濾過器、及び該濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法
【課題】袋状濾布の洗浄効率が良い濾過器、及び該濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法を提供する。
【解決手段】濾過タンク2内に、上端側の濾過室18と下端側の洗浄室19とに区画する隔壁50aを設け、さらに該隔壁50aに、当該濾過タンク2の内径よりも小さい濾布通過口20を配設した。そして、袋状濾布8の開口部周縁8Aを該隔壁50aに固定し、該濾布通過口20を介して裏返し可能となるように取り付けた。そして、該隔壁50aの上面を、袋状濾布8が裏返る際に圧接される濾布圧接面30とした。
【解決手段】濾過タンク2内に、上端側の濾過室18と下端側の洗浄室19とに区画する隔壁50aを設け、さらに該隔壁50aに、当該濾過タンク2の内径よりも小さい濾布通過口20を配設した。そして、袋状濾布8の開口部周縁8Aを該隔壁50aに固定し、該濾布通過口20を介して裏返し可能となるように取り付けた。そして、該隔壁50aの上面を、袋状濾布8が裏返る際に圧接される濾布圧接面30とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建設廃土スラリー、メッキ工場廃液処理物、廃液活性汚泥処理工程で排出される余剰汚泥スラリー等の固液分離処理に使用される濾過器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば建設廃土スラリー、メッキ工場廃液処理物、廃液活性汚泥処理工程で排出される余剰汚泥スラリー等の固液分離処理に使用され、微細粒子又は難濾過性濾滓の濾過を行なう濾過器は、既によく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
かかる濾過器Aは、図14に示すように、起立した缶体aを備えており、該缶体aの上部には、濾液排出口と洗浄液注入口とを兼ねた濾液排出洗浄液注入口bが設けられ、下部には濾滓排出口cが設けられ、さらにその側部には被処理液注入口dが設けられている。また、該缶体a内の上半部には、伏ドーム形の多孔濾布支持体eが設けられていると共に、該多孔濾布支持体eの内側には袋状濾布fが配置され、該袋状濾布fの下端開口部の周縁gが該缶体aの中間位置に固定されている。
【0004】
上記構成にあって、濾過器Aで濾過を行なうには、まず缶体a内に被処理液注入口dから被処理液を圧入する。そうすると、図14に示すように、前記袋状濾布fは被処理液の流動圧によって上方へ膨出し、上半部の多孔濾布支持体eに圧接され、この状態で被処理液は袋状濾布fにより濾過される。そして、該被処理液中の固形分は濾滓Cとして当該袋状濾布fの内側に蓄積し、濾液は当該袋状濾布fの外側へ透過して濾液排出洗浄液注入口bから排出される。これに対し、袋状濾布fの目詰まりが発生し、当該袋状濾布fの洗浄を要する場合には、濾液排出洗浄液注入口bから洗浄液を圧入する。そうすると、図15に示すように、袋状濾布fは洗浄液の流動圧によって下方へ裏返し状態で膨出する。このとき、袋状濾布fの内側に蓄積されていた濾滓Cは外側へ露出することとなり、自然に袋状濾布fから剥離し、かつ袋状濾布fを透過する洗浄液によって押し流され、缶体aの濾滓排出口cから排出される。
【0005】
かかる構成とすることにより、袋状濾布fを缶体aから取り外すことなく、当該袋状濾布fの内側に付着した濾滓Cを除去することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−33974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記発明にあっては、洗浄時において、袋状濾布の目詰まりがひどくなると、濾滓が袋状濾布の表面で強固に固着して剥離し難くなることがあり、濾滓を十分に取り除くことができないことがあった。このため、濾過効率が悪化してしまう、あるいは濾滓をきれいに取り除くために袋状濾布を缶体から取り外し、別途、濾滓を取り除く作業を行わなければならないこともあった。このため、濾過効率の向上、及び面倒な作業の排除を実現すべく、効率的に濾滓の洗浄効果を向上させることができる構成が強く求められていた。
【0008】
本発明は、濾滓を効率よく袋状濾布から剥離させて、袋状濾布の洗浄効果を高め得る濾過器、及び該濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、該濾過タンク内には、一端側と他端側とに区画する隔壁が配設され、かつ、該隔壁には、当該濾過タンクの内径よりも小さい濾布通過口が配設されると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に前記隔壁の濾布通過口を介して裏返し可能に取り付けられてなり、前記隔壁の他端側に臨む壁面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器である。
【0010】
かかる構成にあっては、濾過タンク内に隔壁を設けて濾布圧接面を形成したため、袋状濾布は、洗浄時に一旦、濾布圧接面に圧接され、該濾布圧接面上で不規則に折り畳まれた状態となる。このように、袋状濾布が不規則に折り畳まれると、袋状濾布の表面が適度に屈曲され、該表面上に付着している濾滓がこれにより粉砕されて該袋状濾布の繊維深部に三次元的に補足されていた濾滓がかかる繊維から解離して該表面から剥離しやすくなる。換言すれば、袋状濾布が濾布圧接面に圧接されると、いわゆる揉み洗い効果が作用して、濾滓が袋状濾布の表面から剥離し易くなり、袋状濾布の洗浄効果が向上することとなる。
【0011】
なお、本発明の係る前記濾過タンクの配置方向は特に限定されないが、重力を利用して、濾滓を下方へ押し流す構成が効率的で望ましい。したがって、上記の発明は、袋状濾布が内在した起立状の濾過タンクの下端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、上端側に濾液排出口が配設された濾過器において、該濾過タンク内には、上端側と下端側とに区画する隔壁が配設され、かつ、該隔壁には、当該濾過タンクの内径よりも小さい濾布通過口が配設されると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が上端側から下端側に前記隔壁の濾布通過口を介して裏返し可能に取り付けられてなり、前記隔壁の上端側に臨む上向きの壁面が、前記袋状濾布が裏返し時に圧接される濾布圧接面とされた構成とするのが望ましい。
【0012】
また、本発明は、前記袋状濾布の開口部周縁が、前記隔壁の濾布通過口を囲繞するようにして当該濾布通過口の周縁部に固定されている構成が望ましい。
【0013】
かかる構成とすることにより、袋状濾布全体が折り畳まれた状態で濾布圧接面へ圧接されることとなり、上記揉み洗い効果を袋状濾布全体に作用させることが可能となって袋状濾布に付着した濾滓を効率良く剥離容易とすることができる。
【0014】
また、本発明は、袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、該濾過タンクは、一端側と他端側とで内径が異なり、他端側が、一端側より内径が大きい大径部とされ、それに対応して一端側が、他端側より内径が小さい小径部とされてなると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に裏返し可能に取り付けられてなり、濾過タンク内の小径部と大径部との境界に位置した小径部側端面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器である。
