発光ポリマ、有機発光ダイオード(OLED)及びエレクトロルミネッセントストリップ等を含む。
【0017】
特に、LEDなる用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル及び可視スペクトルの種々の部分(一般的に、約400ナノメートルから約700ナノメートルの放射波長を含む)の1以上で放射を発生するように構成することができる全てのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。LEDの幾つかの例は、これらに限定されるものではないが、種々のタイプの赤外LED、紫外LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、オレンジ色LED及び白色LEDを含む(以下で更に説明する)。また、LEDは、所与のスペクトル(例えば、狭い帯域幅、広い帯域幅)に対して種々の帯域幅(例えば、半値全幅又はFWHM)を、且つ、所与の一般的色分類内で種々の支配的波長を持つ放射を発生するように構成及び/又は制御することができると理解されたい。
【0018】
例えば、実質的に白色を発生するように構成されたLED(例えば、白色LED)の一構成例は、組み合わせで混合して実質的に白色光を形成するような異なるスペクトルのエレクトロルミネッセンスを各々放出する複数のダイを含むことができる。他の構成例では、白色LEDは、第1スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスを別の第2スペクトルに変換する蛍光材料に関連し得る。この構成の一例において、相対的に短い波長及び狭い帯域幅のスペクトルを持つエレクトロルミネッセンスが該蛍光材料を"ポンピング"し、該蛍光材料は幾分広いスペクトルを持つ一層長い波長の放射を放出する。
【0019】
また、LEDなる用語は、LEDの物理的及び/又は電気的パッケージのタイプを限定するものではないと理解されたい。例えば、前述したように、LEDは異なるスペクトルの放射を各々放出するように構成された複数のダイ(例えば、個々に制御可能であるか又は可能でない)を有する単一の発光デバイスを指すことができる。また、LEDは当該LED(例えば、幾つかのタイプの白色LED)の一体部分と考えられる蛍光体に関連され得る。一般的に、LEDなる用語は、パッケージ化されたLED、非パッケージ化LED、表面実装型LED、チップオンボード型LED、Tパッケージ実装型LED、放射パッケージ型LED、電力パッケージ型LED、何らかのタイプのケース及び/又は光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLED等を指すことができる。
【0020】
"光源"なる用語は、これらに限定されるものではないが、LED型光源(上で定義したような1以上のLEDを含む)、白熱光源(例えば、フィラメント電球、ハロゲン電球等)、蛍光光源、燐光光源、高輝度放電光源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気及びメタルハライド電球等)、レーザ、他のタイプのエレクトロルミネッセント光源、火ルミネッセント光源(例えば、炎)、キャンドルルミネッセント光源(例えば、ガスマントル、炭素アーク放射光源)、フォトルミネッセント光源(例えば、気体放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を用いる陰極ルミネッセント光源、直流(galvano)ルミネッセント光源、結晶(crystallo)ルミネッセント光源、運動(kine)ルミネッセント光源、熱ルミネッセント光源、摩擦ルミネッセント光源、音ルミネッセント光源、電波ルミネッセント光源及びルミネッセントポリマを含む種々の放射源の何れかの1以上を指すと理解されたい。
【0021】
或る光源は、電磁放射を、可視スペクトル内、可視スペクトル外又は両者の組み合わせで発生するように構成することができる。従って、"光"及び"放射"なる用語は、ここでは入れ換え可能に使用される。更に、光源は、一体部品として、1以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ又は他の光学部品を含むことができる。また、光源は、これらに限定されるものではないが、指示、表示及び/又は照明を含む種々の用途のために構成することができる。"照明用光源"は、室内又は室外空間を効果的に照明するために十分な輝度を有する放射を発生するように特別に構成された光源である。このような前後状況において、"十分な輝度"とは、周囲照明(即ち、間接的に知覚され、且つ、例えば全体として若しくは部分的に知覚される前に種々の介在する表面の1以上から反射され得る光)を提供するために空間又は環境内で発生される可視スペクトル内での十分な放射パワー(放射パワー及び"光束"に関しては、光源から全方向への全光出力を表すために、しばしば、"ルーメン"なる単位が使用される)を指す。
【0022】
"スペクトル"なる用語は、1以上の光源により生成された放射の何れかの1以上の周波数(又は波長)を指すものと理解されたい。従って、"スペクトル"なる用語は、可視範囲における周波数(又は波長)のみならず、赤外、紫外及び全体の電磁スペクトルの他の領域における周波数(又は波長)をも指す。また、或るスペクトルは、相対的に狭い帯域幅(例えば、実質的に僅かな周波数又は波長成分しか有さないFWHM)又は相対的に広い帯域幅(種々の相対強度を持つ幾つかの周波数又は波長成分)を有することができる。また、或るスペクトルは2以上の他のスペクトルの混合(例えば、複数の光源から各々放出された放射の混合)の結果であり得ると理解されたい。
【0023】
本開示の目的のため、"カラー(色)"なる用語は、"スペクトル"なる用語と互換可能に使用されている。しかしながら、"色(カラー)"なる用語は、一般的に、観察者により知覚可能であるような放射の特性を主に指すように使用される(もっとも、この用い方は、この用語の範囲を限定する意図でない)。従って、"異なるカラー"なる用語は、異なる波長成分及び/又は帯域幅を持つ複数のスペクトルを黙示的に示す。また、"カラー"なる用語は、白色及び非白色光の両方との関連で使用することもできると理解されたい。
【0024】
"色温度"なる用語は、通常、ここでは白色光との関連で使用されている。もっとも、このような使用は該用語の範囲を限定しようというものではない。色温度は、本質的に、白色光の特定の色含有量又は色合い(shade)を示す(例えば、赤みがかった、青みがかった等)。或る放射サンプルの色温度は、通常、実質的に当該放射サンプルと同一のスペクトルを放射する黒体放射体のケルビン度(K)での温度により特徴付けられる。黒体放射体の色温度は、通常、約700度K(典型的には、人の目にとり最初に見えると考えられている)から10,000度Kを超えるまでの範囲内に入る。白色光は、通常、1500〜2000度Kより上の色温度で知覚される。
【0025】
より低い色温度は、通常、一層顕著な赤成分又は"暖かい感じ"を持つ白色光を示す一方、より高い色温度は、通常、一層顕著な青成分又は"冷たい感じ"を持つ白色光を示す。例示として、火は約1,800度Kの色温度を有し、通常の白熱電球は約2848度Kの色温度を有し、早朝の日光は約3,000度Kの色温度を有し、曇った昼の空は約10,000度Kの色温度を有する。約3,000度Kの色温度を持つ白色光の下で見られるカラー画像は相対的に赤みがかった色調を持つ一方、約10,000度Kの色温度を持つ白色光の下で見られる同じカラー画像は相対的に青みがかった色調を持つ。
【0026】
"照明器具"なる用語は、ここでは、特定のフォームファクタ、アセンブリ又はパッケージでの1以上の照明ユニットの実施化又は配置を示すために使用されている。"照明ユニット"なる用語は、ここでは、同一又は異なるタイプの1以上の光源を含む装置を示すために使用されている。或る照明ユニットは、種々の光源の取り付け装置、エンクロージャ/ハウジング装置及び形状、及び/又は電気的及び機械的接続構造の何れか1つを有し得る。更に、或る照明ユニットは、オプションとして、光源の動作に関連する種々の他の部品(例えば、制御回路)に関連し得る(例えば、含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージ化される)。"LED型照明ユニット"とは、前述した1以上のLED型光源を単独で又は他の非LED型光源との組み合わせで含むような照明ユニットを指す。"多チャンネル"照明ユニットとは、各々が異なる放射のスペクトルを発生するように構成された少なくとも2つの光源を含むようなLED型又は非LED型の照明ユニットを指し、各々の異なる光源スペクトルを、当該多チャンネル照明ユニットの"チャンネル"と呼ぶことができる。
【0027】
"コントローラ"なる用語は、ここでは、1以上の光源の動作に関係する種々の装置を広く記述するために使用されている。コントローラは、ここで述べる種々の機能を実行するために種々の態様で(例えば、専用のハードウェアによる等)実施化することができる。"プロセッサ"はコントローラの一例であり、ここで述べる種々の機能を果たすためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いてプログラムすることが可能な1以上のマイクロプロセッサを使用する。コントローラは、プロセッサを使用して又は使用しないで実施化することができ、幾つかの機能を実行する専用のハードウェアと他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実施化することもできる。本発明の種々の実施例で使用することが可能なコントローラ部品の例は、これらに限定されるものではないが、通常のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。
【0028】
種々の実施例において、プロセッサ又はコントローラは1以上の記憶媒体(ここでは、汎用的に"メモリ"と称し、例えばRAM、PROM、EPROM及びEEPROM等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク並びに磁気テープ等である)と関連させることができる。幾つかの実施例において、上記記憶媒体は、1以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行された場合に、ここで述べる機能の少なくとも幾つかを実行する1以上のプログラムによりコード化することができる。種々の記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定することができるか、又は該記憶媒体上に記憶された1以上のプログラムを、ここで述べる本発明の種々の態様を実施化すべくプロセッサ又はコントローラにロードすることができるように移送可能とすることもできる。"プログラム"又は"コンピュータプログラム"なる用語は、ここでは、汎用的意味で1以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用することが可能な如何なるタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)をも示すために使用される。
【0029】
"アドレス指定可能"なる用語は、ここでは、自身を含む複数のデバイスに対する情報(例えば、データ)を受信すると共に当該デバイスに対する特定の情報に選択的に応答するように構成されたデバイス(例えば、光源一般、照明ユニット又は器具、1以上の光源又は照明ユニットに関連するコントローラ又はプロセッサ、他の非照明関連デバイス等)を示すために使用されている。"アドレス指定可能"なる用語は、しばしば、複数のデバイスが何らかの通信媒体又は複数の媒体を介して一緒に結合されるネットワーク化された環境(又は"ネットワーク"、後に更に説明する)との関連で使用される。
【0030】
一ネットワーク構成例において、ネットワークに結合された1以上のデバイスは、該ネットワークに結合された1以上の他のデバイス(例えば、マスタ/スレーブ関係で)に対するコントローラとして働くことができる。他の構成例では、ネットワーク化された環境は、当該ネットワークに結合された装置の1以上を制御するように構成された1以上の専用のコントローラを含むことができる。一般的に、当該ネットワークに結合された複数の装置は、各々、通信媒体又は複数の媒体上に存在するデータにアクセスすることができるが、或る装置は、例えば該装置に割り当てられた1以上の特定の識別子(例えば、"アドレス")に基づいて該ネットワークとデータを選択的に交換する(即ち、該ネットワークからデータを受信し、及び/又は該ネットワークへデータを送信する)ように構成される点で"アドレス指定可能"であり得る。
【0031】
ここで使用される"ネットワーク"なる用語は、当該ネットワークに結合された何れか2以上の装置間での及び/又は複数の装置間での情報の移送(例えば、装置制御、データ記憶、データ交換等のための)を容易化する2以上の装置(コントローラ及びプロセッサを含む)の如何なる相互接続をも指す。容易に理解されるように、複数の装置を相互接続するのに適したネットワークの種々の構成は、種々のネットワークトポロジの何れかを含み得ると共に、種々の通信プロトコルの何れかを使用することができる。更に、本発明による種々のネットワークにおいて、2つの装置間の何れか1つの接続は、該2つの系の間の専用の接続を表すことができるか、又は代わりに非専用的接続を表すことができる。2つの装置のための情報を伝達することに加えて、斯様な非専用的接続は、必ずしも斯かる2つの装置の何れのためでもない情報を伝達することができる(例えば、オープンネットワーク接続)。更に、ここで述べる装置の種々のネットワークは、当該ネットワークを介しての情報移送を容易にするために1以上の無線、有線/ケーブル及び/又は光ファイバリンクを使用することができることが容易に理解される。
【0032】
ここで使用される"ユーザインターフェース"なる用語は、人のユーザ又は操作者と1以上の装置との間の斯かるユーザ及び装置間の通信を可能にするインターフェースを指す。本発明の種々の構成で使用することができるユーザインターフェースの例は、これらに限定されるものではないが、スイッチ、ポテンショメータ、ボタン、ダイヤル、スライダ、マウス、キーボード、キーパッド、種々のタイプのゲームコントローラ(例えば、ジョイスティック)、トラックボール、表示スクリーン、種々のタイプのグラフィックユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイクロフォン及び何らかの形態の人が発生する刺激を受け、これに応答して信号を発生することができる他のタイプのセンサを含む。
【0033】
上述した技術思想及び以下に詳細に説明する更なる技術思想の全ての組み合わせは(斯かる技術思想が相互に矛盾しない限り)、ここに開示される発明的主題の一部であると見なされると理解されるべきである。特に、本開示の末尾に示す請求項の主題の全ての組み合わせは、ここに開示される発明的主題の一部であると見なされる。また、参照により組み込まれる何れかの開示内にも現れる、本明細書で明示的に使用される用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一貫性がある意味が付与されると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の種々の実施例に関する技術思想の基礎を示す、制御可能なLED型照明ユニットを図示する概念図である。
【図2】図2は、図1の複数のLED型照明ユニットのネットワーク化されたシステムを示す概念図である。
【図3A】図3Aは、本発明の一実施例による照明器具を示す。
【図3B】図3Bは、図3Aの照明器具の、ハウジングの半分が削除された部分分解図である。
【図3C】図3Cは、本発明の一実施例による、図3A〜3Bに示した照明器具のLED型照明アセンブリの分解図である。
【図3D】図3Dは、本発明の一実施例による、図3CのLED型照明アセンブリの種々の構成要素の間の電力及びデータの流れを概念的に示すブロック図である。
【図3E】図3Eは、図3A〜3Cの照明器具のLEDモジュールを概念的に示す。
【図3F】図3Fは、本発明の一実施例による、図3A〜3Bの照明器具の、該照明器具に収容された種々の部品を含む後端部の分解図である。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施例による、図3Eに示したLEDモジュールと共に使用するためのコリメータの斜視図を示す。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施例による、図3Eに示したLEDモジュールと共に使用するためのコリメータの断面図を示す。
【図4C】図4Cは、本発明の一実施例による、図4A及び4Bに示したコリメータ用のホルダの上面図を示す。
【図4D】図4Dは、本発明の一実施例による、図4A及び4Bに示したコリメータ用のホルダの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面において同様の符号は、概ね、異なる図を介して同様の部分を示している。また、図面は必ずしも寸法通りには描かれておらず、代わりに、本発明の原理を解説するために強調がなされている。
【0036】
以下、本発明の種々の実施例を、特にLED型の光源に関係する特定の実施例を含み説明する。しかしながら、本発明は如何なる特定の実施化の態様に限定されるものではなく、ここで明示的に説明する種々の実施例は主に解説の目的のものであると理解されるべきである。例えば、ここで開示する種々の思想は、LED型光源及びLEDを含まない他の形式の光源を含む環境、LED及び他の形式の光源の両方を組み合わせで含む環境、及び非照明関係の装置を単独で又は種々のタイプの光源との組み合わせで含む環境等の種々の環境で好適に実施化することができる。
【0037】
図1は、本発明の種々の実施例に対する思想的基礎となる制御可能なLED型照明ユニット100の一例を示す。図1に関連して以下に述べるものに類似したLED型照明ユニットの幾つかの一般的な例は、例えば、"多色LED照明方法及び装置"なる名称のMueller他に対して2000年1月18日に発行された米国特許第6,016,038号及び"照明部品"なる名称のLys他に対して2001年4月3日に発行された米国特許第6,211,626号に見ることができ、両文献は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0038】
種々の実施例において、図1に示された照明ユニット100は、単独で、又は他の同様の照明ユニットと共に照明ユニットのシステムにおいて使用することができる(例えば、図2に関連して後述するように)。単独で又は他の照明ユニットとの組み合わせで使用されて、照明ユニット100は、これらに限定されるものではないが、直視型又は間接視型の内部又は外部空間(例えば、建築用)照明及びイルミネーション全般、物体又は空間の直接又は間接照明、劇場用又は他の娯楽用/特殊効果照明を含む種々の用途において使用することができる。
【0039】
照明ユニット100は、1以上の光源104A、104B、104C及び104D(集合的に104として示す)を含むことができ、これら光源の1以上は、1以上のLEDを含むLED型光源とすることができる。上記光源の如何なる2以上も、異なる色(例えば、赤、緑、青)の放射を発生するように構成することができる。この点に関して言うと、前述したように、異なる色の光源の各々は、"多チャンネル"照明ユニットの異なるチャンネルを構成する異なる光源スペクトルを発生する。図1は4つの光源104A、104B、104C及び104Dを示しているが、当該照明ユニットは、この点で限定されるものではないと理解されたい。というのは、実質的に白色光を含む種々の異なる色の放射を発生するように構成された異なる数の及び種々のタイプの光源(全てがLED型の光源、LED型及び非LED型の光源の組み合わせ等)も、後述するように、照明ユニット100に使用することができるからである。
【0040】
照明ユニット100は、1以上の制御信号を出力して上記光源を駆動し、これにより、これら光源から種々の輝度の光を発生させるように構成されたコントローラ105も含んでいる。例えば、一構成例において、コントローラ105は、各光源に対して少なくとも1つの制御信号を出力し、各光源により発生される光の輝度(例えば、ルーメンでの放射パワー)を独立に制御するように構成することができる。他の例として、該コントローラ105は、1以上の制御信号を出力して、2以上の光源のグループを同じに集合的に制御するよう構成することもできる。光源を制御するために該コントローラにより発生することが可能な制御信号の幾つかの例は、これらに限定されるものではないが、パルス変調信号、パルス幅変調信号(PWM)、パルス振幅変調信号(PAM)、パルスコード変調信号(PCM)、アナログ制御信号(例えば、電流制御信号、電圧制御信号)、上記信号の組み合わせ及び/又は変調、又は他の制御信号を含む。特にLED型光源に関連しての幾つかの実施例では、可変LED駆動電流が使用されたとしたら発生し得る潜在的なLED出力の望ましくない又は予測不可能な変動を軽減するために、1以上の変調技術が、1以上のLEDに供給される一定の電流レベルを用いた可変制御を提供する。他の実施例では、コントローラ105は他の専用の回路(図1には示されていない)を制御し、該専用の回路が上記光源を制御して、これら光源の各輝度を変化させる。
【0041】
通常、1以上の光源により発生される放射の輝度(放射出力パワー)は、所与の期間にわたって該光源に供給される平均電力に比例する。従って、1以上の光源により発生される放射の輝度(強度)を変化させる1つの技術は、当該光源へ供給される電力(即ち、該光源の動作電力)を変調することを含む。LED型光源を含む幾つかのタイプの光源に関しては、これは、パルス幅変調(PWM)技術を用いて効果的に達成することができる。
【0042】
PWM制御技術の1つの例示的構成においては、照明ユニットの各チャンネルに対して、該チャンネルを構成する或る光源の両端間に所定の一定の所定電圧Vsourceが周期的に印加される。該電圧Vsourceの印加は、コントローラ105により制御される1以上のスイッチ(図1には示されていない)を介して達成することができる。電圧Vsourceが当該光源の両端間に印加されている間、所定の一定電流Isource(例えば、図1には示されていない電流調整器により決定される)が該光源を介して流されようにされる。ここでも、LED型光源は1以上のLEDを含み得、従って上記電圧Vsourceは該光源を構成する一群のLEDに供給され得、上記電流Isourceは斯かるLEDの群により流され得ることを想起されたい。駆動された場合の当該光源の両端間の一定電圧Vsource、及び駆動された場合の該光源により流される調整された電流Isourceが、該光源の瞬時動作電力Psourceの量を決定する(Psource=Vsource・Isource)。前述したように、LED型光源の場合、調整された電流を用いることが、可変LED駆動電流が採用されたとしたら生じるかも知れないLED出力の可能性のある望ましくない又は予測不可能な変動を軽減する。
【0043】
PWM技術によれば、当該光源に電圧Vsourceを周期的に印加すると共に、所与のオンオフサイクルの間において該電圧が印加される時間を変化させることにより、時間にわたり該光源に供給される平均電力(平均動作電力)を変調することができる。特に、コントローラ105は上記電圧Vsourceを所与の光源にパルス状態様で(例えば、当該光源に電圧を印加する1以上のスイッチを作動させる制御信号を出力することにより)、好ましくは人の目により検出することが可能なものより高い(例えば、約100Hzより高い)周波数で印加するように構成することができる。この様にして、当該光源により発生される光の観察者は、離散的なオンオフサイクル(通常、"フリッカ効果"と呼ばれる)を知覚することがなく、代わりに、目の積分機能が実質的に連続した光の発生を知覚する。上記制御信号のオンオフサイクルのパルス幅(即ち、オン時間又は"デューティサイクル")を調整することにより、該コントローラは如何なる所与の期間において当該光源が駆動される時間の平均量をも変化させ、かくして、該光源の平均動作電力を変化させる。この様にして、各チャンネルからの発生光の知覚される輝度を変化させることができる。
【0044】
以下に詳述するように、コントローラ105は多チャンネル照明ユニットの各々別個の光源チャンネルを所定の平均動作電力に制御して、各チャンネルにより発生される光に関して対応する放射出力パワーを得るように構成することができる。他の例として、コントローラ105は、ユーザインターフェース118、信号源124又は1以上の通信ポート120等の種々の発生元から、1以上のチャンネルに対する所定の動作電力を、従って各チャンネルにより発生される光に関する対応する放射出力パワーを指定する命令(例えば"照明コマンド")を入力することができる。1以上のチャンネルに対する所定の動作電力を変化させることにより(例えば、異なる命令又は照明コマンドに従って)、異なる知覚カラー及び輝度レベルの光を当該照明ユニットにより発生させることができる。
【0045】
照明ユニット100の幾つかの実施例においては、前述したように、図1に示した光源104A、104B、104C及び104Dの1以上は、コントローラ105により一緒に制御される一群の複数のLED又は他のタイプの光源(例えば、LED又は他のタイプの光源の種々の並列及び/又は直列接続)を含むことができる。更に、当該光源の1以上は、これらに限定されるものではないが、種々の可視カラー(実質的に白色の光を含む)、白色光の種々の色温度、紫外又は赤外を含む種々のスペクトル(即ち、波長又は波長帯域)のうちの何れかを持つ放射を発生するように構成された1以上のLEDを含むことができると理解されるべきである。種々のスペクトル帯域幅(例えば、狭い帯域、広い帯域)を持つLEDを、照明ユニット100の種々の実施化例で使用することができる。
【0046】
照明ユニット100は、広い範囲の可変カラー放射を生成するように構成及び配置することができる。例えば、一実施例において、照明ユニット100は、当該光源の2以上により発生される制御可能な可変輝度(即ち、可変放射パワー)の光が組み合わさって、混合色光(種々の色温度を持つ実質的に白色の光を含む)を生成するように特別に構成することができる。特に、上記混合色光の色(又は色温度)は、当該光源の各輝度(出力放射パワー)の1以上を変化させることにより(例えば、コントローラ105により出力される1以上の制御信号に応答して)、変化させることができる。更に、コントローラ105は、制御信号を当該光源の1以上に供給して、種々の静止的な又は時間と共に変化する(動的な)多色(又は多色温度)照明効果を発生させるように特別に構成することができる。この目的のために、上記コントローラ105は斯様な制御信号を当該光源の1以上に供給するようプログラムされたプロセッサ102(例えば、マイクロプロセッサ)を含むことができる。種々の構成例において、該プロセッサ102は斯様な信号を自律的に、照明コマンドに応答して、又は種々のユーザ若しくは信号入力に応答して供給するようプログラムすることができる。
【0047】
このように、照明ユニット100は、色混合を生成するための赤色、緑色及び青色LEDの2以上、並びに様々なカラー及び白色光の色温度を生成するための1以上の他のLEDを含み、様々な色のLEDを種々の組み合わせで含むことができる。例えば、赤、緑及び青は、琥珀色、白色、UV、オレンジ、IR又は他の色のLEDと混合することができる。更に、異なる色温度を持つ複数の白色LED(例えば、第1色温度に対応する第1スペクトルを発生する1以上の第1白色LED、及び第1色温度とは異なる第2色温度に対応する第2スペクトルを発生する1以上の第2白色LED)を、全て白色LEDの照明ユニットにおいて又は他の色のLEDとの組み合わせで使用することができる。照明ユニット100における異なる色のLED及び/又は異なる色温度の白色LEDの斯様な組み合わせは、多くの所望のスペクトルの照明条件の正確な再生を容易化することができ、斯様な照明条件の例は、これらに限定されるものではないが、一日の異なる時間における種々の外部日光の等価条件、種々の屋内照明条件、及び複雑な多色背景をシミュレーションするための照明条件等を含む。他の望ましい照明条件は、特定の環境において特別に吸収され、減衰され又は反射され得るスペクトルの特定の部分を除去することにより生成することができる。例えば水は光の非青色及び非緑色を最も吸収及び減衰させる傾向があるので、水面下の用途は、幾つかのスペクトル要素を他のものに対して強調又は減衰させるように仕立てられた照明条件の利益を受け得る。
【0048】
図1に示されるように、照明ユニット100は種々のデータを記憶するためにメモリ114を含むことができる。例えば、メモリ114は、プロセッサ102により実行するための1以上の照明コマンド又はプログラム(例えば、当該光源に対する1以上の制御信号を発生するために)、及び可変色放射を発生するために有用な種々のタイプのデータ(例えば、後述するような校正情報)を記憶するために使用することができる。メモリ114は、当該照明ユニット100を識別するためにローカルに又はシステムレベルで使用することが可能な1以上の特定の識別子(例えば、連続番号、アドレス等)も記憶することができる。種々の実施例において、このような識別子は、例えば製造者により予めプログラムすることができ、その後に変更可能又は変更不可能とすることができる(例えば、当該照明ユニット上に配置された何らかのタイプのユーザインターフェースを介して、又は当該照明ユニットにより受信される1以上のデータ若しくは制御信号を介して等)。他の例として、このような識別子は、当該照明ユニットの現場における最初の使用の時点で決定することができると共に、その後に変更可能であるか又は変更不可能とすることができる。
【0049】
