説明

演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステム

【課題】 利用者が選曲予約した楽曲の演奏が開始された後に当該楽曲の演奏が中止された場合に、当該利用者の歌唱チャンスを有効に生かす。
【解決手段】 任意の予約楽曲が演奏された際に演奏中止信号を受信すると、予約待ち行列を参照し、当該演奏が中止された楽曲IDに付帯された利用者IDに対応する他の予約楽曲の中から、所定の予約楽曲が選曲予約順の最上位となるように予約待ち行列を再編するための予約待ち行列再編手段48を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選曲予約されたカラオケ楽曲が演奏された際に演奏中止が指示されると、当該楽曲に代替する楽曲を繰り上げて演奏可能なカラオケシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年普及しているカラオケシステムは、選曲予約を行う際に、選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDに選曲者の利用者IDを付帯して予約待ち行列に登録する機能を有している。そして、カラオケ楽曲の演奏に際して、予約待ち行列に登録された順番で楽曲の演奏が行われる。
【0003】
ところで、利用者が選曲予約を行う際に、気まぐれで選曲してしまったり、新曲にチャレンジするために歌詞やメロディを熟知していない楽曲を選曲してしまったりすることがある。そして、このような楽曲の演奏が開始された後に、当該楽曲を上手に歌唱できないことに気付いて演奏中止ボタンを操作し、当該楽曲の演奏を中止させる場合がある。
【0004】
上述したように、楽曲の演奏は予約待ち行列の登録順に行われるので、演奏を中止した楽曲の選曲者は、自らの利用者IDが付帯されて選曲予約された次の楽曲まで歌唱を行うことができない。特に、利用者が多数いる場合には、演奏を中止させた利用者が次に歌唱できる機会は、ずっと後になってしまい、せっかく歌唱するチャンスが与えられたにも拘わらず、そのチャンスを逃すことになる。
【0005】
そこで、利用者が歌唱を望まない楽曲を選曲予約してしまった場合に、他の代替楽曲を演奏するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、利用者が指定した楽曲を待ち行列に登録して順番に演奏するカラオケ装置において、任意の利用者により指定された予約楽曲が予約待ち行列に従って演奏されている期間に演奏中止が指示されると、当該利用者により別途に指定されているピンチ楽曲の演奏に切り換えるとともに、ピンチ楽曲の演奏を終了したならば予約待ち行列による演奏順番管理に戻るようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−288086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の技術は、利用者が選曲予約した楽曲の歌唱を望まない場合に、代替の楽曲を演奏するため、利用者が歌唱チャンスを逃さないという優れた効果がある。しかし、利用者が歌唱チャンスを逃さないといっても、基本的に、予めピンチ楽曲を指定しておかなければ、楽曲の代替演奏が行われない。また、予約楽曲の属性情報、演奏履歴、予約楽曲選出履歴等に基づいてピンチ楽曲を指定する構成とした場合には、必ずしも歌唱者が所望する楽曲がピンチ楽曲として指定されるとは限らず、ピンチ楽曲についても歌唱を望まない場合があり、さらなる改良の余地があった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、利用者が選曲予約した楽曲の演奏が開始された後に当該楽曲の演奏が中止された場合に、当該利用者の歌唱チャンスを有効に生かすことが可能な演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステムは、選曲予約されたカラオケ楽曲を選曲予約順に演奏するカラオケシステムにおいて、ログイン利用者管理手段と、予約管理手段と、予約待ち行列再編手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
ログイン利用者管理手段は、現に当該カラオケシステムにログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理するための手段である。予約管理手段は、任意の利用者が選曲予約を行う際に、選曲された楽曲の楽曲IDに当該利用者の利用者IDを付帯させて予約待ち行列に登録するための手段である。予約待ち行列再編手段は、任意の予約楽曲が演奏された際に演奏中止信号を受信すると、予約待ち行列を参照し、当該演奏が中止された楽曲IDに付帯された利用者IDに対応する他の予約楽曲の中から、所定の予約楽曲が選曲予約順の最上位となるように予約待ち行列を再編するための手段である。
【0011】
