説明

濾過装置および濾過方法

逆流洗浄フィルタからのごみ排出が簡略化されている、逆流洗浄フィルタ(108)と洗浄導管(136)を有し、その洗浄導管を通して、逆流洗浄相の間逆流洗浄した液が逆流洗浄フィルタから次の処理装置へ供給可能である、固体を含む液状媒体を濾過するための濾過装置を提供するために、逆流洗浄フィルタが粗粒ごみ出口を有し、その粗粒ごみ出口が洗浄導管と接続されているので、粗粒ごみ出口を通して洗浄導管内へ達した粗粒ごみが、逆流洗浄相の間逆流洗浄した液と共に次の処理装置へ供給可能であることが、提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体を含む液状媒体を濾過するための濾過装置に関するものであって、その場合に濾過装置は、逆流洗浄フィルタと洗浄導管とを有しており、その洗浄導管を通して逆流洗浄の間、逆流洗浄フィルタから逆流洗浄した液体が次の処理装置へ供給される。
【背景技術】
【0002】
この種の濾過装置は、従来技術から知られている。
この種の既知の濾過装置において、逆流洗浄相の間に逆流洗浄した液体と、逆流洗浄フィルタ内に堆積した粗粒ごみが、別々の廃棄導管を介して収容容器へ供給される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、逆流洗浄フィルタからのごみ放出が簡略化される、冒頭で挙げた種類の濾過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明の請求項1の前文の特徴を有する濾過装置において、逆流洗浄フィルタが粗粒ごみ出口を有しており、その粗粒ごみ出口が洗浄導管と接続されているので、粗粒ごみ出口を通して洗浄導管内へ達した粗粒ごみが、逆流洗浄相の間、逆流洗浄した液体と共に、次の処理装置へ供給可能であることによって、解決される。
【0005】
従って本発明に基づく解決においては、逆流洗浄相の間逆流洗浄した液のための洗浄導管と、逆流洗浄フィルタからの粗粒ごみを排出するための粗粒ごみ出口が互いに接続されているので、逆流洗浄した液と粗粒ごみが、粗粒ごみ出口と洗浄導管との接続箇所からは、共通の導管内で次の処理装置へ供給される。粗粒ごみが、逆流洗浄相の間逆流洗浄した、逆流洗浄フィルタからの液の流れルート内にあることによって、堆積した粗粒ごみが簡単かつ有効な方法で次の処理装置へ移送され、そのために付加的な液の供給が必要になることがない。
それによって、濾過装置の液体消費が著しく減少される。
本発明に基づく濾過装置は、特に、水性のクリーナー、オイルおよび/またはエマルジョンを有する浄化設備内で使用するのに適している。
濾過すべき液状の媒体内に含まれる固体は、特に強磁性の固体を含み得る。
【0006】
本発明の好ましい形態において、粗粒ごみ出口は、粗粒ごみ弁によって閉鎖可能である。
さらに、粗粒ごみ出口が洗浄導管の、実質的に水平に延びる部分内へ連通することができる。その場合にこの部分は、濾過装置の粗粒ごみ捕集室を形成する。
【0007】
濾過装置の粗粒ごみ捕集室内に所定量の粗粒ごみが堆積した場合に常に、逆流洗浄フィルタの逆流洗浄相が導入されるようにするために、濾過装置がセンサを有し、そのセンサを用いて粗粒ごみ出口内および/または洗浄導管内の粗粒ごみ捕集室の充填状態を検出することができる。
この種のセンサは、特に金属センサとして形成することができる。
【0008】
洗浄導管は、逆流洗浄弁を有することができ、その逆流洗浄弁は、洗浄導管内への粗粒ごみ出口の連通部から上流に配置されている。
さらに、洗浄導管は、排出弁を有することができ、その排出弁は、粗粒ごみ出口の連通部から下流に配置されており、従って次の処理装置への接近を遮断し、あるいは解放する。
【0009】
本発明の好ましい形態において、逆流洗浄フィルタは、自動逆流洗浄フィルタとして形成されており、その逆流洗浄相は、逆流洗浄フィルタのフィルタ部材のごみ収容容量が使い尽くされ、かつ/または粗粒ごみ捕集室内に所定量の粗粒ごみが堆積した場合に、自動的に導入される。
逆流洗浄した液をその中に含まれる汚れ、特にその中に含まれる粗粒ごみと共に付加処理して再生するための次の処理装置は、特に沈殿装置および/または固体セパレータを有することができる。
【0010】
本発明の他の課題は、逆流洗浄フィルタからのごみ排出を簡略化する、逆流洗浄フィルタを用いて固体を含む媒体を濾過する濾過方法を提供することである。
この課題は、本発明によれば、次のステップを有する、逆流洗浄フィルタを用いて固体を含む媒体を濾過する濾過方法によって、解決される:
