説明

無端ベルト駆動制御装置、無端ベルト駆動制御方法、並びに画像形成装置

【課題】無端ベルトの速度制御と蛇行制御とを別々のセンサや制御手段を用いることなく、色ずれや画像の歪みを抑制する。
【解決手段】複数のローラに張架された無端ベルトに複数配列されるマークであり、かつ無端ベルトの移動方向に沿って所定の長さを持つマークを読み取って出力信号を出力するマーク検出手段19と、マーク検出手段により出力された出力信号に基づいて、無端ベルトの移動速度の制御を行う速度制御手段200と、マーク検出手段により出力された出力信号に基づいて、無端ベルトの蛇行を制御する蛇行制御手段300と、を備える無端ベルト駆動制御装置であって、各マークは無端ベルトの移動方向に垂直な辺を少なくとも1つ有し、出力信号は、無端ベルトの移動方向に対する直角方向において、前記マーク検出手段の無端ベルトに対する相対位置に応じて変動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端ベルト駆動制御装置、無端ベルト駆動制御方法、及び画像形成措装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、コピー手段、ファクシミリ(FAX)手段、プリント手段、スキャナ手段、および入力画像(スキャナ手段による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX手段により入力された画像)を配信する手段等を備えたMFP(Multi Function Peripheral:多手段周辺装置)では、トナーを重ね合わせるための無端ベルトの高精度な駆動制御が要求されている。
【0003】
例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの感光体上で現像されたトナー像を重ね合わせる中間転写ベルトの移動速度が変化すると、色ずれや画像の歪みが生じるなどの問題がある。このため、中間転写ベルトにおいては、中間転写ベルト上に一定の間隔でマークを設け、光センサでマークを読み取って出力したベルト移動出力信号と目標速度信号の差分に基づいて、ベルトが目標速度で移動するように、中間転写ベルトを駆動するモータの制御を行っている。
【0004】
ところが、中間転写ベルト上に配列されたマークで中間転写ベルトの移動速度を調整していても、中間転写ベルトが蛇行すると、副走査方向及び主走査方向の移動速度、移動量が理想と異なるため、色ずれや画像の歪みが生じてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、特許第3473148号公報(特許文献1)では、ベルトの側面部を挟みこむように位置センサを固定配置し、ベルトと位置センサの相対位置からベルトの蛇行を検出し、ベルトの蛇行を補正している。ここで、従来技術について図1を用いて説明する。図1は、特許文献1に記載の中間転写ユニットのハードウェア構成を示す図である。
【0006】
図1に示す中間転写ユニットは、中間転写ベルト、ローラ、モータ、モータドライバ、ギア、位置センサ、ローラ駆動装置で構成されている。中間転写ベルトは、複数のローラに張架される無端ベルトである。複数のローラには、少なくとも中間転写駆動ローラ、蛇行制御ローラ、斥力ローラが含まれる。モータは、モータドライバによって制御され、中間転写ユニットの駆動力を発生するモータである。モータの回転はギアを介して中間転写駆動ローラに伝達される。中間転写ベルトは、中間転写駆動ローラが回転することにより回転し、二次転写ローラとの間で転写紙へトナー像を転写する。
【0007】
また、位置センサは常にベルトの端部に接触しており、端部の位置が変わると出力信号が変わるセンサである。ローラ駆動装置は、上記位置センサの出力に応じて、上記蛇行制御ローラの水平軸を揺動させて中間転写ベルトの蛇行を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術では、速度を制御するための光センサと制御部とに加えて、蛇行を制御するための位置センサと制御部とを備えなければならなくなるため、無端ベルト駆動制御機構における部品の配置が困難になったり、コストアップになったりという課題があった。
【0009】
本願は、上記のような課題に鑑み、無端ベルトの速度制御と蛇行制御とを別々のセンサや制御手段を用いることなく、色ずれや画像の歪みを抑制することができる無端ベルト駆動制御装置、無端ベルト駆動制御方法、並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における一観点の無端ベルト駆動制御装置は、複数のローラに張架された無端ベルトに複数配列されるマークであり、かつ前記無端ベルトの移動方向に沿って所定の長さを持つマークを読み取って出力信号を出力するマーク検出手段と、前記マーク検出手段により出力された出力信号に基づいて、前記無端ベルトの移動速度の制御を行う速度制御手段と、前記マーク検出手段により出力された出力信号に基づいて、前記無端ベルトの蛇行を制御する蛇行制御手段と、を備える無端ベルト駆動制御装置であって、各マークは前記無端ベルトの移動方向に垂直な辺を少なくとも1つ有し、前記出力信号は、前記無端ベルトの移動方向に対する直角方向において、前記マーク検出手段の前記無端ベルトに対する相対位置に応じて変動する。
【0011】
