説明

点滴筒およびそれを備えた点滴装置

【課題】滴下される点滴粒の変動を目視することを容易にする。
【解決手段】液体が、上流側輸液チューブ40aから流入側接続管13および開口を通って点滴管14内に流れ、滴となって点滴管14の先端から所定時間ごとに一滴ずつ筒体11内に滴下され、筒体11の下部側に溜まった液体の中から滴下された一滴の量と等しい量の液体が、流出口を通って下流側輸液チューブ40bに流れ、穿刺針を経て微量ずつ患者へ投与される。点滴管14の先端に溜まる点滴粒18が拡大されて拡大鏡17aに映された点滴管14aおよび点滴粒18aのように、拡大鏡17に映される。点滴管14の先端に溜まる点滴粒18が徐々に大きくなっていく状態や、点滴管14の先端から点滴粒18が滴下していく状態も拡大鏡17によって拡大して観察することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の輸液ライン等に使用される点滴筒およびそれを備えた点滴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
点滴筒は、例えば、薬液等を患者へ投与するための輸液ライン(輸液路)に設けられ、点滴筒内に設けられた点滴管からの点滴の滴下数を計れば一滴の点滴粒の容量から単位時間(例えば1分間)当たりの投与量(輸液量)を測定することができる。特許文献1の公知のものによれば、点滴管から滴下される点滴粒に対してレーザビームで高速走査を繰り返し行うことによって、レーザビームが点滴粒によって遮られる時間を各走査毎に計測している。そして、この時間に基づいて点滴粒1滴の体積を正確に算出することによって精度の高い測定結果を得ることができ、この測定結果を輸液ポンプの流量制御に用いることにより、患者等に対し所望の流量の輸液を投与することを可能としている。
【特許文献1】特開平2−51022号公報
【発明の開示】
【0003】
ところで、目視でもって輸液路における輸液の流れを確認したい、また、目視でもって点滴数を計って輸液量を測定したい場合もある。これらの場合には、滴下される点滴粒の変動(点滴粒の滴下そのものおよび点滴粒の滴下までの形状変化)を目視することになる。しかしながら、輸液路を流れる輸液が微量の場合は、滴下数も少なく、また点滴管としても細いものが用いられる。従って、点滴粒も小さくなる。このような、滴下数が少なく、小さな点滴粒を目視しようとすれば、時間も掛かり、また見逃すことも予想される。このため、滴下される点滴粒の変動を目視することは難しい。
【0004】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、滴下される点滴粒の変動を目視することが容易となる点滴筒およびそれを備えた点滴装置を提供することである。
【0005】
前述した目的を達成するため、本発明に係る点滴筒の構成上の特徴は、一端に流入口を有するとともに他端に流出口を有する筒体からなり、流入口から液体が筒体内に滴下される点滴筒において、筒体の外周に設けられて流入口を拡大して映す拡大鏡を備えたことにある。
【0006】
このように構成した本発明に係る点滴筒によると、液体が流入口から筒体内に滴下されるときに、流入口から滴下される点滴粒が、拡大鏡によって拡大されて映される。このため、滴下される点滴粒だけでなく、その点滴粒が変化していく状態も目視することが容易となる。この滴下される点滴粒を目視することにより、単位時間(例えば1分間)当たりの点滴数を計って一滴の点滴粒の容量から単位時間(例えば1分間)当たりの液体の流量を測定することができる。また、液体の流れを確認(液体が流れているか否かの確認)することができる。
【0007】
本発明に係る点滴筒の他の構成上の特徴は、流入口が、筒体内に突入して設けられた点滴管の先端部に形成されたことにある。供給される液体が微量の場合に、点滴管を用いしかも細い点滴管を用いるときは、点滴粒が小さくなるが、拡大鏡を設けるため、滴下粒を拡大して見ることができ、これによって点滴粒の確認を確実に行える。
【0008】
本発明に係る点滴筒の更に他の構成上の特徴は、流入口から滴下される液体の流量が、0.1ml/h〜20ml/hであることにある。例えば、昇圧剤、高圧剤または麻酔薬等のように微量の薬液を長時間かけて患者の体に供給する場合には、拡大鏡を用いることが特に有効になる。
【0009】
