説明

炭化水素供給原料から中間蒸留物生成物及び低級オレフィンを製造するシステム及び方法

ガス油供給原料を接触分解条件下で接触分解触媒と接触させて、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含む立上がり管反応器生成物を産出するための立上がり管反応器;立上がり管反応器生成物を分解ガス油生成物と使用済み分解触媒とに分離するための分離器;該使用済み分解触媒を再生して、再生触媒を産出するための再生器;ガソリン供給原料を高厳密性条件下で該再生触媒と接触させて、分解ガソリン生成物及び使用済み再生触媒を産出するための中間反応器;中間反応器と立上がり管反応器とに接続し、該使用済み再生触媒を接触分解触媒として使用するために立上がり管反応器に送るようにした第一導管;及び中間反応器と再生器とに接続し、該使用済み再生触媒を再生器に送って、再生触媒を産出するようにした第二導管;を有するシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は炭化水素供給原料から中間蒸留物生成物及び低級オレフィンを製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
重質炭化水素の流動接触分解(FCC)によるガソリンのような低沸点の炭化水素生成物の製造方法は当該技術分野で周知である。FCC法は1940年代以来、展開されてきた。通常、FCCユニット又は方法は、立ち上がり管反応器、触媒分離器兼ストリッパー、及び再生器を備える。FCC供給原料は立ち上がり管反応器に導入され、ここで再生器からの熱FCC触媒と接触する。供給原料とFCC触媒との混合物は、立ち上がり管反応器を通って、触媒再生器に入り、ここで分解生成物はFCC触媒から分離される。分離された分解生成物は触媒分離器から下流の分離システムに入り、一方、分離された触媒は再生器に入り、ここで、分解反応中、FCC触媒に沈着したコークスは焼却され、再生触媒が得られる。得られた再生触媒は前記熱FCC触媒として使用され、立ち上がり管反応器に導入されるFCC供給原料と混合される。
【0003】
多くのFCC法及びシステムは、FCC供給原料を高転化率でガソリンの沸点範囲を有する生成物に転化するように設計されている。しかし、ガソリン沸点範囲の生成物とは対照的に、FCC供給原料を高転化率で中間蒸留物の沸点範囲を有する生成物及び低級オレフィンに転化したい場合もある。しかし、低級オレフィンを作るには、高厳密性で高反応温度の反応条件を必要とする。これらの条件では普通、中間蒸留物の収率及び品質が低下する。したがって、従来の炭化水素分解法では、低級オレフィン及び中間蒸留物生成物の両者を同時に高収率で得ることは極めて困難である。
【0004】
米国特許出願公開第2006/0178546号は、中間蒸留物及び低級オレフィンの製造法を開示している。この方法は、立ち上がり管反応帯域内でガス油供給原料を好適な接触分解条件下、非晶質シリカアルミナ及びゼオライトを含む中間蒸留物選択性分解触媒と接触させて、立ち上がり管反応帯域内でガス油供給原料を接触分解する工程を含む。使用済み分解触媒は再生して再生分解触媒とする。ガソリン供給原料は、濃厚床反応帯域のような中間分解反応器内で、好適な高厳密性条件下、再生分解触媒と接触して、分解ガソリン生成物及び使用済み再生分解触媒を生成する。使用済み再生分解触媒は中間蒸留物選択的触媒として利用される。米国特許出願公開第2006/0178546号は、全体をここに援用する。
【0005】
米国特許出願公開第2006/0178546号は、立ち上がり管反応帯域中で中間蒸留物選択的触媒として、中間分解反応器からの使用済み再生分解触媒を使用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当該技術分野では、再生分解触媒と使用済み再生分解触媒との注文通りの混合物を立ち上がり管反応器で使用することが要求されている。
更に当該技術分野では、中間分解反応器からの使用済み再生分解触媒を立上がり管反応器に使用する前に、使用済み再生分解触媒を再生することが要求されている。
更に当該技術分野では、炭化水素供給原料から中間蒸留物生成物及び低級オレフィン生成物を同時に製造することが要求されている。
更に当該技術分野では、中間分解反応器及び立上がり管反応帯域のプロセス条件、反応器厳密性、触媒温度及び/又は触媒活性を独立に調節可能にすることが要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
一局面では本発明は、ガス油供給原料を接触分解条件下で接触分解触媒と接触させて、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含む立上がり管反応器生成物を産出するための立上がり管反応器;立上がり管反応器生成物を分解ガス油生成物と使用済み分解触媒とに分離するための分離器;該使用済み分解触媒を再生して、再生触媒を産出するための再生器;ガソリン供給原料を高厳密性条件下で該再生触媒と接触させて、分解ガソリン生成物及び使用済み再生触媒を産出するための中間反応器;中間反応器と立上がり管反応器とに接続し、該使用済み再生触媒を接触分解触媒として使用するために立上がり管反応器に送るようにした第一導管;及び中間反応器と再生器とに接続し、該使用済み再生触媒を再生器に送って、再生触媒を産出するようにした第二導管;を有するシステムを提供する。
【0008】
他の一局面では本発明は、FCC立ち上がり管反応帯域内で好適な接触分解条件下、ガス油供給原料を中間蒸留物選択的触媒と接触させて、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含むFCC立ち上がり管反応器生成物を産出する、FCC立ち上がり管反応帯域内でガス油供給原料を接触分解する工程;該使用済み分解触媒を再生して再生分解触媒を産出する工程;ガソリン供給原料を好適な高厳密性分解条件下で操作される中間分解反応器内で該再生分解触媒と接触させて、少なくとも1種の低級オレフィン化合物及び使用済み第二触媒を含む分解ガソリン生成物を産出する工程;該分解ガソリン生成物を、少なくとも1種の低級オレフィン化合物を含む低級オレフィン生成物に分離する工程;
該使用済み再生分解触媒の少なくとも一部を前記中間蒸留物選択的触媒として使用する工程;及び該使用済み再生分解触媒の少なくとも一部を再生して再生分解触媒を産出する工程;を含む方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の利点は下記の1つ以上を有する。
炭化水素供給原料を中間蒸留物生成物及び低級オレフィン生成物に高転化率で転化させるために改良したシステム及び方法。
再生分解触媒と使用済み再生分解触媒との注文通りの混合物を立ち上がり管反応器で使用するために改良したシステム及び方法。
中間分解反応器からの使用済み再生分解触媒を立上がり管反応器に使用する前に、使用済み再生分解触媒を再生するために改良したシステム及び方法。
炭化水素供給原料から中間蒸留物生成物及び低級オレフィン生成物を同時に製造するために改良したシステム及び方法。
