説明

炭酸カルシウム濃度測定装置

【課題】空気を継続的にスラリーに吹き込み、炭酸カルシウムの濃度の計測を安定的に持続することのできる炭酸カルシウム濃度測定装置を提供すること。
【解決手段】火力発電所設備の石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置(103)において、スラリー(10)中の炭酸カルシウム濃度を測定する装置は、スラリー(10)を被測定液としてサンプリングするサンプリング手段(2)と、スラリー(10)を収容する反応容器(3)と、反応容器(3)内で発生する炭酸ガスを検出する分析部(7)と、を備え、反応容器(3)には、容器内中央部を軸にして攪拌する攪拌翼(33)と、被測定液への酸導入手段(4)と、被測定液内に気泡を発生させるバブリング手段(5)が配置されており、バブリング手段(5)は、バブルの発生点が攪拌翼(33)より下方に配置されるとともに、直径2mm以上10mm以下のバブルを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電設備における脱硫装置で用いられる炭酸カルシウム濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、火力発電設備は、燃焼により生じる排ガスに含まれる硫黄酸化物等を除去するため、排煙脱硫装置を備える。この排煙脱硫装置として、水及び石灰を混合したスラリーに排ガスを接触させ、石灰に含まれる炭酸カルシウムと硫黄酸化物とを結合させて、石膏として回収する石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置が知られている。
【0003】
石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置では、脱硫性能としてスラリーに含まれる炭酸カルシウムの濃度が化学当量以上必要である。しかしながら、炭酸カルシウムと硫黄酸化物を結合させて石膏を生成するので、炭酸カルシウムの濃度が高いと炭酸カルシウムが余剰となる場合がある。この場合、余剰となる炭酸カルシウムと結合させるように、硫酸等の酸を別途スラリーに供給する必要が生じる。このため、経済面からも、スラリーに含まれる炭酸カルシウムの濃度は測定され、この濃度に応じてスラリーに混合する石灰の量が制御されている。
【0004】
そこで、スラリーの一部を採取し、採取したスラリーと硫酸等の酸を反応させるとともに、スラリーの内部に気泡を発生させるバブリング手段により空気を吹き込み、これにより発生する亜硫酸ガスと炭酸ガスの濃度を検出して、検出した濃度を基にスラリーに含まれる炭酸カルシウムの濃度を測定する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−154157号公報
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、空気を吹き込むバブリング手段に設けられた孔に生成された石膏が付着して孔を閉塞してしまい、空気が十分に吹き込まれず、炭酸カルシウムの計測が困難になることがあった。
【0007】
このため、空気を継続的にスラリーに吹き込み、炭酸カルシウムの濃度の計測を安定的に持続することのできる炭酸カルシウム濃度測定装置が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、空気を継続的にスラリーに吹き込み、炭酸カルシウムの濃度の計測を安定的に持続することのできる炭酸カルシウム濃度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明の炭酸カルシウム濃度測定装置は、火力発電所設備の石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置において、スラリー中の炭酸カルシウム濃度を測定する装置であって、前記スラリーを被測定液としてサンプリングするサンプリング手段と、前記スラリーを収容する反応容器と、前記反応容器内で発生する炭酸ガスを検出する分析部と、を備え、前記反応容器には、容器内中央部を軸にして攪拌する攪拌翼と、前記被測定液への酸導入手段と、前記被測定液内に気泡を発生させるバブリング手段が配置されており、前記バブリング手段は、バブルの発生点が前記攪拌翼より下方に配置されるとともに、直径2mm以上10mm以下のバブルを発生させることを特徴とする。