【0015】
かかる構成にあっては、濾過タンク内の一端側に小径部を設けて濾布圧接面を形成したため、上述のように、袋状濾布に前記揉み洗い効果が作用して、濾滓が袋状濾布の表面から剥離し易くなり、袋状濾布の洗浄効果が向上することとなる。なお、本発明も上述したように、前記濾過タンクの配置方向は特に限定されないが、重力を利用して、濾滓を下方へ押し流す構成が効率的で望ましい。
【0016】
また、前記発明は、前記袋状濾布の開口部周縁が、小径部と大径部の境界にある小径部開口を囲繞するようにして該小径部開口の周縁部に固定されている構成が望ましい。
【0017】
かかる構成とすることにより、袋状濾布全体が折り畳まれた状態で濾布圧接面へ圧接されることとなり、上記揉み洗い効果を袋状濾布全体に作用させることが可能となって袋状濾布に付着した濾滓を効率良く剥離容易とすることができる。
【0018】
また、これまでに発明は、濾過タンクの他端側に外気導入口が配設されてなり、濾滓排出口から濾滓が排出される際に、該外気導入口から濾過タンク内に外気が導入される構成とすることができる。
【0019】
かかる構成とすることにより、濾過時に注入された濾過タンク内の残留被処理液を洗浄液として利用した場合に、濾滓排出時のおける当該濾過タンク内の内圧バランスを適性化することが可能となる。
【0020】
また、前記濾過タンク内の一端側及び/又は他端側に、袋状濾布を支持する多孔濾布支持体が配設されている構成が提案される。
【0021】
かかる構成とすることにより、濾過タンク内における袋状濾布を支持して、当該袋状濾布の姿勢を適正に維持することが可能となる。
【0022】
また、本発明は、上述した濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法であって、濾滓排出時に、被処理液を被処理液注入口から袋状濾布に向けて噴射することを特徴とする濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法である。
【0023】
かかる構成とすることにより、袋状濾布の表面にある剥離寸前の濾滓を被処理液により吹き飛ばすことが可能となり、濾滓の除去を確実に行なうことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る濾過器は、洗浄時に、袋状濾布を濾布圧接面に一旦圧接させてから裏返す構成であるため、いわゆる袋状濾布に対して揉み洗い効果を作用させることが可能となり、濾滓を容易に袋状濾布から剥離させて該袋状濾布の洗浄効果を高めることができる効果がある。
【0025】
また、本発明に係る濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法は、袋状濾布の表面にある剥離寸前の濾滓を被処理液により吹き飛ばすことが可能となり、濾滓の除去を確実に行なうことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
本発明の濾過器1a,1b,1cは、被処理液を濾過する機能を有すると共に、内部の袋状濾布8を取り外すことなく洗浄して、該袋状濾布8の内面に付着した濾滓Cを除去し得る機能を有する。以下、濾過器1a,1b,1cの具体的な構成を、添付図面に従って説明する。
【0027】
図1,2に示すように、濾過器1aは、起立状に配置された濾過タンク2を備えている。この濾過タンク2は、横断面が円形の中空体であり、縦長形状とされている。さらに、この濾過タンク2は、上半部材2Aと下半部材2Bとに二分割されており、上半部材2Aと下半部材2Bとはフランジ3A,3Bを突合わせた状態で、ボルト4とナット5とにより緊締され一体化される。
【0028】
ここで、本発明に係る濾過器1aにあっては、前記濾過タンク2の上半部材2Aと下半部材2Bとの間(濾過タンク2の中間部)に、環状フランジ板7aが挟持されている。具体的には、この環状フランジ板7aは、円環状の薄厚平板部材で構成され、中央に円形の濾布通過口20が開口している。そして、該環状フランジ板7aの外周部が、上半部材2Aのフランジ3Aと、下半部材2Bのフランジ3Bとに挟まれて固定されている。ここで、前記ボルト4とナット5とにより緊締されて濾過タンク2の中間部に配された環状フランジ板7aは、濾過タンク2内における液流動方向(図1の矢印)に対して直交するように配置されると共に、その内周縁が濾過タンク2内において十分に内側へ突き出した位置に配され、濾過タンク2内の中央に該濾過タンク2の内径より小径の濾布通過口20が位置するように寸法設計されている。これにより、当該濾過タンク2内にあって、上端側に位置した濾過室18、及び下端側に位置した洗浄室19に区画する隔壁50aとして機能している。
【0029】
さらに、図1,2に示すように、該環状フランジ板7aの濾布通過口20の周囲には、該濾布通過口20を囲繞するようにして下方に開口した袋状濾布8の開口部周縁8Aが固定されている。かかる構成により、袋状濾布8が、濾布通過口20を介して上下方向で裏返し可能に濾過タンク2内に配置されることとなる。なお、本実施例において袋状濾布8の固定には、袋状濾布8の開口部周縁8Aに円環状の平板部材で構成された中央開口26のある押え部材25を配置して、開口部周縁8A及び押え部材25を、環状フランジ板7a上においてボルト14とナット15とで緊締することとしているが、接着剤等の他の固定手段を採用しても勿論よい。ところで、該環状フランジ板7aの機能については、本発明の要部であるため、後で詳述する。
【0030】
また、前記濾過タンク2の上端には、濾液が排出される濾液排出口と外気を濾過タンク2内に導入する外気導入口とを兼ねた濾液排出外気導入口10が設けられている。これに対し、濾過タンク2の下端には、バルブ12が付設された濾滓排出口11が設けられている。この濾滓排出口11は、濾滓Cを含む洗浄液が排出されるものである。さらに、前記環状フランジ板7aの直下には、供給ノズル21,21が設けられている。この供給ノズル21は、被処理液等を濾過タンク2内にやや上方に向けてスプレー噴射して注入するものである。なお、前記供給ノズル21は、公知品が好適に採用され、該供給ノズル21の先端にある噴射口により、本発明に係る被処理液注入口が構成される。
【0031】
また、前記濾過タンク2内の上部には上限多孔目皿16が、下部には下限多孔目皿17が配設されている。なお、各多孔目皿16,17は、上方又は下方へ膨出した袋状濾布8を支持して、該袋状濾布8の上限位置又は下限位置を規定するものであり、パンチングメタル板等の多孔板で構成されて、注入される液を上下方向に透水可能としている。なお、上記の上限多孔目皿16(下限多孔目皿17)により、本発明に係る多孔濾布支持体が構成される。この上限多孔目皿16(下限多孔目皿17)は、上方または下方のみに配設しても勿論よい。
【0032】
なお、前記濾過タンク2において鉛直上方が、本発明に係る濾過タンクの他端側に相当し、鉛直下方が、一端側に相当する。
【0033】
次に、前記濾過器1aの基本的な使用態様を簡単に説明する。
被処理液を濾過するには、まず供給ノズル21から濾過タンク2内に被処理液を圧入する。そうすると、濾過タンク2内において被処理液は、その流動圧により袋状濾布8を上部へ押し上げ、当該袋状濾布8を濾過室18で上方へ膨出させる。この袋状濾布8は、図1において実線で示される。そして、被処理液は該袋状濾布8を透過して濾過され、該被処理液中に分散している固形分は濾滓Cとして当該袋状濾布8の内側に蓄積される。また、袋状濾布8によって濾過された濾液は、上限多孔目皿16を通過し、前記濾液排出外気導入口10から外部へ排出される。
