説明

炭素繊維補強セメント組成物およびその製造方法

【課題】 炭素繊維を利用することにより、強度の向上を図ることができ、さらには、補強繊維シートを埋設しても層間剥離の発生しない炭素繊維補強セメント組成物、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 長さが2mm以下、かつ、直径が10mm以下の炭素短繊維をセメントおよび水とともに配合してスラリーを調整する。次に、スラリーを敷設する第1の工程と、配合した炭素短繊維の長さ寸法より6倍以上の間隔をもって補強繊維がクロス状に編まれた補強繊維シートを敷設する第2の工程と、補強繊維シートの上に前記スラリーを敷設する第3の工程と、しかる後に前記スラリーを硬化させる第4の工程とを行い、補強繊維シートが埋設された炭素繊維補強セメント組成物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント組成物を炭素繊維で補強をした炭素繊維補強セメント組成物およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
炭素短繊維をセメント組成物に混入すると、その物性、特に曲げ強度の向上が図れることは広く知られている。このような用途において、従来は、炭素短繊維の長さが長いほど物性は向上すると言われており、一般に使用されている炭素短繊維の長さは3mm以上のものが多く、一般に市販されている炭素短繊維の多くは、長さが3mm〜30mmのものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、長さが3mm〜30mmの炭素繊維をセメントスラリー中に配合すると、0.3%あるいは0.5%程度から、炭素繊維同士が絡み合って団塊となった部分(以下、ファイバーボールという)の発生がみられ、均一な分散が困難である。その結果、ファイバーボールが発生した部分では、強度がほとんど無くなるため、炭素繊維入りセメントスラリーは、薄板の製造や薄塗り材としての使用が困難とされている。実際、従来の炭素繊維補強セメント組成物は、曲げ強度で10N/mm2程度、圧縮強度で70N/mm2程度の物性まで向上させるのが限界である。
【0004】
また、炭素短繊維をセメントスラリーに配合すると、曲げ強度の向上や靭性を高めることが可能となり、かつ、ひび割れの発生を抑制する可能性があることは知られている一方、補強繊維を所定の間隔でクロス状に編んだ補強繊維シートをセメント構造物の中に埋設することで、その物性、特に曲げ強度の向上やひび割れの抑止に効果を発揮することも知られている。一般に、補強繊維シートにおける補強繊維同士の間隔は、2mm〜20mmまでのものが多く市販されている。なお、補強繊維シートにおける目付量は、そのまま補強繊維シートの強度を規定し、それはセメントスラリーへ埋設した場合に補強効果として現れてくる。それ故、同じ補強繊維を用いた補強繊維シートでは間隔が小さいほど、補強効果を得られることにつながるといって良い。
【0005】
しかしながら、炭素短繊維および補強繊維シートを併用しようとした場合、その材料のもつ性質上、その施工が困難である。すなわち、炭素短繊維入りのセメントスラリーでは、材料中の炭素短繊維同士が絡み合わなければ効果を得られないため、ある程度の量、例えば、0.3%以上、好ましくは、0.5%以上加えなければ目的とする物性が得られないが、セメントスラリー中で絡み合った繊維が増えると、補強のための目付量に編んだ補強繊維の間隙をぬって移動することが難しくなる。その結果、補強繊維シートを埋設した状態でスラリーを硬化させて補強繊維シート入りの炭素短繊維補強セメント組成物を製造しても、曲げ応力が加わったとき、埋設した補強繊維シートを境に剥離が発生し、補強効果を発揮しなくなる。従って、炭素短繊維を十分な濃度で含むセメントスラリーに補強繊維シートを埋設させるには、隙間の広い編み目の補強繊維シートでなければ施工が困難であるが、このような隙間の大きな補強繊維シートでは、単位面積当たりの目付量が少ないため、強度を確保できず、炭素短繊維および繊維補強シート双方の補強効果を同時に得ることが困難であった。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、曲げ強度や圧縮強度をさらに向上可能な炭素繊維補強セメント組成物およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の課題は、補強繊維シートを埋設した場合でも剥離が発生せず、かつ、炭素繊維および補強繊維シートの双方の特性を発揮させることにより、強度の向上、およびひび割れ防止を図ることのできる炭素繊維補強セメント組成物およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために本願出願人が種々の検討を行った結果、なされたものであり、炭素繊維をセメント組成物中に分散させた炭素繊維補強セメント組成物において、前記炭素繊維として、長さが2mm以下、かつ、直径が15μm以下の炭素短繊維を用いることを特徴とする。
【0009】
