説明

無線タグ、無線タグ読み取り端末、無線タグ作成装置、楽曲情報システム

【課題】利用者が自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる無線タグ、無線タグ読み取り端末、無線タグ作成装置、及び楽曲情報システムを提供する。
【解決手段】情報を記憶するIC回路部150と情報を送受信するためのタグ側アンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toを有し、IC回路部150は、MIDI音源を駆動して楽曲を再生するためのMIDIデータを記憶保持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグ、この無線タグから情報を読み取るための無線タグ読み取り端末、無線タグを作成するための無線タグ作成装置、及び楽曲情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用化されつつある。
【0003】
例えばこのRFIDシステムをカラオケの選曲システムに適用した従来技術として、特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、利用者がカラオケ装置で選曲を行った際に、その選曲情報(曲番号を示すデータ)がICカードに設けられたIC回路部に選曲履歴として記憶される。これにより、次回カラオケ利用時には、利用者がそのICカードから読み出した選曲履歴から所望の曲を選択し、その選曲情報をカラオケ装置に送信することにより、自分の所望する曲を容易に選曲することを可能としている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−127967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術においては、カラオケ利用者がICカードに記憶した選曲情報を用いて選曲を行うようにしているが、選曲情報は楽曲そのもののデータではなく曲番号を示すデータであるため、異なるカラオケ店を利用する場合や異なるメーカーのカラオケ装置を用いる場合等、同じ曲であっても曲番号形式が異なるような場合には所望の選曲ができないおそれがあった。また、カラオケ店によって新曲の配信ペースや楽曲の再生に用いられる音源設備が異なる場合があり、このために新曲に対応する選曲情報をICカードに記憶させていてもその新曲が配信されていないカラオケ店では選曲することができなかったり、所望の曲を選曲することはできても利用者が所望する音で楽曲の再生がなされず、利用者が満足できないおそれがあった。さらには、上記従来技術ではICカードから読み出した選曲履歴から利用者が所望の曲を選択するようにしているため、選曲手順中に利用者の操作による選択行為が介在し、誤った選曲が行われるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、利用者が自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる無線タグ、無線タグ読み取り端末、無線タグ作成装置、及び楽曲情報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、音源を駆動して楽曲を再生するための音源駆動データに関連する情報が表示された被表示媒体と、前記被表示媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子とを有し、前記IC回路部は、前記音源駆動データを記憶保持していることを特徴とする。
【0008】
本願第1発明の無線タグにおいては、音源を駆動して楽曲を再生するための音源駆動データが、IC回路部に記憶されている。これにより、無線タグ読み取り端末で、この無線タグより音源駆動データ(又はこの音源駆動データに対応した音声データ)を取得することが可能となる。
【0009】
すなわち、無線タグ読み取り端末に音源を備える場合には、無線タグより音源駆動データを取得することで、その音源駆動データに基づき無線タグ読み取り端末の音源で発音信号を発生させ、対応する楽曲の再生を行うことができる。
【0010】
また無線タグに音源を備える場合には、音源駆動データを用いてその音源で音声データを復号させ、その復号した音声データを無線タグ読み取り端末で取得する。これにより、その音声データに基づく発音信号を用いて対応する楽曲の再生を行うことができる(無線タグにソフトウェア音源を備える場合にはソフトウェア音源と音源駆動データとを無線タグ読み取り端末で取得し、無線タグ読み取り端末においてその音源駆動データでソフトウェア音源を駆動し発音信号を発生させてもよい)。このように、無線タグに対し無線タグ読み取り端末で読み取りを行うだけで楽曲の再生を行えるので、利用者は自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記被表示媒体としての、前記音源駆動データに関連する情報が印字された被印字媒体と、前記被印字媒体又はこれに貼り合わせるタグ媒体に設けられた前記無線タグ回路素子とを有することを特徴とする。
【0012】
本願第2発明の無線タグにおいては、音源を駆動して楽曲を再生するための音源駆動データがIC回路部に記憶されるとともに、上記音源駆動データに関連する情報(テキスト等)が被印字媒体に印字されている。これにより、無線タグ読み取り端末で、この無線タグより音源駆動データ(又はこの音源駆動データに対応した音声データ)を取得し再生を行う際に、操作者は無線タグの印字を見ることで音源駆動データに関する情報を認識することができる。その結果、操作者が誤った無線タグを用いることを回避でき、所望の楽曲を確実に再生することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2発明において、前記IC回路部は、前記楽曲の再生時に歌詞を画像表示するためのテキストデータを記憶保持していることを特徴とする。
【0014】
これにより、楽曲を再生するときに併せて歌詞を表示することが可能となるので、カラオケ用の楽曲としての再生を行うことができる。
【0015】
第4の発明は、上記第2又は第3発明において、前記IC回路部は、前記楽曲の再生時に効果音を鳴動するための効果音データを記憶保持していることを特徴とする。
【0016】
これにより、楽曲を再生するときに併せて効果音を再生することが可能となり、特にカラオケ用の楽曲としての再生を行うときに利用者の満足感を向上させることができる。
【0017】
第5の発明は、上記第2乃至第4発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記楽曲の属する音楽分野に関する識別子を記憶保持していることを特徴とする。
【0018】
これにより、識別子を活用し、楽曲のジャンルに応じた活用が可能となる。例えば、複数の無線タグがある場合に音楽分野ごとにグループ分けして読み取りを行ったり、読み取り後のデータを音楽分野ごとにグループ分けして格納あるいは再生したりすることが可能である。また効果音を併せて再生するときに、音楽分野に応じて効果音の態様を自動選択・変換するようにしたり、音楽分野に合致しない効果音を利用者が実行しようとした場合に、報知手段でその旨を利用者に報知又は警告したり、効果音を実行しないようにすることが可能となる。
【0019】
第6の発明は、上記第2乃至第5発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記音源駆動データにより駆動されて音声データを出力可能なタグ側音源手段を前記音源として記憶保持することを特徴とする。
【0020】
タグ側音源手段を備えることにより、IC回路部に記憶した音源駆動データを用いてこのタグ側音源手段で音声データを復号させることができる。これにより、復号した音声データを無線タグ読み取り端末で取得させることで、その音声データに基づく発音信号を用いて対応する楽曲の再生を行うことができる。あるいは、ソフトウェア音源を備える場合には、ソフトウェア音源と音源駆動データとを無線タグ読み取り端末で取得し、無線タグ読み取り端末においてその音源駆動データでソフトウェア音源を駆動し発音信号を発生させ、対応する楽曲の再生を行うようにしてもよい。
【0021】
上記目的を達成するために、第7の発明は、楽曲を再生するための音源駆動データ又は音声データを記憶保持した楽曲用無線タグと無線通信を行うための端末側通信手段と、前記端末側通信手段を介した無線通信により、前記楽曲用無線タグより前記音源駆動データ又は前記音声データを取得するデータ読み取り手段と、前記データ読み取り手段で取得した前記音源駆動データ又は前記音声データに基づきしたがって再生される楽曲を増幅するための増幅手段とを有することを特徴とする。
【0022】
本願第7発明の無線タグ読み取り端末においては、端末側通信手段を介し、データ読み取り手段が、楽曲用無線タグより音源駆動データ又は音声データを取得する。無線タグ読み取り端末で端末側音源を備える場合には、音源駆動データを取得することにより、その音源駆動データに基づき端末側音源が発音信号を発生し、これによって増幅手段での増幅後スピーカー等の発音手段で対応する楽曲の再生を行うことが可能となる。楽曲用無線タグでタグ側音源を備える場合には、音声データを取得することにより、その音声データに基づく発音信号を用いて、増幅手段での増幅後スピーカー等の発音手段で対応する楽曲の再生を行うことが可能となる(楽曲用無線タグにソフトウェア音源を備える場合にはソフトウェア音源と音源駆動データとを無線タグ読み取り端末で取得し、無線タグ読み取り端末においてその音源駆動データでソフトウェア音源を駆動し発音信号を発生させてもよい)。このように、楽曲用無線タグに対し無線タグ読み取り端末で読み取りを行うだけで楽曲の再生を行えるので、利用者は自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる。
【0023】
第8の発明は、上記第7発明において、前記増幅手段で増幅された楽曲を再生する発音手段を有することを特徴とする。
【0024】
増幅手段での増幅後、発音手段より所望の楽曲を再生することができる。
【0025】
第9の発明は、上記第8発明において、前記データ読み取り手段を介し前記楽曲用無線タグより取得された前記音源駆動データによって駆動される端末側音源手段を有し、前記増幅手段は、前記端末側音源手段からの発音信号を増幅し、前記発音手段は、前記増幅手段で増幅された発音信号に基づき前記楽曲を再生することを特徴とする。
【0026】
無線タグ読み取り端末で端末側音源手段を備えることにより、楽曲より取得した音源駆動データに基づき端末側音源手段が発音信号を発生することができる。これにより、その発音信号に基づき、発音手段で対応する楽曲の再生を行うことができる。また、無線タグ読み取り端末側に音源を備えることで、楽曲用無線タグ側に音源を備える必要がなくなる。この結果、楽曲用無線タグのメモリの容量が少ない場合であっても所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また持ち運べる楽曲数を増やすことができる。
【0027】
第10の発明は、上記第8発明において、前記増幅手段は、前記楽曲用無線タグに備えられたタグ側音源手段から前記データ読み取り手段を介し取得された前記音声データに基づく発音信号を増幅し、前記発音手段は、前記増幅手段で増幅された発音信号に基づき前記楽曲を再生することを特徴とする。
【0028】
楽曲用無線タグがタグ側音源手段を備えることにより、データ読み取り手段で取得した音声データに基づく発音信号を用いて、発音手段で対応する楽曲の再生を行うことができる。また、楽曲用無線タグ側に音源を備えることで、無線タグ読み取り端末側に音源がなかったりスペックが足りなかったりしても、単に読み取り機能さえあれば所望の楽曲を確実に再生可能である。
【0029】
第11の発明は、上記第8発明において、前記データ読み取り手段は、前記端末側通信手段を介した無線通信により、前記楽曲用無線タグに備えられたタグ側音源手段と、前記音源駆動データとを取得し、前記増幅手段は、前記データ読み取り手段を介し取得された前記タグ側音源手段が前記音源駆動データによって駆動された発音信号を増幅し、前記発音手段は、前記増幅手段で増幅された発音信号に基づき前記楽曲を再生することを特徴とする。
【0030】
楽曲用無線タグがタグ側音源手段を備え、このタグ側音源手段がソフトウェア音源である場合、これを音源駆動データとともにデータ読み取り手段で取得することができる。そして、取得したタグ側音源手段を取得した音源駆動データで駆動して発音信号を発生させれば、これを用いて発音手段で対応する楽曲の再生を行うことができる。また、楽曲用無線タグ側に音源を備えることで、無線タグ読み取り端末側に音源がなかったりスペックが足りなかったりしても、単に読み取り機能さえあれば所望の楽曲を確実に再生可能である。
【0031】
第12の発明は、上記第7乃至第11発明のいずれかにおいて、前記データ読み取り手段による前記楽曲用無線タグからのデータ取得に応じた課金データを生成し出力する端末側課金情報生成手段を有することを特徴とする。
【0032】