また、本発明における他の観点の無端ベルト駆動制御方法は、マーク検出手段が、複数のローラに張架された無端ベルトに複数配列されるマークであり、かつ前記無端ベルトの移動方向に沿って所定の長さを持つマークを読み取って出力信号を出力するマーク検出段階と、出力された前記出力信号に基づいて、前記無端ベルトの移動速度の制御を行う速度制御段階と、出力された前記出力信号に基づいて、前記無端ベルトの蛇行を制御する蛇行制御段階と、を有する無端ベルト駆動制御方法であって、各マークは前記無端ベルトの移動方向に垂直な辺を少なくとも1つ有し、前記マーク検出段階において出力される出力信号は、前記無端ベルトの移動方向に対する直角方向における前記マーク検出手段の前記無端ベルトに対する相対位置に応じて変動する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無端ベルトの速度制御と蛇行制御とを別々のセンサや制御手段を用いることなく、色ずれや画像の歪みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来例の中間転写ユニットのハードウェア構成を示す図。
【図2】実施例1に係る画像形成装置の概要を示す図。
【図3】周辺の構成を含む中間転写ユニットの構成の概要を示す図。
【図4】中間転写ベルト上に配列されたマークの形状の一例を表した図。
【図5】マークの形状の例を表した図。
【図6】実施例1における無端ベルトの駆動制御機構の一例を示すブロック図。
【図7】中間転写ベルトの蛇行とベルト移動D信号との関係について説明する図。
【図8】ベルト移動速度制御とベルト蛇行制御との概要を説明する図。
【図9】マークの別配列の一例を表した図。
【図10】実施例2で用いるマークの一例を示す図。
【図11】光センサから出力される信号の周波数成分の一例を示す図。
【図12】実施例2における無端ベルトの駆動制御機構の一例を示すブロック図。
【図13】実施例3で用いるマークの一例を示す図。
【図14】光センサが中間転写ベルトに対して図13に示す位置A〜Cにある場合の信号強度の例を示す図。
【図15】実施例3における無端ベルトの駆動制御機構の一例を示すブロック図。
【図16】実施例3におけるその他のマーク例1を示す図。
【図17】実施例3におけるその他のマーク例2を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施例を詳細に説明する。以下、画像形成装置は例えばMFPなどである。
【0015】
[実施例1]
本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。実施例1に係る画像形成装置は、コピー手段、ファクシミリ(FAX)手段、プリント手段、スキャナ手段および入力画像(スキャナ手段による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX手段により入力された画像)を配信する手段等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称されるデジタル複合機を例にして説明する。
【0016】
図2は、実施例1に係る画像形成装置の概要を示す図である。図2に示す画像形成装置100は、自動原稿送り装置(ADF)1、スキャナ部2、画像書き込みユニット3、現像ユニット4、感光体ユニット5、給紙部6、中間転写ユニット7、二次転写ユニット8、搬送ユニット9、および定着ユニット10などの各ユニットで構成されている。
【0017】
自動原稿送り装置(ADF)1は、原稿を順次スキャナ部2へ送る装置である。スキャナ部2は、原稿に光を照射しながら原稿からの反射光を読み取ることで画像を読み取る装置である。スキャナ部2で読み取られた画像は、画像処理された後、画像書き込みユニット3へ送られる。
【0018】
画像書き込みユニット3は、画像データに応じてLD(Laser Diode:レーザーダイオード)を駆動し感光体ユニット5中の感光体ドラム上に潜像を形成するユニットである。感光体ユニット5は、フルカラーの場合Y(Yellow:黄)、M(Magenta:マゼンタ)、C(Cyan:シアン)、Bk(Black:黒)の4つの感光体ドラムを備える。現像ユニット4は、感光体ドラム上に作られた潜像にトナーを付着させて顕像化させるユニットである。
【0019】
感光体ドラム上で顕像化された画像は、中間転写ユニット7に含まれる中間転写ベルト上に転写される。フルカラーの場合、4色のトナーが順次中間転写ベルトに重ねられる。4色分の作像、転写工程が終了した時点で中間転写ベルトとタイミングを合わせて、給紙部6より転写紙が給紙される。次に、中間転写ベルトと二次転写ローラの間で、4色同時に中間転写ベルトから転写紙にトナーが転写される。
【0020】
二次転写ユニット8は、二次転写ベルトと中間転写ベルトとの間に送り込まれる転写紙に、中間転写ベルト上のトナー画像を一括転写する。搬送ユニット9はトナーが転写された転写紙を搬送するユニットである。定着ユニット10は、搬送部ユニット9によって送られた転写紙上のトナーを熱定着するユニットである。
【0021】
図3は、周辺の構成を含む中間転写ユニット7の構成の概要を示す図である。中間転写ユニット7は、中間転写ベルト11、複数のローラ14〜17、モータ13、モータドライバ12、光センサ19、ローラ駆動装置18を含む。
【0022】
中間転写ベルト11は、複数のローラに張架される無端ベルトである。複数のローラには、少なくとも中間転写駆動ローラ14、蛇行制御ローラ17、斥力ローラ15、二次転写ローラ16が含まれる。
【0023】
モータ13は、モータドライバ12によって制御され、中間転写ユニット7の駆動力を発生するモータである。モータ13が回転することによって発生する駆動力は、ギアを介して中間転写駆動ローラ14に伝達される。
【0024】
中間転写ベルト11は、中間転写駆動ローラ14が回転することにより回転し、二次転写ローラ16との間で転写紙へトナー像を転写する。モータ13によって中間転写ベルト11が移動する方向をベルト移動方向、ベルト移動方向に直角な方向をベルト幅方向とする。
