説明

無線タグ情報通信システム及び無線タグ情報通信装置

【課題】無線タグ対象物の廃棄・回収時等において、その対象物に係わる情報処理を十分に行う。
【解決手段】対象物Wと関連づけて取り扱われる無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶された無線タグ情報にアクセスを行うリーダライタ101と、対象物Wに対応づけられた対象物情報を記憶したデータベースDBと、このデータベースDBに記憶された対象物情報の読み出し又は書き込みを行う情報サーバ7とを有し、リーダライタ101は、特定の対象物に係わる無線タグ情報、及び、特定の対象物に対応する対象物情報のうち少なくとも一方の消去処理を行う無効化処理手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により外部と情報の授受が可能な無線タグに対し外部より情報の読み出し又は書き込みを行う無線タグ情報通信システム及び無線タグ情報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読みとり装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読みとり/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナ部とを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部に対して情報の読みとり/書き込みが可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
特に物流の面では、製造工程から流通経路、さらに小売店より消費者の手に渡るまで、極めて広範囲な場面においてありとあらゆる物品に対し無線タグの添付・同梱等が行われ、様々な情報管理が計画されている。このような種々の物品に添付等された無線タグは、当該物品が使用後に廃棄されるときにはその記憶情報は不要となるため、情報の消去を図る必要がある。
【0004】
このような廃棄時の記憶情報の消去に係わる従来技術として、無線タグと同様に非接触による無線通信を行うICカードに関し、例えば特許文献1に記載のものが既に提唱されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−366920号公報(段落0036〜0062、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術では、データ書き換えが可能な不揮発性メモリに情報を記憶したICカードにおいて、電磁界内にカードがある状態でパンチ機で穿孔することにより、カード表面の所定の信号線を分断し、これによって上記メモリに格納されている情報を消去するようになっている。
【0007】
そこで、前述したような無線タグの廃棄時の情報消去に上記従来技術を応用し、無線タグにパンチ機で穿孔することにより、無線タグ回路素子の一部を分断することが考えられる。
【0008】
しかしながら、この場合、以下のような問題点が生じる。
【0009】
すなわち、無線タグは、ICカードと異なり非常に小型であり、前述のようにありとあらゆる物品に添付・同梱等され、特に必ずしも表面に露出しない裏側や隙間等にも添付等される場合がある。例えば、文書紙に、シール貼付や、接着や、ホッチキス針等による打ち込みや、すき込みによって無線タグが付けられている場合には、表側から見て無線タグ回路素子の正確な位置を判別できない。したがって、どの位置に穿孔すればよいかが不明になる結果、IC回路部に記録された情報を確実に消去できない可能性がある。
【0010】
また通常、無線タグ回路素子はその記憶容量等に鑑み、IC回路部にはタグ識別情報等のみを記憶しておく一方、無線タグを添付した物品の各種物品情報(本来記憶したい情報)については、そのタグ識別情報に一対一に対応づけて別途ネットワーク上のデータベース内に読み出し可能に格納していることが多い。この場合、仮に前述のようにして無線タグ回路素子に穿孔できたとしても、消去できるのは無線タグ回路素子のIC回路部のタグ識別情報のみであり、これに対応したデータベース内の物品情報までは消去できない。
【0011】
いずれにしても、無線タグの添付・同梱等の対象物である物品の廃棄時における情報の消去処理として十分なものではない。
【0012】
また、以上は、無線タグの対象物物品が廃棄物となるときを一例として説明したが、物品は廃棄されず繰り返し使用されるが無線タグ情報は消去したい場合等がある(図書館の本に添付した無線タグの情報を本の返却回収時に消去する場合等)。このような場合は無線タグそのものは生かしておいて情報のみ消去する必要があるが、上記従来技術はこのような場合の情報処理に対応していない。
【0013】
本発明の目的は、無線タグ対象物の廃棄・回収時等において、その対象物に係わる情報処理を十分に行うことができる無線タグ情報通信システム及び無線タグ情報通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、第1の発明は、対象物と関連づけて取り扱われる無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスを行うリーダライタと、前記対象物に対応づけられた対象物情報を記憶したデータベースと、このデータベースに記憶された前記対象物情報の読み出し又は書き込みを行うサーバとを有し、前記リーダライタは、前記無線タグ回路素子の廃棄のために、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を無効化する無効化処理手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本願第1発明においては、ある対象物が廃棄されると、リーダライタが、その特定の対象物と関連づけられた無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスし、その無線タグ情報(タグ識別情報等)を取得する。
【0016】
そして、リーダライタの無効化処理手段が、その無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の無効化処理を行う。このように直接情報の無効化処理を行うことで、無線タグ回路素子への穿孔等の機械的手法による場合とは異なり、無線タグの正確な位置を知らずとも処理を行え、対象物の廃棄・回収時等に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0017】
あるいは、リーダライタの無効化処理手段は、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行う。これにより、無線タグ回路素子への穿孔による手法では不可能であったデータベース内の情報処理を行い、対象物の廃棄・回収時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0018】
第2の発明は、上記第1発明において、前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の無効化処理を行うことを特徴とする。
【0019】
無効化処理手段が無線タグ情報を無効化処理することで、その無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の処理を行い、対象物廃棄・回収時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0020】
第3の発明は、上記第1発明において、前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に対応する前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする。
【0021】