【0034】
これに対し、濾過後に袋状濾布8を洗浄するには、バルブ12を開放し、内部に残留する被処理液を洗浄液として、下方へ流動させる。そうすると、上方に膨出して下方開口していた袋状濾布8は、該洗浄液の流動圧により、下方に押し流され、裏返されながら洗浄室19に位置し、下方へ膨出する。この袋状濾布8は、図1において二点鎖線で示される。そして、表面側に露出した袋状濾布8に付着する濾滓Cが破砕剥離されて洗浄液によって押し流され、除去された濾滓Cが下限多孔目皿17を通過し、濾滓排出口11から排出される。
【0035】
次に、濾過及び洗浄を選択的に行なう濾過器1aの制御内容を、図3〜図10に従って説明する。
まず、濾過器1aのシステム構成を概説する。
本濾過器1aは、図3等に示すように、水に濾過助剤が混合されてなるプレコート液が入ったプレコート槽41を備えている。この濾過助剤は、濾過精度を向上させるもので、袋状濾布8内面に濾過助剤層を形成するために使用される。また、このプレコート槽41には、前記プレコート液を攪拌する攪拌機42が付設されている。そして、前記プレコート槽41は、前記供給ノズル21に連通しており、攪拌されるプレコート液が、供給ノズル21から濾過タンク2に注入可能となっている。
【0036】
また、本濾過器1aには、被処理液が入った被処理液槽43を備えている。そして、この被処理液槽43も、前記供給ノズル21に連通しており、被処理液は、供給ノズル21から注入可能となっている。
【0037】
ところで、供給ノズル21に接続される配管には、吸引ポンプ40が接続されており、該吸引ポンプ40は、プレコート槽41のプレコート液、又は被処理液槽43の被処理液を吸引し、供給ノズル21に送液可能としている。また、プレコート槽41に接続する配管には、プレコート槽入口バルブ34が、また被処理液槽43に接続する配管には、被処理液槽入口バルブ35がそれぞれ配設されている。なお、両バルブ34,35は、その開閉制御により各液を送液可能又は送液不能とすることができるものである。
【0038】
また、前記プレコート槽41は、前記濾液排出外気導入口10にも連通している。そして、プレコート槽41と濾液排出外気導入口10とを接続する配管には、プレコート槽出口バルブ32が配設されている。さらに、該濾液排出外気導入口10には、濾液を外部に案内する配管も接続されており、該配管に濾液出口バルブ31が接続されている。なお、各バルブ31,32の機能は、上述のバルブと同様である。
【0039】
また、前記濾滓排出口11に接続された配管には、ドレンバルブ33が配設されている。なお、ドレンバルブ33の機能も、上述の各バルブ31,32,34,35と同様である。
【0040】
次に、上記構成からなる濾過器1aによる濾過・洗浄工程を説明する。
本実施例にあっては、濾過精度を向上させるべく、まずプレコート工程を実行する。具体的には、図3に示すように、前記プレコート液を吸引ポンプ40で吸引して供給ノズル21を介して濾過タンク2内に噴射する。なお、濾過タンク2内に噴射されたプレコート液は、当該プレコート液の流動圧で上方に膨出した袋状濾布8を透過し、濾液排出外気導入口10から排出されて、前記プレコート槽41に戻され、再び供給ノズル21へ給送されて循環する。なお、プレコート工程では、濾液出口バルブ31、被処理液槽入口バルブ35、及びドレンバルブ33は閉状態とされ、プレコート槽出口バルブ32、及びプレコート槽入口バルブ34は開状態とされる。
【0041】
このように、プレコート液が袋状濾布8を所定時間透過すると、当該袋状濾布8の内側に濾過助剤層が形成されることとなる。そして、プレコート槽41内のプレコート液がきれいになった時点で、バルブを切り替えて供給ノズル21への給送を停止し、プレコート工程を終了する。
【0042】
プレコート工程が終了すると、図4に示すように、被処理液槽43内にある被処理液を吸引ポンプ40で吸引して供給ノズル21で濾過タンク2内に注入する濾過工程を実行する。被処理液を濾過タンク2内へ注入開始すると、上述のように、その流動圧により袋状濾布8は上部へ押し上げられて当該袋状濾布8が濾過室18で上方へ膨出する。そして、該袋状濾布8を透過した濾液は、濾過器1aの外部へ送液される。なお、濾過工程が継続的に実行されると、濾過タンク2内には被処理液の一部が残留することとなる。ところで、この濾過工程では、プレコート槽出口バルブ32、プレコート槽入口バルブ34、及びドレンバルブ33は閉状態とされ、濾液出口バルブ31、及び被処理液槽入口バルブ35は開状態とされる。
【0043】
濾過工程の実行により、袋状濾布8が目詰りした場合は、次に洗浄工程を実行する。ここで、袋状濾布8の目詰りは、濾液の流動圧を測定する圧力計(図示省略)により検知される。そして、該圧力計により、目詰りが検知されると、濾過タンク2内に残留している被処理液の液面が環状フランジ板7aよりも少なくとも高位であることを確認してから、図5に示すように、前記吸引ポンプ40の吸引動作を停止して被処理液の注入を停止し、ドレンバルブ33を開く。また、プレコート槽出口バルブ32を開放して濾液排出外気導入口10を介してプレコート槽41の気相から外気を導入可能な状態とする。そうすると、濾過タンク2内において、該被処理液が洗浄液として下方に流動開始される。
【0044】
ここで、洗浄液が流動開始されると、濾過時に上半部材2Aの濾過室18内に配置されていた袋状濾布8は、該洗浄液の流動圧によって不規則に折り畳まれながら下方へ押し流され始める。そして、前記環状フランジ板7aで構成される隔壁50aの上面に形成される濾布圧接面30に部分的に又は全体的に圧接されることとなる(図10参照)。
【0045】
さらに、濾布圧接面30上にある袋状濾布8は、図6に示すように、環状フランジ板7aの濾布通過口20へ押し流され、図7に示すように、裏返されながら下方に押し流されて洗浄室19に移動してくる。そして、図8に示すように、袋状濾布8は、下方へ膨出することとなる。なお、上述のように、洗浄工程の実行中にあっては、濾液排出外気導入口10から外気が流入して、濾過タンク2の内圧バランスが適正に保持されるようになっている。
【0046】
このように、袋状濾布8が濾布圧接面30上で裏返し時に一旦不規則に折り畳まれると(図10参照)、袋状濾布8の表面が適度に屈曲され、該表面上に付着している濾滓Cが粉砕されて該表面から剥離しやすくなる。換言すれば、袋状濾布8が濾布圧接面30に圧接されると、いわゆる揉み洗い効果が作用して、袋状濾布8の洗浄効果が向上することとなる。
【0047】
また、前記環状フランジ板7aに、前記袋状濾布8の開口部周縁8Aが固定されているため、袋状濾布8の全体が折り畳まれた状態で濾布圧接面30へ圧接されることとなり、上記揉み洗い効果を袋状濾布8全体に作用させることが可能となって、袋状濾布8に付着した濾滓Cを効率良く剥離容易となる。
【0048】
ところで、上記洗浄工程によっても、濾滓Cの除去が不十分である場合は、次のような洗浄方法を内容とする追加洗浄工程が実行される。
図9に示すように、洗浄工程実行時に、前記被処理液槽43から被処理液を吸引ポンプ40により吸引し、被処理液を供給ノズル21から濾過タンク2内に注入する。そうすると、洗浄室19内に垂れ下がる袋状濾布8に被処理液が噴射されることとなる。そして、被処理液が噴射された袋状濾布8は、その表面に付着している濾滓Cが吹き飛ばされると共に、該被処理液の流動圧により前記環状フランジ板7aに再度圧接されて、いわゆる揉み洗い効果が作用する。さらに、供給ノズル21からの噴射及び停止を繰り返し行なうと、袋状濾布8が繰り返しスプレー洗浄されることとなり、より一層濾滓Cがきれいに除去される。