本発明に係る点滴装置の構成上の特徴は、前述した点滴筒を備えた点滴装置であって、流路を介して流入口に接続され内部に液体を収容する液体収容部と、液体収容部内の液体を流路を介して点滴筒に供給する駆動手段とからなるポンプを備えたことにある。これによると、液体がポンプの作動により供給され、高い精度で単位時間当たりの供給量を設定することができる。従って、点滴の滴下を目視してポンプが適正に作動していることを確認するだけですむ。
【0010】
点滴装置としては、上記の点滴装置の構成において、ポンプを、シリンダと、ピストンと、駆動部とを備えたシリンジポンプで構成し、駆動部が、ピストンを移動させることによりシリンダ内に収容された液体を流路を介して点滴筒に供給するものが可能である。この場合、シリンダで液体収容部が構成され、ピストンと駆動部とで駆動手段が構成される。例えば、昇圧剤、高圧剤または麻酔薬等を長時間に亘って微量で投与する場合は、投与量について高い精度が求められる理由から、重力落下式とは異なるシリンジポンプを利用することが多い。シリンジポンプでは、駆動部の作動によりピストンが移動してシリンダ内の液体が供給され、ピストンの移動距離の変化が液体の流量に相当する。このため、流路における液体の流れを確認するには、ピストンの移動距離を知ればよい。しかし、長時間に亘って液体を微量ずつ投与する場合は、ピストンの移動距離の変化が少ないため、ピストンの移動距離を目視で知ることは難しい。このような液体の流路にあって、流入口から滴下される点滴粒が拡大されて拡大鏡に映されるのは効果的である。
【0011】
また、点滴装置としては、上記の点滴装置の構成において、ポンプを、弾性袋体からなるインフューザーポンプで構成し、弾性袋体の弾性復帰力を駆動手段として弾性袋体内に収容された液体を流路を介して点滴筒に供給するものが可能である。インフューザーポンプでは、液体入りの弾性袋体の重量の変化が液体の流量に相当する。このため、流路における液体の流れを確認するには、液体入りの弾性袋体の重量の変化を知ればよい。しかし、長時間に亘って液体を微量ずつ投与する場合は、液体入りの弾性袋体の重量の変化が少ないため、液体入りの弾性袋体の重量の変化を目視で知ることは難しい。このような液体の流路にあっても、流入口から滴下される点滴粒が拡大されて拡大鏡に映されるのは効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る点滴筒の一の実施形態を、図1から図6に基づいて説明する。図1は、点滴筒10を備えた点滴装置22を示している。この点滴装置22は、薬液等の液体を患者に投与するための医療用の輸液ラインに設けられており、点滴筒10と、点滴筒10に液体を供給するシリンジポンプ20と、シリンジポンプ20と点滴筒10とを接続する上流側輸液チューブ40aと、点滴筒10の下流端から患者側に延びる下流側輸液チューブ40bとを備えている。シリンジポンプ20は、シリンダ21bとピストン21aとからなるシリンジ21を駆動部としてのポンプ本体20aに装着して構成されている。
【0013】
そして、ポンプ本体20aを駆動させて、ピストン21aを、図1に2点鎖線で示したように移動させることによりシリンダ21b内に収容された液体を、上流側輸液チューブ40aを介して点滴筒10に供給するように構成されている。また、図2ないし図4に示したように、点滴筒10は、透明の筒体本体11aと蓋11bとで構成される円筒容器状の筒体11を備えている。筒体本体11aは上端が解放され、下端部がすり鉢状に狭まった円筒状に形成されており、上端開口部の外周にはフランジ部11cが設けられている。
【0014】
また、蓋11bは下端が解放された浅い筒状体で構成されており、その下端外周に、フランジ部11dが設けられている。このフランジ部11dを、フランジ部11cに接合させることにより、筒体本体11aの上端開口が蓋11bで閉じられた状態で、筒体本体11aと蓋11bとが組み付けられている。蓋11bの中央には、開口11eが形成されており、この開口11eの周縁部上端に、開口11eと連通する円筒状の流入側接続管13が接続されている。この流入側接続管13は、蓋11bから上方に向かって突出しており、その外周側には流入側接続管13と間隙を保って同軸状に円筒状の流入側環状部13aが設けられている。
【0015】
流入側環状部13aは、流入側接続管13よりも短くなっている。そして、上流側輸液チューブ40aの下端側が内部に流入側接続管13を押し込むようにして蓋11bの上面まで延びており、蓋11bの近傍で先端部を流入側環状部13aの内部に押し込んでいる。上流側輸液チューブ40aは、上流端がシリンジ21の送液口21c(図1)に接続され下流端が流入側接続管13と流入側環状部13aとによって挟持されている。また、開口11eの周縁部下端には、開口11eと連通する細管状の点滴管14が接続されている。この点滴管14は、筒体11の内部下部側に向かって突入している。