無効化処理手段が特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行うことで、データベース内の情報処理を行い、対象物廃棄・回収時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0022】
第4の発明は、上記第1発明において、前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の無効化処理を行い、かつ、前記特定の対象物に対応する前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする。
【0023】
無効化処理手段が、無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の無効化処理を行うとともに、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行う。
【0024】
無線タグ情報の無効化処理を直接行い、また無線タグ回路素子への穿孔による手法では不可能であったデータベース内の情報処理を行うことで、対象物の廃棄・回収時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0025】
第5の発明は、上記第2乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物の廃棄または回収時に、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報及び前記特定の対象物に対応する前記対象物情報の少なくとも一方の無効化処理を行うことを特徴とする。
【0026】
例えば一般物であれば廃棄時、無線タグ付きの図書館の本等、繰り返し使用されるものでは回収時において、無効化処理手段が無線タグ情報又は対象物情報を無効化処理することで、対象物廃棄時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0027】
第6の発明は、上記第2又は第4発明において、リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の全部を無効化処理することを特徴とする。
【0028】
これにより、無線タグ回路素子からの無線タグ情報の読み取りが一切不可能となり、情報の漏洩を確実に防止することができる。
【0029】
第7の発明は、上記第2又は第4発明において、前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の一部を選択的に無効化処理し、その他の部分を処理しないことを特徴とする。
【0030】
一部の無線タグ情報を選択的に残すことにより、その残した無線タグ情報を活用して別途の処理(廃棄物処理等)における便宜を図ることができる。
【0031】
第8の発明は、上記第6又は第7発明において、前記リーダライタは、前記無線タグ回路素子に備えられ前記IC回路部に接続されたタグ側アンテナとの間で、無線通信により送受信を行う装置側アンテナを有し、前記無効化処理手段は、前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介し非接触で前記タグ側アンテナに送信する情報アクセス手段を備えることを特徴とする。
【0032】
情報アクセス手段が、アクセス情報を生成して装置側アンテナを介しタグ側アンテナに送信し、IC回路部の無線タグ情報にアクセスすることで、無効化処理を行うことができる。
【0033】
第9の発明は、上記第3又は第4発明において、前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記対象物情報の全部を無効化処理することを特徴とする。
【0034】
これにより、無線タグ情報と対象物情報との対応付けが不可能となり、情報漏洩の防止を図ることができる。
【0035】
第10の発明は、上記第3又は第4発明において、前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記対象物情報の一部を選択的に無効化処理し、その他の部分を処理しないことを特徴とする。
【0036】
一部の対象物情報を選択的に残すことにより、その残した対象物情報を活用して別途の処理(廃棄物処理、資産管理等)における便宜を図ることができる。
【0037】
第11の発明は、上記第9又は第10発明において、前記リーダライタは、前記サーバとの間のデータの入出力制御を行う入出力制御手段を有し、前記無効化処理手段は、前記サーバに対し前記データベース内の前記対象物情報にアクセスするアクセス指令を生成し、前記入出力制御手段を介し前記サーバへ出力する指令出力手段を備えることを特徴とする。
【0038】
指令出力手段が、アクセス指令を生成して入出力制御手段を介しサーバへ出力し、データベース内の対象物情報にアクセスすることで、無効化処理を行うことができる。
【0039】
第12の発明は、上記第11発明において、前記指令出力手段は、前記アクセス指令として、(1)前記特定の対象物に係わる前記対象物情報をすべて消去する全データ消去指令、(2)前記特定の対象物に係わる全対象物情報のうち、所望の対象物情報を選択的に消去する選択消去指令、(3)前記特定の対象物に係わる全対象物情報のうち、当該対象物との対応付けを行う部分のみを消去する対応付け消去指令、のいずれか1つの指令を生成することを特徴とする。
【0040】
指令出力手段が、全データ消去指令、選択消去指令、対応付け消去指令を生成して入出力制御手段を介しサーバへ出力し、データベース内の対象物情報にアクセスすることで、各指令に対応した態様の消去処理を行うことができる。
【0041】
第13の発明は、上記第12発明において、指令出力手段は、前記アクセス指令として、上記(1)〜(3)のいずれか1つの指令に加え、(4)当該対象物に新たに廃棄物情報を対応づけて付加する情報付加指令を生成することを特徴とする。
【0042】
これにより、ごみ分別等、廃棄物としての処理における便宜を図ることができる。
【0043】
第14の発明は、上記第1乃至第13発明のいずれか1つにおいて、前記無効化処理手段は、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を消去処理する消去処理手段であることを特徴とする。
【0044】
無効化処理手段が、その無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の消去処理を行うことで、無線タグ回路素子への穿孔等の機械的手法による場合とは異なり、無線タグの正確な位置を知らずとも消去を行え、対象物の廃棄・回収時等に伴う情報消去を十分かつ確実に行うことができる。あるいは、無効化処理手段は、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の消去処理を行う。これにより、無線タグ回路素子への穿孔による手法では不可能であったデータベース内の消去処理を行い、対象物の廃棄・回収時に伴う情報消去を十分かつ確実に行うことができる。
【0045】
上記目的を達成するために、第15の発明は、対象物と関連づけて取り扱われる無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスを行う無線タグ情報通信装置であって、前記無線タグ回路素子の廃棄のために、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を無効化する無効化処理手段を備えることを特徴とする。
【0046】
本願第15発明においては、ある対象物が廃棄・回収されるとその特定の対象物と関連づけられた無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスし、その無線タグ情報(タグ識別情報等)を取得する。
【0047】