【0010】
(2) 前記バブリング手段は、一端に直径2mm以上10mm以下の開放部を有するバブリングチューブであることが好ましい。
【0011】
(3) バブリングされる気体が空気であることが好ましい。
【0012】
(4) 前記酸導入手段は、前記被測定液の液面上から酸を滴下する位置に配置される酸滴下管を備え、前記反応容器の上方から見た平面視において、その略中央部に配置される攪拌翼の回転範囲より外側になるように、前記酸滴下管及び前記バブルの発生点が配置され、前記平面視における、前記酸滴下管の位置と、前記攪拌翼の回転軸位置と、前記バブルの発生点と、がなす小さいほうの角αが90度以上180度以下であることが好ましい。
【0013】
(5) 前記角αが略180度となるように配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、空気を継続的にスラリーに吹き込み、炭酸カルシウムの濃度の計測を安定的に持続することのできる炭酸カルシウム濃度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の炭酸カルシウム濃度測定装置を有する石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置が配置された火力発電設備の概略図である。
【図2】本発明の炭酸カルシウム濃度測定装置の概略図である。
【図3】本発明の炭酸カルシウム濃度測定装置における反応容器を側面から見た図である。
【図4】本発明の炭酸カルシウム濃度測定装置における反応容器を上面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の炭酸カルシウム濃度測定装置1に係る好ましい一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の炭酸カルシウム濃度測定装置1を有する石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置103が配置された火力発電設備100の概略図である。火力発電設備100は、ボイラ101と、電気集塵機102と、石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置103と、煙突104と、を備える。ボイラ101で石炭を燃焼させることにより生じた排ガスは、図示しない脱硝装置を経て、電気集塵機102に流通し、電気集塵機102の内部で排ガスから煤塵が除去される。煤塵を除去されたガスは、石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置103に流通する。煤塵を除去されたガスは、石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置103で、硫黄酸化物を除去される。硫黄酸化物を除去されたガスは、煙突104に流通し、外気に排出される。
【0017】
石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置103は、吸収塔110と、水及び石灰が混合され吸収塔110内に供給されるスラリー10と、吸収塔110内にスラリー10を循環させる吸収塔循環ポンプ112と、吸収塔110内でスラリー10を噴霧する噴霧装置113と、吸収塔110内のスラリー10を採取して、炭酸カルシウムの濃度を測定する炭酸カルシウム濃度測定装置1と、吸収塔110に供給するスラリー10を収容するスラリー供給槽114と、スラリー供給槽114から吸収塔110に供給するスラリー10の流量を調整するスラリー流量制御部115と、を有する。石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置103における吸収塔110に流通したガスは、噴霧装置113で噴霧されるスラリー10と接触する。吸収塔110内で、ガスに含まれる硫黄酸化物と吸収液に含まれる炭酸カルシウムとが結合し、石膏として回収されることにより、ガスから硫黄酸化物が除去される。
【0018】