【0016】
点滴管14の突入長さは、筒体本体11aの軸方向長さ(上下方向長さ)の1/3程度に設定されている。また、点滴管14は、細径に形成されており、その内径は、0.5mmに設定されている。このため、極僅かな量の液しか通せなくなっている。前述したように、筒体本体11aは透明になっているため、点滴管14を含めて筒体本体11a内が目視できる(図3)。筒体本体11aの下端には流出口15が形成されており、この流出口15の周縁部下端に、流出口15と連通する円筒状の流出側接続管16が接続されている。この流出接続管16は、筒体本体11aの下端から下方に向かって突出しており、その外周側には流出側接続管16と間隔を保って同軸状に円筒状の流出側環状部16aが設けられている。
【0017】
流出側環状部16aは、流出側接続管16よりも短くなっている。そして、下流側輸液チューブ40bの上流端が内部に流出側接続管16を押し込むようにして筒体本体11aの下端まで延びており、筒体本体11aの近傍で先端部を流出側環状部16aの内部に押し込んでいる。このように、下流側輸液チューブ40bは、上流端が流出側接続管16と流出側環状部16aとによって挟持され、下流側が患者に向って延びている。そして、下流側輸液チューブ40bの下流端には、患者の体に穿刺する穿刺針が接続される。このように、シリンジポンプ20と点滴筒10とが上流側輸液チューブ40aを介して連通し、点滴筒10と穿刺針とが下流側輸液チューブ40bを介して連通している。
【0018】
したがって、シリンジポンプ20により供給される輸液が上流側輸液チューブ40aを経て開口11eを通って点滴管14の先端から筒体11内に滴下される。点滴管14の先端部に、液体の筒体11内への流入口12(滴下口)が形成されることになる。この場合、筒体11内の下部側には、一定量の液体が貯留され、筒体11内の上部側は空間になるように調節されており、点滴管14の先端から筒体11内に滴下される液体と同量の液体が流出口15を通過する。流出口15を通過した液体は、下流側輸液チューブ40bを経て穿刺針から患者の体に供給される。シリンジポンプ20によれば、ピストン21aの移動距離の変化が輸液量に相当し、ピストン21aの移動速度を変えることにより単位時間当たりの輸液量を可変できる。
【0019】
また、筒体本体11aの外周面上部には、拡大鏡17が接着によって取り付けられている。なお、図2では、拡大鏡17の縦断面を網掛けで示す。拡大鏡17は円形(図4)の凸レンズで形成され、点滴管14の先端部が拡大鏡17の中央部に映されるように、筒体本体11aの軸方向(上下方向)中央部から筒体本体11aのフランジ部11cに亘って設けられている。拡大鏡17の上端部は、三日月状に、筒体本体11aのフランジ部11cに食い込んでいる。この拡大鏡は、点滴管14の先端部およびその先端部に溜まる液滴を、略5倍(3〜5倍が好ましい)に拡大して映し出す。
【0020】
したがって、図5に示したように、液滴が溜まってない状態の点滴管14の先端部や、図6に示したように、点滴管14の先端部に液滴が溜まっていく状態を正確に観察することができる。なお、流入側接続管13、点滴管14および流入側環状部13aは蓋11bと一体に形成し、流出側接続管16および流出側環状部16aは筒体本体11aと一体に形成することができる。拡大鏡17を含めて点滴筒10の素材としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の合成樹脂を用いることが可能である。また、拡大鏡は接着でなくて、筒体本体のいずれかの個所において筒体本体との一体成形によって設けることも可能である。
【0021】
次に、本実施形態の作用を説明する。まず、シリンジポンプ20のシリンダ21b内に液体を収容するとともに、下流側輸液チューブ40bの下流端に所定の穿刺針を接続する。つぎに、シリンジポンプ20を作動させて、穿刺針の先端から液体を滴下させ、輸液ラインにおける筒体11内の上部側以外に空気がないことを確認する。そして、一旦、シリンジポンプ20の作動を停止させたのちに、穿刺針を患者の体の所定部分に穿刺して、再度、シリンジポンプ20を作動させる。これによって、ピストン21aが移動し、シリンダ21b内の液体が上流側チューブ40aに送り出される。