このとき、無効化処理手段が、その無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の無効化処理を行う。このように直接情報の無効化処理を行うことで、無線タグ回路素子への穿孔等の機械的手法による場合とは異なり、無線タグの正確な位置を知らずとも処理を行え、対象物の廃棄・回収時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0048】
あるいは、無効化処理手段が、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行う。これにより、無線タグ回路素子への穿孔による手法では不可能であったデータベース内の情報処理を行い、対象物の廃棄・回収時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0049】
第16の発明は、上記第15発明において、前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の無効化処理を行うことを特徴とする。
【0050】
無効化処理手段が無線タグ情報を無効化処理することで、その無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の無効化処理を行い、対象物廃棄・回収時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0051】
第17の発明は、上記第15発明において、前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に対応づけられた前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする。
【0052】
無効化処理手段が特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行うことで、データベース内の情報処理を行い、対象物廃棄時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0053】
第18の発明は、上記第15発明において、無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の無効化処理を行い、かつ、前記特定の対象物に対応づけられた前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする。
【0054】
無効化処理手段が、無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の無効化処理を行うとともに、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行う。
【0055】
無線タグ情報の無効化処理を直接行い、また無線タグ回路素子への穿孔による手法では不可能であったデータベース内の情報処理を行うことで、対象物の廃棄時に伴う情報処理を十分かつ確実に行うことができる。
【0056】
第19の発明は、上記第15乃至第18発明のいずれか1つにおいて、前記特定の対象物を受け入れて収納する収納手段に設けられることを特徴とする。
【0057】
収納容器に受け入れられ収納された対象物に対し、これに関連づけられた無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスし、無効化処理手段でその無線タグ情報自体の無効化処理を行うか、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行うことができる。
【0058】
第20の発明は、上記第19発明において、前記特定の対象物を切断する切断手段を備えた前記収納手段に設けられることを特徴とする。
【0059】
収納手段に受け入れられ切断手段で切断された対象物に対し、これに関連づけられた無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスし、無効化処理手段でその無線タグ情報自体の無効化処理を行うか、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行うことができる。
【0060】
第21の発明は、上記第15乃至第20発明のいずれか1つにおいて、前記無効化処理手段は、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を消去処理する消去処理手段であることを特徴とする。
【0061】
無効化処理手段が、その無線タグ回路素子に記憶された無線タグ情報自体の消去処理を行うことで、無線タグ回路素子への穿孔等の機械的手法による場合とは異なり、無線タグの正確な位置を知らずとも消去を行え、対象物の廃棄・回収時等に伴う情報消去を十分かつ確実に行うことができる。あるいは、無効化処理手段は、データベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の消去処理を行う。これにより、無線タグ回路素子への穿孔による手法では不可能であったデータベース内の消去処理を行い、対象物の廃棄・回収時に伴う情報消去を十分かつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、無線タグ対象物の廃棄・回収時等において、リーダライタの無効化処理手段が無線タグ情報自体の無効化処理やデータベースに記憶された当該特定の対象物に対応づけられた対象物情報の無効化処理を行うので、その対象物に係わる情報処理を十分に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0064】
図1は、本実施形態の無線タグ情報通信システムを表すシステム構成図である。
【0065】
図1に示す本実施形態の無線タグ情報通信システム1においては、無線タグ情報消去装置2が、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ(管理サーバ)7に接続されている。
【0066】
情報サーバ7は、本実施形態の特徴の一つをなすものであり、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等と、データベースDB(後述の図2参照)とを備えている。
【0067】
図2は、上記無線タグ情報消去装置2の詳細構成を表す概念的構成図である。
【0068】
無線タグ情報消去装置2は、収納箱100(廃棄物が対象の場合は一種のゴミ箱)を備えている。この収納箱100は、例えば社員や来客者がつける名札、あるいは書類や書籍等の対象物Wが使用済み(廃棄物)となった場合に、その対象物Wが、これと関連づけて取り扱われる(添付される、貼り付けられる、クリップでとめられる、その他同梱等も含む)無線タグT(詳細は後述)とともに投入口より投入され収納されるものである。
【0069】
また無線タグ情報消去装置2は、収納箱100に投入された無線タグTの無線タグ情報(詳細は後述)にアクセスする(読み取り、書き込みを行う)リーダライタ101を備えている。
【0070】
図3は、上記リーダライタ101の詳細構成を表す概念的構成図である。
【0071】
図3において、無線タグTは、アンテナ151とIC回路部150とを備えた無線タグ回路素子Toを有している。
【0072】
リーダライタ101は、無線タグ回路素子Toの上記アンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行う、アンテナ20と、このアンテナ20を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、制御回路30とを有する。
【0073】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス(図示せず)を介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0074】
