説明

無洗穀類の製造方法及びその装置

【課題】穀粒表面を傷つけることなく、表面の微細溝に残存する糠を容易に除去することができ、その上、簡易な方法で穀粒の水分を保持して食味を向上させることのできる無洗穀類の製造方法及びその装置を提供する。
【解決手段】(a)精白穀類に水分を添加してその表面を軟化させる工程と、(b)該精白穀類と60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌し、精白穀類の穀粒表面に残存する糠を粒状物に吸着させて除去する工程と、(c)該精白穀類と粒状物とを分離する工程と、を備えたことを特徴とする無洗穀類の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、精白穀類を加工して調理前に洗浄を必要としない無洗穀類を製造する方法及び装置に関し、特に、穀粒表面を傷つけることなく、穀粒表面に付着している糠を容易に除去することができる方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、炊飯の際の水洗作業を不要にした、いわゆる無洗米が流通している。この無洗米の製法としては、精米機により搗精された精白米を研磨ブラシで除糠するもの(例えば、特公昭38-17391号公報参照)や、澱粉、糠又は糖類などの除糠用の粘着性物質を添加した後、これらを選別・除去するもの(例えば、特公昭58-897号公報及び特公昭63-52535号公報参照)や、精米機により搗精された精白米を極めて短時間に水中搗精した後、脱水乾燥するもの(例えば、特開平11-42056号公報参照)が知られている。以上のような無洗米の製法は、搗精では除去しきれなかった米粒表面の微細溝等に残留しているアリューロン層(糊粉層)を、更に研磨により除去したり、澱粉、糠又は糖類などの除糠用の粘着性物質により接着したり、水中で搗精除去したりして、無洗米に仕上げるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、搗精された精白米を研磨ブラシで除糠するものや、澱粉、糠又は糖類などの除糠用の粘着性物質を添加した後、これらを選別・除去する、いわゆる乾式の無洗米の製造方法においては、搗精では除去しきれなかった米粒表面の微細溝等に残留しているアリューロン層(糊粉層)をある程度除去できるものの、完全には除去できず、糠臭が除去できないという問題がある。
【0004】一方、精米機により搗精された精白米を極めて短時間に水中搗精した後、脱水乾燥するものは、米粒表面の微細溝等に残留しているアリューロン層を完全に除去できるものの、水中搗精によって米粒に含まれる栄養成分が流出したり、また、水中搗精後の排水を河川に放流する場合は廃水処理施設を設置する必要があり、設備コストが増大するという問題がある。
【0005】ところで、特許第2983010号公報では、搗精した精白米100重量部に対して、10メッシュ以下、50メッシュ以上の粉砕米を10〜200重量部の割合で混合し攪拌して精白米の研磨を行い、精白米表面に残存する糠を剥離除去した後、精白米と粉砕米とを分離することを特徴とする無洗米の製造方法が開示されている。これにより、粒度を整えた粉砕米を使用することによって、乾式であっても精白米表面の微細溝等に残存する糠等がより完全に除去されるものと考えられる。つまり、炊飯時の水洗・洗米工程を省略することができ、したがって、米の栄養成分の流亡損失を防ぐことができ、洗浄水による河川の汚染をも防止することができるのである。
【0006】しかしながら、この無洗米の製造方法では、精白米と粉砕米との混合を行う際、残留糠の除去に比較的高い圧力を必要とする。そのため、攪拌装置を備えた混合機では、胚乳部を覆っている隔壁が高い圧力により切削され、胚乳部に傷がつく虞(おそれ)があった。
【0007】また、冬期など低温時は精白米表面が硬化しており、混合機に過度の圧力を加えなければ精白米の糠を能率よく除去することができないものであり、前記傷がさらにつきやすい。
【0008】一方、玄米を精米加工する際は、精米に伴う摩擦熱により米温が上昇するとともに、水分が低下することが知られている。このような精米後の低水分の精白米を使用して上記方法により無洗米を製造すると、仕上がった無洗米は水分が更に低下するのは自明であり、食味が著しく低下する虞があった。なお、上記公報には、適正な含水率を下回る場合には、細かい霧状の水を散布して含水率を調整することが記載されているが、新たな白米加湿装置等を設ける必要があり、設備コストが増大する問題が生じる。
【0009】本発明は上記のような問題点にかんがみ、米粒表面を傷つけることなく、表面の微細溝等に残存する糠を容易に除去することができ、その上、米粒の水分を保持して食味を向上させることのできる無洗穀類の製造方法及びその装置を提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための第一の発明は、(a)精白穀類に水分を添加してその表面を軟化させる工程と、(b)該精白穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌し、精白穀類の穀粒表面に残存する糠を粒状物に吸着させて除去する工程と、(c)該精白穀類と粒状物とを分離する工程とを備える、という技術的手段を講じた。
