説明

無線通信装置および無線通信方法

【課題】 複数の無線通信装置を近くに配置して使用する場合に、同一の無線タグを同時に複数の無線通信装置で読み取らせないこと。
【解決手段】 一実施形態における無線通信装置は、送受信手段、プリアンブル検出手段、データ検出手段、応答時間設定手段を備えている。送受信手段は無線タグへの問合せ信号の送信および無線タグからの応答信号の受信を行う。プリアンブル検出手段は問合せ信号の送信タイミングを基準として設定された時間の範囲で当該問合せ信号を受信した無線タグからの応答信号に含まれるプリアンブルを検出する。データ検出手段はプリアンブルが検出されると当該応答信号で示されるデータを検出する。応答時間設定手段は送受信手段が無線タグからの応答信号を受信してから同無線タグに次の問合せ信号を送信するまでの応答時間を当該装置固有のパラメータに応じて設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線タグに問合せ信号を送信し、応答信号を受信する無線通信装置および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナを備え、このアンテナの交信領域内に存在する無線タグと電波を利用して無線通信を行うことにより、無線タグに実装されたメモリからのデータ読み出しや、同メモリへのデータ書き込みが可能な無線通信装置が開発され、実用化されている。このような無線タグは、RFID(Radio Frequency Identification)などと称されている。また、無線通信装置は、RFIDリーダなどと称されている。
【0003】
無線通信装置の一例としては、無線タグに所定周波数の搬送波を送信して起動させ、起動後の無線タグに問合せ信号を送信して同無線タグからの応答信号を受信することで、無線タグを読み取るように構成されたものが知られている。なお、この種の無線通信装置と通信する無線タグは、いわゆるバックスキャッタ変調により、無線通信装置からの搬送波と同周波数の応答信号を返している。
【0004】
このような機能を有する無線タグおよび無線通信装置は、物流業における物品管理を始めとし、様々な分野で使用されている。近年では、各種商品を販売する店舗において、店舗内の商品に無線タグを付けておき、レジでの精算時に商品に付けられた無線タグを読み取ることで精算処理を行うことができるように構成した商品販売システムを導入した例もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−20651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の無線通信装置が配置されたシステムにおいては、本来1つの無線通信装置のみで読み取られるはずの無線タグを、複数の無線通信装置で同時に読み取ってしまう場合がある。
【0007】
このような場合、各無線通信装置のそれぞれが当該無線タグから読み取った情報を用いた処理を行うため問題となる。例えば、上記商品販売システムにおいては、あるレジに運ばれた商品に付けられた無線タグが、そのレジに配置された無線通信装置だけでなく隣り合うレジの無線通信装置でも読み取られると、双方のレジにて1つの商品が販売処理されかねない。
【0008】
以上のような事情から、複数の無線通信装置を近くに配置して使用する場合に、同一の無線タグを同時に複数の無線通信装置で読み取らせないための手段を講じる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、一実施形態における無線通信装置は、無線タグに対する問合せ信号の送信および無線タグから返信される応答信号の受信を行う送受信手段と、この送受信手段が送信する問合せ信号の送信タイミングを基準として設定された時間の範囲で当該問合せ信号を受信した無線タグが返信する応答信号に含まれるプリアンブルを検出するプリアンブル検出手段と、このプリアンブル検出手段が応答信号のプリアンブルを検出すると当該応答信号で示されるデータを検出するデータ検出手段と、送受信手段が無線タグからの応答信号を受信してから同無線タグに次の問合せ信号を送信するまでの応答時間を当該装置固有のパラメータに応じて設定する応答時間設定手段と、を備えている。
【0010】
また、一実施形態における無線通信方法は、無線タグに対する問合せ信号の送信および無線タグから返信される応答信号の受信を行う送受信手段を有する無線通信装置により無線タグと通信する方法であって、送受信手段が無線タグからの応答信号を受信してから同無線タグに次の問合せ信号を送信するまでの応答時間を当該装置固有のパラメータに応じて設定するステップと、設定された応答時間を用いて送受信手段により問合せ信号の送信および応答信号の受信を行うステップと、送受信手段により受信した応答信号に含まれるプリアンブルを問合せ信号の送信タイミングを基準として設定された時間の範囲で検出するステップと、プリアンブルがされると当該応答信号で示されるデータを検出するステップと、を備えている