このような構成からなる演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステムでは、利用者がカラオケシステムにログインすると、ログイン利用者管理手段の機能により、当該利用者が利用者IDに基づいて特定されて管理される。また、カラオケリモコン装置等の選曲装置を用いて、任意の利用者が選曲予約を行うと、予約管理手段の機能により、予約選曲された楽曲の楽曲IDに選曲者の利用者IDを付帯させて予約待ち行列に登録する。そして、予約待ち行列に登録された順番に従って予約楽曲の演奏が行われる。予約楽曲の演奏が行われた際に、利用者が演奏中止ボタンを操作する等して演奏中止信号が受信されると、予約待ち行列再編手段の機能により、予約待ち行列を参照し、演奏が中止された楽曲の選曲者と同一の選曲者が選曲予約した他の予約楽曲の中から、所定のアルゴリズムに従って所定の予約楽曲を選択し、当該選択された予約楽曲が選曲予約順の最上位となるように予約待ち行列の再編が行われる。
【0012】
また、予約待ち行列再編手段は、予約楽曲の演奏が開始されてから所定時間内に演奏中止信号を受信した場合にのみ、予約待ち行列の再編を行うように構成することが可能である。
このような構成からなる演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステムでは、利用者が演奏中止を指示した場合に、その中止指示タイミングが演奏開始から所定時間内である場合に限って、予約待ち行列の再編が行われる。例えば、前奏の演奏中、演奏開始から1フレーズ以内のように、演奏開始初期にのみ楽曲の繰上演奏が許可される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステムによれば、利用者が選曲予約した楽曲の演奏が開始された後に当該楽曲の演奏が中止された場合に、当該利用者が選曲予約している他の楽曲が選曲予約順の最上位となるように予約待ち行列の再編が行われる。したがって、利用者が選曲予約した楽曲の演奏が中止された場合に、当該利用者は、選曲予約した次の楽曲の演奏順番が到来するまで待つことなく、自らが選曲予約した楽曲を直ちに歌唱することができるので、当該利用者の歌唱チャンスを有効に生かすことが可能となる。また、繰上楽曲は、演奏中止を指示した利用者が元々その場で歌唱を所望して選曲予約した楽曲であるため、利用者が所望しない楽曲が演奏されることはなく、カラオケシステムを利用した歌唱の楽しさを損なうことがない。
【0014】
また、予約楽曲演奏開始から所定時間内に演奏中止信号を受信した場合にのみ、予約待ち行列の再編を行う構成とした場合には、利用者が演奏終了間際に演奏中止を指示して、さらに他の楽曲を続けて歌唱するという行為を排除することができるので、利用者間の公平を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステムの構成を示すブロック図。
【図2】予約待ち行列の再編処理を示すフローチャート。
【図3】第1の実施形態に係る予約待ち行列の再編方法を示す説明図。
【図4】第2の実施形態に係る予約待ち行列の再編方法を示す説明図。
【図5】予約待ち行列における楽曲の繰り上げを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステム(以下、カラオケシステムという)について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示すブロック図である。
【0017】
<カラオケシステム>
本発明の実施形態に係るカラオケシステム11は、図1に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、マイクロホン23、スピーカ24、ミキシングアンプ25、表示装置26を備えている。
【0018】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段45に対して有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、利用者ID取得手段22cとして機能する電子回路及びプログラム、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0019】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケシステム11で演奏に供されるカラオケ楽曲についての属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0020】
<利用者ID取得手段>
利用者ID取得手段22cは、任意の利用者が当該カラオケシステムにログインする際に、当該利用者の利用者IDを取得するための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、利用者がカラオケシステム11を利用する際に、利用者が所持するID媒体31から利用者IDを取得するようになっている。利用者ID取得手段22cで取得した利用者IDは、RAM43に一時的に記憶され、ログイン利用者管理手段47で管理される。ID媒体31は、例えば、非接触型のIDカード、携帯電話、携帯情報端末等からなり、利用者IDを記憶して、利用者ID取得手段22cとの間でデータの送受信を行うことができるようになっている。
【0021】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、中央制御手段41、ROM42、RAM43、HDD44、送受信手段45、予約管理手段46、ログイン利用者管理手段47、予約待ち行列再編手段48、音楽再生制御手段49、映像再生制御手段50を備えている。