【0022】
液体は、上流側輸液チューブ40aから流入側接続管13および開口11eを通って点滴管14内に流れる。そして、液体は、滴となって点滴管14の先端から所定時間ごとに一滴ずつ筒体11内に滴下される。それと同時に、筒体11の下部側に溜まった液体の中から滴下された一滴の量と等しい量の液体が、流出口15を通って下流側輸液チューブ40bに流れていく。下流側輸液チューブ40bに流れた液体は、穿刺針を経て微量ずつ患者へ投与される。その際に、まず、図5(点滴管14の先端に点滴粒のない状態)に示したように、点滴管14の先端部が拡大されて(図5において拡大されて図示された拡大鏡17aに映された点滴管14aを参照)拡大鏡17に映される。
【0023】
つぎに、図6(点滴管14の先端に点滴粒のある状態)に示したように、点滴管14の先端に溜まる点滴粒18が拡大されて(図6において拡大されて図示された拡大鏡17aに映された点滴管14aおよび点滴粒18aを参照)、拡大鏡17に映される。また、点滴管14の先端に溜まる点滴粒18が徐々に大きくなっていく状態や、点滴管14の先端から点滴粒18が滴下していく状態も拡大鏡17によって拡大して観察することができる。このように、点滴管14の先端および点滴粒18が拡大鏡17によって拡大される分、滴下される点滴粒18の変動を目視することが容易となる。
【0024】
点滴粒18が滴下されるまでの点滴管14の先端で生ずる点滴粒18の形状変化および滴下する点滴粒18そのものを、見逃すことなく、目視することができる。滴下される点滴粒18の変動を拡大鏡17を通して目視することにより、単位時間(例えば1分間)当たりの点滴数を計って一滴の点滴粒の容量から単位時間(例えば1分間)当たりの輸液量を測定することができる。また、輸液路40における輸液の流れを確認(液体が流れているか否かの確認)することができる。点滴数が少ない程、また、点滴管14が細い程、本実施形態に係る点滴筒10および点滴装置22はより大きな効果を奏する。
【0025】
なお、本実施形態では、点滴数を計って測定された単位時間当たりの輸液量に基づき、ピストン21aの移動速度を調整して単位時間当たりの輸液量(投与量)を管理することができる。これによると、輸液バッグを吊るして輸液を供給する従来の重力落下式(自然滴下式)の点滴装置よりも精度のよい輸液の供給が行える。重力落下式の点滴装置によれば、1分間に20滴を滴下する20滴用、また、60滴を滴下する60滴用があって、投与速度(輸液速度)が、いずれも、1ミリリットル毎分(1ml/m)であるが、例えば、昇圧剤、高圧剤または麻酔薬等を長時間に亘って微量で投与する場合は、重力落下式の点滴装置は不向きである。
【0026】
昇圧剤、高圧剤または麻酔薬等を投与する場合には、投与速度が1ミリリットル毎時(1ml/h)である等、投与速度が0.1ミリリットル毎時(0.1ml/h)〜20ミリリットル毎時(20ml/h)といった極めて遅いことがあり、このような場合に、ピストン21aの移動速度を調整して単位時間当たりの輸液量(投与量)を管理することができる点滴装置22を用いることにより精度のよい液体の供給が可能になる。また、長時間に亘って微量の液体を投与する場合は、ピストン21aの移動距離が短いため、ピストン21aの移動距離を目視で知ることが難しいが、点滴装置22では、点滴管14の先端部および滴下される点滴粒18を拡大して観察できるため、点滴数を計って輸液量を測定したり、輸液の流れを確認したりすることができる。
【0027】
図7には、本発明の他の実施形態に係る点滴装置32を示している。この点滴装置32では、ポンプとしてインフューザーポンプ31を用いており、インフューザーポンプ31以外の部分の構成は、前述した点滴装置22と同一である。このインフューザーポンプ31は、容器31aの内部に伸縮可能な弾性袋体30を収容して構成されている。そして、容器31aの上面中央に開口が設けられこの開口に、弾性袋体30の送液口30aが取り付けられている。また、送液口30aは、送液バルブ32bを介して上流側輸液チューブ40aの上流端に接続されており、送液バルブ32bの開度を変えることにより単位時間当たりの輸液量を可変できる。
【0028】
すなわち、弾性袋体30内に液体を入れて弾性袋体30を膨張させた状態で。送液バルブ32bを開けると、弾性袋体30の復元力によって、弾性袋体30内の液体は外部に吐出されるが、このときの吐出量を送液バルブ32bの開度によって調節することができる。また、このインフューザーポンプ31では、弾性液体30の重量の変化から輸液量を知ることができる。このため、弾性袋体30内に液体を入れて、送液バルブ32bを輸液量に応じて開けると、弾性袋体30が自己の弾性復帰力により、図7に、2点鎖線で示したように収縮して、弾性袋体30内に収容された輸液が上流側輸液チューブ40a内に流れる。