中間分解反応器及び立上がり管反応帯域のプロセス条件、反応器厳密性、触媒温度及び/又は触媒活性を独立に調節するために改良したシステム及び方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】炭化水素供給原料の転化システムを示す。
【図2】中間分解反応器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
図1はシステム10の工程図を示す。ガス油供給原料は導管12を通過し、FCC立ち上がり管反応器14に導入される。FCC立ち上がり管反応器14は、FCC立ち上がり管反応帯域又は分解反応帯域を画定し、ここでガス油供給原料は接触分解触媒と接触分解触媒と混合する。FCC立ち上がり管反応器14の底部には、導管15により水蒸気を導入してもよい。この水蒸気はガス油供給原料を噴霧するのに役立つか、或いは上昇流体として役立つことができる。通常、水蒸気をガス油供給原料を噴霧するのに使用する場合、水蒸気の使用量は、ガス油供給原料の1〜5又は10重量%の範囲が可能である。接触分解触媒としては、使用済み再生分解触媒又は再生分解触媒或いは両触媒の組合わせが可能である。
【0012】
使用済み再生分解触媒は、中間反応器16においてガソリン供給原料の高厳密性分解に使用した再生分解触媒である。使用済み再生分解触媒は、中間反応器16を出て、導管18aによりFCC立ち上がり管反応器14に導入される。或いは使用済み再生分解触媒は、導管18b経由で再生器20に送ってよい。切換え弁19を用いて、使用済み再生分解触媒をどのくらい導管18aに送ったか、どのくらい導管18bに送ったか測定してよい。
【0013】
再生分解触媒もガス油供給原料と混合してよい。再生分解触媒は導管22経由で再生器20を出て、導管24によりFCC立ち上がり管反応器14に導入され、ここでガス油供給原料と混合される。
接触分解条件下で操作されるFCC立ち上がり管反応器14を通過するのは、ガス油供給原料と熱接触分解触媒との混合物で、この混合物は、分解ガス油生成物と使用済み分解触媒との混合物を含むFCC立ち上がり管反応器生成物を生成する。FCC立ち上がり管反応器生成物は、FCC立ち上がり管反応器14を出て、ストリッパーシステム又は分離器/ストリッパー26に導入される。
【0014】
分離器/ストリッパー26は、分離帯域又はストリッピング帯域或いはその両方を画定するいかなる慣用のシステムであってもよく、分解ガス油生成物と使用済み分解触媒とを分離するための手段を提供する。分離された分解ガス油生成物は、導管28により分離器/ストリッパー26から分離システム30に通される。分離システム30は、分解ガス油生成物を回収して、各種FCC生成物、例えば分解ガス、分解ガソリン、分解ガス油及び循環油に分離する、当業者に公知のいかなるシステムであってもよい。分離システム30としては、吸収器及びストリッパー、精留塔、圧縮機及び分離器のようなシステム、又は分解ガス油生成物を構成する(make up)複数の生成物を回収し分離する、公知のいかなるシステムの組み合わせであってもよい。
【0015】
したがって、分離システム30は、分離帯域を画定し、分解ガス油生成物を複数の分解生成物に分離するための手段を提供する。分解ガス、分解ガソリン及び分解ガス油は、それぞれ導管32、34、36経由で分離システム30を出る。循環油は、導管38経由で分離システム30を出て、FCC立ち上がり管反応器14に導入される。分離された使用済み分解触媒は、導管40経由で分離器/ストリッパー26を出て、再生器20に導入される。再生器20は再生帯域を画定し、使用済み分解触媒を、炭素の燃焼条件下、空気のような酸素含有ガスと接触させて、使用済み分解触媒から炭素を除去するための手段を提供する。酸素含有ガスは、導管42経由で再生器20に導入され、導管44経由で再生器20を出る。
【0016】
再生された分解触媒は導管22経由で再生器20を出る。導管22を通る再生分解触媒流は、導管22経由で再生器20を出て導管46経由で中間反応器16に入る少なくとも一部の再生触媒を含む流れと、再生器20を出て導管24経由でFCC立ち上がり管反応器14に入る残部の再生触媒を含む流れとの2つの流れに分割してよい。FCC立ち上がり管反応器14における分解条件の制御を助けるため、導管46を通る少なくとも一部の再生分解触媒と、導管24を通る残部の再生分解触媒との間の裂け目は、必要に応じて切換え弁23により調節できる。
【0017】
中間反応器16は、濃厚床流動化帯域を画定でき、ガソリン供給原料を中間反応器16内に含まれる再生分解触媒と接触させるための手段を提供する。流動化帯域は、高厳密性分解条件下でガソリン供給原料を優先的にエチレン、プロピレン及びブチレンのような低級オレフィン成分に分解すると共に、分解ガソリン生成物を生成するように操作できる。分解ガソリン生成物は、導管48経由で中間反応器16を出る。
或いは中間反応器16は、当該技術分野で知られているように、高速循環流動床又は立ち上がり管反応器であってよい。
【0018】
使用済み再生分解触媒は、切換え弁19及び導管18a経由で中間反応器16を出てもよく、次いでFCC立ち上がり管反応器14に導入される、及び/又は使用済み再生分解触媒は、切換え弁19及び導管18b経由で中間反応器16を出てもよく、次いで再生器20に導入される。ガソリン供給原料は、導管50及び/又は56経由で中間反応器6に導入され、一方、水蒸気は導管52により中間反応器16に導入してよい。ガソリン供給原料及び水蒸気は、再生触媒の流動床が得られるように、中間反応器16に導入される。ZSM−5添加剤は、この濃厚相反応器16の再生触媒に添加してもよいし、或いは導管54経由で中間反応器16に導入してもよい。
【0019】
導管34経由で分離システム30を出る分解ガソリンの一部又は全量は、導管56経由で中間反応器16に再循環し、導入してよい。分解ガソリンの再循環は、ガス油供給原料から低級オレフィンへの全プロセスに亘って追加の転化を提供できる。導管48の分解ガソリンは、オレフィン分離システム58に通される。オレフィン分離システム58は、分解ガソリン生成物を回収して複数の低級オレフィン生成物流に分離する、当該技術分野で公知のいかなるシステムも使用できる。オレフィン分離システム58としては吸収器及びストリッパー、精留塔、圧縮機及び分離器のようなシステム、又は分解ガソリン生成物から複数の低級オレフィン生成物を回収し、分離する、公知のいかなるシステム又は設備の組合わせであってもよい。分離システム58から得られるものは、エチレン生成物流、プロピレン生成物流、及びブチレン生成物流であってよく、これらはそれぞれ導管60、62、64経由でオレフィン分離システム58を出る。分離システム58は、分解ガソリン流65を生成してもよく、この流れは再循環導管56に送ってよい。図1には示さないが、低級オレフィン生成物のいずれもポリオレフィンの製造に使用される重合供給材料として導入してよい1つ以上のオレフィン製造システムがある。
【0020】