【0049】
また、以下の変形例が提案される。
本発明に係る隔壁50bを構成する環状フランジ板7bの平面形状は、上記のような円環形状に限定されるものではなく、図11に示すように、濾過タンク2の円周方向に沿って間欠的に内側突設部を備え、該内側突設部の上面を濾布圧接面30とした構成であっても勿論よい。また、環状フランジ板7a,7bを多孔性の板部材で構成してもよく、適宜変更可能である。
【0050】
また、上記構成は、濾過タンク2とは別部材である環状フランジ板7a,7bにより隔壁50a,50bを構成したものであるが、図12に示すように、濾過タンク2の下半部材2Dを上半部材2Cより小径の寸法形状として、袋状濾布8の開口部周縁8Aを上半部材2Cと下半部材2Dとの間で挟持し、濾過タンク2内に臨む水平上向きの小径部側端面52を濾布圧接面30とするようにした濾過器1bとしても良い。更に詳述すると、下半部材2Dのフランジ3Bの上面が濾過タンク2内に露出しており、該上面が、濾過タンク2の鉛直内側面51から起立し、かつ、洗浄液の流動方向に対向する小径部側端面52となっている。そして、この小径部側端面52を濾布圧接面30として機能させている。また、下半部材2Dの開口を濾布通過口20としている。かかる構成とすることにより、濾布圧接面30を形成するのに際し、隔壁50a,50bを配設するための別部材を要せず、部品点数が増えない。なお、前記上半部材2Cにより、本発明に係る大径部が構成され、下半部材2Dにより、本発明に係る小径部が構成される。
【0051】
また、上記構成は環状フランジ板7a,7bにより構成される隔壁50a,50bに袋状濾布8が固定されているものであるが、袋状濾布8の固定部位とは別の位置に隔壁50cが配設されている構成も本発明に属する。したがって、例えば、図13に示すように、従来構成の濾過器Aに係る濾過タンク(缶体a)に、隔壁50cを後付けして濾布圧接面30を形成した濾過器1cとすることも勿論可能である。また、隔壁50cを上下に複数段配設してもよい。
【0052】
なお、上記濾過タンク2は、起立状態で配置されているため、濾滓Cを含む洗浄液を重力に沿って鉛直下方に流動させることができ、濾過タンク2内の流動を安定させ、しかもその流動圧を高くすることができる。ただし、本発明は、濾過タンク2を例えば水平にして設置する構成を排除するものではない。具体的には、水平に既設された配管に対して、濾過タンク2を水平にして取り付ける構成が提案される。
【0053】
上記構成は、濾過タンク2内に単一の袋状濾布8が内在するものであるが、これに限定されず、濾過タンク2内に袋状濾布8が複数装着されている構成としてもよい。
【0054】
前記濾布通過口20の孔径、又は隔壁50a,50b,50cの配設位置は、袋状濾布8の開口直径と高さの比率、袋状濾布8の肉厚、濾滓Cの補修量等を考慮して、適宜設定され得る。
【0055】
また、これまでに述べた構成は、濾過タンク2内に残留した被処理液を洗浄液として用いる構成であるが、洗浄時に被処理液とは別個に専用の洗浄液を注入する構成としても勿論よい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、袋状濾布の洗浄効果が向上するため、当該袋状濾布の保守管理につき有用であるから、産業上利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】濾過タンク2の縦断側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】濾過器1aの概要説明図であり、プレコート工程実行時を示している。
【図4】濾過器1aの概要説明図であり、濾過工程実行時を示している。
【図5】濾過器1aの概要説明図であり、洗浄工程実行時を示している。
【図6】濾過器1aの概要説明図であり、図5から続く洗浄工程実行時を示している。
【図7】濾過器1aの概要説明図であり、図6から続く洗浄工程実行時を示している。
【図8】濾過器1aの概要説明図であり、図7から続く洗浄工程実行時を示している。
【図9】濾過器1aの概要説明図であり、追加洗浄工程実行時を示している。
【図10】袋状濾布8の圧接状態を示す拡大説明図である。
【図11】別構成の隔壁50bを示す濾過タンク2の横断側面図である。
【図12】別構成の濾過器1bを示す縦断側面図である。
【図13】別構成の濾過器1cを示す縦断側面図である。
【図14】従来構成の濾過器Aであり、濾過時の状態を示す縦断側面図である。
【図15】従来構成の濾過器Aであり、洗浄時の状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0058】
1a〜1c 濾過器
2 濾過タンク
8 袋状濾布
8A 開口部周縁
10 濾液排出外気導入口
11 濾滓排出口
18 濾過室
19 洗浄室
20 濾布通過口
21 供給ノズル
30 濾布圧接面
50a〜50c 隔壁
52 小径部側端面
C 濾滓
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建設廃土スラリー、メッキ工場廃液処理物、廃液活性汚泥処理工程で排出される余剰汚泥スラリー等の固液分離処理に使用される濾過器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば建設廃土スラリー、メッキ工場廃液処理物、廃液活性汚泥処理工程で排出される余剰汚泥スラリー等の固液分離処理に使用され、微細粒子又は難濾過性濾滓の濾過を行なう濾過器は、既によく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
かかる濾過器Aは、図14に示すように、起立した缶体aを備えており、該缶体aの上部には、濾液排出口と洗浄液注入口とを兼ねた濾液排出洗浄液注入口bが設けられ、下部には濾滓排出口cが設けられ、さらにその側部には被処理液注入口dが設けられている。また、該缶体a内の上半部には、伏ドーム形の多孔濾布支持体eが設けられていると共に、該多孔濾布支持体eの内側には袋状濾布fが配置され、該袋状濾布fの下端開口部の周縁gが該缶体aの中間位置に固定されている。
【0004】
上記構成にあって、濾過器Aで濾過を行なうには、まず缶体a内に被処理液注入口dから被処理液を圧入する。そうすると、図14に示すように、前記袋状濾布fは被処理液の流動圧によって上方へ膨出し、上半部の多孔濾布支持体eに圧接され、この状態で被処理液は袋状濾布fにより濾過される。そして、該被処理液中の固形分は濾滓Cとして当該袋状濾布fの内側に蓄積し、濾液は当該袋状濾布fの外側へ透過して濾液排出洗浄液注入口bから排出される。これに対し、袋状濾布fの目詰まりが発生し、当該袋状濾布fの洗浄を要する場合には、濾液排出洗浄液注入口bから洗浄液を圧入する。そうすると、図15に示すように、袋状濾布fは洗浄液の流動圧によって下方へ裏返し状態で膨出する。このとき、袋状濾布fの内側に蓄積されていた濾滓Cは外側へ露出することとなり、自然に袋状濾布fから剥離し、かつ袋状濾布fを透過する洗浄液によって押し流され、缶体aの濾滓排出口cから排出される。
【0005】
