説明

火炎検出システム

【課題】コストを低減させることができる火炎検出システムを提供する。
【解決手段】1つの火炎検出装置16に対してフレームロッド14,15が並列に接続されている。これにより、バーナ毎に火炎検出装置16を設けずにメインバーナ12およびパイロットバーナ13の火炎の有無を検出できるので、火炎検出装置16の数量を少なくすることができ、結果として、コストを低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火炎の有無を検出する火炎検出システムに関し、特に、フレームロッドを備えた火炎検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃焼炉を備えたシステムには、燃焼炉の火炎の有無を検出するために、フレームロッドを備えた火炎検出システムが設けられている(例えば、特許文献1参照。)。この火炎検出システムが設けられたボイラシステムの一例を図5に示す。
【0003】
図5に示すボイラシステム100は、燃焼炉101と、火炎により燃焼炉101内部を加熱するためのメインバーナ102と、このメインバーナ102に着火させるためのパイロットバーナ103とを備えている。このボイラシステム100には、メインバーナ102の火炎に接触するように配設された一対の電極を有するフレームロッド104と、このフレームロッド104に接続され、メインバーナ102の火炎の有無を検出する火炎検出装置105と、パイロットバーナ103の火炎に接触するように配設された一対の電極を有するフレームロッド106と、このフレームロッド106に接続され、パイロットバーナ103の火炎の有無を検出する火炎検出装置107とが備えられている。
【0004】
ここで、フレームロッドと火炎検出装置とからなる火炎検出システムについて、フレームロッド104と火炎検出装置105とからなる火炎検出システムを例に簡単に説明する。
フレームロッド104は、その先端部分に火炎の中に挿入される一対の電極を備えており、その一対の電極のうち、一の電極(陰極)を内炎と外炎の境界近傍に、他の電極(陽極)を外炎から離して設置すると、火炎の整流現象によって整流作用を発揮する。その結果、それらの電極間に交流電圧を印加すると、フレームロッド104には、火炎がある場合には半波整流された電流が流れ、火炎がない場合には電流が流れない。一方、火炎検出装置105は、フレームロッド104の一対の端子に接続され、その一対の電極間に交流電圧を印加する交流電源と、フレームロッド104の端子間電圧に基づいてメインバーナ102の火炎の有無を判断する信号処理回路とを備えている。
フレームロッド106および火炎検出装置107も、その構造および動作原理は、それぞれ、フレームロッド104および火炎検出装置105と同様である。
【0005】
そこで、複数のバーナ102,103を備えたボイラシステム100に対しては、メインバーナ102に対してはフレームロッド104および火炎検出装置105からなる火炎検出システムを設けるとともに、パイロットバーナ103に対してはフレームロッド106および火炎検出装置107からなる火炎検出システムを設けて、フレームロッド104,106の端子間電圧に基づき、各バーナの火炎の有無を判定するようにしている。
【0006】
具体的には、フレームロッド104に対して設けられた火炎検出装置105では、フレームロッド104の整流作用によりフレームロッド104の端子間電圧が整流されていると、メインバーナ102に火炎が発生していると判定する。一方、フレームロッド104が整流作用を発揮せず、フレームロッド104の端子間電圧が電源と同じく交流電圧であれば、火炎検出装置105は、メインバーナ102に火炎が発生していないと判定する。同様に、フレームロッド106に対して設けられた火炎検出装置107においても、フレームロッド106の端子間電圧に基づいて、パイロットバーナ103の火炎の有無を検出している。
【0007】
このように、複数のバーナを有する燃焼炉においては、1つのバーナに対して1つの火炎検出装置を設けることにより、各バーナの火炎の有無を監視している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平07−035985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述したように複数のバーナを有する燃焼炉においては、各バーナの火炎の有無を検出するためにバーナ毎に火炎検出装置を設けていたので、火炎検出装置の数量も複数になってしまい、結果として高コストを招いていた。
【0010】
そこで、本発明は、コストを低減させることができる火炎検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る火炎検出システムは、先端部分に設けられた一対の電極とこれらの電極にそれぞれ接続された端子を有し、電極がバーナの火炎に接触することによって整流作用を発揮する複数のフレームロッドと、フレームロッドに交流電圧を供給するとともに、フレームロッドの端子間電圧に基づいて火炎の有無を検出する火炎検出装置とを備え、複数のフレームロッドは、火炎検出装置に対して並列に接続されることを特徴とするものである。