これにより、利用者の利用に対応して課金を行うことが可能となり、楽曲提供サービスを実現することができる。また楽曲数、各楽曲のデータ量、無線タグ読み取り端末側の音源の有無(音源の利用の有無)等に応じ、課金額を増減することも可能となり、利用者のニーズに対応したきめ細かなサービスを行うことができる。
【0033】
第13の発明は、上記第7乃至第12発明のいずれかにおいて、前記端末側通信手段を介し、データ読み取り手段が複数の前記楽曲用無線タグそれぞれより同時に又は順次取得した前記音源駆動データ又は前記音声データを、互いに調和するように関連づける関連処理手段を有することを特徴とする。
【0034】
これにより、利用者が複数の楽曲用無線タグを読み取らせることで、それぞれに対応した楽曲を、合わせて再生したり、途中から一緒に再生したり、片方を途中で停止してもう片方を再生したり、複数曲連続して再生したりすることが可能となる。
【0035】
第14の発明は、上記第13発明において、前記発音手段は、前記関連処理手段で互いのデータが関連づけられた複数の楽曲を調和させて再生することを特徴とする。
【0036】
これにより、利用者が読み取らせた複数の楽曲用無線タグそれぞれに対応した楽曲を、合わせて再生したり、途中から一緒に再生したり、片方を途中で停止してもう片方を再生したり、複数曲連続して再生したりし、多種多様なサービスを行うことができる。
【0037】
第15の発明は、上記第13又は第14発明において、前記端末側通信手段を介した無線通信により、前記複数の楽曲用無線タグそれぞれが記憶した前記楽曲の属する音楽分野に関する識別子を同時に又は順次取得する識別子取得手段と、前記識別子取得手段で取得した前記複数の楽曲用無線タグそれぞれに係わる複数の識別子を照合する照合手段とを有することを特徴とする。
【0038】
楽曲用無線タグに識別子を記憶させておき、これを照合手段で照合する。これにより、ジャンルの全く異なる複数の楽曲に関わる楽曲用無線タグを利用者が読み取らせた場合に、(照合手段での照合不一致の結果に応じ)報知手段でその旨を利用者に報知又は警告したり、非再生処理手段を設けて片方の再生を実行しないようにすることが可能となる。
【0039】
上記目的を達成するために、第16の発明は、楽曲用無線タグと無線通信を行うための装置側通信手段と、前記装置側通信手段を介した無線通信により、楽曲を再生するために音源を駆動する音源駆動データを前記楽曲用無線タグへ書き込むデータ書き込み手段とを有することを特徴とする。
【0040】
本願第16発明の無線タグ作成装置においては、装置側通信手段を介し、データ書き込み手段が、楽曲再生時に音源を駆動するための音源駆動データを楽曲用無線タグに書き込む。これにより、無線タグ読み取り端末を用いて、この楽曲用無線タグより音源駆動データ(又はこの音源駆動データに対応した音声データ)を取得することが可能となる。
【0041】
すなわち、無線タグ読み取り端末に音源を備える場合には、楽曲用無線タグより音源駆動データを取得することで、その音源駆動データに基づき無線タグ読み取り端末の音源で発音信号を発生させ、対応する楽曲の再生を行うことができる。また、楽曲用無線タグに音源を備える場合には、音源駆動データを用いてその音源で音声データを復号させ、その復号した音声データを無線タグ読み取り端末で取得する。これにより、その音声データに基づく発音信号を用いて対応する楽曲の再生を行うことができる(楽曲用無線タグにソフトウェア音源を備える場合にはソフトウェア音源と音源駆動データとを無線タグ読み取り端末で取得し、無線タグ読み取り端末においてその音源駆動データでソフトウェア音源を駆動し発音信号を発生させてもよい)。このように、本願第16発明によれば、作成した楽曲用無線タグに対し無線タグ読み取り端末で読み取りを行うだけで楽曲の再生を行えるので、利用者は自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる。
【0042】
第17の発明は、上記第16発明において、被印字媒体又はこれに貼り合わせるタグ媒体を搬送するための搬送手段と、前記被印字媒体に対し所定のテキストを印字する印字手段とを有し、前記装置側通信手段は、前記被印字媒体又は前記タグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信により情報送受信を行い、前記データ書き込み手段は、前記音源駆動データを、前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
【0043】
搬送手段で被印字媒体(又はタグ媒体)を搬送し、その被印字媒体に印字手段で印字を行い、そして音源駆動データをIC回路部に書き込むことで、所望のテキストを備えた印字付き楽曲用無線タグを作成することができる。
【0044】
第18の発明は、上記第17発明において、前記装置側通信手段は、前記IC回路部にタグ側音源手段を備えた前記無線タグ回路素子に対し、無線通信により情報送受信を行い、前記データ書き込み手段は、前記タグ側音源手段を駆動するための音源駆動データを、前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
【0045】
楽曲用無線タグがタグ側音源手段を備える場合には、データ書き込み手段で音源駆動データをIC回路部に書き込むことで、(無線タグ読み取り端末での読み取り時に)楽曲用無線タグがその音源駆動データを用いてタグ側音源で音声データを復号させ、その音声データを無線タグ読み取り端末で取得する。これにより、その音声データに基づく発音信号を用いて対応する楽曲の再生を行うことができる(楽曲用無線タグのタグ側音源手段がソフトウェア音源である場合には、書き込んだ音源駆動データと、ソフトウェア音源とを無線タグ読み取り端末で取得し、無線タグ読み取り端末においてその取得したソフトウェア音源を取得した音源駆動データで駆動し発音信号を発生させてもよい)。
【0046】
第19の発明は、上記第17発明において、前記装置側通信手段は、前記IC回路部にタグ側音源手段を備えない前記無線タグ回路素子に対し、無線通信により情報送受信を行い、前記データ書き込み手段は、無線タグ読み取り端末での読み取り時に、該無線タグ読み取り端末に備えられた端末側音源手段を駆動するための音源駆動データを、前記IC回路部に書き込むことを特徴とする。
【0047】
無線タグ読み取り端末が端末側音源手段を備える場合には、データ書き込み手段で音源駆動データをIC回路部に書き込むことで、(無線タグ読み取り端末での読み取り時に)楽曲用無線タグより取得した音源駆動データに基づき、端末側音源手段が発音信号を発生することができる。これにより、その発音信号に基づき、発音手段で対応する楽曲の再生を行うことができる。
【0048】
第20の発明は、上記第16乃至第19発明のいずれかにおいて、前記データ書き込み手段による前記楽曲用無線タグへのデータ書き込み、及び、前記無線タグ回路素子における前記タグ側音源手段の有無の少なくとも一方に応じた課金データを生成し出力する装置側課金情報生成手段を有することを特徴とする。
【0049】
これにより、利用者の利用に対応して課金を行うことが可能となり、楽曲提供サービスを実現することができる。また楽曲数、各楽曲のデータ量、タグ側音源手段の有無等に応じ、課金額を増減することも可能となり、利用者のニーズに対応したきめ細かなサービスを行うことができる。
【0050】
上記目的を達成するために、第21の発明は、楽曲用無線タグと、無線タグ読み取り端末とを有する楽曲情報システムにおいて、前記楽曲用無線タグは、テキストが印字された被印字媒体と、前記被印字媒体又はこれに貼り合わせるタグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子とを有し、前記IC回路部は、少なくとも、音源を駆動して楽曲を再生するための音源駆動データを記憶保持しており、前記無線タグ読み取り端末は、前記楽曲用無線タグと無線通信を行うための端末側通信手段と、前記端末側通信手段を介した無線通信により、当該無線タグ読み取り端末の端末側音源を駆動するための前記音源駆動データ、若しくは、前記音源駆動データに基づき前記楽曲用無線タグのタグ側音源手段から出力された音声データを、前記楽曲用無線タグより取得するデータ読み取り手段と、前記データ読み取り手段で取得した前記音源駆動データ又は前記音声データに基づきしたがって再生される楽曲を増幅するための増幅手段とを有することを特徴とする。
【0051】
本願第21発明の楽曲情報システムにおいては、無線タグ読み取り端末のデータ読み取り手段が、端末側通信手段を介し、楽曲用無線タグより音源駆動データ(又は音声データ)を取得する。無線タグ読み取り端末が端末側音源を備える場合には、無線タグ読み取り端末のデータ読み取り手段で音源駆動データを取得することにより、その音源駆動データに基づき端末側音源が発音信号を発生し、これによって増幅手段での増幅後スピーカー等の発音手段で対応する楽曲の再生を行うことが可能となる。楽曲用無線タグがタグ側音源を備える場合には、無線タグ読み取り端末のデータ読み取り手段が音声データを取得することにより、その音声データに基づく発音信号を用いて、増幅手段での増幅後スピーカー等の発音手段で対応する楽曲の再生を行うことが可能となる(楽曲用無線タグにソフトウェア音源を備える場合にはソフトウェア音源と音源駆動データとを無線タグ読み取り端末のデータ読み取り手段で取得し、無線タグ読み取り端末においてその音源駆動データでソフトウェア音源を駆動し発音信号を発生させてもよい)。このように、楽曲用無線タグに対し無線タグ読み取り端末より読み取りを行うだけで楽曲の再生を行えるので、利用者は自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、利用者が自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明をカラオケ装置に適用した場合の実施形態である。
【0054】
図1は、本実施形態のカラオケシステム1(楽曲情報システム)の全体構成を表すシステム構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0055】
図1において、カラオケシステム1は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface。登録商標)データ等のカラオケ情報(音源駆動データに関連する情報。詳細は後述)を記憶するIC回路部150及びこのIC回路部150に接続されるタグ側アンテナ151を備えた無線タグ回路素子To(後述の図5参照)を有する無線タグT(楽曲用無線タグ)と、通信カラオケ用の専用回線(又はインターネットでもよい)である通信回線NWを介して図示しない通信カラオケサーバから取得されるカラオケ情報又は上記無線タグTから取得されるカラオケ情報に基づき、楽曲を再生するカラオケ装置100とを有している。
【0056】
上記カラオケ装置100は、カラオケ装置本体110(無線タグ読み取り端末)と、上記MIDIデータ等のカラオケ情報を記憶させた無線タグTを作成するための無線タグ作成部300と、利用者が選曲等の操作を行うための操作端末(リモコン等)130と、楽曲の再生に合わせて再生される映像を表示するための映像表示装置140と、再生された楽曲を音声出力するスピーカ170(発音手段)と、マイク160とを有している。なお、ここではカラオケ装置本体110と無線タグ作成部300、操作端末130、映像表示装置140、及びスピーカ170を別体として構成しているが、これらの少なくとも1つをカラオケ装置本体110と一体的に構成してもよい。
【0057】
上記カラオケ装置本体110は、上記無線タグ作成部300で作成された無線タグTの無線タグ回路素子Toから無線通信を介して無線タグ情報(ここではカラオケ情報)を読み取り、この読み取った情報に基づき楽曲を再生するためのリーダ部200と、上記通信回線NWを介して図示しない通信カラオケサーバからカラオケ情報を取得する際に行われる通信の制御を行う通信制御部111と、上記操作端末130から操作信号を入力する際に行われる通信制御を行う入力制御部112とを有している。なお、ここではリーダ部200をカラオケ装置本体110に対し一体的に設けるようにしたが、別体として構成してもよい。
【0058】
またカラオケ装置本体110は、楽曲の再生に合わせて再生される映像データ等が記憶される記憶部113と、この記憶部113から読み出された映像データを再生するための映像再生部114と、上記通信回線NWを介して、又は無線タグTから取得されるカラオケ情報に含まれる歌詞データ(テキストデータ)に基づき字幕データを生成する字幕映像生成部115と、上記映像データと字幕データとを合成して上記画像表示装置140に出力する映像合成部116とを有している。
【0059】
さらにカラオケ装置本体110は、上記カラオケ情報に含まれるオーディオエフェクト設定情報に基づき、例えばコーラス音や拍手音、爆発音等の効果音データであるオーディオエフェクトデータを生成するオーディオエフェクト生成部117と、上記カラオケ情報に含まれるMIDIデータに基づきMIDI音源を駆動させ対応する楽曲を再生させるMIDIデコーダ118(端末側音源手段)と、このMIDIデコーダ118で生成された楽曲再生データ(発音データ)に、上記オーディオエフェクト生成部117で生成されたオーディオエフェクトデータ及び上記マイク160を介して入力される利用者の音声データを加え、D/A変換を行って上記スピーカ170に出力するオーディオミキシングアンプ119(増幅手段)と、このオーディオミキシングアンプ119及び上記映像合成部116に対しそれぞれの出力の同期を取るための同期信号を出力する同期回路120と、上記記憶部113、映像再生部114、字幕映像生成部115、オーディオエフェクト生成部117、MIDIデコーダ118、及び同期回路120等とバス121を介して接続され、カラオケ装置本体110全体の制御を行う制御回路122とを有している。