−濾過相の間、逆流洗浄フィルタからの粗粒ごみを粗粒ごみ出口を通して洗浄導管内へ排出し;
−逆流洗浄の間、逆流洗浄フィルタを逆流洗浄し、逆流洗浄フィルタからの逆流洗浄した液を、洗浄導管内に堆積した粗粒ごみと共に、次の処理装置へ供給する。
本発明に基づく方法において、粗粒ごみが逆流洗浄フィルタからの逆流洗浄した液と共に次の処理装置へ洗い流されることによって、粗粒ごみが極めて効果的な方法で次の処理装置へ移送され、そのために付加的な液の供給を必要としない。
本発明に基づく濾過方法の特別な形態が、従属の請求項10から15に記載されていて、その利点はすでに、本発明に基づく濾過装置の好ましい形態に関連して上で説明されている。
【0011】
本発明の他の特徴と利点が、実施例で以下に説明され、また図面で表わされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
すべての図において、同一または機能的に等しい部材は、同一の参照符号で示されている。
図1から7に示す、固体を含む液状媒体、たとえば水性のクリーナー、オイルまたはエマルジョンを濾過するための、全体を符号100で示す濾過装置は、濾過すべき媒体を収容するための汚水タンク102を有し、その汚水タンクはフィルタ供給導管104を介して逆流洗浄フィルタ108の汚れ側の空間と接続されている。
【0013】
フィルタ供給導管104内には、濾過すべき媒体を汚水タンク102から逆流洗浄フィルタ108へ給送するためのフィルタポンプ110が配置されている。
逆流洗浄フィルタ108の構造の詳細は、図2と3から明らかににされる。
逆流洗浄フィルタ108は、実質的に筒状の上方の部分114と、上方の部分114に下方へ連続する、下方へ向かって円錐状に細くなる下方の部分116とを備えたフィルタハウジング112を有している。
【0014】
フィルタハウジング112の上方の部分114は、水平の仕切り壁118によって、仕切り壁118の上方に位置する濾液側の空間120と、仕切り壁118の下方に位置する汚れ側の空間106に分離されており、その場合にフィルタハウジング112の下方の部分116の内部空間も、逆流洗浄フィルタ108の汚れ側の空間106に数えられる。
【0015】
フィルタハウジング112内には、さらにフィルタ挿入片122が配置されており、そのフィルタ挿入片はモータ124によって垂直の回転軸126を中心に回転可能であり、かつ複数のフィルタ部材128を有しており、それらフィルタ部材はフィルタ挿入片122が回転軸126を中心に回転することによって次々と、逆流洗浄フィルタ108のフィルタチャンバ130内へ移動することができる。
【0016】
濾液側において、それぞれフィルタチャンバ130内にあるフィルタチャンバ部材128が、一方では、フィルタハウジング112の濾液側の空間120と接続され、他方では逆流洗浄導管132と接続されており、その逆流洗浄導管はフィルタチャンバ130から逆流洗浄弁134へ通じている。逆流洗浄弁134は、さらに、洗浄導管136に接続されており、その洗浄導管は逆流洗浄フィルタ108から沈殿装置140の液体入口138(図4を参照)へ通じている。
【0017】
フィルタハウジング112の汚れ側の空間106に連通する、逆流洗浄フィルタ108の汚れ側の供給部142が、フィルタ供給導管104に接続されている。
フィルタハウジング112の濾液側の空間120に連通する、逆流洗浄フィルタ108の濾液側の還流部144は、フィルタ逆流洗浄導管146(図1を参照)を介して、濾過された媒体を収容するためのクリーンタンク148と接続されている。
【0018】
さらに、フィルタハウジング112の濾液側の空間120に、圧縮空気供給部162が連通しており、その圧縮空気供給部は(図示されない)圧縮空気源と接続されている。
フィルタハウジング112の円錐状に細くなる下方の部分116は、その下方の端部において、粗粒ごみ弁150によって閉鎖可能である。
【0019】
粗粒ごみ弁150は、さらに、垂直に延びる粗粒ごみ導管152を介して洗浄導管136と接続されており、その場合に粗粒ごみ出口として用いられる、粗粒ごみ導管152の下方の端部は、洗浄導管136の実質的に水平に延びる部分154内へ連通しているので、洗浄導管136内の、粗粒ごみ導管152の連通部の領域に、粗粒ごみ捕集空間156が形成されている。
粗粒ごみ導管152に、粗粒ごみ導管152内の粗粒ごみの充填状態を検出するための金属センサ158が配置されている。
【0020】
