説明

炭酸ガス圧力調整器

【課題】低温時にも発泡飲料を容器内から良好に注ぎだすのに必要な最小必要圧力を維持でき、発泡飲料の温度に応じた適切な炭酸ガスを発泡飲料容器に供給することができる、応答性がよく、正確で信頼性が高い、炭酸ガス圧力調整器を提供する。
【解決手段】ガス入口部3とガス供給部6の間に第1弾性体7により弁座体9の弁開口11が閉じる方向に付勢される弁体13と、弁体の先端14が当接するプレート15と、プレート15を収容する第1圧力室16と、プレート15に当接するダイヤフラム17を弁開口11を広げる方向に付勢する第2弾性体19と、第2弾性体19を収容する第2圧力室21と、第1圧力室のガス出口部20から第2圧力室に通じるガス通路に第1バルブ22と、第2圧力室からガス排出口23に通じるガス通路に第2バルブ25と、第1及び第2バルブを制御する電子制御ユニットとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ビール等の発泡飲料等の温度に応じて発泡飲料を貯留する容器内の圧力を調整する炭酸ガス圧力調整器に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡飲料容器から供給される発泡飲料の温度に応じて炭酸ガスボンベから発泡飲料容器に供給する炭酸ガスの圧力を、供給される発泡飲料の温度が低温時に炭酸ガスの圧力が低下し過ぎることにより、供給量が低下することなく、効率的な発泡飲料の供給を行うことができることを目的とした発泡飲料容器用圧力調整装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−210274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような発泡飲料容器用圧力調整装置においては、サーモエレメントのワックスよってビール樽からのビール温度に応じてビール樽に供給する炭酸ガスの圧力を調節するものであるが、応答速度は決して速くなく、正確に目的の供給圧力を得ることが困難である。さらに、上記装置では、装置に直接ビールを通すため、サニタリー仕様にし、十分な洗浄ができることが要求されるという衛生上の課題がある。
【0004】
本発明は、低温時にも発泡飲料を貯留する容器内から発泡飲料を良好に注ぎだすのに必要な最低圧力を維持するとともに、発泡飲料の温度に応じた適切な炭酸ガスを発泡飲料容器に供給することができ、応答性がよく、正確で信頼性が高い、炭酸ガス圧力調整器を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の炭酸ガス圧力調整器は、気温、発泡飲料の温度、及び/又は、発泡飲料容器の温度を測定して温度信号を出力する温度センサ(27,28)と、供給する炭酸ガスの圧力を測定して圧力信号を出力する圧力センサ(29,30)と、ガス入口部(3)とガス供給部(6)の間に第1弾性体(7)により弁座体(9)の弁開口(11)が閉じる方向に付勢される弁体(13)と、該弁体の先端(14)が当接するプレート(15)と、該プレート(15)を収容する第1圧力室(16)と、該プレート(15)に当接するダイヤフラム(17)を前記弁開口(11)を広げる方向に付勢する第2弾性体(19)と、該第2弾性体(19)を収容する第2圧力室(21)と、前記第1圧力室(16)のガス出口部(20)から前記第2圧力室(21)に通じるガス通路に第1バルブ(22)と、前記第2圧力室(21)からガス排出口(23)に通じるガス通路に第2バルブ(25)と、温度に対する炭酸ガス供給圧力の関係を規定する制御マップを有し、前記温度信号及び圧力信号を入力して、供給する炭酸ガスの圧力が該温度信号に対する制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力になるように前記第1バルブ(22)及び前記第2バルブ(25)を制御する電子制御ユニットとを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、それぞれ所定の弾性定数と弾性力に調整された第1及び第2弾性体が互いに反対方向からダイヤフラムに付勢し、さらに該ダイヤフラムを境界として第1及び第2圧力室が備えられている。そして、ガス供給部のガスを第1及び第2バルブの作動により第2圧力室に導き、さらに大気へ排出する構造であり、電子制御ユニットが、測定される圧力と測定される温度に対する制御マップで規定される炭酸ガス供給圧力との関係から、供給する炭酸ガスの圧力が測定される温度に対する制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力になるように第1バルブ及び第2バルブを制御するので、第1及び第2バルブが作動し炭酸ガスが流れることによって、応答性よく発泡飲料の温度に応じた正確な圧力の炭酸ガスを発泡飲料容器に供給することができる。