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】C1G2(Class 1 Generation 2)における無線タグ読取のコマンドシーケンスを説明するための図。
【図2】一実施形態におけるリーダの要部構成を示すブロック図。
【図3】一実施形態におけるプリアンブルの検出を説明するためのブロック図。
【図4】C1G2における応答時間を説明するための図。
【図5】C1G2におけるQueryコマンドの先頭に付加されるプリアンブルを示す図。
【図6】C1G2におけるFT(Frequency Tolerance)と他のパラメータとの関係を示す図。
【図7】一実施形態における比較開始時間Tsおよび比較終了時間Teを説明するための図。
【図8】一実施形態における変換テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図9】一実施形態における変換テーブルの一例を示す図。
【図10】一実施形態における応答時間設定部の動作を示すフローチャート。
【図11】同実施形態における作用を説明するための図。
【図12】同実施形態における作用を説明するための図。
【図13】図11に示した状態での通信シーケンスを示す図。
【図14】図12に示した状態での通信シーケンスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態について説明する。
なお、以下に説明する実施形態においては、RFIDタグの標準化団体であるEPC(Electronic Product Code)グローバルにより提唱されたUHF帯(950MHz帯)RFIDの標準プロトコルであるC1G2(Class 1 Generation 2)タイプの通信方式を用いて無線タグと通信する無線通信装置を例示する。
【0013】
[C1G2における通信]
先ず、C1G2における通信の概略について説明する。
C1G2においては、Inventory Tagsと呼ばれるコマンドシーケンスによって、無線タグの読み取りを実現している。Inventory Tagsには、通信タグの選択をおこなうSelectコマンド、アンチコリジョン(衝突回避)処理をおこなうQuery,Query Rep,Query Adjustコマンド、アンチコリジョン処理後にタグデータを取得(要求)するACKコマンドからなり、これらのコマンドを組み合わせてタグデータを取得するコマンドシーケンスを実現する。
【0014】
Inventory Tagsのコマンドシーケンスによるタグデータの取得の様子を図1に示す。ここで取得するタグデータは、EPCコードと呼ばれる。無線通信装置は、アンテナから無変調キャリア(CW)を送信しており、この無変調キャリアを受信して無線タグが起動する。起動の後、通信対象の無線タグを指定する場合には、無線通信装置からSelectコマンドが送信される。但し、本実施形態においては、Selectコマンドを使用しない。
【0015】
すなわち、無線通信装置は、先ずQueryコマンドを送信する。このQueryコマンドを受信すると、無線タグは、同コマンドの受信完了から予め定められた応答時間T1が経過したときに無変調キャリアをバックスキャッタ変調してRN16と呼ばれる乱数を返信する。このRN16を受信した無線通信装置は、RN16の受信完了から応答時間T2が経過した後にRN16を引数としたACKコマンドを送信する。このACKコマンドを受信した無線タグは、自身の送信したRN16とACKコマンドのRN16とが一致する場合、同コマンドの受信完了から応答時間T1が経過したときに無変調キャリアをバックスキャッタ変調してPC(Protocol Control)と呼ばれるデータの長さを示すヘッダ情報、EPCコード、および、通信エラー検出のためのCRC16(Cyclic Redundancy Check 16)を返信する。このように返信されるPC+EPC+CRC16を受信し、CRCチェックの結果が正常であれば、無線通信装置は、PC+EPC+CRC16の受信完了から応答時間T2が経過したときにQuery Repコマンドを送信する。一方、CRCチェックの結果が異常である場合など、EPCコードを正常に取得できなかった場合には、PC+EPC+CRC16の受信完了から応答時間T2が経過したときにNAKコマンドを送信する。
【0016】
[リーダ]
次に、本実施形態における無線通信装置として機能するリーダ1について説明する。リーダ1およびリーダ1で読み取られる無線タグは、C1G2に従って相互通信する。
【0017】
図2は、リーダ1の要部構成を示すブロック図である。リーダ1は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、およびタイマ2a等で構成される制御部2と、方向性結合器3と、ローパスフィルタ(LPF)4と、アンテナ5と、無線タグに対するコマンド(問合せ信号)や無変調キャリアの送信に用いられる送信系回路と、無線タグからの応答信号の受信に用いられる受信系回路とを備えている。また、制御部2は、例えばソフトウェアを用いた情報処理により実現される周波数設定部2bを備えている。周波数設定部2bは、図示せぬ操作手段の操作によって入力される情報や、上位機器から入力される情報に基づいてリーダ1が無線タグとの通信で使用する周波数チャネルを設定する。リーダ1の周波数チャネルは、周囲で稼働する他の無線通信装置等が使用する周波数チャネルと異なる周波数チャネルに設定される。