【0060】
上記制御回路122は、特に図示して説明はしないが、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU、ROM、RAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従ってカラオケ再生や無線タグ作成等の制御(後述の図7及び図9等参照)を行うようになっている。
【0061】
図2は、上記無線タグ作成部300の構成を概念的に表す全体構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0062】
図2において、上記無線タグ作成部300は、所定間隔で無線タグ回路素子Toが備えられたタグテープ303(被表示媒体、被印字媒体、タグ媒体)を巻回したタグテープロール304(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)と、このタグテープロール304から繰り出されたタグテープ303の被印字層(図示せず)のうち各無線タグ回路素子Toに対応した領域に所定の印字を行う印字ヘッド305(印字手段)と、タグテープ303を搬送する搬送ローラ308(搬送手段)と、無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い無線タグ情報(ここではカラオケ情報)の書き込みを行うアンテナ306(装置側通信手段)及び高周波回路301と、タグテープ303への印字及び無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが終了したタグテープ303を所定の長さに切断して前述の無線タグTとするカッタ307とを有している。以上の高周波回路301、印字ヘッド305、カッタ307、及び搬送ローラ308は、上記制御回路122により制御される。
【0063】
なお、上記ではタグテープ303(に備えられた図示しない被印字テープ層)に印字を行う方式(感熱(熱転写)テープ等の貼りあわせを行わないいわゆるノンラミネートタイプ)の無線タグTを作成するように無線タグ作成部300を構成したが、これに限られず、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ303とは別のカバーフィルム(被表示媒体、被印字媒体)に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式(いわゆるラミネートタイプ)の無線タグTを作成するように無線タグ作成部300を構成してもよい。
【0064】
図3は、上記リーダ部200の構成を概念的に表す全体構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0065】
図3において、上記リーダ部200は、上記無線タグTに備えられる無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ210(端末側通信手段)と、このアンテナ210を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする(この例では読み取りを行う)とともに、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路201とを有している。上記高周波回路201は、上記制御回路122により制御される。すなわち、制御回路122は、上記アンテナ210及び高周波回路201を介し無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするためのアクセス情報を生成する。
【0066】
図4は、上記高周波回路301の詳細構成を表す機能ブロック図である。なお、ここでは図示していないが、リーダ部200の高周波回路201も以下説明する高周波回路301と同等の構成である。また、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0067】
図4において、高周波回路301は、アンテナ306を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部312と、アンテナ306により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部313と、送受分離器314とから構成される。
【0068】
送信部312は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報を読み取るための搬送波を発生させる水晶振動子330、制御回路122の制御により所定の周波数の信号を発生させるPLL(Phase Locked Loop)331、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)332と、上記制御回路122から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路122からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路316(但し「TX_ASK信号」の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路316により変調された変調波を増幅(この例では制御回路122からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ317とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯、マイクロ波帯、あるいは短波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ317の出力は、送受分離器314を介しアンテナ306に伝達されて、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0069】
受信部313は、アンテナ306で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路318と、その受信第1乗算回路318の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ319と、この第1バンドパスフィルタ319の出力を増幅する受信第1アンプ321と、この受信第1アンプ321の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ320と、上記アンテナ306で受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移相器327により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路322と、その受信第2乗算回路322の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ323と、この第2バンドパスフィルタ323の出力を増幅する受信第2アンプ325と、この受信第2アンプ325の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ324とを備えている。そして、上記第1リミッタ320から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ324から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路122に入力されて処理される。
【0070】
また、受信第1アンプ321及び受信第2アンプ325の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路326にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路122に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0071】
図5は、上記無線タグTに備えられた上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0072】
図5において、無線タグ回路素子Toは、無線タグ作成時には上記無線タグ作成部300のアンテナ306と非接触で信号の送受信を行い、無線タグ読み取り時には上記リーダ部200のアンテナ210と非接触で信号の送受信を行う上記タグ側アンテナ151と、このタグ側アンテナ151に接続された上記IC回路部150とをそれぞれ有している。
【0073】
IC回路部150は、タグ側アンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記タグ側アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して後述する制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記タグ側アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0074】
変復調部156は、タグ側アンテナ151により受信された上記無線タグ作成部300のアンテナ306(又はリーダ部200のアンテナ210)からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、タグ側アンテナ151で受信した質問波を変調し、タグ側アンテナ151より応答波として再送信する。
【0075】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0076】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の速度に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0077】
上記メモリ部155には、上記カラオケ情報が記憶されている。
【0078】
図6は、上記メモリ部155のデータ内容を概念的に表す図である。
【0079】
この図6において、無線タグTの無線タグ回路素子Toは、無線タグ回路素子Toの固有の識別情報であるUID(Unique Identifier)と、上記カラオケ情報とをメモリ部155に記憶保持している。このカラオケ情報には、所望の楽曲(楽器のソロ演奏や、サンプリング録音による人・動物等の各種音声、ベル・アラーム音、川のせせらぎ、車のエンジン音等、再現可能な世の中の音をすべて含む。また時間の長短は問わない)を再生するための音源駆動データであるMIDIデータ(国際的に規格化された情報で、音色、音程、音量などを示す情報)と、歌詞データと、楽曲のキーの設定を表すキー設定情報(原曲に対するプラスマイナスで表される)と、前述したオーディオエフェクト生成部117によるオーディオエフェクトデータ(コーラス音や拍手音、爆発音等の効果音)の生成を設定するオーディオエフェクト設定情報と、楽曲の属する音楽分野(クラシック、ジャズ、ロック、ポップス等)に関する識別子を表すジャンルコード情報と、その他曲名、歌手名、収録アルバム名等が含まれている。
【0080】
上記ジャンルコード情報は、例えば音楽ジャンルがロックである場合には爆発音や拍手音等を頻繁に入れる等、その楽曲のジャンルに応じて効果音の態様をアレンジ(自動選択・変換等)するような場合に用いられる。またこれに限らず、例えば複数の無線タグTがある場合にジャンルコードを用いて音楽分野ごとにグループ分けして読み取りを行ったり、読み取り後のデータを音楽分野ごとにグループ分けして格納あるいは再生したりすることも可能である。
【0081】
なお、上記したカラオケ情報の内容は一例であり、MIDIデータ以外の情報については必ずしも含める必要はない。また、上記に述べた以外の情報(例えば音符情報等)を含めるようにしてもよい。
【0082】
上記構成のカラオケシステム1において、カラオケ情報を記憶させた無線タグTを作成する際には、利用者は操作端末130を用いてラベル作成指示の入力を行うとともに、所望の曲を選曲する。これにより、カラオケ装置本体110は通信回線NW及び通信制御部111を介してカラオケ情報を取得する。そして、カラオケ装置本体110はその取得したカラオケ情報中のMIDIデータ等に基づきスピーカ170で楽曲の再生を行うとともに、記憶部113から読み出した映像データと歌詞の字幕映像とを合成させて映像表示装置140で楽曲に対応する映像表示を行う。これにより、利用者は映像表示装置140に表示された歌詞を参照しつつ、楽曲の再生に合わせてマイク160を用いて歌唱することができる。またこのとき、カラオケ装置本体110の無線タグ作成部300は、上記通信回線NWを介して取得されたカラオケ情報をタグテープ303の無線タグ回路素子Toに対し無線通信を介して書き込むとともに、対応する印刷をそのテープ表面に行い、所望の長さとなるようにテープ切断を行う。これにより、カラオケ情報が書き込まれた無線タグTが作成される。