【0007】
本発明において、前記第1バルブ(22)と前記第2バルブ(25)はソレノイドバルブであり、前記電子制御ユニットは、供給する炭酸ガスの圧力が前記制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力より低いとき炭酸ガスを通すべく第1バルブ(22)を作動させ、高いとき炭酸ガスを通すべく第2バルブ(25)を作動させることが好ましい。
【0008】
本発明によれば、第1バルブと第2バルブがソレノイドバルブであるので、迅速な作動が可能となり、供給する炭酸ガスの圧力が制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力より低いとき、第1バルブの作動により、ガス供給部の炭酸ガスが一部第2圧力室に流れる。このことにより、第2圧力室内の圧力が第1圧力室内の圧力になるまで増加するので、ダイヤフラムが弁座体の弁開口を広げる位置でバランスし、ガス入口部から炭酸ガスが供給されて炭酸ガス供給圧力が上昇する。また、供給する炭酸ガスの圧力が制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力より高いとき、第2バルブの作動により、第2圧力室の炭酸ガスは大気に排出される。このことにより、第2圧力室内の圧力が低下するので、ダイヤフラムが弁座体の弁開口を閉じる位置でバランスし、ガス入口部からの炭酸ガスの供給が停止される。
【0009】
本発明において、前記電子制御ユニットは、供給する炭酸ガスの圧力が前記制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力より高いとき、さらに炭酸ガスを通すべく第1バルブ(22)を作動させることが好ましい。このことにより、ガス供給部の炭酸ガスの一部が第2圧力室を通って大気に排出されるため、供給する炭酸ガスの圧力を迅速に制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力とすることができる。
【0010】
本発明において、前記第2弾性体(19)は、前記第1圧力室(16)の炭酸ガスが所定圧力より下がらないように調整することが好ましい。このことにより、発砲飲料が低温のときにも、発泡飲料を良好に注ぎだすのに必要な最低圧力を容器内の発泡飲料に付与することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の炭酸ガス圧力調整器によれば、所定の弾性定数と弾性力の第1及び第2弾性体が反対面からダイヤフラムを付勢し、さらにダイヤフラムを境界面として第1及び第2圧力室が備えられ、ガス供給部のガスを第1及び第2バルブの作動により第2圧力室に導き、さらに大気へ排出する構造であり、電子制御ユニットが制御マップに基づいて温度に対する最適炭酸ガス供給圧力になるように第1及び第2バルブを制御するので、発泡飲料の温度に応じた適切な炭酸ガスを発泡飲料容器に供給することができ、応答性がよく、正確で信頼性が高い、炭酸ガス圧力調整器を提供することができる。
【0012】
本発明の炭酸ガス圧力調整器によれば、発砲飲料が低温のときにも、炭酸ガス供給圧力が一定圧力より下がれば、第2弾性体の弾性力によってダイヤフラムが弁開口を広げるように弁体に作動し、弁開口が開き炭酸ガスが供給されるので、たとえ制御系統が不調な場合であっても発泡飲料を貯留する容器内から発泡飲料を良好に注ぎだすのに必要な最低圧力を保持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照ながら本発明の一実施形態に係る炭酸ガス圧力調整器ついて詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係る炭酸ガス圧力調整器1を備える発泡飲料供給装置100の全体構成を示す。炭酸ガスボンベ39中の高圧炭酸ガスは、炭酸ガス圧力調整器1によって減圧され炭酸ガス供給通路33を通ってビール樽26に供給される。ビール樽26内のビールは、炭酸ガスの圧力によってビール樽26内の下部に設けられている取り出し口(図示せず)からビール通路32を通って供給される。炭酸ガス圧力調整器用の電気は電源(ACアダプタ)40から導かれる。
【0015】