【0018】
送信系回路は、周波数設定部2bによって設定された周波数のローカルキャリア信号を出力するPLL(Phase Locked Loop)部11と、応答時間設定部12と、変換テーブル13と、制御部2から応答時間設定部12を経て出力される送信信号の符号化を行う符号化部14と、上記符号化された送信信号の振幅変調を行う振幅変調器15と、上記変調された送信信号から不要な成分を除去するバンドパスフィルタ(BPF)16と、バンドパスフィルタ16を通過した送信信号を増幅して方向性結合器3に供給する電力増幅器(PA)17とで構成されている。
【0019】
この送信系回路により無変調キャリアを無線タグに送信する場合には、PLL部11から出力されるローカルキャリア信号を符号化部14でハイレベルに符号化し、その振幅を振幅変調器15で最大レベルにして、バンドパスフィルタ16で不要な成分を除去した後、電力増幅器17で増幅する。電力増幅器17の出力は、方向性結合器3を介してローパスフィルタ4に供給され、不要な高周波成分が除去された後にアンテナ5に供給され、無変調キャリアとして送信される。
【0020】
また、送信系回路により無線タグにQueryやACK等のコマンドを送信する場合には、PLL部11からローカルキャリア信号が出力された状態で制御部2からコマンドのビットデータを出力し、符号化部14でFM0符合にて符号化する。この符号化後の信号を振幅変調器15で所定の振幅に増幅し、バンドパスフィルタ16で不要な成分を除去した後、電力増幅器17で増幅する。電力増幅器17の出力は、方向性結合器3を介してローパスフィルタ4に供給され、不要な高周波成分が除去された後にアンテナ5に供給され、コマンドとして送信される。上記FM0符合は、“0”を表すときには1ビットの中心でレベルを“H”から“L”または“L”から“H”に反転させ、“1”を表すときには1ビットの中でレベルを一定に保ち、変化させず、あるビットから次のビットに切り替わるときにはレベルを反転させる方式である。但し、FM0符合に代えてマンチェスタ符号等の他の符号化方式を採用してもよい。
なお、応答時間設定部12は、リーダ1固有のパラメータを用いて応答時間T2を設定するが、その詳細については後述する。
【0021】
受信系回路は、PLL部11からのローカルキャリア信号の位相を90度シフトする90度位相シフト器21と、ミキサ22(22I,23Q)と、ローパスフィルタ23(23I,23Q)と、2値化回路24(24I,24Q)と、信号処理部25(25I,25Q)とによって構成され、直接キャリア成分を除去するダイレクトコンバージョン方式で受信処理を行う。また、各信号処理部25は、サンプリング部31(31I,31Q)と、検出時間設定部32(32I,32Q)と、プリアンブル検出部33(33I,33Q)と、復号部34(34I,34Q)と、エラー検出部35(35I,35Q)とを有している。
【0022】
ミキサ22IにはPLL部11からのローカルキャリア信号がそのまま供給され、ミキサ22Qには90度位相シフト器21によって位相を90度シフトされた後のローカルキャリア信号が供給される。
【0023】
受信系回路による受信処理について説明する。送信系回路により送信されたコマンドを無線タグが受信すると、無変調キャリアをバックスキャッタ変調して応答信号を返信する。この応答信号がアンテナ5で受信されると、アンテナ5から当該応答信号に対応する受信信号が出力される。この受信信号はローパスフィルタ4に供給され、同信号に含まれる不要な高周波成分が除去された後、方向性結合器3を介してミキサ22I,22Qに供給される。
【0024】
ミキサ22IではPLL部11から供給されるローカルキャリア信号と方向性結合器3から供給される受信信号とが混合され、ローカルキャリア信号と同相成分のI信号が生成される。このI信号は、ローパスフィルタ23Iに供給され、不要な高周波成分が除去された後、2値化回路24Iにて2値化され、信号処理部25Iに供給される。
【0025】
一方、ミキサ22Qでは90度位相シフト器21から供給されるローカルキャリア信号と方向性結合器3から供給される受信信号とが混合され、ローカルキャリア信号と直交成分のQ信号が生成される。このQ信号は、ローパスフィルタ23Qに供給され、不要な高周波成分が除去された後、2値化回路24Qにて2値化され、信号処理部25Qに供給される。
【0026】
