点火起動装置
【課題】エアバッグシステムに使用する点火起動装置の構成において、空隙や泡、亀裂などの無い平滑で面一な外表面を有する絶縁体を備えた点火起動装置を、コストの多くかかる研磨工程を行うことなく提供する。
【解決手段】第1の電極ピン40が挿入されているベース24の貫通孔24a内において、ブリッジワイヤ52が配置される一方の面24b側には、平滑な外表面を形成しやすい樹脂絶縁体33を配置し、他方の面24c側にはベース24と封着するガラス絶縁体32を配置する。
【解決手段】第1の電極ピン40が挿入されているベース24の貫通孔24a内において、ブリッジワイヤ52が配置される一方の面24b側には、平滑な外表面を形成しやすい樹脂絶縁体33を配置し、他方の面24c側にはベース24と封着するガラス絶縁体32を配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリッジワイヤに通電することにより膨張システムなどが備える点火対象を点火するために使用される点火起動装置(イニシエータ装置)に関する。具体的には、車両に設けられたエアバッグを膨張させる際に用いられる点火起動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両にエアバッグシステムを搭載することが一般的になっている。このエアバッグシステムの作動(即ち、バッグの膨張)において、ガスをエアバッグに満たす際のイニシエータとして、発熱体であるブリッジワイヤに通電することで発熱体を加熱し、発熱体に隣接して配置された点火対象への点火を行う、点火起動装置が用いられている。
【0003】
従来の点火起動装置の一例として、特許文献1に記載の点火起動装置は、図12に平面図、図13に断面図を示すように、中心部を通る貫通孔240aを有する円柱形状のベース240を備えている。なお、ベース240は、ステンレス鋼のような耐食性を有する材料から作られている。
【0004】
ベース240の貫通孔240a内にはガラス絶縁体320が密封されており、このガラス絶縁体320は、第1の電極ピン(中央電極ピン)400が挿入される中央孔320aを有している。また、このガラス絶縁体320は、ベース240の一方の面240bとほぼ同一面となっている外側表面(端部)を有している。また、このガラス絶縁体320は、引き延ばされたガラスチューブから作られており、ベース240の厚みとほぼ同じ厚みを有する。
【0005】
また、第2の電極ピン(サイド電極ピン)440がベース240の他方の面240c側に電気的に接続(溶接)されている。
この点火起動装置202を製作する過程を説明すると、まず、第2の電極ピン440がベース240の他方の面240c側に溶接される。次に、第2の電極ピン440が溶接されたベース240は、ガラス封着用治具を用いて、中央孔320aを有するガラス絶縁体320がベース240の貫通孔240aに挿入される。
【0006】
ガラス絶縁体320の挿入後、ガラス絶縁体320はベース240の一方の面と面一になるか、ベース240の貫通孔240aの外側へ少量だけ延び出た状態となっている。
ガラス絶縁体320が貫通孔240aへと挿入された後、第1の電極ピン400がガラス絶縁体320の中央孔320a内に挿入される。
【0007】
ガラス封着用治具を用いてベース240、第1の電極ピン400,ガラス絶縁体320を組み立てた後、これらを加熱工程にかける。
加熱工程において、所定の温度及び時間で加熱が行われ、ガラス絶縁体320が溶融温度まで加熱されると、ガラスが溶融し、図13に図示される形状にガラス絶縁体320が成形される。
【0008】
ここで、ベース240は、ガラス絶縁体320より高い熱膨張係数を有する金属からなっているため、ガラス溶融後の冷却時において、ベース240はガラス絶縁体320よりも相対的に大きく収縮する。このため、冷却されることで、ベース240に張り付いたガラス絶縁体320をベース240が圧縮して密閉シールが形成され、ベース240とガラス絶縁体320とが互いの間に隙間を生じることなく封着される。
【0009】
この封着の後、点火起動装置202は、ベース240の一方の面240b側に露出したガラス絶縁体320の外表面及び第1の電極ピン400の一端面が、ベース240の一方の面240bと連続した平滑で面一な表面となるように処理する研磨工程にかけられる。
【0010】
好ましくは、この研磨工程では、これらガラス絶縁体320の外表面及び第1の電極ピン400の一端面を所定の面一性の範囲にまで研磨する酸化アルミニウム砥石を用いる。この研磨工程の完了時には、ガラス絶縁体320の外表面及び第1の電極ピン400の一端面は、ベースの一方の面240bとほぼ面一な状態となる。
【0011】
点火起動装置202をエアバッグシステムに使用するにあたり、ベース240の一方の面240aと、第1の電極ピン400の一端面との間を架け渡すようにブリッジワイヤ520が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3355331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述した従来の点火起動装置202では、エアバッグシステムに使用するにあたり、ガラス絶縁体320は、ガラス絶縁体320の表面空隙等によってブリッジワイヤ520が破断しないように、ガラス絶縁体320の外表面には、ブリッジワイヤ520の直径よりも大きな径の空隙や泡、亀裂などが存在しないことが求められる。
【0014】
すなわち、ガラス絶縁体320の外表面に、亀裂や泡、空隙などがあったならば、ブリッジワイヤ520がそのような亀裂や泡、空隙のある場所を通るところで破損し、第1,第2の電極ピン400,440間の電気的な導通が失われてしまう。
【0015】
ブリッジワイヤ520の破損を避けるためには、ガラス絶縁体320の外表面には、ブリッジワイヤ520の直径以上の亀裂や泡、空隙があってはならない。例えば、ブリッジワイヤ520の直径が0.04mmである場合には、0.04mm以上の亀裂や泡、空隙があってはならない。
【0016】
そこで、ガラス絶縁体320の外表面から亀裂や泡、空隙を取り除き、ガラス絶縁体320の外表面とベース240の一方の面240aとを、ほぼ平滑で面一な面とするための研磨工程が不可欠となる。この研磨工程は、研削砥石として酸化アルミニウム等が用いられるが、こうした研削砥石は消耗材料であるため、研磨工程を導入することはコストアップとなる。
【0017】
また、研磨工程で発生する研削粉の残留を防止する為、強力な洗浄処理が必要となり、これもまたコストアップに繋がる。
また、ガラス絶縁体320の外表面がベースおよび電極ピンと接する部分では、研磨工程においてチッピングが発生しやすく、研磨工程後の外観検査が不可欠となる。すなわち、従来の点火起動装置202の製造においては、研磨工程を経ることでほぼ平滑で面一な面は得られるが、材料コスト、加工コストが大きく、また検査工程が必要となり、高いコストがかかっていた。
【0018】