【0083】
図7は、カラオケ装置本体110の無線タグ作成部300で上記無線タグTを作成する際に制御回路122によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、制御回路122は、利用者が操作端末130を用いてラベル作成指示の入力を行った際にこのフローを開始する。
【0084】
まずステップS110において、制御回路122は、利用者が選曲を行ったか否かを判定する。この判定は、選曲情報が操作端末130から入力制御部112を介して制御回路122に入力されたか否かを検出することによって行われる。選曲が行われるまで本ステップを繰り返し、選曲が行われると判定が満たされて次のステップS120に移る。
【0085】
ステップS120では、制御回路122は、通信制御部111及び通信回線NWを介し図示しない通信カラオケサーバに対して上記ステップS110で選曲された曲に対応するカラオケ情報の要求信号を送信し、これに対応してサーバから送信されたカラオケ情報を通信回線NW及び通信制御部111を介して取得する。
【0086】
次のステップS130では、制御回路122はカラオケの再生を行う。すなわち、制御回路122は上記ステップS120で取得したカラオケ情報中のMIDIデータ及びキー設定情報をMIDIデコーダ118に出力する。これにより、MIDIデコーダ118は入力したMIDIデータ及びキー設定情報に基づきMIDI音源を駆動させて対応する楽曲を設定されたキーで再生させ、生成した楽曲再生データ(発音データ)をオーディオミキシングアンプ119に出力する。またこのとき、制御回路122は取得したカラオケ情報中のオーディオエフェクト設定情報及びジャンルコード情報をオーディオエフェクト生成部117に出力する。これにより、オーディオエフェクト生成部117は入力した情報に基づきコーラス音や拍手音、爆発音等の効果音であるオーディオエフェクトデータを生成し、オーディオミキシングアンプ119に出力する。その結果、オーディオミキシングアンプ119は、MIDIデコーダ118で生成された楽曲再生データ(発音データ)に上記オーディオエフェクト生成部117で生成されたオーディオエフェクトデータ及び上記マイク160を介して入力される利用者の音声を加え、D/A変換を行って上記スピーカ170に出力する。
【0087】
一方で、制御回路122は、記憶部113から上記ステップS120で取得したカラオケ情報に対応する映像データを読み出し、映像再生部114に出力する。これにより、映像再生部114は入力した映像データを再生して映像合成部116に出力する。またこのとき、制御回路122は受信したカラオケ情報中の歌詞データを字幕映像生成部115に出力する。これにより、字幕映像生成部115は入力した歌詞データに基づき字幕映像を生成し、映像合成部116に出力する。その結果、映像合成部116は映像再生部114からの映像データと字幕映像生成部からの字幕データとを合成し、上記映像表示装置140に出力する。
【0088】
なお、制御回路122は同期回路120に制御信号を出力することで同期回路120から上記オーディオミキシングアンプ119及び映像合成部116に同期信号を出力させ、オーディオミキシングアンプ119からスピーカ170への音声出力と、映像合成部116から映像表示装置140への映像出力のタイミングの同期をとる。このようにして、制御回路122がカラオケの再生を行うことにより、利用者は映像表示装置140に表示された歌詞を参照しつつ、楽曲の再生に合わせてマイク160を用いて歌唱することができる。
【0089】
次のステップS140では、制御回路122は無線タグ作成部300の高周波回路301に制御信号を出力し、高周波回路301によりアクセス情報を生成して装置側アンテナ306を介して無線タグ回路素子Toへ送信させ、IC回路部150へ上記ステップS120で取得したカラオケ情報の書き込みを行う。また、当該カラオケ情報に基づいた印字ヘッド305による印字(後述の図8参照)を行う。
【0090】
そして次のステップS150では、制御回路122はカッタ307を駆動させ、タグテープ303を設定された長さに切断して無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTを作成する。そして、このフローを終了する。
【0091】
なお、上記制御回路122によって実行されるステップS140の手順は、特許請求の範囲各項記載の装置側通信手段を介した無線通信により、楽曲を再生するために音源を駆動する音源駆動データを楽曲用無線タグへ書き込むデータ書き込み手段を構成する。
【0092】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記では利用者が通常のカラオケ利用時と同様に選曲を行うことにより、カラオケ装置100で通信回線NWを介して取得したカラオケ情報を用いてカラオケ再生を行いつつ、そのカラオケ情報を用いて無線タグ作成部300で無線タグTの作成を行うようにしたが、これに限られず、カラオケ再生を行った全曲について通信回線NWを介して取得したカラオケ情報を記憶手段に記憶させておき、利用者がその中から選曲してラベル作成指示を行うと、無線タグ作成部300が無線タグTの作成を行うようにしてもよい。
【0093】
図8は、上記制御により無線タグ作成部300で作成された無線タグTの全体概略構造の一例を表す上面図である。
【0094】
この図8において、無線タグTはラベル状(またはカード状でもよい)に形成されており、略長方形形状の基材2(前述のタグテープ303が所定の長さに切断されたもの)と、この基材2の内部に配置された、情報を記憶するIC回路部150とこのIC回路部150に接続されるアンテナ151とを備えた上記無線タグ回路素子To(図8では図示せず)とから構成されている。
【0095】
基材2の表側(上面)には、無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155に記憶されたカラオケ情報に係わる印字Sが印刷されている。この図8に示す例では、上記印字Sは、上記カラオケ情報に係る曲名、歌手名、収録アルバム、ジャンル、歌詞の歌い出し、及びキー設定を含んでいる。なお、この印字Sに例えば楽曲に関するコメント等の上記以外の項目を含めても(又は減らしても)よいし、文字だけでなく図形や記号、あるいは単なる色塗りや模様等、又はアーティストの顔写真や収録アルバムのジャケット画像等でもよく、何らかの形で記憶するカラオケ情報の内容を認識・識別できるものであればよい。また、印字Sは必ずしも印刷される必要はなく、印刷を行わないようにしてもよい。
【0096】
図9は、上記リーダ部200による無線タグTからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路122によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0097】
この図9において、まずステップS210では、制御回路122はリーダ部200に制御信号を出力し、このリーダ部200に無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されたカラオケ情報を読み取るための問い合わせ信号を生成させ、高周波回路201及びアンテナ210を介し、通信可能領域内に存在する無線タグTの無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0098】
その後、ステップS220に移り、制御回路122は、上記問い合わせ信号に対応し無線タグTの無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がアンテナ210及び高周波回路201を介し受信されたかどうかを判定する。無線タグTからリプライ信号が受信されていなければ判定が満たされずに上記ステップS210に戻り、再び問い合わせ信号の送信を繰り返す。一方、無線タグTからリプライ信号を受信している場合には、判定が満たされて次のステップS230に移る。
【0099】
ステップS230では、制御回路122は、上記受信したリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されたカラオケ情報を読み取り取得する。前述したように、このカラオケ情報には、MIDIデータ、歌詞データ、キー設定情報、オーディオエフェクト設定情報、及び楽曲のジャンル(クラシック、ロック、ポップス等)を表すジャンルコード情報等が含まれている。
【0100】
次のステップS240では、上記ステップS130と同様に、制御回路122は、上記ステップS230で取得したカラオケ情報に基づきカラオケの再生を行う。そして、本フローを終了する。
【0101】
なお、上記制御回路122によって実行されるステップS210、ステップS220、及びステップS230の手順は、特許請求の範囲各項記載の端末側通信手段を介した無線通信により、楽曲用無線タグより音源駆動データ又は音声データを取得するデータ読み取り手段を構成する。
【0102】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、上記では無線タグTから1曲の楽曲に対応するカラオケ情報を読み出し再生させる場合を説明したが、これに限られず、無線タグTに複数の楽曲に対応するカラオケ情報を記憶させておき、ステップS230でこれら複数の楽曲のカラオケ情報を取得し、例えば映像表示装置140にそれら複数の楽曲のタイトル等を一覧表示して、利用者が選択した楽曲についてステップS240で再生するようにしてもよい。
【0103】
以上説明した本実施形態のカラオケシステム1においては、音源を駆動して楽曲を再生するためのMIDIデータが、無線タグTに備えられた無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されている。これにより、リーダ部200で、この無線タグTよりMIDIデータを取得することができる。
【0104】
すなわち、上記実施形態のようにカラオケ装置本体110側に音源(上記実施形態ではMIDIデコーダ118)を備える場合には、無線タグTよりMIDIデータを取得することで、そのMIDIデータに基づきカラオケ装置本体110側の音源で発音信号を発生させ、対応する楽曲の再生を行うことができる。このように、無線タグTに対しカラオケ装置本体110のリーダ部200で読み取りを行うだけで楽曲の再生を行えるので、利用者は自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる。
【0105】
その結果、例えば異なるカラオケ店を利用する場合や異なるメーカーのカラオケ装置を用いる場合等において、同じ曲であっても曲番号形式が異なるような場合であっても、利用者は確実に所望の曲を再生することができる。また、新曲が配信されていないカラオケ店を利用する場合であっても、その新曲を再生することができる。
【0106】
また本実施形態では特に、無線タグTが有する無線タグ回路素子ToのIC回路部150は、楽曲の再生時に歌詞を画像表示するための歌詞データを記憶保持している。これにより、楽曲を再生するときに併せて歌詞を表示することが可能となるので、カラオケ用の楽曲としての再生を行うことができる。
【0107】
また本実施形態では特に、無線タグTが有する無線タグ回路素子ToのIC回路部150は、楽曲の再生時に効果音を鳴動するためのオーディオエフェクト設定情報を記憶保持している。これにより、楽曲を再生するときに併せて効果音を再生することが可能となり、特にカラオケ用の楽曲としての再生を行うときに利用者の満足感を向上させることができる。
【0108】
また本実施形態では特に、無線タグTが有する無線タグ回路素子ToのIC回路部150は、楽曲の属する音楽分野に関する識別子である上記ジャンルコードを記憶保持している。これにより、ジャンルコードを活用し、楽曲のジャンルに応じた活用が可能となる。例えば、上記実施形態のように音楽分野に応じて効果音の態様をアレンジ(自動選択・変換等)するようにしたり、また複数の無線タグTがある場合に音楽分野ごとにグループ分けして読み取りを行ったり、読み取り後のデータを音楽分野ごとにグループ分けして格納あるいは再生したりすることが可能である。
【0109】
また本実施形態では特に、カラオケ装置本体110が、上記リーダ部200で無線タグTより取得したMIDIデータによって駆動されるMIDI音源を有するMIDIデコーダを備える。これにより、上記オーディオミキシングアンプ119でMIDIデコーダ118からの楽曲再生データ(発音信号)を増幅し、スピーカ170で上記オーディオミキシングアンプ119で増幅された楽曲再生データに基づき楽曲を再生することができる。また、カラオケ装置本体110側に音源を備えることで、無線タグT側に音源を備える必要がなくなる。この結果、無線タグTのメモリの容量が少ない場合であっても所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また持ち運べる楽曲数を増やすことができる。
【0110】