【0012】
上記火炎検出システムにおいて、火炎検出装置は、フレームロッドに接続されて、一対の電極間に交流電圧を印加する交流電源と、フレームロッドに接続されて、フレームロッドの端子間電圧に基づいてバーナの火炎の有無を判断する判定回路とを備えるようにしてもよい。
【0013】
また、上記火炎検出システムにおいて、火炎検出装置は、複数の閾値を記憶した記憶部をさらに備え、判定回路は、フレームロッドの端子間電圧と複数の閾値とを比較することにより、複数のフレームロッドごとに火炎の有無を判定する判定部を備えるようにしてもよい。
【0014】
また、上記火炎検出システムにおいて、火炎検出装置を複数備えるとともに、この複数の火炎検出装置に接続され、これらの火炎検出装置の検出結果に基づいて火炎の有無を判定する管理装置を備え、フレームロッドは、複数のバーナそれぞれに複数設けられ、各バーナに対して設けられた第1のフレームロッドは、火炎検出装置のうち、第1の火炎検出装置に接続され、第2のフレームロッドは、第2の火炎検出装置に接続され、管理装置は、第1の火炎検出装置の検出結果と第2の火炎検出装置の検出結果とに基づいて火炎の有無を判定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、1つの火炎検出装置に対して複数のフレームロッドを並列に接続することにより、バーナ毎に火炎検出装置を設けずに複数のバーナの火炎の有無を検出できるので、火炎検出装置の数量を少なくすることができ、結果として、コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係るボイラシステムの構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1における火炎検出装置の構成を示す回路図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態における火炎検出装置の構成を示す回路図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態に係るボイラシステムの構成を示す模式図である。
【図5】図5は、従来のボイラシステムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
<ボイラシステムの構成>
図1に示すように、本発明に係る火炎検出システムを備えたボイラシステム1は、燃焼炉11と、この燃焼炉11内部に複数のバーナを備えたものである。本実施の形態においては、火炎により燃焼炉11内部を加熱するメインバーナ12と、このメインバーナ12に着火させるためのパイロットバーナ13という2つのバーナを備えている。
【0019】
<火炎検出システムの構成>
本実施の形態に係る火炎検出システムは、先端部分がメインバーナ12の火炎に接触するように配設されたフレームロッド14と、同じく先端部分がパイロットバーナ13の火炎に接触するように配設されたフレームロッド15と、フレームロッド14,15に接続され、メインバーナ12およびパイロットバーナ13の火炎の有無を検出する火炎検出装置16とを備えている。
【0020】
フレームロッド14は、その先端部分に火炎の中に挿入される一対の電極を備えており、他端部には、これらの電極に電気的にそれぞれ接続された端子が設けられている。その一対の電極のうち、一の電極(陰極)を内炎と外炎の境界近傍に、他の電極(陽極)を外炎から離して設置すると、火炎の整流現象によって整流作用を発揮する。その結果、それらの電極間に交流電圧を印加すると、フレームロッド14には、火炎がある場合には半波整流された電流が流れ、火炎がない場合には電流が流れない。このようなフレームロッド14は、火炎がある場合については、図2に示すように、直列に接続されたダイオード14aと抵抗14bとによって表すことができる。
フレームロッド15も、その構造および動作原理は、フレームロッド14と同様である。
【0021】
火炎検出装置16は、フレームロッド14,15の一対の端子に接続され、その一対の電極間に交流電圧を印加する交流電源161と、フレームロッド14,15の端子間電圧に基づいてメインバーナ12およびパイロットバーナ13の火炎の有無を判断する判定回路162と、この判定回路162に電力を供給する直流電源163とを備えている。なお、コンデンサ164は、フレームロッド14,15を流れる電流を平滑化する平滑コンデンサである。また、LPF(Low Pass Filter)165は、判定回路162に入力される電圧信号から高周波成分を除去するためのフィルタである。
【0022】
このような火炎検出装置16には、複数のフレームロッド14,15が並列に接続されている。具体的には、直列に接続された交流電源161とコンデンサ164とからなる電源回路と、LPF165を介した判定回路162の入力端子とが、それらのフレームロッド14,15の外部端子に接続されている。