本発明は、空隙や泡、亀裂などの無い平滑で面一な外表面を有する絶縁体を備えた点火起動装置を、コストの多くかかる研磨工程を行うことなく提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成させるために、本発明の点火起動装置は、ブリッジワイヤに通電することにより点火対象を点火することに使用される点火起動装置であって、金属材料で形成され、前記ブリッジワイヤが配置された一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースと、前記ベースの貫通孔内における一方の面側の領域に配置される樹脂絶縁体と、前記ベースの貫通孔内における他方の面側の領域に配置されるガラス絶縁体と、前記貫通孔内に配置され、前記樹脂絶縁体及び前記ガラス絶縁体に支持された第1の電極ピンと、前記ベースへ電気的に接続される第2の電極ピンと、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、樹脂絶縁体が、ベースの一方の面側においてブリッジワイヤが配置された領域の周辺に、ベースの一方の面側に露出した第1の電極ピンの一端面とベースの一方の面との間で連続的な平面を形成するような平面部を有していることを特徴とする。
【0021】
また、樹脂絶縁体が、ベースの一方の面側において、ブリッジワイヤが配置された領域の外側の少なくとも1箇所に、平面部との段差が0.03mm以上1.00mm以下である凸状形状部または凹状形状部を有していることを特徴とする。
【0022】
また、ベースが、耐食性を有する金属材料で形成されていることを特徴とする。
また、ガラス絶縁体が、ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスで形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、樹脂絶縁体が、熱硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする。
また、樹脂絶縁体が、セラミック成分を含有していることを特徴とする。
また、第1の電極ピンと第2の電極ピンとの並びの方向と、前記ベースの一方の面側に露出した前記第1の電極ピンと凸状形状部または凹状形状部とを結ぶ方向とが、同じ方向となるように、前記凸状形状部または前記凹状形状部が配置されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の点火起動装置の製造方法は、一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースを提供する工程と、前記ベースに第2の電極ピンを溶接する工程と、中央孔を有するガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔に挿入し、前記ガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔における他方の面側に配置する工程と、第1の電極ピンを前記ガラス絶縁体の中央孔に挿入し、第1の電極ピンの一端面が前記ベースの一方の面と平行な面となるように位置決めする工程と、前記ベースの貫通孔内に配置された前記ガラス絶縁体を加熱溶融することで、前記ベースと前記第1の電極ピンとを封着させるガラス成形工程と、前記ベースの一方の面側に樹脂絶縁体を充填し、前記ベースの一方の面と平行な平面部を有する樹脂絶縁体を形成する樹脂成形工程と、ブリッジワイヤを前記ベースの一方の面及び前記第1の電極ピンの一端面に溶接するブリッジワイヤ接続工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ベースの一方の面側に配置される絶縁体を樹脂絶縁体とすることにより、その外表面上に配置されるブリッジワイヤに悪影響を及ぼす可能性のある泡や亀裂のない、平滑で面一な面を、研磨工程無しで得ることができる。
【0026】
また研磨工程を無くすことにより、研削砥石等の消耗材料費削減及び、研磨加工で発生する研削粉を除去する為の、強力な洗浄処理が不要となる。また、研磨工程で発生するガラスチッピング等の不良についての外観検査も不要となる。すなわち、従来の点火起動装置に対して、低コスト、少工程で生産することができる。
【0027】
また樹脂絶縁体の外表面にゲート跡として生じる凸状形状部または凹状形状部を一定の大きさとすることで、画像認識によるゲート跡の検出が容易となる。
またゲート跡として生じる凸状形状部または凹状形状部の配置を電極ピンの位置と一定の関係のある位置とすることで、ゲート跡位置の検出がより容易となる。
【0028】
この結果として、エアバッグシステムに用いる高品質な点火起動装置を、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の点火起動装置においてゲート跡が凹形状の場合の斜視図
【図2】同点火起動装置の平面図
【図3】図2のC−C線断面図
【図4】本発明の点火起動装置においてゲート跡が凸形状の場合の平面図
【図5】図4のC−C線断面図
【図6】同点火起動装置の背面図
【図7】本発明の点火起動装置の組み立て手順におけるガラス成形工程を示す断面図
【図8】同組み立て手順におけるガラス成形工程を示す断面図
【図9】同組み立て手順における樹脂モールド工程を示す断面図
【図10】同組み立て手順における樹脂モールド工程を示す断面図
【図11】同組み立て手順における樹脂モールド工程を示す断面図
【図12】従来の点火起動装置の平面図
【図13】図12のC−C線断面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
(点火起動装置の構造)
エアバッグシステムに使用される本発明の点火起動装置を、図1〜図6を参照して説明する。図1は点火起動装置の斜視図、図2は平面図、図3は図2のC−C線断面図、図4は別形態の点火起動装置の平面図、図5は図4のC−C線断面図、図6は背面図である。
【0031】
まず、点火起動装置20は、貫通孔24aを有する円柱状ベース24を備えている。
ベース24は、酸化腐食をおこさないような、耐食性の金属材料から作られている。好ましくは、ステンレス鋼管の工業規格304Lに用いられるステンレス鋼によって作られる。
【0032】
ベース24の貫通孔24aは、ベース24の中心のほぼ全体を貫通して設けられている。一例としては、ベース24の直径は約7mmであり、その長さ(高さ,厚み)は約3.5mmである。
【0033】
貫通孔24a内には、ガラス絶縁体32及び樹脂絶縁体33が配置されている。
このガラス絶縁体32の長さ(厚み)はベース24の厚みよりも小さく、貫通孔24a内の空間の60%〜80%を占拠し、ベース24の他方の面24c側に配置される。
【0034】
ここで、ガラス絶縁体32は圧縮シールガラスであり、好ましくは珪酸ソーダガラスなどの、ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスである。一例としては、ガラス絶縁体32は、ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスを、中央孔28へ挿入できるサイズに粉黛プレス工法で加工して形成されている。
【0035】
また、ガラス絶縁体32はベース24の一方の面24bに露出しないので、その外表面の品質を気にする必要がないため、従来の点火起動装置に用いられる内部気泡の少ない高価なガラスチューブ材ではなく、一般的な気密端子用ガラスの成形方法である粉黛プレス工法で成形された安価な材料を用いることができる。
【0036】
一方、樹脂絶縁体33の長さ(厚み)は、ベース24の厚みよりも薄く、貫通孔24a内の空間の残る20%〜40%を占拠し、ベース24の一方の面24b側に配置される。
また、ガラス絶縁体32、及び樹脂絶縁体33は、第1の電極ピン40を保持する中央孔32a、33cを有している。
【0037】
図3、図5に示すように、樹脂絶縁体33の外表面は、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面との間で連続的な平面を形成するような領域(平面部)を有する。