また本実施形態では特に、カラオケ装置100が、タグテープ303を搬送するための搬送ローラ308と、タグテープ303に対し所定のテキストを印字する印字ヘッド305とを有し、タグテープ303に設けられた無線タグ回路素子Toに対し、無線通信により情報送受信を行いMIDIデータを含むカラオケ情報をIC回路部150に書き込む無線タグ作成部300を有する。これにより、無線タグ作成部300において、搬送ローラ308でタグテープ303を搬送し、そのタグテープ303に印字ヘッド305で印字を行い、そしてカラオケ情報をIC回路部150に書き込むことで、所望のテキストを備えた印字付き無線タグTを作成することができる。
【0111】
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明を楽器演奏の再生に適用した場合の実施形態である。
【0112】
図10は、本実施形態の演奏再生システム4(楽曲情報システム)の全体構成を表すシステム構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0113】
図10において、演奏再生システム1は、MIDIデータ等の演奏情報(音源駆動データに関連する情報。詳細は後述)を記憶するIC回路部150及びこのIC回路部150に接続されるタグ側アンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toを有する上記無線タグTと、上記無線タグTから取得される演奏情報に基づき、楽曲を再生する演奏再生装置400とを有している。
【0114】
上記演奏再生装置400は、再生装置本体410(無線タグ読み取り端末)と、上記MIDIデータ等の演奏情報を記憶させた無線タグTを作成するための無線タグ作成部600と、楽器の演奏者が無線タグ作成時に演奏情報(ここでは曲名、作曲者等)の入力等の操作を行うための操作端末430と、再生された楽曲を音声出力するスピーカ470(発音手段)とを有している。なお、ここでは再生装置本体410と無線タグ作成部600、操作端末430、及びスピーカ470を別体として構成しているが、これらの少なくとも1つを再生装置本体410と一体的に構成してもよい。
【0115】
上記再生装置本体410は、上記無線タグ作成部600で作成され、楽器CPに添付された無線タグTの無線タグ回路素子Toから無線通信を介して無線タグ情報(ここでは演奏情報)を読み取り、この読み取った情報に基づき演奏された楽曲を再生するためのリーダ部500と、演奏者によって演奏されることにより楽器CP(この例では電子ピアノ)から出力されるMIDIデータを入力する際の入力制御を行う入力制御部411と、上記操作端末430から操作信号を入力する際の入力制御を行う入力制御部412とを有している。なお、ここではリーダ部500を再生装置本体410に対し一体的に設けるようにしたが、別体として構成してもよい。
【0116】
また再生装置本体410は、オーディオエフェクト生成部417と、MIDIデコーダ418(端末側音源手段)と、オーディオミキシングアンプ419(増幅手段)と、上記オーディオエフェクト生成部417及びMIDIデコーダ418等とバス421を介して接続され、演奏装置本体410全体の制御を行う制御回路422とを有している。
【0117】
上記楽器CPは図示しないMIDIエンコーダを内蔵するMIDI対応の電子ピアノであり、演奏者による演奏内容をMIDIデータとして出力する機能を有している。なお、ここでは楽器の一例として電子ピアノを挙げたが、これに限るものではなく、例えばシンセサイザー等の他の鍵盤楽器、バイオリン・ギター等の弦楽器、トランペット等の管楽器等、MIDIデータの出力機能を有するMIDI対応楽器であればその他の楽器を用いてもよい。また、MIDI対応でない生楽器(リコーダー等)を用い、その生演奏による音声データを適宜の変換手段によりMIDIデータに変換して入力するようにしてもよい。
【0118】
なお、上記リーダ部500、無線タグ作成部600、オーディオエフェクト生成部417、MIDIデコーダ418、及びオーディオミキシングアンプ419は、前述した第1の実施形態のリーダ部200、無線タグ作成部300、オーディオエフェクト生成部117、MIDIデコーダ118、及びオーディオミキシングアンプ119と同等の機能及び構成であるので、説明を省略する。
【0119】
図11は、上記再生装置本体410の無線タグ作成部600で無線タグTを作成する際に上記制御回路422によって実行される制御手順を表すフローチャートである。なお、制御回路422は、利用者が操作端末430を用いてラベル作成指示の入力を行った際にこのフローを開始する。
【0120】
まずステップS310において、制御回路422は、演奏者の演奏に応じて楽器CPで生成されたMIDIデータを取得する。
【0121】
次のステップS330では、制御回路422は、MIDIデータ以外の演奏情報、例えばリズム情報、上記オーディオエフェクト設定情報、及び楽曲の属する音楽分野を表す上記ジャンルコード情報、その他楽器名、曲名、演奏者名等を取得する。なお、本実施形態におけるオーディオエフェクトデータとしては、例えばメトロノーム音等の効果音が一例として挙げられる。
【0122】
次のステップS340では、制御回路422は、上記ステップS330で取得した楽器名、曲名、演奏者名、リズム情報等に基づき作成する無線タグTに印刷する印字情報を作成すると共に、上記ステップS310で取得したMIDIデータ及び上記ステップS330で取得したオーディオエフェクト設定情報及びジャンルコード情報に基づきタグ書き込み情報を作成する。
【0123】
次のステップS350では、制御回路422は無線タグ作成部600の高周波回路301に制御信号を出力し、高周波回路601(図示せず)によりアクセス情報を生成して装置側アンテナ606を介して無線タグ回路素子Toへ送信させ、IC回路部150へ上記ステップS340で作成したタグ書き込み情報の書き込みを行う。また、上記ステップS340で作成した印字情報に基づいた印字ヘッド305による印字(後述の図12参照)を行う。
【0124】
そして次のステップS360では、制御回路422はカッタ307を駆動させ、タグテープ303を設定された長さに切断して無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTを作成する。そして、このフローを終了する。
【0125】
なお、上記制御回路122によって実行されるステップS350の手順は、特許請求の範囲各項記載の装置側通信手段を介した無線通信により、楽曲を再生するために音源を駆動する音源駆動データを楽曲用無線タグへ書き込むデータ書き込み手段を構成する。
【0126】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS330における演奏情報の取得をステップS310のMIDIデータの取得前に行うようにしてもよい。
【0127】
図12は、上記制御により無線タグ作成部600で作成された無線タグTの全体概略構造の一例を表す上面図である。
【0128】
この図12において、無線タグTの上記基材2の表側(上面)には、無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155に記憶された演奏情報に係わる印字S’が印刷されている。この図12に示す例では、上記印字S’は、上記演奏情報に係る楽器名、曲名、演奏者名、及びリズム情報を含んでいる。なお、この印字S’に例えばテンポ等の上記以外の項目を含めても(又は減らしても)よいし、文字だけでなく図形や記号、あるいは単なる色塗りや模様等でもよく、何らかの形で記憶する演奏情報の内容を認識・識別できるものであればよい。また、印字S’は必ずしも印刷される必要はなく、印刷を行わないようにしてもよい。
【0129】
図13は、上記作成された無線タグTの無線タグ回路素子Toのメモリ部155のデータ内容を概念的に表す図である。
【0130】
この図13において、無線タグTの無線タグ回路素子Toは、無線タグ回路素子Toの固有の識別情報であるUID(Unique Identifier)と、上記演奏情報とをメモリ部155に記憶保持している。この演奏情報には、楽器CPにより演奏された楽曲を再生するための音源駆動データであるMIDIデータと、上記オーディオエフェクト設定情報と、楽曲の属する音楽分野(クラシック、ジャズ、ロック、ポップス等)に関する識別子を表すジャンルコード情報と、その他楽器名、曲名、演奏者名、リズム情報等が含まれている。
【0131】
なお、上記した演奏情報の内容は一例であり、MIDIデータ以外の情報については必ずしも含める必要はない。また、上記に述べた以外の情報(例えば音符情報等)を含めるようにしてもよい。
【0132】
図14は、上記リーダ部500による無線タグTからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路422によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0133】
この図14において、ステップS410〜ステップS430は前述の図9中ステップS210〜ステップS230と同様であり、無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された演奏情報を読み取るための問い合わせ信号を高周波回路201及びアンテナ210を介して送信し、これに対応して無線タグTの無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号に基づき、演奏情報を読み取り取得する。
【0134】
次のステップS440では、上記取得した演奏情報に基づき楽器CPの演奏による楽曲の再生を行う。すなわち、制御回路422は上記ステップS430で取得した演奏情報中のMIDIデータをMIDIデコーダ418に出力する。これにより、MIDIデコーダ418は入力したMIDIデータに基づきMIDI音源を駆動させて対応する楽曲を再生させ、生成した楽曲再生データ(発音データ)をオーディオミキシングアンプ419に出力する。またこのとき、制御回路422は取得した演奏情報中のオーディオエフェクト設定情報及びジャンルコード情報をオーディオエフェクト生成部417に出力する。これにより、オーディオエフェクト生成部417は入力した情報に基づきメトロノーム音等の効果音であるオーディオエフェクトデータを生成し、オーディオミキシングアンプ419に出力する。その結果、オーディオミキシングアンプ419は、MIDIデコーダ418で生成された楽曲再生データ(発音データ)に上記オーディオエフェクト生成部417で生成されたオーディオエフェクトデータを加え、D/A変換を行って上記スピーカ470に出力する。そして、本フローを終了する。
【0135】
以上のような制御が行われることにより、例えばピアノ教室の生徒が、先生による手本演奏情報が書き込まれた無線タグTを再生装置本体410のリーダ部500に読み取らせ、その手本演奏を再生させながら楽器の練習を行うといったことが可能となる。なお、上記では無線タグTを楽器CPに添付するようにしたが、これに限られず、例えば楽譜に無線タグTを添付してもよいし、または生徒が無線タグTを単体で所持するようにしてもよい。
【0136】
なお、上記制御回路422によって実行されるステップS410、ステップS420、及びステップS430の手順は、特許請求の範囲各項記載の端末側通信手段を介した無線通信により、楽曲用無線タグより音源駆動データ又は音声データを取得するデータ読み取り手段を構成する。
【0137】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、前述の第1の実施形態のように演奏再生装置400に映像表示装置を設けておき、楽器演奏の再生と共にその演奏に係わる情報(曲名、リズム、音符情報等)を表示するようにしてもよい。
【0138】
なお、本発明は、上記第1及び第2の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0139】
(1)無線タグに音源情報を記憶保持させる場合
上記実施形態では、MIDI音源を装置本体側(カラオケ装置本体110、再生装置本体410)に設けておき、無線タグTから読み取ったMIDIデータに基づいて装置側のMIDI音源を駆動し楽曲の再生を行うようにしたが、これに限られず、無線タグにMIDI音源(この場合はソフトウェア音源)を記憶させるようにしてもよい。
【0140】
図15は、本変形例のカラオケシステム1の全体構成を表すシステム構成図であり、前述の図1に対応する図である。本図において図1と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0141】
図15において、カラオケ装置本体110A(無線タグ読み取り端末)が前述の第1の実施形態におけるカラオケ装置本体110と異なる点は、MIDIデコーダ118を有しないことと、制御回路122の代わりに後述する図17のフローに示す制御等を行う制御回路122Aを有することである。なお、その他の構成はカラオケ装置本体110と同等である。
【0142】