システム100により、中間反応器16からの使用済み再生分解触媒は、全て導管18b経由で再生器20に送ってよく、こうしてFCC立上がり管反応器14は、導管24経由で再生器から得られる再生分解触媒100%で操作できる。或いは中間反応器16からの使用済み再生分解触媒は、全て導管18a経由でFCC立上がり管反応器14に送ることができ、こうしてFCC立上がり管反応器14は、導管18a経由で中間反応器16から得られる使用済み再生分解触媒100%以下で操作できる。或いは中間反応器16からの使用済み再生分解触媒の一部は導管18b経由で再生器20に送ってよく、また使用済み再生分解触媒の一部は導管18a経由でFCC立上がり管反応器14に送ってよく、こうしてFCC立上がり管反応器14は、再生分解触媒と使用済み再生分解触媒との注文どおりの混合物で操作し、所望のプロセス条件を達成できる。
【0021】
図2は中間反応器16を若干詳細に示す図である。中間反応器16は、中間反応帯域66及びストリッピング帯域68を画定する反応器である。再生触媒は導管46により中間反応帯域66に導入され、ガソリン供給原料は導管50及び/又は56により中間反応帯域66に導入され、ZSM−5添加剤は導管54により中間反応帯域66に導入される。水蒸気は導管52によりストリッピング帯域68に導入してよく、また使用済み再生分解触媒は導管18a及び/又は18bによりストリッピング帯域68から取出される。
【0022】
本発明のシステム及び方法は、中間蒸留物の沸点範囲を有する生成物及び低級オレフィンを選択的に生成するため重質炭化水素供給原料を処理する。触媒再生器と従来のFCC法又はユニットのFCC立上がり管反応器との間の中間分解反応器としては、濃厚相反応器、固定流動床反応器、又は立上がり管反応器のような種類の反応器が挙げられるが、このような中間分解反応器を使用すると、中間蒸留物の収率を向上できる上、低級オレフィンの製造選択性を増進できることが発見された。
【0023】
本発明は、好ましくはガソリンの沸点範囲を有するガソリン供給原料を分解して低級オレフィンを産出するため、またFCC立上がり管反応器においてFCC供給原料の分解に触媒を使用した際、反応器条件が中間蒸留物生成物の製造に一層好適になるように、触媒を状態調節するため、中間分解反応器を利用してよい。
【0024】
本発明の別の特徴は、中間分解反応器から得られた低級オレフィンを処理する方法に統合したシステムを更に含むことができることである。このオレフィン処理システムは、低級オレフィンを、エチレン生成物流、プロピレン生成物流、ブチレン生成物流又はそれらのいずれかの組み合わせのような特定のオレフィン生成物流に分離する、及び低級オレフィンをポリオレフィンの製造に重合原料として使用する等の機能を達成できることである。
【0025】
ガス油供給原料は、FCC立上がり管反応器の底部に導入でき、ここで再生分解触媒、使用済み再生分解触媒又はそれら触媒の組み合わせのような熱い分解触媒と混合される。最終的に再生分解触媒となる、使用され、再生された出発接触分解触媒は、本発明が考慮している高温で分解活性を有する当該技術分野で公知のいかなる好適な分解触媒であってもよい。
【0026】
好ましい接触分解触媒としては、多孔質無機耐火性酸化物母材又はバインダー中に、分解活性を有するモレキュラシーブを分散してなる流動化可能な分解触媒が挙げられる。ここで使用する“モレキュラシーブ”とは、それぞれの大きさに基づいて原子又は分子を分離できるいずれかの材料に関する。分解触媒用として好適なモレキュラシーブとしては、柱状(pillared)クレー、薄片(delaminated)クレー、及び結晶性アルミノシリケートが挙げられる。普通は結晶性アルミノシリケートを含む分解触媒を用いることが好ましい。このようなアルミノシリケートの例としては、Yゼオライト、超安定Yゼオライト、Xゼオライト、ゼオライトβ、ゼオライトL、オフレタイト(offretite)、モルデナイト、ホウジャサイト、及びゼオライトωが挙げられる。分解触媒用として好適な結晶性アルミノシリケートは、X及びYゼオライト、例えばYゼオライトである。
【0027】
米国特許第3,130,007号(この文献はここに援用する)には、全シリカ対アルミナモル比が約3.6〜約6.0のY型ゼオライト、例えば全シリカ対アルミナモル比が約5.0のYゼオライトが記載されている。全シリカ対アルミナモル比が約6.0を超えるY型ゼオライトが脱アルミ化により製造できることも知られている。
【0028】
分解触媒の成分として使用されるゼオライトの安定性及び酸性度は、ゼオライトを、水素イオン、アンモニウムイオン、希土類含有カチオン、マグネシウムカチオン又はカルシウムカチオンのような多価金属カチオン、又は水素イオン、アンモニウムイオン及び多価金属カチオンの組み合わせと置換し、これによりナトリウム含有量を、NaOとして計算して、約0.8重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、又は約0.3重量%未満まで低下させることにより増大できる。このイオン交換法は当該技術分野で知られている。
【0029】
分解触媒のゼオライト又はその他のモレキュラシーブ成分は、使用前に多孔質無機耐火性酸化物母材又はバインダーと組み合わせて、仕上げ触媒を形成する。仕上げ触媒中の耐火性酸化物成分は、シリカ−アルミナ、シリカ、アルミナ、天然又は合成クレー、柱状(pillared)クレー、薄片(delaminated)クレー、又はこれら成分の2種以上の混合物等であってよい。無機耐火性酸化物母材は、シリカ−アルミナと、カオリン、ヘクトナイト(hectonite)、セプトナイト(septonite)、及びアタパルガイトのようなクレーとの混合物を含有してよい。仕上げ触媒は、ゼオライト又はその他のモレキュラシーブを約5〜約40重量%、及び無機耐火性酸化物を20重量%より多く含有してよい。一般に、仕上げ触媒は、ゼオライト又はその他のモレキュラシーブを約10〜約35重量%、及び無機耐火性酸化物を約10〜約30重量%、及びクレーを約30〜約70重量%含有してよい。
【0030】
分解触媒の結晶性アルミノシリケート又はその他のモレキュラシーブ成分は、混合、摩砕、ブレンド又は均質化等、当該技術分野で好適ないかなる技術によっても多孔質無機耐火性酸化物成分又はその前駆体と組み合わせてよい。使用可能な前駆体の例としては、アルミナ、アルミナゾル、シリカゾル、ジルコニア、アルミナヒドロゲル、アルミニウム及びジルコニウムのポリオキシカチオン、及び解凝固(peptized)アルミナが挙げられる。分解触媒の好適な一製造法では、ゼオライトをアルミノシリケートゲル又はゾル、或いはその他の無機耐火性酸化物成分と組み合わせ、得られた混合物を噴霧乾燥して、直径が普通、約40〜80μの範囲の仕上げ触媒粒子を製造する。しかし、所望ならば、ゼオライト又はその他のモレキュラシーブは、耐火性酸化物又はその前駆体と摩砕又は混合し、押し出し、次いで所望寸法範囲に粉砕してよい。普通、仕上げ触媒は、平均嵩密度が約0.30〜約0.90g/cmで、細孔容積が約0.10〜約0.90cm/gである。
【0031】