照明ユニット100において複数の光源を制御し、及び照明システムにおいて複数の照明ユニット100を制御する(例えば、図2に関連して後述する)ことに関連して生じ得る1つの問題は、実質的に同様な光源の間での光出力の潜在的に知覚可能な差に関するものである。例えば、対応する個々の制御信号により駆動される2つの実質的に同一の光源の場合、各光源により出力される実際の光の輝度(例えば、ルーメンでの放射パワー)は多少異なり得る。この様な光出力の差は、例えば、光源の間の僅かな製造の差、発生される放射の各スペクトルを別々に変化させ得る当該光源の時間にわたる通常の消耗及び損傷等を含む種々の要因に帰するものである。本説明の目的のために、制御信号と結果としての出力放射パワーとの間の特別な関係が未知である光源は、"未校正"光源と称する。照明ユニット100において1以上の未校正光源を使用する結果、予測不可能な又は"未校正の"色又は色温度を持つ光が発生され得る。例えば、各々が零から255までの範囲内の調整可能なパラメータ(0〜255)を持つ対応する照明コマンドに応答して制御される第1の未校正赤色光源及び第1の未校正青色光源を含む第1の照明ユニットを考察するものとし、この場合において、255なる最大値は当該光源から利用可能な最大(即ち、100%)の放射パワーを表すものとする。この例の目的のために、赤色コマンドが零に設定され、青色コマンドが零でない場合には青色光が発生される一方、青色コマンドが零に設定され、赤色コマンドが零でない場合には赤色光が発生される。しかしながら、両コマンドが非零値から変化された場合、種々の知覚的に異なる色が生成され得る(例えば、この例において、少なくとも、紫の多くの異なるシェードが可能である)。特に、多分、特定の所望の色(例えば、ラベンダ)は、125なる値を持つ赤色コマンドと200なる値を持つ青色コマンドにより与えられる。ここで、前記第1の照明ユニットの第1の未校正赤色光源と実質的に同様の第2の未校正赤色光源及び前記第1の照明ユニットの第1の未校正青色光源と実質的に同様の第2の未校正青色光源を含む第2の照明ユニットを考察する。前述したように、上記未校正赤色光源の両方が、対応する同一のコマンドに応答して制御されるとしても、各赤色光源により出力される光の実際の輝度(例えば、ルーメンでの放射パワー)は多少異なり得る。同様に、上記未校正青色光源の両方が、対応する同一のコマンドに応答して制御されるとしても、各青色光源により出力される光は多少異なり得る。
【0050】
上記を心に留めると、上述したように混合色光を生成するために複数の未校正光源が照明ユニットにおいて組み合わせで使用される場合、同一の制御条件下で異なる照明ユニットにより生成される光の観察される色(又は色温度)は、異なって知覚され得る。特に、前述した"ラベンダ色"の例を再び考察してみると、125なる値を持つ赤色コマンド及び200なる値を持つ青色コマンドによって前記第1の照明ユニットにより生成される"第1のラベンダ色"は、125なる値を持つ赤色コマンド及び200なる値を持つ青色コマンドによって前記第2の照明ユニットにより生成される"第2のラベンダ色"とは確かに知覚的に相違し得る。より一般的には、上記第1及び第2の照明ユニットは、これら照明ユニットの未校正光源のために未校正の色を発生する。従って、本発明の幾つかの実施例では、照明ユニット100は、如何なる所与の時点においても、校正された(例えば、予測可能な、再現可能な)色を持つ光の発生を容易にするために校正システムを含む。一態様において、上記校正システムは、当該照明ユニットの少なくとも幾つかの光源の光出力を調整し(例えば、スケーリングし)、これにより異なる照明ユニットで使用される同様の光源の間の知覚可能な差を補償するように構成される。例えば、一実施例において、照明ユニット100のプロセッサ102は、光源の1以上を制御して、これら光源に対する制御信号に所定の態様で実質的に一致する校正された輝度で放射を出力するように構成される。異なるスペクトル及び対応する校正された輝度を持つ放射を混合する結果として、校正された色が生成される。この実施例の一態様において、各光源のための少なくとも1つの校正値が、メモリ114に記憶される一方、前記プロセッサは、各校正値を対応する光源のための制御信号(コマンド)に適用して、校正された輝度を発生するようにプログラミングされる。1以上の校正値は以前に(例えば、照明ユニットの製造/試験段階の間に)決定し、プロセッサ102による使用のためにメモリ114に記憶することができる。他の態様では、プロセッサ102を、例えば1以上の光センサの補助で動的に(例えば、時折)1以上の校正値を導出するように構成することができる。種々の実施例において、上記光センサ(複数の光センサ)は、当該照明ユニットに結合された1以上の外部部品とすることができ、又は代わりに当該照明ユニット自身の一部として統合することもできる。光センサは、照明ユニット100に統合し又は、さもなければ、関連され得る信号源の一例であり、当該照明ユニットの動作に関連してプロセッサ102により監視される。斯様な信号源の他の例は、図1に示す信号源124との関連で更に後述する。1以上の校正値を導出するためにプロセッサ102により実施化され得る1つの例示的方法は、光源に対して基準制御信号(例えば、最大の出力放射パワーに対応する)を印加するステップと、(1以上の光センサにより)、かくして該光源により発生される放射の強度(例えば、当該光センサに入射する放射パワー)を測定するステップとを含む。この場合、上記プロセッサは、該測定された強度と、少なくとも1つの基準値(例えば、前記基準制御信号に応答して公称的に予測される強度を表す)との比較を実行するようにプログラミングすることができる。このような比較に基づいて、上記プロセッサは当該光源のための1以上の校正値(例えば、スケーリング・ファクタ)を決定することができる。特に、上記プロセッサは校正値を、前記基準制御信号に適用された場合に、当該光源が上記基準値に相当する輝度(即ち、"予測される"輝度、例えばルーメンでの予測される放射パワー)を持つ放射を出力するように導出することができる。種々の態様において、1つの校正値を、所与の光源に関する全範囲の制御信号/出力輝度に対して導出することができる。他の例として、所与の光源に対して複数の校正値を導出することができ(即ち、複数の校正値"サンプル"を得ることができ)、これら校正値は、非線形な校正関数を断片的な線形態様で近似するために、異なる制御信号/出力輝度範囲に対して各々適用される。
【0051】
幾つかの実施例において、照明ユニット100は、複数のユーザにより選択可能な設定又は機能(例えば、照明ユニット100の光出力を全般に制御する、当該照明ユニットにより発生されるべき種々の事前プログラムされた照明効果を変更及び/又は選択する、選択された照明効果の種々のパラメータを変更及び/又は選択する、当該照明ユニットに対するアドレス又は連続番号等の特定の識別子を設定する等)の何れかを容易化するために設けられる1以上のユーザインターフェース118も含むことができる。種々の実施例において、ユーザインターフェース118と当該照明ユニットとの間の通信は、有線若しくはケーブル、又は無線伝送を介して達成することができる。
【0052】
一構成例において、当該照明ユニットのコントローラ105は、ユーザインターフェース118をモニタし、光源104A、104B、104C及び104Dのうちの1以上を、少なくとも部分的に該インターフェースのユーザによる操作に基づいて制御する。例えば、コントローラ105は、当該光源の1以上を制御するための1以上の制御信号を発生することにより、上記ユーザインターフェースの操作に応答するように構成することができる。他の例として、プロセッサ102は、メモリに記憶された1以上の事前にプログラムされた制御信号を選択し、照明プログラムを実行することにより発生される制御信号を修正し、メモリから新たな照明プログラムを選択及び実行し、又は当該光源の1以上により発生される放射にそれ以外で影響を与えることにより、応答するように構成することができる。
【0053】
特に、一構成例において、ユーザインターフェース118は、コントローラ105に対する電力を遮断する1以上のスイッチ(例えば、標準の壁スイッチ)を構成することができる。この構成例の一態様において、コントローラ105は、上記ユーザインターフェースにより制御される電力をモニタし、当該光源の1以上を少なくとも部分的に上記ユーザインターフェースの操作により生じた電力の遮断の期間に基づいて制御するように構成される。前述したように、当該コントローラは、電力遮断の所定の期間に対して、例えばメモリに記憶された1以上の事前にプログラムされた制御信号を選択し、照明プログラムを実行することにより発生される制御信号を修正し、メモリから新たな照明プログラムを選択及び実行し、又は当該光源の1以上により発生される放射にそれ以外で影響を与えることにより、応答するように特別に構成することができる。
【0054】
また、図1は、照明ユニット100を1以上の他の信号源124から1以上の信号122を入力するように構成することができることを示している。一実施例において、当該照明ユニットのコントローラ105は、信号122を、単独で又は他の制御信号(例えば、照明プログラムを実行することにより発生される信号、ユーザインターフェースからの1以上の出力等)との組み合わせで使用して、光源104A、104B、104C及び104Dのうちの1以上をユーザインターフェース118に関連して上述したのと同様の態様で制御することができる。
【0055】
コントローラ105により入力し且つ処理することが可能な信号122の例は、これらに限定されるものではないが、1以上のオーディオ信号、ビデオ信号、電力信号、種々のタイプのデータ信号、ネットワーク(例えば、インターネット)から得られた情報を表す信号、1以上の検出可能な/感知された条件を表す信号、照明ユニットからの信号、変調された光からなる信号等を含む。種々の構成例において、信号源124は、照明ユニット100から遠くに隔てて配置することができるか、又は当該照明ユニットの構成部品として含まれ得る。一実施例において、1つの照明ユニット100からの信号は、ネットワークを介して他の照明ユニット100に送ることができる。
【0056】
照明ユニット100に使用することができるか、又は該照明ユニットとの関連で使用することができる信号源124の幾つかの例は、刺激に応答して1以上の出力信号122を発生する種々のセンサ又はトランスジューサの何れかを含む。このようなセンサの例は、これらに限定されるものではないが、熱感知的(例えば、温度、赤外線)センサ、湿度センサ、動きセンサ、フォトセンサ/光センサ(例えば、フォトダイオード、分光放射計又は分光光度計等の電磁放射の1以上の特定のスペクトルに対して感知的なセンサ)、種々のタイプのカメラ、音若しくは振動センサ又は他の圧力/力トランスジューサ(例えば、マイクロフォン、圧電デバイス等)等の種々のタイプの環境条件センサを含む。
【0057】
信号源124の更なる例は、電気的信号若しくは特性(例えば、電圧、電流、電力、抵抗、容量、インダクタンス等)又は化学的/生物学的特性(例えば、酸性度、1以上の特定の化学的又は生物学的物質の存在、細菌等)をモニタして、斯かる信号及び特性の測定値に基づいて1以上の出力信号122を供給する種々の測定/検出デバイスを含む。信号源124の更に他の例は、種々のタイプのスキャナ、画像認識システム、音声又は他のサウンドの認識システム、人工知能及びロボットシステム等を含む。また、信号源124は、照明ユニット100、他のコントローラ若しくはプロセッサ、又は、媒体プレーヤ、MP3プレーヤ、コンピュータ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、テレビジョン信号源、カメラ信号源、マイクロフォン、スピーカ、電話、携帯電話、インスタントメッセンジャ装置、SMS装置、無線装置、パーソナルオーガナイザ装置及び多くの他のもの等の多くの利用可能な信号発生装置の何れか1つでもあり得る。
【0058】
幾つかの実施例において、照明ユニット100は、光源104A、104B、104C及び104Dにより発生される放射を処理する1以上の光学エレメント又は装置130を含むこともできる。例えば、1以上の光学エレメント130は、発生された放射の空間分布及び伝搬方向の一方又は両方を変化させる(例えば、何らかの電気的及び/又は機械的刺激に応答して)ように構成することができる。特に、1以上の光学エレメントは、発生された放射の拡散角度を変化させるように構成することができる。照明ユニット100に含めることが可能な光学エレメントの例は、これらに限られるものではないが、反射性物質、屈折性物質、半透明物質、フィルタ、レンズ、鏡及び光ファイバを含む。上記1以上の光学エレメント130は、蛍光物質、発光物質、又は発生された放射に応答する又は相互に作用し合うことができる他の物質を含むこともできる。
【0059】
幾つかの実施例において、照明ユニット100は、該照明ユニット100の、1以上の他の照明ユニットを含む種々の他の装置の何れかに対する結合を容易にするために1以上の通信ポート120を含むことができる。例えば、1以上の通信ポート120は、複数の照明ユニットをネットワーク化された照明システムとして一緒に結合するのを容易化することができ、該システムにおいて、これら照明ユニットの少なくとも幾つか又は全てはアドレス指定可能であり(例えば、特定の識別子又はアドレスを有する)、及び/又は当該ネットワークを介して伝送される特定のデータに応答する。他の態様において、1以上の通信ポート120は、有線又は無線伝送を介してデータを受信及び/又は送信するように構成することもできる。一実施例において、該通信ポート120を介して受信される情報は、少なくとも部分的に、当該照明ユニットにより後に使用されるべきアドレス情報に関係することができ、該照明ユニットは該アドレス情報を受信すると共に、メモリ114に記憶するように構成することができる(例えば、該照明ユニットは、上記の記憶されたアドレスを、1以上の通信ポートを介して後続のデータを受信する際に使用する自身のアドレスとして使用するよう構成することができる)。
【0060】
特に、ネットワーク化された照明システム環境においては、後に(例えば、図2に関連して)詳述するように、当該ネットワークを介してデータが通信されるので、該ネットワークに結合された各照明ユニットのコントローラ105は、自身に関係する特定のデータ(例えば、照明制御コマンド)に応答する(例えば、幾つかの場合においては、該ネットワーク化された照明ユニットの各識別子により指令されて)よう構成することができる。或るコントローラが自身を意図する特定のデータを識別すると、該コントローラは該データを読み込み、例えば、自身の光源により形成される照明条件を該受信されたデータに従って変化させることができる(例えば、これら光源に対して適切な制御信号を発生することにより)。一態様において、当該ネットワークに結合された各照明ユニットのメモリ114には、プロセッサ102により受信されたデータに対応する照明制御信号のテーブルをロードすることができる。プロセッサ102が上記ネットワークからデータを受信すると、該プロセッサは上記テーブルを照会して、受信されたデータに対応する制御信号を選択し、当該照明ユニットの光源をそれに応じて制御することができる(例えば、前述した種々のパルス変調技術を含む種々のアナログ又はデジタル信号制御技術の何れか1つを用いて)。
【0061】
一態様において、或る照明ユニットのプロセッサ102は、ネットワークに結合されているか否かに拘わらず、DMXプロトコルで受信される照明命令/データを解釈するように構成することができる(例えば、米国特許第6,016,038号及び第6,211,626号で説明されているように)。DMXは、照明産業において幾つかのプログラム可能な照明用途に従来から使用されている照明コマンドプロトコルである。DMXプロトコルにおいて、照明命令は、照明ユニットに、512バイトのデータを含むパケットにフォーマッティングされた制御データとして送信され、各データバイトは零と255との間のデジタル値を表す8ビットにより構成される。これらの512のデータバイトには、典型的には、"開始コード"バイトが先行する。例示的なDMX構成において、513バイト(開始コードとデータ)を含む全体の"パケット"は、RS−485の電圧レベル及び配線施工に従って250kbit/sで直列に送信され、その場合において、パケットの開始は少なくとも88マイクロ秒の中断により通知される。
【0062】
DMXプロトコルにおいては、或るパケットにおける512バイトの各データバイトは、多チャンネル照明ユニットの特定の"チャンネル"に対する照明コマンドとして意図されたもので、その場合において、零なるデジタル値は当該照明ユニットの所与のチャンネルに対する無の放射出力パワー(即ち、チャンネルオフ)を示し、255なるデジタル値は当該照明ユニットの該所与のチャンネルに対する全放射出力パワー(100%の利用可能なパワー)を示す(即ち、チャンネルの完全なオン)。例えば、一態様において、当面、赤色、緑色及び青色LEDに基づく3チャンネル照明ユニット(即ち、"RGB"照明ユニット)を考えると、DMXプロトコルにおける照明コマンドは、赤色チャンネルコマンド、緑色チャンネルコマンド及び青色チャンネルコマンドの各々を、0〜255の値を表す8ビットデータ(即ち、データバイト)として指定することができる。上記カラーチャンネルの何れか1つに対する255の最大値は、プロセッサ102に、該チャンネルに関して、対応する光源を最大の利用可能な電力(即ち、100%)で動作するよう制御するように命令し、これにより、当該カラーに関して最大の利用可能な放射パワーを発生する(RGB照明ユニットに対する斯様なコマンド構造は、通常、24ビットカラー制御と呼ばれる)。従って、[R,G,B]=[255,255,255]なるフォーマットのコマンドは、当該照明ユニットに、赤色、緑色及び青色光の各々に関して最大の放射パワーを発生させる(これにより、白色光を生成する)。
【0063】
DMXプロトコルを使用する通信リンクは、通常、512までの異なる照明ユニットチャンネルをサポートすることができる。DMXプロトコルでフォーマッティングされた通信を受信するように設計された所与の照明ユニットは、当該パケットにおける512データバイトのうちの、当該照明ユニットのチャンネル数に対応する1以上の特定のデータバイトのみに応答する(例えば、3チャンネル照明ユニットの例では、該照明ユニットにより3バイトが使用される)よう構成することができる。特定の照明ユニットにとり関心のある特定のデータバイト(又は複数のバイト)は、当該パケットにおける512データバイトの全体のシーケンスにおける斯かるバイトの位置に基づいて決定することができる。この目的のために、DMX型照明ユニットには、所与のDMXパケットにおける該照明ユニットが応答するデータバイトの特定の位置を決定するように構成することが可能なアドレス選択メカニズムを装備することができる。
【0064】
しかしながら、本発明の実施例と共に使用するに適した照明ユニットはDMXコマンドフォーマットを使用するものに限定されるものではないと理解されたい。というのは、種々の実施例による照明ユニットは、他のタイプの通信プロトコル/照明コマンドフォーマットに応答して、これら照明ユニットの対応する光源を制御するように構成することができるからである。一般的に、プロセッサ102は、各チャンネルに対する零から最大までの利用可能な動作パワーを表す何らかのスケールに従って多チャンネル照明ユニットの各個のチャンネルに対する所定の動作パワーを表す種々のフォーマットの照明コマンドに応答するよう構成することができる。
【0065】
例えば、幾つかの実施例において、所与の照明ユニットのプロセッサ102は、通常のイーサネット(登録商標)プロトコル(又は、イーサネット(登録商標)思想に基づく同様のプロトコル)で受信される照明命令/データを解釈するように構成することができる。イーサネット(登録商標)は、しばしば、ローカルエリアネットワーク(LAN)のために採用される良く知られたコンピュータネットワーク化技術であり、当該ネットワークを形成する相互接続された装置に対する配線及び信号通知要件、並びに該ネットワーク上で伝送されるデータのためのフレームフォーマット及びプロトコルを規定する。該ネットワークに結合される装置は対応する固有のアドレスを有し、該ネットワーク上の1以上のアドレス指定可能な装置に対するデータはパケットとして編成される。各イーサネット(登録商標)パケットは、宛先アドレス及び発信元アドレスを特定する"ヘッダ"を含み、幾つかのバイトのデータを含む"ペイロード"が後続する(例えば、タイプIIイーサネット(登録商標)フレームプロトコルにおいては、ペイロードは46データバイトから1500データバイトまでとすることができる)。パケットは、エラー訂正コード又は"チェックサム"で終了する。上述したDMXプロトコルによる場合と同様に、イーサネット(登録商標)プロトコルで通信を受信するように構成された所与の照明ユニットを宛先とする連続するイーサネット(登録商標)パケットのペイロードは、該照明ユニットにより発生することが可能な異なる利用可能なスペクトルの光(例えば、異なるカラーのチャンネル)に対して所定の各放射パワーを表すような情報を含むことができる。
【0066】
更に他の実施例において、所与の照明ユニットのプロセッサ102は、例えば米国特許第6,777,891号に記載されているように、直列型通信プロトコルで受信される照明命令/データを解釈するように構成することができる。特に、直列型通信プロトコルに基づく一実施例によれば、複数の照明ユニット100が、1以上の通信ポート120を介して一緒に結合されて照明ユニットの直列接続(例えば、デイジーチェーン又はリング状トポロジ)を形成し、その場合において各照明ユニットは入力通信ポート及び出力通信ポートを有する。斯かる照明ユニットに送信される照明命令/データは、各照明ユニットの当該直列接続における相対位置に基づいて順番に配列することができる。照明ユニットの直列相互接続に基づく照明ネットワークが、特に直列型通信プロトコルを使用する実施例に関連して説明されているが、本発明は、この点において限定されるものではないと理解されたい。というのは、本発明により想定される照明ネットワークトポロジの他の例も、図2に関連して後述されるからである。
【0067】
直列型通信プロトコルを採用する一実施例において、当該直列接続における各照明ユニットのプロセッサ102がデータを受信する際に、該プロセッサは当該照明ユニットに対するデータシーケンスの1以上の最初の部分を"分離"又は抽出し、該データシーケンスの残部を該直列接続における次の照明ユニットに送信する。例えば、複数の3チャンネル(例えば、"RGB")照明ユニットの直列相互接続を再び考察すると、3つの多ビット値(各チャンネルに対して1つの多ビット値)が各3チャンネル照明ユニットにより受信データシーケンスから抽出される。上記直列接続における各照明ユニットが、この手順、即ち受信データシーケンスの1以上の最初の部分(多ビット値)を分離又は抽出すると共に該シーケンスの残部を送信する処理、を繰り返す。各照明ユニットにより分離されるデータシーケンスの最初の部分は、当該照明ユニットにより発生することが可能な光の別々の利用可能なスペクトル(例えば、別々のカラーチャンネル)に対する所定の各放射パワーを含むことができる。DMXプロトコルに関連して前述したように、種々の構成例において、チャンネル毎の各多ビット値は、各チャンネルに対する所望の分解能に部分的に依存して、チャンネル当たり8ビット値、又は他のビット数(例えば、12、16、24等)とすることができる。
【0068】
直列型通信プロトコルの更に他の例示的構成例においては、データシーケンスにおける所与の照明ユニットの複数のチャンネルに対するデータを表す各部分にフラグを関連付けることができ、複数の照明ユニットに対する全体のデータシーケンスは、当該直列接続において照明ユニットから照明ユニットへと完全に送信することができる。当該直列接続における或る照明ユニットが上記データシーケンスを受信する際に、該照明ユニットは、当該データシーケンスにおける、所与の部分(1以上のチャンネルを表す)が如何なる照明ユニットによっても未だ読み取られていないことを示すようなフラグを含む部分を探索することができる。このような部分を見付けると、該照明ユニットは当該データシーケンスの上記部分を読み取り及び処理して、対応する光出力を生成すると共に、対応するフラグを該部分が読み取られたことを示すように設定することができる。このように、この構成例では、全体のデータシーケンスを照明ユニットから照明ユニットへと送信することができ、その場合において、当該データシーケンスに関連する上記フラグの状態が、読み取り及び処理に対して利用可能な当該データシーケンスの次の部分を示す。
【0069】
直列型通信プロトコルと共に使用する他の実施例において、直列型通信プロトコル用に構成された或る照明ユニット100のコントローラ105は、特定用途向け集積回路(ASIC)として実施化することができる。該ASICは、照明命令/データの受信されたストリームを、上述した"データ分離/抽出"処理又は"フラグ変更"処理に従って特別に処理するように設計することができる。例えば、ネットワークを形成するように一緒に直列接続構成で結合された複数の照明ユニットを有する一実施例において、各照明ユニットは、図1に示されるように、プロセッサ102、メモリ114及び通信ポート120に関して前述した機能を有するASIC構成のコントローラ105を含むことができる(幾つかの実施化例では、オプション的なユーザインターフェース118及び信号源124は、含む必要はない)。このような実施例は、米国特許第6,777,891号に詳細に述べられている。
【0070】
一実施例において、照明ユニット100は、1以上の電源108を含み、及び/又は斯かる電源に結合することができる。種々の態様において、電源108の例は、これらに限定されるものではないが、AC電源、DC電源、電池、太陽式電源、熱電気又は機械式電源等を含む。更に、一態様において、電源108は、外部電源から入力される電力を照明ユニット100の光源及び種々の内部回路部品の動作に適した形態に変換する1以上の電力変換装置又は電力変換回路(例えば、幾つかの場合には照明ユニット100の内部の)を含み、又は斯かる変換装置又は変換回路に関連させることができる。米国特許出願第11/079,904号及び第11/429,715号に述べられた例示的構成例において、照明ユニット100のコントローラ105は、電源108から標準のACライン電圧を受け、DC/DC変換に関係する思想又は"スイッチング"電源の思想に基づき当該照明ユニットの光源及び他の回路に対して適切なDC動作電力を供給するように構成することができる。これらの構成例の一態様においては、コントローラ105は、標準のACライン電圧を受けるのみならず、該ライン電圧から非常に高い力率で電力が引き出されるのを保証するための回路を含むことができる。
【0071】
また、或る照明ユニットは、光源のための種々の取り付け装置、光源を部分的に又は完全に囲むエンクロージャ/ハウジング装置及び形状、及び/又は電気的及び機械的接続構造の何れかを有することができる。特に、幾つかの構成例では、照明ユニットは、従来のソケット又は固定具装置(例えば、エジソン型ネジソケット、ハロゲン固定具装置、蛍光固定具装置等)に電気的に及び機械的に係合するための交換品又は改良品として構成することもできる。
【0072】
更に、上述した1以上の光学エレメントは、照明ユニットのエンクロージャ/ハウジング装置に部分的に又は完全に統合することができる。更に、上述した照明ユニットの種々の構成部品(例えば、プロセッサ、メモリ、電源、ユーザインターフェース等)及び別の構成例で当該照明ユニットと関連され得る他の構成部品(例えば、センサ/トランスジューサ、当該ユニットへの(からの)通信を容易化する他の部品等)は、種々の態様でパッケージ化することができる。例えば、一態様において、種々の照明ユニットの部品及び該照明ユニットに関連し得る他の部品の全て又は何れかの部分群は、一緒にパッケージ化することができる。他の態様において、部品のパッケージ化された部分群は、種々の態様で電気的及び/又は機械的に一緒に結合することができる。
【0073】
図2は、本発明の一実施例によるネットワーク化された照明システム200の一例を示している。図2の実施例において、ネットワーク化照明システムを形成するために、前述したものと同様の複数の照明ユニット100が一緒に結合されている。しかしながら、図2に示す照明ユニットの特定の構成及び配置は解説の目的のみのものであって、本発明は図2に示す特定のシステムトポロジに限定されるものではないと理解されたい。
【0074】
更に、図2には明示的に示されていないが、該ネットワーク化照明システム200は、1以上のユーザインターフェース及びセンサ/トランスジューサ等の1以上の信号源を含むように柔軟に構成することができると理解されたい。例えば、1以上のユーザインターフェース及び/又はセンサ/トランスジューサ等の1以上の信号源(図1に関連して前述したような)を、該ネットワーク化照明システム200の照明ユニットの何れか1以上に関連付けることができる。他の例として(又は上記に加えて)、1以上のユーザインターフェース及び/又は1以上の信号源は、該ネットワーク化照明システム200内の"単独"部品として実施化することもできる。単独部品が1以上の照明ユニット100に特別に関連付けられるか否かに拘わらず、これらの部品は該ネットワーク化照明システムの照明ユニットにより"共用"することができる。言い換えると、1以上のユーザインターフェース及び/又はセンサ/トランスジューサ等の1以上の信号源は、当該システムの照明ユニットの何れか1以上を制御することに関連して使用することができるような、該ネットワーク化照明システムにおける"共有資源"を構成することができる。
【0075】