【0022】
<中央制御手段>
中央制御手段41は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM42等に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0023】
<ROM/RAM>
ROM42は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのアプリケーションプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM43は、アプリケーションプログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM43を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM43を構成してもよい。本実施形態では、RAM43に、予約待ち行列43a、ログイン利用者ID43bが記憶されるようになっている。後に詳述するが、予約待ち行列43aは、予約管理手段46により管理され、ログイン利用者ID43bは、利用者ID取得手段22cにより取得されてログイン利用者管理手段47により管理される。
【0024】
<HDD>
HDD44は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース44a及び映像データベース44bが格納されている。なお、HDD44に替えて、あるいはHDD44とともに、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0025】
楽曲データベース44aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞テロップデータが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ格納したデータベースである。演奏データは各楽曲の演奏データをデジタル化したものであり、歌詞テロップデータは演奏データに同期されたカラオケ楽曲の歌詞文字データである。なお、歌詞文字データには、歌詞文字の表示色データ、色変わりデータ等が含まれている。映像データベース44bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0026】
<送受信手段>
送受信手段45は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信が行われる。
【0027】
<予約管理手段>
予約管理手段46は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲され、送受信手段45を介して受信した当該選曲者の利用者情報(利用者ID)及び選曲された楽曲IDを対応付けて予約待ち行列43aとしてRAM43に格納し、管理するためのプログラムからなる。なお、楽曲選択の表示や予約待ち行列43aの表示は、カラオケリモコン装置22の入出力表示部(図示せず)及び表示装置26のいずれか一方、あるいは双方で行うことができる。
【0028】
<ログイン利用者管理手段>
ログイン利用者管理手段47は、現に当該カラオケシステム11にログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理するためのプログラムからなる。すなわち、ログイン利用者管理手段47では、利用者ID取得手段22cにより利用者IDが取得された場合に、この利用者IDに基づいてカラオケシステム11にログインしている利用者を特定して管理する。取得した利用者IDは、選曲予約を行う際に利用される。
【0029】
<予約待ち行列再編手段>
予約待ち行列再編手段48は、任意の予約楽曲が演奏された際に演奏中止信号を受信すると、予約待ち行列43aを参照し、当該演奏が中止された楽曲IDに付帯された利用者IDに対応する他の予約楽曲の中から、所定の予約楽曲が選曲予約順の最上位となるように予約待ち行列43aを再編するためのプログラムからなる。
【0030】
また、予約待ち行列再編手段48では、予約楽曲の演奏が開始されてから所定時間内に演奏中止信号を受信した場合にのみ、予約待ち行列43aの再編を行うことが好ましい。すなわち、予約待ち行列43aの再編処理を無制限に許可したのでは、利用者が演奏終了間際に演奏中止を指示して、さらに他の楽曲を続けて歌唱することができてしまう。これでは、多数の利用者がカラオケシステム11を利用している場合に、予約待ち行列43aに登録された順番に拘わらず、同一の利用者が続けて歌唱を行うことになり、利用者間の公平を図ることができない。これに対して、予約楽曲の演奏が開始されてから所定時間内に演奏中止信号を受信した場合にのみ、予約待ち行列43aの再編を行うような構成とした場合には、前奏の演奏中、演奏開始から1フレーズ以内等のように、演奏開始初期に演奏中止信号を受信した場合にのみ、繰上楽曲の演奏が許可されるので、利用者が意図的に演奏の中止を指示することにより、予約待ち行列43aに登録された順番を無視して歌唱を行うという行為を防止することができる。