【0025】
また、中間転写ベルト11には、アルミ等の反射材を用いてマーク20が形成されている。光センサ19は、中間転写ベルト11上に配列されたマーク20にビームを送出し、マーク20上で反射した光を読み取って、ベルト移動信号を出力する装置である。
【0026】
ローラ駆動装置18は、光センサ19の出力に応じて、蛇行制御ローラ17の水平軸を揺動させて中間転写ベルト11の蛇行を制御する。
【0027】
図4は、中間転写ベルト11上に配列されたマーク20の形状の一例を表した図である。マーク20はアルミ等の反射材を用いて形成されている。マーク20は、ベルトの幅方向に対して、光センサが照射したビームの長さより長く形成されている。つまり、ベルトの幅方向に対して、光センサからのビーム領域(以下、領域Aともいう)より長く形成されている。
【0028】
図4に示す例では、マーク20は略台形になるように形成されている。この台形は、上辺と一方の脚(第1の脚)の成す角が略直角であり、下辺と第1の脚の成す角も直角である。ここでは、直角台形と呼称する。マーク20は、中間転写ベルト11の移動方向に対して、下辺と上辺が略平行であり、上記した第1の脚が略垂直となっている。
【0029】
中間転写ベルト11に配置されたマーク20は、一般的に中間転写ベルト11の画像が形成される面の裏側に接着されている。画像が形成される面にはトナーが載せられ、マーク20が読み取れなくなるためである。
【0030】
また、画像が形成されない面であっても、画像が形成される領域の裏側を避けて中間転写ベルト11端部付近に形成されることが望ましい。画像形成領域の裏側にマーク20が接着されることにより、画像形成領域の帯電容量が変わる等の不具合が予想されるためである。図3に示す例では、中間転写ベルト11の裏側にマーク20が形成され、マーク20に対向する位置に光センサ19が設置されている。
【0031】
また、中間転写ベルト11上のマーク20の配列位置は、光センサ19を上としてベルト移動方向左側の端部である。なお、マーク20の配列位置はベルト移動方向右側であっても良い。
【0032】
なお、マーク20の向きや形はこれに限定されず、マーク20は、ベルトの幅方向に光センサ19の読取領域よりも長い一定の長さを持って形成されており、ベルトの幅方向において、一方の端から他方の端まで、マークの幅量が連続的、もしくは段階的に変化するように形成されているものであれば良い。ただし、ベルト一周でのマークの形状は、ほぼ同一である必要がある。また、マーク20は、中間転写ベルトに一定の間隔で形成されることが望ましい。これは、速度制御をしやすくなるからである。
【0033】
図5は、マーク20の形状の例を表した図である。図5(a)に示すマークは図4と同様に略台形となったマークである。図5(b)に示すマークは、略直角三角形のマークである。図5(a)に示すマーク及び図5(b)に示すマークは、一方の端から他方の端までのマークの幅(ベルト移動方向の長さ)が連続的に変化した例である。一方、図5(c)に示すマークは、マークの幅が段階的に変化した例である。また、図5の(d)、(e)及び(f)に示すマークのように、ベルトの幅方向端部にマーク幅の大きい側が来てもよい。
【0034】
図6は、実施例1における無端ベルトの駆動制御機構の一例を示すブロック図である。無端ベルト駆動制御機構は、光センサ19、A/D変換部22、制御部30、PWMタイマ21、モータドライバ12、モータ13、ローラ駆動手段18、及び蛇行制御ローラ17を含む。
【0035】
光センサ19は、中間転写ベルト11上に配列されたマーク20にビームを照射し、反射光に基づいてベルト移動信号を出力するセンサであり、画像形成装置内に固定されている。ベルト移動信号は、マーク20からの反射光を受光しているときにON状態、それ以外の時にOFF状態になる信号である。
【0036】
A/D変換部22は、光センサ19が出力したベルト移動信号をデジタル変換し、デジタル化されたベルト移動信号(以下、ベルト移動D信号という)として出力する装置である。なお、実施例1ではA/D変換部22を光センサ19の後段に設置しているが、A/D変換部22が光センサ19の内部に設けられる構成であっても良い。制御部30は、A/D変換部22の出力したベルト移動D信号を受信して、演算を行う手段である。
【0037】
制御部30は、RAM31、ROM32、CPUクロック33、CPUクロック34を含む。CPU34は、様々な演算を行う手段である。CPUクロック33は、CPU34での演算に用いる周波数の高いクロックである。RAM31は、内容を書き換えることが可能な、一時的に情報を記憶するメモリであり、CPU34の演算のために使用される。ROM32は、内容を書き換えることができないメモリである。
【0038】
CPU34は、第1カウントアップ手段35、第1カウント値保持手段36、PWM指示値演算手段37、第2カウントアップ手段38、第2カウント値保持手段39、位置補正量演算手段40を備えている。
【0039】
第1カウントアップ手段35は、CPUクロック33の出力クロックを受信してカウントアップする。第1カウント値保持手段36は、A/D変換部22の出力したベルト移動D信号に基づいて、第1カウントアップ手段35のカウント値を読み出して第1カウント値としてRAM31に保存する。具体的には、第1カウント値保持手段36は、ベルト移動D信号の値がOFF状態からON状態に変化すると第1カウントアップ手段35のカウント値を読み出して保存する。RAM31は、最新の第1カウント値から少なくとも2回以上の第1カウント値を保持する。
【0040】
PWM指示値演算手段37は、RAM31に保存された最新の第1カウント値と過去数回の第1カウント値に基づいて、モータドライバ12に与えるPWM値の値を演算し、PWM指示値を出力する。