【0023】
<火炎検出動作>
次に、本実施の形態に係るボイラシステム1における火炎検出動作について説明する。
【0024】
まず、メインバーナ12またはパイロットバーナ13に火炎が発生している場合、交流電源161によりフレームロッド14,15の電極間に交流電圧を印加すると、火炎の整流現象によってフレームロッド14またはフレームロッド15によって整流され、コンデンサ164によって平滑化された電流が、交流電源161、コンデンサ164およびフレームロッド14,15からなる回路に流れる。このときにコンデンサ164に発生した直流電圧(以下、「フレーム電圧」と言う。)は、LPF165によりリップル成分が除去された後、判定回路162に入力される。判定回路162は、フレーム電圧に基づいて、フレームロッド14およびフレームロッド15の少なくとも一方に火炎が発生していると判定する。
この判定回路162による判定は、例えば、フレームロッド14およびフレームロッド15の外部端子間の電圧信号の時間平均をとり、その値が所定の値以上であれば、火炎ありと判定する。この場合、メインバーナ12およびパイロットバーナ13の両方に火炎が発生している場合、メインバーナ12のみに火炎が発生している場合、および、パイロットバーナ13のみに火炎が発生している場合の中では、後述するように、パイロットバーナ13のみに火炎が発生している場合が最も電圧信号の時間平均が小さくなる。そこで、パイロットバーナ13のみに火炎が発生しているときの電圧信号の時間平均を予め測定しておき、この値を上記所定の値として判定回路162に予め記憶させておく。これにより、メインバーナ12またはパイロットバーナ13に火炎が発生しているか否かを判定することができる。
【0025】
一方、火炎が発生していない場合、フレームロッド14またはフレームロッド15は高抵抗な状態となるので、交流電源161、コンデンサ164、フレームロッド14,15からなる回路にはほとんど電流が流れない。したがって、フレーム電圧が0となるので、上記所定の値を満たさない。したがって、判定回路162は、メインバーナ12およびパイロットバーナ13に火炎が発生していないと判定する。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態によれば、1つの火炎検出装置16に対してフレームロッド14,15を並列に接続することにより、バーナ毎に火炎検出装置16を設けずにメインバーナ12およびパイロットバーナ13の火炎の有無を検出できるので、火炎検出装置16の数量を少なくすることができ、結果として、コストを低減させることができる。
【0027】
また、本実施の形態では、1つの火炎検出装置16に対して2つのフレームロッド14,15を設け、これらのフレームロッド14,15により発生する最小のフレーム電圧に基づいて火炎の有無を検出するようにしている。これにより、フレームロッド14,15のいずれか一方によりフレーム電圧が発生すれば火炎が発生していると検出されるので、火炎の検出感度を向上させることができる。
【0028】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態における判定回路162が、フレームロッド14,15を流れる電流に対応するフレーム電圧に対して複数の閾値を記憶した記憶部162aと、その複数の閾値とフレーム電圧とを比較することにより、フレームロッド14,15の火炎の有無を検出する判定する判定部162bとを備えるものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同等である。したがって、本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の構成については、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
【0029】
<火炎検出動作>
本実施の形態に係るボイラシステム1における火炎検出動作について説明する。
【0030】
まず、メインバーナ12またはパイロットバーナ13に火炎が発生している場合、交流電源161によりフレームロッド14,15の電極間に交流電圧を印加すると、火炎の整流現象によってフレームロッド14またはフレームロッド15に整流され、コンデンサ164によって平滑化された電流が、交流電源161、コンデンサ164およびフレームロッド14,15からなる回路に流れる。このときにフレームロッド14およびフレームロッド15の外部端子間に生じるフレーム電圧は、LPF165によりリップル成分が除去された後、判定回路162に入力される。
【0031】