図2は、炭酸カルシウム濃度測定装置1の概略図である。炭酸カルシウム濃度測定装置1は、火力発電設備100の石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置103において、スラリー10中の炭酸カルシウム濃度を測定する装置である。炭酸カルシウム濃度測定装置1は、吸収塔110に接続され、吸収塔110内のスラリー10を採取して測定する。炭酸カルシウム濃度測定装置1は、採取したスラリー10に、硫酸等の酸を供給するとともに、空気を供給して気泡を発生させバブリングを行う。この結果、硫酸カルシウムCaSo、亜硫酸ガスSO及び炭酸ガスCOが生成される。このうち炭酸ガスの量を測定し、測定した値に基づいて、炭酸カルシウム濃度が算出される。このときバブリングは攪拌による反応の進行と、反応溶液中に溶解している炭酸ガスの気化促進として行なわれる。
【0019】
炭酸カルシウム濃度測定装置1は、スラリー10を被測定液としてサンプリングするサンプリング手段2と、スラリー10を収容する反応容器3と、スラリー10に酸を導入する酸導入手段4と、反応容器3内にバブル(気泡)を発生させるバブリング手段5と、反応容器3内で生成した気液を処理する処理部6と、反応容器3内で発生する炭酸ガスを検出して測定する分析部7と、分析部7で分析した結果により炭酸カルシウム濃度を算出する演算部8と、を備える。
【0020】
サンプリング手段2は、定量ポンプを備える。定量ポンプは、一端が吸収塔110に、他端が反応容器3に接続された配管に設けられ、吸収塔110からスラリー10を採取する。採取されたスラリー10は、反応容器3へ送られる。
【0021】
図3は反応容器3を側面から見た図である。図3に示すように、反応容器3は、略円筒形状で下部の断面積が小さくなった容器本体31を有し、容器本体31の内部に、容器内中央部を軸にして攪拌する攪拌翼33が配置されている。攪拌翼33は、容器本体31の中心軸と同軸の回転軸34に設けられる。攪拌翼33は、互いに対向する2枚の翼を一対とし、二対の翼を有する。攪拌翼33は、回転してスラリー10を攪拌する。
【0022】
酸導入手段4は、反応容器3の外部から酸滴下管41を介して硫酸等の酸を反応容器3に導入する。酸滴下管41は、一端が反応容器3の内部に設けられ、他端が酸を収容する容器に設けられる。酸滴下管41の一端は、例えば、反応容器3における攪拌翼33よりも上方に配置され、スラリー10の液面上から酸を滴下する位置に配置される。反応容器3に酸を導入することにより、反応容器3内のスラリー10のpHは、4以下に保たれるよう制御されている。
【0023】
バブリング手段5は、反応容器3に配置される。バブリング手段5は、一端が反応容器3の内部に設けられ、他端が図示しない空気供給装置に接続されるバブリングチューブ51である。バブリングチューブ51は、この一端にバブルの発生点となる開放部52を有する。バブリングチューブ51は、内径が2mm以上10mm以下の中空の管である。開放部52は、バブリングチューブ51の一端における中空部分である。開放部52は、攪拌翼33よりも下方に配置される。空気供給装置からバブリングチューブ51に空気を供給すると、開放部52から直径2mm以上10mm以下のバブルが発生する。開放部52の直径が2mm以上であると、バブルが比較的大きく勢いよくバブリングされるため、スラリー10内で生成された石膏がバブリングチューブ51を閉塞しづらい。また、開放部52の直径が10mm以下であるため、バブルの数が減ったり、バブルが形成される速度が遅くなって炭酸ガス及び亜硫酸ガスを生成する性能が低下しにくい。また、バブルが大きく、スラリー10を飛散させることがない。
【0024】
図4は反応容器3を上面から見た図である。図4に示すように、酸滴下管41とバブリングチューブ51の開放部52とは、反応容器3の上方から見た平面視において、反応容器3の略中央部に配置される攪拌翼33の回転範囲βより外側になるように配置される。反応容器3の上方から見た平面視における酸滴下管41の位置と、攪拌翼33の回転軸34位置と、開放部52と、がなす小さいほうの角αが、90度以上180度以下となるように、酸滴下管41及び開放部52は配置される。角αが90度未満では開放部52と酸滴下管41の位置が近くなりバブリングによって酸滴下管41に石膏が付着し易くなる。特に、角αが略180度となるように、酸滴下管41及び開放部52が配置されることが好ましい。酸滴下管41及び開放部52が、回転軸34を挟んで対称位置に、距離が遠く離れるように配置されることで、酸滴下管41に石膏が付着して閉塞されづらくなる。
【0025】