本方法を中間蒸留物選択様式(又は所望の様式)で操作する場合は、中間蒸留物選択的分解触媒を使用してよい。中間蒸留物選択的分解触媒は、多孔質無機耐火性酸化物バインダー中にモレキュラシーブを分散した点で前述の好ましい分解触媒に類似するが、通常の分解触媒とは幾つかの点でかなり相違する。これらの相違点を以下、詳細に説明する。中間蒸留物選択的分解触媒は、ガス油供給原料を選択的に分解して、優先的に所望の沸点範囲、例えば230〜350℃の範囲である中間蒸留物沸点範囲を有する分解ガス油生成物を生成する触媒特性を発揮できる。
【0032】
中間蒸留物選択的分解触媒は、ゼオライト又はその他のモレキュラシーブ成分、アルミナ成分、及び追加の多孔質無機耐火性酸化物母材又はバインダー成分を含有できる。中間蒸留物選択的分解触媒は、所望成分を有する接触分解触媒が得られる当業者に公知のいかなる方法によっても製造できる。更に詳しくは、中間蒸留物選択的分解触媒は、アルミナを、中間蒸留物選択的分解触媒の全重量に対し40〜65重量%、例えば45〜62重量%、又は50〜58重量%の範囲、母材の表面積を与える多孔質無機耐火性酸化物母材成分、及びゼオライトの表面積を与えるゼオライト又はその他のモレキュラシーブ成分を含有できる。中間蒸留物選択的分解触媒のアルミナ成分は、いかなる好適な種類のアルミナも使用できるし、またいかなる好適な供給源からも使用できる。好適な種類のアルミナの例は、米国特許第5,547,564号及び米国特許第5,168,086号(これらの文献は全体をここに援用する)に開示されたものであり、例えばα−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、η−アルミナ、ベイエライト(bayelite)、疑似ベーマイト(pseudoboehmite)、及びギブサイト(gibbsite)が挙げられる。
【0033】
多孔質無機耐火性酸化物母材成分により付与される中間蒸留物選択的分解触媒内の母材表面積は、該触媒1g当たり20〜90mの範囲であってよい。ゼオライト又はその他のモレキュラシーブ成分により付与される中間蒸留物選択的分解触媒内のゼオライトの表面積は、1g当たり140m未満であってよい。
【0034】
中間蒸留物選択的分解触媒に、優先的にディーゼルのような中間蒸留物を生成する所望の触媒活性を持たせるには、ゼオライト又はその他のモレキュラシーブ成分により付与される中間蒸留物選択的分解触媒の表面積、即ち、ゼオライト表面積の部分は、1g当たり130m未満、例えば110m未満又は100m未満であってよい。中間蒸留物選択的分解触媒のゼオライト又はその他のモレキュラシーブ成分は、Yゼオライト、超安定Yゼオライト、Xゼオライト、ゼオライトβ、ゼオライトL、オフレタイト、ホウジャサイト、及びゼオライトωから選ばれたゼオライトアルミノシリケートである。
【0035】
中間蒸留物選択的分解触媒内のゼオライト表面積は、1g当たり20m程に小さくてよいが、一般には下限は1g当たり40mを超える。中間蒸留物選択的分解触媒内のゼオライト表面積の下限は、1g当たり60mを超えてもよいし、或いは80mを超えてもよい。したがって、例えばゼオライト又はその他のモレキュラシーブにより付与される中間蒸留物選択的分解触媒のゼオライト表面積の部分、即ち、ゼオライト表面積は、1g当たり20m〜140mの範囲又は1g当たり40m〜130mの範囲が可能である。
【0036】
中間蒸留物選択的分解触媒内のゼオライト表面積対毋材表面積の比は、所望の分解特性を有する触媒を提供する点で重要な特性である。したがって、ゼオライト表面積対毋材表面積の比は、1:1〜2:1の範囲、例えば1.1:1〜1.9:1、又は1.2:1〜1.7:1の範囲であってよい。これらの比を考慮すると、多孔質無機耐火性酸化物毋材成分により付与される中間蒸留物選択的分解触媒の表面積の部分、即ち、毋材表面積は、一般に1g当たり20m〜80mの範囲である。毋材表面積の1つの好適な範囲は、1g当たり40m〜75mであり、或いはこの範囲は1g当たり60m〜70mである。
【0037】
垂直に配置したFCC立ち上がり管反応器を使用する場合、FCC立ち上がり管反応器底部にはガス油供給原料及び熱い分解ガスと一緒に上昇ガス又は上昇流も導入してよい。触媒再生器から生成した再生ガスは、中間分解反応器から生成した使用済み再生分解触媒よりも高温である。また使用済み再生分解触媒上には、中間分解反応器で使用した結果、特定量のコークスが堆積している。FCC立ち上がり管反応器内の条件の制御を助けて、所望の生成物又は生成物の混合物を得るのに必要な特定の所望条件を付与するため、特定の触媒又は触媒の組み合わせを使用してよい。
【0038】
ガス油供給原料と、熱い分解触媒と、任意に上昇ガス又は上昇流との混合物は、FCC立ち上がり管反応器に入り、ここで分解が行われる。FCC立ち上がり管反応器は接触分解反応帯域を画定し、接触反応を起こさせる接触時間を与えるための手段を提供する。FCC立ち上がり管反応器での炭化水素の平均滞留時間は、一般に約5〜10秒の範囲が可能であるが、通常は0.1〜5秒の範囲である。触媒対炭化水素原料の重量比(触媒/油比)は一般に約2から約100まで、更に高く150ほどまでの範囲が可能である。更に一般的には、触媒対油比は5〜100の範囲が可能である。FCC立ち上がり管反応器中にガス油供給原料と一緒に水蒸気を導入する場合、水蒸気対油の重量比は、0.01〜5、更に一般的には0.05〜1.5の範囲が可能である。
【0039】
FCC立ち上がり管反応器の温度は、一般には約400〜約600℃の範囲が可能である。更に一般的には、FCC立ち上がり管反応器の温度は、450〜550℃の範囲が可能である。FCC立ち上がり管反応器の温度は、一般的な従来の流動接触分解法の温度よりも低い傾向があるかも知れない。これは従来の流動接触分解法でよく求められるガソリンの製造とは対照的に、本発明方法は中間蒸留物を高収率で提供するためである。FCC立ち上がり管反応器内のプロセス条件の特定の制御は、触媒再生器からの再生分解触媒と、FCC立ち上がり管反応器の底部に導入される、中間分解反応器からの使用済み再生分解触媒との比を調節して、制御すればよい。
【0040】
FCC立ち上がり管反応器からの炭化水素と触媒との混合物は、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含むFCC立ち上がり管反応器生成物として、ストリッパーシステムに通される。ストリッパーシステムは、触媒から炭化水素を分離するための手段を備え、使用済み分解触媒から分解ガス油生成物を分離するストリッパー分離帯域を画定する。このストリッパーシステムは、当業者に公知の、炭化水素生成物からFCC触媒を分離するためのいかなるシステム又は手段であってもよい。通常のストリッパー操作では、分解ガス油と使用済み分解触媒との混合物であるFCC立ち上がり管反応器生成物は、蒸気状分解ガス油生成物から使用済み分解触媒を分離するためのサイクロンを有するストリッパーシステムに通される。分離された使用済み分解触媒は、サイクロンからストリッパー容器に入り、ここで水蒸気と接触して、使用済み分解触媒から分解ガス油生成物を更に除去する。分離された使用済み分解触媒上のコークス含有量は、触媒と該カーボンとの合計重量に対し、一般に約0.5〜約5重量%の範囲である。分離された使用済み分解触媒上のコークス含有量は、通常は約0.5〜約1.5重量%の範囲である。