サンプリング部31Iは、2値化回路24Iから供給されるI信号と同期したクロックで受信信号をサンプリングしてビットデータを生成する。検出時間設定部32Iには、直前に送信したコマンドの送信タイミングを基準とした時間窓が設定されている。プリアンブル検出部33Iは、無線タグからの応答信号の先頭に付加されたプリアンブルを検出時間設定部32Iに設定された時間窓の範囲でサンプリング部31Iが生成したビットデータから検出する。復号部34Iは、プリアンブル検出部33Iによりプリアンブルが検出されたことに応じてサンプリング部31Iで生成されたビットデータの当該プリアンブルに続く部分を復号して無線タグからの応答信号を示す最終的なデジタルデータを生成し、制御部2およびエラー検出部35Iに出力する。この復号においては、連続するビットデータが“0,0”、“1,1”の場合にデータ“1”として復号し、連続するビットデータが“1,0”、“0,1”のときにデータ“0”として復号する。エラー検出部35Iは、プリアンブル検出部33Iにてプリアンブルが検出されない場合、プリアンブル検出エラーを制御部2に通知する。
【0027】
プリアンブル検出部33Iによるプリアンブルの検出について、図3のブロック図を用いて説明する。プリアンブル検出部33Iは、C1G2で定められたプリアンブルパターンを記憶する判定用データ設定部330と、サンプリング部31Iでサンプリングされたビットデータを順次格納するシフトレジスタ331と、判定用データ設定部330に記憶されたプリアンブルパターンとシフトレジスタ331に格納されたビットデータとを比較するコンパレータ332とを備えている。また、上記検出時間設定部32Iには、比較開始時間Tsと、比較終了時間Teとが記憶されている。比較開始時間Tsは、制御部2からQueryやACK等のコマンドの最後のビットが送信系回路に出力されてから、コンパレータによる比較を開始するまでの時間である。また、比較終了時間Teは、制御部2からQueryやACK等のコマンドの最後のビットが送信系回路に出力されてから、コンパレータによる比較を終了するまでの時間である。すなわち、比較終了時間Teと比較開始時間Tsとの差分が上記時間窓となる。
【0028】
制御部2は、QueryやACK等のコマンドの最後のビットを送信系回路に出力した後、タイマ2aにより時間計測を開始し、タイマ2aの計測時間が検出時間設定部32Iに設定された比較開始時間Tsに達した際に比較開始信号をコンパレータ332に出力し、その後タイマ2aの計測時間が検出時間設定部32Iに設定された比較終了時間Teに達した際に比較終了信号をコンパレータ332に出力する。コンパレータ332は、例えば比較開始信号が入力されたことに応じて判定用データ設定部330に記憶されたプリアンブルパターンと、シフトレジスタ331に格納されたビットデータのうち先頭から上記プリアンブルパターンと同数のビットデータとの比較を開始し、比較開始信号が入力されたことに応じて同比較を終了する。またコンパレータ332は、比較の間にプリアンブルが判定用データ設定部330に記憶されたプリアンブルパターンと一致するパターンを検出すると、復号部34Iにプリアンブル検出信号を出力する。復号部34Iは、このプリアンブル検出信号が入力されたことに応じて、上記の通り当該プリアンブルに続くビットデータを復号する。復号されたビットデータは、制御部2に出力される。
【0029】
一方、比較終了時間Teが経過した時点でプリアンブルが検出されない場合、既述の通りエラー検出部35Iがプリアンブル検出エラーを制御部2に通知する。
【0030】
なお、Q信号を用いた信号処理部25Qによる処理も、上記I信号を用いた信号処理部25Iによる処理と同様であるため、説明を省略する。制御部2は、信号処理部25I,25Qから出力されたデータのうち、精度のよい一方を図示せぬ上位機器に出力するなどの処理を行う。
【0031】
[応答時間T1,T2]
次に、応答時間T1,T2について説明する。
C1G2においては、図4に示すように応答時間T1,T2が定められている。
【0032】
応答時間T1は、上記の通り無線タグがリーダ1からのコマンドを受信してから応答信号を返信するまでの時間である。具体的には、上記コマンド受信時における同コマンドの最後のビットの立ち上りから、同コマンドに対する応答信号返信時における最初のビットの立ち上りまでの時間であり、その値は、以下の式(1)で示される範囲内で定められる。
【0033】
T1min≦T1≦T1max …(1)
ここで、応答時間T1の最小値T1minと最大値T1maxは、以下の式(2)(3)で定められる。
【0034】
T1min=MAX(RTcal,10Tpri)×(1−FT)−2μsec …(2)
T1max=MAX(RTcal,10Tpri)×(1+FT)+2μsec …(3)
ここに、RTcal(Interrogator-to-Tag calibration symbol)は、無線タグからリーダ1への通信速度を決定する値であり、図5に示したようにQueryコマンドの先頭に付加されるプリアンブルの中で定義される。図示したプリアンブルは、コマンドとコマンドの区切りであるデリミッタ(delimiter)を示すビットデータ、データシンボル“0”の時間間隔Tari(Type a reference interval)を示すためのビットデータ、無線タグからリーダ1への通信速度を決定する値である上記RTcalを示すビットデータ、および無線タグからリーダ1への通信速度を決定する値であるTRcal(Tag-to-Interrogator calibration symbol)を示すビットデータから構成されている。