【0011】工程(a)において搗精済みの精白穀類に水分を添加すると、精白穀類の穀粒表面に残存する糠が水分を含んで浮き上がる。そして、工程(b)においてこの状態の精白穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合し攪拌すると、精白穀類の隔壁の隅部に存在する糠と粒状物とが接触することができ、このとき、粒状物が保有する熱量により精白穀類の穀粒表面(隔壁)に付着した糠がアルファー化されて粘着性を一気に高めた状態になる。同様に熱で表面部がアルファー化した粒状物とアルファー化した糠との増強された親和力により糠と粒状物との間に架橋が形成され、糠が粒状物に接着して、粒状物に吸着され、穀粒表面を傷つけることなく、穀粒表面から糠を容易に除去することができる。そして、工程(c)において精白穀類と粒状物とを分離して、水分が保持され、食味が向上した無洗穀類が仕上がる。
【0012】また、必要に応じて前記工程(c)の後工程に、(d)得られた無洗穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する工程と、(e)該精白穀類と粒状物とを分離する工程と、を更に備えると、穀粒として米粒を用いた場合に白度が40%以上に向上した無洗米に仕上げることができる。
【0013】さらに、必要に応じて前記工程(c)の後工程に、(f)加湿搗精工程を備えることもでき、穀粒として米粒を用いれば白度が40%以上に向上した無洗米ができる。
【0014】そして、穀粒と粒状物との分離が不十分であっても、前記粒状物として可食性の穀粉、例えば、粉砕米や粉砕麦、その他、粟、稗、蕎麦、高粱、タピオカなど穀粒を粉砕したものを使用すれば食べても安全であり、また、一般的なものであるので経済的でもある。前記粒状物は水分を5%以下に調製すれば粒状物の水分が低いので、水分の高い穀粒表面の糠が粒状物へ吸着されやすくなる。
【0015】一方、穀類の外皮を除去して精白穀類に加工する搗精手段と、得られた精白穀類に水分を添加してその表面を軟化させる水分添加手段と、該精白穀類と1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する混合・攪拌手段と、精白穀類と粒状物とを分離する分離手段と、を備えた無洗穀類の製造装置であるから、水分が保持され、食味が向上した無洗穀類を製造することができる。
【0016】前記分離手段の後段に、得られた無洗穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する第2混合・攪拌手段と、無洗穀類と粒状物とを分離する第2分離手段と、を更に備えた無洗穀類の製造装置であるから、穀粒として米粒を用いれば白度が40%以上に向上した無洗米を製造することができる。
【0017】前記分離手段の後段に、無洗穀類を加湿搗精する湿式搗精手段を更に備え無洗穀類の製造装置であるから、加湿搗精作用により穀粒の表面仕上げが行われ、穀粒として米粒を用いれば白度が40%以上に向上した無洗米を製造することができる。
【0018】前記湿式搗精手段の後段に、加湿搗精した無洗穀類を温風乾燥する精白穀類乾燥手段を備えた無洗穀類の製造装置であるから、穀粒として米粒を用いた場合、加湿搗精後に米粒を水分15%程度に調質して食味を向上させることができる。
【0019】前記分離手段から使用済みの粒状物を取り出すとともに、この粒状物を加熱・乾燥して前記混合・攪拌手段に搬送し、粒状物の再利用を行う粒状物リサイクル手段を備えた無洗穀類の製造装置であるから、使用済みの粒状物を加熱・乾燥して、再び攪拌混合手段に供給すれば、粒状物の新たな供給が少なくなり経済的となる。。
【0020】そして、前記水分添加手段は、横設した第1のスクリュー筒と、第1のスクリュー筒内に配置された攪拌羽根を備えた第1スクリュー軸と、第1のスクリュー筒の一端側に精白穀類に霧状の水を添加する噴霧口とを含み、前記混合・攪拌手段は、前記水分添加手段の下方に配置され、第1のスクリュー筒とほぼ同一の寸法の第2のスクリュー筒と、第2のスクリュー筒内に配置された攪拌羽根を備えた第2のスクリュー軸と、第2のスクリュー筒の搬送始端側に配置された粒状物供給ホッパーとを含み、前記分離手段は、前記混合・攪拌手段の下方に配置され、多数のスリットを備えたスクリーン筒と、該スクリーン筒の上面寄りに配置された給風口、前記スクリーン筒を覆う外筒、該外筒の底面寄りに接続した排風ダクト及び前記スクリーン筒の搬送終端側に配設した処理白米排出口とを含む、無洗穀類の製造装置としたから、無洗穀類の白度を向上させるとともに、生産性を上げることができ、しかも、装置全体をコンパクト化することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の無洗穀類の製造方法及びその装置について、原料穀類として米を用いた例を説明する。
【0022】図1は既存の精米機により玄米を精白米に精米加工したときの米粒表面を顕微鏡で見た概略断面図であり、図2は精白米表面を加湿するとともに、粒状物を混合して糠分等を隔壁から浮き上がらせるときの米粒表面を顕微鏡で見た概略断面図であり、図3は隔壁から糠分等が除去された無洗米を顕微鏡で見た概略断面図である。図1の符号1は胚乳部であり、その表面は隔壁2により覆われている。この隔壁2の外側には、精米加工を施しても糠分(アリューロン層を含む)が残存していたり、精米によって剥がれた糠粉が再付着した状態にある(以後、糠分と糠粉とを合わせて糠3として示すことにする)。そして、この糠3を隔壁2から剥がせば、精白米の表面(隔壁2)から糠3が完全に剥離・除去された無洗米が製造できる。隔壁2から糠3を剥離するには、その難易度が精白米表面の水分によって左右され、高水分であると精白米表面が軟質化して糠3が剥がれやすく、低水分であると精白米表面が硬質化して糠3が剥がれにくくなる。