【0041】
PWMタイマ21は、PWM指示値演算手段37からPWM指示値を受信し、PWM信号を生成するタイマである。モータドライバ12は、モータ13の各相に対して上下二つのトランジスタを有している。また、モータドライバ12は、PWMタイマ21によって生成されたPWM信号SG6に合わせてこれらのトランジスタがオンとオフを繰り返し、モータ13に駆動電圧を供給する装置である。
【0042】
モータ13は、モータドライバ12からの駆動電圧によって駆動され、回転が行われる。モータ13が回転すると、蛇行制御ローラ17が回転して中間転写ベルト11の移動が起こる。中間転写ベルト11が移動すると、光センサ19が中間転写ベルト11上に配置されたマーク20を検知してベルト移動信号を出力する。前述した内容が、速度制御手段200が有する機能である。
【0043】
CPU34に含まれる第2カウントアップ手段38は、A/D変換部22の出力するベルト移動D信号がOFF状態からON状態になると値をリセットし、CPUクロック33でカウントアップし、ベルト移動D信号がON状態からOFF状態になるとカウントアップをストップする。
【0044】
第2のカウント値保持手段39は、A/D変換部22の出力するベルト移動D信号がON状態からOFF状態になると、第2カウントアップ手段38のカウント値を読み出して第2カウント値としてRAM31に保存する。
【0045】
位置補正量演算手段40は、RAM31に保存されている第2カウント値とROM32に保存されている目標カウント値を読み出して比較し、比較結果に応じて位置補正指示を出力する。例えば、図4のようなマークが配列されている場合には、位置補正量演算手段40はカウント値が小さくなっている場合に蛇行制御ローラ17を所定量上昇させるような指示を出力する。ローラ駆動手段18は、ローラ駆動手段18の備えられた側を軸とし、備えられていない側の端を段階的に上下させて中間転写ベルト11の移動方向と直角方向の位置を補正する。前述した内容が、蛇行制御手段300が有する機能である。
【0046】
図7は、中間転写ベルト11の蛇行とベルト移動D信号との関係について説明する図である。図7(a)に示す例は、中間転写ベルト11が基準位置にある場合を示している。光センサ19は画像形成装置内に固定されているため、中間転写ベルト11が基準位置にある場合は、中間転写ベルト11上のマーク20と光センサ19の相対位置も基準位置となる。このときのベルト移動D信号を図7(d)に示す。ベルト移動D信号は光センサが照射したビームがマーク20上にあるときにON状態になり、それ以外のときはOFF状態になる信号である。図7では、ON期間をHigh、OFF期間をLowの信号として表す。図7(a)に示すように、マーク20と光センサ19が基準位置にある時のON期間Taは、ROM32に記憶されている基準期間(目標カウント値)とほぼ同一となっている。
【0047】
図7(b)、及び図7(c)は、中間転写ベルト11が蛇行してベルト幅方向に移動した場合を表す。図7(b)は、図4に示す構成において、光センサ19を上にして中間転写ベルト11が進行方向左に移動した場合を表している。図4に示す例では、マーク20が中間転写ベルト11の進行方向左側に配列されているため、図7(b)の場合、光センサ19とマーク20の相対位置では、光センサ19がマーク20に対して中間転写ベルト11の幅方向の中央側に移動する。
【0048】
このときのベルト移動D信号を図7(e)に示す。マーク20はベルト幅方向の端部側の幅量が細く、中央側の幅量が広くなるような直角台形であるため、ベルト移動D信号のON期間Tbは基準期間よりも広くなる。しかしながら、マーク20が直角台形であるため、ベルト移動D信号の立上りタイミングは図7(d)の中間転写ベルト11が基準位置にある場合と変わらない。蛇行はON期間の基準期間との差に基づいて制御され、ベルト速度は立上りタイミングに基づいて制御される。
【0049】
図7(c)は、図4に示す構成において、光センサ19を上にして中間転写ベルト11が移動方向右側に移動した場合を表す。図7(c)の場合、光センサ19とマーク20の相対位置は、光センサ19がマーク20に対してベルト幅方向の端部側に移動する。このときのベルト移動D信号を図7(f)に示す。図7(f)に示すように、光センサ19がベルト方向の端部側に移動するため、ベルト移動D信号のON期間Tcは基準期間よりも狭くなる。しかしながら、図7(e)の場合と同様にベルト移動D信号の立上りタイミングは図7(d)と変わらない。蛇行はON期間の基準期間との差に基づいて制御され、ベルト速度は立上りタイミングに基づいて制御される。
【0050】
なお、図7に示すマーク20と光センサ19との相対位置、及びベルト移動D信号の関係は、マーク20の向き及び中間転写ベルト11上での配置が図4と異なる場合には異なったものとなる。例えば、ベルト進行方向右側の端部に、マーク20が幅量の広い側がベルト端部側に来るように配列される場合、中間転写ベルト11が光センサ19を上にして進行方向右側に蛇行すると、マーク20と光センサ19の相対位置は、マーク20に対して光センサ19がベルト中央方向に移動するが、図7(f)のような幅の狭い信号が出力される。
【0051】
図8は、具体的な値を用いて、ベルト移動速度制御とベルト蛇行制御との概要を説明する図である。マーク20に対する光センサ19の相対位置が変動すると、ベルト移動D信号のON期間は変動するが、ベルト移動D信号の立上りタイミングは変動しない。このON期間と立上りタイミングを計測して、ベルト蛇行とベルト移動速度の制御を行う。
【0052】