本発明では、ある程度の長さがなければ炭素短繊維の効果が得られないとされてきた従来の技術的思想とは反対に、セメントに混入する炭素短繊維を極微細(長さ2.0mm以下、直径15μm以下)にしたことに特徴を有しており、本発明によれば、炭素短繊維を多量に配合しても、ファイバーボールが発生せず、今まで以上の曲げ強度や圧縮強度を確保できるという効果を奏する。また、セメントスラリー中に従来の炭素短繊維を混入すると、炭素短繊維同士の絡みつきが原因で、粘り以外の性状変化を起こしやすく、その施工性が著しく低下するが、本発明では、炭素短繊維を極微細にしたため、セメントスラリーの性状が低下することがなく、良好な施工性を得ることができる。また、極微細な炭素短繊維であれば多量に添加しても、セメントスラリーの性状が低下することがなく、良好な施工性を得ることができ、かつ、セメントスラリーの硬化時における収縮が極端に減るため、寸法精度の良い製品を得ることができるようになる。
【0010】
本発明において、前記炭素短繊維の径は10μm以下であることが好ましい。また、前記炭素短繊維の長さは0.2mm以上、かつ、1.5mm以下であることが好ましい。このように構成すると、スラリー中での炭素短繊維の分散性などをより向上することができる。また、本発明において、前記炭素短繊維の配合量がセメントに対して0.3%以上であることが好ましく、本発明の効果をより確実に発揮させるという観点からすれば、前記炭素短繊維の配合量は、0.5%以上であることが好ましい。
【0011】
このような炭素繊維補強セメント組成物を製造するには、長さが2mm以下、かつ、直径が15μm以下の炭素短繊維をセメントおよび水とともに配合してスラリーにした後、当該スラリーを硬化させることを特徴とする。ここで、スラリーおよび炭素繊維補強セメント組成物は、骨材を含んだ構成、骨材を一切含んでいない構成のいずれであってもよい。
【0012】
本発明に係る炭素繊維補強セメント組成物では、前記セメント組成物中には、前記炭素短繊維の長さ寸法より6倍以上の間隔をもって補強繊維がクロス状に編まれた補強繊維シートが少なくとも1枚敷設されていることが好ましい。本願出願人の検討結果によれば、補強繊維シートにおける補強繊維の間隔が炭素短繊維の長さの約6倍以上あれば、炭素短繊維を0.3%以上あるいは0.5%以上添加したセメントスラリーであっても、繊維補強シートの隙間を自由に通過できるため、十分な強度を発揮する目付量を持つクロス状に編んだ補強繊維シート、すなわち、補強繊維同士の間隔の狭い補強繊維シートを埋設しても剥離などの不具合が発生せず、炭素繊維および補強繊維シートの双方の特性を発揮させることにより、強度の向上およびひび割れ防止を図った炭素繊維補強セメント組成物を提供することができる。
【0013】
このような構成の炭素繊維補強セメント組成物を製造するにあたって、本発明では、長さが2mm以下、かつ、直径が15μm以下の炭素短繊維をセメントおよび水とともに配合したスラリーを敷設する第1の工程と、当該炭素短繊維の長さ寸法より6倍以上の間隔をもって補強繊維がクロス状に編まれた補強繊維シートを敷設する第2の工程と、当該補強繊維シートの上に前記スラリーを敷設する第3の工程と、しかる後に前記スラリーを硬化させる第4の工程とを行うことを特徴とする。
【0014】
本発明において、炭素繊維補強セメント組成物中に補強繊維シートを複数枚、埋設させるには、前記第1の工程と前記第2の工程をこの順に少なくとも2回繰り返した後、前記第3の工程および前記第4の工程とを行えばよい。
【0015】
本発明において、前記補強繊維としては、天然繊維あるいは合成繊維を編んだものを用いることができる。また、前記補強繊維として、炭素繊維からなるものを用いれば、炭素繊維補強セメント組成物の強度をさらに向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
[実施の形態1]
図1は、本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物に用いた炭素短繊維のセメントへの混入前の状態を拡大して示す説明図である。図2は、本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物中に炭素短繊維が分散している状態を拡大して示す説明図である。
【0018】
本形態では、まず、長さが2mm以下、かつ、直径が15μm以下まで解繊した炭素短繊維をセメントおよび水などとともに混練してスラリーにした後、このスラリーを硬化させ、炭素繊維補強セメント組成物を製造する。
【0019】
ここで、炭素短繊維の配合量は、セメントに対して0.3%以上、好ましくは0.5%以上であることが好ましい。配合量が0.3%未満ではその効果が十分でない。また、0.5%以上であれば、強度などの向上が顕著である。ここで、炭素短繊維の長さは、0.2mm以上、かつ、1.5mm以下であることが好ましい。炭素短繊維の長さが0.2mm未満のものは取扱いにくく、かつ1.5mmを超えると、高濃度に配合した際、ファイバーボールが発生するおそれがある。また、炭素短繊維の径は10μm以下であることが好ましく、このように構成すると、スラリー中での炭素短繊維の分散性などをより向上することができる。
【0020】
このようなセメント組成物に用いた炭素短繊維のセメントへの混入前の状態における拡大写真を図1に示す。また、セメント組成物に混入した後の炭素短繊維の状態の拡大写真を図2に示す。
【0021】