無線タグ回路素子Toは、固有の(但し書き換え可能)IDナンバー(無線タグ情報)を記憶しており、制御回路30がこのIDナンバーによって上記情報サーバ7に問い合わせを行うことで、前述した情報サーバ7のデータベースDBに予め格納保持された、当該対象物に関する種々の情報(=対象物情報;後述の図10等を参照)情報を上記情報サーバ7から読み込めるようになっている(詳細は後述)。
【0075】
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、アンテナ20を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ20により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0076】
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を増幅(この例では制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ20に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。
【0077】
受信部33は、アンテナ20により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ20により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に位相が90°ずらされた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0078】
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態の無線タグ情報消去装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0079】
図5は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【0080】
この図5において、無線タグ回路素子Toは、リーダライタ101側のアンテナ(装置側アンテナ)20と例えばUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ(タグ側アンテナ)151と、このアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0081】
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部157と、上記アンテナ151に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0082】
変復調部158は、アンテナ151により受信された上記アンテナ20からの無線通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ151より受信された搬送波を変調反射する。
【0083】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0084】
以上において、本実施形態の要部は、対象物の廃棄等において、その対象物に係わる情報処理を十分に行うために、リーダ/ライタ101が無線タグ回路素子Toの無線タグ情報を消去するとともに、通信回線3を介してデータベースDB内におけるその無線タグTに対応する対象物の対象物情報の消去も併せて行うことにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0085】
図6は、制御回路30によって実行される上記要部に係わる制御手順を表すフローチャートである。
【0086】
この図6において、まずステップS100で、アンテナ20を介し無線通信により無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報(識別情報;以下適宜、タグIDという)の読み取り処理を行う(詳細手順は後述)。
【0087】
その後、ステップS10で、上記ステップS100で読み取った無線タグ回路素子ToのタグIDについての問い合わせ信号を、上記入出力インターフェイス及び通信回線3を介し情報サーバ7へ出力する。
【0088】
そして、ステップS20で、上記問い合わせに対応する返答信号が入出力インターフェイス及び通信回線3を介し情報サーバ7より入力(認識)されたかどうかを判定する。
【0089】
判定が満たされたら、ステップS30に移り、上記返答信号に基づき、情報サーバ7のデータベースDB内において対応するタグIDに関する情報があったかどうかを判定する。当該タグIDに関する情報がデータベースDBに存在していなかったら判定が満たされず、ステップS100に戻って同様の手順を繰り返す。当該タグIDに関する情報がデータベースDBに存在していたら判定が満たされ、ステップS40に移る。
【0090】
ステップS40では、ステップS30でデータベースDBに存在していた当該タグIDに関する情報を、すべて消去する消去指示信号を、上記入出力インターフェイス及び通信回線3を介し情報サーバ7へ出力する。
【0091】
その後、ステップS200に移り、アンテナ20を介し無線通信により無線タグ回路素子ToのIC回路部151のタグIDの消去処理を行う(詳細手順は後述)。ステップS200が終了したら、ステップS100に戻って同様の手順を繰り返す。
【0092】
図7は、上記ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【0093】
この図7において、まずステップS110で、通信範囲にある全ての無線タグに応答を求める「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21よりアンテナ20を介し収納箱100内にある無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0094】
次に、ステップS120において、上記「Scroll All ID」信号に対応して無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(無線タグ情報としてのタグID)をアンテナ20を介して受信し(あるいはリプライ信号の中からタグIDを抽出し)、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0095】
その後、ステップS130に移り、上記ステップS120で受信したリプライ信号のタグIDに誤りがないか否か、図示及び説明を省略する周知の誤り検出信号により判定する。ステップS130の判定が満たされなかったら、ステップS110に戻り同様の手順を繰り返す。ステップS130の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子ToからのタグIDの読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
【0096】
以上のルーチンにより、対象である無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報(タグID)にアクセスし、これを読み出すことができる。
【0097】
図8は、上記ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0098】
この図8において、まずステップS210で、通信不良等が疑われるときのリトライ(再試行)の回数をカウントする変数Mを0に初期化する。
【0099】
次に、ステップS220において、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化(消去)する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21及びアンテナ20を介して消去対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化(すなわちデータ消去)する。