また、FT(Frequency Tolerance)は、無線タグのバックスキャッタ変調のゆらぎ(周波数公差)であり、C1G2によって規定された図6に示す対応関係に基づき決定される。図示した表には、分割比DR(Divide Ratio)、TRcal、無線タグの応答周波数LF(Link Frequency)、定格温度(nominal temp)での上記周波数公差FT、拡張温度(extended temp)での上記周波数公差FT、およびバックスキャッタ変調時の周波数変動(Frequency variation)の対応関係が定義されている。分割比DRは、上記TRcalと1ビットの応答時間を示す応答周期Tpri(Backscatter-link pulse-repetition interval)との比であり(DR=TRcal/Tpri)、“64/3”および“8”のいずれかに設定される。また、応答周波数LFは、応答周期Tpriの逆数である(LF=1/Tpri)。通常は、定格温度でのFTを式(2)(3)の計算に用いればよい。
【0035】
本実施形態においては、RTcal,Tpriが予め固定値として定められているものとする。すなわち、式(2)(3)で表されるT1minおよびT1maxの値が既知である。
【0036】
[比較開始時間Ts,比較終了時間Te]
次に、図7を参照して、上記比較開始時間Tsおよび比較終了時間Teについて説明する。
本実施形態においては、無線タグからの応答信号の先頭に付加されるプリアンブルは、“0000000000001010V1”の18シンボルにて表されるものとする。このうち上位の12個の“0”はパイロットトーンであり、このパイロットトーンに続く“1010V1”がプリアンブル検出用のビットデータである。なお、“V”はFM0符合のルールに従わないビットであり、プリアンブルの中でのみ使用される。このプリアンブルをFM0符合で符号化すると、“101010101010101010101010110100100011”のビットデータとなる。このビットデータのうち、上記プリアンブル検出用のビットデータに相当する“110100100011”が判定用データ設定部330に記憶されている。また、サンプリング部31I,31Qにおいては、それぞれ2値化されたI信号およびQ信号が0.5Tpriでサンプリングされ、ビットデータが生成されて、それぞれプリアンブル検出部33I,33Qのシフトレジスタ331に順次格納される。
【0037】
この場合、無線タグが式(1)の範囲における最短の応答時間T1、すなわちT1minで応答信号を返信したとすると、当該応答信号を要求するコマンドの最後のビットが送信系回路に出力された後、応答時間T1minが経過したときからプリアンブル検出部33I,33Qのシフトレジスタ331に当該応答信号のプリアンブルが格納され始め、その後18×Tpriが経過した時点で各シフトレジスタ331への当該プリアンブルのビットデータの格納が完了することになる。また、無線タグが式(1)の範囲における最長の応答時間T1、すなわちT1maxで応答信号を返信したとすると、当該応答信号を要求するコマンドの最後のビットが送信系回路に出力された後、応答時間T1maxが経過したときからプリアンブル検出部33I,33Qのシフトレジスタ331に当該応答信号のプリアンブルが格納され始め、その後18×Tpriが経過した時点で各シフトレジスタ331への当該プリアンブルのビットデータの格納が完了することになる。
【0038】
すなわち、応答時間T1が式(1)の範囲で変動する場合において、無線タグからの応答信号のプリアンブルを確実に検出するためには、比較開始時間Tsおよび比較終了時間Teを次の式(4)(5)で示される値に設定しなければならない。
【0039】
Ts=T1min+18×Tpri …(4)
Te=T1max+18×Tpri …(5)
式(4)(5)より、比較終了時間Teおよび比較開始時間Tsの差分、すなわちプリアンブルを比較する時間窓Δtは、次の式(6)で表される。
Δt=T1max−T1min …(6)
式(6)で示される時間窓Δtは、応答時間T2の設定に用いられるが、その詳細は後述する。
【0040】
[応答時間T2の設定]
次に、応答時間設定部12が行う応答時間T2の設定について説明する。なお、本実施形態においては、リーダ1固有のパラメータとして周波数設定部2bによって設定された周波数チャネルを用いる場合を例示する。
【0041】
応答時間T2は、次の式(7)の範囲内で設定される。
【0042】
T2min≦T2≦T2max …(7)
ここで、図4から分かるように、C1G2における応答時間T2の最小値T2minおよび最大値T2maxは、次の式(8)(9)で表される。
T2min=3×Tpri …(8)
T2max=20×Tpri …(9)
これら式(7)〜(9)で示される範囲内で、応答時間T2は設定される。
【0043】
また、本実施形態における応答時間設定部12は、周波数設定部2bによって設定された周波数に応じて応答時間T2を変更する。
【0044】