洗浄導管136内の、粗粒ごみ捕集空間156の下流に、逆流洗浄排出弁160が配置されており、それを用いて、図4から7に詳細に示される沈殿容器140への接近を遮断することができる。
沈殿容器140は、実質的に筒状の上方の部分166とその上方の部分166に下方へ向かって連続する、円錐状に下方へ向かって細くなる下方の部分168とを有する容器ハウジング164を有している。
【0021】
容器ハウジング164の上方の部分166内へ、洗浄導管136が液体入口138を介して、特に沈殿容器140内の液面170の上方において、連通している。
沈殿容器140の円錐状に細くなる部分168の下方の端部は、全体を符号172で示すロック装置内へ連通しており、そのロック装置は、沈殿容器140に連続する上方のロック弁174、ロック装置172の下方の終端を形成する、下方のロック弁176および、上方のロック弁174と下方のロック弁176との間に配置されたロックチャンバ178を有しており、そのロックチャンバの内部空間が、沈殿物捕集領域を形成している。
下方のロック弁176は、特にスライダ弁として形成することができる。
下方のロック弁176は、さらに、沈殿物排出導管180を介して固体セパレータ182(図1を参照)の入口と接続されている。
【0022】
固体セパレータ182は、ロックチャンバ178に由来する沈殿物内に含まれる残留液状媒体を、沈殿物の固体成分から分離するために、用いられる。
固体セパレータ182は、特に、WO2004/041438A1に記載されている磁気的な固体セパレータのように構成され、かつ機能することができる。これをもって、この種の固体セパレータの構造および機能方法に関して、WO2004/041438A1が、明確に参照される。
固体セパレータ182の液体出口184から、残留液体還流導管186が汚水タンク102へ通じている。
固体セパレータ182内で残留液から分離された、ロックチャンバ178からの沈殿物の固体成分は、固体捕集容器187内へ達する。
【0023】
沈殿容器140内には、さらに、実質的に中央に、洗浄パイプ188が配置されており、その洗浄パイプは、実質的に垂直のパイプ軸に沿って沈殿容器140の蓋190を通してその内部空間の、容器ハウジング164の下方の部分168内まで延びており、そこで、液面170の下方に位置する箇所において、沈殿容器140の内部空間内へ連通している。
洗浄パイプ188の連通部は、その下方の端部において、ふるい192によって閉鎖されている。
洗浄パイプ188の上方の端部は、シールプレート193によって閉鎖されている。
【0024】
洗浄パイプ188の内部には、洗浄パイプ188に対して同軸に配置された、クリア相還流導管196の始端部分194が延びており、そのクリア相還流導管はシールプレート193を貫通しており、沈殿容器140から汚水タンク102へ通じている(図1を参照)。
クリア相還流導管196内に、遮断弁198と流量制御器200が配置されている。
【0025】
沈殿容器140の内部空間の、液面170の上方に位置する部分内に、さらに、圧縮空気供給導管202が連通しており、その圧縮空気供給導管内に圧縮空気弁204と圧力制御器206が配置されている。
圧縮空気供給導管202は、(図示されない)圧縮空気源と接続されている。
さらに、沈殿容器140の内部空間の、液面170の上方に位置する部分内に、通気導管208が連通しており、その通気導管内には通気弁210が配置されているので、通気弁210が開放された場合に沈殿容器140の内部空間は、周囲空気によって通気することができる。
さらに、沈殿容器140には、沈殿容器140の内部の液面170の水準を検出するためのレベルゾンデ212が設けられている。
【0026】
上述した濾過装置100は、以下のように機能する:
汚水タンク102内に、濾過して取り除くべき固体と混合された液状媒体、たとえば水性の洗浄液、オイルまたはエマルジョンが集められる。
汚水タンク102から、濾過すべき媒体が、フィルタポンプ110を介して逆流洗浄フィルタ108の汚れ側の空間106へ供給される。
【0027】
図2から明らかなように、逆流洗浄フィルタ108の供給部142は、フィルタハウジング112の内側の画成壁に対してほぼ接線状に延びているので、濾過すべき媒体は螺旋状のルート214でフィルタハウジング112の内部空間を通って移動する。
濾過すべき媒体が、逆流洗浄フィルタ108内へ流入する場合に、重いごみ粒子は開放された粗粒ごみ弁150と粗粒ごみ導管152を通って下方へ向かって、洗浄導管136内の粗粒ごみ捕集空間156内へ沈下し、そこで、逆流洗浄フィルタ108の濾過相の間に粗粒ごみ堆積152を形成する(図2を参照)。