【0031】
予約待ち行列43aの再編に際して、どのような基準で繰上楽曲となる他の予約楽曲を選択するかについて説明する。例えば、演奏が中止された楽曲IDに付帯された利用者IDに対応する他の予約楽曲が1曲のみの場合には、その予約楽曲が繰上楽曲となる。また、演奏が中止された楽曲IDに付帯された利用者IDに対応する他の予約楽曲が複数曲存在する場合には、複数の予約楽曲の中で最上位の楽曲を繰上楽曲としてもよいし、最下位の楽曲を繰上楽曲としてもよいし、ランダムに繰上楽曲を選択してもよい。
【0032】
図5を参照して、繰上楽曲の選択について説明する。図5は、予約待ち行列における楽曲の繰り上げを示す説明図である。例えば、図5に示すように、演奏中の楽曲(楽曲ID「*****c」)の演奏が中止されたとする。この場合、当該楽曲の選曲者の利用者ID「****X」に対応する予約楽曲は、順位3の楽曲(楽曲ID「*****d」)と、順位5の楽曲(楽曲ID「*****f」)と、順位8の楽曲(楽曲ID「*****k」)と、順位9の楽曲(楽曲ID「*****m」)である。
【0033】
そして、ランダムに繰上楽曲を選択する構成では、順位3の楽曲(楽曲ID「*****d」)、順位5の楽曲(楽曲ID「*****f」)、順位8の楽曲(楽曲ID「*****k」)、順位9の楽曲(楽曲ID「*****m」)のいずれかが、繰上楽曲として選択される。図5に示す例では、順位5の楽曲(楽曲ID「*****f」)が繰上楽曲として選択されている。また、最上位の楽曲を繰上楽曲として選択する場合には、順位3の楽曲(楽曲ID「*****d」)が繰上楽曲となり、最下位の楽曲を繰上楽曲として選択する場合には、順位9の楽曲(楽曲ID「*****m」)が繰上楽曲となる。
【0034】
また、予約待ち行列43aの再編は、当該利用者の予約楽曲のみについて順位の入れ替えを行ってもよいし、他の利用者も含めたすべての予約楽曲について順位の入れ替えを行ってもよい。なお、演奏が中止された楽曲IDに付帯された利用者IDに対応する他の予約楽曲が存在しない場合には、予約待ち行列43aの再編は行われない。予約待ち行列43aの再編については、後に詳述する。
【0035】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段49は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース44aから抽出された演奏データをデジタル再生するとともにアナログ変換してミキシングアンプ25に出力するための電子回路である。ミキシングアンプ25は、マイクロホン23から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段49から送出される演奏音声信号とをミキシングするとともに、アンプ機能により増幅してスピーカ24より出力させるための装置である。
【0036】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段50は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース44bから抽出した映像データ及び楽曲データベース44aから抽出した楽曲データのうちの歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置26に出力するための電子回路である。この際、カラオケ楽曲の演奏進行に従って、歌詞文字が色変わりして表示される。
【0037】
<表示装置>
表示装置26は、カラオケ演奏時の映像、歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等により構成される。
【0038】
<予約待ち行列の再編処理>
図2は、予約待ち行列の再編処理を示すフローチャートである。
予約待ち行列の再編処理では、予約楽曲の演奏が開始されたか否かを判断し(S1)、演奏が開始されたならば、当該予約楽曲の演奏が終了したか否かを判断する(S2)。ここで、予約楽曲の演奏が開始されていない場合、及び予約楽曲の演奏が終了した場合には、処理を終了する。
【0039】
一方、予約楽曲の演奏が開始され、かつ当該予約楽曲の演奏が終了していない場合には、演奏中止信号を受信したか否かを判断する(S3)。ここで、演奏中止信号を受信した場合には、演奏開始から所定時間経過したか否かを判断する(S4)なお、演奏中止信号の受信判断処理は、当該予約楽曲の演奏が終了するまで行われる。そして、演奏開始から所定時間経過していない場合には、当該利用者IDに対応する予約楽曲が存在するか否かを判断する(S5)。ここで、当該利用者IDに対応する予約楽曲が存在する場合には、予約待ち行列を再編する(S6)。一方、演奏開始から所定時間経過している場合、及び当該利用者IDに対応する予約楽曲が存在しない場合には、予約待ち行列の再編は行われない。
【0040】
図2に示す例では、演奏開始から所定時間経過している場合には、予約待ち行列の再編を行わずに、処理を終了するようにしているが、上述したように、演奏開始からの経過時間を判断せずに、予約待ち行列の再編を行うようにしてもよい。
【0041】
<第1の実施形態>
次に予約待ち行列の再編方法を説明する。図3は、第1の実施形態に係る予約待ち行列の再編方法を示す説明図である。