周波数設定部2bによって設定される周波数と、応答時間設定部12によって設定すべき応答時間T2との対応関係は、上記変換テーブル13に記述されている。図8は、変換テーブル13のデータ構造を示す模式図である。式(7)〜(9)から分かるように、応答時間T2の許容範囲は、応答周期Tpriの値によって変化する。したがって、本実施形態においては、応答周期Tpriの値毎に変換テーブル13を用意する。このようにすれば、応答周期Tpriが変更された場合であってもC1G2で定められた許容範囲を逸脱しないように応答時間T2を選択することができる。
【0045】
各変換テーブル13は、周波数設定部2bによって設定される周波数チャネル(No.1〜n)毎に、各チャネルの中心周波数および応答時間T2を記述して構成されている。上記中心周波数は、各周波数チャネルで使用される周波数の基準値である。また、応答時間T2は、式(7)〜(9)を満たす範囲で、各変換テーブル13内において重複しない値が記述される。
【0046】
ここで、各変換テーブル13に記述される各応答時間T2と同一テーブル内に記述される他の応答時間T2との差分(以下、離散間隔と称す)は、少なくとも式(6)で示される時間窓Δtよりも大きく設定する(離散間隔>Δt)。
【0047】
具体的な数値を記述した変換テーブル13の一例を図9に示す。この変換テーブル13は、RTcal=75μsec、無線タグの応答周期Tpri=25μsec、リーダ1が使用する周波数チャネルとしてUHF帯の周波数952.2MHz〜953.8MHzの間で0.2MHz間隔で定義された全9チャネルが用意されている場合の一例である。この場合、式(7)〜(9)より応答時間T2の許容範囲は75μsec〜500μsecとなり、式(6)により時間窓Δtは24μsecとなる。これを考慮し、75μsec〜500μsecの範囲内で、離散間隔を24μsecよりも大きい25μsecとして各周波数チャンネルに対応する応答時間T2を設定している。
【0048】
次に、応答時間設定部12の動作について説明する。
応答時間設定部12は、図10に示すフローチャートに沿って動作し、応答時間T2を設定する。この動作は、例えばリーダ1が通信に使用する周波数が周波数設定部2bにより変更されたことに応じて開始される。
【0049】
応答時間T2の設定処理を開始した当初において、先ず応答時間設定部12は、周波数設定部2bによって設定された周波数チャネルを示す情報を制御部2のメモリにアクセスして取得する(ステップS1)。さらに、応答時間設定部12は、リーダ1が現在使用している応答周期Tpriを示す情報を制御部2のメモリにアクセスして取得する(ステップS2)。
【0050】
次に、応答時間設定部12は、ステップS2にて取得した情報で示される応答周期Tpriに対応する変換テーブル13を参照し、ステップS1にて取得した周波数チャネルに対応付けられた応答時間T2を取得する(ステップS3)。
【0051】
そして、応答時間設定部12は、ステップS3にて取得した応答時間T2を以降の通信で使用する応答時間T2として設定する(ステップS4)。具体的には、制御部2のメモリに設けられた応答時間T2設定用の記憶領域にステップS3にて取得した応答時間T2を記憶する。
【0052】
ステップS4を以って応答時間T2の設定に関わる一連の処理が終了する。この一連の処理が行われた後においては、制御部2はステップS4で設定された応答時間T2を用いて無線タグとの通信を行う。すなわち、無線タグからRN16やPC+RPC+CRC16の最後のビットを受信したとき、当該設定された応答時間T2をタイマ2aで計測した後に、ACKやQuery Rep等のコマンドの最初のビットを送信系回路に出力する。
【0053】
このように、応答時間設定部12は、変換テーブル13に記述された複数の時間幅の中から現在リーダ1が使用している周波数チャネルに対応する1つを選択し、当該選択した時間幅をその後の通信に使用する応答時間T2として設定する。
【0054】
[作用]
上記のような構成の作用について説明する。
ここでは、図11および図12に示すように、2つのリーダ1A,1Bが近接して配置されている場合を例示する。図中の100Aはリーダ1Aのアンテナ5Aから送信されるQueryコマンドやACKコマンドが到達する範囲を示し、100Bはリーダ1Bのアンテナ5Bから送信されるQueryコマンドやACKコマンドが到達する範囲を示している。これら範囲100A,100Bが重複しないようにアンテナ5A,5Bの配置位置等が調整されている。また、各リーダ1A,1Bが使用する周波数チャネルは、それぞれ中心周波数が952.2MHz、952.4MHzのものに設定され、RTcal=75μsec、Tpri=25μsecで固定されているものとする。
【0055】
図11はリーダ1Aのみ稼働している場合を示している。このとき、範囲100Aの外に所在する無線タグ200にはアンテナ5Aから送信されるQueryコマンドやACKコマンドが届かないので、リーダ1Aは無線タグ200を読み取ることはない。
【0056】