ここで、火炎の整流作用によってフレームロッドに流れる電流の大きさは火炎の大きさと相関関係があり、一般に火炎が大きいほどその電流も大きくなる。本実施の形態においては、フレームロッド14はメインバーナ12の火炎に接触し、フレームロッド15はメインバーナ12よりも火炎が小さいパイロットバーナ13の火炎に接触するので、フレームロッド14により生じる電流の方が、フレームロッド15により生じる電流よりも大きくなる。この電流に応じてフレーム電圧も変化するので、フレームロッド14に由来するフレーム電圧の方が、フレームロッド15に由来するフレーム電圧よりも大きくなる。したがって、判定回路162に記憶されている閾値をそれらのフレーム電圧の値に応じて設定することにより、メインバーナ12およびパイロットバーナ13が点火しているか否かを判定することができる。
そこで、本実施の形態においては、メインバーナ12のみ点火させた状態、パイロットバーナ13のみ点火させた状態、ならびに、メインバーナ12およびパイロットバーナ13を点火させた状態のそれぞれにおいてフレーム電圧を予め検出しておき、この検出した値を閾値として記憶部162aに記憶しておく。具体的には、パイロットバーナ13のみを点火させたときのフレーム電圧を第1の閾値、メインバーナ12のみを点火させたときのフレーム電圧を第2の閾値、メインバーナ12およびパイロットバーナ13を点火させたときのフレーム電圧を第3の閾値とする。このとき、第1〜第3の閾値の大小関係は、第1閾値<第2の閾値<第3の閾値となっている。
【0032】
判定回路162は、印加される電圧の値と、記憶部162aに記憶された第1〜第3の閾値とを比較することにより、メインバーナ12およびパイロットバーナ13に火炎が発生しているか否かを判定する。具体的には、印加される電圧が第1の閾値と同等の場合には、パイロットバーナ13のみに火炎が発生していると判定する。また、印加される電圧が第2の閾値と同等の場合には、メインバーナ12のみに火炎が発生していると判定する。また、印加される電圧が第3の閾値と同等の場合には、メインバーナ12およびパイロットバーナ13の両方に火炎が発生していると判定する。
【0033】
一方、火炎が発生していない場合は、メインバーナ12およびパイロットバーナ13は高抵抗な状態となるので、交流電源161、コンデンサ164、メインバーナ12およびパイロットバーナ13からなる回路にはほとんど電流が流れない。したがって、コンデンサ164には直流電圧が生じず、フレーム電圧が0となるので、判定回路162は、メインバーナ12およびパイロットバーナ13に火炎が発生していないと判定する。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数の閾値を記憶した記憶部162aと、その複数の閾値とフレームロッド14,15の端子間電圧とを比較することによりフレームロッド14,15の火炎の有無を検出する判定する判定部162bとを備えることにより、それぞれのバーナの火炎の有無を検出することができる。
【0035】
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1,第2の実施の形態における火炎検出装置を2つ設け、それぞれに各バーナに設けられたフレームロッドを接続したものである。したがって、本実施の形態において、上述した第1,第2の実施の形態と同等の構成に要素については、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
【0036】
<ボイラシステムの構成>
図4に示すように、本実施の形態に係るボイラシステム2は、燃焼炉11と、火炎により燃焼炉11内部の加熱する2つのバーナ21,22とを備えている。
【0037】
<火炎検出システムの構成>
本実施の形態に係る火炎検出システムは、バーナ21の火炎に接触するように配設されたフレームロッド23,24と、バーナ22の火炎に接触するように配設されたフレームロッド25,26と、それぞれ異なるバーナに配設されたフレームロッド23,25に接続された火炎検出装置16aと、それぞれ異なるバーナに配設されたフレームロッド24,26に接続された火炎検出装置16bと、火炎検出装置16a,16bに接続され、これらの検出結果に基づいて火炎の有無を判定する管理装置30とを備えている。
【0038】
フレームロッド23〜26は、それぞれ上述した第1,第2の実施の形態におけるフレームロッド14,15と同等の構成を有する。
【0039】
火炎検出装置16a,16bは、それぞれ上述した第1の実施の形態または第2の実施の形態における火炎検出装置16と同等の構成を有する。ここで、火炎検出装置16aには、フレームロッド23,25が並列に接続されている。また、火炎検出装置16bには、フレームロッド24,26が並列に接続されている。このように火炎検出装置16a、16bそれぞれには、バーナ21,22に配設されたフレームロッドが接続されている。これにより、火炎検出装置16a、16bが第1の実施の形態における火炎検出装置16と同等の場合には、バーナ21またはバーナ22の火炎の有無を検出することができる。また、火炎検出装置16a、16bが第1の実施の形態における火炎検出装置16と同等の場合には、バーナ21,22それぞれの火炎の有無を検出することができる。
【0040】