上記カラオケ装置本体110Aの無線タグ作成部300で無線タグTを作成する際に上記制御回路122Aによって実行される制御手順は、前述の図7と同様である。このとき、本変形例では無線タグ作成部300におけるタグタープ303に備えられた各無線タグ回路素子Toにはソフトウェア音源が予め記憶保持されており、当該無線タグ回路素子Toに対しカラオケ情報を書き込んで無線タグTを作成するようになっている。なお、これに限られず、無線タグ作成部300で無線タグTを作成する際にカラオケ情報と共に音源情報(ソフトウェア音源)を無線タグ回路素子ToのIC回路部150に書き込むようにしてもよい。
【0143】
図16は、上記カラオケ装置本体110Aの無線タグ作成部300で作成された無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部メモリ部155のデータ内容を概念的に表す図である。
【0144】
この図16において、無線タグTの無線タグ回路素子Toは、無線タグ回路素子Toの固有の識別情報であるUID(Unique Identifier)と、カラオケ情報に含まれるMIDIデータにより駆動されて音声データを出力可能なソフトウェア音源(タグ側音源手段)と、カラオケ情報とをメモリ部155に記憶保持している。なお、上記カラオケ情報の内容は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0145】
図17は、上記カラオケ装置本体110Aのリーダ部200による無線タグTからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路122Aによって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図9に対応する図である。
【0146】
この図17において、ステップS210及びステップS220は前述の図9と同様であり、制御回路122Aはリーダ部200にカラオケ情報を読み取るための問い合わせ信号を生成させ、高周波回路201及びアンテナ210を介し無線タグTの無線タグ回路素子Toに送信し、これに対応して無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がアンテナ210及び高周波回路201を介し受信されたかどうかを判定する。無線タグTからリプライ信号を受信している場合には、判定が満たされて次のステップS230Aに移る。
【0147】
ステップS230では、制御回路122Aは、上記受信したリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されたカラオケ情報及びIC回路部150に記憶されたソフトウェア音源により復号された音声データを読み取り取得する。上記音声データは、無線タグTの無線タグ回路素子Toの上記制御部157の制御により、上記メモリ部155に記憶保持されたソフトウェア音源を用いて同じくメモリ部155に記憶されたカラオケ情報中のMIDIデータを復号させることにより生成されるデータである。
【0148】
そして、次のステップS240Aでは、制御回路122Aは、上記ステップS230Aで取得したカラオケ情報及び音声データに基づきカラオケの再生を行う。なおこのとき、制御回路122Aは上記音声データをバス121を介してオーディオミキシングアンプ119に出力する。これにより、オーディオミキシングアンプ119は、入力された音声データに、上記オーディオエフェクト生成部117で生成されたオーディオエフェクトデータ及び上記マイク160を介して入力される利用者の音声データを加え、D/A変換を行って上記スピーカ170に出力するようになっている。そして、本フローを終了する。
【0149】
以上説明したように、本変形例では、前述の第1の実施形態におけるMIDIデコーダ118によって行われた(MIDIデータに基づき音源を駆動させて行う)楽曲の再生を、無線タグTのソフトウェア音源によって行い、これにより復号された音声データを無線通信により読み取ってカラオケ装置100で再生を行うようになっている。
【0150】
なお、上記制御回路122Aによって実行されるステップS210、ステップS220、及びステップS230Aの手順は、特許請求の範囲各項記載の端末側通信手段を介した無線通信により、楽曲用無線タグより音源駆動データ又は音声データを取得するデータ読み取り手段を構成する。
【0151】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0152】
以上説明した変形例においては、無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150にソフトウェア音源を記憶保持するので、無線タグ回路素子ToにおいてMIDIデータを用いてそのソフトウェア音源で音声データを復号させ、その復号した音声データをカラオケ装置本体110Aのリーダ部200で取得することができる。これにより、その音声データに基づく発音信号を用いて対応する楽曲の再生を行うことができる。このようにして、本変形例においても前述の第1の実施形態と同様に無線タグTに対しカラオケ装置本体110Aのリーダ部200で読み取りを行うだけで楽曲の再生を行えるので、利用者は自己の所望の楽曲を手軽に持ち運ぶことができ、また間違うことなく容易に再生することができる。
【0153】
また本変形例によれば、無線タグT側にソフトウェア音源を備えることで、カラオケ装置側に音源がなかったりスペックが足りなかったりしても、単に読み取り機能さえあれば所望の楽曲を確実に再生することができる。その結果、例えば楽曲の再生に用いられる音源設備のスペックが十分でないカラオケ店を利用する場合であっても、利用者が所望する音で楽曲の再生を行うことができる。
【0154】
なお、上記変形例においては、無線タグTの無線タグ回路素子ToにおいてMIDIデータを用いてそのソフトウェア音源で音声データを復号させ、その復号した音声データをカラオケ装置本体110Aのリーダ部200で取得するようにしたが、これに限られない。例えば、カラオケ装置本体110Aのリーダ部200で無線タグTの無線タグ回路素子ToからMIDIデータ及びソフトウェア音源データの両方を読み取って取得するようにし、カラオケ装置本体110A側で取得したMIDIデータ及びソフトウェア音源を用いて音声データを復号させるようにしてもよい。これによっても、上記変形例と同様の効果を得ることができる。
【0155】
また上記変形例は、第1実施形態の変形例として記載したが、本変形例を前述した第2実施形態に適用してよいのは言うまでもない。この場合には、例えば演奏再生装置400が再生しようとする演奏楽器に対応する音源を有していない場合であっても、演奏された楽器に対応する音で演奏の再生を行うことができる。
【0156】
(2)無線タグに課金情報を記憶保持させる場合
上記実施形態では特に考慮しなかったが、無線タグTの作成時や利用時に、利用者に対し課金を行うようにしてもよい。
【0157】
図18は、本変形例において無線タグ作成部300で上記無線タグTを作成する際に制御回路122B(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図7に対応する図である。なお、上記制御回路122Bは、利用者が操作端末130を用いてラベル作成指示の入力を行った際にこのフローを開始する。
【0158】
ステップS110〜ステップS130は前述の図7と同様であり、制御回路122Bは、利用者により選曲が行われるとその選曲された曲に対応するカラオケ情報を通信回線NW及び通信制御部111を介して取得し、このカラオケ情報に基づいてカラオケの再生を行う。
【0159】
次のステップS135では、課金情報を作成する。この課金情報とは、タグに書き込まれる曲に応じて予め設定された金額の情報であり、利用者が無線タグTを利用して楽曲の再生を行う度に当該課金情報に応じた金額が課されるようになっている(詳細は後述)。
【0160】
次のステップS140Aでは、制御回路122Bは無線タグ作成部300の高周波回路301に制御信号を出力し、高周波回路301によりアクセス情報を生成して装置側アンテナ306を介して無線タグ回路素子Toへ送信させ、IC回路部150へ上記ステップS120で取得したカラオケ情報及び上記ステップS135で作成した課金情報の書き込みを行う。また、当該カラオケ情報に基づいた印字ヘッド305による印字を行う。
【0161】
そして次のステップS150で、タグテープ303を設定された長さに切断して無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTを作成し、このフローを終了する。
【0162】
なお、上記制御回路122Bによって実行されるステップS135の手順は、特許請求の範囲各項記載のデータ書き込み手段による楽曲用無線タグへのデータ書き込み、及び、無線タグ回路素子におけるタグ側音源手段の有無の少なくとも一方に応じた課金データを生成し出力する装置側課金情報生成手段を構成する。
【0163】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS130とステップS135の順番を反対にしてもよい。
【0164】
図19は、上記制御により作成された無線タグTを利用する際に、制御回路122B(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図9に対応する図である。
【0165】
ステップS210及びステップS220は前述の図9と同様であり、制御回路122Bはリーダ部200にカラオケ情報を読み取るための問い合わせ信号を生成させ、高周波回路201及びアンテナ210を介し無線タグTの無線タグ回路素子Toに送信し、これに対応して無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号がアンテナ210及び高周波回路201を介し受信されたかどうかを判定する。無線タグTからリプライ信号を受信している場合には、判定が満たされて次のステップS230Bに移る。
【0166】
ステップS230Bでは、制御回路122Bは、上記受信したリプライ信号に基づき、当該リプライ信号を送信(返信)した無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶されたカラオケ情報及び上記課金情報を読み取り取得する。前述したように、この課金情報は利用者が無線タグTを利用して楽曲の再生を行う度に課される金額を表す情報である。
【0167】
次のステップS240では、制御回路122Bは上記ステップS230で取得したカラオケ情報に基づきカラオケの再生を行う。なおこのとき、無線タグTから読み出したカラオケ情報については、カラオケ装置本体110(例えば記憶部113)に記憶させることができないようになっている(但し、例えば自宅で簡易的なカラオケ装置を用いて個人的に無線タグTを用いるような場合には、カラオケ装置に記憶可能としてもよい)。これにより、無線タグTに記憶された楽曲の不正な利用の防止を図れるようになっている。
【0168】
次のステップS250では、制御回路122Bは、上記ステップS230Bで取得した課金情報を例えば当該カラオケ装置が設置されるカラオケ店の端末等に送信する。これにより、利用者がカラオケ利用料を精算する際に併せて無線タグTの利用料を精算することが可能となっている。そして、本フローを終了する。
【0169】
なお、上記制御回路122Bによって実行されるステップS250の手順は、特許請求の範囲各項記載のデータ読み取り手段による楽曲用無線タグからのデータ取得に応じた課金データを生成し出力する端末側課金情報生成手段を構成する。
【0170】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS240とステップS250の順番を反対にしてもよい。
【0171】
以上説明した変形例によれば、利用者の無線タグTの利用に対応して課金を行うことが可能となり、楽曲提供サービスを実現することができる。また楽曲数、各楽曲のデータ量、カラオケ装置本体110側の音源の有無(音源の利用の有無)等に応じ、課金額を増減することも可能となり、利用者のニーズに対応したきめ細かなサービスを行うことができる。
【0172】
なお、上記では、無線タグTに課金情報を記憶させておき、無線タグTを利用する度にその課金情報に応じた金額を利用者に課金するようにしたが、課金の形態はこれに限られない。すなわち、無線タグTの作成時にタグに書き込まれる曲に応じた所定の金額を課すようにし、作成後は無線タグTを何回でも無料で利用可能としてもよい。この場合、例えばカラオケ装置本体110に料金投入口を設けておき、無線タグTの作成時に利用者が選曲した楽曲に対応する金額を投入するようにすればよい。または、例えばカラオケ装置本体110にリーダ・ライタを設けておき、利用者の携帯電話等に記憶保持された電子マネー情報から対応する金額を減額するようにしてもよい。
【0173】
さらには、無線タグTの作成時に利用者が設定した金額情報を無線タグ回路素子Toに書き込む(チャージする)ようにし、無線タグTを利用する度にその金額情報から所定の金額を減額するようにしてもよい(いわゆるプリペイド方式)。
【0174】
また上記変形例は、第1実施形態の変形例として記載したが、本変形例を前述した第2実施形態に適用してもよい。
【0175】
(3)合奏可能な構成とする場合
上記実施形態では特に考慮しなかったが、リーダ部に複数の無線タグTを読み取らせ、それらを合奏可能なようにしてもよい。
【0176】