図2は、本発明に係る炭酸ガス圧力調整器1の断面図を、図3は図2の中央部分の拡大断面図を示す。本実施例において、第1弾性体及び第2弾性体としてスプリングを使用し、以下の実施例においても同様にスプリングを使用する。
炭酸ガスは、ガス入口部3から入り、弁座体9の弁開口11を通って減圧された後、第1圧力室16へ入り、ガス供給部6から出てビール樽26に供給される。弁体13は、第1スプリング7により弁座体9の弁開口11が閉じる方向に付勢されており、弁体の先端14はプレート15と当接している。
【0016】
プレート15と当接しているダイヤフラム17は、該プレート15の当接面とは反対の面に当接している第2スプリング受け18を介して第2スプリング19により図面右方向、すなわち弁座体9の弁開口11を広げる方向に、第1スプリング7よりも大きな弾性力で付勢されているので、運転開始前、弁座体9の弁開口11は開いた状態にある。
第2スプリング19は第2圧力室21に収容されており、第1圧力室16の炭酸ガスは第1ソレノイドバルブ22が開かれることによってガス出口部20を介して第2圧力室21に供給される。第2圧力室21の炭酸ガスは第2ソレノイドバルブ25が開かれることによってガス排出口23から排出される。
【0017】
運転開始時、炭酸ガスボンベ39の元バルブ41を開けると、弁開口11は開いているので炭酸ガスは、炭酸ガス圧力調整器1を通ってビール樽26に流れ、ビール樽26が加圧される。この供給圧力、つまり第1圧力室16内の炭酸ガスの圧力が第2スプリング19によって付勢される弾性力に逆らって、ダイヤフラム17を図面左方向、すなわち弁座体9の弁開口11を閉じる方向に作用し、一定圧力以上になると弁開口11が閉じて、炭酸ガスボンベ39からの炭酸ガスの供給が停止し、供給する炭酸ガスの圧力は一定に保持される。
【0018】
ビール樽26からビールが供給されビール樽26の供給する炭酸ガスの圧力が下がると、第1圧力室16内の炭酸ガスの圧力が下がり、第2弾性体19の弾性力によって付勢される図面右方向の力が勝るので、弁座体9の弁開口11は開き、炭酸ガスボンベから炭酸ガスがビール樽26に供給される。
【0019】
本実施例に係る炭酸ガス圧力調整器1では、ダイヤフラム17に対して第2スプリング19の付勢力が弁座体9の弁開口11を開く方向に作用し、第1圧力室15の炭酸ガス圧力と第1スプリング7の付勢力が弁座体9の弁開口11を閉じる方向に作用する。このため、炭酸ガスの供給圧力が低下し第1圧力室15の炭酸ガスが所定圧力より下がると第2スプリング19の付勢力が第1圧力室15の炭酸ガス圧力と第1スプリング7の付勢力を上回る。そして、ダイヤフラム17が、該ダイヤフラム17に当接しているプレート15を介して弁体13を図面右方向に移動させることによって、弁座体9の弁開口11が開く。このことにより、炭酸ガスボンベ39から炭酸ガスが供給されるので、再び第1圧力室15の炭酸ガス圧力は上昇し、供給炭酸ガスの圧力は所定圧力以上に維持される。
【0020】
前記所定圧力は、第1スプリングと第2スプリング19の付勢力の選定により適宜決めることができるが、通常は、第1スプリングは一定のものを使用し、第2スプリング19の付勢力を設定最低圧力となるように選定する。本実施例では、最低圧力Po(図4で説明する。)となるように第2スプリング19の付勢力を選定している。
【0021】
本発明に係る炭酸ガス圧力調整器1では、ビールが低温の場合であっても、ダイヤフラム17に作用する第2スプリング19の弾性力を調整することによって、最低の供給する炭酸ガスの圧力を設定できるので、ビールが低温時にもビール樽内から発泡飲料を良好に注ぎだすのに必要な最小必要圧力Poを維持することができ、応答性はよく、正確である。
【0022】
図1に示すように、ビール樽26から出た直後のビール温度は温度センサ27により検出され、信号として温度センサコード35を通って炭酸ガス圧力調整器1の電子制御ユニット(図示せず)に送られる。ビール樽26の温度は、ビール樽26の下部に設けられた温度センサ28により検出され、信号として温度センサコード35を通って電子制御ユニット(図示せず)に送られる。温度センサとしては、サーミスタ素子を使用することができる。ビール樽26の内部の圧力を検出するために、ビール樽26の上部に圧力センサ29が設けられており、この圧力が信号として電子制御ユニット(図示せず)に送られる。
【0023】