図2に示されるように、当該照明システム200は、1以上の照明ユニットコントローラ(以下、"LUC"と称す)208A、208B、208C及び208Dを含むことができ、その場合において、各LUCは、該LUCに結合された1以上の照明ユニット100と通信すると共に該照明ユニットを広く制御する責任を負う。図2では2つの照明ユニット100がLUC208Aに結合され、1つの照明ユニット100がLUC208B、208C及び208Dの各々に結合されるものとして示されているが、本発明はこの点で限定されるものではないと理解されたい。というのは、別の数の照明ユニット100を所与のLUCに、種々の異なる通信媒体及びプロトコルを用いて種々の異なる構成(例えば、直列接続、並列接続、直列接続と並列接続との組み合わせ等)で結合することができるからである。
【0076】
幾つかの実施例において、各LUCは、1以上のLUCと通信するように構成された中央コントローラ202に結合することができる。図2は4つのLUCが汎用接続部204(如何なる数の種々の通常の結合、切換及び/又はネットワーク化装置も含むことができる)を介して中央コントローラ202に結合されるのを示しているが、種々の実施例によれば、違う数のLUCも中央コントローラ202に結合することができると理解されるべきである。更に、本発明の種々の実施例によれば、上記LUC及び中央コントローラは、ネットワーク化された照明システム200を形成するために種々の異なる通信媒体及びプロトコルを用いて種々の構成で一緒に結合することもできる。更に、LUC及び中央コントローラの相互接続、並びに各LUCに対する照明ユニットの相互接続は、種々の態様の何れかで(例えば、別の構成、通信媒体及びプロトコルを用いて)達成することもできると理解されたい。
【0077】
例えば、本発明の一実施例によれば、中央コントローラ202は、LUCとイーサネット(登録商標)型通信を実行するように構成することができ、LUCは照明ユニット100とイーサネット(登録商標)型、DMX型又は直列型のプロトコル通信のうちの1つを実行するように構成することができる(前述したように、種々のネットワーク構成に適した例示的な直列型プロトコルは米国特許第6,777,891号に詳細に説明されている)。特に、この実施例の一態様では、各LUCは、アドレス指定可能なイーサネット(登録商標)型コントローラとして構成することができ、従ってイーサネット(登録商標)型プロトコルを用い特定の固有のアドレス(又は固有のグループのアドレス及び/又は他の識別子)を介して中央コントローラ202に対し識別可能となる。この様にして、中央コントローラ202は、結合されたLUCのネットワーク全体を介してイーサネット(登録商標)通信をサポートするように構成することができ、各LUCは自身に対する斯かる通信に応答することができる。一方、各LUCは、中央コントローラ202とのイーサネット(登録商標)通信に応答して、該LUCに結合された1以上の照明ユニットに対し照明制御情報を、例えばイーサネット(登録商標)、DMX又は直列型プロトコルを介して通知することができる(この場合、照明ユニットはLUCからイーサネット(登録商標)、DMX又は直列型プロトコルで受信された情報を解釈するように適切に構成される)。
【0078】
一実施例によれば、LUC208A、208B、及び208Cは、中央コントローラ202が、照明制御情報を照明ユニット100に供給することができる前にLUCにより解釈されることを要するような一層高いレベルのコマンドを該LUCに通知するように構成することができるという点で"知的"であるように構成することができる。例えば、照明ユニットの互いの特定の配置が与えられている場合に、照明システムの操作者が、伝搬する虹の色の見え方("虹の追跡")を生じるように、色を照明ユニットから照明ユニットへと変化させるような色変化効果を発生するように欲するかも知れない。この例の場合、操作者は、中央コントローラ202に簡単な"虹の追跡"命令を供給すればよく、これに対して、該中央コントローラは1以上のLUCに対しイーサネット(登録商標)型プロトコルを用いて該虹の追跡を発生させるための高いレベルのコマンドを通知することができる。該コマンドは、例えば、タイミング、輝度、色調、彩度又は他の関連する情報を含むことができる。或るLUCが斯様なコマンドを受信した場合、このLUCは該コマンドを解釈し、更なるコマンドを1以上の照明ユニットに種々のプロトコル(例えば、イーサネット(登録商標)、DMX、直列型等)のうちの何れかを用いて通知することができ、これに応答して、これら照明ユニットの各光源は種々の信号処理技術の何れか(例えば、PWM)を介して制御される。
【0079】
他の実施例によれば、照明ネットワークの1以上のLUCは、複数の照明ユニット100の直列接続に結合することができる(例えば、2つの直列接続された照明ユニット100に結合された図2のLUC208A参照)。このような実施例の一態様において、この様にして結合された各LUCは、複数の照明ユニットと、幾つかの例を先に説明した直列型通信プロトコルを用いて通信するように構成することができる。一例示的構成例では、或るLUCは、中央コントローラ202及び/又は1以上の他のLUCとイーサネット(登録商標)型プロトコルを用いて通信する一方、複数の照明ユニットと直列型通信プロトコルを用いて通信するように構成することができる。この様にして、LUCは、或る意味では、照明命令又はデータをイーサネット(登録商標)型プロトコルで受信すると共に、これら命令を複数の直列接続された照明ユニットに直列型プロトコルを用いて受け渡すプロトコル変換器と見ることができる。しかしながら、種々の可能なトポロジで配置されたDMX型照明ユニットを含む他のネットワーク構成例では、或るLUCは、同様に、照明命令又はデータをイーサネット(登録商標)型プロトコルで受信すると共に、DMXプロトコルでフォーマッティングされた命令を受け渡すプロトコル変換器と見ることができると理解されたい。ここでも、本発明の一実施例により照明システムにおいて複数の異なる通信構成(例えば、イーサネット(登録商標)/DMX)を用いる上述した例は、解説の目的のみのものであり、本発明は該特定の例に限定されるものではないと理解されるべきである。
【0080】
上記説明から、上述した1以上の照明ユニットは、広範囲の色にわたる高度に制御可能な可変色光、及び広範囲の色温度にわたる可変色温度白色光を発生することができることが分かるであろう。
【0081】
本発明の特定の態様は、参照により本明細書に組み込まれるCunninghamの米国特許第6,683,423号("Cunninghamの423特許")に概説された照明器具、更に特定的には、斯様な照明器具の一部として使用するのに適したものであって、選択された色を持つ光を生成するように構成された照明装置に関するものである。本発明の幾つかの態様は、更に、劇場用途に有用な光スペクトルを供給するために斯様な照明器具を動作させる方法に関するものである。
【0082】
例えば、本発明の一態様は、例えばカラーフィルタを備える又は備えない所定の光源により生成される光ビームのものを模したスペクトルを含むような、制御された光束スペクトルを持つ光ビームを生成する照明装置に関するものである。該照明装置は、複数の群の発光デバイスを含み、斯様な各群はピーク光束波長及び所定のスペクトル半値幅を備える別個の光束スペクトルを有する光を放出するように構成される。例示的な限定するものでない構成例では、各群のスペクトル半値幅は約40ナノメートル(nm)未満とすることができ、これら群は、各群のピーク光束波長が他の群のものから約50nmより少なく離隔されるように構成することができる。該照明装置は、更に、選択された量の電力を上記発光デバイスの群に供給して、これら群が所定の光束スペクトルを持つ光の複合ビームを生成すべく協動するように構成可能(configurable)なコントローラを含む。
【0083】
本発明の他の態様は、白熱電球を持つ所定の光源により生成される光ビームのものを模した光束スペクトルを有する光ビームを生成するために、照明器具の一部として使用するのに適した照明装置に向けられたものであり、斯様な光源は当該電球により放出される光の光束スペクトルを修正するフィルタを有さない。該照明装置は、複数の群の発光デバイスを有すると共に、更に、これら発光デバイスの群に選択された量の電力を供給するように構成可能なコントローラも含む。これらの群は、協動して、模擬されるべき前記所定の光源により生成される光ビームの光束スペクトルに対し、可視スペクトルにわたり約30%未満の正規化された平均偏差しか有さないような所定の光束スペクトルを持つ複合光ビームを生成する。
【0084】
本発明の更に他の態様は、所定の光束スペクトルを持つ光ビームを生成する照明装置であって、複数の群の発光デバイスのうちの少なくとも2つが異なる数のデバイスを含むような照明装置に向けられたものである。該照明装置は、上記発光デバイスの群に選択された量の電力を供給するように構成可能なコントローラを更に含み、かくして、これらは協動して所定の光束スペクトルを持つ複合光ビームを生成する。各群における上記特定の数は、当該照明装置が特定の光源により供給される光束スペクトルを模するために使用される場合に特定の利点を有するように選択することができる。例えば、上記数は、上記コントローラが上記群の全てに対して最大の電力を供給する場合に、結果としての複合光ビームが、模擬されるべき光ビームのものと密に合致するような光束スペクトルを持つように選択することができる。
【0085】
本発明の更に他の態様は、5以上の群の発光デバイスを含むと共に、これら5以上の群の発光デバイスに対して斯かる群が協動して所定の光束スペクトルを持つ複合光ビームを生成するような選択された量の電力を供給するように構成可能なコントローラを更に含む照明装置に向けられたものである。幾つかの実施例において、当該照明装置は、該照明装置により発生される複合光ビームの光束スペクトルの一層大きな制御を容易化するために、8以上の斯様な群の発光デバイスを含むことができる。特定の構成例において、上記発光デバイスの群は、各々、複数の発光ダイオード(LED)を含むことができる。更に、当該照明装置は、オプションとして、後に詳述するように、放出された光を収集すると共に上記複合光ビームを該照明装置から投射する光学アセンブリを採用することができる。
【0086】
幾つかの構成例において、本発明は、選択された色を持つ光ビームを投射するよう構成された照明器具を目論むものである。該照明器具は、狭帯域カラーの範囲で光を放出するよう構成されたLEDのアレイを含むことができる。該LEDのアレイに結合されたコントローラは、選択された量の電力を斯かるLEDに供給して、当該照明器具から放出される合成された光が所定の複合光束スペクトルを持つように構成することができる。上記LEDのアレイは、斯かるLEDからの熱の放散を容易化するために、ハウジング内のヒートシンク上に取り付けることができる。幾つかの構成例において、上記LED群の波長帯域は実質的に全可視スペクトル、即ち約420ナノメートル(nm)から約680nmまでにまたがることができる。本発明の実施例に使用するのに適した上記所要の色及び高輝度で光を放出するLEDは、例えば、ノースカロライナ州、ダーハムのCree・インク又はカリフォルニア州サンホセのフィリップス・ルミレッドから得ることができる。
【0087】
図3Aないし4Dは、本発明の種々の態様による劇場照明に適した劇場用照明器具及び該照明器具の幾つかの構成部品を示す。特に、後に詳述するように、本発明は従来の照明器具と比較して改善されたエネルギ効率、低減された重量及び/又は長い照明器具寿命を提供する照明器具を目論むものである。ここで述べる種々の実施例において、照明器具は、1以上のLED照明ユニット及び1以上のヒートシンクを採用して、斯かるLED照明ユニット及び/又は種々の電気部品の両者により発生される熱を効果的に除去する冷却空気経路を設けることができる。本発明による照明器具の一実施例は、リアルタイムの、動的な、制御可能な色変化能力を提供する。一構成例において、本発明による劇場用照明器具は、従来の照明器具により発生される光のスペクトルを模擬する光出力を発生する。
【0088】
本発明の幾つかの実施例において、照明器具300は、図3A及び3Bに示されるように、レンズフード310、1以上のレンズ315、ハウジング320、端部ユニット330、ヨーク340及びLED型照明アセンブリ350を含んでいる。LED型照明アセンブリ350は、上述したように1以上の光源104を含むことができる。該照明器具300の種々の構成部品は、当該照明器具の分解を容易にして斯かる部品の点検及び保管の容易さを可能にするために、モジュール部品として組み立てることができる。動作時に、例えば演壇又はセット用途において、照明器具300は、ヨーク340に取り付けられるクランプを介して、如何なる従来の支持構造(図示略)上にも、如何なる所望の向きでも取り付けることができる。
【0089】
一実施例において、レンズフード310はダイキャストアルミニウム又はポリカーボネイト等のプラスチックからなることができ、ハウジング320及び端部ユニット330もポリカーボネイト等のプラスチックを有することができる。上述した照明部品の幾つか又は全ては、モールディング、キャスティング、スタンピング等の適切な方法を用いて製造することができる。一構成例において、レンズフード310は1以上の交換可能な光学レンズ315を受入するように構成することができる。1以上の光学レンズ315は、例えば、他の構造も考えられるが、カバーレンズ及びスプレッドレンズを含むことができる。光学レンズ(又は複数の光学レンズ)315は、所望の照明効果又はパターンを達成する(例えば、連続した光ビームを所望の角度で供給する)ように選定することができる。例えば、幾つかの構成例では、照明器具300は、ウォッシュ効果を提供するためのLEDコリメータ及びスプレッドレンズを含み、2段光学系を採用する。結果としての光出力は、種々のビーム角度における光の一様なパターンとなり得る。幾つかの実施例では、拡散器も採用することができ、該拡散器は例えばコリメータレンズから約100mmに配置することができる。
【0090】
上述したように、幾つかの実施例では、レンズフード310は、当該照明器具300が支持構造体に取り付けられる前又は後の何れかに、所望のビームの広がりを得るために光学レンズ(又は複数の光学レンズ)315を交換することができるように構成することができる。例えば、幾つかの構成例においては、少なくとも4つの基本的光分布を達成することができる。即ち、非常に狭いスポットパターンは明るい(clear)カバーレンズとコリメータとを用いて実現することができ、狭いスポットは拡散器(例えば、±5度の拡散器)のみを用いて実現することができ、中間の(例えば、12度x18度のビーム角)又は広い(例えば、17度x27度のビーム角)フラッドライトはスプレッドレンズを拡散器と共に使用することにより実現することができる。幾つかの構成例では、所望のビーム角を形成するために、光学レンズは拡散器又は枕状光学系(pillow optics)を含むことができる。本発明の幾つかの実施例によるLEDコリメータは、図4Aないし4Dを参照して説明する。
【0091】
幾つかの実施例において、LED型照明アセンブリ350は、図3Cに示されるように、LEDモジュール360、ヒートシンク364、シュラウド366、高電圧電源回路基板368、ドライバ回路基板370及び372、取付プレート374並びにファン376を含んでいる。種々の構成例において、ハウジング320は、空気取り入れのための複数の開口を画定することにより、アセンブリ350により発生される熱の効率的な放散を容易にするよう構成することができる。以下に更に詳述するように、本発明の種々の実施例は、当該照明器具300のLEDモジュール360並びに電力及び制御部品により発生される熱を除去するための冷却空気の経路を設けるよう構成され、結果として照明アセンブリ350の改善されたエネルギ効率及び性能が得られる。
【0092】
幾つかの実施例において、LEDモジュール360は、更に後述するように、複数の光源104を含むと共に、単一の印刷回路基板(図3Eに示されるように)として構成することができる。LEDモジュール360は、隣接する光源104の間に位置されるネジを用いて、又は、これらに限定されるものではないがボルト若しくは接着剤を含む如何なる他の好適な固定手段をも用いて、ヒートシンク364に取り付けることができる。LEDモジュール360は、更に、印刷回路基板362とヒートシンク364との間の熱的接続を形成すると共に電気的な絶縁を維持するために、ヒートシンク364上に配置された中間ギャップパッドを有している。図3A〜3Cを参照すると、ヒートシンク364は、冷却空気と接触する該ヒートシンクの表面積を増加させるためにフィン365を含むことができ、該冷却空気はヒートシンク364内へ及び該ヒートシンクを介すると共にシュラウド366を介して上方へとファン376の作用により照明器具300内に導入される。従って、熱は、LEDモジュール360からヒートシンク364のフィン365を介して伝達すると共に、ファン376により確立される空気の流れにより移送することができる。一構成例において、フィン365は、ハウジング320の開口325に実質的に整列される。ヒートシンク364は、例えばダイキャスト成形又は加工によってアルミニウム又は如何なる他の熱伝導性材料からなることもできる。本発明の他の構成例においては、改善された熱の除去のために上記ヒートシンクの表面積を増加させるべく、フィン365以外の又はフィン365に加えた構造を使用することもできる。
【0093】
一実施例において、シュラウド366は、上記冷却空気の流れを、高電圧電源回路基板368並びにドライバ回路基板370及び372に向け、これにより、これらにより発生された熱を除去する。シュラウド366は、アルミニウム又はプラスチックからなることができ、モールディング、キャスティング、スタンピング又は如何なる他の好適な手段によっても製造することができる。幾つかの実施例において、取付プレート374は、シート状金属を有し、スタンピングにより製造することができる。ファン376は、当業者により既知の多数の容易に入手可能なファンの何れかから選択することができる。特に、低騒音ファンを使用することができる。ファン376は、上記冷却空気を取付プレート374の開口を介して端部ユニット330へと導入することができる。従って、照明器具300はLEDモジュール360並びに1以上の種々の電力及び制御部品の両方により発生される熱の効果的除去を行う。この改善された熱の放散は、結果として、改善されたエネルギ変換及び一層良好な性能及び当該部品の長寿命、そして、最終的に当該照明器具の向上された信頼性及び性能につながる。
【0094】
図3A〜3Dに示されるように、幾つかの構成例では、高電圧電源回路基板368は、汎用のAC入力(85〜264VAC、50/60Hz)を受け、350ワットまでで約400VDCを出力するような印刷回路基板アセンブリとすることができる。更に、電源368は、力率補正されたもとすることができると共に、低ライン電圧(85VAC)においては90%以上に効率的であり、110VAC及びそれ以上では95%より効率的なものとすることができる。一構成例において、電源368は、高出力電力のために"フィックスド・オフ・タイム(Fixed-Off-Time)"構成で使用されるSTエレクトロニクス社(テキサス州、キャロルトン)から入手可能なL6563コントローラチップの周りに構築することができる。一構成例において、電源368は、標準の、市販の部品及び少なくとも1つの特注インダクタを用いて作製することができる。大きな押出加工されたヒートシンクを該電源回路基板368上に統合することができ、ダイオードブリッジ、スイッチングFET及びスイッチングダイオードを該ヒートシンクに放熱グリスを介して取り付けることができ、かくして、該ヒートシンク及び上記スイッチングダイオードは互いに電気的に絶縁される。また、電源368は、電源制御基板384(図3Dに関連して後に更に説明する)及びファン376に対し、500マイクロアンペアで12VDCの低電圧DCバイアス出力を供給することができる。一構成例において、パワー・インテグレーションのTNY回路(カリフォルニア州、サニーベイルのパワー・インテグレーション社から入手可能)を使用し、400V DCバス電圧から動作するように適合させることができる。このような回路は、所望の構造を達成するために巻数及び巻線の調整を含む、小型の特注のトランスを必要とし得る。
【0095】
図3Dに示されるように、LEDモジュール360の光源104はドライバ回路基板370及び372に接続されている。LEDモジュール360上に配置された温度センサからの信号も、ドライバ370及び372に接続することができる。図3A〜3Dの図示の例において、ドライバ370及び372の各々は、誘導的駆動技術を用いて4つのLEDのストリング(列)を駆動することができる。ドライバ基板370及び372は、高電圧電源368から400VのDCバス電圧を受けることができ、制御基板384からドライバ基板370及び372への照明制御信号(又は照明コマンド)の通知は、半二重差動マスタ/スレーブ構成の光学的に絶縁された高速直列バスを介してのものとすることができる。一構成例において、ドライバ基板370及び372は直列バスのスレーブとすることができ、制御基板384(図3Fを参照して詳述する)は直列バスのマスタとすることができる。
【0096】
一態様において、ドライバ基板370及び372の各々は2つのプロセッサ、即ちパルス幅変調(PWM)プロセッサ及び帰還プロセッサを含む。上記PWMプロセッサは、制御基板384からの照明コマンドを翻訳することができ、4つのLED誘導性ドライバの各々に対してデジタルPWM信号を発生することができる。一態様において、後に更に詳述するように、制御基板384により供給され、PWMプロセッサにより処理された所与の照明コマンドは、"nタプル"のチャンネル値を含むことができ、該nタプルのチャンネル値は当該LEDモジュールにおける複数のLED光源の各々の異なる色又は色温度に対して1つの値を含む(例えば、[RGB]コマンドフォーマットに関する図1に関連して上述した説明参照)。上記帰還プロセッサは、各LEDストリングの電圧及び電流を監視する及び温度センサ入力を監視する等の、校正及び監視機能を実行することができる。一方又は両方のプロセッサは光学的に絶縁された直列バス上に配置することがきると共に、これらは高速応答の故障検出及びチャンネル不能化を行うために直接的な絶縁されたデジタル接続を有することもできる。一構成例において、上記PWMプロセッサ及びLEDドライバは400VのDC入力の低電位側に関連付けることができる一方、上記帰還プロセッサは高電位側に関連付けることができる。一構成例において、上記直列バスは制御基板384により給電することができると共に、該制御基板384に関連付けることができる。
【0097】
一構成例において、LEDモジュール360は回路基板362上でアレイに構成された光源104を含んでいる。図3Eに示されるように、8つの異なる色、即ちロイヤルブルー(λ=455〜460nm)、青(λ=470〜475nm)、シアン(λ=505〜510nm)、緑(λ=525〜530nm)、琥珀色1(λ=585〜590nm)、琥珀色2(λ=595〜600nm)、赤/オレンジ(λ=615〜620nm)及び赤(λ=630〜635nm)を光源104により表すことができる。本発明はこの点で限定されるものではなく、他の色の組又は部分組を本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく想定することができる。
【0098】
幾つかの実施例において、所与の色の光源104は直列に接続されて、各色当たり1つのストリングで、8個のストリングの光源104を設けることができる。図3Eに示されるように、光源104は概ね円状の六角形で詰め込まれたパターンに配列することができ、各色は当該照明器具300からの複合出力ビームの色混合を補助するためにランダムに分散されている。しかしながら、光源104は如何なる好適な配列で構成することもでき、本発明の実施例は、この点で限定されるものでないと理解されるべきである。下記の表1は光源104の構成の一例及びそれらの動作的特性を示す。
【表1】
【0099】
一構成例において、光源104はノースカロライナ州、ダーハムのCree社から入手可能なXR-E 7090 LEDユニットを含むことができる。
【0100】
幾つかの実施例において、LEDモジュール360は、当該印刷回路基板362にわたって分散された温度センサ(図示略)を付加的に使用することができる。該温度センサは、例えば、サーミスタ又は当業者により広く知られた他の適切な温度感知デバイスを含むことができる。一構成例において、印刷回路基板362は4つの層を有することができ、その場合に、最下層は熱伝達のための複数のビアを持つ連続した銅の面である。信号の伝達は、光源104に隣接する最上層及び2つの内部層上で行うことができる。一構成例において、上記最下層とヒートシンク364との間の短絡の危険性を低減するために、上記最上層と内部層との間に盲ビアを設けることができる。図3Eに関連して印刷回路基板362内の層の特別な配置を説明したが、種々の構成例は1以上の層を持つ多数の異なる印刷回路基板の構成の何れかを含むことができると理解されるべきである。
【0101】
図3Fを参照すると、一構成例において、端部ユニット330は照明器具300のための種々の制御回路/デバイスを収容することができる。一態様において、端部ユニット330は3つの印刷回路基板、即ち制御基板384(図3Dに関連して上述した)、コネクタ基板380及びメモリカード基板382を収容することができる。一態様において、制御基板384及び当該端部ユニット内に配置される他の基板は、前記LED型照明アセンブリのドライバ基板及び電源基板から実質的に熱的に隔離されている。
【0102】
制御基板384は、例えばマイクロチップ・テクノロジ社(アリゾナ州、チャンドラー)から入手可能なdsPIC33FJ256GP710チップ等のマイクロチップを採用した主制御プロセッサを含むことができる。幾つかの構成例において、制御基板384は、DMX入力及び/又はイーサネット(登録商標)入力を受信する(図3Fに示すコネクタ基板380の1以上のコネクタを介して)と共に、イーサネット(登録商標)出力(例えば、ドライバ370及び372を制御するための)を供給するように構成することができる。例えば、第1マイクロチップ(例えば、マイクロチップENC28J60)は10メガビットのイーサネット(登録商標)・インターフェースを設けるために使用することができ、第2マイクロチップ(例えば、マイクロチップTC664)はファンの制御及び帰還を行うために使用することができる。このようなマイクロチップは、マイクロチップ・テクノロジ社(アリゾナ州、チャンドラー)又は如何なる他の好適な供給源からも得ることができる。制御基板384には、前記高電圧電源368から12VのDC入力電力を供給することができる。幾つかの構成例において、入力電力は、スイッチングレギュレータ(例えば、LM2594スイッチングレギュレータ)により5VのDCまで下降調整することができると共に、線形レギュレータ(例えば、LT1521線形レギュレータ)により更に3.3VのDCまで下降させることができる。上述したレギュレータは、例えば、カリフォルニア州、ニューベリー・パークのセムテック社から入手することができる。昇圧コンバータ(例えば、カリフォルニア州、トランスのICプラス社から入手可能なMAX8574コンバータ)を、プロセッサ制御の下で、OLED表示器(又は何れかの他のタイプの表示器)のための12VのDCバイアス電源を発生するために使用することができる。
【0103】
一構成例において、上記制御基板は、発生される照明の所望の出力色又は色温度を表す少なくとも1つの入力信号を入力すると共に、該少なくとも1つの入力信号を処理して、nタプルのチャンネル値を含むような照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給し、その場合において、該nタプルのチャンネル値は当該複数のLED光源の各々の異なる色又は色温度に対して1つの値を含む。例えば、8個の異なる色のLED光源が存在する構成例においては、上記制御基板は、出力として、各コマンドが各々の異なる色に対して8つの異なる相対輝度値を含むような照明コマンドを供給し、かくして、指定された割合の上記8つの色が混合された場合に所望の色又は色温度の照明が達成されるようにする。一構成例において、上記制御基板に対する入力信号は、多次元色空間における所望の出力色の表現を含み、該制御基板は該多次元色空間における上記所望の出力色の表現を、nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするように構成される。例示として、更に後述するように、上記多次元色空間は色相彩度明度(HSB)色空間、赤緑青(RGB)色空間又はCIE色空間を含むことができる。他の構成例においては、後にも詳述するように、上記制御基板に対する入力信号は、光源スペクトル及びジェルフィルタ色を定める<光源,フィルタ>対の形態での所望の出力色の表現を含むことができ、該制御基板は該<光源,フィルタ>対をnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするように構成することができる。
【0104】
一態様において、制御基板384は、光源104の各ストリングを制御するためのPWM値を、少なくとも部分的にコマンド入力(例えば、コネクタ基板380を介してDMX又はイーサネット(登録商標)フォーマットで入力された)及び前記温度センサからの帰還(フィードバック)並びに他のパラメータに基づいて計算する。該制御基板384は、ユーザインターフェース(後に、より詳細に説明する)を更新及び監視すると共に、ファン376の速度をユーザにより制御されるモード及び/又は温度フィードバックの選択に基づいて制御することができる。また、前記主制御プロセッサは、当該照明器具300の電気的校正をドライバ370及び372における校正プロセッサから入力されるデータを介して実行するように構成することができる。
【0105】