第1カウントアップ手段35は、クロック信号の入力がある度にカウントアップを行っている。ベルト移動D信号がOFF状態からON状態、つまりLowからHighに変化すると、第1カウント値保持手段36は、第1カウントアップ手段35のカウント値を第1カウント値としてRAM31に保存する。図8では、まず「12」という値をRAM31に保存する。
【0053】
次に、ベルト移動D信号がLowからHighに変わったとき、第1カウントアップ手段35の値はRAM31に保存される。図8に示す例では「24」という値を保存している。この2つの値の差分「12」が基準より大きい場合、中間転写ベルト11の移動に基準よりも長い時間がかかっている。このためCPU34は、この2つの値の差分「12」が基準より大きければベルトの速度を速くする信号をPWMタイマ21に出力する。
【0054】
なお、基準値と比較する他の例として、過去に取得した第1カウント値を参考にして制御を行ってもよい。また、マークの配列間隔情報を元に中間転写ベルト11の移動速度を演算し、その結果と理想移動速度との差に基づいて制御を行ってもよい。
【0055】
第2カウントアップ手段38は、クロック信号があるとカウントアップする手段である。また、第2カウントアップ手段38は、ベルト移動D信号がOFF状態からON状態に変化すると値がリセットされ、ベルト移動D信号がON状態からOFF状態に変化するとカウントを停止する。
【0056】
図8に示す例では、第2カウントアップ手段38は、ベルト移動D信号がOFF状態からON状態、つまりLowからHighに変化するとカウント値を「0」にする。また、第2カウントアップ手段38は、カウント値が「6」になったところでベルト移動D信号のHighからLowへの変化を受けてカウントを停止する。第2カウントアップ手段38は、カウント値「6」を第2カウント値としてRAM31へ保存する。
【0057】
カウント値「6」が、ROM32に記憶された基準値より大きい場合には、マーク20と光センサ19の相対位置で、光センサ19がベルト中央方向に移動している。このため、CPU34は、第2カウント値「6」が基準値より大きい場合には、ローラ駆動手段18に、ローラ駆動手段18が取り付けられている側の端部を軸にして他方の端部を下部へ移動させる指示を行う。なお、基準値は、光センサ19が中間転写ベルト11に対して基準位置にいるときのカウント値を予め調べておき、このカウント値を基準値とする。
【0058】
以上、実施例1によれば、図4に示すように、マーク20が中間転写ベルト11の幅方向に光センサ19の読取領域よりも長い一定の長さを持って形成されており、中間転写ベルト11の幅方向において、一方の端から他方の端まで、マーク20の幅量が連続的、もしくは段階的に変化するように形成されている。
【0059】
これにより、光センサ19がマーク20のベルト移動方向に垂直の辺を検知した瞬間の信号は、蛇行の有無にかかわらず速度に応じたものとなり、少なくとも1つのマーク全体を検知したときの信号は、光センサ19の中間転写ベルト11(マーク20)に対する相対位置(ベルトの蛇行)に応じて変動する。
【0060】
よって、1つの光センサ19がマーク20を検知して出力するベルト移動信号から、ベルト幅方向位置とベルト速度を同時に検知することができる。このため、ベルト幅方向位置を検知するために新たな光センサを備えることがないので、コストを抑えられ、また各部品の配置が容易になるという効果を奏する。
【0061】
なお、前述した例では、中間転写ベルト11が移動すると移動方向に垂直な辺から光センサ19に検知されるように配列されていた。以下に示す例では、中間転写ベルト11が移動すると最後に垂直な辺が来るようにマーク20を配置した例について説明する。
【0062】
図9は、マーク20の別配列の一例を表した図である。上記したように、中間転写ベルト11が移動すると、まずベルト移動方向に傾斜をもった辺から検知し、最後にベルト移動方向に垂直な辺を検知する。
【0063】
図9に示すマークの配列において、図4に示すマークの配列と最も大きな違いは、ベルト速度を制御する場合に、立下りエッジ信号に基づいてベルト速度を演算している点である。つまり、マークの向きが、ベルト移動方向において逆になったとしても本発明を適用することができる。
【0064】
[実施例2]
実施例2では、実施例1とは異なるマークを用いて、ベルト速度制御とベルト蛇行制御とを1つの光センサ19を用いて行う。図10は、実施例2で用いるマークの一例を示す図である。図10に示すように、実施例2で用いるマークは、ベルト幅方向の長さに複数の種類を有する。また、これらのマークは、ベルト幅方向における一方の端部をベルト幅方向における同一の位置にそろえる。
【0065】
また、センサから見ると、中間転写ベルト11が幅方向の所定の方向に移動するとマークの検知周期が大きくなり、中間転写ベルト11が所定の方向とは逆方向に移動するとマークの検知周期が小さくなるように配列されている。
【0066】
蛇行制御手段500は、A/D変換部22から出力されるベルト移動D信号を周波数変換し、周波数成分の振幅を用いて蛇行制御を行う。図11は、光センサ19から出力される信号の周波数成分の一例を示す図である。図11に示す周波数「f」を検出する場合は、光センサ19が中間転写ベルト11に対して基準位置にある場合に検出する周波数である。また、周波数「f/2」は、光センサ19が相対的に中間転写ベルト11のベルト幅方向に対して中央方向に移動するように、中間転写ベルト11が移動した場合に検出される周波数である。また、周波数「2f」は、光センサ19が相対的に中間転写ベルト11のベルト幅方向に対して端部方向に移動するように、中間転写ベルト11が移動した場合に検出される周波数である。
【0067】
