説明

炭層とベニア板と集成材で成るボード

【課題】 輪切りにした集成材のタイルや、ボードは曲げ強度が弱く用途が限られ空気の浄化作用は大きくなかった。
【解決手段】 ベニア板にピンを施し、炭塗料を塗布して乾燥させた、ピンと炭層を有するベニヤ板に輪切りにした集成材を張り付け一体化した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
集成材とベニア板間に炭層を挟んだボードに関する。
【背景技術】
【0002】
変化に富んだ凹凸表面模様を付与するとともに、VOC吸着作用および湿気吸着作用を有する、炭粉を混入した塗料による表面塗膜が形成されてなることを特徴とする建築用板は特願2001−331996にある。
【0003】
一方、環境保護が叫ばれる中にあって、経済性の面から間伐材の利用が進んでいないのが現状である。
【0004】
本発明は、高機能、低コストで間伐材を利用できるよう実施されたものである。
【特許文献1】特願2001−331996
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
間伐材を輪切りにして成る集成材とベニア板で、炭層を挟んで接着した板を提供するために実施されたものであり、木材の温かみと、炭の吸着機能を併せ持ち、室内環境の雰囲気と空気の改善を行うための材料として提供されるものである。
【0006】
間伐材は直径が小さなため、張り合わせて集成材にしなければ広い用途には使用できない。
【0007】
間伐材を輪切りにした集成材は、年輪が見えて落ち着いた雰囲気を与えるが、曲げ強度が弱く脆い。また、水分を含むと著しい歪が生じる。
【0008】
ベニア板と間伐材を輪切りにした集成材を炭塗料で張り合わすと、曲げ強度はできる。しかし、集成材が歪んで商品化ができない。
【0009】
一方で合板は水分を含んでも歪は小さい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
炭塗料は開発されているが、水溶性接着剤は水分を多く含んでいるため、間伐材を輪切りにしたものに直接接触すると接着剤中の水分によって、歪が生じて商品化できなかった。
【0011】
一方、ベニア板は炭塗料を塗布しても大きな歪が生じないので、合板にピンを植えつけて、炭塗料が乾燥して炭層になった後、図1のように間伐材の輪切りにしたものを押し付けて接着させると、歪が生じない。
【0012】
合板は維管束側面であり、ピンが立ちこみにくいが、集成材の輪切り部分は維管束正面であるためピンは容易に入る。
【0013】
釘やピンが表面に現れないように、ピンをベニア板に植え付けた後、炭塗料を塗布すると炭塗料とピンが接着して外れにくくなる。
【0014】
炭層とピンを設けたベニア板に、間伐材を輪切りにした集成材を押し付けると、容易に接着して一体化する。
【0015】
請求項1は、炭塗料によって炭層を得たベニア板と、間伐材を輪切りにした集成材とをピンを使用して接着した構造であることが特徴であり、木材の年輪による質感を得ることができると伴に、強度があり、空気の浄化機能に優れ、ピンが立ちこみやすく、跡が目立ちにくい特徴を有する。
【0016】
間伐材の輪切りにしたものは維管束によって無数の穴を有しているため、空気や、湿気を素早く流通させる。このため、ベニア板と集成材で炭層を挟んでいても優れた吸着性能を有する。
【0017】
炭塗料は水溶性接着剤に炭粉を混合したものであればよい。
【0018】
炭は活性炭、木炭、竹炭のいずれか又は混合した粉炭を使用する。
【発明の効果】
【0019】
空気を浄化し、心地よい空間の創造ができ、炭、集成材伴に、間伐材を使用できるため、低コストで提供でき、森林保護にも貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
例えば、100mm角のタイル状板を作る場合は、図1のように、100mm角の合板に5本の押しピンを接着させる、次に炭塗料を噴霧して乾燥させる。100mm角の間伐材の輪切りにした集成材を押し付けて張り付ける。金属部分が表面に現れないため表裏伴に木質感覚のある木材タイルになる。
【0021】
例えば、縦900mm、横1800mmのボードを作る場合は、ベニア板に適当な数量のピンを接着した後炭塗料を塗布し乾燥させて、100mm角の間伐材の輪切りにした集成材を張り付ければよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
建築物の壁面に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】は角タイル状板の斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1.集成材
2.炭層
3.ベニア板
4.ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭層を有するベニア板と、間伐材を輪切りにして成る集成材とを、ピンを使用して挟んで一体化した構造であることが特徴である、炭層とベニア板と集成材で成るボード。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−83126(P2010−83126A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277358(P2008−277358)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(393007341)株式会社アイテツ (4)
【Fターム(参考)】