説明

無動力降下搬送装置

【課題】様々な重量の被搬送物がランダムに供給された場合においても、ほぼ均一な降下時間によって円滑な降下搬送を行うことができる無動力降下搬送装置を提供する。
【解決手段】供給位置1の上方に配設された円板部材4aと、この円板部材に巻回された牽引部材7と、牽引部材の供給位置側に固定された載荷台6と、牽引部材の他端部に設けられた速度調整手段とを備え、速度調整手段が、有底筒状のシリンダ9と、このシリンダ9内に昇降自在に設けられて牽引部材の他端部が連結されたピストン10と、このピストンの天板に穿設された孔部と、孔部に進退自在に設けられ、ピストンの下方空間が負圧になった際に孔部を塞ぐ弁部材と、この弁部材を孔部から退く方向に付勢する付勢手段とを有し、牽引部材の他端部に作用する荷重が載荷台の重量以上となるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物をその自重を利用して無動力で上方の供給位置から下方の排出位置へと搬送するための無動力降下搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、工場やビル等の建物において、製品等の被搬送物を上下方向に移動させる際には、電動モータや油圧モータ等の駆動源によって当該被搬送物を昇降させるエレベーター等の搬送装置が用いられている。
【0003】
ところで、このような昇降用の搬送装置においては、例えば倉庫の上階に保管していた商品等の被搬送物を、搬出時に地上に降ろす用途にのみ使用される場合のように、その用途がもっぱら被搬送物の降下搬送に限定される場合には、当該被搬送物の自重を利用して無動力で降下させることにより、電動モータや油圧モータ等の駆動源を用いることなく、簡易な装置によって、上記被搬送物を下方に搬送することができることになる。
【0004】
しかしながら、周知のように、上記被搬送物をその自重のみによって上階から下階に向けて降下させると、重力加速度により降下速度が時間の経過に比例して上昇してしまう。この結果、大きな重量の被搬送物を降下搬送した場合には、下階に到達した際に、当該被搬送物に大きな衝撃が加わって損傷を与えるという欠点がある。
【0005】
そこで、上記被搬送物を降下させるワイヤ等に、その走行速度を減ずるための抵抗を与えて降下速度の上昇を抑えることが考えられるが、上記抵抗を一定とした場合には、軽量の被搬送物を降下させる場合に、極端に搬送時間が長くなってしまうという問題点を生じる。このため、被搬送物の重量に応じて、その都度、何等かの制御手段により上記抵抗の大きさを調整する必要があり、当該制御のための設備が複雑化してしまうという問題点がある。
【0006】
なお、下記特許文献1には、加減釣り合いおもり式エレベーターなどにおいて、定常荷重範囲あるいはそれ以上の重荷重を昇降させる場合に、昇降客室に対する釣り合いおもりとして水タンクを設け、これに上部水タンクの水を注水排水する機構を設けて、釣り合いおもりを自由に加減し得るようにした省エネルギー・ミニ動力運転システムが提案されている。
【0007】
しかしながら、上記運転システムは、上記加減釣り合いおもり装置によって、釣り合いおもりを加減することにより、単にエレベーターの乗客数、荷物の軽重に対応する釣合状態等を調整して、ミニ動力運転、更に無動力運転、エネルギー回収運転を可能にするものであって、同様に、エレベーターの降下に伴う速度制御までを行うことはできない。しかも、重量の嵩む搬送物や軽量な搬送物がランダムに供給された場合には、対応することが困難である。
【特許文献1】特開2001−019317公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、被搬送物をその自重を利用して無動力で降下搬送するに際して、様々な重量の被搬送物がランダムに供給された場合においても、ほぼ均一な降下時間によって円滑な降下搬送を行うことが可能となる無動力降下搬送装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、上方の供給位置において載荷台上に載置された被搬送物を、その自重によって下方の排出位置へと搬送する無動力降下搬送装置であって、上記供給位置の上方に回転自在に配設された円板部材と、この円板部材に走行自在に巻回された牽引部材と、この牽引部材の上記供給位置側に