【0100】
次に、ステップS230において、メモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21及びアンテナ20を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0101】
その後、ステップS240において、上記「Verify」信号に対応して対象無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ20を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0102】
次に、ステップS250に移り、上記リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか(タグIDが消去されたか)否かを判定する。
【0103】
判定が満たされない場合はステップS260に移ってMに1を加え、さらにステップS270においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS280に移り、エラー表示信号を上記入出力インターフェイス及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する消去失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして初期化(消去)が不調でも5回までは再試行が行われる。
【0104】
以上のルーチンにより、処理対象の無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し、無線タグ情報(タグID)の消去処理を行うことができる。
【0105】
図9は、上記制御回路30により実行される制御に対応して、情報サーバ7の上記CPUによって実行される上記要部に係わる制御手順を表すフローチャートである。
【0106】
この図9において、まずステップS300で、上記入出力インターフェイス及び通信回線3を介しリーダライタ101の制御回路30より信号が入力したか(識別できたか)どうかを判定する。判定が満たされたらステップS310に移り、制御回路30から入力された信号が、無線タグ回路素子ToのタグIDについての問い合わせ信号であるかどうか(上記図6のステップS10参照)を判定する。判定が満たされなかったらステップS300に戻り、同様の手順を繰り返す。ステップS310の判定が満たされたらステップS320に移る。
【0107】
ステップS320では、ステップS310で入力された問い合わせ信号に応じて、情報サーバ7のCPUが、その問い合わせ信号よりデータベースDB内にて検索すべきタグID(識別情報)を抽出する。その後、ステップS330で、対象物(名札や書籍等)に関する対象物情報(詳細は後述の図10等参照)と一対一に対応する形でデータベースDB内に格納保持された多数の無線タグTのタグIDを検索する。そして、ステップS340で、その検索結果に応じた返答信号を、上記入出力インターフェイス及び通信回線3を介して出力し(上記図6のステップS20参照)、ステップS350に移る。
【0108】
ステップS350では、上記入出力インターフェイス及び通信回線3を介し再びリーダライタ101の制御回路30より信号が入力したか(識別できたか)どうかを判定する。判定が満たされたらステップS360に移り、制御回路30から入力された信号が、先に問い合わせられたタグIDの対象物情報消去指示信号であるかどうか(上記図6のステップS40参照)を判定する。判定が満たされなかったらステップS350に戻り、同様の手順を繰り返す。ステップS360の判定が満たされたらステップS370に移る。
【0109】
ステップS370では、ステップS360で入力された対象物情報消去指示信号に応じて、情報サーバ7のCPUが、その指示信号に含まれるデータベースDB内にて検索すべきタグID(識別情報)を抽出する。その後、ステップS380で、当該対象物情報に対応づけられるデータベースDB内のタグIDを検索し、ステップS390で、その検索したタグIDに対応した対象物情報を全消去し、このフローを終了する。
【0110】
図10は、前述の情報サーバ7のデータベースDB内における情報格納方式の一例を表す図である。
【0111】
図10において、この例では、無線タグTが関連づけて取り扱われる(添付される、貼り付けられる、クリップでとめられる、その他同梱等も含む)対象物Wとして、前述した名札(図10(a))及び書籍(図10(b))の場合の例を示している。
【0112】
図10(a)では、各名札に対応する無線タグTのタグIDのそれぞれに対し、当該名札を使用する社員の氏名、会社名(当該企業グループを構成する各企業名等)、社員番号(社内整理番号等)、性別、電話番号(ビル内内線番号等)、部門名が、それぞれ対象物情報として対応づけられている。
【0113】
図10(b)では、各書籍(本)に対応する無線タグTのタグIDのそれぞれに対し、当該書籍のタイトル(書籍名)、著者名、出版社、購入日、図書分類(分野)、国際規格で定めるISBNが、それぞれ対象物情報として対応づけられている。
【0114】
上記のように各タグIDナンバーごとに格納された各対象物データは、前述のように制御回路30よりIDナンバーによって問い合わせを受けることでデータベースDBより抜き出され、情報サーバ7のCPUにより所定の処理(各種判断、消去、データ追加等)が行われる。
【0115】
以上において、リーダライタ101の制御回路30、信号処理回路22、及び高周波回路21の送信部32が、各請求項記載の、特定の対象物に係わる無線タグ情報及び特定の対象物に対応する対象物情報の消去処理を行う無効化処理手段を構成し、そのうち、信号処理回路22及び送信部32が、IC回路部の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成し、装置側アンテナを介し非接触でタグ側アンテナに送信する情報アクセス手段を構成する。また、リーダライタ101に備えられた入出力インタフェースが、サーバとの間のデータの入出力制御を行う入出力制御手段を構成し、制御回路30、信号処理回路22、及び送信部32は、サーバに対しデータベース内の対象物情報にアクセスするアクセス指令を生成し、入出力制御手段を介しサーバへ出力する指令出力手段をも構成する。
【0116】
また、制御回路30が実行する図6に示すステップS40の消去指示信号が、アクセス指令としての、特定の対象物に係わる対象物情報をすべて消去する全データ消去指令に相当する。
【0117】
さらに、無線タグ情報消去装置2の収納箱100が、特定の対象物を受け入れて収納する収納手段を構成する。
【0118】
以上のように構成した本実施形態の無線タグ情報通信システム1においては、リーダライタ101の制御回路30は常時図6に示すフローを実行しており、ある対象物Wが廃棄され収納箱100に投入されると、リーダライタ101がその対象物Wの無線タグ回路素子ToのIC回路部151にアクセスし、その無線タグ情報(タグID)を取得する(図6のステップS100)。
【0119】
そして、ステップS10〜ステップS30でデータベースDB上に存在し管理されている無線タグTであることを確認した後、ステップS40で、データベースDBに記憶された当該対象物Wに対応づけられた対象物情報の消去処理を行う。これにより、無線タグTへの穿孔による手法では不可能であったデータベースDB内の情報消去を行い、対象物Wの廃棄時に伴う情報消去を十分かつ確実に行うことができる。このとき特に、対象物情報の全部を消去することにより、無線タグ情報と対象物情報との対応付けが不可能となり、情報漏洩の防止を図れる効果もある。
【0120】