図20は、本変形例のリーダ部200による無線タグTからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路122C(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図14に対応する図である。
【0177】
ステップS410〜ステップS420は前述の図14と同様であり、無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された演奏情報を読み取るための問い合わせ信号を高周波回路201及びアンテナ210を介して送信し、これに対応して無線タグTの無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号を受信したか否かを判定する。受信した場合には判定が満たされて次のステップS425に移る。
【0178】
ステップS425では、上記ステップS420で受信したリプライ信号が複数の無線タグTから受信したものか否かを判定する。1つの無線タグTからリプライ信号を受信した場合には、判定が満たされずにステップS430に移る。
【0179】
ステップS430〜ステップS440は前述の図14と同様であり、上記ステップS420で受信したリプライ信号に基づき無線タグ情報(楽器演奏に対応するMIDIデータ等)を取得し、この取得した情報に基づき楽器CPの演奏による楽曲の再生を行う。そして、ステップS470に移る。
【0180】
一方、先のステップS425において、複数の無線タグTからリプライ信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS450に移る。
【0181】
ステップS450では、上記ステップS420で受信した複数のリプライ信号に対応する全無線タグ情報(楽器演奏に対応するMIDIデータ等)を取得する。
【0182】
次のステップS460では、上記ステップS450で取得した複数の無線タグTの演奏情報に基づき楽曲の再生(合奏)を行う。そして、ステップS470に移る。
【0183】
ステップS470では、楽曲の再生が終了したか否かを判定する。終了している場合には、本フローを終了する。一方、終了していない場合には判定が満たされずにステップS475に移る。
【0184】
ステップS475及びステップS480は、先のステップS410及びステップS420と同様であり、無線タグTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された演奏情報を読み取るための問い合わせ信号を高周波回路201及びアンテナ210を介して送信し、これに対応して無線タグTの無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ信号を受信したか否かを判定する。受信していない場合には、判定が満たされずに本フローを終了する。一方、受信している場合には、判定が満たされてステップS490に移る。
【0185】
ステップS490では、上記ステップS480で受信したリプライ信号に基づき無線タグ情報(楽器演奏に対応するMIDIデータ等)を取得する。そして、先のステップS460に戻る。
【0186】
以上のような制御が行われることにより、例えば操作者が異なる楽器(ピアノとバイオリン等)による同じ曲の演奏情報が書き込まれた複数の無線タグTを再生装置本体410のリーダ部500に読み取らせることにより、楽曲を複数の楽器で合奏させて再生することができる(ステップS425→ステップS450→ステップS460参照)。さらに、最初に1つの無線タグTを読み取らせて所定の楽器による演奏を再生させておき、演奏途中で異なる無線タグTを読み取らせて曲の途中から複数の楽器による合奏を開始させることも可能である(ステップS480→ステップS490→ステップS460参照)。これにより、例えばオーケストラによる楽曲を各楽器のパートごとにMIDIデータとして複数の無線タグTに記憶させておき、全無線タグTを読み取らせることでフルオーケストラの音で再生を行ったり、ピアノ協奏曲をピアノとオーケストラのパートに分けて複数の無線タグTに記憶させておき、ピアノ教室の生徒がオーケストラ部分だけを再生させてピアノを練習する(さらに途中から先生によるピアノの手本演奏を合奏させる)等の多様な利用形態が可能となる。
【0187】
なお、上記制御回路122Cによって実行されるステップS460の手順は、特許請求の範囲各項記載の端末側通信手段を介し、データ読み取り手段が複数の楽曲用無線タグそれぞれより同時に又は順次取得した音源駆動データ又は音声データを、互いに調和するように関連づける関連処理手段を構成する。
【0188】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0189】
以上説明した変形例によれば、利用者が複数の無線タグTを読み取らせることで、上述したようにそれぞれに対応した楽曲を合わせて再生したり(合奏等)、途中から一緒に再生したり(部分合奏等)することができる。さらには、片方を途中で停止してもう片方を再生したり(割り込み)、2曲連続して再生したり(再生予約)といったことも可能となる。
【0190】
なお、上記変形例では特に記載しなかったが、複数の無線タグTを読み取らせて合奏させる場合に、それぞれの無線タグTの演奏情報(例えばジャンルコード等)同士を照合するようにしてもよい。
【0191】
図21は、上記の場合においてリーダ部200による無線タグTからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路122D(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図20に対応する図である。
【0192】
本フローチャートが前述の図20と異なる点は、ステップS455及びステップS495を加えた点である。すなわち、制御回路122Dは、ステップS450で取得した複数の無線タグ情報(ジャンルコード等)同士を、次のステップS455で比較照合し、それらが一致する場合にはステップS460で合奏させ、一致しない場合にはステップS495に移り、報知手段(スピーカや映像表示装置等)により適宜のエラー報知(例えば「ジャンルが違うので合奏困難です」「読み取り間違いではありませんか?」等)を行わせる。
【0193】
これにより、照合結果が一致しない複数の楽曲(例えばジャンルの全く異なる楽曲や、その楽曲を構成する楽器とは異なる楽器で演奏された楽曲等)に関わる無線タグTを利用者が読み取らせた場合に、上記報知手段でその旨の表示を利用者に報知又は警告することにより利用者に無線タグTの交換を促すことができる。さらには、例えば非再生処理手段を設けて照合結果が一致しない楽曲の再生を実行しないようにするといったことが可能である。
【0194】
なお、上記制御回路122Dによって実行されるステップS450の手順は、特許請求の範囲各項記載の端末側通信手段を介した無線通信により、複数の楽曲用無線タグそれぞれが記憶した楽曲の属する音楽分野を同時に又は順次取得する識別子取得手段を構成し、ステップS455の手順は識別子取得手段で取得した複数の楽曲用無線タグそれぞれに係わる複数の識別子を照合する照合手段を構成する。
【0195】
また、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0196】
また上記した変形例は、第2実施形態の変形例として記載したが、本変形例を前述した第1実施形態に適用してもよい。
【0197】
(4)カラオケ情報のサイズをタグ容量に合わせる場合
上記実施形態では特に考慮しなかったが、無線タグTの作成時に、曲によってはカラオケ情報のデータ容量が無線タグ回路素子To(IC回路部のメモリ部155)のメモリ容量よりも大きくなり、書き込みが不可能となる場合も考えられる。本変形例は、このような場合にカラオケ情報のデータ容量を低容量化するものである。
【0198】
図22は、本変形例において無線タグ作成部300で上記無線タグTを作成する際に制御回路122E(図示せず)によって実行される制御手順を表すフローチャートであり、前述の図7に対応する図である。なお、制御回路122Eは、利用者が操作端末130を用いてラベル作成指示の入力を行った際にこのフローを開始する。
【0199】
ステップS110〜ステップS130は前述の図7と同様であり、制御回路122Eは、利用者により選曲が行われるとその選曲された曲に対応するカラオケ情報を通信回線NW及び通信制御部111を介して取得し、このカラオケ情報に基づいてカラオケの再生を行う。
【0200】
次のステップS133では、制御回路122Eは、上記ステップS120で取得したカラオケ情報のデータ容量を書き込み対象である無線タグ回路素子To(IC回路部のメモリ部155)のメモリ容量と比較し、データ容量が大きく情報書き込みが困難であるか否かを判定する。データ容量が小さく情報書き込みが可能である場合には、判定が満たされずにステップS140に移る。一方、データ容量が大きく情報書き込みが困難である場合には、判定が満たされて次のステップS135に移る。
【0201】
ステップS135では、制御回路122Eは、上記ステップS120で取得したカラオケ情報のデータ容量の低容量化処理を行う。この低容量化処理は、例えばMIDIデータ中の音色を減らす若しくはMIDIデータのサンプリング周波数を小さくする、または楽曲の一部を削除する(例えばサビ部分だけにする、あるいは1コーラスだけにする等)こと等によって行われる。また、前述した変形例(1)のように無線タグTに音源情報を書き込む場合には、その音源情報を削除する(又は簡易化する)ことにより低容量化してもよい。
【0202】
以降のステップS140及びステップS150は前述の図7と同様であるので説明を省略する。
【0203】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。例えば、ステップS130と、ステップS133及びステップS135との順番を反対にしてもよい。また、上記ではステップS135において制御回路122Eがカラオケ情報の低用量化処理を自動的に行うようにしたが、これに限られず、操作者が何のデータを削除する(あるいは簡易化する)かを例えば操作端末130を用いて手動で入力するようにしてもよい。
【0204】
また上記変形例は、第1実施形態の変形例として記載したが、本変形例を前述した第2実施形態に適用してもよい。
【0205】
(5)その他
なお、以上では、本発明をカラオケ装置や楽器演奏の再生装置に適用した場合を一例として示したが、本発明はこれ以外にも、例えばリーダ機能を有する携帯電話で無線タグTに記憶されたMIDIデータを読み取り再生する場合等、楽曲を再生する装置であれば種々多様な装置に適用可能である。上記の場合、無線タグTから読み取ったMIDIデータを例えば着メロとして使用することが可能となる。
【0206】
また、以上では、タグテープ303にカラオケ情報(又は演奏情報)に係わる印字を行いカッタ307で切断して印字付きの無線タグTを作成する場合を例にとって説明したが、無線タグTにおけるカラオケ情報(又は演奏情報)の表示手法としては上記印字に限られず、その他の被表示媒体を用いるようにしてもよい。
【0207】
また、以上では、無線タグTを作成する際に、無線タグ回路素子Toへの書き込み用のMIDIデータを含むカラオケ情報をカラオケ専用回線から取得、またはお手本演奏情報を楽器から取得する場合を例にとって説明したが、これに限られず、これらカラオケ情報または演奏情報が記憶されたCDやメモリカード等のメディアから取得するようにしてもよい。
【0208】
また、以上においては、無線タグTに備えられる無線タグ回路素子Toのタグ側アンテナ151の種類を特に明記しなかったが、このタグ側アンテナとしてコイル状のループアンテナを用い、HF帯を用いて磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)によりリーダ部側のアンテナと情報送受信を行うようにしてもよい。
【0209】
さらに以上においては、無線タグ作成部において、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセスの終了した印字済みタグラベル用テープをカッタ307で切断して無線タグTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ307で切断しなくても、テープが排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0210】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0211】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1】第1の実施形態のカラオケシステムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図2】無線タグ作成部の構成を概念的に表す全体構成図である。
【図3】リーダ部の構成を概念的に表す全体構成図である。
【図4】高周波回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図5】無線タグに備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図6】メモリ部のデータ内容を概念的に表す図である。