例えば、図10に示す「光センサからのビーム」の位置に光センサ19からのビームが位置する場合、光センサ19からの出力信号には周波数「f」が出現するとする。この場合、中間転写ベルト11が図10の上方向に移動すると、光センサ19は現在の位置よりも図10の下部のマークを読み取ることになる。よって、マークの検知周期が大きく(周波数が小さく)なり、光センサ19からの出力信号に「f/2」の周波数が出現する。逆に、中間転写ベルト11が図10の下方向に移動すると、光センサ19からの出力信号に「2f」の周波数が出現する。
【0068】
図12は、実施例2における無端ベルトの駆動制御機構の一例を示すブロック図である。図12に示す機能において、図6に示す機能と同様の機能は同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0069】
周波数解析手段50は、A/D変換部22から出力されたベルト移動D信号に対して周波数変換を行って周波数成分を解析する。画像を書き込む前の10s(second)程度で周波数解析が行われる。また、周波数解析手段50は、解析した周波数成分の振幅(図11参照)を位置補正量演算手段51に出力する。また、周波数解析手段50は、周波数「f」を検出したときに、第1カウント値保持手段52にその旨を通知する。
【0070】
位置補正量演算手段51は、周波数成分「f/2」が検出された場合は、光センサ19が中間転写ベルト11の端部方向に位置するよう蛇行制御ローラ17を制御する。また、位置補正量演算手段51は、周波数「2f」が検出された場合は、光センサ19が中間転写ベルト11の中央方向に位置するよう蛇行制御ローラ17を制御する。
【0071】
速度制御手段400に含まれる第1カウント値保持手段52は、周波数解析手段50から通知を受ける度に、第1カウントアップ手段35のカウント値をRAM31に保存する。CPU34は、RAM31のカウント値の差分を基準値と比較すれば、実施例1と同様にして速度制御を行うことができる。
【0072】
つまり、RAM31のカウント値の差分が基準値と比べて小さければ、中間転写ベルト11の速度が基準速度よりも早いので、CPU34は、ベルト速度を遅くするよう制御する。また、RAM31のカウント値の差分が基準値と比べて小さければ、中間転写ベルト11の速度が基準速度よりも遅いので、CPU34は、ベルト速度を早くするよう制御する。なお、基準値は、所望のベルト速度における周波数「f」を検出する間隔(カウント値)とし、予めROM32などに記憶しておく。
【0073】
なお、前述した例では光センサ19が基準位置にある場合に「f」のみしか検出されないとして説明したが、これは光センサ19から出力されたビームにおけるベルト幅方向の幅が、マークの「f」を出力する部分の幅よりも小さい場合である。ビームの幅が大きい場合には、予め基準となる周波数を記憶しておき、基準よりも「f/2」の信号が大きくなった場合、又は「2f」の信号が大きくなった場合に、位置補正量演算手段51が蛇行制御ローラ17を制御するようにしてもよい。
【0074】
また、前述した例ではベルト幅方向の一方の端部にマークの端部がそろうようにマークを配置したが、ベルト中央側でマークの端部がそろうように配置しても問題ない。この場合、「f/2」と「2f」が検出されるときの補正方向を逆にすればよい。
【0075】
以上、実施例2によれば、図10に示すようなマークを用いても、実施例1同様、無端ベルトの速度制御と蛇行制御とを別々のセンサや制御手段を用いることなく、色ずれや画像の歪みを抑制することができる。
【0076】
[実施例3]
実施例3では、実施例1、2とは異なるマークを用いて、ベルト速度制御とベルト蛇行制御とを1つの光センサ19を用いて行う。図13は、実施例3で用いるマークの一例を示す図である。図13に示すように、実施例3で用いるマークは、反射型スケールの片側に反射領域がある構成とする。
【0077】
図13に示すマークに対して、光センサ19の位置がベルトに対して相対的にずれた場合に、光センサ19から出力されるベルト移動信号の信号強度を、図14を用いて説明する。
【0078】
図14は、光センサ19が中間転写ベルト11に対して図13に示す位置A〜Cにある場合の信号強度の例を示す図である。図14に示すように、光センサ19の位置が位置Cにある場合、反射領域が大きく反射光を多く受光するため、信号強度は強くなる。また、光センサ19の位置が位置Bにある場合、この位置を基準位置としておき、基準位置における信号強度の最大値(Vmax)と波高値(Vp−p)をROM32に記憶しておく。また、光センサ19の位置が位置Aにある場合、反射領域からの反射光が少なくなるため、信号強度は弱くなる。
【0079】
このとき、図15に示す蛇行制御手段700は、A/D変換部22から出力されるベルト移動信号の強度を検出し、ベルト移動信号の最大値(Vmax)の大きさに対する波高値(Vp−p)の大きさの割合(Vp−p/Vmax)を算出する。蛇行制御手段700は、算出した割合が基準値と比べて大きいか小さいかで蛇行量を算出し、ベルト幅方向へのズレを補正する。なお、基準値は、図13に示す位置Bのときのベルト移動信号の最大値の大きさに対する波高値の大きさの割合とする。
【0080】
なお、ベルト移動信号の最大値の大きさに対する波高値の大きさの割合を用いて蛇行制御を行う以外にも、波高値のみを用いて蛇行制御を行ってもよい。
【0081】
図15は、実施例3における無端ベルトの駆動制御機構の一例を示すブロック図である。図15に示す機能において、図6に示す機能と同様の機能は同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0082】
強度検出手段60は、光センサ19から出力されたベルト移動信号の信号強度を検出し、最大値(Vmax)と波高値(Vp−p)との割合を算出する。強度検出手段60は、算出した割合を位置補正量演算手段61に出力する。また、強度検出手段60は、信号のピーク値を検出した場合は、その旨を第1カウント値保持手段62に通知する。