幾つかの実施例において、制御基板384は、図3Fに示されるようにグラフィックス表示器387及び接触式スイッチ釦389を含むユーザインターフェース385を付加的に有することができる。上記グラフィックス表示器は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)表示器とすることができる。一構成例において、ユーザインターフェース385は、ユーザが複数のカラーモードのうちの1つを選択することにより当該照明装置により出力されるべき光の色を指定することができるように構成することができる。例えば、第1のカラーモードにおいて、ユーザは、LEDのストリング値の各々に対して直接的に色選択を指定することができる。これは、例えば、8ビットの低減された又は16ビットの全分解能を用いて達成することができる。第2のカラーモードでは、ユーザは、色相彩度明度(HBS)又は赤緑青(RGB)等の標準の色空間を選択することができる。第3のカラーモードでは、ユーザは、当該照明装置から出力される白色光の色温度を変化させることが可能な白色モードを選択することができる。第4のカラーモードでは、ユーザは、CIE色空間における国際照明委員会(CIE)座標を選択することができる。3次元空間であるHSB及びRGB色空間とは対照的に、CIE色空間は2次元空間である。
【0106】
第5のカラーモードにおいて、ユーザは、従来の照明システムで使用された標準値に対応する光源及びジェル数を定める<光源,フィルタ>対を選択することができる。該第5のカラーモードにおいて、本照明器具は、標準の<光源,フィルタ>値が供給された場合、白熱電球又はガス放電ランプ及び標準のカラー又はダイクロイックフィルタを使用した従来の照明システムのものを密に近似するような光出力を発生することができる。更に詳細には、種々の構成例において、本発明は、ユーザが、当該LED照明器具が可能な限り密に複製する光源スペクトル(HPL750等の)及びジェルカラー(Rosco85又はR85等の)を選択するのを可能にすることにより、多スペクトル光源に対してコマンド化された出力色を指定する方法を目論んでいる。幾つかの構成例において、このようなコマンド方法は、(i)光源スペクトル及びジェル吸収スペクトルの光度的測定、(ii)複数のLEDスペクトル光源の各々の正確な測定及び校正、及び(iii)多スペクトル照明器具上の<光源,フィルタ>対をnタプルの個々のチャンネル値にマッピングして、動作温度及び個々のチャンネル測光系を調整することができるファームウエアを含むことができる。ここで述べる光源のスペクトル制御機能は、投射される光のスペクトルを、照明されている表面の既知の光吸収プロファイルに基づいて調整するのを可能にする。種々の構成例において、<光源,フィルタ>対をnタプルの個々のチャンネル値にマッピングする本発明による方法は、劇場照明システムを表現又は記述する連立方程式に対する解を近似するために1以上の数学的最適化方法を使用することができる。
【0107】
ここでは5つの異なるカラーモードが説明されたが、前記ユーザインターフェース及び制御基板384上の関連する回路は、種々の所望の光出力の何れかを生成するようにプログラムし又は構成することができ、本発明は、この点で、限定されるものではないと理解されるべきである。
【0108】
幾つかの構成例において、主プロセッサ基板384は、電源入力、コネクタ基板380、メモリカード基板382、OLED表示器又はファン出力に対する接続のための種々のコネクタを更に使用することができる。制御基板384は、図3Dに関連して上述したように、ドライバ基板370及び372への直列バスの備えを更に含むことができる。メモリカード基板382は、オプションとして、安全デジタル(SD)カード又はデジタルメディアを記憶するための他の適切なメモリデバイスを含むことができる。一構成例において、上記SDカード(又は他の記憶媒体)は、照明器具300のための構成(コンフィギュレーション)データを記憶するために使用することができる。
【0109】
本発明の他の態様によれば、種々の光学系を、光源104から放出される光の方向又は焦点を変えるために使用することができる。図4A及び4Bに示されるように、コリメータ400は、単一の光源104を完全に覆って、該光源により発生された光を略平行化されたビームへと再指向させる。例えば、該閉じられた光源104からの光出力が110度の円錐を画定する場合、コリメータ400は該光を10度の円錐光へと再指向させることができる。
【0110】
再び図3Eを参照すると、図示の一例において、各光源104は自身のコリメータ400と結合することができる。一構成例において、斯かるコリメータ400のうちの少なくとも幾つかは、中心レンズ系を有すると共にポリカーボネイト材料から形成された全内部反射型コリメータとすることができる。このようなコリメータ400は、製造の間における容易なモールディング工程を可能にするゲート(gate)を有することができる。図4Bを参照すると、一態様において、当該LEDからの上記中心レンズ系の距離は、該LEDの像を10度の半値全幅(FWHM)内に含むように選択することができ、該コリメータの他の面は、当該光を10度の半値全幅領域内に再指向させるような面を回転形成する複素bスプライン曲線として構成することができる。
【0111】
幾つかの実施例において、コリメータ400は印刷回路基板362に図4C及び4Dに示されたコリメータホルダ410等の機械的ホルダを用いて取り付けることができる。もっとも、他の実施例では、焦点光学系及びホルダを単一の取付構造体に統合することもできる。コリメータホルダ410は、プラスチックからなることができ、例えばモールディング工程により製造することができ、図3Eに図示した光源104のアレイの構成を設けるのを容易化するように整形することができる。図4C及び4Dに図示した特定の構成例においては、単一のコリメータホルダ410は、印刷回路基板362に取り付けられた場合に、隣接するコリメータホルダ410の間にギャップを設けるように整形することができる。このような設計は、LEDモジュール360をヒートシンク364に接続するネジ/コネクタに対するアクセスを容易にさせる。
【0112】
本発明の一構成例においては、照明器具300を製造する工程の間に、コリメータホルダ410が印刷回路基板362に取り付けられる。次いで、コリメータ400を、ホルダ410内に配置し、例えば熱杭ピン(heat stake pin)により定位置に固定することができる。幾つかの構成例において、コリメータホルダ410は、圧入(press fit)を用いて光源104に位置合わせすることができる。ホルダ410が印刷回路基板362に取り付けられた後、コリメータ400をホルダ410内に配置することができる。図4Dに示されるように、ホルダ410は、コリメータ400が如何なる傾き又は傾斜も有さないことを保証するために、該ホルダ内に1以上の(例えば、3つの)案内リブ414を有することができる。1以上の熱杭ピン412を、コリメータ400を印刷回路基板362に対して定位置に固定するために使用することができる。
【0113】
以上、ここでは幾つかの本発明実施例を説明及び図示したが、当業者であれば、ここで述べた機能を実行し、及び/又はここで述べた結果及び/又は利点の1以上を得るための種々の他の手段及び/又は構成を容易に思いつくであろう。そして、このような変形例及び/又は改変例の各々は、ここで述べた本発明実施例の範囲に入ると見なされるものである。もっと一般的には、当業者であれば、ここで述べた全てのパラメータ、寸法、材料及び構造は例示的なものを意味するもので、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構造は本発明の教示が使用される特定の用途に依存することが容易に分かるであろう。また、当業者であれば、通常の実験だけを用いて、ここで述べた固有の本発明実施例の多くの均等物を認識し、又は確認することができるであろう。従って、上述した実施例は例示としてのみ示されたもので、添付請求項の及びその均等物の範囲内において本発明実施例は、解説され及び請求項に記載されたもの以外で実施することができると理解されるべきである。本発明の発明的実施例は、ここで述べた個々のフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に関するものである。更に、2以上の斯様なフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の如何なる組み合わせも、これらのフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しないなら、本発明の発明的範囲内に含まれるものである。
【0114】
ここで規定及び使用された全ての定義は、辞書の定義、参照により本明細書に組み込まれた文献での定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を規制すると理解されるべきである。
【0115】
明細書及び特許請求の範囲で使用された単数形の表現は、特にそうでないと明示的に示されない限り、"少なくとも1つの"を意味すると理解されたい。
【0116】
明細書及び特許請求の範囲で使用された"及び/又は"なる表現は、そのように結合された要素の"何れか一方又は両方"(即ち、幾つかの場合には接続的に、他の場合には離接的に存在する要素)を意味すると理解されたい。"及び/又は"で掲げられた複数の要素も、同様に、その様に結合された要素の"1以上"と見なされるべきである。"及び/又は"なる表現により特に識別される要素以外に、他の要素も、上記特に識別された要素に関係があるか関係がないかに拘わらず、オプションとして存在し得る。このように、限定するものではない例として、"A及び/又はB"なる言及は、"有する"等の非制限的表現と一緒に使用された場合、一実施例ではAのみを示し(オプションとしてB以外の要素を含む)、他の実施例ではBのみを示し(オプションとしてA以外の要素を含む)、更に他の実施例ではA及びBの両方を示し(オプションとして他の要素を含む)、等々となる。
【0117】
明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、"又は"は上述した"及び/又は"と同じ意味を有すると理解されたい。例えば、リスト内で項目を分ける場合、"又は"又は"及び/又は"は包含的であると、即ち複数の要素又は要素のリストにおける少なくとも1つを含むのみならず、2以上を含み、オプションとして追加の掲載されていない要素も含む、と解釈されるべきである。"のうちの1つのみ"若しくは"のうちの正確に1つ"又は請求項で使用された場合の"からなる"等の、明らかに相容れないと示される用語だけは、複数の要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを示す。一般的に、ここで使用される"又は"なる用語は、"何れか"、"のうちの1つ"、"のうちの1つのみ"又は"のうちの正確に1つ"等の排他性の用語が先行した場合のみ、排他的代替物(即ち、"両方ではなく一方又は他方")を示すと解釈されるべきである。"から本質的になる"は、請求項で使用された場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有する。
【0118】
明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1以上の要素のリストに関連した"少なくとも1つ"なる表現は、該要素のリストにおける要素の何れか1以上から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、必ずしも該要素のリスト内に特別に掲げられた各々の全ての要素の少なくとも1つを含むものではなく、該要素のリストにおける要素の如何なる組み合わせも排除するものではない。この定義は、該"少なくとも1つ"なる表現が参照する当該要素のリスト内で特別に識別される要素以外に要素が、特別に識別された要素に関係するか関係しないかに拘わらず、オプションとして存在することも許容する。この様に、限定しない例として、"A及びBの少なくとも1つ"(又は等価的に"A又はBの少なくとも一方"、又は等価的に"A及び/又はBの少なくとも1つ")は、一実施例においては、Bは存在せず(オプションとして、B以外の要素を含む)に、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)Aを示すことができ、他の実施例では、Aは存在せずに(オプションとして、A以外の要素を含む)、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)Bを示すことができ、更に他の実施例では、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)A及び少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)B(オプションとして他の要素を含む)を示すことができる。
【0119】
また、明瞭に反対に示さない限り、2以上のステップ又は作用を含む請求項の如何なる方法においても、該方法の上記ステップ又は作用の順序は、必ずしも、該方法のステップ又は作用が記載された順序に限定されるものではないと理解されるべきである。
【0120】
請求項及び明細書において、"有する"、"含む"、"担持する"、"持つ"、"含む"、"関わる"、"保持する"、"からなる"等の全ての移行句は、非制限的である、即ち含むが、限定されるものではない、ことを意味すると理解されるべきである。"からなる"及び"から本質的になる"なる移行句のみが、各々、制限的又は準制限的な句である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは照明に係り、更に詳細には演壇照明用途のためのLED型照明器具の実施化及び制御に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具は、長年、種々の劇場、テレビジョン及び建築の照明用途においてセット及び演壇(ステージ)照明のために使用されてきた。典型的に、各照明器具は凹状反射器に隣接して取り付けられた白熱電球を含み、該反射器はレンズアセンブリを介して光を反射させ、光のビームを劇場の演壇等に向かって投射する。カラーフィルタを該照明器具の前端部に取り付けて、電球により放出された光の選択された波長を透過させる一方、他の波長を吸収及び/又は反射させることができる。これにより、投射されたビームに特定のスペクトル組成を付与する。
【0003】
このような照明器具に使用されるカラーフィルタ(通常、"ジェル"とも呼ばれる)は、典型的に、拡散された化学色素を担持する、例えばポリエステル又はポリカーボネイトからなるプラスチックフィルム又はガラスを有する。斯かる色素は、光の特定の波長を透過させる一方、他の波長を吸収する。このようなフィルタにより数百の異なる色を提供することができ、これらの色のうちの幾つかは産業において標準色として広く受け入れられている。
【0004】
概ね効果的ではあるが、このようなプラスチックのカラーフィルタは、典型的には、吸収された波長から生じる大量の熱を放散させる必要性から、限られた寿命しか有さない。このことは、青及び緑の波長を透過させるフィルタにとり特に問題であった。更に、カラーフィルタにより実現することが可能な色の多様性は大きいが、それにも拘わらず、色の選択は、市販の色素の入手可能性及び斯かる色素のガラス又はプラスチック基板との親和性により限られたものである。加えて、選択されない波長を吸収するメカニズム自体が、かなりのエネルギが熱として失われるという点で本来非効率的である。
【0005】
幾つかの照明用途においては、ガス放電ランプが白熱電球に取って代わり、ダイクロイックフィルタがカラーフィルタに取って代わっている。このようなダイクロイックフィルタは、典型的に、多層のダイクロイックコーティングを担持したガラス基板の形態を有しており、該コーティングは特定の波長を反射する一方、残りの波長を透過させる。これらの代替的照明器具は、概ね改善された効率を有し、斯かる照明器具のダイクロイックフィルタは過熱により生じる退色又は他の劣化を受けることがない。しかしながら、ダイクロイックフィルタは色の限られた制御しか提供せず、斯かる照明器具は、産業標準として受け入れられている吸収性フィルタにより生成される複雑な色の多くを複製することができない。
【0006】
幾つかの照明用途では、特定の照明器具により生成されている光の色を変化させることが時には望ましい。従って、近年、幾つかの遠隔的に操作される色変化装置が開発されている。一つの斯様な装置はカラースクローラを有し、該カラースクローラは、典型的に16個の事前に選択された吸収性カラーフィルタを含むスクロールを有している。上記カラースクローラにおけるフィルタは、前記個々の吸収性フィルタがそうであるのと同様の退色及び変形の問題を受ける。他の斯様な装置は、ダイクロイックカラーホイールであり、該カラーホイールは事前に選択されたダイクロイックコーティングを担持する回転可能なホイールを有している。これらのカラーホイールは上述した退色及び変形の問題は回避するものの、より少ない(典型的には、約8つの)色しか担持することができず、カラースクローラよりもかなり高価である。
【0007】
デジタル照明技術、即ち発光ダイオード(LED)等の半導体光源に基づく照明は、伝統的な蛍光、HID及び白熱電球に対する実行可能な代替手段を提供する。LEDの機能的利点及び利益は、高エネルギ変換及び光学効率、耐用性、低運転コスト、並びに多くの他のものを含む。LED技術の近年の進歩は、多くの用途において種々の照明効果を可能にするような効率的及び強固な全スペクトル照明源を提供している。これらの光源を具現化した照明器具の幾つかは、例えば米国特許第6,016,038号及び第6,211,626号(参照により、本明細書に組み込まれるものとする)に詳細に説明されているように、例えば赤、緑及び青等の異なる色を生成することが可能な1以上のLED並びに斯かるLEDの出力を独立に制御して種々の色及び色変化照明効果を発生させるプロセッサを含む照明モジュールを特徴とする。
【0008】
近年、幾つかの照明器具は白熱電球及びガス放電ランプをLEDにより置換している。等数の赤色、緑色及び青色LEDが、典型的に、適切なアレイに配置されて使用されている。幾つかのLED照明器具は、更に、等数の琥珀色LEDを含んでいる。選択された量の電力を、典型的にはパルス幅変調された電流を用いて、これらLEDに供給することにより、種々の色の光を投射することができる。これらの照明器具は、カラーフィルタの必要性を除去し、これにより、白熱電球又はガス放電ランプを組み込んだ従来の照明器具の効率を改善している。
【0009】
赤色、緑色及び青色のLEDを組み込んだ照明器具、即ちRGB LED照明器具は、特に白又は他の完全に反射性の表面を照明する場合に、白の知覚色(apparent color)を持つ光のビームを投射することができる。しかしながら、この見掛けの白色の実際のスペクトルは、白熱電球を組み込んだ照明器具により提供される白色光のものとは、どう見ても、同一ではない。これは、LEDが狭い波長帯域で光を放出し、3つの異なるLEDの色の合成光出力は、全可視スペクトルをカバーするには不十分であるからである。このようなRGBLED照明器具により照明された有色物体は、しばしば、斯かる物体の真の色では見えない。例えば、黄色光のみを反射する、従って白色光により照明された場合に黄色であるように見える物体は、RGB LED照明器具の赤及び緑LEDにより生成される見掛けの黄色を有する光で照明された場合、黒に見えるであろう。従って、このような照明器具は、劇場の演壇、テレビジョンのセット、建物のインテリア又は展示窓等の背景(setting)を照明する場合に劣った演色しか提供しないと考えられる。限られた数のLED照明器具しか、赤色、緑色及び青色光を放出するLEDのみならず、琥珀色の光を放出するLEDも含んでいることはない。このような照明器具は、時には、RGBA LED照明器具と呼ばれる。これらの照明器具も、RGB LED照明器具と同様の欠点を有するが、僅かに少ない程度である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した説明から明らかなように、個別の色の光源、例えばLEDを含む照明器具に使用するのに適した改善された照明装置及び方法であって、白熱電球及びガス放電ランプを組み込んだ照明の電力効率を改善し、それでいて、一層正確に制御され得る光束スペクトルを持つ光のビームを生成することができ、更に、従来の照明器具のスペクトルを密に模し、かくして改善された演色を提供することができるような照明装置及び方法に対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記に鑑み、本発明の種々の態様及び実施例は、LED型の劇場照明を提供する方法及び装置を目指すものである。一構成例において、劇場用照明器具は、熱放散を改善すると共に、劇場照明を含む種々の用途に有用なスペクトル形状(プロファイル)を生成するためにLED型光源を採用している。本発明の他の態様は、上記種々の用途に有用なスペクトル形状を提供する方法に関するものである。
【0012】
例えば、一態様において、本発明は劇場照明を提供するためのモジュール型照明器具を目指す。該照明器具は、実質的に円筒状のハウジングを有し、該ハウジングは当該照明器具を経る空気の経路を設けるための少なくとも1つの第1開口を含む。該照明器具は、上記ハウジング内に配置されたLED型照明アセンブリを更に有し、該LED型照明アセンブリは、異なる色及び/又は異なる色温度を有すると共に印刷回路基板上に配置された複数のLED光源を含むLEDモジュールと、上記複数のLED光源を制御するための少なくとも1つの第1制御回路と、当該照明を経る上記空気経路に沿って冷却空気の流れを供給するための少なくとも1つのファンとを有する。当該照明器具は、更に、上記ハウジングに着脱可能に結合されると共に当該照明器具を経て上記空気経路を形成するための少なくとも1つの第2開口を含む端部ユニットと、該端部ユニット内に配置された少なくとも1つの第2制御回路とを有し、該少なくとも1つの第2制御回路は上記少なくとも1つの第1制御回路と電気的に結合されると共に該少なくとも1つの第1制御回路から実質的に熱的に絶縁される。上記LED型照明アセンブリは、上記冷却空気の流れを上記少なくとも1つの第1制御回路に向けて、少なくとも該少なくとも1つの第1制御回路により発生された熱を効果的に除去するように構成される。
【0013】
他の態様において、上記少なくとも1つの第1制御回路は、少なくとも1つの電源回路基板と、少なくとも1つのドライバ回路基板とを有する。更に他の態様において、前記LED型照明アセンブリは、前記LEDモジュールに結合されると共に前記ハウジングの前記少なくとも1つの第1開口に実質的に整列された複数のフィンを含むヒートシンクと、該ヒートシンクに隣接して配置されると共に前記冷却空気の流れを前記少なくとも1つの電源回路基板及び少なくとも1つのドライバ回路基板に向けるように構成されたシュラウドと、当該照明器具を経る前記空気の経路を設けるための開口を有し、少なくとも前記少なくとも1つの電源回路基板及び少なくとも1つのドライバ回路基板を取り付けるための取付プレート(374)とを更に有する。
【0014】
本発明の更に他の態様は、異なる色及び/又は色温度を持つ複数のLED光源を含む照明器具から劇場用照明を供給する方法に関するものである。該方法は、A)当該照明の所望の出力色又は色温度を表す少なくとも1つの入力信号を入力するステップと、B)上記少なくとも1つの入力信号を処理して、n個組(nタプル)のチャンネル値を含む照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給するステップとを有し、その場合において、上記nタプルのチャンネル値は前記複数のLED光源の異なる各色又は色温度に対して1つの値を含む。
【0015】
一構成例において、前記少なくとも1つの入力信号は多次元色空間内での前記所望の出力色の表現を含み、前記B)は上記多次元色空間内での所望の出力色の表現をnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する。他の構成例において、前記少なくとも1つの入力信号は、前記所望の出力色の表現を光源スペクトル及びジェルフィルタ色を定義する<光源,フィルタ>対の形態で含み、前記B)は上記<光源,フィルタ>対をnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する。
【0016】
本開示の目的で本明細書において使用される場合、"LED"なる用語は、電気信号に応答して放射を発生することが可能な如何なるエレクトロルミネッセントダイオード又は他の形式のキャリア注入/接合型システムをも含むものと理解されるべきである。このように、LEDなる用語は、これらに限定されるものではないが、電流に応答して光を放出する種々の半導体型構造、発光ポリマ、有機発光ダイオード(OLED)及びエレクトロルミネッセントストリップ等を含む。
【0017】
特に、LEDなる用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル及び可視スペクトルの種々の部分(一般的に、約400ナノメートルから約700ナノメートルの放射波長を含む)の1以上で放射を発生するように構成することができる全てのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。LEDの幾つかの例は、これらに限定されるものではないが、種々のタイプの赤外LED、紫外LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、オレンジ色LED及び白色LEDを含む(以下で更に説明する)。また、LEDは、所与のスペクトル(例えば、狭い帯域幅、広い帯域幅)に対して種々の帯域幅(例えば、半値全幅又はFWHM)を、且つ、所与の一般的色分類内で種々の支配的波長を持つ放射を発生するように構成及び/又は制御することができると理解されたい。
【0018】
例えば、実質的に白色を発生するように構成されたLED(例えば、白色LED)の一構成例は、組み合わせで混合して実質的に白色光を形成するような異なるスペクトルのエレクトロルミネッセンスを各々放出する複数のダイを含むことができる。他の構成例では、白色LEDは、第1スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスを別の第2スペクトルに変換する蛍光材料に関連し得る。この構成の一例において、相対的に短い波長及び狭い帯域幅のスペクトルを持つエレクトロルミネッセンスが該蛍光材料を"ポンピング"し、該蛍光材料は幾分広いスペクトルを持つ一層長い波長の放射を放出する。
【0019】
また、LEDなる用語は、LEDの物理的及び/又は電気的パッケージのタイプを限定するものではないと理解されたい。例えば、前述したように、LEDは異なるスペクトルの放射を各々放出するように構成された複数のダイ(例えば、個々に制御可能であるか又は可能でない)を有する単一の発光デバイスを指すことができる。また、LEDは当該LED(例えば、幾つかのタイプの白色LED)の一体部分と考えられる蛍光体に関連され得る。一般的に、LEDなる用語は、パッケージ化されたLED、非パッケージ化LED、表面実装型LED、チップオンボード型LED、Tパッケージ実装型LED、放射パッケージ型LED、電力パッケージ型LED、何らかのタイプのケース及び/又は光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLED等を指すことができる。
【0020】
"光源"なる用語は、これらに限定されるものではないが、LED型光源(上で定義したような1以上のLEDを含む)、白熱光源(例えば、フィラメント電球、ハロゲン電球等)、蛍光光源、燐光光源、高輝度放電光源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気及びメタルハライド電球等)、レーザ、他のタイプのエレクトロルミネッセント光源、火ルミネッセント光源(例えば、炎)、キャンドルルミネッセント光源(例えば、ガスマントル、炭素アーク放射光源)、フォトルミネッセント光源(例えば、気体放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を用いる陰極ルミネッセント光源、直流(galvano)ルミネッセント光源、結晶(crystallo)ルミネッセント光源、運動(kine)ルミネッセント光源、熱ルミネッセント光源、摩擦ルミネッセント光源、音ルミネッセント光源、電波ルミネッセント光源及びルミネッセントポリマを含む種々の放射源の何れかの1以上を指すと理解されたい。
【0021】
或る光源は、電磁放射を、可視スペクトル内、可視スペクトル外又は両者の組み合わせで発生するように構成することができる。従って、"光"及び"放射"なる用語は、ここでは入れ換え可能に使用される。更に、光源は、一体部品として、1以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ又は他の光学部品を含むことができる。また、光源は、これらに限定されるものではないが、指示、表示及び/又は照明を含む種々の用途のために構成することができる。"照明用光源"は、室内又は室外空間を効果的に照明するために十分な輝度を有する放射を発生するように特別に構成された光源である。このような前後状況において、"十分な輝度"とは、周囲照明(即ち、間接的に知覚され、且つ、例えば全体として若しくは部分的に知覚される前に種々の介在する表面の1以上から反射され得る光)を提供するために空間又は環境内で発生される可視スペクトル内での十分な放射パワー(放射パワー及び"光束"に関しては、光源から全方向への全光出力を表すために、しばしば、"ルーメン"なる単位が使用される)を指す。
【0022】
"スペクトル"なる用語は、1以上の光源により生成された放射の何れかの1以上の周波数(又は波長)を指すものと理解されたい。従って、"スペクトル"なる用語は、可視範囲における周波数(又は波長)のみならず、赤外、紫外及び全体の電磁スペクトルの他の領域における周波数(又は波長)をも指す。また、或るスペクトルは、相対的に狭い帯域幅(例えば、実質的に僅かな周波数又は波長成分しか有さないFWHM)又は相対的に広い帯域幅(種々の相対強度を持つ幾つかの周波数又は波長成分)を有することができる。また、或るスペクトルは2以上の他のスペクトルの混合(例えば、複数の光源から各々放出された放射の混合)の結果であり得ると理解されたい。