一方、図12はリーダ1A,1Bの双方が稼働している場合を例示している。このとき、無線タグ200が範囲100B内に所在すると、無線タグ200にはアンテナ5Bから送信されるQueryコマンドやACKコマンドが届くので、リーダ1Bは無線タグ200を読み取ることができる。
【0057】
但し、無変調キャリアは既述の通り振幅を最大レベルに増幅して送信されるので、図12の状態において無線タグ200にリーダ1Aからの無変調キャリアが到達する場合がある。この場合、無線タグ200は、リーダ1Bからのコマンドを受信した際に、リーダ1A,1B双方の無変調キャリアをバックスキャッタ変調して952.2MHzの応答信号と952.4MHzの応答信号を送信することになる。このとき、図13に示すようにリーダ1AがQueryコマンドのビットを自身の送信系回路に出力するタイミングと、リーダ1BがQueryコマンドのビットを自身の送信系回路に出力するタイミングとが偶然一致すると、無線タグ200が返信するRN16(952.4MHz)がリーダ1Bで受信されるとともに、リーダ1AでもRN16(952.2MHz)が受信され得る。
【0058】
ここで、応答時間T2がリーダ1A,1Bともに100μsecの同値であったとすると、リーダ1A,1Bは、RN16を受信し終えたときから100μsecが経過した時点でACKコマンドを送信する。このうち、リーダ1Bから送信されたACKコマンドのみが無線タグ200に到達する。無線タグ200は、リーダ1BからのACKコマンドを受信すると、リーダ1A,1B双方の無変調キャリアをバックスキャッタ変調してEPC等のタグデータを返信する。このように無線タグ200が返信するタグデータ(952.4MHz)がリーダ1Bで受信されるとともに、リーダ1Aでもタグデータ(952.2MHz)が受信され得る。すなわち、本来リーダ1Aで読み取れないはずの無線タグ200が、リーダ1Aで読み取られかねない。
【0059】
これに対し、本実施形態においては、応答時間T2が周波数チャネルに応じて可変設定される。すなわち、図9に示した変換テーブル13を用いたとすると、リーダ1Aの応答時間設定部12がリーダ1Aの応答時間T2を100μsecに設定し、リーダ1Bの応答時間設定部12がリーダ1Bの応答時間T2を125μsecに設定する。この場合、リーダ1AはRN16を受信し終えてから100μsecを待ってACKコマンドを送信し、リーダ1BはRN16を受信し終えてから125μsecを待ってACKコマンドを送信する。そして、リーダ1A,1Bは、ACKコマンドを送信し終えた後、式(4)で示される比較開始時間Tsの経過時から式(5)で示される比較終了時間Teの経過時まで無線タグ200から応答されるタグデータのプリアンブルの検出動作を行う。このとき、リーダ1Bにおいては無線タグ200が返信するタグデータ(952.4MHz)のプリアンブルが正常に検出される。
【0060】
しかし、リーダ1Aではリーダ1Bよりも25μsecだけ早く比較開始時間Tsおよび比較終了時間Teが到来する。すなわち、実際に無線タグ200から返信されるタグデータ(952.2MHz)のプリアンブルのビットデータがシフトレジスタ331に格納され終える前に、コンパレータ332がプリアンブルの検出を終了する。したがって、リーダ1Aではプリアンブル検出エラーとなり、無線タグ200からのタグデータは受信されない。
【0061】
このように、本実施形態においては、リーダ1の応答時間T2をリーダ1が使用する周波数チャネルに応じて変更する構成とした。通常、隣接して配置された複数のリーダ1が使用する周波数チャネルはそれぞれ重複しないようにキャリアセンスされることに鑑みれば、本実施形態のようにすることで各リーダ1の応答時間T2をそれぞれ固有の値に設定することができ、図11〜図14を用いて説明したように、複数のリーダ1による同一の無線タグの読み取りを防止することができる。
【0062】
(変形例)
上記各実施形態にて開示した構成は、種々変形実施可能である。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0063】
[1]上記実施形態においては、C1G2タイプの通信方式を用いて無線タグと通信するリーダ1を例示した。しかしながら、C1G2以外の通信方式を用いて無線タグと通信する無線通信装置に対し、上記実施形態にて開示した構成を適用してもよい。この場合、採用する通信方式に応じて式(1)〜(9)を変更し、無線通信装置毎に固有の応答時間T2が定められるよう構成すればよい。
【0064】
[2]上記実施形態においては、応答時間設定部12や変換テーブル13を制御部2と独立して設ける構成とした。しかしながら、応答時間設定部12や変換テーブル13は、制御部2内に設けてもよい。
【0065】