またステップS200では、無線タグ回路素子Toに記憶された無線タグ情報(タグID)自体の消去処理を行う。このように直接情報の消去処理を行うことで、上記穿孔等の機械的手法による場合とは異なり、無線タグTの正確な位置を知らずとも消去処理を行え、これによっても対象物Wの廃棄時に伴う情報消去を十分かつ確実に行うことができる。このとき特に、対象物Wに係わるタグIDの全部を消去することにより、無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが一切不可能となり、情報の漏洩を確実に防止できる効果もある。
【0121】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0122】
(1)対象物情報や無線タグ情報の一部のみを消去する場合
すなわち、上記実施形態では、対象物情報と無線タグ情報の両方の全データを消去したが、これに限られず、一部のみを消去して残りのデータは残すようにしてもよい。
【0123】
そのような場合の一例として、対象物情報の一部のみを消去する場合を図11及び図12を用いて説明する。
【0124】
図11は、この変形例における情報サーバ7のCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートであり、上記実施形態の図9に相当する図である。図9と同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0125】
図11では、ステップS300〜ステップS370は図9と同様であり、ステップS370の後に新たにステップS375が設けられている。すなわち、ステップS360で入力した対象物情報消去指示信号(部分消去指示信号)に含まれる検索すべきタグID(識別情報)をステップS370で抽出した後、ステップS375で、さらに上記指示信号に含まれている消去項目情報(対象物情報のうちどの項目を消去すべきかという項目指定情報)を抽出する。
【0126】
そして、ステップS380でデータベースDB内のタグIDを検索し、ステップS390で、その検索したタグIDに対応した対象物情報のうち、ステップS375で抽出された消去項目情報に指定された項目のみを選択的に消去(他の項目は消去せずそのまま残す)する。
【0127】
そして本変形例ではさらに、以上のような選択消去のほかに、ごみ分別等、廃棄物としての処理における便宜を図るために、新たに廃棄物情報を対応づけて付加するようになっており、上記ステップS390の後に新たにステップS395が設けられている。このステップS395では、上記消去の後、新たに当該タグIDに関連づけて「廃棄済」の旨の記録を行い、さらにこの処理を行った日付を「廃棄日」のデータとして記録する(後述の図12参照)。ステップS395が終了したらこのフローを終了する。
【0128】
図12は、上記図11のフローによる処理が終了した後の情報サーバ7のデータベースDB内における情報格納状態の一例を表す図であり、前述の図10に対応する図である。
【0129】
図12の中段に示す名札データは図10(a)に相当するものであり、前述のようにタグIDごとに氏名、会社名、社員番号、性別、電話番号、部門名が関連づけられているが、この例では、上記ステップS375で消去項目として「社員番号」データと「電話番号」データとを選択抽出し、ステップS390でこれらを消去するようになっている(中段下部の「廃棄時消去項目」参照)。中段における上から2段目のタグID1111000000000002に係るデータが当該消去処理を行った対象物情報データを表している。
【0130】
図12の下段に示す名札データは上記図10(b)に相当するものであり、前述のようにタグIDごとにタイトル、著者名、出版社、購入日、図書分類、ISBNが関連づけられているが、この例では、上記ステップS375で消去項目として「購入日」データと「図書分類」データと「ISBN」データとを選択抽出し、ステップS390でこれらを消去するようになっている(下段下部の「廃棄時消去項目」参照)。下段における上から2段目のタグID2012000000000002に係るデータが当該消去処理を行った対象物情報データを表している。
【0131】
そして、図12の上段は、上記中段の名札に係る対象物情報データと下段の書籍に係る対象物情報データを、上記消去処理が行われたかどうかのみに着目したデータ表として別掲したものである。この例では、図12中段及び下段に示す名札又は書籍に対応する無線タグTのタグIDのそれぞれに対し、名札か書籍かのデータ種類と、前述した処理済(廃棄済)及び廃棄日が、それぞれ対象物情報として対応づけられている。上記したように、タグID1111000000000002に係る名札データとタグID2012000000000002に係る書籍データとが消去処理されていることから、それぞれのデータ欄には「廃棄済み」の旨が記録され、また廃棄日の欄には消去処理日付が記録されている。
【0132】
この変形例によれば、上記のように一部の対象物情報を選択的に残し図12上段のように整理し直すことにより、残した対象物情報を活用して別途の処理(この例では廃棄物処理等)における便宜を図ることができる。なお、図12上段に示す表を別に廃棄物データベース化してもよく、この場合廃棄物処理に便宜な他の項目のデータを追加してもよい。
【0133】
図13は、対象物情報の一部のみを消去する他の例における、処理が終了した後の情報サーバ7のデータベースDB内における情報格納状態を表す図であり、上記図12や前述の図10に対応する図である。図10と比較してわかるように、この例では、上記図11のステップS375で消去項目として「タグID」データを選択抽出しステップS390でこれらを消去しており、図13(a)に示す(図10(a)に相当)名札に係る対象物情報データ及び図13(b)に示す(図10(b)に相当)書籍に係る対象物情報データのすべてについて、タグIDデータが消去されている。
【0134】
この変形例によれば、上記のように一部の対象物情報を選択的に残すことにより、その残した対象物情報を活用して別途の処理(この例では資産管理等)における便宜を図ることができる。
【0135】
なお、上記変形例の場合、タグIDデータを消去することで、タグID(無線タグ情報)と対象物情報との対応付けが消去されることとなるが、逆に、タグIDデータのみを残し他の全項目のデータを消去してもよく、あるいはタグIDデータを全く別の番号に書き換える(例えばある月、ある年の処理順に付される新たなタグID)等も考えられ、これらの場合も(元の)タグID(無線タグ情報)と対象物情報との対応付けを消去することができる。
【0136】
さらに、上記2つの変形例では対象物情報の一部を消去したが、これに代えて無線タグ情報(タグID)の一部、例えば下2桁を消去したり、逆に下2桁を残して他の部分を消去したり、さらには無線タグ情報(タグID)が製造時にそのタグに固有として不変(書き換え、消去不可能)な製造番号部分と、ユーザが書き換え消去可能な一般番号部分とから構成されているときには、後者の一般番号部分を消去するようにしてもよい。
【0137】
また、上記実施形態では対象物情報の全データと無線タグ情報の全データを消去したが、これに限られず、いずれか一方の全データのみを消去するようにしてもよい。この場合も、上記実施形態同様、上記穿孔等の機械的手法による場合とは異なり、対象物Wの廃棄時に伴う情報消去を十分かつ確実に行えるという効果を得る。
【0138】
さらに、上記実施形態及び変形例では、無線タグ情報(タグID)について前述したように無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化(消去)する「Erase」コマンドを制御回路30から信号処理回路22に出力し、消去を行ったが、これに限られず、無線タグ回路素子Toのタグ機能を無効化する「Kill」コマンドを出力するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0139】
(2)他の構造の収納箱を用いる場合
図14は、図2に示した上記実施形態の無線タグ情報消去装置2とは異なる形状の収納箱100′を備えた無線タグ情報消去装置2′の詳細構成を表す概念的構成図である。