かかる構成とすることにより、袋状濾布fを缶体aから取り外すことなく、当該袋状濾布fの内側に付着した濾滓Cを除去することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−33974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記発明にあっては、洗浄時において、袋状濾布の目詰まりがひどくなると、濾滓が袋状濾布の表面で強固に固着して剥離し難くなることがあり、濾滓を十分に取り除くことができないことがあった。このため、濾過効率が悪化してしまう、あるいは濾滓をきれいに取り除くために袋状濾布を缶体から取り外し、別途、濾滓を取り除く作業を行わなければならないこともあった。このため、濾過効率の向上、及び面倒な作業の排除を実現すべく、効率的に濾滓の洗浄効果を向上させることができる構成が強く求められていた。
【0008】
本発明は、濾滓を効率よく袋状濾布から剥離させて、袋状濾布の洗浄効果を高め得る濾過器、及び該濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、該濾過タンク内には、一端側と他端側とに区画する隔壁が配設され、かつ、該隔壁には、当該濾過タンクの内径よりも小さい濾布通過口が配設されると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に前記隔壁の濾布通過口を介して裏返し可能に取り付けられてなり、前記隔壁の他端側に臨む壁面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器である。
【0010】
かかる構成にあっては、濾過タンク内に隔壁を設けて濾布圧接面を形成したため、袋状濾布は、洗浄時に一旦、濾布圧接面に圧接され、該濾布圧接面上で不規則に折り畳まれた状態となる。このように、袋状濾布が不規則に折り畳まれると、袋状濾布の表面が適度に屈曲され、該表面上に付着している濾滓がこれにより粉砕されて該袋状濾布の繊維深部に三次元的に補足されていた濾滓がかかる繊維から解離して該表面から剥離しやすくなる。換言すれば、袋状濾布が濾布圧接面に圧接されると、いわゆる揉み洗い効果が作用して、濾滓が袋状濾布の表面から剥離し易くなり、袋状濾布の洗浄効果が向上することとなる。
【0011】
なお、本発明の係る前記濾過タンクの配置方向は特に限定されないが、重力を利用して、濾滓を下方へ押し流す構成が効率的で望ましい。したがって、上記の発明は、袋状濾布が内在した起立状の濾過タンクの下端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、上端側に濾液排出口が配設された濾過器において、該濾過タンク内には、上端側と下端側とに区画する隔壁が配設され、かつ、該隔壁には、当該濾過タンクの内径よりも小さい濾布通過口が配設されると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が上端側から下端側に前記隔壁の濾布通過口を介して裏返し可能に取り付けられてなり、前記隔壁の上端側に臨む上向きの壁面が、前記袋状濾布が裏返し時に圧接される濾布圧接面とされた構成とするのが望ましい。
【0012】
また、本発明は、前記袋状濾布の開口部周縁が、前記隔壁の濾布通過口を囲繞するようにして当該濾布通過口の周縁部に固定されている構成が望ましい。
【0013】
かかる構成とすることにより、袋状濾布全体が折り畳まれた状態で濾布圧接面へ圧接されることとなり、上記揉み洗い効果を袋状濾布全体に作用させることが可能となって袋状濾布に付着した濾滓を効率良く剥離容易とすることができる。
【0014】
また、本発明は、袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、該濾過タンクは、一端側と他端側とで内径が異なり、他端側が、一端側より内径が大きい大径部とされ、それに対応して一端側が、他端側より内径が小さい小径部とされてなると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に裏返し可能に取り付けられてなり、濾過タンク内の小径部と大径部との境界に位置した小径部側端面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器である。
【0015】
かかる構成にあっては、濾過タンク内の一端側に小径部を設けて濾布圧接面を形成したため、上述のように、袋状濾布に前記揉み洗い効果が作用して、濾滓が袋状濾布の表面から剥離し易くなり、袋状濾布の洗浄効果が向上することとなる。なお、本発明も上述したように、前記濾過タンクの配置方向は特に限定されないが、重力を利用して、濾滓を下方へ押し流す構成が効率的で望ましい。
【0016】
また、前記発明は、前記袋状濾布の開口部周縁が、小径部と大径部の境界にある小径部開口を囲繞するようにして該小径部開口の周縁部に固定されている構成が望ましい。
【0017】
かかる構成とすることにより、袋状濾布全体が折り畳まれた状態で濾布圧接面へ圧接されることとなり、上記揉み洗い効果を袋状濾布全体に作用させることが可能となって袋状濾布に付着した濾滓を効率良く剥離容易とすることができる。
【0018】
また、これまでに発明は、濾過タンクの他端側に外気導入口が配設されてなり、濾滓排出口から濾滓が排出される際に、該外気導入口から濾過タンク内に外気が導入される構成とすることができる。
【0019】
かかる構成とすることにより、濾過時に注入された濾過タンク内の残留被処理液を洗浄液として利用した場合に、濾滓排出時のおける当該濾過タンク内の内圧バランスを適性化することが可能となる。
【0020】
また、前記濾過タンク内の一端側及び/又は他端側に、袋状濾布を支持する多孔濾布支持体が配設されている構成が提案される。
【0021】
かかる構成とすることにより、濾過タンク内における袋状濾布を支持して、当該袋状濾布の姿勢を適正に維持することが可能となる。
【0022】
また、本発明は、上述した濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法であって、濾滓排出時に、被処理液を被処理液注入口から袋状濾布に向けて噴射することを特徴とする濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法である。
【0023】
かかる構成とすることにより、袋状濾布の表面にある剥離寸前の濾滓を被処理液により吹き飛ばすことが可能となり、濾滓の除去を確実に行なうことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る濾過器は、洗浄時に、袋状濾布を濾布圧接面に一旦圧接させてから裏返す構成であるため、いわゆる袋状濾布に対して揉み洗い効果を作用させることが可能となり、濾滓を容易に袋状濾布から剥離させて該袋状濾布の洗浄効果を高めることができる効果がある。
【0025】
また、本発明に係る濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法は、袋状濾布の表面にある剥離寸前の濾滓を被処理液により吹き飛ばすことが可能となり、濾滓の除去を確実に行なうことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
本発明の濾過器1a,1b,1cは、被処理液を濾過する機能を有すると共に、内部の袋状濾布8を取り外すことなく洗浄して、該袋状濾布8の内面に付着した濾滓Cを除去し得る機能を有する。以下、濾過器1a,1b,1cの具体的な構成を、添付図面に従って説明する。
【0027】