固定された上記載荷台と、この載荷台の降下に伴って上昇する上記牽引部材の他端部に設けられた速度調整手段とを備えてなり、上記速度調整手段は、上下方向に配設された有底筒状のシリンダ部材と、このシリンダ部材内に昇降自在に設けられるとともに、上記牽引部材の上記他端部が連結されたピストン部材と、このピストン部材の天板に穿設されて当該ピストン部材の下方の空間を外部に連通させる孔部と、この孔部に進退自在に設けられ、上記ピストン部材の下方の空間が負圧になった際に吸引されて上記孔部を塞ぐ弁部材と、この弁部材を上記孔部から退く方向に付勢する付勢手段とを有してなり、かつ上記牽引部材の上記他端部に作用する荷重が上記載荷台の重量以上となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記ピストン部材の外周と上記シリンダ部材の内壁との間には、最軽量の上記被搬送物の降下によって上記ピストン部材が上昇する際の当該ピストン部材の下方の空間における容量増加分よりも少ない量の空気が流通可能な間隙が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記ピストン部材は、上記天板と、この天板の下面外周から筒状に垂下する胴部とを有してなり、かつ上記胴部の内壁には、1以上のカウンターウエイトが着脱自在に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜3のいずれかに記載の発明においては、上方の供給位置において載荷台上に被搬送物を載置すると、その自重によって牽引部材が円板部材回りに走行し、上記被搬送物を載せた載荷台が降下する。すると、上記被搬送物の降下に伴って、上記牽引部材の他端部に固定されたピストン部材がシリンダ部材内を上昇する。この際に、弁部材は、付勢部材によってピストン部材の天板の孔部から退く方向に付勢されているために、上記被搬送物の降下速度が小さい時には、上記孔部を介して外部の空気が上記ピストン部材の下方の空間に流入する。
【0013】
そして、上記載荷台の降下によって重力加速度により上記降下速度が上昇すると、徐々に上記ピストン部材の下方の空間が徐々に負圧になり、これによって弁部材が上記付勢部材の付勢力に抗して吸引され、次第に孔部が閉じられて行くことにより、上記空間内がより負圧になる。この結果、ピストン部材の上昇速度、すなわち上記被搬送物の降下速度が減じられる。
【0014】
この結果、様々な重量の被搬送物がランダムに供給された場合においても、自重による被搬送物の降下が進むに連れて、その降下速度が過度に上昇することを抑制して、降下時間を均一化することにより、円滑な降下搬送を行うことができる。
【0015】
また、載荷台が排出位置まで降下して、当該載荷台から被搬送物が取り除かれると、上記牽引部材の他端部に加えられている上記ピストン部材等の荷重によって、牽引部材は、それまでと逆方向の載荷台を上昇させる方向に走行を開始する。すると、上記弁部材は、上記付勢手段によって上記孔部を開く方向に移動するために、上記ピストン部材の下方の空間の空気が、上記孔部を介して外部に排気されて行く。このため、空の載荷台を、再び上記供給位置に戻すことができる。
【0016】
なお、被搬送物が低速度で降下している際に、上記孔部を介して徐々に容量を増すピストン部材の下方の空間に外部の空気を流入させ、上記降下速度が増加した際に上記空間内を負圧にして弁部材を吸引するためには、上記孔部の開口面積、弁部材のストロークおよび付勢部材の付勢力を適宜設定する必要があるが、特に搬送すべき被搬送物においてそれらの重量の幅が大きい場合には、全ての被搬送物に対して、所望の降下速度抑制効果を得ることが難しくなるおそれがある。
【0017】
この点、請求項2に記載の発明によれば、予め上記ピストン部材の外周とシリンダ部材の内壁との間に、最軽量の被搬送物の降下によって上記ピストン部材が上昇する際の上記空間における容量増加分よりも少ない量の空気が流通可能な間隙を形成しているので、ピストン部材が上昇する際に、これと並行して常時一定量の外部空気を上記間隙からピストン部材の下方の空間に流入させることができ、よって一定の降下速度に至るまでは上記弁部材が作動しないために、幅広い重量範囲の被搬送物の搬送に適合させることが可能になる。
【0018】