【0029】
そして、輸液は、点滴筒10および下流側輸液チューブ40bを通過して患者の体に供給される。この場合も、前述したシリンジポンプ20と同様、昇圧剤、高圧剤または麻酔薬等を長時間に亘って微量で投与する場合に用いることが好ましい。この点滴装置32によると、構造が単純で安価につく。この点滴装置32のそれ以外の作用効果については、前述したシリンジポンプ20の作用効果と同様である。
【0030】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の形態が可能である。例えば、上記の実施形態では、薬液等の輸液路について、また、シリンジポンプ20やインフューザーポンプ31により供給される輸液路について説明したが、それらに限定されるものではない。輸血の場合に本発明に係る点滴筒および点滴装置を用いることが可能である。また、ポンプとして、シリンジポンプ20およびインフューザーポンプ31以外のポンプ、例えば、輸液チューブをローラで挟み込んで押すようにして供給する輸液ポンプを用いることができる。また、ポンプを用いない重力落下式の点滴装置を用いることが可能であり、その他の種々の液体供給手段を用いることが可能である。
【0031】
また、上記の実施形態では、点滴管14が筒体11内に突入して設けられて点滴管14の先端から液体が筒体11内に滴下され、点滴筒14の先端部に流入口12が形成されているが、それに限定されない。例えば、図2を用いて説明すれば、筒体11内に突入する点滴管14がないと仮定し、液体が開口11eから直に筒体11内に滴下され、開口11eが流入口とされるようなものでもよい(この場合、蓋11bも含めて筒体11の全体を透明にして筒体11外から筒体11内の開口11eが見えるようにすることもできる)。いずれにしても流入口を拡大鏡によって拡大して映すことができればよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一の実施形態の点滴筒をシリンジポンプにより供給される輸液路に適用して示す正面図である。
【図2】本実施形態の点滴筒の縦断面図である。
【図3】本実施形態の点滴筒の側面図である。
【図4】本実施形態の点滴筒の正面図である。
【図5】本実施形態の点滴筒について一の状態を示す図である。
【図6】他の状態を示す図5に対応する図である。
【図7】インフューザーポンプにより供給される輸液路に適用して示す正面図である。
【符号の説明】
【0033】
10…点滴筒、11…筒体、11e…開口、14…点滴管、12…流入口、15…流出口、20…シリンジポンプ、30…弾性袋体、31…インフューザーポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に流入口を有するとともに他端に流出口を有する筒体からなり、前記流入口から液体が筒体内に滴下される点滴筒において、
前記筒体の外周に設けられて前記流入口を拡大して映す拡大鏡を備えたことを特徴とする点滴筒。
【請求項2】
前記流入口が、前記筒体内に突入して設けられた点滴管の先端部に形成された請求項1に記載の点滴筒。
【請求項3】
前記流入口から滴下される液体の流量が、0.1ml/h〜20ml/hである請求項1又は2に記載の点滴筒。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載の点滴筒を備えた点滴装置であって、流路を介して前記流入口に接続され内部に前記液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部内の液体を前記流路を介して前記点滴筒に供給する駆動手段とからなるポンプを備えた点滴装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−29411(P2010−29411A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194329(P2008−194329)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000228888)日本シャーウッド株式会社 (170)
【Fターム(参考)】