【0023】
本開示の目的のため、"カラー(色)"なる用語は、"スペクトル"なる用語と互換可能に使用されている。しかしながら、"色(カラー)"なる用語は、一般的に、観察者により知覚可能であるような放射の特性を主に指すように使用される(もっとも、この用い方は、この用語の範囲を限定する意図でない)。従って、"異なるカラー"なる用語は、異なる波長成分及び/又は帯域幅を持つ複数のスペクトルを黙示的に示す。また、"カラー"なる用語は、白色及び非白色光の両方との関連で使用することもできると理解されたい。
【0024】
"色温度"なる用語は、通常、ここでは白色光との関連で使用されている。もっとも、このような使用は該用語の範囲を限定しようというものではない。色温度は、本質的に、白色光の特定の色含有量又は色合い(shade)を示す(例えば、赤みがかった、青みがかった等)。或る放射サンプルの色温度は、通常、実質的に当該放射サンプルと同一のスペクトルを放射する黒体放射体のケルビン度(K)での温度により特徴付けられる。黒体放射体の色温度は、通常、約700度K(典型的には、人の目にとり最初に見えると考えられている)から10,000度Kを超えるまでの範囲内に入る。白色光は、通常、1500〜2000度Kより上の色温度で知覚される。
【0025】
より低い色温度は、通常、一層顕著な赤成分又は"暖かい感じ"を持つ白色光を示す一方、より高い色温度は、通常、一層顕著な青成分又は"冷たい感じ"を持つ白色光を示す。例示として、火は約1,800度Kの色温度を有し、通常の白熱電球は約2848度Kの色温度を有し、早朝の日光は約3,000度Kの色温度を有し、曇った昼の空は約10,000度Kの色温度を有する。約3,000度Kの色温度を持つ白色光の下で見られるカラー画像は相対的に赤みがかった色調を持つ一方、約10,000度Kの色温度を持つ白色光の下で見られる同じカラー画像は相対的に青みがかった色調を持つ。
【0026】
"照明器具"なる用語は、ここでは、特定のフォームファクタ、アセンブリ又はパッケージでの1以上の照明ユニットの実施化又は配置を示すために使用されている。"照明ユニット"なる用語は、ここでは、同一又は異なるタイプの1以上の光源を含む装置を示すために使用されている。或る照明ユニットは、種々の光源の取り付け装置、エンクロージャ/ハウジング装置及び形状、及び/又は電気的及び機械的接続構造の何れか1つを有し得る。更に、或る照明ユニットは、オプションとして、光源の動作に関連する種々の他の部品(例えば、制御回路)に関連し得る(例えば、含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージ化される)。"LED型照明ユニット"とは、前述した1以上のLED型光源を単独で又は他の非LED型光源との組み合わせで含むような照明ユニットを指す。"多チャンネル"照明ユニットとは、各々が異なる放射のスペクトルを発生するように構成された少なくとも2つの光源を含むようなLED型又は非LED型の照明ユニットを指し、各々の異なる光源スペクトルを、当該多チャンネル照明ユニットの"チャンネル"と呼ぶことができる。
【0027】
"コントローラ"なる用語は、ここでは、1以上の光源の動作に関係する種々の装置を広く記述するために使用されている。コントローラは、ここで述べる種々の機能を実行するために種々の態様で(例えば、専用のハードウェアによる等)実施化することができる。"プロセッサ"はコントローラの一例であり、ここで述べる種々の機能を果たすためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いてプログラムすることが可能な1以上のマイクロプロセッサを使用する。コントローラは、プロセッサを使用して又は使用しないで実施化することができ、幾つかの機能を実行する専用のハードウェアと他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路)との組み合わせとして実施化することもできる。本発明の種々の実施例で使用することが可能なコントローラ部品の例は、これらに限定されるものではないが、通常のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。
【0028】
種々の実施例において、プロセッサ又はコントローラは1以上の記憶媒体(ここでは、汎用的に"メモリ"と称し、例えばRAM、PROM、EPROM及びEEPROM等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク並びに磁気テープ等である)と関連させることができる。幾つかの実施例において、上記記憶媒体は、1以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行された場合に、ここで述べる機能の少なくとも幾つかを実行する1以上のプログラムによりコード化することができる。種々の記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定することができるか、又は該記憶媒体上に記憶された1以上のプログラムを、ここで述べる本発明の種々の態様を実施化すべくプロセッサ又はコントローラにロードすることができるように移送可能とすることもできる。"プログラム"又は"コンピュータプログラム"なる用語は、ここでは、汎用的意味で1以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用することが可能な如何なるタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)をも示すために使用される。
【0029】
"アドレス指定可能"なる用語は、ここでは、自身を含む複数のデバイスに対する情報(例えば、データ)を受信すると共に当該デバイスに対する特定の情報に選択的に応答するように構成されたデバイス(例えば、光源一般、照明ユニット又は器具、1以上の光源又は照明ユニットに関連するコントローラ又はプロセッサ、他の非照明関連デバイス等)を示すために使用されている。"アドレス指定可能"なる用語は、しばしば、複数のデバイスが何らかの通信媒体又は複数の媒体を介して一緒に結合されるネットワーク化された環境(又は"ネットワーク"、後に更に説明する)との関連で使用される。
【0030】
一ネットワーク構成例において、ネットワークに結合された1以上のデバイスは、該ネットワークに結合された1以上の他のデバイス(例えば、マスタ/スレーブ関係で)に対するコントローラとして働くことができる。他の構成例では、ネットワーク化された環境は、当該ネットワークに結合された装置の1以上を制御するように構成された1以上の専用のコントローラを含むことができる。一般的に、当該ネットワークに結合された複数の装置は、各々、通信媒体又は複数の媒体上に存在するデータにアクセスすることができるが、或る装置は、例えば該装置に割り当てられた1以上の特定の識別子(例えば、"アドレス")に基づいて該ネットワークとデータを選択的に交換する(即ち、該ネットワークからデータを受信し、及び/又は該ネットワークへデータを送信する)ように構成される点で"アドレス指定可能"であり得る。
【0031】
ここで使用される"ネットワーク"なる用語は、当該ネットワークに結合された何れか2以上の装置間での及び/又は複数の装置間での情報の移送(例えば、装置制御、データ記憶、データ交換等のための)を容易化する2以上の装置(コントローラ及びプロセッサを含む)の如何なる相互接続をも指す。容易に理解されるように、複数の装置を相互接続するのに適したネットワークの種々の構成は、種々のネットワークトポロジの何れかを含み得ると共に、種々の通信プロトコルの何れかを使用することができる。更に、本発明による種々のネットワークにおいて、2つの装置間の何れか1つの接続は、該2つの系の間の専用の接続を表すことができるか、又は代わりに非専用的接続を表すことができる。2つの装置のための情報を伝達することに加えて、斯様な非専用的接続は、必ずしも斯かる2つの装置の何れのためでもない情報を伝達することができる(例えば、オープンネットワーク接続)。更に、ここで述べる装置の種々のネットワークは、当該ネットワークを介しての情報移送を容易にするために1以上の無線、有線/ケーブル及び/又は光ファイバリンクを使用することができることが容易に理解される。
【0032】
ここで使用される"ユーザインターフェース"なる用語は、人のユーザ又は操作者と1以上の装置との間の斯かるユーザ及び装置間の通信を可能にするインターフェースを指す。本発明の種々の構成で使用することができるユーザインターフェースの例は、これらに限定されるものではないが、スイッチ、ポテンショメータ、ボタン、ダイヤル、スライダ、マウス、キーボード、キーパッド、種々のタイプのゲームコントローラ(例えば、ジョイスティック)、トラックボール、表示スクリーン、種々のタイプのグラフィックユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイクロフォン及び何らかの形態の人が発生する刺激を受け、これに応答して信号を発生することができる他のタイプのセンサを含む。
【0033】
上述した技術思想及び以下に詳細に説明する更なる技術思想の全ての組み合わせは(斯かる技術思想が相互に矛盾しない限り)、ここに開示される発明的主題の一部であると見なされると理解されるべきである。特に、本開示の末尾に示す請求項の主題の全ての組み合わせは、ここに開示される発明的主題の一部であると見なされる。また、参照により組み込まれる何れかの開示内にも現れる、本明細書で明示的に使用される用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一貫性がある意味が付与されると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の種々の実施例に関する技術思想の基礎を示す、制御可能なLED型照明ユニットを図示する概念図である。
【図2】図2は、図1の複数のLED型照明ユニットのネットワーク化されたシステムを示す概念図である。
【図3A】図3Aは、本発明の一実施例による照明器具を示す。
【図3B】図3Bは、図3Aの照明器具の、ハウジングの半分が削除された部分分解図である。
【図3C】図3Cは、本発明の一実施例による、図3A〜3Bに示した照明器具のLED型照明アセンブリの分解図である。
【図3D】図3Dは、本発明の一実施例による、図3CのLED型照明アセンブリの種々の構成要素の間の電力及びデータの流れを概念的に示すブロック図である。
【図3E】図3Eは、図3A〜3Cの照明器具のLEDモジュールを概念的に示す。
【図3F】図3Fは、本発明の一実施例による、図3A〜3Bの照明器具の、該照明器具に収容された種々の部品を含む後端部の分解図である。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施例による、図3Eに示したLEDモジュールと共に使用するためのコリメータの斜視図を示す。
【図4B】図4Bは、本発明の一実施例による、図3Eに示したLEDモジュールと共に使用するためのコリメータの断面図を示す。
【図4C】図4Cは、本発明の一実施例による、図4A及び4Bに示したコリメータ用のホルダの上面図を示す。
【図4D】図4Dは、本発明の一実施例による、図4A及び4Bに示したコリメータ用のホルダの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面において同様の符号は、概ね、異なる図を介して同様の部分を示している。また、図面は必ずしも寸法通りには描かれておらず、代わりに、本発明の原理を解説するために強調がなされている。
【0036】
以下、本発明の種々の実施例を、特にLED型の光源に関係する特定の実施例を含み説明する。しかしながら、本発明は如何なる特定の実施化の態様に限定されるものではなく、ここで明示的に説明する種々の実施例は主に解説の目的のものであると理解されるべきである。例えば、ここで開示する種々の思想は、LED型光源及びLEDを含まない他の形式の光源を含む環境、LED及び他の形式の光源の両方を組み合わせで含む環境、及び非照明関係の装置を単独で又は種々のタイプの光源との組み合わせで含む環境等の種々の環境で好適に実施化することができる。
【0037】
図1は、本発明の種々の実施例に対する思想的基礎となる制御可能なLED型照明ユニット100の一例を示す。図1に関連して以下に述べるものに類似したLED型照明ユニットの幾つかの一般的な例は、例えば、"多色LED照明方法及び装置"なる名称のMueller他に対して2000年1月18日に発行された米国特許第6,016,038号及び"照明部品"なる名称のLys他に対して2001年4月3日に発行された米国特許第6,211,626号に見ることができ、両文献は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0038】
種々の実施例において、図1に示された照明ユニット100は、単独で、又は他の同様の照明ユニットと共に照明ユニットのシステムにおいて使用することができる(例えば、図2に関連して後述するように)。単独で又は他の照明ユニットとの組み合わせで使用されて、照明ユニット100は、これらに限定されるものではないが、直視型又は間接視型の内部又は外部空間(例えば、建築用)照明及びイルミネーション全般、物体又は空間の直接又は間接照明、劇場用又は他の娯楽用/特殊効果照明を含む種々の用途において使用することができる。
【0039】
照明ユニット100は、1以上の光源104A、104B、104C及び104D(集合的に104として示す)を含むことができ、これら光源の1以上は、1以上のLEDを含むLED型光源とすることができる。上記光源の如何なる2以上も、異なる色(例えば、赤、緑、青)の放射を発生するように構成することができる。この点に関して言うと、前述したように、異なる色の光源の各々は、"多チャンネル"照明ユニットの異なるチャンネルを構成する異なる光源スペクトルを発生する。図1は4つの光源104A、104B、104C及び104Dを示しているが、当該照明ユニットは、この点で限定されるものではないと理解されたい。というのは、実質的に白色光を含む種々の異なる色の放射を発生するように構成された異なる数の及び種々のタイプの光源(全てがLED型の光源、LED型及び非LED型の光源の組み合わせ等)も、後述するように、照明ユニット100に使用することができるからである。
【0040】
照明ユニット100は、1以上の制御信号を出力して上記光源を駆動し、これにより、これら光源から種々の輝度の光を発生させるように構成されたコントローラ105も含んでいる。例えば、一構成例において、コントローラ105は、各光源に対して少なくとも1つの制御信号を出力し、各光源により発生される光の輝度(例えば、ルーメンでの放射パワー)を独立に制御するように構成することができる。他の例として、該コントローラ105は、1以上の制御信号を出力して、2以上の光源のグループを同じに集合的に制御するよう構成することもできる。光源を制御するために該コントローラにより発生することが可能な制御信号の幾つかの例は、これらに限定されるものではないが、パルス変調信号、パルス幅変調信号(PWM)、パルス振幅変調信号(PAM)、パルスコード変調信号(PCM)、アナログ制御信号(例えば、電流制御信号、電圧制御信号)、上記信号の組み合わせ及び/又は変調、又は他の制御信号を含む。特にLED型光源に関連しての幾つかの実施例では、可変LED駆動電流が使用されたとしたら発生し得る潜在的なLED出力の望ましくない又は予測不可能な変動を軽減するために、1以上の変調技術が、1以上のLEDに供給される一定の電流レベルを用いた可変制御を提供する。他の実施例では、コントローラ105は他の専用の回路(図1には示されていない)を制御し、該専用の回路が上記光源を制御して、これら光源の各輝度を変化させる。
【0041】
通常、1以上の光源により発生される放射の輝度(放射出力パワー)は、所与の期間にわたって該光源に供給される平均電力に比例する。従って、1以上の光源により発生される放射の輝度(強度)を変化させる1つの技術は、当該光源へ供給される電力(即ち、該光源の動作電力)を変調することを含む。LED型光源を含む幾つかのタイプの光源に関しては、これは、パルス幅変調(PWM)技術を用いて効果的に達成することができる。
【0042】
PWM制御技術の1つの例示的構成においては、照明ユニットの各チャンネルに対して、該チャンネルを構成する或る光源の両端間に所定の一定の所定電圧Vsourceが周期的に印加される。該電圧Vsourceの印加は、コントローラ105により制御される1以上のスイッチ(図1には示されていない)を介して達成することができる。電圧Vsourceが当該光源の両端間に印加されている間、所定の一定電流Isource(例えば、図1には示されていない電流調整器により決定される)が該光源を介して流されようにされる。ここでも、LED型光源は1以上のLEDを含み得、従って上記電圧Vsourceは該光源を構成する一群のLEDに供給され得、上記電流Isourceは斯かるLEDの群により流され得ることを想起されたい。駆動された場合の当該光源の両端間の一定電圧Vsource、及び駆動された場合の該光源により流される調整された電流Isourceが、該光源の瞬時動作電力Psourceの量を決定する(Psource=Vsource・Isource)。前述したように、LED型光源の場合、調整された電流を用いることが、可変LED駆動電流が採用されたとしたら生じるかも知れないLED出力の可能性のある望ましくない又は予測不可能な変動を軽減する。
【0043】
PWM技術によれば、当該光源に電圧Vsourceを周期的に印加すると共に、所与のオンオフサイクルの間において該電圧が印加される時間を変化させることにより、時間にわたり該光源に供給される平均電力(平均動作電力)を変調することができる。特に、コントローラ105は上記電圧Vsourceを所与の光源にパルス状態様で(例えば、当該光源に電圧を印加する1以上のスイッチを作動させる制御信号を出力することにより)、好ましくは人の目により検出することが可能なものより高い(例えば、約100Hzより高い)周波数で印加するように構成することができる。この様にして、当該光源により発生される光の観察者は、離散的なオンオフサイクル(通常、"フリッカ効果"と呼ばれる)を知覚することがなく、代わりに、目の積分機能が実質的に連続した光の発生を知覚する。上記制御信号のオンオフサイクルのパルス幅(即ち、オン時間又は"デューティサイクル")を調整することにより、該コントローラは如何なる所与の期間において当該光源が駆動される時間の平均量をも変化させ、かくして、該光源の平均動作電力を変化させる。この様にして、各チャンネルからの発生光の知覚される輝度を変化させることができる。
【0044】
以下に詳述するように、コントローラ105は多チャンネル照明ユニットの各々別個の光源チャンネルを所定の平均動作電力に制御して、各チャンネルにより発生される光に関して対応する放射出力パワーを得るように構成することができる。他の例として、コントローラ105は、ユーザインターフェース118、信号源124又は1以上の通信ポート120等の種々の発生元から、1以上のチャンネルに対する所定の動作電力を、従って各チャンネルにより発生される光に関する対応する放射出力パワーを指定する命令(例えば"照明コマンド")を入力することができる。1以上のチャンネルに対する所定の動作電力を変化させることにより(例えば、異なる命令又は照明コマンドに従って)、異なる知覚カラー及び輝度レベルの光を当該照明ユニットにより発生させることができる。
【0045】
照明ユニット100の幾つかの実施例においては、前述したように、図1に示した光源104A、104B、104C及び104Dの1以上は、コントローラ105により一緒に制御される一群の複数のLED又は他のタイプの光源(例えば、LED又は他のタイプの光源の種々の並列及び/又は直列接続)を含むことができる。更に、当該光源の1以上は、これらに限定されるものではないが、種々の可視カラー(実質的に白色の光を含む)、白色光の種々の色温度、紫外又は赤外を含む種々のスペクトル(即ち、波長又は波長帯域)のうちの何れかを持つ放射を発生するように構成された1以上のLEDを含むことができると理解されるべきである。種々のスペクトル帯域幅(例えば、狭い帯域、広い帯域)を持つLEDを、照明ユニット100の種々の実施化例で使用することができる。
【0046】
照明ユニット100は、広い範囲の可変カラー放射を生成するように構成及び配置することができる。例えば、一実施例において、照明ユニット100は、当該光源の2以上により発生される制御可能な可変輝度(即ち、可変放射パワー)の光が組み合わさって、混合色光(種々の色温度を持つ実質的に白色の光を含む)を生成するように特別に構成することができる。特に、上記混合色光の色(又は色温度)は、当該光源の各輝度(出力放射パワー)の1以上を変化させることにより(例えば、コントローラ105により出力される1以上の制御信号に応答して)、変化させることができる。更に、コントローラ105は、制御信号を当該光源の1以上に供給して、種々の静止的な又は時間と共に変化する(動的な)多色(又は多色温度)照明効果を発生させるように特別に構成することができる。この目的のために、上記コントローラ105は斯様な制御信号を当該光源の1以上に供給するようプログラムされたプロセッサ102(例えば、マイクロプロセッサ)を含むことができる。種々の構成例において、該プロセッサ102は斯様な信号を自律的に、照明コマンドに応答して、又は種々のユーザ若しくは信号入力に応答して供給するようプログラムすることができる。
【0047】
このように、照明ユニット100は、色混合を生成するための赤色、緑色及び青色LEDの2以上、並びに様々なカラー及び白色光の色温度を生成するための1以上の他のLEDを含み、様々な色のLEDを種々の組み合わせで含むことができる。例えば、赤、緑及び青は、琥珀色、白色、UV、オレンジ、IR又は他の色のLEDと混合することができる。更に、異なる色温度を持つ複数の白色LED(例えば、第1色温度に対応する第1スペクトルを発生する1以上の第1白色LED、及び第1色温度とは異なる第2色温度に対応する第2スペクトルを発生する1以上の第2白色LED)を、全て白色LEDの照明ユニットにおいて又は他の色のLEDとの組み合わせで使用することができる。照明ユニット100における異なる色のLED及び/又は異なる色温度の白色LEDの斯様な組み合わせは、多くの所望のスペクトルの照明条件の正確な再生を容易化することができ、斯様な照明条件の例は、これらに限定されるものではないが、一日の異なる時間における種々の外部日光の等価条件、種々の屋内照明条件、及び複雑な多色背景をシミュレーションするための照明条件等を含む。他の望ましい照明条件は、特定の環境において特別に吸収され、減衰され又は反射され得るスペクトルの特定の部分を除去することにより生成することができる。例えば水は光の非青色及び非緑色を最も吸収及び減衰させる傾向があるので、水面下の用途は、幾つかのスペクトル要素を他のものに対して強調又は減衰させるように仕立てられた照明条件の利益を受け得る。
【0048】
図1に示されるように、照明ユニット100は種々のデータを記憶するためにメモリ114を含むことができる。例えば、メモリ114は、プロセッサ102により実行するための1以上の照明コマンド又はプログラム(例えば、当該光源に対する1以上の制御信号を発生するために)、及び可変色放射を発生するために有用な種々のタイプのデータ(例えば、後述するような校正情報)を記憶するために使用することができる。メモリ114は、当該照明ユニット100を識別するためにローカルに又はシステムレベルで使用することが可能な1以上の特定の識別子(例えば、連続番号、アドレス等)も記憶することができる。種々の実施例において、このような識別子は、例えば製造者により予めプログラムすることができ、その後に変更可能又は変更不可能とすることができる(例えば、当該照明ユニット上に配置された何らかのタイプのユーザインターフェースを介して、又は当該照明ユニットにより受信される1以上のデータ若しくは制御信号を介して等)。他の例として、このような識別子は、当該照明ユニットの現場における最初の使用の時点で決定することができると共に、その後に変更可能であるか又は変更不可能とすることができる。
【0049】
照明ユニット100において複数の光源を制御し、及び照明システムにおいて複数の照明ユニット100を制御する(例えば、図2に関連して後述する)ことに関連して生じ得る1つの問題は、実質的に同様な光源の間での光出力の潜在的に知覚可能な差に関するものである。例えば、対応する個々の制御信号により駆動される2つの実質的に同一の光源の場合、各光源により出力される実際の光の輝度(例えば、ルーメンでの放射パワー)は多少異なり得る。この様な光出力の差は、例えば、光源の間の僅かな製造の差、発生される放射の各スペクトルを別々に変化させ得る当該光源の時間にわたる通常の消耗及び損傷等を含む種々の要因に帰するものである。本説明の目的のために、制御信号と結果としての出力放射パワーとの間の特別な関係が未知である光源は、"未校正"光源と称する。照明ユニット100において1以上の未校正光源を使用する結果、予測不可能な又は"未校正の"色又は色温度を持つ光が発生され得る。例えば、各々が零から255までの範囲内の調整可能なパラメータ(0〜255)を持つ対応する照明コマンドに応答して制御される第1の未校正赤色光源及び第1の未校正青色光源を含む第1の照明ユニットを考察するものとし、この場合において、255なる最大値は当該光源から利用可能な最大(即ち、100%)の放射パワーを表すものとする。この例の目的のために、赤色コマンドが零に設定され、青色コマンドが零でない場合には青色光が発生される一方、青色コマンドが零に設定され、赤色コマンドが零でない場合には赤色光が発生される。しかしながら、両コマンドが非零値から変化された場合、種々の知覚的に異なる色が生成され得る(例えば、この例において、少なくとも、紫の多くの異なるシェードが可能である)。特に、多分、特定の所望の色(例えば、ラベンダ)は、125なる値を持つ赤色コマンドと200なる値を持つ青色コマンドにより与えられる。ここで、前記第1の照明ユニットの第1の未校正赤色光源と実質的に同様の第2の未校正赤色光源及び前記第1の照明ユニットの第1の未校正青色光源と実質的に同様の第2の未校正青色光源を含む第2の照明ユニットを考察する。前述したように、上記未校正赤色光源の両方が、対応する同一のコマンドに応答して制御されるとしても、各赤色光源により出力される光の実際の輝度(例えば、ルーメンでの放射パワー)は多少異なり得る。同様に、上記未校正青色光源の両方が、対応する同一のコマンドに応答して制御されるとしても、各青色光源により出力される光は多少異なり得る。
【0050】
上記を心に留めると、上述したように混合色光を生成するために複数の未校正光源が照明ユニットにおいて組み合わせで使用される場合、同一の制御条件下で異なる照明ユニットにより生成される光の観察される色(又は色温度)は、異なって知覚され得る。特に、前述した"ラベンダ色"の例を再び考察してみると、125なる値を持つ赤色コマンド及び200なる値を持つ青色コマンドによって前記第1の照明ユニットにより生成される"第1のラベンダ色"は、125なる値を持つ赤色コマンド及び200なる値を持つ青色コマンドによって前記第2の照明ユニットにより生成される"第2のラベンダ色"とは確かに知覚的に相違し得る。より一般的には、上記第1及び第2の照明ユニットは、これら照明ユニットの未校正光源のために未校正の色を発生する。従って、本発明の幾つかの実施例では、照明ユニット100は、如何なる所与の時点においても、校正された(例えば、予測可能な、再現可能な)色を持つ光の発生を容易にするために校正システムを含む。一態様において、上記校正システムは、当該照明ユニットの少なくとも幾つかの光源の光出力を調整し(例えば、スケーリングし)、これにより異なる照明ユニットで使用される同様の光源の間の知覚可能な差を補償するように構成される。例えば、一実施例において、照明ユニット100のプロセッサ102は、光源の1以上を制御して、これら光源に対する制御信号に所定の態様で実質的に一致する校正された輝度で放射を出力するように構成される。異なるスペクトル及び対応する校正された輝度を持つ放射を混合する結果として、校正された色が生成される。この実施例の一態様において、各光源のための少なくとも1つの校正値が、メモリ114に記憶される一方、前記プロセッサは、各校正値を対応する光源のための制御信号(コマンド)に適用して、校正された輝度を発生するようにプログラミングされる。1以上の校正値は以前に(例えば、照明ユニットの製造/試験段階の間に)決定し、プロセッサ102による使用のためにメモリ114に記憶することができる。他の態様では、プロセッサ102を、例えば1以上の光センサの補助で動的に(例えば、時折)1以上の校正値を導出するように構成することができる。種々の実施例において、上記光センサ(複数の光センサ)は、当該照明ユニットに結合された1以上の外部部品とすることができ、又は代わりに当該照明ユニット自身の一部として統合することもできる。光センサは、照明ユニット100に統合し又は、さもなければ、関連され得る信号源の一例であり、当該照明ユニットの動作に関連してプロセッサ102により監視される。斯様な信号源の他の例は、図1に示す信号源124との関連で更に後述する。1以上の校正値を導出するためにプロセッサ102により実施化され得る1つの例示的方法は、光源に対して基準制御信号(例えば、最大の出力放射パワーに対応する)を印加するステップと、(1以上の光センサにより)、かくして該光源により発生される放射の強度(例えば、当該光センサに入射する放射パワー)を測定するステップとを含む。この場合、上記プロセッサは、該測定された強度と、少なくとも1つの基準値(例えば、前記基準制御信号に応答して公称的に予測される強度を表す)との比較を実行するようにプログラミングすることができる。このような比較に基づいて、上記プロセッサは当該光源のための1以上の校正値(例えば、スケーリング・ファクタ)を決定することができる。特に、上記プロセッサは校正値を、前記基準制御信号に適用された場合に、当該光源が上記基準値に相当する輝度(即ち、"予測される"輝度、例えばルーメンでの予測される放射パワー)を持つ放射を出力するように導出することができる。種々の態様において、1つの校正値を、所与の光源に関する全範囲の制御信号/出力輝度に対して導出することができる。他の例として、所与の光源に対して複数の校正値を導出することができ(即ち、複数の校正値"サンプル"を得ることができ)、これら校正値は、非線形な校正関数を断片的な線形態様で近似するために、異なる制御信号/出力輝度範囲に対して各々適用される。