図4は、本発明による炭酸ガス圧力調整器1によって調整する炭酸ガスの温度と供給圧力の関係を示す。この制御マップは、それぞれの温度に対する最適な炭酸ガス供給圧力として炭酸ガス圧力調整器1が制御する温度と圧力の関係を示すものであり、予め、その関係が電子制御ユニットに入力される。ここでは、所定の温度範囲内においては、温度の増加に対して炭酸ガス供給圧力も増加する単調増加の関係にあり、その範囲外では、温度の変化に対して炭酸ガス供給圧力は一定値とする。これにより、ガス供給圧力が低すぎてビールの注出に支障が出たり、逆に供給圧力が高すぎてビールの吐出圧力が高くなりすぎたりすることを回避することができる。温度としては、気温、発泡飲料の温度、及び/又は、発泡飲料容器の温度の単独又はこれらの組合せを用いることができ、組合せとしては所定の範囲におけるこれらの温度を変数とする一次関数としてガス供給圧力を規定することができる。
【0024】
ビール温度が温度センサ27から電子制御ユニット(図示せず)に入力されると、制御マップに入力されているその温度(T℃)に対する最適な炭酸ガス供給圧力(以下、「Pt」とする。)と圧力センサ29から送られてきたビール樽26の供給圧力(以下、「Pa」とする。)との比較が行われる。
その結果、PaがPtより低いときには、電子制御ユニットは第1ソレノイドバルブ22に制御信号を出力し、この信号を入力した第1ソレノイドバルブ22は、炭酸ガスを通すように作動する。この作動により、第1圧力室16のガス出口部20から一部炭酸ガスが第1ソレノイドバルブ22を通って第2圧力室21に入るので、第1圧力室16と第2圧力室21の圧力が等しくなる。つまり、上記の運転開始時の状態となるので、ガス入口部3からガス供給部6に炭酸ガスが流れ、ビール樽26内の炭酸ガス圧力が上昇する。
【0025】
さらに、Paが上昇してPtに達すると、電子制御ユニットは第1ソレノイドバルブ22にバルブを閉じさせる制御信号を出力する。このことにより、第1ソレノイドバルブ22は閉じ、第2圧力室への炭酸ガスの供給が停止するので、ダイヤフラム17が弁座体9の弁開口11を閉じる位置でバランスし、ビール樽26への炭酸ガスの供給は停止し、ビール樽26内の炭酸ガス供給圧力の上昇は停止する。
【0026】
PaがPtより高いときには、電子制御ユニットは第2ソレノイドバルブ25に制御信号を出力し、この信号を入力した第2ソレノイドバルブ25は、炭酸ガスを通すように作動する。この作動により、第2圧力室21内の炭酸ガスが第2ソレノイドバルブ25を通ってガス排出口23から大気に排出されるので、第2圧力室21内の圧力が低下し、ダイヤフラムが図面左方向へ移動することにより、プレート15を介して弁体13は図面左方向へ移動し、弁開口11は閉じ、炭酸ガスの供給が停止する。
【0027】
次いで、電子制御ユニットから出力される制御信号により第1ソレノイドバルブ22が作動すると、第1ソレノイドバルブ22を炭酸ガスが流れることができるようになるので、第1圧力室16のガス出口部20から供給炭酸ガスが第2圧力室21を通過して、ガス排出口23から大気に排出されるので、ビール樽26内の炭酸ガス供給圧力はより迅速に減圧する。
【0028】
さらに、Paが低下してPtになると、電子制御ユニットが、第1ソレノイドバルブ22と第2ソレノイドバルブ25を閉じさせる制御信号を出力する。このことにより、ガス出口部20から炭酸ガスが大気へ排出されなくなりので、炭酸ガス供給圧力の低下は停止する。
【0029】
本実施例では、図4に示す制御マップにより、温度Tm以上では炭酸ガス供給圧力が一定(Pm)となるように規定しているので、発泡飲料の温度が温度Tm以上になった場合でも、供給圧力が異常に高くなり、発泡飲料の供給が増えすぎることを防止できる。
【0030】
本実施例において、第1ソレノイドバルブ22及び第2ソレノイドバルブ25の作動は、バルブの開閉を断続的に繰り返す操作であり、その間隔は、炭酸ガスの急激な流れを抑制し、正確な圧力制御ができるように電子制御ユニットにて調整される。
【実施例2】
【0031】
図5は、実施例2の炭酸ガス圧力調整器10の断面図を示す。なお、図5において、図2及び図3で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、炭酸ガス圧力調整器10では、ガスの流れを絞るためにガス入口部3とガス出口部20にそれぞれオリフィス4,6を形成し、第1圧力室16の圧力を検出するために圧力センサ30が設けている他は、実施例1と同じである。
【0032】
実施例2の炭酸ガス圧力調整器10では、オリフィス4,5を形成しているので、炭酸ガスボンベ39から第1圧力室16へ、第1圧力室16からビール樽26への急激な炭酸ガスの流れを防止でき、よりスムーズで正確な炭酸ガス供給圧力の調整ができる。