図2に示す、逆流洗浄フィルタ108のこの濾過相の間、逆流洗浄弁134と逆流洗浄排出弁160は閉鎖されている。
【0028】
濾過すべき媒体は、逆流洗浄フィルタ108の汚れ側の空間106から、フィルタチャンバ130内にあるフィルタ部材128を通して、逆流洗浄フィルタ108の濾液側の空間120へ供給される。
逆流洗浄フィルタ108の濾液側の空間120から、濾液が、フィルタ還流導管146を介してクリーンタンク148内へ達する。
【0029】
フィルタ部材128を通過する際に、比較的細かい固体粒子がフィルタ部材128のフィルタ細度に従って、フィルタ部材128の汚れ側と清浄側の間に留められる。
フィルタ部材128の最大のごみ収容容量に達した場合に、図3に示す、フィルタ部材128を再生するための逆流洗浄フィルタ108の逆流洗浄相、すなわち清浄側から汚れ側へのフィルタ媒体の圧縮空気支援される逆流洗浄が、導入される。
【0030】
この逆流洗浄プロセスのために、粗粒ごみ弁150が閉鎖されて、洗浄導管136内の逆流洗浄排出弁160が開放される。
次に、逆流洗浄弁134が短時間開放されて、逆流洗浄フィルタ108の濾液側の空間120が、圧縮空気供給部162によって圧縮空気を供給されるので、濾液が逆流洗浄フィルタ108の濾液側の空間120から圧縮空気支援されて、フィルタ部材128のフィルタ媒体を通って逆流洗浄フィルタ108の汚れ側の空間106内へ戻り、そこから逆流洗浄導管132内へ、そしてそこから開放された逆流洗浄弁134を通って洗浄導管136内へ注がれる。
【0031】
洗浄媒体として使用される濾液と共に、逆流洗浄の際にフィルタ部材128から剥がれたゴミも、洗浄導管136内へ達する。
逆流洗浄した液体が、粗粒ごみ捕集空間156へも達して、そこに堆積している粗粒ごみを、開放された逆流洗浄排出弁160を通して沈殿容器140内へ洗い流す。
逆流洗浄排出弁160は、各逆流洗浄相の間、たとえば約1sから3sの期間の間開放されている。
【0032】
逆流洗浄フィルタ108の逆流洗浄相は、逆流洗浄弁134と逆流洗浄排出弁160の閉鎖によって終了し、それに続いて逆流洗浄フィルタ108の新しい濾過相が開始される。
逆流洗浄フィルタ108の逆流洗浄相は、粗粒ごみ導管152に設けられた金属センサ158によって、粗粒ごみ導管152内の粗粒ごみの予め定められた最大の充填状態が検出された場合に、導入することができる。
その代りに、あるいはそれに加えて、逆流洗浄フィルタ108の逆流洗浄相は、フィルタ部材128の汚れ側と清浄側の間の圧力差が、予め定められた最大値を越えた場合に、導入することができる。
【0033】
逆流洗浄相において逆流洗浄した液体の浄化は、図4から7に示す沈殿容器内で行われる。
図4から明らかなように、液体入口138は、容器ハウジング164の内壁に対して実質的に接線状に方向づけされているので、逆流洗浄した液体は螺旋状のルート216で沈殿容器140の内部空間内へ流入する。
【0034】
沈殿容器140内に、逆流洗浄した液体内に含まれる固体(粗粒ごみおよびフィルタ部材128から逆流洗浄されたごみ)が沈殿し、開放された上方のロック弁174を通してロックチャンバ178内へ達し、そのロックチャンバは下方へ向かっては、閉鎖された下方のロック弁176によって閉鎖されている。
ロックチャンバ178内に、沈殿物堆積218が形成される。
従って、沈殿容器140とロック装置172が一緒になって、濾過装置100の沈殿装置を形成している。
図4に示す沈殿相の間、クリア相還流導管196内の遮断弁198、圧縮空気供給導管202内の圧縮空気弁204および通気導管208内の通気弁210は、閉鎖されている。
【0035】
洗浄導管136から逆流洗浄した液体を供給することによって、沈殿相の間に沈殿容器140内の液面170が上昇する。
予め定められた沈殿時間が経過した後に、上方のロック弁174が閉鎖される。
次に、沈殿容器140の内部空間が、圧縮空気弁204の開放によって管理されて、たとえば約0.3バールの過圧において圧縮空気が供給される。
【0036】
さらに、クリア相−還流導管196内の遮断弁198が開放されるので、沈殿容器140の内部空間に含まれている固体のない液体(クリア相)が、洗浄導管168の下方の端部に設けられたふるい192を通してクリア相還流導管196内へ圧入されて、クリア相還流導管192を介して汚水タンク102へ戻るように案内される。