本形態において、例えば、直径が7μm、長さが0.2mm以上、かつ、1.5mm以下の炭素短繊維を用いると、セメントに対して3%〜8%といった高い濃度で炭素繊維を配合しても、ファイバーボールが発生せず、施工性が低下しなかった。また、得られた炭素繊維補強セメント組成物としては、破壊曲げ強度で30N/mm2以上、圧縮強度では100N/mm2以上の炭素繊維補強セメント組成物を得ることができた。よって、トンネルなどコンクリート施設の補強工事において補強パネルの板厚を従来品の2分の1程度まで薄くできるため、従来では建築限界を超えるために不可能であった補強工事等にも有効な手段となり得る。また、本形態に係るスラリーは、セメントパネルなどの製品、および現場施工での表面被覆材(上塗り材や吹付け材)として利用できる。
【0022】
[実施の形態2]
図3は、本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物において、補強繊維シートと炭素繊維補強セメント組成物とが一体化している様子を模式的に示す説明図である。図4は、本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物の評価方法を示す説明図である。図5(a)、(b)は、本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物ではクラックが入ったときでも層間剥離が発生しない様子を模式的に示す説明図、および従来の炭素繊維補強セメント組成にクラックが入ったときに層間剥離が発生する様子を模式的に示す説明図である。
【0023】
本形態では、まず、長さが2mm以下、かつ、直径が15μm以下まで炭素短繊維を解繊した状態でセメントおよび水などとともに混練してスラリーを調整する。ここで、炭素短繊維の配合量は、セメントに対して0.3%以上、好ましくは0.5%以上であることが好ましい。また、炭素短繊維の長さが0.2mm以上、かつ、1.5mm以下であることが好ましい。また、炭素短繊維の径は10μm以下であることが好ましい。
【0024】
次に、前記の炭素短繊維入りスラリーを敷設する第1の工程と、このスラリーに添加した炭素短繊維の長さ寸法より6倍以上の間隔をもって補強繊維が編まれた補強繊維シートを敷設する第2の工程と、補強繊維シートの上に前記の炭素短繊維入りスラリーを敷設する第3の工程とを行い、しかる後にスラリーを硬化させる第4の工程とを行う。その結果、補強繊維シートが埋設された炭素繊維補強セメント組成物を得ることができる。補強繊維としては、天然繊維あるいは合成繊維を編んだものを用いることができる。また、補強繊維として、炭素繊維からなるものを用いれば、炭素繊維補強セメント組成物の強度をさらに向上することができる。
【0025】
このようにして製造された炭素繊維補強セメント組成物では、セメント組成物中に、補強繊維が編まれた補強繊維シートが埋設されているため、曲げ強度を向上でき、かつ、クラックの発生を確実に防止することができる。
【0026】
また、本形態では、炭素短繊維の長さ寸法より6倍以上の間隔をもって補強繊維が編まれた補強繊維シートが用いられている。逆にいえば、補強繊維シートにおける補強繊維の間隔の1/6倍以下の長さの炭素短繊維が用いられている。このため、炭素短繊維入りのスラリーは、炭素短繊維とともに補強繊維シートの狭い間隙を自由に移動できるので、硬化後、図3に模式的に示すように、補強繊維シートと炭素繊維補強セメント組成物とが一体化し、剥離などが発生しない。
【0027】
本形態では、例えば、炭素短繊維をセメントに対して0.3〜5%までの範囲で添加混合し、それに対して、0(添加なし)〜200%の細骨材と、適当量の水とを加えて混練してスラリーを作り、このスラリーを用いて、補強繊維を隙間が2mm〜15mmになるように編んだ補強繊維シートを埋設した厚さが3mm〜10mmの炭素繊維補強セメント組成物(セメント板)を製造し、曲げ試験を行なった。その結果、上記の効果を得ることができた。また、厚さが12mmの炭素繊維補強セメント組成物(セメント板)について同様な試験を行った結果を表1に示す。なお、表1に示す破壊曲げ強度の数値は平均値で表してある。
【0028】
このときの試験方法は、図4に示すように、厚さ12mmの補強セメント組成物試料1を用いた。また、この補強セメント組成物試料1における補強繊維シート2のかぶり厚は1mmである。
【0029】
【表1】

表1に示すように、補強繊維の間隔(11mm)に対して、長さが1/6倍以下(1.5mm)の炭素短繊維を用いた場合には、表面から0.5〜50mmまでのいずれの部分でも、層間剥離は発生しなかった。また、そのときの最大曲げ荷重は補強繊維を埋設しない場合に比べて最大150%増加した。
【0030】
すなわち、図5(a)に示すように、本形態の炭素繊維補強セメントでは、たとえクラックが発生した場合でも、補強繊維シートを境にした剥離が発生せず、優れた強度を示す。よって、トンネルなどコンクリート施設の補強工事において補強パネルの板厚を従来品の2分の1程度まで薄くできるため、従来では建築限界を超えるために不可能であった補強工事等にも有効な手段となり得る。また、補強繊維のもつ物性を有効にセメントスラリーに発揮できるため今までには得られなかった、高強度を有するセメントパネルなどの製品、および現場施工での表面被覆材として利用できる。
【0031】
それに比較して、補強繊維の間隔(11mm)に対して、長さが1/6倍以上(5mm、10.0mm)の炭素短繊維を用いた場合には、図5(b)に示すように、クラックが入った際、補強繊維シートを境にした層間剥離が発生し、補強繊維シートよりも表面側が脱落してしまった。補強繊維を表面に近い位置に埋設した場合には特に層間剥離が発生しやすく、そのために最大曲げ荷重も補強繊維を埋設しないものに比較してほとんど効果を発揮しないばかりでなく、最大荷重の低下をきたすものも多く発生した。