【0033】
また、本実施例において、ビール樽26の上部に設置した圧力センサ29に代えて、炭酸ガス圧力調整器10に形成された圧力センサ30にて検出される炭酸ガス供給圧力を信号として電子制御ユニットに送り、炭酸ガス供給圧力を調整する。電子制御ユニットは炭酸ガス圧力調整器10(図面裏面)に取り付けられているので、圧力センサコードを最短にすることができる。本実施例において、ビール樽26内の炭酸ガス供給圧力の制御は、実施例1にもまして、迅速かつ正確に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明したように、本発明によると温度に応じた炭酸ガス供給圧力の調整を応答速度が速く、きめ細かくできるので、ビアホールや居酒屋などの発泡飲料樽用の炭酸ガス圧力調整器として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例1に係る炭酸ガス圧力調整器を備える発泡飲料供給装置の全体構成を示す概観図である。
【図2】実施例1に係る炭酸ガス圧力調整器の構成を示す一部欠載断面図である。
【図3】図2の中央部分の構成を示す拡大断面図である。
【図4】本発明に係る炭酸ガス圧力調整器によって調整するガスの供給圧力と温度の関係を示す特性図である。
【図5】実施例2に係る炭酸ガス圧力調整器の構成を示す一部欠載断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1,10 炭酸ガス圧力調整器
3 ガス入口部
4,5 オリフィス
6 ガス供給部
7 第1スプリング
9 弁座体
11 弁開口
13 弁体
14 弁体の先端
15 プレート
16 第1圧力室
17 ダイヤフラム
18 第2スプリング受け
19 第2スプリング
20 ガス出口部
21 第2圧力室
22 第1ソレノイドバルブ
23 ガス排出口
25 第2ソレノイドバルブ
26 ビール樽
27,28 温度センサ
29,30 圧力センサ
39 炭酸ガスボンベ
100 発泡飲料供給装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
気温、発泡飲料の温度、及び/又は、発泡飲料容器の温度を測定して温度信号を出力する温度センサ(27,28)と、
供給する炭酸ガスの圧力を測定して圧力信号を出力する圧力センサ(29,30)と、
ガス入口部(3)とガス供給部(6)の間に第1弾性体(7)により弁座体(9)の弁開口(11)が閉じる方向に付勢される弁体(13)と、該弁体の先端(14)が当接するプレート(15)と、該プレート(15)を収容する第1圧力室(16)と、
該プレート(15)に当接するダイヤフラム(17)を前記弁開口(11)を広げる方向に付勢する第2弾性体(19)と、該第2弾性体(19)を収容する第2圧力室(21)と、
前記第1圧力室(16)のガス出口部(20)から前記第2圧力室(21)に通じるガス通路に第1バルブ(22)と、
前記第2圧力室(21)からガス排出口(23)に通じるガス通路に第2バルブ(25)と、
温度に対する炭酸ガス供給圧力の関係を規定する制御マップを有し、前記温度信号及び圧力信号を入力して、供給する炭酸ガスの圧力が該温度信号に対する制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力になるように前記第1バルブ(22)及び前記第2バルブ(25)を制御する電子制御ユニットと
を備える炭酸ガス圧力調整器。
【請求項2】
前記第1バルブ(22)と前記第2バルブ(25)はソレノイドバルブであり、前記電子制御ユニットは、供給する炭酸ガスの圧力が前記制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力より低いとき炭酸ガスを通すべく第1バルブ(22)を作動させ、高いとき炭酸ガスを通すべく第2バルブ(25)を作動させる請求項1記載の炭酸ガス圧力調整器。
【請求項3】
前記電子制御ユニットは、供給する炭酸ガスの圧力が前記制御マップに規定する炭酸ガス供給圧力より高いとき、さらに炭酸ガスを通すべく第1バルブ(22)を作動させる請求項2記載の炭酸ガス圧力調整器。
【請求項4】
前記第2弾性体(19)は、前記第1圧力室(16)の炭酸ガスが所定圧力より下がらないように調整する請求項1乃至3いずれかに記載の炭酸ガス圧力調整器。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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