【0038】
ここで、図1〜図3に示すように、樹脂絶縁体33の外表面のうち、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面と連続した同一平面となる領域の外側には、凸状形状部(ゲート跡)33aがあってもよい。
【0039】
また、図4,図5に示すように、樹脂絶縁体33の外表面のうち、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面と連続した同一平面となる領域の外側には、凸状形状部(ゲート跡)33aの代わりに、凹状形状部(ゲート跡)33bがあってもよい。
【0040】
また、樹脂絶縁体33は、熱硬化性樹脂で形成されており、その硬度を高めるために、セラミック成分が含有されていてもよい。
第1の電極ピン40はベース24の他方の面24c側に延びており、所定長さを有する。第1の電極ピン40には電圧を印加することができ、この電極ピン40を電流が流れるようになっている。
【0041】
第2の電極ピン44はベース24に対して電気的に接続されている。一例として、第2の電極ピン44は、図3,図5,図6に示されるように、第2の電極ピン44は、ベース24の他方の面24c対して溶接されており、第1の電極ピン40とほぼ等しい長さだけベース24の他方の面24cから延びている。第2の電極ピン44は、第1の電極ピン40及び第2の電極ピン44間の電気回路における接地ピンとして使用される。
【0042】
なお、電極ピン40および44は、ベース24と同様、耐食性を有する金属材料から作られている。
第1,第2の電極ピン40,44間で電気回路が形成されるように、ブリッジワイヤ52がベース24の一方の面24aと第1の電極ピン40とを電気的に接続している。このブリッジワイヤ52は、図3,図5に示されるように、樹脂絶縁体33の外表面に接触して延びている。ここで、ブリッジワイヤ52は、樹脂絶縁体33の外表面のうち、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面と連続した同一平面となる領域に配置された状態となっており、凸状形状部(ゲート跡)33aまたは凹状形状部(ゲート跡)33bは、ブリッジワイヤ52が配置された領域の外側にあることになる。
【0043】
ブリッジワイヤ52は導電性であり、ベース24を介して第1,第2の電極ピン40,44との間を電気的に導通させる。
(点火起動装置の組み立て手順)
このような点火起動装置20の組み立て手順を、図7〜図10を参照して説明する。
【0044】
図7,図8に、ガラス封止用治具100を用いてガラス絶縁体32を配置するときのガラス成形工程の様子を断面図として図示する。
ガラス封止用治具100は、図7に示すように、上板100a、中板100b、底板100cの3枚で構成されており、これらは点火起動装置20の各材料の位置を規制できる。
【0045】
点火起動装置20を組み立てる際、まず、一方の面24bと他方の面24cまで貫通する貫通孔24aを有するベース24が用意され、このベース24の他方の面24c側に第2の電極ピン44が溶接された後、ガラス封止用治具100の底板100c上にベース24が配置される。
【0046】
ガラス封止用治具100の底板100c上にベース24が配置された後、中央孔32aを有するガラス絶縁体32がベース24の貫通孔24aに挿入される。そして、第1の電極ピン40が、ガラス絶縁体32の中央孔32a内に挿入される。
【0047】
ここで、ガラス封止用治具100の底板100cにはベース24及び第1の電極ピン40を位置規制できる凹部102,104及び凸部106が設けられている。
この凹部102は平面視で円形状となる窪みとなっており、その内径がベース24の外径と同程度となっている。その凹部102の底面には、ベース24の貫通孔24aの内径と同程度の外径を有する円柱状の凸部106が設けられている。そして、凸部106の中央には、第1の電極ピン40の外径と同程度の内径を有する平面視円形状の窪みである凹部104が設けられている。
【0048】
そして、ベース24を規制する凹部102の底面と、第1の電極ピン40を規制する凹部104の底面とを同一高さにすることにより、ベース24の一方の面24bと第1の電極ピンの一端面とを同一高さとすることができる。
【0049】
また、ベース貫通孔24aに勘合できる凸部106の高さは、例えばベース24の厚みの約30%の高さとなっている。この凸部106により、ベース24の貫通孔24a内における一方の面24b側に空間を残した状態で、ガラス絶縁体32をベース24の貫通孔24a内における他方の面24c側に配置することができる。
【0050】
ガラス絶縁体32をベース24の貫通孔24a内に配置した後、ガラス封止用治具100の中板100bを底板100cの上方に配置する。
ここで、ガラス封止用治具100の中板100bには、第1の電極ピン40の位置を規制できる貫通孔108が設けられている。但し、第2の電極ピン44に対しては、第2の電極ピン44がベース24に溶接された状態で配置されるため、位置規制をしなくともよい。
【0051】
中板100bの厚みは、底板100c上に配置された第1の電極ピン40が底板100c上面より突出している長さよりも小さく設定されており、第1の電極ピン40の端部は中板100b上面より突出する。
【0052】
第1の電極ピン40が中板100bの貫通孔108を通るように中板100bを配置して、第1の電極ピン40の位置を規制した後、ガラス封止用治具100の上板100aを中板100bの上方に配置する。
【0053】
上板100aは、中板100b上面より突出した第1の電極ピン40の端部に接しており、上板100aの重量により第1の電極ピン40の浮きあがりを押さえ、位置精度を高めている。
【0054】
以上の構成により、ガラス封止用治具100で図7に図示されるように各材料を位置規制した状態で、ガラス絶縁体32の溶融温度まで加熱する。すると、ガラス絶縁体32が溶融し、その後冷却されることで、ガラス絶縁体32がベース24及び第1の電極ピン40に付着した状態で凝固し、図8に示すようにガラス絶縁体32が成形される。その加熱の時間と温度は、ガラスのみで絶縁体を形成する従来の点火起動装置において、ガラスを溶融するのに必要とされるのとほぼ同じ時間と温度である。
【0055】
ここで、ベース24は、ガラス絶縁体32より高い熱膨張係数を有する金属からなっているため、ガラス溶融後の冷却時において、ベース24に張り付いたガラス絶縁体32を圧縮し、密閉シールが形成され、ベース24とガラス絶縁体32とが封着される。
【0056】
加えて、底板100cによって位置規制されているため、ベース24の一方の面24aと第1の電極ピン40の一端面は同一高さに形成され、ガラス絶縁体32はベース24の貫通孔24a内における他方の面24c側に配置された状態となる。
【0057】
ガラス成形工程後、点火起動装置20は、ベース24の一方の面24aと第1の電極ピン40の一端面との間に連続して面一な外表面を作り上げるための、図9〜図11に断面図として図示する樹脂モールド工程にかけられる。
【0058】
この工程では、図9に示すように、点火起動装置20のベース24を樹脂モールド金型200の下金型200bでクランプし、ガラス成形工程においてベース24の貫通孔24a内における一方の面24b側に残された空間に、樹脂モールド工法で樹脂絶縁体33を充填し、ベース24の一方の面24a側に露出する樹脂絶縁体33の外表面を平滑面となるように形成する。