加えて、請求項3に記載の発明においては、ピストン部材の胴部内壁に、1以上のカウンターウエイトを着脱自在に設けているために、被搬送物の重量範囲が変わった場合や、降下させるべき搬送高さが増減した場合、あるいは当初装置の設定よりも降下速度を増減させたい場合等にも、上記カウンターウエイトを増加あるいは減少させることにより、容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1〜図4は、本発明の無動力降下搬送装置の一実施形態を示すもので、この無動力降下搬送装置(以下、搬送装置と略す。)は、例えば倉庫等の上階に一時保管した製品や商品等の被搬送物Wを、搬出時に地上に降下搬送する際等に用いられるものである。
これらの図において、図中符号1が上記上階に設けられた被搬送物Wの供給位置であり、符号2が地上に設けられた被搬送物Wの排出位置である。
【0020】
そして、これら供給位置1と排出位置2との間に、上下方向に延在する搬送空間が形成され、この搬送空間に上記搬送装置3が設けられている。
すなわち、搬送空間における供給位置1の上方と排出位置2の下方とに、それぞれスプロケット(円板部材)4a、4bが上下方向に対向配置されるとともに、その水平軸周りに回転自在に設けられている。そして、スプロケット4a、4b間に、これらの外周に形成された歯と係合する無端状のチェーン5が走行自在に巻回されている。
【0021】
ここで、チェーン5の供給位置1および排出位置2側(以下、搬送側と称す。)には、L字状の板材からなり、水平部に被搬送物Wが載置される載荷台6が固定されている。
また、このチェーン5の載荷台6近傍位置には、ワイヤ(牽引部材)7の一端部7aが連結されている。このワイヤ7は、滑車8によって上記搬送側に対する背面側に延出されるとともにチェーン5に沿って下方に垂下されている。そして、このワイヤ7の他端部7bに、速度調整手段が設けられている。
【0022】
この速度調整手段は、シリンダ(シリンダ部材)9と、このシリンダ9内に昇降自在に設けられたピストン(ピストン部材)10と、このピストン10の天板10a上に設けられた弁部材11とから概略構成されている。
ここで、シリンダ9は、底部9aと筒状部9bとがアルミニウム等によって形成された有底円筒状の部材で、上記背面側においてチェーン5に沿って配設されている。
【0023】
また、ピストン10は、図3および図4に示すように、天板10aと、この天板10aの下面外周縁から円筒状に垂下する胴部10bとが一体化されたもので、天板10aの中心部には、当該円板10aを上下方向に貫通する円形の孔部12が穿設されている。なお、この孔部12の外周壁は、上方から下方に向けて内径が漸次縮小するテーパー状に形成されている。
【0024】
そして、ピストン10の天板10a上には、蓋体13が一体的に形成されている。この蓋部13は、孔部12を囲繞するようにして立設された外筒13aと、この外筒13aの上端部を塞ぐ天板13bと、この天板13bの中心部に垂下された支持杆13cと、外筒13a内の下部に配設されたリング状の案内板13dとから構成されたもので、天板13bには、蓋体13の内外を連通される複数の孔部13eが穿設されている。そして、この蓋体13内に、上記弁部材11が孔部12に対して進退自在に設けられている。
【0025】
この弁部材11は、中心部に上記支持杆13cが挿通されるとともに、外周部が案内板13dによって案内される筒状の本体11aと、この本体11aの下端部に一体化された弁体11bとから構成されたもので、弁体11bの下面は、孔部12の外周壁のテーパーと一致する傾斜面状に形成されている。そして、この弁部材11の本体11aと、蓋体13の案内板13dとの間に、弁部材11を孔部12から退く方向に付勢するスプリング14(付勢手段)が介装されている。
【0026】
また、蓋体13の天板13bの中心部には、アイボルト15が取り付けられており、このアイボルト15に、上記ワイヤ7の他端部7bが取り付けられている。
さらに、ピストン10の胴部10bの内壁には、雌ねじ部16が螺設されている。そして、この雌ねじ部に、複数(図では3個)の円環状のカウンターウエイト17が、それぞれの外周に螺設された雄ねじを螺合させることにより着脱自在に設けられている。
【0027】
ちなみに、これらカウンターウエイト17の個数は、ワイヤ7の他端部7bに作用する荷重、すなわちピストン10、弁部材11、蓋体13およびカウンターウエイト17等の総重量が、載荷台6の重量以上となるように設定されている。