【0083】
位置補正量演算手段61は、信号強度検出手段60により算出された最大値(Vmax)と波高値(Vp−p)との大きさの割合(Vp−p/Vmax)を基準値と比較する。位置補正量演算手段61は、割合(Vp−p/Vmax)と基準値との差分によって、蛇行量と蛇行の方向を検知できる。例えば、図13に示すマークの場合、割合が基準値よりも小さければ、光センサ19からのビームの位置が中央方向にずれるように中間転写ベルト11が蛇行していることが分かり、割合が基準値よりも大きければ、光センサ19からのビームの位置が端部方向にずれるように中間転写ベルト11が蛇行していることが検知できる。また、位置補正量演算手段61は、割合と基準値との差分値の絶対値により、蛇行量(ベルト幅方向へのズレ量)を検知することができる。
【0084】
なお、前述した制御は、図13に示すようにベルト幅方向の中央側に反射領域がある場合であり、ベルト幅方向の端部側に反射領域があるようにマークを配置する場合、検知される蛇行の方向は逆になる。
【0085】
第1カウント値保持手段62は、強度検出手段60から通知を受ける度に、第1カウントアップ手段35のカウント値をRAM31に保存する。CPU34は、RAM31のカウント値の差分を基準値と比較すれば、実施例1と同様にして速度制御を行うことができる。
【0086】
つまり、信号強度のピーク値の間隔が基準値と比べて短ければ、中間転写ベルト11の速度が基準速度よりも速いので、CPU34は、ベルト速度を遅くするよう制御する。また、信号強度のピーク値の間隔が基準値と比べて長ければ、中間転写ベルト11の速度が基準速度よりも遅いので、CPU34は、ベルト速度を速くするよう制御する。なお、ベルト制御に用いる基準値は、位置Bにおいて、所望のベルト速度で検出する信号強度のピーク値の間隔(カウント値)とする。
【0087】
以上、実施例3によれば、図13に示すようなマークを用いても、実施例1や実施例2同様、無端ベルトの速度制御と蛇行制御とを別々のセンサや制御手段を用いることなく、色ずれや画像の歪みを抑制することができる。
【0088】
次に、実施例3に適用できるマークの例について説明する。以下に示すマークの例は、光センサを2つ用いて行う点が図13に示すマークとの違いである。
【0089】
図16は、実施例3におけるその他のマーク例1を示す図である。図16に示すマークは、中間転写ベルトの移動方向に平行な連続する反射領域が2列あり、反射領域の間に、ベルト幅方向に平行な反射型スケールが一定間隔で配置される。図16に示すマークの場合、光センサは2つ配置される。それぞれの光センサA、Bの位置は、光ビームの領域が反射領域の内側で接するように配置される。
【0090】
前述したように光センサA、Bを配置することで、中間転写ベルト11が蛇行した場合には、いずれか一方だけの光センサからの出力信号の割合(Vp−p/Vmax)が変化するので、位置補正量演算手段61は、蛇行量と蛇行方向とを検知することができる。ベルと速度制御については、実施例3と同様にすればよい。
【0091】
図17は、実施例3におけるその他のマーク例2を示す図である。図17に示すマークは、中間転写ベルトの移動方向に平行な連続する反射領域が3列あり、反射領域の間に、ベルト幅方向に平行な反射型スケールが一定間隔で2列配置される。図17に示すマークの場合、光センサは2つ配置される。それぞれの光センサA、Bの位置は、それぞれの光ビームの領域が、中央の反射領域に接し、それぞれベルト幅方向に対して逆方向になるよう配置される。また、それぞれの光センサA、Bは、ベルト移動方向に対して別の位置に配置される。
【0092】
前述したように光センサA、Bを配置することで、中間転写ベルト11が蛇行した場合には、いずれか一方だけの光センサからの出力信号の割合(Vp−p/Vmax)が変化するので、位置補正量演算手段61は、蛇行量と蛇行方向とを検知することができる。ベルト速度制御については、実施例3と同様にすればよい。なお、前述したように、本発明において、ベルト速度制御とベルト蛇行制御とを行う光センサを複数用いてもよい。
【0093】
なお、本発明は、上記各実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記各実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 定着ユニット
11 中間転写ベルト
12 モータドライバ
13 モータ
14 中間転写駆動ローラ
15 斥力ローラ
16 二次転写ローラ
17 蛇行制御ローラ
18 ローラ駆動手段
19 光センサ
20 マーク
21 PWMタイマ
22 A/D変換部
30 制御部
31 RAM
32 ROM
33 CPUクロック
34 CPU
35 第1カウントアップ手段
36、52、62 第1カウント値保持手段
37 PWM指示値演算手段
38 第2カウントアップ手段
39 第2カウント値保持手段
40、51、61 位置補正量演算手段
50 周波数解析手段
60 強度検出手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特許第3473148号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラに張架された無端ベルトに複数配列されるマークであり、かつ前記無端ベルトの移動方向に沿って所定の長さを持つマークを読み取って出力信号を出力するマーク検出手段と、
前記マーク検出手段により出力された出力信号に基づいて、前記無端ベルトの移動速度の制御を行う速度制御手段と、