【0059】
この樹脂モールド工法においては、樹脂絶縁体33を高圧で充填することにより、ベース24の一方の面24a側に露出する樹脂絶縁体33の外表面にゲート金型200cの表面形状を転写成形することができるため、ベース24の一方の面24aと触れる面が平滑な面となっているゲート金型200cを使用することで、樹脂絶縁体33の外表面に容易に高精度な平面を形成することができる。さらに、図10で示すように、ベース24の一方の面24bを下側に向けて成形することで、樹脂絶縁体33内に気泡が発生しても、気泡はその浮力によって上方へと移動するため、平滑性が必要とされる樹脂絶縁体33外表面での気泡発生を抑制することが可能である。
【0060】
なお、図11に示すように、樹脂充填後、樹脂絶縁体33の外表面上に、樹脂充填口200dの跡であるゲート跡33aが発生する。このゲート跡33aを後に位置認識しやすくするため、上金型200aにより第1,第2の電極ピンの位置を規制し、下金型200b及びゲート金型200cをこの上金型200aと一定の位置関係を保って配置するなどして、ゲート跡33aの位置と第1,第2の電極ピン40,44との位置関係を一定としてもよい。
【0061】
例えば、図1〜図5に示すように、第1の電極ピンと第2の電極ピンとの並びの方向と、前記ベースの一方の面側に露出した前記第1の電極ピンと凸状形状部または凹状形状部とを結ぶ方向とが同じ方向となるように配置しておくと、ゲート跡33aが第1の電極ピン40の一端面から見てどの方向にあるかが予測しやすくなり、ゲート跡33aの位置認識が容易となる。
【0062】
また、樹脂充填口200dの跡であるゲート跡は、図1〜図3,図11に示すような凸形状のゲート跡33a,もしくは、図4,図5に示すような凹形状のゲート跡33bとして形成されるが、後の工程で取り付けられるブリッジワイヤ52を、ゲート跡33a,33bの位置を認識して、ゲート跡33a,33bを避けて取り付けることで、ブリッジワイヤ52にゲート跡33a,33bが影響を及ぼすことを防ぐことができる。ここで、ゲート跡33a,33bの位置を、画像認識等で検出してもよい。この場合、ゲート跡33a,33bと樹脂絶縁体33の平面部との段差0.03mm以上1.00mm以下にすることで画像認識が容易となる。
【0063】
なお、樹脂絶縁体33は、ガラス絶縁体32と比べ靭性が高いので、この樹脂絶縁体33をベース24の貫通孔24a内の一方の面24b側に配置することで、外表面上のベース24と第1の電極ピン40との境界で発生するチッピングを防ぐことができる。さらに、硬質で充填性の高い熱硬化性樹脂を用いることより、平滑で耐久性の高い絶縁体表面を形成することができる。
【0064】
以上の工法を用いることにより、ブリッジワイヤ52に悪影響を及ぼす可能性のある泡や亀裂を生じることなく、安定して平滑で面一な面を研磨工程無しで得ることができる。
以上のことから、本発明の点火起動装置は、車両用エアバッグシステムに極めて適したものであり、絶縁体をガラスのみで形成された従来の点火起動装置と異なり、絶縁体表面を樹脂で形成することにより、そこを横切って配置されるブリッジワイヤに悪影響を及ぼす可能性のある泡や亀裂を生じることなく、平滑かつベースと連続した平面となった絶縁体の外表面を、研磨工程無しで得ることができる。
【0065】
また研磨工程を無くすことにより、研削砥石等の消耗材料費、研磨加工で発生する研削粉を除去する為の強力な洗浄処理費、さらに研磨工程で発生するガラスチッピング等の不良についての外観検査費を削減することができ、より低価格な点火起動装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、膨張装置システムに使用する点火起動装置(イニシエータ装置)に関する。特に、車両に設けられたエアバッグを膨張させる際に用いられる点火起動装置に有用である。
【符号の説明】
【0067】
20 点火起動装置
24 ベース
32 ガラス絶縁体
33 樹脂絶縁体
40 第1の電極ピン
44 第2の電極ピン
52 ブリッジワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリッジワイヤに通電することにより膨張システムなどが備える点火対象を点火するために使用される点火起動装置(イニシエータ装置)に関する。具体的には、車両に設けられたエアバッグを膨張させる際に用いられる点火起動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両にエアバッグシステムを搭載することが一般的になっている。このエアバッグシステムの作動(即ち、バッグの膨張)において、ガスをエアバッグに満たす際のイニシエータとして、発熱体であるブリッジワイヤに通電することで発熱体を加熱し、発熱体に隣接して配置された点火対象への点火を行う、点火起動装置が用いられている。
【0003】
従来の点火起動装置の一例として、特許文献1に記載の点火起動装置は、図12に平面図、図13に断面図を示すように、中心部を通る貫通孔240aを有する円柱形状のベース240を備えている。なお、ベース240は、ステンレス鋼のような耐食性を有する材料から作られている。
【0004】
ベース240の貫通孔240a内にはガラス絶縁体320が密封されており、このガラス絶縁体320は、第1の電極ピン(中央電極ピン)400が挿入される中央孔320aを有している。また、このガラス絶縁体320は、ベース240の一方の面240bとほぼ同一面となっている外側表面(端部)を有している。また、このガラス絶縁体320は、引き延ばされたガラスチューブから作られており、ベース240の厚みとほぼ同じ厚みを有する。
【0005】
また、第2の電極ピン(サイド電極ピン)440がベース240の他方の面240c側に電気的に接続(溶接)されている。
この点火起動装置202を製作する過程を説明すると、まず、第2の電極ピン440がベース240の他方の面240c側に溶接される。次に、第2の電極ピン440が溶接されたベース240は、ガラス封着用治具を用いて、中央孔320aを有するガラス絶縁体320がベース240の貫通孔240aに挿入される。
【0006】
ガラス絶縁体320の挿入後、ガラス絶縁体320はベース240の一方の面と面一になるか、ベース240の貫通孔240aの外側へ少量だけ延び出た状態となっている。
ガラス絶縁体320が貫通孔240aへと挿入された後、第1の電極ピン400がガラス絶縁体320の中央孔320a内に挿入される。
【0007】
ガラス封着用治具を用いてベース240、第1の電極ピン400,ガラス絶縁体320を組み立てた後、これらを加熱工程にかける。
加熱工程において、所定の温度及び時間で加熱が行われ、ガラス絶縁体320が溶融温度まで加熱されると、ガラスが溶融し、図13に図示される形状にガラス絶縁体320が成形される。
【0008】
ここで、ベース240は、ガラス絶縁体320より高い熱膨張係数を有する金属からなっているため、ガラス溶融後の冷却時において、ベース240はガラス絶縁体320よりも相対的に大きく収縮する。このため、冷却されることで、ベース240に張り付いたガラス絶縁体320をベース240が圧縮して密閉シールが形成され、ベース240とガラス絶縁体320とが互いの間に隙間を生じることなく封着される。
【0009】
この封着の後、点火起動装置202は、ベース240の一方の面240b側に露出したガラス絶縁体320の外表面及び第1の電極ピン400の一端面が、ベース240の一方の面240bと連続した平滑で面一な表面となるように処理する研磨工程にかけられる。
【0010】