【0023】そこで、精白米表面に水分を添加して、隔壁2に残存した糠3に水分を付着させる。すると、糠3が水分を含んで膨潤するとともに、糠3と隔壁2とに間隙が生じて浮き上がる。この精白米に60℃以上、好ましくは60℃〜200℃の温度範囲に加熱した粒状物4を混合する。粒状物4として粉砕米を用いた場合は、60℃以上、更には60℃〜80℃の温度範囲であることが好ましい。精白米と粒状物4とが接触したとき、粒状物4が保有する熱量(糊化温度以上)により糠3がアルファ化して粒状物に吸着される。そして、精白米と粒状物4とを低圧攪拌すると精白米と粒状物4との粒子同士の軽い摩擦作用によって、精白米表面の研磨が行われる(図2参照)。
【0024】粒状物4としては、なるべく保温性、熱容量、吸水性及び粘着性が高いものがよく、不可食性の金属球や、セラミック粒子などを利用する場合は、その表面を澱粉でコーティングして吸水性及び粘着性を高めるとよい。また、可食性のものとして粉砕米や粉砕麦、その他、粟、稗、蕎麦、高粱などの穀粒を粉砕したもの、あるいはタピオカを使用すれば、保温性、吸水性及び粘着性が高く、食べても安全である。好ましくは、粒状物4としてパールタピオカなど、澱粉質のものをアルファー化して乾燥し、硬度2〜5kgf/cmに仕上げたものを使用するとよい。
【0025】粒状物4として粉砕米を使用する場合には、例えば、シフター等の砕粒又は色彩選別機からの除去粒又は精米破砕粒などから抽出された澱粉や穀粉を用いるとよく、粒度を1.0mm〜1.7mmに調製し、水分を5%以下に乾燥するのが好ましい。更には、これらの粒状物を60〜90℃の熱風により加熱して用いることが好ましい。
【0026】そして、この精白米と粒状物4とを分離すると、隔壁2には糠3が残存しない無洗米に仕上げることができる(図3)。
【0027】次に、図4〜図8により無洗米の製造工程を説明する。図4は本発明の一実施形態を示す工程図であり、図5は本発明の別の実施形態を示す工程図であり、図6は本発明の細部を示す全体の工程図であり、図7R>7、図8は糠除去工程Bのみを示す工程図である。
【0028】図4及び図5に示す無洗米の製造工程は、3台の精米機を連座した精米工程Aと、水分添加手段9、攪拌混合手段10及び分離手段11を備えた糠除去工程Bとから主要部が構成される。
【0029】精米工程Aは、第1の竪型精米機5と、第2の竪型精米機6と、第3の竪型精米機7とからなる3台の精米機を備え、原料玄米を第1の精米機5に投入し、第2、第3の精米機と順次精米すると、例えば、歩留90%程度の精白米に仕上げることができる。第3の精米機7には、揚穀機8が接続され、次工程の糠除去工程Bに連絡される。糠除去工程Bでは、水分添加手段9により精米工程で得られた精白米に水分が添加され、攪拌混合手段10により水分を添加した精白米に粒状物を混合し攪拌して精白米の研磨が行われ、分離手段11により研磨された精白米と使用済みの粒状物とが分離される。
【0030】水分添加手段9は、円筒状の精白米誘導筒12内に、回転可能な螺旋転子13を内装した構造であり、精白米誘導筒12の任意位置には、水タンク14、電磁弁15及び水管16などからなる適宜な水分添加装置17が接続される。そして、ホッパー46から精白米を投入するとともに、精白米誘導筒12内で螺旋転子13を回転させて、精白米を転動させる過程で水分を添加させる。水分添加装置17により、例えば、米粒重量の3〜5%の水分を添加させるとよい。
【0031】攪拌混合手段10は、ドラム状の機枠18と、回転可能に設けた攪拌装置19とを主要構成とし、機枠18の一端側には、前記水分添加手段9から連絡する精白米供給樋20と、適宜搬送手段により搬送される粒状物の粒状物供給樋21とをそれぞれ接続する。前記搬送手段として、例えば、エアー搬送を用いれば、気流分離するためのサイクロン22を前記粒状物供給樋21の上端に接続する一方、該サイクロン22からは粒状物供給樋21とは別に分岐する粒状物排出樋47を接続する。前記攪拌装置19には、複数の攪拌羽根23が設けられ、モータ等の動力により回転される。該攪拌羽根23が回転されると、精白米と粒状物とが機枠18内で攪拌混合され、機枠18の他端側に設けた排出樋24から混合粒が排出される。必要であれば、攪拌混合手段10に、精白米と粒状物とを混合し攪拌する際に、熱風を送給する熱風送給手段(図示せず)を設けてもよい。
【0032】分離手段11は、精白米と粒状物とを分離することができる篩分装置であれば、どんなものでもよく、例えば、篩網25を張設した粗選機26のようなものでよい。また、この粗選機26に振動を与えることができるように、図6に示すような、出力軸が偏心フライホイールに接続されたバイブレータ27を設けてもよい。
【0033】以上のように分離手段11により得られた精白米は、図3に示すような隔壁2の微細溝から糠3が除去された無洗米となるが、さらに無洗米の白度を向上させ、生産性を上げるためには以下のような構成が必要になる。
【0034】すなわち、図4及び図7に示す実施形態では、分離手段11の後工程に、さらに、第2攪拌混合手段28と、第2分離手段29とを設けた構成で、これにより、米粒表面に残存する糠が完全に剥離除去され、白度が40%以上に向上した光沢無洗米を製造することができる。