その場合に、外側へ向かっては洗浄パイプ188によって、内側へ向かってはクリア相還流導管196の収容部分194によって画成される空気クッション室220内のクリア相レベルも上昇するので、空気クッション室220の上方の領域を満たす空気クッション222が、その中に、たとえば約0.3バールの過圧が達成されるまで、圧縮され、その過圧によって圧縮空気が沈殿容器140の内部空間へ供給される。
【0037】
その開始が図5に、その終了が図6に示されている、このクリア相排出相の間、沈殿容器140内の液面170は、図6に示す、予め定められた最低水準が達成される(それがレベルゾンデ212を用いて検出される)まで、下降する。
このクリア相排出相の間、ロックチャンバ178が下方のロック弁176の開放によって空にされるので、ロックチャンバ178内に堆積した、固体成分と残留液を含む沈殿物が、沈殿物排出導管180を通して固体セパレータ182内へ達する。
ロックチャンバ178が空になった後に、下方のロック弁176が再び閉鎖される(図6を参照)。
【0038】
固体セパレータ182内で、沈殿物の固体成分が残留液から分離される。残留液は、残留液還流導管186を介して汚水タンク102へ供給される。固体成分は、固体捕集容器187へ、そしてそこから付加処理または廃棄へ供給される。
【0039】
沈殿容器140内の液面170の最低レベルが達成された後に、圧縮空気供給導管202内の圧縮空気弁204とクリア相還流導管196内の遮断弁198が閉鎖される。
次に、通気弁210と上方のロック弁174が同時に開放されるので、空気クッション室220の下方の領域内にある液柱が、急激に弛緩する。
従って空気クッション室220の上方の領域内に存在する、圧縮された空気クッション222が急激に下方へ向かって膨張し、それによって洗浄パイプ188の下方の領域内にある液体が、ふるい192を通して容器ハウジング164の下方の部分168内へ圧入されて、その場合にふるい192に堆積したよごれをふるい192から剥がして、一緒に案内する。
このようにしてふるい192から剥がれたよごれが、開放された上方のロック弁174を通して下方へ向かってロックチャンバ178内へ下降する。
それによって、図7に示すふるいクリーニング相が終了する。
【0040】
沈殿容器140の新たな沈殿相は、逆流洗浄排出弁160(図4を参照)の次の開放と共に、すなわち逆流洗浄フィルタ108の次の逆流洗浄相と共に開始される。
上述した濾過装置100の代替的な形態において、クリア相還流導管196は、沈殿容器140から汚水タンク102へ通じるのではなく、クリアタンク148へ通じている。
【0041】
その他においては、濾過装置100のこの代替的な実施形態は、構造と機能に関して、上述した濾過装置100と一致する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】固体を含む液状媒体を濾過するための濾過装置の概略的な表示である。
【図2】図1に示す濾過装置の、粗粒ごみ出口と洗浄導管とを有する逆流洗浄フィルタを、逆流洗浄フィルタの濾過相の間において、一部断面で示す側面図である。
【図3】粗粒ごみ出口と洗浄導管とを有する逆流洗浄フィルタを、逆流洗浄フィルタの逆流洗浄相の間において、図2と同様に示している。
【図4】沈殿装置の沈殿相において、図1に示す濾過装置の沈殿装置を、一部断面で示す、図式的な側面図である。
【図5】沈殿装置の沈殿−クリア相排出相における、沈殿装置の図4に相当する表示である。
【図6】沈殿装置のクリア相排出相の最後における、沈殿装置の図5に相当する表示である。
【図7】沈殿装置のふるい洗浄相における、沈殿装置の図6に相当する表示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体を含む液状媒体を濾過する濾過装置であって、
逆流洗浄フィルタ(108)と洗浄導管(136)を有し、前記洗浄導管を通して逆流洗浄相の間、逆流洗浄した液体が、逆流洗浄フィルタ(108)から次の処理装置へ供給可能であるものにおいて、
逆流洗浄フィルタ(108)が、粗粒ごみ出口を有しており、前記粗粒ごみ出口が洗浄導管(136)と接続されていることにより、粗粒ごみ出口から洗浄導管(136)内へ達した粗粒ごみ(215)が、逆流洗浄相の間、逆流洗浄した液体と共に次の処理装置へ供給可能である、
ことを特徴とする、固体を含む液状媒体を濾過するための濾過装置。
【請求項2】