【0028】
他方、ピストン10の胴部10b外周と、シリンダ9の内壁との間には、間隙dが形成されている。この間隙dは、搬送すべき複数の被搬送物のうちの最軽量の上記被搬送物Wが降下ことによってピストン10が上昇する際に、ピストン10の下方の空間Sにおける容量の増加量よりも少ない量の空気が流通可能な寸法に形成されている。
【0029】
以上の構成からなる搬送装置においては、先ず図1に示すように、載荷台6を被搬送物Wの供給位置1に臨ませた状態で、この載荷台6の水平部上に被搬送物Wが載置されると、当該被搬送物Wの自重によってチェーン5がスプロケット4a、4b間において走行し、搬送側のチェーン5が下方に移動するとともに、背面側のチェーン5が上昇することにより、被搬送物Wを載せた載荷台6が降下する。
【0030】
これと並行して、滑車9aによりワイヤ7が引張力を受けてその他端部7bが上昇することにより、これに固定されたピストン10がシリンダ9内を上昇する。この際に、外部の空気は、先ずピストン10とシリンダ9との間の隙間dから、ピストン10の下方の空間9に流入する。加えて、弁部材11は、スプリング14によってピストン10の天板10aに穿設された孔部12から退く方向に付勢されているために、搬送初期の被搬送物Wを載せた載荷台6の降下速度、すなわちピストン10の上昇速度が小さい時には、蓋体13の孔部13eおよび開いている孔部12を介して外部の空気がピストン10の下方の空間Sに流入する。
【0031】
次いで、上記載荷台6の降下が進むと、重力加速度により降下速度が次第に上昇する。すると、ピストン10とシリンダ9との間の隙間dおよび孔部12を通じて上記空間S内に流入する空気量よりも、ピストン10の上昇による空間Sの容量増加が勝ってくるために、徐々に上記空間Sが徐々に負圧になる。これにより、弁部材11がスプリング14の付勢力に抗して吸引され、次第に孔部12が閉じられ、最終的に図4に示すように、弁体11bによって塞がれる。この結果、空間S内に流入する空気は、ピストン10とシリンダ9との間の隙間dを通じるものだけになるために、空間Sにおける負圧によってピストン10の上昇が抑制され、上記被搬送物Wを載せた載荷台6の降下速度が減じられる。
【0032】
このように、上記搬送装置によれば、様々な重量の被搬送物Wがランダムに載荷台6上に供給された場合においても、自重による被搬送物Wの降下が進むに連れて、重力加速度により降下速度の上昇が過度になることを抑制して、当該速度を均一化することにより、円滑な降下搬送を行うことができる。この際に、カウンターウエイト17の個数を適宜調整することにより、搬送すべき被搬送物Wの重量範囲に応じて、その降下速度および当該降下速度の上昇を最適範囲内に設定することが可能になる。
【0033】
また、載荷台9が図2に示すように排出位置2まで降下して、この載荷台6から被搬送物Wが取り除かれると、ワイヤ7の他端部7bに加えられているピストン10やカウンターウエイト17の等の荷重によって、チェーン5は、それまでと逆方向の載荷台6を上昇させる方向に走行を開始する。すると、弁部材11は、スプリング14によって孔部12を開く方向に移動するために、ピストン10の下方の空間Sの空気が、ピストン10とシリンダ9との間の隙間dおよび孔部12、13eを介して外部に排気されて行く。このため、空の載荷台6を、再び図1に示すように供給位置1に戻すことができる。
【0034】
なお、上記実施の形態においては、円板部材としてスプロケット4a、4bを用い、これらの間にチェーン5を巻回して、このチェーン5に牽引部材となるワイヤ7の一端部を固定した場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、上記円板部材として例えば1つの溝付きホイールを用い、これらに上記牽引部材となるベルト等を巻回してもよい。
【実施例】
【0035】
本発明に係る搬送装置の作用効果を検証するために、図5に示すように、ローラ20間に架け渡したワイヤ21の一端部に、被搬送物の荷重Gおよび載荷台の荷重Wを加え、上記ワイヤ21の他端部に、図3と同様の構造を有する速度調整手段における荷重Cのピストン23を設けた場合について、上記荷重Wを変化させてL=172cmの落差を降下させた場合の降下時間と、シリンダ22内における空間Sの負圧を計測した。なお、シリンダ22の内径Dは40φであり、ピストンの外径は39φである。