【0035】また、図5に示す第2実施形態では、分離手段11の後工程に、得られた精白米を必要に応じて加湿精米する湿式精米手段30を備えると、精白米に2〜10%加水するとともに、例えば、1.0×10Pa(100gf/cm2)程度の低圧摩擦作用により米粒表面を仕上げ、米粒表面に残存する糠が完全に剥離除去され、白度が40%以上に向上した光沢無洗米を製造することができる。なお、符号43は湿式精米手段30に付属する加水手段の水タンク、符号44は電磁弁、符号45は水管である。そして、湿式精米手段30の後工程には、精白米乾燥手段31が接続され、ブロア37から送給される例えば、30〜60℃の温風乾燥により精白米が網48上で水分15%程度に乾燥され、食味を向上させることができる。
【0036】そして、生産性を上げるためには、図6のような実施形態を適用するとよい。
【0037】すなわち、図6は粒状物のリサイクル工程を設けたもので、分離手段11の後段に、粒状物の取出樋32と精白米取出樋33とを設け、取出樋32には粒状物加熱手段34を接続する。粒状物加熱手段34では、60〜200℃の熱風により粒状物を乾燥し、水分5%以下、粒度1.0〜1.7mmに仕上げる。粒状物として粉砕米を用いた場合は、60〜100℃の熱風により粒状物を加熱及び乾燥させる。そして、この粒状物をエアー搬送手段35により乾燥装置34からサイクロン22まで搬送し、サイクロン22にて気流分離した後、粒状物供給樋21から粒状物を機枠18に供給して、粒状物のリサイクルを行なう。
【0038】前記精白米乾燥手段31の後段は、揚穀機38を介して次工程の精選工程に接続される(図6参照)。精選工程では、市販のロータリーシフター39が備えられ、乾燥後、水分が調整された無洗米の篩分けが行われる。そして、一定の基準粒度であれば、精品取出樋42から精品として排出され、次の計量・包装工程に供給される。ロータリーシフター39により一定の基準粒度を満たさないシフター細粒は、細粒取出樋41から一対のロール40に供給され、1.0〜1.7mmの粒度に粉砕する。この粉砕米を前述の糠除去工程の粒状物として利用することができる。
【0039】以下、図6に示した装置の作用を説明する。
【0040】原料玄米が精米工程の第1精米機5に投入され、第2精米機、第3精米機へと順次供給されて、精米転子(図示せず)の作用によって表面の糠が殆ど除去されて最終的に歩留90%程度の精白米に仕上がる。
【0041】この状態の精白米を、昇降機8を介して水分添加手段9に投入する。すなわち、ホッパー46から精白米を投入するとともに、精白米誘導筒12内で螺旋転子13を回転させて、精白米を転動させる過程で水分を添加させるのであるが、水分添加装置17により、例えば、米粒重量の3〜5%の水分を添加させる。なお、精白米を誘導筒12内を通過させる時間は、例えば、15秒程度にすると、亀裂の危険を生じることなく、精白米に安全に水分を添加することができる。水分が添加された精白米の表面は、わずかに軟質化状態にある。
【0042】こうして水分の添加を終えた精白米は、直ちに粒状物と攪拌混合するため攪拌混合手段10に投入される。攪拌混合手段10内で、精白米が、粒状物乾燥装置34によって60〜80℃に加熱され、水分5%以下に仕上げられた粒状物と攪拌混合すると、水分を含んで膨潤した糠が粒状物に吸着され、隔壁から浮き上がる。そして、精白米と粒状物との粒子同士の軽い摩擦作用によって、米粒表面の研磨が行われ、糠が精白米の各穀粒から除去される。精白米と粒状物との混入割合は、精白米100重量部に対し、粒状物5〜30重量部とするのが好ましい。
【0043】次に、精白米と粒状物との混合粒は、分離手段11に移送されて、精白米と粒状物とが分離され、糠3が除去された無洗米に仕上がる(図3)。
【0044】さらに、精白米は湿式精米手段30に供給され、精白米に米粒重量の2〜10%の水分が加水され、例えば、1.0×10Pa(100gf/cm2)程度の低圧摩擦作用により米粒表面が仕上げられる。米粒表面に残存する糠が完全に剥離除去され、白度が40%程度に向上した光沢無洗米を製造することができる。次に、この無洗米を精白米乾燥手段31に供給して、水分を15%程度に調整すると、食味を向上させた無洗米に仕上げることができる。なお、この湿式精米手段30の加水手段から排出される汚水は、図9に示すようなスプレードライヤ装置によりパウダー化して補足し、環境を悪化させないようにするとよい。
【0045】図9に示すスプレードライヤ装置49は、漏斗状のスプレードライヤチャンバー50及びサイクロン51から主要部が構成され、スプレードライヤチャンバー50には、該チャンバー50上部から湿式精米手段30の汚水を供給する供給管52を接続し、該供給管52の先端部には噴霧ノズル53を設け、供給管52の経路上には高圧ポンプ54を設けて、汚水をチャンバー50内へ霧状に供給できるような構成にする。チャンバー50の上部は熱風室55となし、燃焼バーナ56からの熱風を供給できるようにする。燃焼バーナ56にはLPG(液化石油ガス)供給管57、外気取り入れ管58及び燃焼ブロワー59を備えて熱風温度の調節を行うとともに、送気管60及び送気ファン61を備えることで熱風室55への風量の調節が行われる。一方、チャンバー50下端は排風ファン63を有するサイクロン51と排出ダクト62を介して接続され、サイクロン51により気流分離してパウダー化した汚物を機外に取り出すことができる。また、前記スプレードライヤ装置49の前段に、適宜の液体濃縮装置(図示せず)を備えると、LPGの燃料消費が少なく効率よくパウダー化を行うことができる。
【0046】また、分離手段11により分離された粒状物は、粒状物加熱手段34に供給すると、リサイクルが可能である。すなわち、粒状物加熱手段34では60〜200℃の熱風が粒状物に送給され、水分5%以下に乾燥し、再び攪拌混合手段10に供給される。そして、同じ粒状物を少なくとも5回までリサイクルに供することができ、しかも、後工程に湿式精米工程を設けることで白度が向上するという効果が、以下の例により確認できた。