【0051】
幾つかの実施例において、照明ユニット100は、複数のユーザにより選択可能な設定又は機能(例えば、照明ユニット100の光出力を全般に制御する、当該照明ユニットにより発生されるべき種々の事前プログラムされた照明効果を変更及び/又は選択する、選択された照明効果の種々のパラメータを変更及び/又は選択する、当該照明ユニットに対するアドレス又は連続番号等の特定の識別子を設定する等)の何れかを容易化するために設けられる1以上のユーザインターフェース118も含むことができる。種々の実施例において、ユーザインターフェース118と当該照明ユニットとの間の通信は、有線若しくはケーブル、又は無線伝送を介して達成することができる。
【0052】
一構成例において、当該照明ユニットのコントローラ105は、ユーザインターフェース118をモニタし、光源104A、104B、104C及び104Dのうちの1以上を、少なくとも部分的に該インターフェースのユーザによる操作に基づいて制御する。例えば、コントローラ105は、当該光源の1以上を制御するための1以上の制御信号を発生することにより、上記ユーザインターフェースの操作に応答するように構成することができる。他の例として、プロセッサ102は、メモリに記憶された1以上の事前にプログラムされた制御信号を選択し、照明プログラムを実行することにより発生される制御信号を修正し、メモリから新たな照明プログラムを選択及び実行し、又は当該光源の1以上により発生される放射にそれ以外で影響を与えることにより、応答するように構成することができる。
【0053】
特に、一構成例において、ユーザインターフェース118は、コントローラ105に対する電力を遮断する1以上のスイッチ(例えば、標準の壁スイッチ)を構成することができる。この構成例の一態様において、コントローラ105は、上記ユーザインターフェースにより制御される電力をモニタし、当該光源の1以上を少なくとも部分的に上記ユーザインターフェースの操作により生じた電力の遮断の期間に基づいて制御するように構成される。前述したように、当該コントローラは、電力遮断の所定の期間に対して、例えばメモリに記憶された1以上の事前にプログラムされた制御信号を選択し、照明プログラムを実行することにより発生される制御信号を修正し、メモリから新たな照明プログラムを選択及び実行し、又は当該光源の1以上により発生される放射にそれ以外で影響を与えることにより、応答するように特別に構成することができる。
【0054】
また、図1は、照明ユニット100を1以上の他の信号源124から1以上の信号122を入力するように構成することができることを示している。一実施例において、当該照明ユニットのコントローラ105は、信号122を、単独で又は他の制御信号(例えば、照明プログラムを実行することにより発生される信号、ユーザインターフェースからの1以上の出力等)との組み合わせで使用して、光源104A、104B、104C及び104Dのうちの1以上をユーザインターフェース118に関連して上述したのと同様の態様で制御することができる。
【0055】
コントローラ105により入力し且つ処理することが可能な信号122の例は、これらに限定されるものではないが、1以上のオーディオ信号、ビデオ信号、電力信号、種々のタイプのデータ信号、ネットワーク(例えば、インターネット)から得られた情報を表す信号、1以上の検出可能な/感知された条件を表す信号、照明ユニットからの信号、変調された光からなる信号等を含む。種々の構成例において、信号源124は、照明ユニット100から遠くに隔てて配置することができるか、又は当該照明ユニットの構成部品として含まれ得る。一実施例において、1つの照明ユニット100からの信号は、ネットワークを介して他の照明ユニット100に送ることができる。
【0056】
照明ユニット100に使用することができるか、又は該照明ユニットとの関連で使用することができる信号源124の幾つかの例は、刺激に応答して1以上の出力信号122を発生する種々のセンサ又はトランスジューサの何れかを含む。このようなセンサの例は、これらに限定されるものではないが、熱感知的(例えば、温度、赤外線)センサ、湿度センサ、動きセンサ、フォトセンサ/光センサ(例えば、フォトダイオード、分光放射計又は分光光度計等の電磁放射の1以上の特定のスペクトルに対して感知的なセンサ)、種々のタイプのカメラ、音若しくは振動センサ又は他の圧力/力トランスジューサ(例えば、マイクロフォン、圧電デバイス等)等の種々のタイプの環境条件センサを含む。
【0057】
信号源124の更なる例は、電気的信号若しくは特性(例えば、電圧、電流、電力、抵抗、容量、インダクタンス等)又は化学的/生物学的特性(例えば、酸性度、1以上の特定の化学的又は生物学的物質の存在、細菌等)をモニタして、斯かる信号及び特性の測定値に基づいて1以上の出力信号122を供給する種々の測定/検出デバイスを含む。信号源124の更に他の例は、種々のタイプのスキャナ、画像認識システム、音声又は他のサウンドの認識システム、人工知能及びロボットシステム等を含む。また、信号源124は、照明ユニット100、他のコントローラ若しくはプロセッサ、又は、媒体プレーヤ、MP3プレーヤ、コンピュータ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、テレビジョン信号源、カメラ信号源、マイクロフォン、スピーカ、電話、携帯電話、インスタントメッセンジャ装置、SMS装置、無線装置、パーソナルオーガナイザ装置及び多くの他のもの等の多くの利用可能な信号発生装置の何れか1つでもあり得る。
【0058】
幾つかの実施例において、照明ユニット100は、光源104A、104B、104C及び104Dにより発生される放射を処理する1以上の光学エレメント又は装置130を含むこともできる。例えば、1以上の光学エレメント130は、発生された放射の空間分布及び伝搬方向の一方又は両方を変化させる(例えば、何らかの電気的及び/又は機械的刺激に応答して)ように構成することができる。特に、1以上の光学エレメントは、発生された放射の拡散角度を変化させるように構成することができる。照明ユニット100に含めることが可能な光学エレメントの例は、これらに限られるものではないが、反射性物質、屈折性物質、半透明物質、フィルタ、レンズ、鏡及び光ファイバを含む。上記1以上の光学エレメント130は、蛍光物質、発光物質、又は発生された放射に応答する又は相互に作用し合うことができる他の物質を含むこともできる。
【0059】
幾つかの実施例において、照明ユニット100は、該照明ユニット100の、1以上の他の照明ユニットを含む種々の他の装置の何れかに対する結合を容易にするために1以上の通信ポート120を含むことができる。例えば、1以上の通信ポート120は、複数の照明ユニットをネットワーク化された照明システムとして一緒に結合するのを容易化することができ、該システムにおいて、これら照明ユニットの少なくとも幾つか又は全てはアドレス指定可能であり(例えば、特定の識別子又はアドレスを有する)、及び/又は当該ネットワークを介して伝送される特定のデータに応答する。他の態様において、1以上の通信ポート120は、有線又は無線伝送を介してデータを受信及び/又は送信するように構成することもできる。一実施例において、該通信ポート120を介して受信される情報は、少なくとも部分的に、当該照明ユニットにより後に使用されるべきアドレス情報に関係することができ、該照明ユニットは該アドレス情報を受信すると共に、メモリ114に記憶するように構成することができる(例えば、該照明ユニットは、上記の記憶されたアドレスを、1以上の通信ポートを介して後続のデータを受信する際に使用する自身のアドレスとして使用するよう構成することができる)。
【0060】
特に、ネットワーク化された照明システム環境においては、後に(例えば、図2に関連して)詳述するように、当該ネットワークを介してデータが通信されるので、該ネットワークに結合された各照明ユニットのコントローラ105は、自身に関係する特定のデータ(例えば、照明制御コマンド)に応答する(例えば、幾つかの場合においては、該ネットワーク化された照明ユニットの各識別子により指令されて)よう構成することができる。或るコントローラが自身を意図する特定のデータを識別すると、該コントローラは該データを読み込み、例えば、自身の光源により形成される照明条件を該受信されたデータに従って変化させることができる(例えば、これら光源に対して適切な制御信号を発生することにより)。一態様において、当該ネットワークに結合された各照明ユニットのメモリ114には、プロセッサ102により受信されたデータに対応する照明制御信号のテーブルをロードすることができる。プロセッサ102が上記ネットワークからデータを受信すると、該プロセッサは上記テーブルを照会して、受信されたデータに対応する制御信号を選択し、当該照明ユニットの光源をそれに応じて制御することができる(例えば、前述した種々のパルス変調技術を含む種々のアナログ又はデジタル信号制御技術の何れか1つを用いて)。
【0061】
一態様において、或る照明ユニットのプロセッサ102は、ネットワークに結合されているか否かに拘わらず、DMXプロトコルで受信される照明命令/データを解釈するように構成することができる(例えば、米国特許第6,016,038号及び第6,211,626号で説明されているように)。DMXは、照明産業において幾つかのプログラム可能な照明用途に従来から使用されている照明コマンドプロトコルである。DMXプロトコルにおいて、照明命令は、照明ユニットに、512バイトのデータを含むパケットにフォーマッティングされた制御データとして送信され、各データバイトは零と255との間のデジタル値を表す8ビットにより構成される。これらの512のデータバイトには、典型的には、"開始コード"バイトが先行する。例示的なDMX構成において、513バイト(開始コードとデータ)を含む全体の"パケット"は、RS−485の電圧レベル及び配線施工に従って250kbit/sで直列に送信され、その場合において、パケットの開始は少なくとも88マイクロ秒の中断により通知される。
【0062】
DMXプロトコルにおいては、或るパケットにおける512バイトの各データバイトは、多チャンネル照明ユニットの特定の"チャンネル"に対する照明コマンドとして意図されたもので、その場合において、零なるデジタル値は当該照明ユニットの所与のチャンネルに対する無の放射出力パワー(即ち、チャンネルオフ)を示し、255なるデジタル値は当該照明ユニットの該所与のチャンネルに対する全放射出力パワー(100%の利用可能なパワー)を示す(即ち、チャンネルの完全なオン)。例えば、一態様において、当面、赤色、緑色及び青色LEDに基づく3チャンネル照明ユニット(即ち、"RGB"照明ユニット)を考えると、DMXプロトコルにおける照明コマンドは、赤色チャンネルコマンド、緑色チャンネルコマンド及び青色チャンネルコマンドの各々を、0〜255の値を表す8ビットデータ(即ち、データバイト)として指定することができる。上記カラーチャンネルの何れか1つに対する255の最大値は、プロセッサ102に、該チャンネルに関して、対応する光源を最大の利用可能な電力(即ち、100%)で動作するよう制御するように命令し、これにより、当該カラーに関して最大の利用可能な放射パワーを発生する(RGB照明ユニットに対する斯様なコマンド構造は、通常、24ビットカラー制御と呼ばれる)。従って、[R,G,B]=[255,255,255]なるフォーマットのコマンドは、当該照明ユニットに、赤色、緑色及び青色光の各々に関して最大の放射パワーを発生させる(これにより、白色光を生成する)。
【0063】
DMXプロトコルを使用する通信リンクは、通常、512までの異なる照明ユニットチャンネルをサポートすることができる。DMXプロトコルでフォーマッティングされた通信を受信するように設計された所与の照明ユニットは、当該パケットにおける512データバイトのうちの、当該照明ユニットのチャンネル数に対応する1以上の特定のデータバイトのみに応答する(例えば、3チャンネル照明ユニットの例では、該照明ユニットにより3バイトが使用される)よう構成することができる。特定の照明ユニットにとり関心のある特定のデータバイト(又は複数のバイト)は、当該パケットにおける512データバイトの全体のシーケンスにおける斯かるバイトの位置に基づいて決定することができる。この目的のために、DMX型照明ユニットには、所与のDMXパケットにおける該照明ユニットが応答するデータバイトの特定の位置を決定するように構成することが可能なアドレス選択メカニズムを装備することができる。
【0064】
しかしながら、本発明の実施例と共に使用するに適した照明ユニットはDMXコマンドフォーマットを使用するものに限定されるものではないと理解されたい。というのは、種々の実施例による照明ユニットは、他のタイプの通信プロトコル/照明コマンドフォーマットに応答して、これら照明ユニットの対応する光源を制御するように構成することができるからである。一般的に、プロセッサ102は、各チャンネルに対する零から最大までの利用可能な動作パワーを表す何らかのスケールに従って多チャンネル照明ユニットの各個のチャンネルに対する所定の動作パワーを表す種々のフォーマットの照明コマンドに応答するよう構成することができる。
【0065】
例えば、幾つかの実施例において、所与の照明ユニットのプロセッサ102は、通常のイーサネット(登録商標)プロトコル(又は、イーサネット(登録商標)思想に基づく同様のプロトコル)で受信される照明命令/データを解釈するように構成することができる。イーサネット(登録商標)は、しばしば、ローカルエリアネットワーク(LAN)のために採用される良く知られたコンピュータネットワーク化技術であり、当該ネットワークを形成する相互接続された装置に対する配線及び信号通知要件、並びに該ネットワーク上で伝送されるデータのためのフレームフォーマット及びプロトコルを規定する。該ネットワークに結合される装置は対応する固有のアドレスを有し、該ネットワーク上の1以上のアドレス指定可能な装置に対するデータはパケットとして編成される。各イーサネット(登録商標)パケットは、宛先アドレス及び発信元アドレスを特定する"ヘッダ"を含み、幾つかのバイトのデータを含む"ペイロード"が後続する(例えば、タイプIIイーサネット(登録商標)フレームプロトコルにおいては、ペイロードは46データバイトから1500データバイトまでとすることができる)。パケットは、エラー訂正コード又は"チェックサム"で終了する。上述したDMXプロトコルによる場合と同様に、イーサネット(登録商標)プロトコルで通信を受信するように構成された所与の照明ユニットを宛先とする連続するイーサネット(登録商標)パケットのペイロードは、該照明ユニットにより発生することが可能な異なる利用可能なスペクトルの光(例えば、異なるカラーのチャンネル)に対して所定の各放射パワーを表すような情報を含むことができる。
【0066】
更に他の実施例において、所与の照明ユニットのプロセッサ102は、例えば米国特許第6,777,891号に記載されているように、直列型通信プロトコルで受信される照明命令/データを解釈するように構成することができる。特に、直列型通信プロトコルに基づく一実施例によれば、複数の照明ユニット100が、1以上の通信ポート120を介して一緒に結合されて照明ユニットの直列接続(例えば、デイジーチェーン又はリング状トポロジ)を形成し、その場合において各照明ユニットは入力通信ポート及び出力通信ポートを有する。斯かる照明ユニットに送信される照明命令/データは、各照明ユニットの当該直列接続における相対位置に基づいて順番に配列することができる。照明ユニットの直列相互接続に基づく照明ネットワークが、特に直列型通信プロトコルを使用する実施例に関連して説明されているが、本発明は、この点において限定されるものではないと理解されたい。というのは、本発明により想定される照明ネットワークトポロジの他の例も、図2に関連して後述されるからである。
【0067】
直列型通信プロトコルを採用する一実施例において、当該直列接続における各照明ユニットのプロセッサ102がデータを受信する際に、該プロセッサは当該照明ユニットに対するデータシーケンスの1以上の最初の部分を"分離"又は抽出し、該データシーケンスの残部を該直列接続における次の照明ユニットに送信する。例えば、複数の3チャンネル(例えば、"RGB")照明ユニットの直列相互接続を再び考察すると、3つの多ビット値(各チャンネルに対して1つの多ビット値)が各3チャンネル照明ユニットにより受信データシーケンスから抽出される。上記直列接続における各照明ユニットが、この手順、即ち受信データシーケンスの1以上の最初の部分(多ビット値)を分離又は抽出すると共に該シーケンスの残部を送信する処理、を繰り返す。各照明ユニットにより分離されるデータシーケンスの最初の部分は、当該照明ユニットにより発生することが可能な光の別々の利用可能なスペクトル(例えば、別々のカラーチャンネル)に対する所定の各放射パワーを含むことができる。DMXプロトコルに関連して前述したように、種々の構成例において、チャンネル毎の各多ビット値は、各チャンネルに対する所望の分解能に部分的に依存して、チャンネル当たり8ビット値、又は他のビット数(例えば、12、16、24等)とすることができる。
【0068】
直列型通信プロトコルの更に他の例示的構成例においては、データシーケンスにおける所与の照明ユニットの複数のチャンネルに対するデータを表す各部分にフラグを関連付けることができ、複数の照明ユニットに対する全体のデータシーケンスは、当該直列接続において照明ユニットから照明ユニットへと完全に送信することができる。当該直列接続における或る照明ユニットが上記データシーケンスを受信する際に、該照明ユニットは、当該データシーケンスにおける、所与の部分(1以上のチャンネルを表す)が如何なる照明ユニットによっても未だ読み取られていないことを示すようなフラグを含む部分を探索することができる。このような部分を見付けると、該照明ユニットは当該データシーケンスの上記部分を読み取り及び処理して、対応する光出力を生成すると共に、対応するフラグを該部分が読み取られたことを示すように設定することができる。このように、この構成例では、全体のデータシーケンスを照明ユニットから照明ユニットへと送信することができ、その場合において、当該データシーケンスに関連する上記フラグの状態が、読み取り及び処理に対して利用可能な当該データシーケンスの次の部分を示す。
【0069】
直列型通信プロトコルと共に使用する他の実施例において、直列型通信プロトコル用に構成された或る照明ユニット100のコントローラ105は、特定用途向け集積回路(ASIC)として実施化することができる。該ASICは、照明命令/データの受信されたストリームを、上述した"データ分離/抽出"処理又は"フラグ変更"処理に従って特別に処理するように設計することができる。例えば、ネットワークを形成するように一緒に直列接続構成で結合された複数の照明ユニットを有する一実施例において、各照明ユニットは、図1に示されるように、プロセッサ102、メモリ114及び通信ポート120に関して前述した機能を有するASIC構成のコントローラ105を含むことができる(幾つかの実施化例では、オプション的なユーザインターフェース118及び信号源124は、含む必要はない)。このような実施例は、米国特許第6,777,891号に詳細に述べられている。
【0070】
一実施例において、照明ユニット100は、1以上の電源108を含み、及び/又は斯かる電源に結合することができる。種々の態様において、電源108の例は、これらに限定されるものではないが、AC電源、DC電源、電池、太陽式電源、熱電気又は機械式電源等を含む。更に、一態様において、電源108は、外部電源から入力される電力を照明ユニット100の光源及び種々の内部回路部品の動作に適した形態に変換する1以上の電力変換装置又は電力変換回路(例えば、幾つかの場合には照明ユニット100の内部の)を含み、又は斯かる変換装置又は変換回路に関連させることができる。米国特許出願第11/079,904号及び第11/429,715号に述べられた例示的構成例において、照明ユニット100のコントローラ105は、電源108から標準のACライン電圧を受け、DC/DC変換に関係する思想又は"スイッチング"電源の思想に基づき当該照明ユニットの光源及び他の回路に対して適切なDC動作電力を供給するように構成することができる。これらの構成例の一態様においては、コントローラ105は、標準のACライン電圧を受けるのみならず、該ライン電圧から非常に高い力率で電力が引き出されるのを保証するための回路を含むことができる。
【0071】
また、或る照明ユニットは、光源のための種々の取り付け装置、光源を部分的に又は完全に囲むエンクロージャ/ハウジング装置及び形状、及び/又は電気的及び機械的接続構造の何れかを有することができる。特に、幾つかの構成例では、照明ユニットは、従来のソケット又は固定具装置(例えば、エジソン型ネジソケット、ハロゲン固定具装置、蛍光固定具装置等)に電気的に及び機械的に係合するための交換品又は改良品として構成することもできる。
【0072】
更に、上述した1以上の光学エレメントは、照明ユニットのエンクロージャ/ハウジング装置に部分的に又は完全に統合することができる。更に、上述した照明ユニットの種々の構成部品(例えば、プロセッサ、メモリ、電源、ユーザインターフェース等)及び別の構成例で当該照明ユニットと関連され得る他の構成部品(例えば、センサ/トランスジューサ、当該ユニットへの(からの)通信を容易化する他の部品等)は、種々の態様でパッケージ化することができる。例えば、一態様において、種々の照明ユニットの部品及び該照明ユニットに関連し得る他の部品の全て又は何れかの部分群は、一緒にパッケージ化することができる。他の態様において、部品のパッケージ化された部分群は、種々の態様で電気的及び/又は機械的に一緒に結合することができる。
【0073】
図2は、本発明の一実施例によるネットワーク化された照明システム200の一例を示している。図2の実施例において、ネットワーク化照明システムを形成するために、前述したものと同様の複数の照明ユニット100が一緒に結合されている。しかしながら、図2に示す照明ユニットの特定の構成及び配置は解説の目的のみのものであって、本発明は図2に示す特定のシステムトポロジに限定されるものではないと理解されたい。
【0074】
更に、図2には明示的に示されていないが、該ネットワーク化照明システム200は、1以上のユーザインターフェース及びセンサ/トランスジューサ等の1以上の信号源を含むように柔軟に構成することができると理解されたい。例えば、1以上のユーザインターフェース及び/又はセンサ/トランスジューサ等の1以上の信号源(図1に関連して前述したような)を、該ネットワーク化照明システム200の照明ユニットの何れか1以上に関連付けることができる。他の例として(又は上記に加えて)、1以上のユーザインターフェース及び/又は1以上の信号源は、該ネットワーク化照明システム200内の"単独"部品として実施化することもできる。単独部品が1以上の照明ユニット100に特別に関連付けられるか否かに拘わらず、これらの部品は該ネットワーク化照明システムの照明ユニットにより"共用"することができる。言い換えると、1以上のユーザインターフェース及び/又はセンサ/トランスジューサ等の1以上の信号源は、当該システムの照明ユニットの何れか1以上を制御することに関連して使用することができるような、該ネットワーク化照明システムにおける"共有資源"を構成することができる。
【0075】
図2に示されるように、当該照明システム200は、1以上の照明ユニットコントローラ(以下、"LUC"と称す)208A、208B、208C及び208Dを含むことができ、その場合において、各LUCは、該LUCに結合された1以上の照明ユニット100と通信すると共に該照明ユニットを広く制御する責任を負う。図2では2つの照明ユニット100がLUC208Aに結合され、1つの照明ユニット100がLUC208B、208C及び208Dの各々に結合されるものとして示されているが、本発明はこの点で限定されるものではないと理解されたい。というのは、別の数の照明ユニット100を所与のLUCに、種々の異なる通信媒体及びプロトコルを用いて種々の異なる構成(例えば、直列接続、並列接続、直列接続と並列接続との組み合わせ等)で結合することができるからである。
【0076】
幾つかの実施例において、各LUCは、1以上のLUCと通信するように構成された中央コントローラ202に結合することができる。図2は4つのLUCが汎用接続部204(如何なる数の種々の通常の結合、切換及び/又はネットワーク化装置も含むことができる)を介して中央コントローラ202に結合されるのを示しているが、種々の実施例によれば、違う数のLUCも中央コントローラ202に結合することができると理解されるべきである。更に、本発明の種々の実施例によれば、上記LUC及び中央コントローラは、ネットワーク化された照明システム200を形成するために種々の異なる通信媒体及びプロトコルを用いて種々の構成で一緒に結合することもできる。更に、LUC及び中央コントローラの相互接続、並びに各LUCに対する照明ユニットの相互接続は、種々の態様の何れかで(例えば、別の構成、通信媒体及びプロトコルを用いて)達成することもできると理解されたい。
【0077】
例えば、本発明の一実施例によれば、中央コントローラ202は、LUCとイーサネット(登録商標)型通信を実行するように構成することができ、LUCは照明ユニット100とイーサネット(登録商標)型、DMX型又は直列型のプロトコル通信のうちの1つを実行するように構成することができる(前述したように、種々のネットワーク構成に適した例示的な直列型プロトコルは米国特許第6,777,891号に詳細に説明されている)。特に、この実施例の一態様では、各LUCは、アドレス指定可能なイーサネット(登録商標)型コントローラとして構成することができ、従ってイーサネット(登録商標)型プロトコルを用い特定の固有のアドレス(又は固有のグループのアドレス及び/又は他の識別子)を介して中央コントローラ202に対し識別可能となる。この様にして、中央コントローラ202は、結合されたLUCのネットワーク全体を介してイーサネット(登録商標)通信をサポートするように構成することができ、各LUCは自身に対する斯かる通信に応答することができる。一方、各LUCは、中央コントローラ202とのイーサネット(登録商標)通信に応答して、該LUCに結合された1以上の照明ユニットに対し照明制御情報を、例えばイーサネット(登録商標)、DMX又は直列型プロトコルを介して通知することができる(この場合、照明ユニットはLUCからイーサネット(登録商標)、DMX又は直列型プロトコルで受信された情報を解釈するように適切に構成される)。
【0078】
一実施例によれば、LUC208A、208B、及び208Cは、中央コントローラ202が、照明制御情報を照明ユニット100に供給することができる前にLUCにより解釈されることを要するような一層高いレベルのコマンドを該LUCに通知するように構成することができるという点で"知的"であるように構成することができる。例えば、照明ユニットの互いの特定の配置が与えられている場合に、照明システムの操作者が、伝搬する虹の色の見え方("虹の追跡")を生じるように、色を照明ユニットから照明ユニットへと変化させるような色変化効果を発生するように欲するかも知れない。この例の場合、操作者は、中央コントローラ202に簡単な"虹の追跡"命令を供給すればよく、これに対して、該中央コントローラは1以上のLUCに対しイーサネット(登録商標)型プロトコルを用いて該虹の追跡を発生させるための高いレベルのコマンドを通知することができる。該コマンドは、例えば、タイミング、輝度、色調、彩度又は他の関連する情報を含むことができる。或るLUCが斯様なコマンドを受信した場合、このLUCは該コマンドを解釈し、更なるコマンドを1以上の照明ユニットに種々のプロトコル(例えば、イーサネット(登録商標)、DMX、直列型等)のうちの何れかを用いて通知することができ、これに応答して、これら照明ユニットの各光源は種々の信号処理技術の何れか(例えば、PWM)を介して制御される。
【0079】
他の実施例によれば、照明ネットワークの1以上のLUCは、複数の照明ユニット100の直列接続に結合することができる(例えば、2つの直列接続された照明ユニット100に結合された図2のLUC208A参照)。このような実施例の一態様において、この様にして結合された各LUCは、複数の照明ユニットと、幾つかの例を先に説明した直列型通信プロトコルを用いて通信するように構成することができる。一例示的構成例では、或るLUCは、中央コントローラ202及び/又は1以上の他のLUCとイーサネット(登録商標)型プロトコルを用いて通信する一方、複数の照明ユニットと直列型通信プロトコルを用いて通信するように構成することができる。この様にして、LUCは、或る意味では、照明命令又はデータをイーサネット(登録商標)型プロトコルで受信すると共に、これら命令を複数の直列接続された照明ユニットに直列型プロトコルを用いて受け渡すプロトコル変換器と見ることができる。しかしながら、種々の可能なトポロジで配置されたDMX型照明ユニットを含む他のネットワーク構成例では、或るLUCは、同様に、照明命令又はデータをイーサネット(登録商標)型プロトコルで受信すると共に、DMXプロトコルでフォーマッティングされた命令を受け渡すプロトコル変換器と見ることができると理解されたい。ここでも、本発明の一実施例により照明システムにおいて複数の異なる通信構成(例えば、イーサネット(登録商標)/DMX)を用いる上述した例は、解説の目的のみのものであり、本発明は該特定の例に限定されるものではないと理解されるべきである。