【0036】
この際に、先ず図3に示した孔部12を閉塞した状態で行ったところ、図6に示すように、降下重量が1000gに満たない場合には、極端に長い降下時間を要したが、上記効果重量がそれ以上になると、概ね2秒以下で降下することが判明した。
次いで、降下重量が1000g以下の場合について、上記孔部12を開口して同様の降下実験を行ったところ、いずれも3秒以下で降下させ得ることができた。
【0037】
したがって、図7の空間Sの負圧を示すグラフと対比すれば、上記負圧が約100mmHOとなった際に、弁部材11が孔部12を塞ぐようにスプリング14の弾性を選択することにより、広い重量範囲の被搬送物に対しても、概ね同等の降下時間によって搬送し得ることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の無動力降下搬送装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の無動力降下搬送装置において被搬送物を降下させた状態を示す図である。
【図3】図1のIII部の拡大断面図である。
【図4】図2のIV部の拡大断面図である。
【図5】本発明の実施例に用いた装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明の実施例における降下荷重の大きさと降下時間との実験結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例における降下荷重の大きさとシリンダ内の負圧との実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0039】
1 被搬送物の供給位置
2 被搬送物の排出位置
3 搬送装置
4a、4b スプロケット(円板部材)
6 載荷台
7 ワイヤ(牽引部材)
7a ワイヤの一端部
7b ワイヤの他端部
9 シリンダ(シリンダ部材)
10 ピストン(ピストン部材)
10a 天板
10b 胴部
11 弁部材
12 孔部
14 スプリング(付勢部材)
d 間隙
S ピストン下方の空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方の供給位置において載荷台上に載置された被搬送物を、その自重によって下方の排出位置へと搬送する無動力降下搬送装置であって、
上記供給位置の上方に回転自在に配設された円板部材と、この円板部材に走行自在に巻回された牽引部材と、この牽引部材の上記供給位置側に固定された上記載荷台と、この載荷台の降下に伴って上昇する上記牽引部材の他端部に設けられた速度調整手段とを備えてなり、
上記速度調整手段は、上下方向に配設された有底筒状のシリンダ部材と、このシリンダ部材内に昇降自在に設けられるとともに、上記牽引部材の上記他端部が連結されたピストン部材と、このピストン部材の天板に穿設されて当該ピストン部材の下方の空間を外部に連通させる孔部と、この孔部に進退自在に設けられ、上記ピストン部材の下方の空間が負圧になった際に吸引されて上記孔部を塞ぐ弁部材と、この弁部材を上記孔部から退く方向に付勢する付勢手段とを有してなり、かつ上記牽引部材の上記他端部に作用する荷重が上記載荷台の重量以上となるように設定されていることを特徴とする無動力降下搬送装置。
【請求項2】
上記ピストン部材の外周と上記シリンダ部材の内壁との間には、最軽量の上記被搬送物の降下によって上記ピストン部材が上昇する際の当該ピストン部材の下方の空間における容量増加分よりも少ない量の空気が流通可能な間隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無動力降下搬送装置。
【請求項3】
上記ピストン部材は、上記天板と、この天板の下面外周から筒状に垂下する胴部とを有してなり、かつ上記胴部の内壁には、1以上のカウンターウエイトが着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の無動力降下搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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