好ましくは、この研磨工程では、これらガラス絶縁体320の外表面及び第1の電極ピン400の一端面を所定の面一性の範囲にまで研磨する酸化アルミニウム砥石を用いる。この研磨工程の完了時には、ガラス絶縁体320の外表面及び第1の電極ピン400の一端面は、ベースの一方の面240bとほぼ面一な状態となる。
【0011】
点火起動装置202をエアバッグシステムに使用するにあたり、ベース240の一方の面240aと、第1の電極ピン400の一端面との間を架け渡すようにブリッジワイヤ520が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3355331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述した従来の点火起動装置202では、エアバッグシステムに使用するにあたり、ガラス絶縁体320は、ガラス絶縁体320の表面空隙等によってブリッジワイヤ520が破断しないように、ガラス絶縁体320の外表面には、ブリッジワイヤ520の直径よりも大きな径の空隙や泡、亀裂などが存在しないことが求められる。
【0014】
すなわち、ガラス絶縁体320の外表面に、亀裂や泡、空隙などがあったならば、ブリッジワイヤ520がそのような亀裂や泡、空隙のある場所を通るところで破損し、第1,第2の電極ピン400,440間の電気的な導通が失われてしまう。
【0015】
ブリッジワイヤ520の破損を避けるためには、ガラス絶縁体320の外表面には、ブリッジワイヤ520の直径以上の亀裂や泡、空隙があってはならない。例えば、ブリッジワイヤ520の直径が0.04mmである場合には、0.04mm以上の亀裂や泡、空隙があってはならない。
【0016】
そこで、ガラス絶縁体320の外表面から亀裂や泡、空隙を取り除き、ガラス絶縁体320の外表面とベース240の一方の面240aとを、ほぼ平滑で面一な面とするための研磨工程が不可欠となる。この研磨工程は、研削砥石として酸化アルミニウム等が用いられるが、こうした研削砥石は消耗材料であるため、研磨工程を導入することはコストアップとなる。
【0017】
また、研磨工程で発生する研削粉の残留を防止する為、強力な洗浄処理が必要となり、これもまたコストアップに繋がる。
また、ガラス絶縁体320の外表面がベースおよび電極ピンと接する部分では、研磨工程においてチッピングが発生しやすく、研磨工程後の外観検査が不可欠となる。すなわち、従来の点火起動装置202の製造においては、研磨工程を経ることでほぼ平滑で面一な面は得られるが、材料コスト、加工コストが大きく、また検査工程が必要となり、高いコストがかかっていた。
【0018】
本発明は、空隙や泡、亀裂などの無い平滑で面一な外表面を有する絶縁体を備えた点火起動装置を、コストの多くかかる研磨工程を行うことなく提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成させるために、本発明の点火起動装置は、ブリッジワイヤに通電することにより点火対象を点火することに使用される点火起動装置であって、金属材料で形成され、前記ブリッジワイヤが配置された一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースと、前記ベースの貫通孔内における一方の面側の領域に配置される樹脂絶縁体と、前記ベースの貫通孔内における他方の面側の領域に配置されるガラス絶縁体と、前記貫通孔内に配置され、前記樹脂絶縁体及び前記ガラス絶縁体に支持された第1の電極ピンと、前記ベースへ電気的に接続される第2の電極ピンと、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、樹脂絶縁体が、ベースの一方の面側においてブリッジワイヤが配置された領域の周辺に、ベースの一方の面側に露出した第1の電極ピンの一端面とベースの一方の面との間で連続的な平面を形成するような平面部を有していることを特徴とする。
【0021】
また、樹脂絶縁体が、ベースの一方の面側において、ブリッジワイヤが配置された領域の外側の少なくとも1箇所に、平面部との段差が0.03mm以上1.00mm以下である凸状形状部または凹状形状部を有していることを特徴とする。
【0022】
また、ベースが、耐食性を有する金属材料で形成されていることを特徴とする。
また、ガラス絶縁体が、ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスで形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、樹脂絶縁体が、熱硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする。
また、樹脂絶縁体が、セラミック成分を含有していることを特徴とする。
また、第1の電極ピンと第2の電極ピンとの並びの方向と、前記ベースの一方の面側に露出した前記第1の電極ピンと凸状形状部または凹状形状部とを結ぶ方向とが、同じ方向となるように、前記凸状形状部または前記凹状形状部が配置されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の点火起動装置の製造方法は、一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースを提供する工程と、前記ベースに第2の電極ピンを溶接する工程と、中央孔を有するガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔に挿入し、前記ガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔における他方の面側に配置する工程と、第1の電極ピンを前記ガラス絶縁体の中央孔に挿入し、第1の電極ピンの一端面が前記ベースの一方の面と平行な面となるように位置決めする工程と、前記ベースの貫通孔内に配置された前記ガラス絶縁体を加熱溶融することで、前記ベースと前記第1の電極ピンとを封着させるガラス成形工程と、前記ベースの一方の面側に樹脂絶縁体を充填し、前記ベースの一方の面と平行な平面部を有する樹脂絶縁体を形成する樹脂成形工程と、ブリッジワイヤを前記ベースの一方の面及び前記第1の電極ピンの一端面に溶接するブリッジワイヤ接続工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ベースの一方の面側に配置される絶縁体を樹脂絶縁体とすることにより、その外表面上に配置されるブリッジワイヤに悪影響を及ぼす可能性のある泡や亀裂のない、平滑で面一な面を、研磨工程無しで得ることができる。
【0026】
また研磨工程を無くすことにより、研削砥石等の消耗材料費削減及び、研磨加工で発生する研削粉を除去する為の、強力な洗浄処理が不要となる。また、研磨工程で発生するガラスチッピング等の不良についての外観検査も不要となる。すなわち、従来の点火起動装置に対して、低コスト、少工程で生産することができる。
【0027】
また樹脂絶縁体の外表面にゲート跡として生じる凸状形状部または凹状形状部を一定の大きさとすることで、画像認識によるゲート跡の検出が容易となる。
またゲート跡として生じる凸状形状部または凹状形状部の配置を電極ピンの位置と一定の関係のある位置とすることで、ゲート跡位置の検出がより容易となる。
【0028】
この結果として、エアバッグシステムに用いる高品質な点火起動装置を、安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の点火起動装置においてゲート跡が凹形状の場合の斜視図