【0047】
【実施例】原料条件 :粒状物として粉砕米(H11年広島産コシヒカリ)を使用した。
白度41.4%,歩留り90.5%粉砕米条件 :粒度1mm以上水分2.4〜4.9%、混入割合20%、■白度
【表1】


【0048】また、仕上がった無洗米を次工程のロータリーシフター39に移送して精選すれば、一定の基準粒度であれば、精品取出樋42から精品として排出され、一定の基準粒度を満たさないシフター細粒は、細粒取出樋41から一対のロール40に供給され、1.0〜1.7mmの粒度に粉砕される。そして、この粉砕米は糠除去工程の粒状物として利用することができる。
【0049】図10及び図11は、本発明の他の実施形態に係る精白米加工装置を示す。
【0050】精白米加工装置100は、上部に研削式精米部101を、下部に摩擦式精米部102を配設した縦型の精米工程Aと、互い平行に水平方向に配置された湿式加工部103、粒状物加工部104及び分離乾燥部105を備えた糠除去工程Bとから主要部が構成される(図10参照)。
【0051】精米工程Aでは、原料玄米を上部の原料投入口106から投入すると、研削式精米部101の上部側から下部側に流下されながら精米が行われ、抵抗蓋107を抗して精白米が排出される。次に、抵抗蓋107から排出された精白米は、流下樋108を介して摩擦式精米部102の供給口109に搬送され、摩擦式精米部102の下部側から上部側に上昇されながら精米が行われる。そして、摩擦式精米部102の抵抗蓋(図示せず)を抗して排出される精白米は、例えば、歩留90%程度の精白米に仕上げることができる。
【0052】精米工程Aで精米された精白米は、排出樋110から揚穀機142に供給して揚穀し、流下樋143を介して糠除去装置Bに供給される。糠除去工程Bに供給された精白米は湿式加工部103、粒状物加工部104及び分離乾燥部105を順に通過して、うまみ成分を残したまま糠が除去された精白米に仕上げられる。
【0053】湿式加工部103は、糠除去工程Bの最上部に横設した、スクリュー筒111内にスクリュー軸112を回転自在に横架し、スクリュー筒111の一端側に設けた供給口113には上方に向けて延出する供給筒114を接続するとともに、同他端に設けた排出口115に接続して排出筒116を垂下してある。
【0054】スクリュー軸112の供給始端側には供給用スクリュー刃117が設けられ、それ以外のスクリュー軸112には複数の攪拌羽根118が設けられる。また、供給筒114には、投入される原料精白米に霧状の水を添加する噴霧口119を臨ませてある。スクリュー軸112の一端に軸着したプーリー120と図外のモーターとはベルトにより連結してある。
【0055】粒状物加工部104は、湿式加工部103の下方に、該湿式加工部103のスクリュー筒111とほぼ同一のスクリュー筒121を横設し、該スクリュー筒121内にはスクリュー軸122を回転自在に横架する。そして、湿式加工部103の排出口115の直下に供給口123を設け、該供給口123には前記排出筒116を接続するとともに、搬送終端側には排出口124を設け、該排出口124に接続して排出筒125を垂下する。
【0056】また、前記同様に、スクリュー軸122の搬送始端側には供給用スクリュー刃126を設けるとともに、それ以外のスクリュー軸122には前記湿式加工部103と同一の複数の攪拌羽根127を軸着する。さらに、スクリュー筒121の搬送始端側に粒状物用供給ホッパー128を配設し、該ホッパー128はスクリュー筒121に接続される。スクリュー軸122の一端に軸着したプーリー129と図外のモーターとはベルトにより連結してある。
【0057】さらに、分離乾燥部105は、粒状物加工部104の更に下方に多数のスリットを備えたスクリーン筒130を横設し、該スクリーン筒130内には回転軸131を横架する。スクリーン筒130の搬送始端側には供給口132を開口し、該供給口132と粒状物加工部104の排出筒125とを接続する。また、回転軸131の搬送始端側には供給用スクリュー刃133を軸着するとともに、それ以外の回転軸131の数箇所には放射状に複数のアーム134を設け、該アーム134によって複数の攪拌翼135を支持してある。そして、回転軸131の一端に軸着したプーリー136と図示しないモータとはベルトにより連結してある。
【0058】また、スクリーン筒130の上面寄りには給風口137を設け、これに給風ダクト138を接続する。一方、該スクリーン筒130を覆う外筒139を設け、外筒139の底面寄りには排風ダクト140を接続するとともに、スクリーン筒130の搬送終端側には処理白米排出口141を設ける。
【0059】次に、上記構成の糠除去工程Bの作用について述べる。
【0060】糠除去工程Bの湿式加工部103では、流下樋143によって精白工程Aで精白された原料精白米がスクリュー筒111内に定量供給される。原料精白米は、供給口113付近に臨ませた噴霧口119から噴霧される、精白米重量比約5%の霧状水分の添加を受けた後、毎分500回転する供給用スクリュー刃117により搬送終端側に向けて搬送されるとともに、攪拌羽根118によって攪拌される。こうして攪拌されることにより、霧状水分が精白米表面にむらなく付着し、米粒表面の糠層を軟化する。