第1の実施形態では、図3に示すように、現在演奏中の楽曲の演奏が中止されると、演奏が中止された楽曲の選曲者の予約楽曲のみについて順位の入れ替えを行う。例えば、演奏中の楽曲(楽曲ID「*****a」)の演奏が中止されたとする。この場合、当該楽曲の選曲者の利用者ID「****A」に対応する予約楽曲は、順位3の楽曲(楽曲ID「*****g」)と、順位5の楽曲(楽曲ID「*****t」)である。そこで、順位3の楽曲(楽曲ID「*****g」)を順位0に移動させ、順位5の楽曲(楽曲ID「*****t」)を順位3に移動させる。
【0042】
このように、第1の実施形態では、演奏が中止された楽曲の選曲者について、その予約楽曲の順位の入れ替えを行い、他の利用者の予約楽曲については順位の入れ替えが行われない。
【0043】
<予約待ち行列の再編処理/第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に係る予約待ち行列の再編方法を示す説明図である。
第2の実施形態では、現在演奏中の楽曲の演奏が中止されると、他の利用者も含めたすべての予約楽曲について順位の入れ替えを行う。例えば、演奏中の楽曲(楽曲ID「*****a」)の演奏が中止されたとする。この場合、当該楽曲の選曲者の利用者ID「****A」に対応する予約楽曲は、順位3の楽曲(楽曲ID「*****g」)と、順位5の楽曲(楽曲ID「*****t」)である。また、順位1は楽曲ID「*****h」の楽曲、順位2は楽曲ID「*****f」の楽曲、順位4は楽曲ID「*****b」の楽曲である。そこで、まず利用者ID「****A」に対応する順位3の楽曲(楽曲ID「*****g」)を順位0に移動させる。そして、他の利用者を含めて楽曲の順位を入れ替えるため、順位4の楽曲(楽曲ID「*****b」)を順位3に移動させ、順位5の楽曲(楽曲ID「*****t」)を順位4に移動させる。
【0044】
このように、第3の実施形態では、演奏が中止された楽曲の選曲者だけではなく、他の利用者を含めて、予約楽曲の順位が入れ替えられる。
【0045】
<他の実施形態>
本発明のカラオケシステム11及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【0046】
<ネットワークカラオケシステム>
また、上述した実施形態は、カラオケシステム11をスタンドアロンで使用した例を示しているが、各カラオケ店舗等に設置されたカラオケシステム11を端末装置とし、インターネット回線等を用いて、端末装置とホスト装置とをネットワーク接続した構成とすることもできる。この場合には、ホスト装置において、利用者ID等を集中管理することにより、ネットワーク接続された各カラオケシステム11において同様のサービスを提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
11 カラオケシステム
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
22c 利用者ID取得手段
23 マイクロホン
24 スピーカ
25 ミキシングアンプ
26 表示装置
31 ID媒体
41 中央制御手段
42 ROM
43 RAM
43a 予約待ち行列
43b ログイン利用者ID
44 HDD
44a 楽曲データベース
44b 映像データベース
45 送受信手段
46 予約管理手段
47 ログイン利用者管理手段
48 予約待ち行列再編手段
49 音楽再生制御手段
50 映像再生制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選曲予約されたカラオケ楽曲を選曲予約順に演奏するカラオケシステムにおいて、ログイン利用者管理手段と、予約管理手段と、予約待ち行列再編手段と、を備え、
前記ログイン利用者管理手段は、現に当該カラオケシステムにログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理し、
前記予約管理手段は、任意の利用者が選曲予約を行う際に、選曲された楽曲の楽曲IDに当該利用者の利用者IDを付帯させて予約待ち行列に登録し、
前記予約待ち行列再編手段は、任意の予約楽曲が演奏された際に演奏中止信号を受信すると、前記予約待ち行列を参照し、当該演奏が中止された楽曲IDに付帯された利用者IDに対応する他の予約楽曲の中から、所定の予約楽曲が選曲予約順の最上位となるように予約待ち行列を再編する、
ことを特徴とする演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記予約待ち行列再編手段は、前記予約楽曲の演奏が開始されてから所定時間内に演奏中止信号を受信した場合にのみ、予約待ち行列の再編を行う、
ことを特徴とする演奏楽曲繰上機能を有するカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−33777(P2011−33777A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179134(P2009−179134)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】