【図2】同点火起動装置の平面図
【図3】図2のC−C線断面図
【図4】本発明の点火起動装置においてゲート跡が凸形状の場合の平面図
【図5】図4のC−C線断面図
【図6】同点火起動装置の背面図
【図7】本発明の点火起動装置の組み立て手順におけるガラス成形工程を示す断面図
【図8】同組み立て手順におけるガラス成形工程を示す断面図
【図9】同組み立て手順における樹脂モールド工程を示す断面図
【図10】同組み立て手順における樹脂モールド工程を示す断面図
【図11】同組み立て手順における樹脂モールド工程を示す断面図
【図12】従来の点火起動装置の平面図
【図13】図12のC−C線断面図
【発明を実施するための形態】
【0030】
(点火起動装置の構造)
エアバッグシステムに使用される本発明の点火起動装置を、図1〜図6を参照して説明する。図1は点火起動装置の斜視図、図2は平面図、図3は図2のC−C線断面図、図4は別形態の点火起動装置の平面図、図5は図4のC−C線断面図、図6は背面図である。
【0031】
まず、点火起動装置20は、貫通孔24aを有する円柱状ベース24を備えている。
ベース24は、酸化腐食をおこさないような、耐食性の金属材料から作られている。好ましくは、ステンレス鋼管の工業規格304Lに用いられるステンレス鋼によって作られる。
【0032】
ベース24の貫通孔24aは、ベース24の中心のほぼ全体を貫通して設けられている。一例としては、ベース24の直径は約7mmであり、その長さ(高さ,厚み)は約3.5mmである。
【0033】
貫通孔24a内には、ガラス絶縁体32及び樹脂絶縁体33が配置されている。
このガラス絶縁体32の長さ(厚み)はベース24の厚みよりも小さく、貫通孔24a内の空間の60%〜80%を占拠し、ベース24の他方の面24c側に配置される。
【0034】
ここで、ガラス絶縁体32は圧縮シールガラスであり、好ましくは珪酸ソーダガラスなどの、ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスである。一例としては、ガラス絶縁体32は、ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスを、中央孔28へ挿入できるサイズに粉黛プレス工法で加工して形成されている。
【0035】
また、ガラス絶縁体32はベース24の一方の面24bに露出しないので、その外表面の品質を気にする必要がないため、従来の点火起動装置に用いられる内部気泡の少ない高価なガラスチューブ材ではなく、一般的な気密端子用ガラスの成形方法である粉黛プレス工法で成形された安価な材料を用いることができる。
【0036】
一方、樹脂絶縁体33の長さ(厚み)は、ベース24の厚みよりも薄く、貫通孔24a内の空間の残る20%〜40%を占拠し、ベース24の一方の面24b側に配置される。
また、ガラス絶縁体32、及び樹脂絶縁体33は、第1の電極ピン40を保持する中央孔32a、33cを有している。
【0037】
図3、図5に示すように、樹脂絶縁体33の外表面は、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面との間で連続的な平面を形成するような領域(平面部)を有する。
【0038】
ここで、図1〜図3に示すように、樹脂絶縁体33の外表面のうち、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面と連続した同一平面となる領域の外側には、凸状形状部(ゲート跡)33aがあってもよい。
【0039】
また、図4,図5に示すように、樹脂絶縁体33の外表面のうち、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面と連続した同一平面となる領域の外側には、凸状形状部(ゲート跡)33aの代わりに、凹状形状部(ゲート跡)33bがあってもよい。
【0040】
また、樹脂絶縁体33は、熱硬化性樹脂で形成されており、その硬度を高めるために、セラミック成分が含有されていてもよい。
第1の電極ピン40はベース24の他方の面24c側に延びており、所定長さを有する。第1の電極ピン40には電圧を印加することができ、この電極ピン40を電流が流れるようになっている。
【0041】
第2の電極ピン44はベース24に対して電気的に接続されている。一例として、第2の電極ピン44は、図3,図5,図6に示されるように、第2の電極ピン44は、ベース24の他方の面24c対して溶接されており、第1の電極ピン40とほぼ等しい長さだけベース24の他方の面24cから延びている。第2の電極ピン44は、第1の電極ピン40及び第2の電極ピン44間の電気回路における接地ピンとして使用される。
【0042】
なお、電極ピン40および44は、ベース24と同様、耐食性を有する金属材料から作られている。
第1,第2の電極ピン40,44間で電気回路が形成されるように、ブリッジワイヤ52がベース24の一方の面24aと第1の電極ピン40とを電気的に接続している。このブリッジワイヤ52は、図3,図5に示されるように、樹脂絶縁体33の外表面に接触して延びている。ここで、ブリッジワイヤ52は、樹脂絶縁体33の外表面のうち、ベース24の一方の面24b及び第1の電極ピン40の一端面と連続した同一平面となる領域に配置された状態となっており、凸状形状部(ゲート跡)33aまたは凹状形状部(ゲート跡)33bは、ブリッジワイヤ52が配置された領域の外側にあることになる。
【0043】
ブリッジワイヤ52は導電性であり、ベース24を介して第1,第2の電極ピン40,44との間を電気的に導通させる。
(点火起動装置の組み立て手順)
このような点火起動装置20の組み立て手順を、図7〜図10を参照して説明する。
【0044】
図7,図8に、ガラス封止用治具100を用いてガラス絶縁体32を配置するときのガラス成形工程の様子を断面図として図示する。
ガラス封止用治具100は、図7に示すように、上板100a、中板100b、底板100cの3枚で構成されており、これらは点火起動装置20の各材料の位置を規制できる。
【0045】
点火起動装置20を組み立てる際、まず、一方の面24bと他方の面24cまで貫通する貫通孔24aを有するベース24が用意され、このベース24の他方の面24c側に第2の電極ピン44が溶接された後、ガラス封止用治具100の底板100c上にベース24が配置される。
【0046】
ガラス封止用治具100の底板100c上にベース24が配置された後、中央孔32aを有するガラス絶縁体32がベース24の貫通孔24aに挿入される。そして、第1の電極ピン40が、ガラス絶縁体32の中央孔32a内に挿入される。
【0047】
ここで、ガラス封止用治具100の底板100cにはベース24及び第1の電極ピン40を位置規制できる凹部102,104及び凸部106が設けられている。
この凹部102は平面視で円形状となる窪みとなっており、その内径がベース24の外径と同程度となっている。その凹部102の底面には、ベース24の貫通孔24aの内径と同程度の外径を有する円柱状の凸部106が設けられている。そして、凸部106の中央には、第1の電極ピン40の外径と同程度の内径を有する平面視円形状の窪みである凹部104が設けられている。
【0048】
そして、ベース24を規制する凹部102の底面と、第1の電極ピン40を規制する凹部104の底面とを同一高さにすることにより、ベース24の一方の面24bと第1の電極ピンの一端面とを同一高さとすることができる。
【0049】