【0140】
無線タグ情報消去装置2′の収納箱100′は、一次収納箱部100′Hと、その下方に位置する二次収納箱100′Lとを備えている。対象物Wが使用済み(廃棄物)となった場合には、対象物Wはまず上方より一次収納箱部100′Hに投入され収納される。
【0141】
この対象物Wが一次収納箱部100′Hに収納された状態で、リーダライタ101が無線タグTの無線タグ情報にアクセスし、上述の消去処理を行う。無線タグTに係わる上記消去処理が終了した対象物Wは、この例では二次収納箱100′L側に設けられた開閉手段(開閉扉)100′Laが開かれる(手動式、自動式どちらでもよい)ことによって二次収納箱100′Lへ落下し移動する。二次収納箱100′Lの内部には適宜のシールド手段Sが設けられ、内部に収納した対象物Wの無線タグ回路素子Toがもし機能が生きていたとしてもリーダライタ100との無線通信ができないように配慮されている。
【0142】
本変形例の無線タグ情報消去装置2′によれば、上記実施形態の無線タグ情報消去装置2と同様の効果に加え、消去処理後の対象物Wを二次収納箱100′L内に貯留できるので、各対象物Wごとにその都度装置2′後へ排出することなく多数の対象物Wの消去処理を行うことができる。またこのときシールド手段Sでリーダライタ101が既に処理済の対象物Wの無線タグTの無線タグ情報を読み取る(誤読みとり)ことを防ぐことにより、リーダライタ101の処理を軽減(上記誤読みとり防止のための制御が不要)し、さらにこの結果新しい対象物Wについて無線タグ情報読み取り効率を向上できる(例えば送信出力増大等による)という効果が得られる。
【0143】
またさらに、上記図14や図11に示した収納箱100,100′に公知の切断手段(例えばロータリカッタ等)110を設け、収納箱100や一次収納箱部100′H又は二次収納箱100′Lに収納される直前に対象物Wを切断するようにしてもよい。この場合、図15、図16に示すように、収納箱100は3室に分かれており、無線タグにアクセスして情報消去を行う無線タグアクセス室100A(又は100A′)、切断手段110を配置した切断室100B(又は100B′)、情報消去・切断された対象物を格納する格納室100C(又は100C′)から構成される。
【0144】
(3)廃棄物以外に適用する場合
以上においては、名札や書籍(廃棄するもの)を廃棄する場合を例にとって、その廃棄時に対象物Wに係わる無線タグTの無線タグ情報又は対象物Wに対応するデータベースDB上の対象物情報の消去処理を行う場合を説明したが、本発明の適用はこれには限られない。
【0145】
すなわち、無線タグT付きの図書館の本の返却箱、レンタルビデオ・CD・DVDの返却箱等、対象物W(本、CD、DVD等)が繰り返し使用されるものに対し、その「回収時」に本発明を適用してもよい。この場合、例えば無線タグ情報については消去後新たなタグIDを書き込み(リーダライタ101で行ってもよいが、別途別の書き込み装置で行ってもよい)、更新して繰り返し使用することとなる。上記無線タグ情報の消去時における対象物情報については、例えば、データベースDBにおける貸出日、返却日、貸し出し者等のデータのみを消去し、再貸し出し時に新たなデータを書き込み更新して繰り返し使用すればよい。なおこの場合は、対象物情報の貸し出し履歴を残すようにしてもよい。
【0146】
また、必ずしも消去するのにも限られず、無線タグ回路素子To側(あるいはデータベースDB側)に廃棄した旨(あるいは所定の廃棄フラグ等)を書き込んで以降通常の読み取り又は書き込みを不能とする(あるいは制限する)場合もあり得る。これらを含む概念として、通常のデータ読み取り又は書き込みの少なくとも一部を無効化する、廃棄(回収も含む)のための無効化処理を行えば足りることがわかる。なおリユース記録等を残してもよいことは言うまでもない。
【0147】
なお、以上で用いた「Scroll All ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号、「Kill」信号は、EPC globalが策定したAuto−ID1仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の一実施形態の無線タグ情報通信システムを表すシステム構成図である。
【図2】図1に示した無線タグ情報消去装置の詳細構成を表す概念的構成図である。
【図3】図2に示したリーダライタの詳細構成を表す概念的構成図である。
【図4】図3に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図5】無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図6】制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図7】図6のステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図8】図6のステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図9】情報サーバのCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図10】情報サーバのデータベース内における情報格納方式の一例を表す図である。
【図11】対象物情報の一部のみを消去する変形例における情報サーバのCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図12】情報サーバのデータベース内における情報格納状態の一例を表す図である。
【図13】対象物情報の一部のみを消去する他の変形例における、情報サーバのデータベース内における情報格納状態を表す図である。
【図14】異なる形状の収納箱を備えた無線タグ情報消去装置の変形例の詳細構成を表す概念的構成図である。
【図15】収納箱に切断手段を設けた変形例を表す図である。
【図16】収納箱に切断手段を設けた他の変形例を表す図である。
【符号の説明】
【0149】
1 無線タグ情報通信システム
7 情報サーバ(サーバ)
20 アンテナ(装置側アンテナ)
22 信号処理回路(指令出力手段、情報アクセス手段、消去処理手段、無効化処理手段)
30 制御回路(指令出力手段、消去処理手段、無効化処理手段)
32 送信部(指令出力手段、情報アクセス手段、消去処理手段、無効化処理手段)
100 収納箱(収納手段)
100′ 収納箱(収納手段)
101 リーダライタ
110 切断手段
150 IC回路部
151 アンテナ(タグ側アンテナ)
DB データベース
To 無線タグ回路素子
W 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物と関連づけて取り扱われる無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスを行うリーダライタと、
前記対象物に対応づけられた対象物情報を記憶したデータベースと、
このデータベースに記憶された前記対象物情報の読み出し又は書き込みを行うサーバとを有し、
前記リーダライタは、前記無線タグ回路素子の廃棄のために、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を無効化する無効化処理手段を備えることを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、
前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の少なくとも一部の無効化処理を行うことを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項3】
請求項1記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、