粗粒ごみ出口が、粗粒ごみ弁(150)によって閉鎖可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項3】
粗粒ごみ出口が、洗浄導管(136)の、実質的に水平に延びる部分(154)内へ連通している、ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項4】
濾過装置(100)が、センサ(158)を有しており、前記センサによって粗粒ごみ出口内および/または洗浄導管(136)内の粗粒ごみ捕集室(156)の充填状態が検出可能である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項5】
センサが、金属センサ(158)として形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の濾過装置。
【請求項6】
洗浄導管(136)が、逆流洗浄弁(134)を有しており、前記逆流洗浄弁が粗粒ごみ出口の連通部から上流に配置されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項7】
洗浄導管(136)が、排出弁(160)を有しており、前記排出弁が粗粒ごみ出口の連通部から下流に配置されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項8】
逆流洗浄フィルタ(108)が、自動逆流洗浄フィルタとして形成されている、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の濾過装置。
【請求項9】
逆流洗浄フィルタ(108)を用いて固体を含む媒体を濾過する方法であって、以下の方法ステップを有する:
−濾過相の間、逆流洗浄フィルタ(108)からの粗粒ごみを粗粒ごみ出口を通して洗浄導管(136)内へ排出し;
−逆流洗浄相の間、逆流洗浄フィルタ(108)を逆流洗浄し、逆流洗浄フィルタ(108)からの逆流洗浄した液を、洗浄導管(136)内に堆積された粗粒ごみと共に次の処理装置へ供給する;
固体を含む媒体を濾過する方法。
【請求項10】
逆流洗浄相の間、粗粒ごみ出口が粗粒ごみ弁(150)によって閉鎖される、ことを特徴とする請求項9に記載の濾過方法。
【請求項11】
粗粒ごみ出口内および/または洗浄導管(138)内の粗粒ごみ捕集室(156)の充填状態が、センサを用いて検出される、ことを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の濾過方法。
【請求項12】
粗粒ごみ捕集室(156)の充填状態が、金属センサ(158)によって検出される、ことを特徴とする請求項11に記載の濾過方法。
【請求項13】
濾過相の間、洗浄導管(136)が、洗浄導管(136)内への粗粒ごみ出口の連通部から上流に配置された逆流洗浄弁(134)によって閉鎖される、ことを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の濾過方法。
【請求項14】
濾過相の間、洗浄導管(136)が、洗浄導管(136)内への粗粒ごみ出口の連通部から下流に配置された排出弁(160)によって閉鎖される、ことを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の濾過方法。
【請求項15】
逆流洗浄フィルタ(108)の汚れ側と清浄側の間の予め定められた差圧を上回り、かつ/または洗浄導管(136)内の粗粒ごみ捕集室(156)の予め定められた最大の充填状態が検出された場合に、逆流洗浄フィルタ(108)が、自動的に逆流洗浄される、ことを特徴とする請求項9から14のいずれか1項に記載の濾過方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−529403(P2009−529403A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557623(P2008−557623)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001571
【国際公開番号】WO2007/101562
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(502415135)デュール エコクリーン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (7)