また、ベース貫通孔24aに勘合できる凸部106の高さは、例えばベース24の厚みの約30%の高さとなっている。この凸部106により、ベース24の貫通孔24a内における一方の面24b側に空間を残した状態で、ガラス絶縁体32をベース24の貫通孔24a内における他方の面24c側に配置することができる。
【0050】
ガラス絶縁体32をベース24の貫通孔24a内に配置した後、ガラス封止用治具100の中板100bを底板100cの上方に配置する。
ここで、ガラス封止用治具100の中板100bには、第1の電極ピン40の位置を規制できる貫通孔108が設けられている。但し、第2の電極ピン44に対しては、第2の電極ピン44がベース24に溶接された状態で配置されるため、位置規制をしなくともよい。
【0051】
中板100bの厚みは、底板100c上に配置された第1の電極ピン40が底板100c上面より突出している長さよりも小さく設定されており、第1の電極ピン40の端部は中板100b上面より突出する。
【0052】
第1の電極ピン40が中板100bの貫通孔108を通るように中板100bを配置して、第1の電極ピン40の位置を規制した後、ガラス封止用治具100の上板100aを中板100bの上方に配置する。
【0053】
上板100aは、中板100b上面より突出した第1の電極ピン40の端部に接しており、上板100aの重量により第1の電極ピン40の浮きあがりを押さえ、位置精度を高めている。
【0054】
以上の構成により、ガラス封止用治具100で図7に図示されるように各材料を位置規制した状態で、ガラス絶縁体32の溶融温度まで加熱する。すると、ガラス絶縁体32が溶融し、その後冷却されることで、ガラス絶縁体32がベース24及び第1の電極ピン40に付着した状態で凝固し、図8に示すようにガラス絶縁体32が成形される。その加熱の時間と温度は、ガラスのみで絶縁体を形成する従来の点火起動装置において、ガラスを溶融するのに必要とされるのとほぼ同じ時間と温度である。
【0055】
ここで、ベース24は、ガラス絶縁体32より高い熱膨張係数を有する金属からなっているため、ガラス溶融後の冷却時において、ベース24に張り付いたガラス絶縁体32を圧縮し、密閉シールが形成され、ベース24とガラス絶縁体32とが封着される。
【0056】
加えて、底板100cによって位置規制されているため、ベース24の一方の面24aと第1の電極ピン40の一端面は同一高さに形成され、ガラス絶縁体32はベース24の貫通孔24a内における他方の面24c側に配置された状態となる。
【0057】
ガラス成形工程後、点火起動装置20は、ベース24の一方の面24aと第1の電極ピン40の一端面との間に連続して面一な外表面を作り上げるための、図9〜図11に断面図として図示する樹脂モールド工程にかけられる。
【0058】
この工程では、図9に示すように、点火起動装置20のベース24を樹脂モールド金型200の下金型200bでクランプし、ガラス成形工程においてベース24の貫通孔24a内における一方の面24b側に残された空間に、樹脂モールド工法で樹脂絶縁体33を充填し、ベース24の一方の面24a側に露出する樹脂絶縁体33の外表面を平滑面となるように形成する。
【0059】
この樹脂モールド工法においては、樹脂絶縁体33を高圧で充填することにより、ベース24の一方の面24a側に露出する樹脂絶縁体33の外表面にゲート金型200cの表面形状を転写成形することができるため、ベース24の一方の面24aと触れる面が平滑な面となっているゲート金型200cを使用することで、樹脂絶縁体33の外表面に容易に高精度な平面を形成することができる。さらに、図10で示すように、ベース24の一方の面24bを下側に向けて成形することで、樹脂絶縁体33内に気泡が発生しても、気泡はその浮力によって上方へと移動するため、平滑性が必要とされる樹脂絶縁体33外表面での気泡発生を抑制することが可能である。
【0060】
なお、図11に示すように、樹脂充填後、樹脂絶縁体33の外表面上に、樹脂充填口200dの跡であるゲート跡33aが発生する。このゲート跡33aを後に位置認識しやすくするため、上金型200aにより第1,第2の電極ピンの位置を規制し、下金型200b及びゲート金型200cをこの上金型200aと一定の位置関係を保って配置するなどして、ゲート跡33aの位置と第1,第2の電極ピン40,44との位置関係を一定としてもよい。
【0061】
例えば、図1〜図5に示すように、第1の電極ピンと第2の電極ピンとの並びの方向と、前記ベースの一方の面側に露出した前記第1の電極ピンと凸状形状部または凹状形状部とを結ぶ方向とが同じ方向となるように配置しておくと、ゲート跡33aが第1の電極ピン40の一端面から見てどの方向にあるかが予測しやすくなり、ゲート跡33aの位置認識が容易となる。
【0062】
また、樹脂充填口200dの跡であるゲート跡は、図1〜図3,図11に示すような凸形状のゲート跡33a,もしくは、図4,図5に示すような凹形状のゲート跡33bとして形成されるが、後の工程で取り付けられるブリッジワイヤ52を、ゲート跡33a,33bの位置を認識して、ゲート跡33a,33bを避けて取り付けることで、ブリッジワイヤ52にゲート跡33a,33bが影響を及ぼすことを防ぐことができる。ここで、ゲート跡33a,33bの位置を、画像認識等で検出してもよい。この場合、ゲート跡33a,33bと樹脂絶縁体33の平面部との段差0.03mm以上1.00mm以下にすることで画像認識が容易となる。
【0063】
なお、樹脂絶縁体33は、ガラス絶縁体32と比べ靭性が高いので、この樹脂絶縁体33をベース24の貫通孔24a内の一方の面24b側に配置することで、外表面上のベース24と第1の電極ピン40との境界で発生するチッピングを防ぐことができる。さらに、硬質で充填性の高い熱硬化性樹脂を用いることより、平滑で耐久性の高い絶縁体表面を形成することができる。
【0064】
以上の工法を用いることにより、ブリッジワイヤ52に悪影響を及ぼす可能性のある泡や亀裂を生じることなく、安定して平滑で面一な面を研磨工程無しで得ることができる。
以上のことから、本発明の点火起動装置は、車両用エアバッグシステムに極めて適したものであり、絶縁体をガラスのみで形成された従来の点火起動装置と異なり、絶縁体表面を樹脂で形成することにより、そこを横切って配置されるブリッジワイヤに悪影響を及ぼす可能性のある泡や亀裂を生じることなく、平滑かつベースと連続した平面となった絶縁体の外表面を、研磨工程無しで得ることができる。
【0065】
また研磨工程を無くすことにより、研削砥石等の消耗材料費、研磨加工で発生する研削粉を除去する為の強力な洗浄処理費、さらに研磨工程で発生するガラスチッピング等の不良についての外観検査費を削減することができ、より低価格な点火起動装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、膨張装置システムに使用する点火起動装置(イニシエータ装置)に関する。特に、車両に設けられたエアバッグを膨張させる際に用いられる点火起動装置に有用である。
【符号の説明】
【0067】
20 点火起動装置
24 ベース
32 ガラス絶縁体
33 樹脂絶縁体
40 第1の電極ピン
44 第2の電極ピン
52 ブリッジワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッジワイヤに通電することにより点火対象を点火することに使用される点火起動装置であって、
金属材料で形成され、前記ブリッジワイヤが配置された一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースと、