【0041】
次いで、分離された使用済み分解触媒は触媒再生器に通される。触媒再生器は、分離された使用済み分解触媒を再生するための手段を備え、再生帯域を画定する。再生帯域には分離された使用済み分解触媒が導入され、ここで、分離された使用済み分解触媒上のカーボンは、該カーボンを除去するため、燃焼され、カーボン含有量の低下した再生分解触媒が得られる。触媒再生器は、通常、再生帯域を画定する垂直円筒容器で、この容器中で使用済み分解触媒は、空気のような酸素含有ガスの上向き通過により流動床として維持される。
【0042】
再生帯域内の温度は、一般に約621℃〜760℃、更に一般的には677℃〜715℃の範囲に維持される。再生帯域内の圧力は、通常はほぼ大気圧〜約345kPa、例えば約34〜345kPaの範囲である。再生帯域での分離された使用済み分解触媒の滞留時間は、約1〜約6分、通常は約2〜約4分である。再生分解触媒上のコークス含有量は、使用済み再生分解触媒上のコークス含有量よりも少なく、コークス含有量を含む再生分解触媒の重量に対し、一般に0.5重量%未満である。したがって、再生分解触媒のコークス含有量は、一般に約0.01〜約0.5重量%、例えば0.3重量%未満又は0.1重量%未満であってよい。
【0043】
触媒再生器からの再生分解触媒は、前述のように濃厚相反応器であり得る中間分解反応器、或いは固定流動床反応器又は立ち上がり管反応器に通される。これらの反応器は、ガソリン供給原料を再生分解触媒と接触させるための手段を提供し、ガソリン供給原料が好適な高厳密性分解条件下、水蒸気の存在下又は不存在下で再生分解触媒と接触する反応帯域又は分解帯域を画定する。
【0044】
中間分解反応器の種類は、濃厚相反応器、固定(fast)流動床反応器、又は立ち上がり管反応器であってよい。濃厚相反応器は、中間反応又は分解又は濃厚相反応帯域と、ストリッピング帯域とを含む2つの帯域を画定する容器が可能である。該容器の中間反応帯域には、ガソリン供給原料及び任意にストリッピング帯域に導入される水蒸気の導入により流動化した再生分解触媒が含まれる。
【0045】
1つの好適な濃厚相反応器設計としては、中間反応帯域の下に配置されたストリッピング帯域と互いに流通可能である中間反応帯域及びストリッピング帯域を画定する濃厚相反応容器がある。中間反応帯域内の水蒸気速度に比べてストリッピング帯域内で高い水蒸気速度を得るため、ストリッピング帯域の(横)断面積は、中間反応帯域の断面積よりも小さくてよい。ストリッピング帯域の断面積対中間反応帯域の断面積の比は、0.1:1〜0.9:1、例えば0.2:1〜0.8:1、又は0.3:1〜0.7:1の範囲が可能である。
【0046】
濃厚相反応器の幾何学様式は、一般に円筒形状であるような様式であってよい。ストリッピング帯域の長さ対直径比は、ストリッピング帯域で所望の高水蒸気速度が得られると共に、濃厚相反応容器から除去すべき使用済み再生触媒に対し所望のストリッピングを行うために、ストリッピング帯域内で充分な接触時間が得られるような比である。したがって、ストリッピング帯域の長さ対直径比は、1:1〜25:1、例えば2:1〜15:1、又は3:1〜10:1の範囲が可能である。
【0047】
濃厚相反応容器は、触媒再生器からの再生分解触媒を濃厚相反応容器の中間反応帯域に導入するための再生触媒導入手段を提供する触媒導入導管を備えてよい。濃厚相反応容器は更に、濃厚相反応容器のストリッピング帯域から使用済み再生触媒を取出すための使用済み再生触媒取出し導管を備える。ガソリン供給原料は、ガソリン供給原料を濃厚相反応容器の中間帯域に導入するための原料導入導管提供手段により中間反応帯に導入され、一方、水蒸気は、水蒸気を濃厚相反応容器のストリッピング帯域に導入するための水蒸気導入導管提供手段によりストリッピング帯域に導入される。分解ガソリン生成物は、濃厚相反応容器の中間帯域から分解ガソリン生成物を取出すための生成物取出し導管提供手段により中間反応帯域から取出される。
【0048】
中間分解反応器は、FCC立ち上がり管反応器の操作又は制御とは独立に操作又は制御できる。このような中間分解反応器の独立した操作又は制御により、全体、即ち、FCC立ち上がり管反応器及び中間分解反応器を含む全プロセスシステムに亘って改良され、ガス油供給原料が所望最終生成物である中間蒸留物並びにエチレン、プロピレン及びブチレンからなる低級オレフィンに転化される利点が得られる。中間分解反応器の独立した操作により、FCC立ち上がり管反応器分解条件の厳密性は低減され、これによりガス油反応器生成物中の中間蒸留物又はその他の所望生成物の収率が向上する上、中間分解反応器の厳密性を制御して、その他の所望生成物中の低級オレフィンの収率を最適化できる。
【0049】
中間分解反応器の操作を制御する1つの方法は、中間分解反応器中にガソリン供給原料と一緒に水蒸気を導入することである。これにより、濃厚相反応帯域は、分解ガソリン生成物が得られる、例えば低級オレフィンが高分解収率で得られるような反応条件下で操作される。高厳密性分解条件としては、濃厚相又は中間反応帯域内の温度が約482〜871℃、例えば510〜871℃、又は538〜732℃の範囲が挙げられる。中間反応帯域内の圧力は、ほぼ大気圧〜約345kPa、例えば約34〜345kPaの範囲である可能性がある。
【0050】
水蒸気を中間分解反応器のストリッピング帯域に導入して、ストリッピング帯域及び中間反応帯域に含まれる再生分解触媒と接触させてよい。この方法に水蒸気を使用すると、システム全体で(across)所定のガス油転化率では、プロピレン及びブチレンの収率が増大する。一般に当業者は、従来のガス油反応器分解方法において厳密性の低いガス油反応器分解条件では、厳密性の高いガス油反応器分解条件に比べて低級オレフィンの収率が低くなると理解している。中間分解反応器で水蒸気を使用すると、低級オレフィンの収率は更に増進する可能性がある。
【0051】
水蒸気を使用すると、システム全体で所定のガス油転化率では、また中間分解反応器におけるガソリン供給原料の分解ではオレフィンに対する選択性が向上し、プロピレン及びブチレンの収率を増大できるので、水蒸気を使用することが特に好ましい。したがって、水蒸気を使用した場合、ガソリンは反応帯域に導入し、水蒸気はストリッピング帯域に導入するという条件で中間分解反応器に導入される水蒸気対ガソリン供給原料の重量比は、約15:1以下の範囲が可能であり、例えばこの範囲は、0.1:1〜10:1であってよく、或いは水蒸気対ガソリン供給原料の重量比は、0.2:1〜9:1、又は0.5:1〜8:1の範囲であってよい。
【0052】