前記マーク検出手段により出力された出力信号に基づいて、前記無端ベルトの蛇行を制御する蛇行制御手段と、を備える無端ベルト駆動制御装置であって、
各マークは前記無端ベルトの移動方向に垂直な辺を少なくとも1つ有し、
前記出力信号は、前記無端ベルトの移動方向に対する直角方向において、前記マーク検出手段の前記無端ベルトに対する相対位置に応じて変動する無端ベルト駆動制御装置。
【請求項2】
前記マークは、ベルトの移動方向と直角方向に形成され、該直角方向に複数の長さを持ち、
前記出力信号は、前記無端ベルトに対して前記マーク検出手段が第1の位置にある場合には所定の周波数を持つ第1の信号となり、前記無端ベルトに対して前記マーク検出手段が第2の位置にある場合には前記第1の信号とは異なる周波数を持つ第2の信号となり、前記周波数は、前記マークにおける前記直角方向の長さに応じて異なる請求項1記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項3】
前記蛇行検出手段は、
前記出力信号における周波数が、所定の周波数になるように、前記無端ベルトの移動方向と垂直方向への移動を制御する請求項2記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項4】
前記速度制御手段は、
前記出力信号における所定の周波数が検出される間隔が、予め定められた所定の基準の値になるように、前記無端ベルトの移動速度を制御する請求項2又は3記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項5】
前記第1の信号と前記第2の信号とは、いずれか一方の周波数が、他方の周波数の整数倍になる請求項2乃至4いずれか一項に記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項6】
前記マークは、前記無端ベルトの移動方向に対する直角方向に前記マーク検出手段の読取領域より長い一定の長さを持って形成されており、また、該マークは前記直角方向において、一方の端から他方の端まで、該マークの幅量が連続的、もしくは段階的に変化するように形成されている請求項1記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項7】
前記出力信号は、前記マーク検出手段が前記マークを読み取っていた期間をON状態とし、該ON状態以外をOFF状態とする信号であり、
前記速度制御手段は、
前記マークにおける前記無端ベルトの移動方向に垂直な辺を前記マーク検出手段が読み取ったタイミングに基づいて、前記無端ベルトの移動速度を制御し、
前記蛇行制御手段は、
前記出力信号のON期間の長さに基づいて、前記無端ベルトの蛇行を制御する請求項6記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項8】
前記蛇行制御手段は、
前記出力信号のON期間が、予め定められた基準の値になるように、前記無端ベルトの移動方向と垂直方向への移動を制御する請求項7に記載の無端ベルト駆動制御装置
【請求項9】
前記速度制御手段は、
前記出力信号がOFF状態からON状態になるタイミングの間隔が、予め定められた基準の値になるように、前記無端ベルトの移動速度を制御する請求項7又は8に記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項10】
前記マークは、前記無端ベルトの移動方向に平行な所定の領域が連続して形成され、該所定の領域に接するように、前記移動方向の直角方向に所定の長さを持つ矩形が一定間隔で形成され、
前記無端ベルトに対して前記マーク検出手段が第1の位置にある場合には、前記出力信号の信号強度は所定の振幅と所定の波高値とを持つ第1の信号となり、前記無端ベルトに対して前記マーク検出手段が第2の位置にある場合には、前記出力信号の信号強度は前記第1の信号とは異なる振幅と波高値とを持つ第2の信号となる請求項1記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項11】
前記蛇行制御手段は、
前記出力信号の信号強度における前記振幅の最大値に対する波高値の割合が、予め定められた基準の値となるように、前記無端ベルトの移動方向と垂直方向への移動を制御する請求項10記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項12】
前記速度制御手段は、
前記出力信号の信号強度における前記振幅のピーク値を検出する間隔が、予め定められた基準の値となるように、前記無端ベルトの移動速度を制御する請求項10又は11記載の無端ベルト駆動制御装置。
【請求項13】
マーク検出手段が、複数のローラに張架された無端ベルトに複数配列されるマークであり、かつ前記無端ベルトの移動方向に沿って所定の長さを持つマークを読み取って出力信号を出力するマーク検出段階と、
出力された前記出力信号に基づいて、前記無端ベルトの移動速度の制御を行う速度制御段階と、
出力された前記出力信号に基づいて、前記無端ベルトの蛇行を制御する蛇行制御段階と、を有する無端ベルト駆動制御方法であって、
各マークは前記無端ベルトの移動方向に垂直な辺を少なくとも1つ有し、
前記マーク検出段階において出力される出力信号は、前記無端ベルトの移動方向に対する直角方向において、前記マーク検出手段の前記無端ベルトに対する相対位置に応じて変動する無端ベルト駆動制御方法。
【請求項14】
請求項1乃至12いずれか一項に記載の無端ベルト駆動制御装置を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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