前記ベースの貫通孔内における一方の面側の領域に配置される樹脂絶縁体と、
前記ベースの貫通孔内における他方の面側の領域に配置されるガラス絶縁体と、
前記貫通孔内に配置され、前記樹脂絶縁体及び前記ガラス絶縁体に支持された第1の電極ピンと、
前記ベースへ電気的に接続される第2の電極ピンと、を備えること
を特徴とする点火起動装置。
【請求項2】
樹脂絶縁体が、
ベースの一方の面側においてブリッジワイヤが配置された領域の周辺に、ベースの一方の面側に露出した第1の電極ピンの一端面とベースの一方の面との間で連続的な平面を形成するような平面部を有していること
を特徴とする請求項1に記載の点火起動装置。
【請求項3】
樹脂絶縁体が、
ベースの一方の面側において、ブリッジワイヤが配置された領域の外側の少なくとも1箇所に、平面部との段差が0.03mm以上1.00mm以下である凸状形状部または凹状形状部を有していること
を特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の点火起動装置。
【請求項4】
ベースが、
耐食性を有する金属材料で形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項5】
ガラス絶縁体が、
ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスで形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項6】
樹脂絶縁体が、
熱硬化性樹脂で形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項7】
樹脂絶縁体が、
セラミック成分を含有していること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項8】
第1の電極ピンと第2の電極ピンとの並びの方向と、
前記ベースの一方の面側に露出した前記第1の電極ピンと凸状形状部または凹状形状部とを結ぶ方向とが、
同じ方向となるように、前記凸状形状部または前記凹状形状部が配置されていること
を特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項9】
点火起動装置の製造方法であって、
一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースを提供する工程と、
前記ベースに第2の電極ピンを溶接する工程と、
孔を有するガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔に挿入し、前記ガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔における他方の面側に配置する工程と、
第1の電極ピンを前記ガラス絶縁体の孔に挿入し、第1の電極ピンの一端面が前記ベースの一方の面と平行な面となるように位置決めする工程と、
前記ベースの貫通孔内に配置された前記ガラス絶縁体を加熱溶融することで、前記ベースと前記第1の電極ピンとを封着させるガラス成形工程と、
前記ベースの一方の面側に樹脂絶縁体を充填し、前記ベースの一方の面と平行な平面部を有する樹脂絶縁体を形成する樹脂成形工程と、
ブリッジワイヤを前記ベースの一方の面及び前記第1の電極ピンの一端面に溶接するブリッジワイヤ接続工程と、を有すること
を特徴とする点火起動装置の製造方法。
【請求項1】
ブリッジワイヤに通電することにより点火対象を点火することに使用される点火起動装置であって、
金属材料で形成され、前記ブリッジワイヤが配置された一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースと、
前記ベースの貫通孔内における一方の面側の領域に配置される樹脂絶縁体と、
前記ベースの貫通孔内における他方の面側の領域に配置されるガラス絶縁体と、
前記貫通孔内に配置され、前記樹脂絶縁体及び前記ガラス絶縁体に支持された第1の電極ピンと、
前記ベースへ電気的に接続される第2の電極ピンと、を備えること
を特徴とする点火起動装置。
【請求項2】
樹脂絶縁体が、
ベースの一方の面側においてブリッジワイヤが配置された領域の周辺に、ベースの一方の面側に露出した第1の電極ピンの一端面とベースの一方の面との間で連続的な平面を形成するような平面部を有していること
を特徴とする請求項1に記載の点火起動装置。
【請求項3】
樹脂絶縁体が、
ベースの一方の面側において、ブリッジワイヤが配置された領域の外側の少なくとも1箇所に、平面部との段差が0.03mm以上1.00mm以下である凸状形状部または凹状形状部を有していること
を特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の点火起動装置。
【請求項4】
ベースが、
耐食性を有する金属材料で形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項5】
ガラス絶縁体が、
ソーダ系ガラス、もしくは硼珪酸系ガラスで形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項6】
樹脂絶縁体が、
熱硬化性樹脂で形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項7】
樹脂絶縁体が、
セラミック成分を含有していること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項8】
第1の電極ピンと第2の電極ピンとの並びの方向と、
前記ベースの一方の面側に露出した前記第1の電極ピンと凸状形状部または凹状形状部とを結ぶ方向とが、
同じ方向となるように、前記凸状形状部または前記凹状形状部が配置されていること
を特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の点火起動装置。
【請求項9】
点火起動装置の製造方法であって、
一方の面から他方の面まで貫通する貫通孔を有するベースを提供する工程と、
前記ベースに第2の電極ピンを溶接する工程と、
孔を有するガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔に挿入し、前記ガラス絶縁体を前記ベースの貫通孔における他方の面側に配置する工程と、
第1の電極ピンを前記ガラス絶縁体の孔に挿入し、第1の電極ピンの一端面が前記ベースの一方の面と平行な面となるように位置決めする工程と、
前記ベースの貫通孔内に配置された前記ガラス絶縁体を加熱溶融することで、前記ベースと前記第1の電極ピンとを封着させるガラス成形工程と、
前記ベースの一方の面側に樹脂絶縁体を充填し、前記ベースの一方の面と平行な平面部を有する樹脂絶縁体を形成する樹脂成形工程と、
ブリッジワイヤを前記ベースの一方の面及び前記第1の電極ピンの一端面に溶接するブリッジワイヤ接続工程と、を有すること
を特徴とする点火起動装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−231976(P2011−231976A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102792(P2010−102792)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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