中間分解反応器からは使用済み再生触媒が除去され、FCC立上がり管反応器に導入されたガス油供給原料と混合されて熱い分解触媒として利用される、及び/又は再生のため再生器に送られる。FCC立上がり管反応器に使用済み再生分解触媒を使用する一局面(aspect)は、FCC立上がり管反応器で熱い分解触媒として使用する前に、再生分解触媒を部分失活させることである。部分失活とは、使用済み再生分解触媒が再生分解触媒上のカーボンの濃度よりも若干高濃度のカーボンを含むことを意味する。再生分解触媒のこのような部分失活は、ガス油供給原料をFCC立上がり管反応帯域内で分解する際、好ましい生成物収率を提供できる。使用済み再生分解触媒上のコークス濃度は、再生分解触媒上のコークス濃度よりも高いが、分離された使用済み分解触媒のコークス濃度よりも低い。使用済み再生触媒のコークス濃度は、0.1重量%より高く、更には0.5重量%よりも高い可能性がある。例えば使用済み再生触媒のコークス濃度は約0.1〜約1重量%、又は0.1〜0.6重量%の範囲であってよい。
【0053】
中間分解反応器の使用で得られる他の利点は、再生分解触媒の温度よりも低温の使用済み再生分解触媒と関連する。前述のように、このような使用済み再生分解触媒の低温は、部分失活と組合わさって、ガス油供給原料の分解から優先的な生成物収率において更なる利点が得られる。
【0054】
FCC立上がり管反応器内のプロセス条件の制御を助けると共に、所望の生成物混合物を得るため、再生分解触媒は、中間分解反応器に通される少なくとも一部と、ガス油供給原料と混合して、FCC立上がり管反応器に導入される残部とに分割できる。中間分解反応器に導入される再生分解触媒の少なくとも一部は、プロセスの要件及び所望生成物の収率に依存して、触媒再生器から生成する再生分解触媒に対し100%以下の範囲が可能である。しかし、具体的には再生分解触媒の少なくとも一部は、触媒再生器から取出された分離再生触媒の約10〜100%を表す。また再生分解触媒の少なくとも一部は、触媒再生器から取出された分離再生触媒の約30〜約90%、又は50〜95%である可能性がある。
【0055】
FCC立上がり管反応器内の反応条件を制御する際は、前述のように、中間分解反応器からの使用済み再生分解触媒と触媒再生器からの再生分解触媒との組み合わせ又は混合物がガス油供給原料と一緒にFCC立上がり管反応器に導入される。使用済み再生分解触媒対再生分解触媒の相対量は、FCC立上がり管反応帯域内に所望のガス油分解条件が得られるように調節されるが、一般には使用済み再生分解触媒対再生分解触媒の重量比は、0.1;1〜100:1、例えば0.5;1〜20:1、又は1;1〜10:1の範囲である。定常状態で操作するシステムでは、使用済み再生分解触媒対再生分解触媒の重量比は、中間分解反応器に通す再生分解触媒の少なくとも一部対ガス油供給原料と混合してFCC立上がり管反応器に導入する再生分解触媒の残部の重量比に近似し、したがって、前述の範囲がこのような重量比にも適用できる。
【0056】
使用済み分解触媒を中間分解反応器に導入することは種々の理由から本発明方法の所望の局面ではないことに注目すべきである。例えば、使用済み分解触媒は、再生分解触媒よりもカーボン含有量が遥かに多く、したがって、その活性は、更に多く所望の低級オレフィンを生成するには好ましくない。中間分解反応器に導入される再生分解触媒は、中間分解反応器に導入される再生分解触媒と使用済み再生分解触媒との合計重量の50重量%を超える。中間分解反応器に導入される使用済み分解触媒の量は、中間分解反応器に導入される再生分解触媒と使用済み再生分解触媒との合計重量の20重量%未満、例えば10重量%未満又は5重量%未満でよい。
【0057】
FCC立上がり管反応器内のプロセス条件を制御でき、所望の生成物混合物が得られる他の一方法は、ZSM−5添加剤を、FCC立上がり管反応器に添加するのとは対照的に、中間分解反応器に添加することである。ZSM−5添加剤は、FCC立上がり管反応器、特に濃厚相反応器を使用した場合は濃厚相反応帯域に、中間蒸留物選択的分解触媒である再生触媒と一緒に又は同時に導入してよい。中間分解反応器においてZSM−5添加剤を中間蒸留物選択的分解触媒と併用した場合は、ポリプロピレン及びブチレンのような低級オレフィンの収率向上が達成できる。したがって、特に中間分解反応器に導入されている再生触媒が中間蒸留物選択的分解触媒である場合は、中間分解反応器にZSM−5添加剤を、中間分解反応器に導入されている再生触媒に対し30重量%以下、例えば20重量%以下、又は18重量%以下の量で導入することが望ましい。したがって、ZSM−5添加剤を中間分解反応器に導入する場合、その量は、中間分解反応器に導入されている再生触媒の1〜30重量%、例えば3〜20重量%又は5〜18重量%の範囲でよい。
【0058】
ZSM−5添加剤は、中間細孔サイズの結晶性アルミノシリケート又はゼオライトの族から選ばれたモレキュラシーブ添加剤である。ZSM−5添加剤として使用できるモレキュラシーブとしては、“Atlas of Zeolite Structure Type”,W.H.Meier及びD.H.Olson,Butterworth−Heineman,第3版、1952年(この文献はここに全体を援用する)に記載されるような中間細孔ゼオライトが挙げられる。中間細孔サイズゼオライトは、一般に細孔サイズが約0.5〜約0.7nmで、例えばMFI、MFS、MEL、MTW、EUO、MTT、HEU、FER及びTON構造型ゼオライト(IUPACのゼオライト命名委員会)が挙げられる。このような中間細孔サイズゼオライトの非限定的例としては、ZSM−5、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−34、ZSM−35、ZSM−36、ZSM−48、ZSM−50、シリカライト及びシリカライト2が挙げられる。1つの好適なゼオライトはZSM−5で、これは米国特許第3,702,886号及び米国特許第3,770,614号(これらの文献はここに全体を援用する)に記載されている。
【0059】
ZSM−11は米国特許第3,709,979号に記載され、ZSM−12は米国特許第3,832,449号に、ZSM−21及びZSM−38は米国特許第3,948,758号に、ZSM−23は米国特許第4,076,842号に、またZSM−35は米国特許第4,016,246号に記載されている。他の好適なモレキュラシーブとしては、SAPO−4及びSAPO−11のような、米国特許第4,440,871号に記載されるシリコアルミノシリケート(SAPO);クロモシリケート;珪酸ガリウム;珪酸鉄;ALPO−11のような、米国特許第4,310,440号に記載される燐酸アルミニウム(ALPO);TASO−45のような、EP−A−229,295に記載されるアルミノ珪酸チタン(TASO);米国特許第4,254,297号に記載される珪酸ホウ素;TAPO−11のような、米国特許第4,500,651号に記載されるアルミノ燐酸チタン(TAPO);及びアルミノ珪酸鉄が挙げられる。これらの文献はここに全体を援用する。
【0060】
ZSM−5は従来法に従って、接触的に不活性の無機酸化物母材成分と一緒に保持できる。
米国特許第4,368,114号(この文献はここに全体を援用する)には好適なZSM−5添加剤となり得るゼオライトの種類が詳細に記載されている。
【0061】