図1,2に示すように、濾過器1aは、起立状に配置された濾過タンク2を備えている。この濾過タンク2は、横断面が円形の中空体であり、縦長形状とされている。さらに、この濾過タンク2は、上半部材2Aと下半部材2Bとに二分割されており、上半部材2Aと下半部材2Bとはフランジ3A,3Bを突合わせた状態で、ボルト4とナット5とにより緊締され一体化される。
【0028】
ここで、本発明に係る濾過器1aにあっては、前記濾過タンク2の上半部材2Aと下半部材2Bとの間(濾過タンク2の中間部)に、環状フランジ板7aが挟持されている。具体的には、この環状フランジ板7aは、円環状の薄厚平板部材で構成され、中央に円形の濾布通過口20が開口している。そして、該環状フランジ板7aの外周部が、上半部材2Aのフランジ3Aと、下半部材2Bのフランジ3Bとに挟まれて固定されている。ここで、前記ボルト4とナット5とにより緊締されて濾過タンク2の中間部に配された環状フランジ板7aは、濾過タンク2内における液流動方向(図1の矢印)に対して直交するように配置されると共に、その内周縁が濾過タンク2内において十分に内側へ突き出した位置に配され、濾過タンク2内の中央に該濾過タンク2の内径より小径の濾布通過口20が位置するように寸法設計されている。これにより、当該濾過タンク2内にあって、上端側に位置した濾過室18、及び下端側に位置した洗浄室19に区画する隔壁50aとして機能している。
【0029】
さらに、図1,2に示すように、該環状フランジ板7aの濾布通過口20の周囲には、該濾布通過口20を囲繞するようにして下方に開口した袋状濾布8の開口部周縁8Aが固定されている。かかる構成により、袋状濾布8が、濾布通過口20を介して上下方向で裏返し可能に濾過タンク2内に配置されることとなる。なお、本実施例において袋状濾布8の固定には、袋状濾布8の開口部周縁8Aに円環状の平板部材で構成された中央開口26のある押え部材25を配置して、開口部周縁8A及び押え部材25を、環状フランジ板7a上においてボルト14とナット15とで緊締することとしているが、接着剤等の他の固定手段を採用しても勿論よい。ところで、該環状フランジ板7aの機能については、本発明の要部であるため、後で詳述する。
【0030】
また、前記濾過タンク2の上端には、濾液が排出される濾液排出口と外気を濾過タンク2内に導入する外気導入口とを兼ねた濾液排出外気導入口10が設けられている。これに対し、濾過タンク2の下端には、バルブ12が付設された濾滓排出口11が設けられている。この濾滓排出口11は、濾滓Cを含む洗浄液が排出されるものである。さらに、前記環状フランジ板7aの直下には、供給ノズル21,21が設けられている。この供給ノズル21は、被処理液等を濾過タンク2内にやや上方に向けてスプレー噴射して注入するものである。なお、前記供給ノズル21は、公知品が好適に採用され、該供給ノズル21の先端にある噴射口により、本発明に係る被処理液注入口が構成される。
【0031】
また、前記濾過タンク2内の上部には上限多孔目皿16が、下部には下限多孔目皿17が配設されている。なお、各多孔目皿16,17は、上方又は下方へ膨出した袋状濾布8を支持して、該袋状濾布8の上限位置又は下限位置を規定するものであり、パンチングメタル板等の多孔板で構成されて、注入される液を上下方向に透水可能としている。なお、上記の上限多孔目皿16(下限多孔目皿17)により、本発明に係る多孔濾布支持体が構成される。この上限多孔目皿16(下限多孔目皿17)は、上方または下方のみに配設しても勿論よい。
【0032】
なお、前記濾過タンク2において鉛直上方が、本発明に係る濾過タンクの他端側に相当し、鉛直下方が、一端側に相当する。
【0033】
次に、前記濾過器1aの基本的な使用態様を簡単に説明する。
被処理液を濾過するには、まず供給ノズル21から濾過タンク2内に被処理液を圧入する。そうすると、濾過タンク2内において被処理液は、その流動圧により袋状濾布8を上部へ押し上げ、当該袋状濾布8を濾過室18で上方へ膨出させる。この袋状濾布8は、図1において実線で示される。そして、被処理液は該袋状濾布8を透過して濾過され、該被処理液中に分散している固形分は濾滓Cとして当該袋状濾布8の内側に蓄積される。また、袋状濾布8によって濾過された濾液は、上限多孔目皿16を通過し、前記濾液排出外気導入口10から外部へ排出される。
【0034】
これに対し、濾過後に袋状濾布8を洗浄するには、バルブ12を開放し、内部に残留する被処理液を洗浄液として、下方へ流動させる。そうすると、上方に膨出して下方開口していた袋状濾布8は、該洗浄液の流動圧により、下方に押し流され、裏返されながら洗浄室19に位置し、下方へ膨出する。この袋状濾布8は、図1において二点鎖線で示される。そして、表面側に露出した袋状濾布8に付着する濾滓Cが破砕剥離されて洗浄液によって押し流され、除去された濾滓Cが下限多孔目皿17を通過し、濾滓排出口11から排出される。
【0035】
次に、濾過及び洗浄を選択的に行なう濾過器1aの制御内容を、図3〜図10に従って説明する。
まず、濾過器1aのシステム構成を概説する。
本濾過器1aは、図3等に示すように、水に濾過助剤が混合されてなるプレコート液が入ったプレコート槽41を備えている。この濾過助剤は、濾過精度を向上させるもので、袋状濾布8内面に濾過助剤層を形成するために使用される。また、このプレコート槽41には、前記プレコート液を攪拌する攪拌機42が付設されている。そして、前記プレコート槽41は、前記供給ノズル21に連通しており、攪拌されるプレコート液が、供給ノズル21から濾過タンク2に注入可能となっている。
【0036】
また、本濾過器1aには、被処理液が入った被処理液槽43を備えている。そして、この被処理液槽43も、前記供給ノズル21に連通しており、被処理液は、供給ノズル21から注入可能となっている。
【0037】
ところで、供給ノズル21に接続される配管には、吸引ポンプ40が接続されており、該吸引ポンプ40は、プレコート槽41のプレコート液、又は被処理液槽43の被処理液を吸引し、供給ノズル21に送液可能としている。また、プレコート槽41に接続する配管には、プレコート槽入口バルブ34が、また被処理液槽43に接続する配管には、被処理液槽入口バルブ35がそれぞれ配設されている。なお、両バルブ34,35は、その開閉制御により各液を送液可能又は送液不能とすることができるものである。
【0038】
また、前記プレコート槽41は、前記濾液排出外気導入口10にも連通している。そして、プレコート槽41と濾液排出外気導入口10とを接続する配管には、プレコート槽出口バルブ32が配設されている。さらに、該濾液排出外気導入口10には、濾液を外部に案内する配管も接続されており、該配管に濾液出口バルブ31が接続されている。なお、各バルブ31,32の機能は、上述のバルブと同様である。
【0039】
また、前記濾滓排出口11に接続された配管には、ドレンバルブ33が配設されている。なお、ドレンバルブ33の機能も、上述の各バルブ31,32,34,35と同様である。
【0040】
次に、上記構成からなる濾過器1aによる濾過・洗浄工程を説明する。
本実施例にあっては、濾過精度を向上させるべく、まずプレコート工程を実行する。具体的には、図3に示すように、前記プレコート液を吸引ポンプ40で吸引して供給ノズル21を介して濾過タンク2内に噴射する。なお、濾過タンク2内に噴射されたプレコート液は、当該プレコート液の流動圧で上方に膨出した袋状濾布8を透過し、濾液排出外気導入口10から排出されて、前記プレコート槽41に戻され、再び供給ノズル21へ給送されて循環する。なお、プレコート工程では、濾液出口バルブ31、被処理液槽入口バルブ35、及びドレンバルブ33は閉状態とされ、プレコート槽出口バルブ32、及びプレコート槽入口バルブ34は開状態とされる。