処理部6は、反応容器3と分析部7との間に設けられる。処理部6は、反応容器3でバブリングを行った気液を気体と液体に分離する気液分離器61及び気液分離器61の下流に配置され、気液分離器61から得た気体から水分を除去する除湿器62を備える。反応容器3で生成された気液は、処理部6により気体とされ、分析部7へ流通する。
【0026】
分析部7は、炭酸ガスの分析計と亜硫酸ガスの分析計を備える。分析部7は、反応容器3で生成され、処理部6を流通した気体に含まれる炭酸ガス及び亜硫酸ガスの濃度を測定する。
【0027】
演算部8は、分析部7で測定した炭酸ガス及び亜硫酸ガスの濃度より、スラリー10に含まれる炭酸カルシウムの濃度を演算処理して算出する。算出した結果は、演算部8からスラリー流量制御部115に送られる。スラリー流量制御部115は、算出した結果に基づいて、スラリー供給槽114から吸収塔110に供給するスラリー10の流量を制御する。
【0028】
次に、本実施形態の炭酸カルシウム濃度測定装置1の動作について、図1〜4を参照しながら説明する。図1及び2に示すように、サンプリング手段2は、吸収塔110の内部からスラリー10を採取し、反応容器3へ供給する。酸導入手段4は、反応容器3に酸滴下管41を介して硫酸を導入し、反応容器3内のスラリー10に滴下する。この状態で、反応容器3内のスラリー10は、pHが4以下に保たれる。反応容器3は、モーター32により攪拌翼33の回転軸34を回転させて、スラリー10を攪拌する。攪拌により、スラリー10と硫酸がよく混合されて反応するとともに、スラリー10に含まれる固形分が沈降せず、スラリー10中に分散される。
【0029】
図3に示すように、バブリング手段5は、図示しない空気供給装置からバブリングチューブ51により、反応容器3内のスラリー10に空気を供給する。空気は、バブリングチューブ51の一端に設けられる開放部52からスラリー10に供給される。開放部52は、直径2mm以上10mm以下のバブリングチューブ51の中空部分で構成されるため、開放部52から直径2mm以上10mm以下のバブルが発生する。バブルはスラリー10が攪拌翼33で攪拌されるにしたがって、スラリー10中に分散する。攪拌翼33よりも下方に配置される開放部52からバブルが供給されるので、スラリー10と硫酸とがよく混合され、反応する。石灰と水との混合液であるスラリー10に、硫酸を供給しつつバブリングを行うと、硫酸カルシウム、炭酸ガス及び亜硫酸ガスが生成される。バブルの大きさは、直径2mm以上10mm以下であるため、開放部52からスラリー10中に排出される勢いが強く、生成された硫酸カルシウム(石膏)は開放部52に付着しづらい。
【0030】
図4に示すように、酸滴下管41の位置と、攪拌翼33の回転軸34の位置と、開放部52と、がなす小さいほうの角αが、反応容器3の上方から見た平面視において90度以上180度以下となるように、酸滴下管41及び開放部52は配置されている。また、図3に示すように、酸滴下管41はスラリー10の液面上に配置されている一方、開放部52は、攪拌翼33よりも下方に配置されている。したがって、酸滴下管41と開放部52とは、反応容器3の側面視では、攪拌翼33を中心に対角線上に配置されている。酸滴下管41と開放部52とは、反応容器3の上方から見た平面視においても側面視においても、反応容器3内で互いに最も離れた位置に配置されている。したがって、開放部52から供給されたバブルにより発生した石膏は、酸滴下管41の周囲に付着しづらい。
【0031】
このように、スラリー10中に硫酸を供給しつつバブリングを行って炭酸ガス及び亜硫酸ガスを生成すると、生成後の気液は、処理部6の気液分離器61に送られる。気液分離器61で分離された気体は、除湿器62で水分を除去され、分析部7に送られる。
【0032】
分析部7は、処理部6を通過した気体から炭酸ガス及び亜硫酸ガスの濃度を測定する。演算部8は、分析部7で測定した結果に基づいて、スラリー10中の炭酸カルシウム濃度を算出する。算出した結果は、演算部8からスラリー流量制御部115に送られる。スラリー流量制御部115は、演算部8で算出されたスラリー10に含まれる炭酸カルシウム濃度に基づいて、スラリー供給槽114から吸収塔110へのスラリー10の供給路の流量を制御する。
【0033】