【0080】
上記説明から、上述した1以上の照明ユニットは、広範囲の色にわたる高度に制御可能な可変色光、及び広範囲の色温度にわたる可変色温度白色光を発生することができることが分かるであろう。
【0081】
本発明の特定の態様は、参照により本明細書に組み込まれるCunninghamの米国特許第6,683,423号("Cunninghamの423特許")に概説された照明器具、更に特定的には、斯様な照明器具の一部として使用するのに適したものであって、選択された色を持つ光を生成するように構成された照明装置に関するものである。本発明の幾つかの態様は、更に、劇場用途に有用な光スペクトルを供給するために斯様な照明器具を動作させる方法に関するものである。
【0082】
例えば、本発明の一態様は、例えばカラーフィルタを備える又は備えない所定の光源により生成される光ビームのものを模したスペクトルを含むような、制御された光束スペクトルを持つ光ビームを生成する照明装置に関するものである。該照明装置は、複数の群の発光デバイスを含み、斯様な各群はピーク光束波長及び所定のスペクトル半値幅を備える別個の光束スペクトルを有する光を放出するように構成される。例示的な限定するものでない構成例では、各群のスペクトル半値幅は約40ナノメートル(nm)未満とすることができ、これら群は、各群のピーク光束波長が他の群のものから約50nmより少なく離隔されるように構成することができる。該照明装置は、更に、選択された量の電力を上記発光デバイスの群に供給して、これら群が所定の光束スペクトルを持つ光の複合ビームを生成すべく協動するように構成可能(configurable)なコントローラを含む。
【0083】
本発明の他の態様は、白熱電球を持つ所定の光源により生成される光ビームのものを模した光束スペクトルを有する光ビームを生成するために、照明器具の一部として使用するのに適した照明装置に向けられたものであり、斯様な光源は当該電球により放出される光の光束スペクトルを修正するフィルタを有さない。該照明装置は、複数の群の発光デバイスを有すると共に、更に、これら発光デバイスの群に選択された量の電力を供給するように構成可能なコントローラも含む。これらの群は、協動して、模擬されるべき前記所定の光源により生成される光ビームの光束スペクトルに対し、可視スペクトルにわたり約30%未満の正規化された平均偏差しか有さないような所定の光束スペクトルを持つ複合光ビームを生成する。
【0084】
本発明の更に他の態様は、所定の光束スペクトルを持つ光ビームを生成する照明装置であって、複数の群の発光デバイスのうちの少なくとも2つが異なる数のデバイスを含むような照明装置に向けられたものである。該照明装置は、上記発光デバイスの群に選択された量の電力を供給するように構成可能なコントローラを更に含み、かくして、これらは協動して所定の光束スペクトルを持つ複合光ビームを生成する。各群における上記特定の数は、当該照明装置が特定の光源により供給される光束スペクトルを模するために使用される場合に特定の利点を有するように選択することができる。例えば、上記数は、上記コントローラが上記群の全てに対して最大の電力を供給する場合に、結果としての複合光ビームが、模擬されるべき光ビームのものと密に合致するような光束スペクトルを持つように選択することができる。
【0085】
本発明の更に他の態様は、5以上の群の発光デバイスを含むと共に、これら5以上の群の発光デバイスに対して斯かる群が協動して所定の光束スペクトルを持つ複合光ビームを生成するような選択された量の電力を供給するように構成可能なコントローラを更に含む照明装置に向けられたものである。幾つかの実施例において、当該照明装置は、該照明装置により発生される複合光ビームの光束スペクトルの一層大きな制御を容易化するために、8以上の斯様な群の発光デバイスを含むことができる。特定の構成例において、上記発光デバイスの群は、各々、複数の発光ダイオード(LED)を含むことができる。更に、当該照明装置は、オプションとして、後に詳述するように、放出された光を収集すると共に上記複合光ビームを該照明装置から投射する光学アセンブリを採用することができる。
【0086】
幾つかの構成例において、本発明は、選択された色を持つ光ビームを投射するよう構成された照明器具を目論むものである。該照明器具は、狭帯域カラーの範囲で光を放出するよう構成されたLEDのアレイを含むことができる。該LEDのアレイに結合されたコントローラは、選択された量の電力を斯かるLEDに供給して、当該照明器具から放出される合成された光が所定の複合光束スペクトルを持つように構成することができる。上記LEDのアレイは、斯かるLEDからの熱の放散を容易化するために、ハウジング内のヒートシンク上に取り付けることができる。幾つかの構成例において、上記LED群の波長帯域は実質的に全可視スペクトル、即ち約420ナノメートル(nm)から約680nmまでにまたがることができる。本発明の実施例に使用するのに適した上記所要の色及び高輝度で光を放出するLEDは、例えば、ノースカロライナ州、ダーハムのCree・インク又はカリフォルニア州サンホセのフィリップス・ルミレッドから得ることができる。
【0087】
図3Aないし4Dは、本発明の種々の態様による劇場照明に適した劇場用照明器具及び該照明器具の幾つかの構成部品を示す。特に、後に詳述するように、本発明は従来の照明器具と比較して改善されたエネルギ効率、低減された重量及び/又は長い照明器具寿命を提供する照明器具を目論むものである。ここで述べる種々の実施例において、照明器具は、1以上のLED照明ユニット及び1以上のヒートシンクを採用して、斯かるLED照明ユニット及び/又は種々の電気部品の両者により発生される熱を効果的に除去する冷却空気経路を設けることができる。本発明による照明器具の一実施例は、リアルタイムの、動的な、制御可能な色変化能力を提供する。一構成例において、本発明による劇場用照明器具は、従来の照明器具により発生される光のスペクトルを模擬する光出力を発生する。
【0088】
本発明の幾つかの実施例において、照明器具300は、図3A及び3Bに示されるように、レンズフード310、1以上のレンズ315、ハウジング320、端部ユニット330、ヨーク340及びLED型照明アセンブリ350を含んでいる。LED型照明アセンブリ350は、上述したように1以上の光源104を含むことができる。該照明器具300の種々の構成部品は、当該照明器具の分解を容易にして斯かる部品の点検及び保管の容易さを可能にするために、モジュール部品として組み立てることができる。動作時に、例えば演壇又はセット用途において、照明器具300は、ヨーク340に取り付けられるクランプを介して、如何なる従来の支持構造(図示略)上にも、如何なる所望の向きでも取り付けることができる。
【0089】
一実施例において、レンズフード310はダイキャストアルミニウム又はポリカーボネイト等のプラスチックからなることができ、ハウジング320及び端部ユニット330もポリカーボネイト等のプラスチックを有することができる。上述した照明部品の幾つか又は全ては、モールディング、キャスティング、スタンピング等の適切な方法を用いて製造することができる。一構成例において、レンズフード310は1以上の交換可能な光学レンズ315を受入するように構成することができる。1以上の光学レンズ315は、例えば、他の構造も考えられるが、カバーレンズ及びスプレッドレンズを含むことができる。光学レンズ(又は複数の光学レンズ)315は、所望の照明効果又はパターンを達成する(例えば、連続した光ビームを所望の角度で供給する)ように選定することができる。例えば、幾つかの構成例では、照明器具300は、ウォッシュ効果を提供するためのLEDコリメータ及びスプレッドレンズを含み、2段光学系を採用する。結果としての光出力は、種々のビーム角度における光の一様なパターンとなり得る。幾つかの実施例では、拡散器も採用することができ、該拡散器は例えばコリメータレンズから約100mmに配置することができる。
【0090】
上述したように、幾つかの実施例では、レンズフード310は、当該照明器具300が支持構造体に取り付けられる前又は後の何れかに、所望のビームの広がりを得るために光学レンズ(又は複数の光学レンズ)315を交換することができるように構成することができる。例えば、幾つかの構成例においては、少なくとも4つの基本的光分布を達成することができる。即ち、非常に狭いスポットパターンは明るい(clear)カバーレンズとコリメータとを用いて実現することができ、狭いスポットは拡散器(例えば、±5度の拡散器)のみを用いて実現することができ、中間の(例えば、12度x18度のビーム角)又は広い(例えば、17度x27度のビーム角)フラッドライトはスプレッドレンズを拡散器と共に使用することにより実現することができる。幾つかの構成例では、所望のビーム角を形成するために、光学レンズは拡散器又は枕状光学系(pillow optics)を含むことができる。本発明の幾つかの実施例によるLEDコリメータは、図4Aないし4Dを参照して説明する。
【0091】
幾つかの実施例において、LED型照明アセンブリ350は、図3Cに示されるように、LEDモジュール360、ヒートシンク364、シュラウド366、高電圧電源回路基板368、ドライバ回路基板370及び372、取付プレート374並びにファン376を含んでいる。種々の構成例において、ハウジング320は、空気取り入れのための複数の開口を画定することにより、アセンブリ350により発生される熱の効率的な放散を容易にするよう構成することができる。以下に更に詳述するように、本発明の種々の実施例は、当該照明器具300のLEDモジュール360並びに電力及び制御部品により発生される熱を除去するための冷却空気の経路を設けるよう構成され、結果として照明アセンブリ350の改善されたエネルギ効率及び性能が得られる。
【0092】
幾つかの実施例において、LEDモジュール360は、更に後述するように、複数の光源104を含むと共に、単一の印刷回路基板(図3Eに示されるように)として構成することができる。LEDモジュール360は、隣接する光源104の間に位置されるネジを用いて、又は、これらに限定されるものではないがボルト若しくは接着剤を含む如何なる他の好適な固定手段をも用いて、ヒートシンク364に取り付けることができる。LEDモジュール360は、更に、印刷回路基板362とヒートシンク364との間の熱的接続を形成すると共に電気的な絶縁を維持するために、ヒートシンク364上に配置された中間ギャップパッドを有している。図3A〜3Cを参照すると、ヒートシンク364は、冷却空気と接触する該ヒートシンクの表面積を増加させるためにフィン365を含むことができ、該冷却空気はヒートシンク364内へ及び該ヒートシンクを介すると共にシュラウド366を介して上方へとファン376の作用により照明器具300内に導入される。従って、熱は、LEDモジュール360からヒートシンク364のフィン365を介して伝達すると共に、ファン376により確立される空気の流れにより移送することができる。一構成例において、フィン365は、ハウジング320の開口325に実質的に整列される。ヒートシンク364は、例えばダイキャスト成形又は加工によってアルミニウム又は如何なる他の熱伝導性材料からなることもできる。本発明の他の構成例においては、改善された熱の除去のために上記ヒートシンクの表面積を増加させるべく、フィン365以外の又はフィン365に加えた構造を使用することもできる。
【0093】
一実施例において、シュラウド366は、上記冷却空気の流れを、高電圧電源回路基板368並びにドライバ回路基板370及び372に向け、これにより、これらにより発生された熱を除去する。シュラウド366は、アルミニウム又はプラスチックからなることができ、モールディング、キャスティング、スタンピング又は如何なる他の好適な手段によっても製造することができる。幾つかの実施例において、取付プレート374は、シート状金属を有し、スタンピングにより製造することができる。ファン376は、当業者により既知の多数の容易に入手可能なファンの何れかから選択することができる。特に、低騒音ファンを使用することができる。ファン376は、上記冷却空気を取付プレート374の開口を介して端部ユニット330へと導入することができる。従って、照明器具300はLEDモジュール360並びに1以上の種々の電力及び制御部品の両方により発生される熱の効果的除去を行う。この改善された熱の放散は、結果として、改善されたエネルギ変換及び一層良好な性能及び当該部品の長寿命、そして、最終的に当該照明器具の向上された信頼性及び性能につながる。
【0094】
図3A〜3Dに示されるように、幾つかの構成例では、高電圧電源回路基板368は、汎用のAC入力(85〜264VAC、50/60Hz)を受け、350ワットまでで約400VDCを出力するような印刷回路基板アセンブリとすることができる。更に、電源368は、力率補正されたもとすることができると共に、低ライン電圧(85VAC)においては90%以上に効率的であり、110VAC及びそれ以上では95%より効率的なものとすることができる。一構成例において、電源368は、高出力電力のために"フィックスド・オフ・タイム(Fixed-Off-Time)"構成で使用されるSTエレクトロニクス社(テキサス州、キャロルトン)から入手可能なL6563コントローラチップの周りに構築することができる。一構成例において、電源368は、標準の、市販の部品及び少なくとも1つの特注インダクタを用いて作製することができる。大きな押出加工されたヒートシンクを該電源回路基板368上に統合することができ、ダイオードブリッジ、スイッチングFET及びスイッチングダイオードを該ヒートシンクに放熱グリスを介して取り付けることができ、かくして、該ヒートシンク及び上記スイッチングダイオードは互いに電気的に絶縁される。また、電源368は、電源制御基板384(図3Dに関連して後に更に説明する)及びファン376に対し、500マイクロアンペアで12VDCの低電圧DCバイアス出力を供給することができる。一構成例において、パワー・インテグレーションのTNY回路(カリフォルニア州、サニーベイルのパワー・インテグレーション社から入手可能)を使用し、400V DCバス電圧から動作するように適合させることができる。このような回路は、所望の構造を達成するために巻数及び巻線の調整を含む、小型の特注のトランスを必要とし得る。
【0095】
図3Dに示されるように、LEDモジュール360の光源104はドライバ回路基板370及び372に接続されている。LEDモジュール360上に配置された温度センサからの信号も、ドライバ370及び372に接続することができる。図3A〜3Dの図示の例において、ドライバ370及び372の各々は、誘導的駆動技術を用いて4つのLEDのストリング(列)を駆動することができる。ドライバ基板370及び372は、高電圧電源368から400VのDCバス電圧を受けることができ、制御基板384からドライバ基板370及び372への照明制御信号(又は照明コマンド)の通知は、半二重差動マスタ/スレーブ構成の光学的に絶縁された高速直列バスを介してのものとすることができる。一構成例において、ドライバ基板370及び372は直列バスのスレーブとすることができ、制御基板384(図3Fを参照して詳述する)は直列バスのマスタとすることができる。
【0096】
一態様において、ドライバ基板370及び372の各々は2つのプロセッサ、即ちパルス幅変調(PWM)プロセッサ及び帰還プロセッサを含む。上記PWMプロセッサは、制御基板384からの照明コマンドを翻訳することができ、4つのLED誘導性ドライバの各々に対してデジタルPWM信号を発生することができる。一態様において、後に更に詳述するように、制御基板384により供給され、PWMプロセッサにより処理された所与の照明コマンドは、"nタプル"のチャンネル値を含むことができ、該nタプルのチャンネル値は当該LEDモジュールにおける複数のLED光源の各々の異なる色又は色温度に対して1つの値を含む(例えば、[RGB]コマンドフォーマットに関する図1に関連して上述した説明参照)。上記帰還プロセッサは、各LEDストリングの電圧及び電流を監視する及び温度センサ入力を監視する等の、校正及び監視機能を実行することができる。一方又は両方のプロセッサは光学的に絶縁された直列バス上に配置することがきると共に、これらは高速応答の故障検出及びチャンネル不能化を行うために直接的な絶縁されたデジタル接続を有することもできる。一構成例において、上記PWMプロセッサ及びLEDドライバは400VのDC入力の低電位側に関連付けることができる一方、上記帰還プロセッサは高電位側に関連付けることができる。一構成例において、上記直列バスは制御基板384により給電することができると共に、該制御基板384に関連付けることができる。
【0097】
一構成例において、LEDモジュール360は回路基板362上でアレイに構成された光源104を含んでいる。図3Eに示されるように、8つの異なる色、即ちロイヤルブルー(λ=455〜460nm)、青(λ=470〜475nm)、シアン(λ=505〜510nm)、緑(λ=525〜530nm)、琥珀色1(λ=585〜590nm)、琥珀色2(λ=595〜600nm)、赤/オレンジ(λ=615〜620nm)及び赤(λ=630〜635nm)を光源104により表すことができる。本発明はこの点で限定されるものではなく、他の色の組又は部分組を本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく想定することができる。
【0098】
幾つかの実施例において、所与の色の光源104は直列に接続されて、各色当たり1つのストリングで、8個のストリングの光源104を設けることができる。図3Eに示されるように、光源104は概ね円状の六角形で詰め込まれたパターンに配列することができ、各色は当該照明器具300からの複合出力ビームの色混合を補助するためにランダムに分散されている。しかしながら、光源104は如何なる好適な配列で構成することもでき、本発明の実施例は、この点で限定されるものでないと理解されるべきである。下記の表1は光源104の構成の一例及びそれらの動作的特性を示す。
【表1】
【0099】
一構成例において、光源104はノースカロライナ州、ダーハムのCree社から入手可能なXR-E 7090 LEDユニットを含むことができる。
【0100】
幾つかの実施例において、LEDモジュール360は、当該印刷回路基板362にわたって分散された温度センサ(図示略)を付加的に使用することができる。該温度センサは、例えば、サーミスタ又は当業者により広く知られた他の適切な温度感知デバイスを含むことができる。一構成例において、印刷回路基板362は4つの層を有することができ、その場合に、最下層は熱伝達のための複数のビアを持つ連続した銅の面である。信号の伝達は、光源104に隣接する最上層及び2つの内部層上で行うことができる。一構成例において、上記最下層とヒートシンク364との間の短絡の危険性を低減するために、上記最上層と内部層との間に盲ビアを設けることができる。図3Eに関連して印刷回路基板362内の層の特別な配置を説明したが、種々の構成例は1以上の層を持つ多数の異なる印刷回路基板の構成の何れかを含むことができると理解されるべきである。
【0101】
図3Fを参照すると、一構成例において、端部ユニット330は照明器具300のための種々の制御回路/デバイスを収容することができる。一態様において、端部ユニット330は3つの印刷回路基板、即ち制御基板384(図3Dに関連して上述した)、コネクタ基板380及びメモリカード基板382を収容することができる。一態様において、制御基板384及び当該端部ユニット内に配置される他の基板は、前記LED型照明アセンブリのドライバ基板及び電源基板から実質的に熱的に隔離されている。
【0102】
制御基板384は、例えばマイクロチップ・テクノロジ社(アリゾナ州、チャンドラー)から入手可能なdsPIC33FJ256GP710チップ等のマイクロチップを採用した主制御プロセッサを含むことができる。幾つかの構成例において、制御基板384は、DMX入力及び/又はイーサネット(登録商標)入力を受信する(図3Fに示すコネクタ基板380の1以上のコネクタを介して)と共に、イーサネット(登録商標)出力(例えば、ドライバ370及び372を制御するための)を供給するように構成することができる。例えば、第1マイクロチップ(例えば、マイクロチップENC28J60)は10メガビットのイーサネット(登録商標)・インターフェースを設けるために使用することができ、第2マイクロチップ(例えば、マイクロチップTC664)はファンの制御及び帰還を行うために使用することができる。このようなマイクロチップは、マイクロチップ・テクノロジ社(アリゾナ州、チャンドラー)又は如何なる他の好適な供給源からも得ることができる。制御基板384には、前記高電圧電源368から12VのDC入力電力を供給することができる。幾つかの構成例において、入力電力は、スイッチングレギュレータ(例えば、LM2594スイッチングレギュレータ)により5VのDCまで下降調整することができると共に、線形レギュレータ(例えば、LT1521線形レギュレータ)により更に3.3VのDCまで下降させることができる。上述したレギュレータは、例えば、カリフォルニア州、ニューベリー・パークのセムテック社から入手することができる。昇圧コンバータ(例えば、カリフォルニア州、トランスのICプラス社から入手可能なMAX8574コンバータ)を、プロセッサ制御の下で、OLED表示器(又は何れかの他のタイプの表示器)のための12VのDCバイアス電源を発生するために使用することができる。
【0103】
一構成例において、上記制御基板は、発生される照明の所望の出力色又は色温度を表す少なくとも1つの入力信号を入力すると共に、該少なくとも1つの入力信号を処理して、nタプルのチャンネル値を含むような照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給し、その場合において、該nタプルのチャンネル値は当該複数のLED光源の各々の異なる色又は色温度に対して1つの値を含む。例えば、8個の異なる色のLED光源が存在する構成例においては、上記制御基板は、出力として、各コマンドが各々の異なる色に対して8つの異なる相対輝度値を含むような照明コマンドを供給し、かくして、指定された割合の上記8つの色が混合された場合に所望の色又は色温度の照明が達成されるようにする。一構成例において、上記制御基板に対する入力信号は、多次元色空間における所望の出力色の表現を含み、該制御基板は該多次元色空間における上記所望の出力色の表現を、nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするように構成される。例示として、更に後述するように、上記多次元色空間は色相彩度明度(HSB)色空間、赤緑青(RGB)色空間又はCIE色空間を含むことができる。他の構成例においては、後にも詳述するように、上記制御基板に対する入力信号は、光源スペクトル及びジェルフィルタ色を定める<光源,フィルタ>対の形態での所望の出力色の表現を含むことができ、該制御基板は該<光源,フィルタ>対をnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするように構成することができる。
【0104】
一態様において、制御基板384は、光源104の各ストリングを制御するためのPWM値を、少なくとも部分的にコマンド入力(例えば、コネクタ基板380を介してDMX又はイーサネット(登録商標)フォーマットで入力された)及び前記温度センサからの帰還(フィードバック)並びに他のパラメータに基づいて計算する。該制御基板384は、ユーザインターフェース(後に、より詳細に説明する)を更新及び監視すると共に、ファン376の速度をユーザにより制御されるモード及び/又は温度フィードバックの選択に基づいて制御することができる。また、前記主制御プロセッサは、当該照明器具300の電気的校正をドライバ370及び372における校正プロセッサから入力されるデータを介して実行するように構成することができる。
【0105】
幾つかの実施例において、制御基板384は、図3Fに示されるようにグラフィックス表示器387及び接触式スイッチ釦389を含むユーザインターフェース385を付加的に有することができる。上記グラフィックス表示器は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)表示器とすることができる。一構成例において、ユーザインターフェース385は、ユーザが複数のカラーモードのうちの1つを選択することにより当該照明装置により出力されるべき光の色を指定することができるように構成することができる。例えば、第1のカラーモードにおいて、ユーザは、LEDのストリング値の各々に対して直接的に色選択を指定することができる。これは、例えば、8ビットの低減された又は16ビットの全分解能を用いて達成することができる。第2のカラーモードでは、ユーザは、色相彩度明度(HBS)又は赤緑青(RGB)等の標準の色空間を選択することができる。第3のカラーモードでは、ユーザは、当該照明装置から出力される白色光の色温度を変化させることが可能な白色モードを選択することができる。第4のカラーモードでは、ユーザは、CIE色空間における国際照明委員会(CIE)座標を選択することができる。3次元空間であるHSB及びRGB色空間とは対照的に、CIE色空間は2次元空間である。
【0106】
第5のカラーモードにおいて、ユーザは、従来の照明システムで使用された標準値に対応する光源及びジェル数を定める<光源,フィルタ>対を選択することができる。該第5のカラーモードにおいて、本照明器具は、標準の<光源,フィルタ>値が供給された場合、白熱電球又はガス放電ランプ及び標準のカラー又はダイクロイックフィルタを使用した従来の照明システムのものを密に近似するような光出力を発生することができる。更に詳細には、種々の構成例において、本発明は、ユーザが、当該LED照明器具が可能な限り密に複製する光源スペクトル(HPL750等の)及びジェルカラー(Rosco85又はR85等の)を選択するのを可能にすることにより、多スペクトル光源に対してコマンド化された出力色を指定する方法を目論んでいる。幾つかの構成例において、このようなコマンド方法は、(i)光源スペクトル及びジェル吸収スペクトルの光度的測定、(ii)複数のLEDスペクトル光源の各々の正確な測定及び校正、及び(iii)多スペクトル照明器具上の<光源,フィルタ>対をnタプルの個々のチャンネル値にマッピングして、動作温度及び個々のチャンネル測光系を調整することができるファームウエアを含むことができる。ここで述べる光源のスペクトル制御機能は、投射される光のスペクトルを、照明されている表面の既知の光吸収プロファイルに基づいて調整するのを可能にする。種々の構成例において、<光源,フィルタ>対をnタプルの個々のチャンネル値にマッピングする本発明による方法は、劇場照明システムを表現又は記述する連立方程式に対する解を近似するために1以上の数学的最適化方法を使用することができる。
【0107】
ここでは5つの異なるカラーモードが説明されたが、前記ユーザインターフェース及び制御基板384上の関連する回路は、種々の所望の光出力の何れかを生成するようにプログラムし又は構成することができ、本発明は、この点で、限定されるものではないと理解されるべきである。
【0108】
幾つかの構成例において、主プロセッサ基板384は、電源入力、コネクタ基板380、メモリカード基板382、OLED表示器又はファン出力に対する接続のための種々のコネクタを更に使用することができる。制御基板384は、図3Dに関連して上述したように、ドライバ基板370及び372への直列バスの備えを更に含むことができる。メモリカード基板382は、オプションとして、安全デジタル(SD)カード又はデジタルメディアを記憶するための他の適切なメモリデバイスを含むことができる。一構成例において、上記SDカード(又は他の記憶媒体)は、照明器具300のための構成(コンフィギュレーション)データを記憶するために使用することができる。
【0109】
本発明の他の態様によれば、種々の光学系を、光源104から放出される光の方向又は焦点を変えるために使用することができる。図4A及び4Bに示されるように、コリメータ400は、単一の光源104を完全に覆って、該光源により発生された光を略平行化されたビームへと再指向させる。例えば、該閉じられた光源104からの光出力が110度の円錐を画定する場合、コリメータ400は該光を10度の円錐光へと再指向させることができる。
【0110】
再び図3Eを参照すると、図示の一例において、各光源104は自身のコリメータ400と結合することができる。一構成例において、斯かるコリメータ400のうちの少なくとも幾つかは、中心レンズ系を有すると共にポリカーボネイト材料から形成された全内部反射型コリメータとすることができる。このようなコリメータ400は、製造の間における容易なモールディング工程を可能にするゲート(gate)を有することができる。図4Bを参照すると、一態様において、当該LEDからの上記中心レンズ系の距離は、該LEDの像を10度の半値全幅(FWHM)内に含むように選択することができ、該コリメータの他の面は、当該光を10度の半値全幅領域内に再指向させるような面を回転形成する複素bスプライン曲線として構成することができる。
【0111】
幾つかの実施例において、コリメータ400は印刷回路基板362に図4C及び4Dに示されたコリメータホルダ410等の機械的ホルダを用いて取り付けることができる。もっとも、他の実施例では、焦点光学系及びホルダを単一の取付構造体に統合することもできる。コリメータホルダ410は、プラスチックからなることができ、例えばモールディング工程により製造することができ、図3Eに図示した光源104のアレイの構成を設けるのを容易化するように整形することができる。図4C及び4Dに図示した特定の構成例においては、単一のコリメータホルダ410は、印刷回路基板362に取り付けられた場合に、隣接するコリメータホルダ410の間にギャップを設けるように整形することができる。このような設計は、LEDモジュール360をヒートシンク364に接続するネジ/コネクタに対するアクセスを容易にさせる。