【0041】
このように、プレコート液が袋状濾布8を所定時間透過すると、当該袋状濾布8の内側に濾過助剤層が形成されることとなる。そして、プレコート槽41内のプレコート液がきれいになった時点で、バルブを切り替えて供給ノズル21への給送を停止し、プレコート工程を終了する。
【0042】
プレコート工程が終了すると、図4に示すように、被処理液槽43内にある被処理液を吸引ポンプ40で吸引して供給ノズル21で濾過タンク2内に注入する濾過工程を実行する。被処理液を濾過タンク2内へ注入開始すると、上述のように、その流動圧により袋状濾布8は上部へ押し上げられて当該袋状濾布8が濾過室18で上方へ膨出する。そして、該袋状濾布8を透過した濾液は、濾過器1aの外部へ送液される。なお、濾過工程が継続的に実行されると、濾過タンク2内には被処理液の一部が残留することとなる。ところで、この濾過工程では、プレコート槽出口バルブ32、プレコート槽入口バルブ34、及びドレンバルブ33は閉状態とされ、濾液出口バルブ31、及び被処理液槽入口バルブ35は開状態とされる。
【0043】
濾過工程の実行により、袋状濾布8が目詰りした場合は、次に洗浄工程を実行する。ここで、袋状濾布8の目詰りは、濾液の流動圧を測定する圧力計(図示省略)により検知される。そして、該圧力計により、目詰りが検知されると、濾過タンク2内に残留している被処理液の液面が環状フランジ板7aよりも少なくとも高位であることを確認してから、図5に示すように、前記吸引ポンプ40の吸引動作を停止して被処理液の注入を停止し、ドレンバルブ33を開く。また、プレコート槽出口バルブ32を開放して濾液排出外気導入口10を介してプレコート槽41の気相から外気を導入可能な状態とする。そうすると、濾過タンク2内において、該被処理液が洗浄液として下方に流動開始される。
【0044】
ここで、洗浄液が流動開始されると、濾過時に上半部材2Aの濾過室18内に配置されていた袋状濾布8は、該洗浄液の流動圧によって不規則に折り畳まれながら下方へ押し流され始める。そして、前記環状フランジ板7aで構成される隔壁50aの上面に形成される濾布圧接面30に部分的に又は全体的に圧接されることとなる(図10参照)。
【0045】
さらに、濾布圧接面30上にある袋状濾布8は、図6に示すように、環状フランジ板7aの濾布通過口20へ押し流され、図7に示すように、裏返されながら下方に押し流されて洗浄室19に移動してくる。そして、図8に示すように、袋状濾布8は、下方へ膨出することとなる。なお、上述のように、洗浄工程の実行中にあっては、濾液排出外気導入口10から外気が流入して、濾過タンク2の内圧バランスが適正に保持されるようになっている。
【0046】
このように、袋状濾布8が濾布圧接面30上で裏返し時に一旦不規則に折り畳まれると(図10参照)、袋状濾布8の表面が適度に屈曲され、該表面上に付着している濾滓Cが粉砕されて該表面から剥離しやすくなる。換言すれば、袋状濾布8が濾布圧接面30に圧接されると、いわゆる揉み洗い効果が作用して、袋状濾布8の洗浄効果が向上することとなる。
【0047】
また、前記環状フランジ板7aに、前記袋状濾布8の開口部周縁8Aが固定されているため、袋状濾布8の全体が折り畳まれた状態で濾布圧接面30へ圧接されることとなり、上記揉み洗い効果を袋状濾布8全体に作用させることが可能となって、袋状濾布8に付着した濾滓Cを効率良く剥離容易となる。
【0048】
ところで、上記洗浄工程によっても、濾滓Cの除去が不十分である場合は、次のような洗浄方法を内容とする追加洗浄工程が実行される。
図9に示すように、洗浄工程実行時に、前記被処理液槽43から被処理液を吸引ポンプ40により吸引し、被処理液を供給ノズル21から濾過タンク2内に注入する。そうすると、洗浄室19内に垂れ下がる袋状濾布8に被処理液が噴射されることとなる。そして、被処理液が噴射された袋状濾布8は、その表面に付着している濾滓Cが吹き飛ばされると共に、該被処理液の流動圧により前記環状フランジ板7aに再度圧接されて、いわゆる揉み洗い効果が作用する。さらに、供給ノズル21からの噴射及び停止を繰り返し行なうと、袋状濾布8が繰り返しスプレー洗浄されることとなり、より一層濾滓Cがきれいに除去される。
【0049】
また、以下の変形例が提案される。
本発明に係る隔壁50bを構成する環状フランジ板7bの平面形状は、上記のような円環形状に限定されるものではなく、図11に示すように、濾過タンク2の円周方向に沿って間欠的に内側突設部を備え、該内側突設部の上面を濾布圧接面30とした構成であっても勿論よい。また、環状フランジ板7a,7bを多孔性の板部材で構成してもよく、適宜変更可能である。
【0050】
また、上記構成は、濾過タンク2とは別部材である環状フランジ板7a,7bにより隔壁50a,50bを構成したものであるが、図12に示すように、濾過タンク2の下半部材2Dを上半部材2Cより小径の寸法形状として、袋状濾布8の開口部周縁8Aを上半部材2Cと下半部材2Dとの間で挟持し、濾過タンク2内に臨む水平上向きの小径部側端面52を濾布圧接面30とするようにした濾過器1bとしても良い。更に詳述すると、下半部材2Dのフランジ3Bの上面が濾過タンク2内に露出しており、該上面が、濾過タンク2の鉛直内側面51から起立し、かつ、洗浄液の流動方向に対向する小径部側端面52となっている。そして、この小径部側端面52を濾布圧接面30として機能させている。また、下半部材2Dの開口を濾布通過口20としている。かかる構成とすることにより、濾布圧接面30を形成するのに際し、隔壁50a,50bを配設するための別部材を要せず、部品点数が増えない。なお、前記上半部材2Cにより、本発明に係る大径部が構成され、下半部材2Dにより、本発明に係る小径部が構成される。
【0051】
また、上記構成は環状フランジ板7a,7bにより構成される隔壁50a,50bに袋状濾布8が固定されているものであるが、袋状濾布8の固定部位とは別の位置に隔壁50cが配設されている構成も本発明に属する。したがって、例えば、図13に示すように、従来構成の濾過器Aに係る濾過タンク(缶体a)に、隔壁50cを後付けして濾布圧接面30を形成した濾過器1cとすることも勿論可能である。また、隔壁50cを上下に複数段配設してもよい。
【0052】
なお、上記濾過タンク2は、起立状態で配置されているため、濾滓Cを含む洗浄液を重力に沿って鉛直下方に流動させることができ、濾過タンク2内の流動を安定させ、しかもその流動圧を高くすることができる。ただし、本発明は、濾過タンク2を例えば水平にして設置する構成を排除するものではない。具体的には、水平に既設された配管に対して、濾過タンク2を水平にして取り付ける構成が提案される。
【0053】
上記構成は、濾過タンク2内に単一の袋状濾布8が内在するものであるが、これに限定されず、濾過タンク2内に袋状濾布8が複数装着されている構成としてもよい。
【0054】
前記濾布通過口20の孔径、又は隔壁50a,50b,50cの配設位置は、袋状濾布8の開口直径と高さの比率、袋状濾布8の肉厚、濾滓Cの補修量等を考慮して、適宜設定され得る。
【0055】
また、これまでに述べた構成は、濾過タンク2内に残留した被処理液を洗浄液として用いる構成であるが、洗浄時に被処理液とは別個に専用の洗浄液を注入する構成としても勿論よい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、袋状濾布の洗浄効果が向上するため、当該袋状濾布の保守管理につき有用であるから、産業上利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】濾過タンク2の縦断側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】濾過器1aの概要説明図であり、プレコート工程実行時を示している。