[3]上記実施形態においては、周波数チャネルに応じて応答時間T2を設定する場合を例示した。しかしながら、周波数チャネル以外のパラメータを用いてリーダ1毎に固有の応答時間T2を設定してもよい。要は隣接して配置された複数のリーダ1毎に固有の応答時間T2を設定できればよいので、周波数チャネル以外のパラメータとしては、例えば乱数を採用し得る。すなわち、リーダ1の送信系回路あるいは受信系回路等に乱数を生成する乱数生成部を設け、変換テーブル13には乱数生成部により生成され得る数値に対応付けて応答時間T2を設定する。そして、応答時間設定部12には乱数生成部にて生成された乱数に対応付けられた応答時間T2を変換テーブル13から取得させ、取得した応答時間T2をリーダ1が使用する応答時間T2として設定させる。このようにしても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
[4]また、リーダ1からのコマンド送信時や無線タグからの応答信号受信時にデジタル信号処理を行う場合、そのデジタル信号処理に伴う遅延時間が発生するならば、その遅延時間を考慮して応答時間T2を設定すればよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
Ts…比較開始時間、Te…比較終了時間、T1,T2…応答時間、Δt…時間窓、1…リーダ、2a…タイマ、2…制御部、2b…周波数設定部、12…応答時間設定部、13…変換テーブル、31I,31Q…サンプリング部、33I,33Q…プリアンブル検出部、34I,34Q…復号部、35I,35Q…エラー検出部、330…判定用データ設定部、331…シフトレジスタ、332…コンパレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグに対する問合せ信号の送信および無線タグから返信される応答信号の受信を行う送受信手段と、
この送受信手段が送信する問合せ信号の送信タイミングを基準として設定された時間の範囲で当該問合せ信号を受信した無線タグが返信する応答信号に含まれるプリアンブルを検出するプリアンブル検出手段と、
このプリアンブル検出手段が前記応答信号のプリアンブルを検出すると当該応答信号で示されるデータを検出するデータ検出手段と、
前記送受信手段が無線タグからの応答信号を受信してから同無線タグに次の問合せ信号を送信するまでの応答時間を当該装置固有のパラメータに応じて設定する応答時間設定手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記応答時間設定手段は、前記送信タイミングを基準として設定された前記時間よりも大きい離散間隔で定められた複数の時間の中から前記パラメータに対応する1つを選択し、当該選択した時間を前記応答時間として設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記送信タイミングを基準として設定された前記時間は、前記無線タグが前記問合せ信号を受信してから前記応答信号を送信するまでの時間の最大値と最小値の差分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記当該装置固有のパラメータは、前記送受信手段が使用する周波数チャネル、または、前記送受信手段が発生させる乱数であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
無線タグに対する問合せ信号の送信および無線タグから返信される応答信号の受信を行う送受信手段を有する無線通信装置により無線タグと通信する方法であって、
前記送受信手段が無線タグからの応答信号を受信してから同無線タグに次の問合せ信号を送信するまでの応答時間を当該装置固有のパラメータに応じて設定するステップと、
設定された前記応答時間を用いて前記送受信手段により問合せ信号の送信および応答信号の受信を行うステップと、
前記送受信手段により受信した応答信号に含まれるプリアンブルを前記問合せ信号の送信タイミングを基準として設定された時間の範囲で検出するステップと、
前記プリアンブルが検出されると当該応答信号で示されるデータを検出するステップと、
を備えていることを特徴とする無線通信方法。
【請求項6】
前記応答時間を設定するステップでは、前記送信タイミングを基準として設定された前記時間よりも大きい離散間隔で定められた複数の時間の中から前記パラメータに対応する1つを選択し、当該選択した時間を前記応答時間として設定することを特徴とする請求項5に記載の無線通信方法。
【請求項7】
前記送信タイミングを基準として設定された前記時間は、前記無線タグが前記問合せ信号を受信してから前記応答信号を送信するまでの時間の最大値と最小値の差分であることを特徴とする請求項5又は6に記載の無線通信方法。
【請求項8】
前記応答時間を設定するステップでは、前記送受信手段が使用する周波数チャネルに応じて前記応答時間を設定することを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれか1に記載の無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−123731(P2012−123731A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275870(P2010−275870)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】