前記特定の対象物に対応する前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項4】
請求項1記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、
前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の無効化処理を行い、かつ、前記特定の対象物に対応する前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、
前記特定の対象物の廃棄または回収時に、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報及び前記特定の対象物に対応する前記対象物情報の少なくとも一方の無効化処理を行うことを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項6】
請求項2又は4記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の全部を無効化処理することを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項7】
請求項2又は4記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の一部を選択的に無効化処理し、その他の部分を処理しないことを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項8】
請求項6又は7記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタは、前記無線タグ回路素子に備えられ前記IC回路部に接続されたタグ側アンテナとの間で、無線通信により送受信を行う装置側アンテナを有し、
前記無効化処理手段は、前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成し、前記装置側アンテナを介し非接触で前記タグ側アンテナに送信する情報アクセス手段を備えることを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項9】
請求項3又は4記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記対象物情報の全部を無効化処理することを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項10】
請求項3又は4記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタの前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記対象物情報の一部を選択的に無効化処理し、その他の部分を処理しないことを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項11】
請求項9又は10記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記リーダライタは、前記サーバとの間のデータの入出力制御を行う入出力制御手段を有し、
前記無効化処理手段は、前記サーバに対し前記データベース内の前記対象物情報にアクセスするアクセス指令を生成し、前記入出力制御手段を介し前記サーバへ出力する指令出力手段を備えることを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項12】
請求項11記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記指令出力手段は、前記アクセス指令として、
(1)前記特定の対象物に係わる前記対象物情報をすべて消去する全データ消去指令、
(2)前記特定の対象物に係わる全対象物情報のうち、所望の対象物情報を選択的に消去する選択消去指令、
(3)前記特定の対象物に係わる全対象物情報のうち、当該対象物との対応付けを行う部分のみを消去する対応付け消去指令、
のいずれか1つの指令を生成することを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項13】
請求項12記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記指令出力手段は、前記アクセス指令として、上記(1)〜(3)のいずれか1つの指令に加え、
(4)当該対象物に新たに廃棄物情報を対応づけて付加する情報付加指令を生成することを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項記載の無線タグ情報通信システムにおいて、
前記無効化処理手段は、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を消去処理する消去処理手段であることを特徴とする無線タグ情報通信システム。
【請求項15】
対象物と関連づけて取り扱われる無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された無線タグ情報にアクセスを行う無線タグ情報通信装置であって、
前記無線タグ回路素子の廃棄のために、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を無効化する無効化処理手段を備えることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
【請求項16】
請求項15記載の無線タグ情報通信装置において、
前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の無効化処理を行うことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
【請求項17】
請求項15記載の無線タグ情報通信装置において、
前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に対応づけられた前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
【請求項18】
請求項15記載の無線タグ情報通信装置において、
前記無効化処理手段は、前記特定の対象物に係わる前記無線タグ情報の無効化処理を行い、かつ、前記特定の対象物に対応づけられた前記対象物情報の無効化処理を行うことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
前記特定の対象物を受け入れて収納する収納手段に設けられることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
【請求項20】
請求項19記載の無線タグ情報通信装置において、
前記特定の対象物を切断する切断手段を備えた前記収納手段に設けられることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
【請求項21】
請求項15乃至20のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
前記無効化処理手段は、特定の前記対象物に係わる前記無線タグ情報、及び、当該特定の対象物に対応する前記対象物情報のうちの何れか一方の少なくとも一部の情報を消去処理する消去処理手段であることを特徴とする無線タグ情報通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−65662(P2006−65662A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248832(P2004−248832)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】