【図4】濾過器1aの概要説明図であり、濾過工程実行時を示している。
【図5】濾過器1aの概要説明図であり、洗浄工程実行時を示している。
【図6】濾過器1aの概要説明図であり、図5から続く洗浄工程実行時を示している。
【図7】濾過器1aの概要説明図であり、図6から続く洗浄工程実行時を示している。
【図8】濾過器1aの概要説明図であり、図7から続く洗浄工程実行時を示している。
【図9】濾過器1aの概要説明図であり、追加洗浄工程実行時を示している。
【図10】袋状濾布8の圧接状態を示す拡大説明図である。
【図11】別構成の隔壁50bを示す濾過タンク2の横断側面図である。
【図12】別構成の濾過器1bを示す縦断側面図である。
【図13】別構成の濾過器1cを示す縦断側面図である。
【図14】従来構成の濾過器Aであり、濾過時の状態を示す縦断側面図である。
【図15】従来構成の濾過器Aであり、洗浄時の状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0058】
1a〜1c 濾過器
2 濾過タンク
8 袋状濾布
8A 開口部周縁
10 濾液排出外気導入口
11 濾滓排出口
18 濾過室
19 洗浄室
20 濾布通過口
21 供給ノズル
30 濾布圧接面
50a〜50c 隔壁
52 小径部側端面
C 濾滓
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、
該濾過タンク内には、一端側と他端側とに区画する隔壁が配設され、かつ、該隔壁には、当該濾過タンクの内径よりも小さい濾布通過口が配設されると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に前記隔壁の濾布通過口を介して裏返し可能に取り付けられてなり、
前記隔壁の他端側に臨む壁面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器。
【請求項2】
前記袋状濾布の開口部周縁が、前記隔壁の濾布通過口を囲繞するようにして当該濾布通過口の周縁部に固定されていることを特徴とする請求項1記載の濾過器。
【請求項3】
袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、
該濾過タンクは、一端側と他端側とで内径が異なり、他端側が、一端側より内径が大きい大径部とされ、それに対応して一端側が、他端側より内径が小さい小径部とされてなると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に裏返し可能に取り付けられてなり、
濾過タンク内の小径部と大径部との境界に位置した小径部側端面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器。
【請求項4】
前記袋状濾布の開口部周縁が、小径部と大径部の境界にある小径部開口を囲繞するようにして該小径部開口の周縁部に固定されていることを特徴とする請求項3記載の濾過器。
【請求項5】
濾過タンクの他端側に外気導入口が配設されてなり、
濾滓排出口から濾滓が排出される際に、該外気導入口から濾過タンク内に外気が導入されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の濾過器。
【請求項6】
前記濾過タンク内の一端側及び/又は他端側に、袋状濾布を支持する多孔濾布支持体が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の濾過器。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法であって、
濾滓排出時に、被処理液を被処理液注入口から袋状濾布に向けて噴射することを特徴とする濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法。
【請求項1】
袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、
該濾過タンク内には、一端側と他端側とに区画する隔壁が配設され、かつ、該隔壁には、当該濾過タンクの内径よりも小さい濾布通過口が配設されると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に前記隔壁の濾布通過口を介して裏返し可能に取り付けられてなり、
前記隔壁の他端側に臨む壁面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器。
【請求項2】
前記袋状濾布の開口部周縁が、前記隔壁の濾布通過口を囲繞するようにして当該濾布通過口の周縁部に固定されていることを特徴とする請求項1記載の濾過器。
【請求項3】
袋状濾布が内在した濾過タンクの一端側に被処理液注入口と濾滓排出口とが配設され、他端側に濾液排出口が配設された濾過器において、
該濾過タンクは、一端側と他端側とで内径が異なり、他端側が、一端側より内径が大きい大径部とされ、それに対応して一端側が、他端側より内径が小さい小径部とされてなると共に、該濾過タンク内の中間部に、前記袋状濾布の開口部周縁が固定されて、該袋状濾布が他端側から一端側に裏返し可能に取り付けられてなり、
濾過タンク内の小径部と大径部との境界に位置した小径部側端面が、前記袋状濾布が他端側から一端側に裏返る際に圧接される濾布圧接面とされたことを特徴とする濾過器。
【請求項4】
前記袋状濾布の開口部周縁が、小径部と大径部の境界にある小径部開口を囲繞するようにして該小径部開口の周縁部に固定されていることを特徴とする請求項3記載の濾過器。
【請求項5】
濾過タンクの他端側に外気導入口が配設されてなり、
濾滓排出口から濾滓が排出される際に、該外気導入口から濾過タンク内に外気が導入されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の濾過器。
【請求項6】
前記濾過タンク内の一端側及び/又は他端側に、袋状濾布を支持する多孔濾布支持体が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の濾過器。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法であって、
濾滓排出時に、被処理液を被処理液注入口から袋状濾布に向けて噴射することを特徴とする濾過器に備えられた袋状濾布の洗浄方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−106915(P2009−106915A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284959(P2007−284959)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000228235)日本エンバイロ工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000228235)日本エンバイロ工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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