【0032】
[実施の形態2の変形例]
実施の形態2では、第1の工程、第2の工程、第3の工程、第4の工程を各々1回ずつ行って、炭素繊維補強セメント組成物中に強繊維を1枚、埋設させたが、炭素繊維補強セメント組成物中に強繊維を複数枚、埋設させるには、前記第1の工程と前記第2の工程をこの順に少なくとも2回繰り返した後、前記第3の工程および前記第4の工程とを行えばよい。この場合も、補強繊維シートとしては、補強繊維として天然繊維あるいは合成繊維を編んだものを用いることができるが、補強繊維が炭素繊維からなるものを用いれば、炭素繊維補強セメント組成物の強度をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物に用いた炭素短繊維のセメントへの混入前の状態を拡大して示す説明図である。
【図2】本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物中に炭素短繊維が分散している状態を拡大して示す説明図である。
【図3】本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物において、補強繊維シートと炭素繊維補強セメント組成物とが一体化している様子を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物の評価方法を示す説明図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明を適用した炭素繊維補強セメント組成物ではクラックが入ったときでも層間剥離が発生しない様子を模式的に示す説明図、および従来の炭素繊維補強セメント組成にクラックが入ったときに層間剥離が発生する様子を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 セメント組成物の試料
2 補強繊維シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維をセメント組成物中に分散させた炭素繊維補強セメント組成物において、
前記炭素繊維は、長さが2mm以下、かつ、直径が15μm以下の炭素短繊維であることを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物。
【請求項2】
請求項1において、前記炭素短繊維の長さが0.2mm以上、かつ、1.5mm以下であることを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物。
【請求項3】
請求項1または2において、前記炭素短繊維の配合量がセメントに対して0.3%以上であることを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記セメント組成物中には、前記炭素短繊維の長さ寸法より6倍以上の間隔をもって補強繊維がクロス状に編まれた補強繊維シートが少なくとも1枚埋設されていることを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物。
【請求項5】
請求項4において、前記補強繊維は、炭素繊維からなることを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物。
【請求項6】
炭素繊維をセメントおよび水とともに配合してスラリーにした後、当該スラリーを硬化させる炭素繊維補強セメント組成物の製造方法において、
前記炭素繊維として、長さが2mm以下、かつ、直径が15μm以下の炭素短繊維を用いることを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項6において、前記炭素短繊維の配合量がセメントに対して0.3%以上であることを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物。
【請求項8】
請求項7において、前記スラリーを敷設する第1の工程と、前記炭素短繊維の長さ寸法より6倍以上の間隔をもって補強繊維がクロス状に編まれた補強繊維シートを敷設する第2の工程と、当該補強繊維シートの上に前記スラリーを敷設する第3の工程と、しかる後に前記スラリーを硬化させる第4の工程とを行うことを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項8において、前記第1の工程と前記第2の工程をこの順に少なくとも2回繰り返した後、前記第3の工程および前記第4の工程とを行うことを特徴とする炭素繊維補強セメント組成物の製造方法。

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−151769(P2006−151769A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347435(P2004−347435)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(597129023)エレホン・化成工業株式会社 (4)
【出願人】(504442067)有限会社中林工業 (7)
【Fターム(参考)】