以上の炭酸カルシウム濃度測定装置1によれば、以下のような効果を奏する。バブリング手段5により、直径2mm上10mm以下のバブルを発生させることとした。バブルの直径が2mm以上10mm以下であると、バブルが比較的大きいため、開放部52からスラリー10中に勢いよく排出される。このため、バブルが発生する開放部52の近傍で、スラリー10に供給された硫酸と結合して生成された石膏が付着しづらく、開放部52が閉塞されづらい。よって、スラリー10中に継続して空気を供給することができ、吸収塔110から採取したスラリー10に含まれる炭酸カルシウムの濃度を継続して測定することができる。
【0034】
また、バブルの発生点となる開放部52を、攪拌翼33よりも下方に位置させた。攪拌翼33の下方から比較的大きいバブルが発生するため、スラリー10と硫酸がよく混合され、反応が起こりやすい。またバブルの発生点がバブリングチューブ51の側面でなく、下端部に設けられるため、清掃が容易となった。
【0035】
また、酸滴下管41の位置と、攪拌翼33の回転軸34位置と、開放部52と、がなす小さいほうの角αは、反応容器3の上方から見た平面視において90度以上180度以下となるように、酸滴下管41及び開放部52を配置した。このため、スラリー10に供給された硫酸と結合して生成された石膏が、酸滴下管41の周囲に付着しづらく、酸滴下管41が閉塞されづらい。よって、スラリー10中に継続して空気を供給することができ、吸収塔110から採取したスラリー10に含まれる炭酸カルシウムの濃度を継続して安定的に測定することができる。これによって修理、点検を行うメンテナンスの頻度を少なくし、メンテナンスとメンテナンスの間の期間の間隔を大幅に伸ばすことができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【0037】
例えば、開放部52は、バブリングチューブ51の一端側におけるバブリングチューブ51の中空部分により構成されるが、バブリングチューブ51の一端側に、攪拌翼33よりも下方に設けられ、直径が2mm以上10mm以下であれば、バブリングチューブ51と別体のノズル部を設けてもよい。また、本実施形態では、開放部52は、バブリングチューブ51の一端に一つ設けられているが、複数の開放部が設けられてよい。
【符号の説明】
【0038】
1 炭酸カルシウム濃度測定装置
2 サンプリング手段
3 反応容器
4 酸導入手段
5 バブリング手段
7 分析部
10 スラリー
33 攪拌翼
41 酸滴下管
52 開放部
100 火力発電設備
103 石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火力発電所設備の石灰−石膏式の湿式排煙脱硫装置において、スラリー中の炭酸カルシウム濃度を測定する装置であって、
前記スラリーを被測定液としてサンプリングするサンプリング手段と、前記スラリーを収容する反応容器と、前記反応容器内で発生する炭酸ガスを検出する分析部と、を備え、
前記反応容器には、容器内中央部を軸にして攪拌する攪拌翼と、前記被測定液への酸導入手段と、前記被測定液内に気泡を発生させるバブリング手段が配置されており、
前記バブリング手段は、バブルの発生点が前記攪拌翼より下方に配置されるとともに、直径2mm以上10mm以下のバブルを発生させることを特徴とする炭酸カルシウム濃度測定装置。
【請求項2】
前記バブリング手段は、一端に直径2mm以上10mm以下の開放部を有するバブリングチューブである請求項1記載の炭酸カルシウム濃度測定装置。
【請求項3】
バブリングされる気体が空気である請求項1又は2記載の炭酸カルシウム濃度測定装置。
【請求項4】
前記酸導入手段は、前記被測定液の液面上から酸を滴下する位置に配置される酸滴下管を備え、
前記反応容器の上方から見た平面視において、その略中央部に配置される攪拌翼の回転範囲より外側になるように、前記酸滴下管及び前記バブルの発生点が配置され、
前記平面視における、前記酸滴下管の位置と、前記攪拌翼の回転軸位置と、前記バブルの発生点と、がなす小さいほうの角αが90度以上180度以下である請求項1から3いずれか記載の炭酸カルシウム濃度測定装置。
【請求項5】
前記角αが略180度となるように配置される請求項4記載の炭酸カルシウム濃度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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