前記方法の変数と操作条件とを1つ以上組み合わせると、ガス油供給原料の転化が制御される。一般にガス油供給原料の転化率については、30〜90重量%、例えば40〜90重量%の範囲が望ましい。ガス油供給原料の転化率とは、FCC立上がり管反応器中で沸点が221℃未満の炭化水素に転化される沸点が221℃を超える炭化水素を有するガス油供給原料に含まれる炭化水素の重量を、ガス油供給原料に含まれる沸点が221℃を超える炭化水素の重量で割ることを意味する。前述のように、本方法は中間蒸留物の沸点範囲を有する生成物及び低級オレフィンを優先的かつ選択的に生成するように操作できる。
【0062】
本方法に装入される供給原料は、通常、流動接触分解ユニットに装入できるか又は装入される沸点範囲が200〜800℃の、例えばガス油、レシッド(resid)、又はその他の炭化水素を含むいかなる重質炭化水素供給原料であってもよい。一般的に言えば、沸点範囲が345〜760℃の炭化水素混合物は、特に好適な供給原料となり得る。好適なガス油供給原料となり得る製油所原料流型の例としては、真空ガス油、コーカーガス油、直留残留油、熱分解油、及びその他の炭化水素流が挙げられる。
【0063】
濃厚相反応帯域に装入される中間反応器供給原料は、ガソリンの沸点範囲の沸点を有するいかなる好適な炭化水素供給原料であってもよい。一般にこのガソリン供給原料は、沸点範囲が約32〜約204℃の炭化水素を含有する。本発明のガソリン供給原料として使用可能な製油所流の例としては、直留ガソリン、ナフサ、接触分解ガソリン、及びコーカーナフサが挙げられる。
【0064】
本方法は、中間分解反応器と、中間反応器分解生成物を少なくとも1種の低級オレフィンに分離するシステム、ポリオレフィンの製造システム、又はこれらシステムの組み合わせとの統合体を含んでもよい。本システムのFCC立上がり管反応器及び中間分解反応器と、中間反応器分解生成物の更なる処理との統合を有利にするのは、本方法により得られる低級オレフィンの製造量増大である。特に、中間分解反応器への水蒸気及び/又はZSM−5添加剤の使用による低級オレフィンの収率向上は、前記プロセス工程を統合するための動機となる。したがって、エチレン、プロピレン又はブチレンのような少なくとも1種の低級オレフィンを含む分解ガソリン生成物は、更に分解ガソリン生成物を少なくとも1種の低級オレフィンを含む低級オレフィン生成物に分離するための分離システムに通してよい。低級オレフィン生成物は、更に低級オレフィンを好適な重合条件下、好ましくは当業者に公知の好適ないずれかの重合触媒の存在下に重合するポリオレフィン製造システムに使用してもよい。
【0065】
実施態様例
本発明の一実施態様では、ガス油供給原料を接触分解条件下で接触分解触媒と接触させて、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含む立上がり管反応器生成物を産出するための立上がり管反応器;立上がり管反応器生成物を分解ガス油生成物と使用済み分解触媒とに分離するための分離器;該使用済み分解触媒を再生して、再生触媒を産出するための再生器;ガソリン供給原料を高厳密性条件下で該再生触媒と接触させて、分解ガソリン生成物及び使用済み再生触媒を産出するための中間反応器;中間反応器と立上がり管反応器とに接続し、該使用済み再生触媒を接触分解触媒として使用するために立上がり管反応器に送るようにした第一導管;及び中間反応器と再生器とに接続し、該使用済み再生触媒を再生器に送って、再生触媒を産出するようにした第二導管;を有するシステムが開示される。幾つかの実施態様では該システムは、第一導管と第二導管とに接続し、前記使用済み再生触媒を第一導管と第二導管とに分割するようにした切換え弁も有する。幾つかの実施態様では該システムは、前記再生器と中間反応器とに接続し、前記再生触媒を中間反応器に送るようにした第三導管;及び前記再生器と立ち上がり管反応器とに接続し、前記再生触媒を立ち上がり管反応器に送るようにした第四導管;も有する。幾つかの実施態様では該システムは、前記第三導管と第四導管とに接続し、前記再生触媒を第三導管と第四導管とに分割するようにした第二切換え弁も有する。幾つかの実施態様では該システムは、前記分解ガス油生成物を、分解ガス流、分解ガソリン流、分解ガス油流、及び循環油流のうちの少なくとも2種に分離するための分離システムも有する。幾つかの実施態様では該システムは、前記循環油流を立ち上がり管反応器に送るための再循環導管も有する。幾つかの実施態様では該システムは、前記分解ガソリン生成物を、エチレン流、プロピレン流、ブチレン流及び分解ガソリン流のうちの少なくとも2種に分離するための第二分離システムも有する。幾つかの実施態様では該システムは、前記分解ガソリン流を中間反応器に送るための第二再循環導管も有する。
【0066】
本発明の一実施態様では、FCC立ち上がり管反応帯域内で好適な接触分解条件下、ガス油供給原料を中間蒸留物選択的触媒と接触させて、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含むFCC立ち上がり管反応器生成物を産出する、FCC立ち上がり管反応帯域内でガス油供給原料を接触分解する工程;該使用済み分解触媒を再生して再生分解触媒を産出する工程;ガソリン供給原料を好適な高厳密性分解条件下で操作される中間分解反応器内で該再生分解触媒と接触させて、少なくとも1種の低級オレフィン化合物及び使用済み第二触媒を含む分解ガソリン生成物を産出する工程;該分解ガソリン生成物を、少なくとも1種の低級オレフィン化合物を含む低級オレフィン生成物に分離する工程;
該使用済み再生分解触媒の少なくとも一部を前記中間蒸留物選択的触媒として使用する工程;及び該使用済み再生分解触媒の少なくとも一部を再生して再生分解触媒を産出する工程;を含む方法が開示される。幾つかの実施態様では前記中間蒸留物選択的分解触媒は、非晶質シリカアルミナ及びゼオライトを含有する。幾つかの実施態様では本方法は、前記低級オレフィン生成物をポリオレフィン製造システムの供給原料として使用する工程も含む。幾つかの実施態様では前記中間分解反応器は中間反応帯域及びストリッピング帯域を画定し、該中間反応帯域には前記ガソリン供給原料及び再生分解触媒が導入され、該中間反応帯域からは前記分解ガソリン生成物が取出され、一方、該ストリッピング帯域には水蒸気が導入され、該ストリッピング帯域からは使用済み再生分解触媒が取出される。幾つかの実施態様では該方法は、前記中間分解反応帯域にZSM−5添加剤を導入する工程も含む。幾つかの実施態様では前記好適な接触分解条件は、前記ガス油供給原料を、全ガス油供給原料に対し40〜90重量%の範囲の転化率で転化させるような条件である。幾つかの実施態様では前記使用済み再生分解触は低濃度のカーボンを含有する。
【0067】
当業者は、本発明で開示した実施態様、構成配置、材料及び方法に関し、精神及び範囲を逸脱しない限り多数の改変及び変化が可能であることを理解している。したがって、ここに記載し例証した特定の実施態様は、本来、単なる例示に過ぎないので、添付した特許請求の範囲及びその機能的均等物は、これらの実施態様により限定すべきでない。
【符号の説明】
【0068】
10 システム
14 FCC立ち上がり管反応器
16 中間分解反応器又は濃厚相反応器
19 切換え弁
20 再生器
23 切換え弁
26 ストリッパーシステム又は分離器/ストリッパー