【0061】次に、粒状物加工部104では、湿式加工部103の排出口115から排出筒116を経て粒状物加工部104のスクリュー筒121内に供給された精白米は、毎分600回転の供給用スクリュー刃126及び攪拌羽根127によって搬送終端側に向けて攪拌されながら搬送されるのであるが、この際、供給用スクリュー刃126によって粒状物供給ホッパー128内の粒状物がスクリュー筒121内に供給される。粒状物は、例えば、タピオカ等の、澱粉質のものをアルファー化して乾燥し、硬度2〜5kgf/cm2のほぼ球状となし、かつ、一定の粒度に形成したものであり、70℃〜100℃の高温状態で供給されて精白米と混合される。混合比は、精白米に対して約50重量%(重量比)である。
【0062】前工程で水分を吸収し軟化した精白米表面の付着糠等は、高温の粒状物に接触した瞬時にアルファー化して粒状物に吸着除去され、米粒表面に再付着することはない。また、このとき、蒸発潜熱により米粒表面の温度を下げる作用を奏する。スクリュー筒121内は、約20gf/cmと比較的低圧であり、粒状物によって新たな糠が発生することはない。
【0063】また、分離乾燥部105では、粒状物加工部104から排出筒125を経て流下した精白米が、最終工程の分離乾燥部105のスクリーン筒130に供給され、毎分280回転する供給用スクリュー刃133によって搬送終端部に移送されるとともに攪拌翼135によって攪拌される。このとき、給風口137から毎分約60m3で流入する約40℃の風により、やや湿った米粒表面を乾燥させ、同時に、粒状物との分離を容易に行わしめる。
【0064】スクリーン筒130を通過した精白米は、処理白米排出口141から機外へ排出される一方、攪拌されながらスクリーン筒130のスリットから漏出した粒状物は、排風ダクト140から風と共に排出され、バッグフィルターなどにより分離した後、シフターなどにより粒度を一定にそろえて再び粒状物として使用される。
【0065】糠除去工程において粒状物として用いられるパールタピオカは以下の工程によって製造される。
【0066】1)スクリュー搬送装置に原料と大量の水(常温)を入れて搬送しながら攪拌し、原料の洗浄と剥皮を行う。
2)ドラム形状の装置にキャッサバを入れ、攪拌し微細な粒度に砕く。
3)網が内部に取り付けてある遠心分離機で磨砕したものを分離し、網外側に分離された澱粉乳を取り出す。
4)澱粉乳を2〜3日水槽に静置し、澱粉を沈殿させる。
5)水槽の上水を除去し、水を含んだ澱粉を鉄板をおいた平型乾燥機(温度は、鉄板上を人間の素足で上がれる温度)に移し、人力にて攪拌して乾燥する。ここまでの工程でタピオカの粉末が製品化する。
6)タピオカパールを作るためには、乾燥した澱粉に粘土状になる位まで再度水を加え10〜12時間置く。その後、ハンモックのような形の布製で左右に動く造粒装置に吸水した澱粉と、前工程で作られた乾燥した澱粉を混ぜて造粒する(粒度、形状は不揃い)。
7)造粒された湿ったタピオカをドラム形状の乾燥機に入れ、70〜90℃の熱風でタピオカの表面を加温する(この時のタピオカの硬さは、指の間に挟んでつぶすとつぶれるほどの硬さである)。
8)上部が織網で下部に鉄板が取り付けてある振動機(前後運動をする振動機)に前工程のタピオカを入れ、選別する。ここで網から抜けたタピオカは、下部の鉄板の上を転がることにより球状になる。
9)前工程で出来た球状のタピオカは、40〜50℃の平型乾燥機に移され、人力により乾燥攪拌され水分が10〜15%になるまで乾燥する。
10)シフターを用いて3種選別を行なう(マイクロ:1mm程度、スモール:3mm程度、ラージ:5mm程度)。
11)形状ごとに重量を測定し、袋詰めする。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、(a)精白穀類に水分を添加してその表面を軟化させる工程と、(b)該精白穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌し、精白穀類の穀粒表面に残存する糠を粒状物に吸着させて除去する工程と、(c)該精白穀類と粒状物とを分離する工程とを備えたので、工程(a)において搗精済みの精白穀類に水分を添加し、工程(b)においてこの状態の精白穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌し、精白穀類の隔壁の隅部に存在する糠を粒状物に接着させるものであるから、穀粒表面を傷つけることなく、穀粒表面から糠を容易に除去し、工程(c)において精白穀類と粒状物とを分離して、水分が保持され、食味が向上した無洗穀類に仕上げることができる。
【0068】また、必要に応じて前記工程(c)の後工程に、(d)無洗穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製し60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する工程と、(e)該無洗穀類と粒状物とを分離する工程と、を更に備えると、穀粒として米粒を用いた場合に白度が40%以上に向上した無洗米に仕上げることができる。
【0069】さらに、必要に応じて前記工程(c)の後工程に、(f)加湿搗精工程を備えることもでき、穀粒として米粒を用いれば白度が40%以上に向上した無洗米ができる。
【0070】そして、穀粒と粒状物との分離が不十分であっても、前記粒状物として可食性の穀粉、例えば、粉砕米や粉砕麦、その他、粟、稗、蕎麦、高粱、タピオカなど穀粒を粉砕したものを使用すれば食べても安全であり、また、一般的なものであるので経済的でもある。前記粒状物は水分を5%以下に調製すれば粒状物の水分が低いので、水分の高い穀粒表面の糠が粒状物へ吸着されやすくなる。