【0112】
本発明の一構成例においては、照明器具300を製造する工程の間に、コリメータホルダ410が印刷回路基板362に取り付けられる。次いで、コリメータ400を、ホルダ410内に配置し、例えば熱杭ピン(heat stake pin)により定位置に固定することができる。幾つかの構成例において、コリメータホルダ410は、圧入(press fit)を用いて光源104に位置合わせすることができる。ホルダ410が印刷回路基板362に取り付けられた後、コリメータ400をホルダ410内に配置することができる。図4Dに示されるように、ホルダ410は、コリメータ400が如何なる傾き又は傾斜も有さないことを保証するために、該ホルダ内に1以上の(例えば、3つの)案内リブ414を有することができる。1以上の熱杭ピン412を、コリメータ400を印刷回路基板362に対して定位置に固定するために使用することができる。
【0113】
以上、ここでは幾つかの本発明実施例を説明及び図示したが、当業者であれば、ここで述べた機能を実行し、及び/又はここで述べた結果及び/又は利点の1以上を得るための種々の他の手段及び/又は構成を容易に思いつくであろう。そして、このような変形例及び/又は改変例の各々は、ここで述べた本発明実施例の範囲に入ると見なされるものである。もっと一般的には、当業者であれば、ここで述べた全てのパラメータ、寸法、材料及び構造は例示的なものを意味するもので、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構造は本発明の教示が使用される特定の用途に依存することが容易に分かるであろう。また、当業者であれば、通常の実験だけを用いて、ここで述べた固有の本発明実施例の多くの均等物を認識し、又は確認することができるであろう。従って、上述した実施例は例示としてのみ示されたもので、添付請求項の及びその均等物の範囲内において本発明実施例は、解説され及び請求項に記載されたもの以外で実施することができると理解されるべきである。本発明の発明的実施例は、ここで述べた個々のフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に関するものである。更に、2以上の斯様なフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の如何なる組み合わせも、これらのフィーチャ、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しないなら、本発明の発明的範囲内に含まれるものである。
【0114】
ここで規定及び使用された全ての定義は、辞書の定義、参照により本明細書に組み込まれた文献での定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を規制すると理解されるべきである。
【0115】
明細書及び特許請求の範囲で使用された単数形の表現は、特にそうでないと明示的に示されない限り、"少なくとも1つの"を意味すると理解されたい。
【0116】
明細書及び特許請求の範囲で使用された"及び/又は"なる表現は、そのように結合された要素の"何れか一方又は両方"(即ち、幾つかの場合には接続的に、他の場合には離接的に存在する要素)を意味すると理解されたい。"及び/又は"で掲げられた複数の要素も、同様に、その様に結合された要素の"1以上"と見なされるべきである。"及び/又は"なる表現により特に識別される要素以外に、他の要素も、上記特に識別された要素に関係があるか関係がないかに拘わらず、オプションとして存在し得る。このように、限定するものではない例として、"A及び/又はB"なる言及は、"有する"等の非制限的表現と一緒に使用された場合、一実施例ではAのみを示し(オプションとしてB以外の要素を含む)、他の実施例ではBのみを示し(オプションとしてA以外の要素を含む)、更に他の実施例ではA及びBの両方を示し(オプションとして他の要素を含む)、等々となる。
【0117】
明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、"又は"は上述した"及び/又は"と同じ意味を有すると理解されたい。例えば、リスト内で項目を分ける場合、"又は"又は"及び/又は"は包含的であると、即ち複数の要素又は要素のリストにおける少なくとも1つを含むのみならず、2以上を含み、オプションとして追加の掲載されていない要素も含む、と解釈されるべきである。"のうちの1つのみ"若しくは"のうちの正確に1つ"又は請求項で使用された場合の"からなる"等の、明らかに相容れないと示される用語だけは、複数の要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを示す。一般的に、ここで使用される"又は"なる用語は、"何れか"、"のうちの1つ"、"のうちの1つのみ"又は"のうちの正確に1つ"等の排他性の用語が先行した場合のみ、排他的代替物(即ち、"両方ではなく一方又は他方")を示すと解釈されるべきである。"から本質的になる"は、請求項で使用された場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有する。
【0118】
明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1以上の要素のリストに関連した"少なくとも1つ"なる表現は、該要素のリストにおける要素の何れか1以上から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、必ずしも該要素のリスト内に特別に掲げられた各々の全ての要素の少なくとも1つを含むものではなく、該要素のリストにおける要素の如何なる組み合わせも排除するものではない。この定義は、該"少なくとも1つ"なる表現が参照する当該要素のリスト内で特別に識別される要素以外に要素が、特別に識別された要素に関係するか関係しないかに拘わらず、オプションとして存在することも許容する。この様に、限定しない例として、"A及びBの少なくとも1つ"(又は等価的に"A又はBの少なくとも一方"、又は等価的に"A及び/又はBの少なくとも1つ")は、一実施例においては、Bは存在せず(オプションとして、B以外の要素を含む)に、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)Aを示すことができ、他の実施例では、Aは存在せずに(オプションとして、A以外の要素を含む)、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)Bを示すことができ、更に他の実施例では、少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)A及び少なくとも1つの(オプションとして2以上を含む)B(オプションとして他の要素を含む)を示すことができる。
【0119】
また、明瞭に反対に示さない限り、2以上のステップ又は作用を含む請求項の如何なる方法においても、該方法の上記ステップ又は作用の順序は、必ずしも、該方法のステップ又は作用が記載された順序に限定されるものではないと理解されるべきである。
【0120】
請求項及び明細書において、"有する"、"含む"、"担持する"、"持つ"、"含む"、"関わる"、"保持する"、"からなる"等の全ての移行句は、非制限的である、即ち含むが、限定されるものではない、ことを意味すると理解されるべきである。"からなる"及び"から本質的になる"なる移行句のみが、各々、制限的又は準制限的な句である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
劇場用照明を供給するモジュール型の照明器具であって、
当該照明器具を介して空気経路を設けるための少なくとも1つの第1開口を含む実質的に円筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたLED型照明アセンブリと、
を有し、前記LED型照明アセンブリが、
異なる色及び/又は異なる色温度を有すると共に印刷回路基板上に配置された複数のLED光源を含むLEDモジュールと、
前記複数のLED光源を制御する少なくとも1つの第1制御回路と、
当該照明器具を介する前記空気経路に沿って冷却空気の流れを供給する少なくとも1つのファンと、
を有し、当該照明器具が、更に、
前記ハウジングに着脱可能に結合されると共に、当該照明器具を介して前記空気経路を設けるための少なくとも1つの第2開口を含む端部ユニットと、
前記端部ユニット内に配置されると共に、前記少なくとも1つの第1制御回路に電気的に結合される一方、該第1制御回路から実質的に熱的に隔離される少なくとも1つの第2制御回路と、
を有し、前記LED型照明アセンブリが、前記冷却空気の流れを前記少なくとも1つの第1制御回路に向けて、少なくとも該少なくとも1つの第1制御回路により発生される熱を効果的に除去する照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第1制御回路が、
少なくとも1つの電源回路基板と、
少なくとも1つのドライバ回路基板と、
を有している照明器具。
【請求項3】
請求項2に記載の照明器具において、前記LED型照明アセンブリが、
前記LEDモジュールに結合されると共に、前記ハウジングの前記少なくとも1つの第1開口に実質的に整列された複数のフィンを含むヒートシンクと、
前記ヒートシンクに近接して配置されると共に、前記冷却空気の流れを前記少なくとも1つの電源回路基板及び前記少なくとも1つのドライバ回路基板に向けるシュラウドと、
少なくとも前記少なくとも1つの電源回路基板及び前記少なくとも1つのドライバ回路基板を取り付けるためのものであって、当該照明器具を介して前記空気経路を設けるための開口を有する取付プレートと、
を更に有する照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の照明器具において、前記ハウジングに結合され、1以上の光学レンズを収容するためのレンズフードを更に有する照明器具。
【請求項5】
請求項4に記載の照明器具において、前記1以上の光学レンズを更に含み、該1以上の光学レンズがカバーレンズ、スプレッドレンズ、拡散器及び/又は枕状光学系を含む照明器具。
【請求項6】
請求項5に記載の照明器具において、前記1以上の光学レンズは、少なくとも非常に狭いスポットビームの広がり、狭いスポットビームの広がり、中間のビームの広がり及び広いビームの広がりを得るために交換可能である照明器具。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の照明器具において、当該照明器具を取り付けるための前記ハウジングに結合されたヨークを更に有している照明器具。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の照明器具において、前記複数のLED光源が少なくとも8つの異なる色のLED光源を含んでいる照明器具。
【請求項9】
請求項8に記載の照明器具において、前記複数のLED光源は直列接続された光源の少なくとも8つのストリングを形成するように電気的に接続され、前記複数のLED光源は前記印刷回路基板上に概ね円状の六角形で詰め込まれたパターンで配列され、前記少なくとも8つの異なる色のLED光源が前記印刷回路基板上にランダムに分散されている照明器具。
【請求項10】
請求項2ないし9の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの電源回路基板が、力率補正(PFC)コントローラを含むと共に、約85ボルトから約240ボルトまでの範囲のAC電圧入力を受ける一方、約400ボルトの第1DC出力電圧及び約12ボルトの第2DC出力電圧を供給する照明器具。
【請求項11】
請求項2ないし10の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つのドライバ回路基板が前記複数のLED光源を駆動するために誘導的駆動技術を実施する照明器具。
【請求項12】
請求項11に記載の照明器具において、前記少なくとも1つのドライバ回路基板が、
デジタルパルス幅変調(PWM)信号を前記少なくとも1つの第2制御回路から入力される少なくとも1つの制御信号に基づいて発生するパルス幅変調プロセッサと、
校正機能、及び/又は電圧、電流及び温度のうちの1以上の監視を含む監視機能を実施するための帰還プロセッサと、
を有する照明器具。
【請求項13】
請求項12に記載の照明器具において、前記LEDモジュールが該LEDモジュールの温度を監視するための少なくとも1つの温度センサを含み、前記帰還プロセッサにより実施される前記監視機能が前記LEDモジュールの温度の監視を含む照明器具。
【請求項14】
請求項8ないし13の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つのドライバ回路基板が、
前記少なくとも8つの異なる色のLED光源のうちの第1の群の4つの色を制御する第1ドライバ回路基板と、
前記少なくとも8つの異なる色のLED光源のうちの第2の群の4つの色を制御する第2ドライバ回路基板と、
を含む照明器具。
【請求項15】
請求項2ないし14の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第2制御回路は当該照明器具の所望の出力色を表す少なくとも1つの入力信号を入力し、該入力信号に基づいて前記少なくとも1つの第2制御回路は前記少なくとも1つのドライバ回路基板に対してnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給し、該nタプルのチャンネル値が前記複数のLED光源の異なる色又は色温度の各々に対して1つの値を含む照明器具。
【請求項16】
請求項15に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の多次元色空間における表現を含み、前記少なくとも1つの第2制御回路が前記所望の出力色の前記多次元色空間における表現を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングする照明器具。
【請求項17】
請求項15に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の光源スペクトル及びジェルフィルタカラーを規定する<光源,フィルタ>対の形態での表現を含み、前記少なくとも1つの第2制御回路が前記<光源,フィルタ>対を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングする照明器具。
【請求項18】
請求項15ないし17の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第2制御回路は前記少なくとも1つの入力信号を少なくとも1つのDMXフォーマットの及び/又はイーサネット(登録商標)フォーマットの入力信号として入力すると共に、前記少なくとも1つのドライバ回路基板に対して前記少なくとも1つの制御信号を少なくとも1つのイーサネット(登録商標)フォーマットの制御信号として供給する照明器具。
【請求項19】
請求項18に記載の照明器具において、前記イーサネット(登録商標)フォーマットの制御信号が前記少なくとも1つのドライバ回路基板に半二重差動マスタ/スレーブ構成の光学的に絶縁された高速直列バスを介して供給される照明器具。
【請求項20】
請求項2ないし19の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第2制御回路はグラフィックス表示器を含むユーザインターフェースを含み、該ユーザインターフェースはユーザが当該照明器具により出力されるべき光の色を複数のカラーモードのうちの1つを選択することにより指定するのを可能にする照明器具。
【請求項21】
請求項1ないし20の何れか一項に記載の照明器具において、前記LEDモジュールが前記複数のLED光源の各光源に対してコリメータを更に含む照明器具。
【請求項22】
請求項21に記載の照明器具において、前記LEDモジュールが前記複数のLED光源の各光源に対してコリメータホルダを更に含み、該コリメータホルダは前記印刷回路基板に1以上の熱杭ピンを介して取り付けられ、前記コリメータが該コリメータホルダ内に配置される照明器具。
【請求項23】
異なる色及び/又は色温度を持つ複数のLED光源を含む照明器具から劇場用照明を供給する方法において、
A)前記照明の所望の出力色又は色温度を表す少なくとも1つの入力信号を受けるステップと、
B)前記少なくとも1つの入力信号を処理して、前記複数のLED光源の各々の異なる色又は色温度に対して1つの値を含むnタプルのチャンネル値を含むような照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給するステップと、
を有する方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の多次元色空間における表現を含み、前記B)のステップが、前記所望の出力色の前記多次元色空間における表現を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の光源スペクトル及びジェルフィルタカラーを規定する<光源,フィルタ>対の形態での表現を含み、前記B)のステップが、前記<光源,フィルタ>対を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する方法。
【請求項26】
請求項23ないし25の何れか一項に記載の方法において、前記A)のステップが前記少なくとも1つの入力信号を少なくとも1つのDMXフォーマットの及び/又はイーサネット(登録商標)フォーマットの入力信号として受けるステップを有し、前記B)のステップが前記少なくとも1つの制御信号を少なくとも1つのイーサネット(登録商標)フォーマットの制御信号として供給するステップを有する方法。
【請求項1】
劇場用照明を供給するモジュール型の照明器具であって、
当該照明器具を介して空気経路を設けるための少なくとも1つの第1開口を含む実質的に円筒状のハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたLED型照明アセンブリと、
を有し、前記LED型照明アセンブリが、
異なる色及び/又は異なる色温度を有すると共に印刷回路基板上に配置された複数のLED光源を含むLEDモジュールと、
前記複数のLED光源を制御する少なくとも1つの第1制御回路と、
当該照明器具を介する前記空気経路に沿って冷却空気の流れを供給する少なくとも1つのファンと、
を有し、当該照明器具が、更に、
前記ハウジングに着脱可能に結合されると共に、当該照明器具を介して前記空気経路を設けるための少なくとも1つの第2開口を含む端部ユニットと、
前記端部ユニット内に配置されると共に、前記少なくとも1つの第1制御回路に電気的に結合される一方、該第1制御回路から実質的に熱的に隔離される少なくとも1つの第2制御回路と、
を有し、前記LED型照明アセンブリが、前記冷却空気の流れを前記少なくとも1つの第1制御回路に向けて、少なくとも該少なくとも1つの第1制御回路により発生される熱を効果的に除去する照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第1制御回路が、
少なくとも1つの電源回路基板と、
少なくとも1つのドライバ回路基板と、
を有している照明器具。
【請求項3】
請求項2に記載の照明器具において、前記LED型照明アセンブリが、
前記LEDモジュールに結合されると共に、前記ハウジングの前記少なくとも1つの第1開口に実質的に整列された複数のフィンを含むヒートシンクと、
前記ヒートシンクに近接して配置されると共に、前記冷却空気の流れを前記少なくとも1つの電源回路基板及び前記少なくとも1つのドライバ回路基板に向けるシュラウドと、
少なくとも前記少なくとも1つの電源回路基板及び前記少なくとも1つのドライバ回路基板を取り付けるためのものであって、当該照明器具を介して前記空気経路を設けるための開口を有する取付プレートと、
を更に有する照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の照明器具において、前記ハウジングに結合され、1以上の光学レンズを収容するためのレンズフードを更に有する照明器具。
【請求項5】
請求項4に記載の照明器具において、前記1以上の光学レンズを更に含み、該1以上の光学レンズがカバーレンズ、スプレッドレンズ、拡散器及び/又は枕状光学系を含む照明器具。
【請求項6】
請求項5に記載の照明器具において、前記1以上の光学レンズは、少なくとも非常に狭いスポットビームの広がり、狭いスポットビームの広がり、中間のビームの広がり及び広いビームの広がりを得るために交換可能である照明器具。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の照明器具において、当該照明器具を取り付けるための前記ハウジングに結合されたヨークを更に有している照明器具。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の照明器具において、前記複数のLED光源が少なくとも8つの異なる色のLED光源を含んでいる照明器具。
【請求項9】
請求項8に記載の照明器具において、前記複数のLED光源は直列接続された光源の少なくとも8つのストリングを形成するように電気的に接続され、前記複数のLED光源は前記印刷回路基板上に概ね円状の六角形で詰め込まれたパターンで配列され、前記少なくとも8つの異なる色のLED光源が前記印刷回路基板上にランダムに分散されている照明器具。
【請求項10】
請求項2ないし9の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの電源回路基板が、力率補正(PFC)コントローラを含むと共に、約85ボルトから約240ボルトまでの範囲のAC電圧入力を受ける一方、約400ボルトの第1DC出力電圧及び約12ボルトの第2DC出力電圧を供給する照明器具。
【請求項11】
請求項2ないし10の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つのドライバ回路基板が前記複数のLED光源を駆動するために誘導的駆動技術を実施する照明器具。
【請求項12】
請求項11に記載の照明器具において、前記少なくとも1つのドライバ回路基板が、
デジタルパルス幅変調(PWM)信号を前記少なくとも1つの第2制御回路から入力される少なくとも1つの制御信号に基づいて発生するパルス幅変調プロセッサと、
校正機能、及び/又は電圧、電流及び温度のうちの1以上の監視を含む監視機能を実施するための帰還プロセッサと、
を有する照明器具。
【請求項13】
請求項12に記載の照明器具において、前記LEDモジュールが該LEDモジュールの温度を監視するための少なくとも1つの温度センサを含み、前記帰還プロセッサにより実施される前記監視機能が前記LEDモジュールの温度の監視を含む照明器具。
【請求項14】
請求項8ないし13の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つのドライバ回路基板が、
前記少なくとも8つの異なる色のLED光源のうちの第1の群の4つの色を制御する第1ドライバ回路基板と、
前記少なくとも8つの異なる色のLED光源のうちの第2の群の4つの色を制御する第2ドライバ回路基板と、
を含む照明器具。
【請求項15】
請求項2ないし14の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第2制御回路は当該照明器具の所望の出力色を表す少なくとも1つの入力信号を入力し、該入力信号に基づいて前記少なくとも1つの第2制御回路は前記少なくとも1つのドライバ回路基板に対してnタプルのチャンネル値を含む照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給し、該nタプルのチャンネル値が前記複数のLED光源の異なる色又は色温度の各々に対して1つの値を含む照明器具。
【請求項16】
請求項15に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の多次元色空間における表現を含み、前記少なくとも1つの第2制御回路が前記所望の出力色の前記多次元色空間における表現を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングする照明器具。
【請求項17】
請求項15に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の光源スペクトル及びジェルフィルタカラーを規定する<光源,フィルタ>対の形態での表現を含み、前記少なくとも1つの第2制御回路が前記<光源,フィルタ>対を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングする照明器具。
【請求項18】
請求項15ないし17の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第2制御回路は前記少なくとも1つの入力信号を少なくとも1つのDMXフォーマットの及び/又はイーサネット(登録商標)フォーマットの入力信号として入力すると共に、前記少なくとも1つのドライバ回路基板に対して前記少なくとも1つの制御信号を少なくとも1つのイーサネット(登録商標)フォーマットの制御信号として供給する照明器具。
【請求項19】
請求項18に記載の照明器具において、前記イーサネット(登録商標)フォーマットの制御信号が前記少なくとも1つのドライバ回路基板に半二重差動マスタ/スレーブ構成の光学的に絶縁された高速直列バスを介して供給される照明器具。
【請求項20】
請求項2ないし19の何れか一項に記載の照明器具において、前記少なくとも1つの第2制御回路はグラフィックス表示器を含むユーザインターフェースを含み、該ユーザインターフェースはユーザが当該照明器具により出力されるべき光の色を複数のカラーモードのうちの1つを選択することにより指定するのを可能にする照明器具。
【請求項21】
請求項1ないし20の何れか一項に記載の照明器具において、前記LEDモジュールが前記複数のLED光源の各光源に対してコリメータを更に含む照明器具。
【請求項22】
請求項21に記載の照明器具において、前記LEDモジュールが前記複数のLED光源の各光源に対してコリメータホルダを更に含み、該コリメータホルダは前記印刷回路基板に1以上の熱杭ピンを介して取り付けられ、前記コリメータが該コリメータホルダ内に配置される照明器具。
【請求項23】
異なる色及び/又は色温度を持つ複数のLED光源を含む照明器具から劇場用照明を供給する方法において、
A)前記照明の所望の出力色又は色温度を表す少なくとも1つの入力信号を受けるステップと、
B)前記少なくとも1つの入力信号を処理して、前記複数のLED光源の各々の異なる色又は色温度に対して1つの値を含むnタプルのチャンネル値を含むような照明コマンドを表す少なくとも1つの制御信号を供給するステップと、
を有する方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の多次元色空間における表現を含み、前記B)のステップが、前記所望の出力色の前記多次元色空間における表現を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、前記少なくとも1つの入力信号が前記所望の出力色の光源スペクトル及びジェルフィルタカラーを規定する<光源,フィルタ>対の形態での表現を含み、前記B)のステップが、前記<光源,フィルタ>対を前記nタプルのチャンネル値を含む照明コマンドにマッピングするステップを有する方法。
【請求項26】
請求項23ないし25の何れか一項に記載の方法において、前記A)のステップが前記少なくとも1つの入力信号を少なくとも1つのDMXフォーマットの及び/又はイーサネット(登録商標)フォーマットの入力信号として受けるステップを有し、前記B)のステップが前記少なくとも1つの制御信号を少なくとも1つのイーサネット(登録商標)フォーマットの制御信号として供給するステップを有する方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【公表番号】特表2010−538445(P2010−538445A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524193(P2010−524193)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/075441
【国際公開番号】WO2009/033051
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500074578)フィリップス ソリッド−ステート ライティング ソリューションズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/075441
【国際公開番号】WO2009/033051
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(500074578)フィリップス ソリッド−ステート ライティング ソリューションズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
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