30 分離システム
58 オレフィン分離システム
65 分解ガソリン流
66 中間反応帯域
68 ストリッピング帯域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0178546号
【特許文献2】米国特許第3,130,007号
【特許文献3】米国特許第3,702,886号
【特許文献4】米国特許第3,770,614号
【特許文献5】米国特許第3,709,979号
【特許文献6】米国特許第3,832,449号
【特許文献7】米国特許第3,948,758号
【特許文献8】米国特許第4,076,842号
【特許文献9】米国特許第4,016,246号
【特許文献10】米国特許第4,440,871号
【特許文献11】米国特許第4,310,440号
【特許文献12】EP−A−229,295
【特許文献13】米国特許第4,254,297号
【特許文献14】米国特許第4,500,651号
【特許文献15】米国特許第4,368,114号
【非特許文献】
【0070】
【非特許文献1】“Atlas of Zeolite Structure Type”,W.H.Meier及びD.H.Olson,Butterworth−Heineman,第3版、1952年

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス油供給原料を接触分解条件下で接触分解触媒と接触させて、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含む立上がり管反応器生成物を産出するための立上がり管反応器;
立上がり管反応器生成物を分解ガス油生成物と使用済み分解触媒とに分離するための分離器;
該使用済み分解触媒を再生して、再生触媒を産出するための再生器;
ガソリン供給原料を高厳密性条件下で該再生触媒と接触させて、分解ガソリン生成物及び使用済み再生触媒を産出するための中間反応器;
中間反応器と立上がり管反応器とに接続し、該使用済み再生触媒を接触分解触媒として使用するために立上がり管反応器に送るようにした第一導管;及び
中間反応器と再生器とに接続し、該使用済み再生触媒を再生器に送って、再生触媒を産出するようにした第二導管;
を有するシステム。
【請求項2】
前記第一導管と第二導管とに接続し、前記使用済み再生触媒を第一導管と第二導管とに分割するようにした切換え弁を更に有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記再生器と中間反応器とに接続し、前記再生触媒を中間反応器に送るようにした第三導管;及び
前記再生器と立ち上がり管反応器とに接続し、前記再生触媒を立ち上がり管反応器に送るようにした第四導管;
を更に有する請求項1〜2のいずれか1項以上に記載のシステム。
【請求項4】
前記第三導管と第四導管とに接続し、前記再生触媒を第三導管と第四導管とに分割するようにした第二切換え弁を更に有する請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記分解ガス油生成物を、分解ガス流、分解ガソリン流、分解ガス油流、及び循環油流のうちの少なくとも2種に分離するための分離システムを更に有する請求項1〜4のいずれか1項以上に記載のシステム。
【請求項6】
前記循環油流を立ち上がり管反応器に送るための再循環導管を更に有する請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記分解ガソリン生成物を、エチレン流、プロピレン流、ブチレン流及び分解ガソリン流のうちの少なくとも2種に分離するための第二分離システムを更に有する請求項1〜6のいずれか1項以上に記載のシステム。
【請求項8】
前記分解ガソリン流を中間反応器に送るための第二再循環導管を更に有する請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記中間反応器が高速循環流動床反応器、立上がり管反応器又は濃厚床反応器を有する請求項1〜8のいずれか1項以上に記載のシステム。
【請求項10】
FCC立ち上がり管反応帯域内で好適な接触分解条件下、ガス油供給原料を中間蒸留物選択的触媒と接触させて、分解ガス油生成物及び使用済み分解触媒を含むFCC立ち上がり管反応器生成物を産出する、FCC立ち上がり管反応帯域内でガス油供給原料を接触分解する工程;
該使用済み分解触媒を再生して再生分解触媒を産出する工程;
ガソリン供給原料を好適な高厳密性分解条件下で操作される中間分解反応器内で該再生分解触媒と接触させて、少なくとも1種の低級オレフィン化合物及び使用済み第二触媒を含む分解ガソリン生成物を産出する工程;
該分解ガソリン生成物を、少なくとも1種の低級オレフィン化合物を含む低級オレフィン生成物に分離する工程;
該使用済み再生分解触媒の少なくとも一部を前記中間蒸留物選択的触媒として使用する工程;及び
該使用済み再生分解触媒の少なくとも一部を再生して再生分解触媒を産出する工程;
を含む方法。
【請求項11】
前記中間蒸留物選択的分解触媒が、非晶質シリカアルミナ及びゼオライトを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記低級オレフィン生成物をポリオレフィン製造システムの供給原料として使用する工程を更に含む請求項10〜11のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項13】
前記中間分解反応器が中間反応帯域及びストリッピング帯域を画定し、該中間反応帯域には前記ガソリン供給原料及び再生分解触媒が導入され、該中間反応帯域からは前記分解ガソリン生成物が取出され、一方、該ストリッピング帯域には水蒸気が導入され、該ストリッピング帯域からは使用済み再生分解触媒が取出される請求項10〜12のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項14】
前記中間分解反応帯域にZSM−5添加剤を導入する工程を更に含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記好適な接触分解条件が、前記ガス油供給原料を、全ガス油供給原料に対し40〜90重量%の範囲の転化率で転化させるような条件である請求項10〜14のいずれか1項以上に記載の方法。
【請求項16】
前記使用済み再生分解触媒が低濃度のカーボンを含有する請求項10〜15のいずれか1項以上に記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−526179(P2010−526179A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506553(P2010−506553)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/061734
【国際公開番号】WO2008/134612
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】