【0071】一方、穀類の外皮を除去して精白穀類に加工する搗精手段と、得られた精白穀類に水分を添加してその表面を軟化させる水分添加手段と、該精白穀類と1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する混合・攪拌手段と、精白穀類と粒状物とを分離する分離手段と、を備えた無洗穀類の製造装置であるから、水分が保持され、食味が向上した無洗穀類を製造することができる。
【0072】前記分離手段の後段に、無洗穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する第2混合・攪拌手段と、無洗穀類と粒状物とを分離する第2分離手段と、を更に備えた無洗穀類の製造装置であるから、穀粒として米粒を用いれば白度が40%以上に向上した無洗米を製造することができる。
【0073】前記分離手段の後段に、精白穀類を加湿搗精する湿式搗精手段を更に備えた無洗穀類の製造装置であるから、加湿搗精作用により穀粒の表面仕上げが行われ、穀粒として米粒を用いれば白度が40%以上に向上した無洗米を製造することができる。
【0074】前記湿式搗精手段の後段に、加湿搗精した精白穀類を温風乾燥する精白穀類乾燥手段を備えた無洗穀類の製造装置であるから、穀粒として米粒を用いた場合、加湿搗精後に米粒を水分15%程度に調質して食味を向上させることができる。
【0075】前記分離手段から使用済みの粒状物を取り出すとともに、この粒状物を加熱・乾燥して前記混合・攪拌手段に搬送し、粒状物の再利用を行う粒状物リサイクル手段を備えた無洗穀類の製造装置であるから、使用済みの粒状物を加熱・乾燥して、再び攪拌混合手段に供給すれば、粒状物の新たな供給が少なくなり経済的となる。。
【0076】そして、前記水分添加手段は、横設した第1のスクリュー筒と、第1のスクリュー筒内に配置された攪拌羽根を備えた第1スクリュー軸と、第1のスクリュー筒の一端側に精白穀類に霧状の水を添加する噴霧口とを含み、前記混合・攪拌手段は、前記水分添加手段の下方に配置され、第1のスクリュー筒とほぼ同一の寸法の第2のスクリュー筒と、第2のスクリュー筒内に配置された攪拌羽根を備えた第2のスクリュー軸と、第2のスクリュー筒の搬送始端側に配置された粒状物供給ホッパーとを含み、前記分離手段は、前記混合・攪拌手段の下方に配置され、多数のスリットを備えたスクリーン筒と、該スクリーン筒の上面寄りに配置された給風口、前記スクリーン筒を覆う外筒、該外筒の底面寄りに接続した排風ダクト及び前記スクリーン筒の搬送終端側に配設した処理白米排出口とを含む、無洗穀類の製造装置としたから、無洗穀類の白度を向上させるとともに、生産性を上げることができ、しかも、装置全体をコンパクト化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】玄米を精白米に精米加工したときの米粒表面を顕微鏡で見た概略断面図である。
【図2】精白米表面を加湿するとともに、粒状物を混合して糠分を隔壁から浮き上がらせるときの米粒表面を顕微鏡で見た概略断面図である。
【図3】隔壁から糠分が除去された無洗米を顕微鏡で見た概略断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す工程図である。
【図5】本発明の別の実施形態を示す工程図である。
【図6】本発明の細部を示す全体の工程図である。
【図7】糠除去工程のみを示す工程図である。
【図8】糠除去工程のみを示す工程図である。
【図9】スプレードライヤ装置を示す工程図である。
【図10】本発明の他の実施形態として示した無洗穀類製造装置の正面図である。
【図11】無洗穀類製造装置の糠除去工程の内部構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 胚乳部
2 隔壁
3 糠
4 粒状物
5 第1精米機
6 第2精米機
7 第3精米機
8 揚穀機
9 水分添加手段
10 攪拌混合手段
11 分離手段
12 精白米誘導筒
13 螺旋転子
14 水タンク
15 電磁弁
16 水管
17 水分添加装置
18 機枠
19 攪拌装置
20 精白米供給樋
21 粒状物供給樋
22 サイクロン
23 攪拌羽根
24 排出樋
25 篩網
26 粗選機
27 バイブレータ
28 第2攪拌混合手段
29 分離手段
30 湿式精米手段
31 精白米乾燥手段
32 粒状物取出樋
33 精白米取出樋
34 粒状物加熱手段
35 エアー搬送手段
36 搬送管
37 ブロア
38 揚穀機
39 ロータリーシフタ
40 ロール
41 細粒取出樋
42 精品取出樋
43 水タンク
44 電磁弁
45 水管
46 ホッパー
47 粉砕米排出樋
48 網
49 スプレードライヤ装置
50 スプレードライヤチャンバ
51 サイクロン
52 供給管
53 噴霧ノズル
54 高圧ポンプ
55 熱風室
56 燃焼バーナ
57 供給管
58 外気取り入れ管
59 燃焼ブロワ
60 送気管
61 送気ファン
62 排出ダクト
63 排風ファン
100 精白米加工装置
101 研削式精米部
102 摩擦式精米部
103 湿式加工部
104 粒状物加工部
105 分離乾燥部
106 原料投入口
107 抵抗蓋
108 流下樋
109 供給口
110 排出樋
111 スクリュー筒
112 スクリュー軸
113 供給口
114 供給筒
115 排出口
116 排出筒
117 供給用スクリュー刃
118 攪拌羽根
119 噴霧口
120 プーリー
121 スクリュー筒
122 スクリュー軸
123 供給口
124 排出口
125 排出筒
126 供給用スクリュー刃
127 攪拌羽根
128 粒状物用供給ホッパー
129 プーリー
130 スクリーン筒
131 回転軸
132 供給口
133 供給用スクリュー刃
134 アーム