PLC30は、PLC(Programmable Logic Controller)などから構成され、火炎検出装置16a,16bによる検出結果を統合してバーナ21,22の火炎の有無を判定する。例えば、火炎検出装置16a,16bから同じ検出結果が得られた場合、PLC30は、火炎検出装置16a,16bの両方が正常に動作していると判定し、それぞれの検出結果を正常なものとして出力する。一方、火炎検出装置16a,16bから異なる検出結果が得られた場合、PLC30は、火炎検出装置16a,16bの何れかに異常が生じていると判定する。このような場合、PLC30は、モニタへの警告表示やスピーカから警報音の出力によりオペレータに注意を喚起させたり、バーナ21,22の火炎を消火させたりするようにしてもよい。また、より安全を実現できる方の火炎検出装置16a,16bの検出結果に基づいて、ボイラシステム2の動作を継続するようにしてもよい。これにより、ボイラシステム2の安全性を向上させることができる。
【0041】
このように、本実施の形態によれば、火炎検出装置16a,16bを複数設け、それぞれに互いに異なるバーナ21,22に配設されたフレームロッドを接続し、PLC30によりその複数の火炎検出装置16a,16bの検出結果に基づいて火炎の有無を判定することにより、2重に火炎の有無を監視することになるので、ボイラシステム2の安全性を向上させることができる。
【0042】
なお、第1〜第3の実施の形態では、1つの火炎検出装置に対して2つのフレームロッドが接続される場合を例に説明したが、火炎検出装置に対して並列に接続されるのであれば1つの火炎検出装置に接続されるフレームロッドの数量は2つに限定されず、適宜自由に設定することができる。このように3つ以上のフレームロッドを接続した場合には、閾値の数量をさらに増やすことにより、それらのフレームロッドが配設されたバーナにおける火炎の有無を検出することができる。
【0043】
また、第1〜第3の実施の形態では、2つのバーナを設ける場合を例に説明したが、バーナの数量は2つに限定されず、システムの規模などに応じて適宜自由に設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、複数のフレームロッドを有する各種システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1,2…ボイラシステム、11…燃焼炉、12…メインバーナ,13…パイロットバーナ、14,15…フレームロッド、14a…ダイオード、14b…抵抗、16,16a,16b…火炎検出装置、21,22…バーナ、23〜26…フレームロッド、30…管理装置、161…交流電源、162…判定回路、162a…記憶部、162b…判定部、163…直流電源、164…コンデンサ、165…管理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部分に設けられた一対の電極とこれらの電極にそれぞれ接続された端子を有し、前記電極がバーナの火炎に接触することによって整流作用を発揮する複数のフレームロッドと、
前記フレームロッドに交流電圧を供給するとともに、前記フレームロッドの端子間電圧に基づいて前記火炎の有無を検出する火炎検出装置と
を備え、
前記複数のフレームロッドは、前記火炎検出装置に対して並列に接続される
ことを特徴とする火炎検出システム。
【請求項2】
前記火炎検出装置は、
前記フレームロッドに接続されて、前記一対の電極間に交流電圧を印加する交流電源と、
前記フレームロッドに接続されて、前記フレームロッドの端子間電圧に基づいて前記バーナの火炎の有無を判断する判定回路と
を備える特徴とする請求項1記載の火炎検出システム。
【請求項3】
前記火炎検出装置は、
複数の閾値を記憶した記憶部をさらに備え、
前記判定回路は、
前記フレームロッドの端子間電圧と前記複数の閾値とを比較することにより、前記複数のフレームロッドごとに火炎の有無を判定する判定部を備える
ことを特徴とする請求項2記載の火炎検出システム。
【請求項4】
前記火炎検出装置を複数備えるとともに、この複数の火炎検出装置に接続され、これらの火炎検出装置の検出結果に基づいて火炎の有無を判定する管理装置を備え、
前記フレームロッドは、複数の前記バーナそれぞれに複数設けられ、
各バーナに対して設けられた第1のフレームロッドは、前記火炎検出装置のうち、第1の火炎検出装置に接続され、第2のフレームロッドは、第2の火炎検出装置に接続され、
前記管理装置は、前記第1の火炎検出装置の検出結果と前記第2の火炎検出装置の検出結果とに基づいて火炎の有無を判定する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の火炎検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−68337(P2013−68337A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205665(P2011−205665)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】