【図7】カラオケ装置本体の無線タグ作成部で無線タグを作成する際に制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図8】無線タグ作成部で作成された無線タグの全体概略構造の一例を表す上面図である。
【図9】リーダ部による無線タグからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態の演奏再生システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図11】再生装置本体の無線タグ作成部で無線タグを作成する際に制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図12】無線タグ作成部で作成された無線タグの全体概略構造の一例を表す上面図である。
【図13】作成された無線タグの無線タグ回路素子のメモリ部のデータ内容を概念的に表す図である。
【図14】リーダ部による無線タグからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図15】無線タグに音源情報を記憶保持させる場合の変形例のカラオケシステムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図16】カラオケ装置本体の無線タグ作成部で作成された無線タグの無線タグ回路素子のIC回路部メモリ部のデータ内容を概念的に表す図である。
【図17】カラオケ装置本体のリーダ部による無線タグからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図18】無線タグに課金情報を記憶保持させる場合の変形例において、無線タグ作成部で無線タグを作成する際に制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図19】作成された無線タグを利用する際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図20】合奏可能な構成とする場合の変形例において、リーダ部による無線タグからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図21】無線タグの演奏情報同士を照合する場合において、リーダ部による無線タグからの無線タグ情報の読み取りの際に、制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図22】カラオケ情報のサイズをタグ容量に合わせる場合の変形例において、無線タグ作成部で無線タグを作成する際に制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0213】
1 カラオケシステム(楽曲情報システム)
4 演奏再生システム(楽曲情報システム)
110 カラオケ装置本体(無線タグ読み取り端末)
110A カラオケ装置本体(無線タグ読み取り端末)
118 MIDIデコーダ(端末側音源手段)
119 オーディオミキシングアンプ(増幅手段)
122 制御回路
122A 制御回路
122B 制御回路
122C 制御回路
122D 制御回路
122E 制御回路
150 IC回路部
151 タグ側アンテナ
170 スピーカ(発音手段)
210 アンテナ(端末側通信手段)
300 無線タグ作成部(無線タグ作成装置)
303 タグテープ(被表示媒体、被印字媒体、タグ媒体)
305 印字ヘッド(印字手段)
306 アンテナ(装置側通信手段)
308 搬送ローラ(搬送手段)
410 再生装置本体(無線タグ読み取り端末)
418 MIDIデコーダ(端末側音源手段)
419 オーディオミキシングアンプ(増幅手段)
422 制御回路
470 スピーカ(発音手段)
600 無線タグ作成部(無線タグ作成装置)
T 無線タグ(楽曲用無線タグ)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源を駆動して楽曲を再生するための音源駆動データに関連する情報が表示された被表示媒体と、
前記被表示媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子とを有し、
前記IC回路部は、
前記音源駆動データを記憶保持していることを特徴とする無線タグ。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグにおいて、
前記被表示媒体としての、前記音源駆動データに関連する情報が印字された被印字媒体と、
前記被印字媒体又はこれに貼り合わせるタグ媒体に設けられた前記無線タグ回路素子とを有する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項3】
請求項2記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記楽曲の再生時に歌詞を画像表示するためのテキストデータを記憶保持していることを特徴とする無線タグ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記楽曲の再生時に効果音を鳴動するための効果音データを記憶保持していることを特徴とする無線タグ。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記楽曲の属する音楽分野に関する識別子を記憶保持していることを特徴とする無線タグ。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記音源駆動データにより駆動されて音声データを出力可能なタグ側音源手段を前記音源として記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項7】
楽曲を再生するための音源駆動データ又は音声データを記憶保持した楽曲用無線タグと無線通信を行うための端末側通信手段と、
前記端末側通信手段を介した無線通信により、前記楽曲用無線タグより前記音源駆動データ又は前記音声データを取得するデータ読み取り手段と、
前記データ読み取り手段で取得した前記音源駆動データ又は前記音声データに基づきしたがって再生される楽曲を増幅するための増幅手段と
を有することを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項8】
請求項7記載の無線タグ読み取り端末において、
前記増幅手段で増幅された楽曲を再生する発音手段
を有することを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項9】
請求項8記載の無線タグ読み取り端末において、
前記データ読み取り手段を介し前記楽曲用無線タグより取得された前記音源駆動データによって駆動される端末側音源手段を有し、
前記増幅手段は、
前記端末側音源手段からの発音信号を増幅し、
前記発音手段は、
前記増幅手段で増幅された発音信号に基づき前記楽曲を再生する
ことを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項10】
請求項8記載の無線タグ読み取り端末において、
前記増幅手段は、
前記楽曲用無線タグに備えられたタグ側音源手段から前記データ読み取り手段を介し取得された前記音声データに基づく発音信号を増幅し、
前記発音手段は、
前記増幅手段で増幅された発音信号に基づき前記楽曲を再生する
ことを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項11】
請求項8記載の無線タグ読み取り端末において、
前記データ読み取り手段は、
前記端末側通信手段を介した無線通信により、前記楽曲用無線タグに備えられたタグ側音源手段と、前記音源駆動データとを取得し、
前記増幅手段は、
前記データ読み取り手段を介し取得された前記タグ側音源手段が前記音源駆動データによって駆動された発音信号を増幅し、
前記発音手段は、
前記増幅手段で増幅された発音信号に基づき前記楽曲を再生する
ことを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項12】
請求項7乃至請求項11のいずれか1項記載の無線タグ読み取り端末において、
前記データ読み取り手段による前記楽曲用無線タグからのデータ取得に応じた課金データを生成し出力する端末側課金情報生成手段を有することを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項13】
請求項7乃至請求項12のいずれか1項記載の無線タグ読み取り端末において、
前記端末側通信手段を介し、データ読み取り手段が複数の前記楽曲用無線タグそれぞれより同時に又は順次取得した前記音源駆動データ又は前記音声データを、互いに調和するように関連づける関連処理手段を有する
ことを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項14】
請求項13記載の無線タグ読み取り端末において、
前記発音手段は、
前記関連処理手段で互いのデータが関連づけられた複数の楽曲を調和させて再生する
ことを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項15】
請求項13又は請求項14記載の無線タグ読み取り端末において、
前記端末側通信手段を介した無線通信により、前記複数の楽曲用無線タグそれぞれが記憶した前記楽曲の属する音楽分野に関する識別子を同時に又は順次取得する識別子取得手段と、
前記識別子取得手段で取得した前記複数の楽曲用無線タグそれぞれに係わる複数の識別子を照合する照合手段と
を有することを特徴とする無線タグ読み取り端末。
【請求項16】
楽曲用無線タグと無線通信を行うための装置側通信手段と、
前記装置側通信手段を介した無線通信により、楽曲を再生するために音源を駆動する音源駆動データを前記楽曲用無線タグへ書き込むデータ書き込み手段と
を有することを特徴とする無線タグ作成装置。
【請求項17】
請求項16記載の無線タグ作成装置において、
被印字媒体又はこれに貼り合わせるタグ媒体を搬送するための搬送手段と、
前記被印字媒体に対し所定のテキストを印字する印字手段とを有し、
前記装置側通信手段は、
前記被印字媒体又は前記タグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信により情報送受信を行い、
前記データ書き込み手段は、
前記音源駆動データを、前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする無線タグ作成装置。
【請求項18】
請求項17記載の無線タグ作成装置において、
前記装置側通信手段は、
前記IC回路部にタグ側音源手段を備えた前記無線タグ回路素子に対し、無線通信により情報送受信を行い、
前記データ書き込み手段は、
前記タグ側音源手段を駆動するための音源駆動データを、前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする無線タグ作成装置。
【請求項19】
請求項17記載の無線タグ作成装置において、
前記装置側通信手段は、
前記IC回路部にタグ側音源手段を備えない前記無線タグ回路素子に対し、無線通信により情報送受信を行い、
前記データ書き込み手段は、
無線タグ読み取り端末での読み取り時に、該無線タグ読み取り端末に備えられた端末側音源手段を駆動するための音源駆動データを、前記IC回路部に書き込む
ことを特徴とする無線タグ作成装置。
【請求項20】
請求項16乃至請求項19のいずれか1項記載の無線タグ作成装置において、
前記データ書き込み手段による前記楽曲用無線タグへのデータ書き込み、及び、前記無線タグ回路素子における前記タグ側音源手段の有無の少なくとも一方に応じた課金データを生成し出力する装置側課金情報生成手段を有する
ことを特徴とする無線タグ作成装置。
【請求項21】
楽曲用無線タグと、無線タグ読み取り端末とを有する楽曲情報システムにおいて、
前記楽曲用無線タグは、
テキストが印字された被印字媒体と、
前記被印字媒体又はこれに貼り合わせるタグ媒体に設けられ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子とを有し、
前記IC回路部は、少なくとも、音源を駆動して楽曲を再生するための音源駆動データを記憶保持しており、
前記無線タグ読み取り端末は、
前記楽曲用無線タグと無線通信を行うための端末側通信手段と、
前記端末側通信手段を介した無線通信により、当該無線タグ読み取り端末の端末側音源を駆動するための前記音源駆動データ、若しくは、前記音源駆動データに基づき前記楽曲用無線タグのタグ側音源手段から出力された音声データを、前記楽曲用無線タグより取得するデータ読み取り手段と、
前記データ読み取り手段で取得した前記音源駆動データ又は前記音声データに基づきしたがって再生される楽曲を増幅するための増幅手段と
を有する
ことを特徴とする楽曲情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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