135 攪拌翼
136 プーリー
137 給風口
138 給風ダクト
139 外筒
140 排風ダクト
141 処理白米排出口
142 揚穀機
143 流下樋

【特許請求の範囲】
【請求項1】 無洗穀類を製造する方法であって、(a)精白穀類に水分を添加してその表面を軟化させる工程と、(b)該精白穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌し、精白穀類の穀粒表面に残存する糠を粒状物に吸着させて除去する工程と、(c)該精白穀類と粒状物とを分離する工程と、を備えたことを特徴とする無洗穀類の製造方法。
【請求項2】 必要に応じて前記工程(c)の後工程に、(d)請求項1で得られた無洗穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する工程と、(e)該無洗穀類と粒状物とを分離する工程と、を更に備えてなる請求項1記載の無洗穀類の製造方法。
【請求項3】 必要に応じて前記工程(c)の後工程に、(f)加湿搗精工程、を備えてなる請求項1記載の無洗穀類の製造方法。
【請求項4】 前記粒状物は、可食性の粉砕穀類からなる請求項1、2又は3に記載の無洗穀類の製造方法。
【請求項5】 前記粒状物は、粉砕した麦、粟、稗、蕎麦、高粱のいずれかである請求項1、2又は3に記載の無洗穀類の製造方法。
【請求項6】 前記粒状物は、パールタピオカである請求項1、2又は3に記載の無洗穀類の製造方法。
【請求項7】 前記粒状物は水分を5%以下に調製してなる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の無洗穀類の製造方法。
【請求項8】 前記工程(a)において、精白穀類に重量比で3〜5%の水分が添加される請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の無洗穀類の製造方法。
【請求項9】 穀類の外皮を除去して精白穀類に加工する搗精手段と、得られた精白穀類に水分を添加してその表面を軟化させる水分添加手段と、該精白穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する混合・攪拌手段と、精白穀類と粒状物とを分離する分離手段と、を備えてなる無洗穀類の製造装置。
【請求項10】 前記分離手段の後段に、請求項9で得られた無洗穀類と、1.0mm〜1.7mmの粒度に調製して60℃以上に加熱した粒状物とを混合・攪拌する第2混合・攪拌手段と、該無洗穀類と粒状物とを分離する第2分離手段と、を更に備えてなる請求項9記載の無洗穀類の製造装置。
【請求項11】 前記分離手段の後に、無洗穀類を加湿搗精する湿式搗精手段を更に備えてなる請求項9記載の無洗穀類の製造装置。
【請求項12】 前記湿式搗精手段の後に、加湿搗精した無洗穀類を温風乾燥する精白穀類乾燥手段を備えてなる請求項11記載の無洗穀類の製造装置。
【請求項13】 前記分離手段から使用済みの粒状物を取り出すとともに、この粒状物を加熱・乾燥して前記混合・攪拌手段に搬送し、粒状物の再利用を行う粒状物リサイクル手段を備えてなる請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の無洗穀類の製造装置。
【請求項14】 前記水分添加手段は、横設した第1のスクリュー筒と、第1のスクリュー筒内に配置された攪拌羽根を備えた第1スクリュー軸と、第1のスクリュー筒の一端側に精白穀類に霧状の水を添加する噴霧口とを含み、前記混合・攪拌手段は、前記水分添加手段の下方に配置され、第1のスクリュー筒とほぼ同一の寸法の第2のスクリュー筒と、第2のスクリュー筒内に配置された攪拌羽根を備えた第2のスクリュー軸と、第2のスクリュー筒の搬送始端側に配置された粒状物供給ホッパーとを含み、前記分離手段は、前記混合・攪拌手段の下方に配置され、多数のスリットを備えたスクリーン筒と、該スクリーン筒の上面寄りに配置された給風口、前記スクリーン筒を覆う外筒、該外筒の底面寄りに接続した排風ダクト及び前記スクリーン筒の搬送終端側に配設した処理白米排出口とを含む、請求項9に記載の無洗穀類の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図9】
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【図11】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図7】
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【図10】
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【特許番号】特許第3206752号(P3206752)
【登録日】平成13年7月6日(2001.7.6)
【発行日】平成13年9月10日(2001.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−71762(P2001−71762)
【出願日】平成13年3月14日(2001.3.14)
【審査請求日】平成13年3月14日(2001.3.14)
【早期審査対象出願】早期審査対象出願
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【参考文献】
【文献】特開 平10−66884(JP,A)
【文献】特開 平11−178522(JP,A)
【文献】特開 平3−254648(JP,A)