無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システム
【課題】 各無線通信装置の連続データ送信に係る制限のある通信システムにおいて、通信効率を向上させる。
【解決手段】 本発明は、他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置を複数有する無線通信システムに関する。そして、それぞれの無線通信装置は、転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを送信元の無線通信装置から受信した場合に、すくなくとも送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間に係る開始時刻を保持する手段と、転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを蓄積して、推定した送信元の無線通信装置のデータ送信停止期間が始まってから、転送先の無線通信装置へのデータ送信を開始する手段とを有することを特徴とする。
【解決手段】 本発明は、他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置を複数有する無線通信システムに関する。そして、それぞれの無線通信装置は、転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを送信元の無線通信装置から受信した場合に、すくなくとも送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間に係る開始時刻を保持する手段と、転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを蓄積して、推定した送信元の無線通信装置のデータ送信停止期間が始まってから、転送先の無線通信装置へのデータ送信を開始する手段とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムに関し、例えば、マルチホップ通信を行う無線通信システムに適用することができる。
【背景技術】
【0002】
複数の無線通信装置で、同一チャネル(周波数)を共用し、マルチホップ通信を行う無線通信システムでは、同一のチャネルに複数の無線通信装置がアクセスする際の競合を回避する方式として、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式がある。CSMA/CA方式を採用する無線通信装置間の通信では、コリジョン(同じチャネルを流れる信号の衝突)を直接的に検出できないため、各無線通信装置は、通信路が一定時間以上継続して空いていることを確認してからデータを送信する。
【0003】
また、同様のマルチホップ通信を行う通信システムにおいて、データを連続送信するのではなく、間欠的にデータ送信を行う方が、スループットが高いことが知られている(特許文献1、図13等参照)。なぜなら、データを連続送信すると隣の無線通信装置がキャリア検出をしてしまい、データ送信が行えないからである。なお、CSMA/CAを用いない場合でも、データを連続送信するとデータ転送時にコリジョンが発生しデータを正しく受信できなくなる。
【0004】
次に、従来の、複数の無線通信装置においてマルチホップ通信を行う無線通信システムにおいてコリジョンを回避する技術の例について図面(図7〜図10)を参照しながら説明する。
【0005】
図7は、従来の通信システムの構成例について示した説明図であり、図7に示すように、従来の通信システム300は、3つの無線通信装置301〜303を有しているものとして説明する。通信システム300では、無線通信装置301から無線通信装置302を介して無線通信装置303ヘデータを、マルチホップ通信により送信するものとする。
【0006】
図8は、通信システム300において、無線通信装置301〜303の通信タイミングについて示した説明図である。
【0007】
図8に示すように、任意の時刻T無線通信装置301から送信されたデータ(データT)はまず無線通信装置302で受信され(S401)、その後、無線通信装置302から無線通信装置303へ送信される(S402)。
【0008】
図9は、通信システム300において、無線通信装置間で連続データ送信をおこなった場合の通信タイミングについて示した説明図であり、図10は、通信システム300において、無線通信装置間で間欠的にデータ送信を行う場合の通信タイミングについて示した説明図である。
【0009】
図9に示すように、通信システム300において、無線通信装置間で連続データ送信を行う場合、無線通信装置301が無線通信装置302へ、時刻TにデータTを送信した直後に、連続して他のデータを送信する(S501)。その場合、無線通信装置302がデータTを無線通信装置303へ転送する際に、無線通信装置301が無線通信装置302へ他のデータ送信を行っているため、コリジョンが発生し、データTを転送することができず(S502)、スループットが低下してしまうという問題がある。
【0010】
図9に示すような問題点を解決するために、従来、図10に示すような、無線通信装置間で間欠的にデータ送信を行う方式がある。
【0011】
図10に示すように、無線通信装置301がノード302へデータTを送信すると(S601)、データTは、さらに無線通信装置302から無線通信装置303へ転送される(S602)。
【0012】
そして、無線通信装置301は、上述のステップS601のデータ送信終了後に、次のデータを無線通信装置302に送信する際には、ノード302による上述のステップS602のデータ送信が完了するのに十分な時間(送信待機時間)待機してから、データ送信を再開する(S603)。
【0013】
図10のように、無線通信装置301が、間欠的にデータ送信を行うことにより、上述の図9に示すようなコリジョンなどは発生せず、スムーズに無線通信装置間のマルチホップ通信を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−319787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来の無線通信システムにおいて、上述の図10のような無線通信装置(無線通信装置)間で間欠的にデータ送信を行った場合でも、連続通信可能時間に制約がある無線通信システムでは、後述するような問題点がある。
【0016】
例えば、日本国においては法令で、950MHz帯域の無線通信について「送信を開始してから100m秒(法定連続送信可能期間)経過後、データ送信を100m秒(法定送信禁止期間)以上禁止しなければならない。ただし、送信を開始してから100m秒(法定連続送信可能期間)以内に送信をやめた場合、その時刻から100m秒(法定送信禁止期間)以上データ送信を休止すればデータ送信を再開できる。」と定められている。
【0017】
図11は、950MHz帯の無線通信における連続データ送信に係る制約について示した説明図である。
【0018】
図11に示すように、950MHz帯の周波数を無線通信に用いる無線通信装置では、連続して他の無線通信装置にデータ送信を行う際、データ送信を開始してから、データ送信を行う期間(連続送信期間)の最長期間を、(法定)連続送信可能期間としなければならず、データ送信を停止してから、データ送信を停止する期間(送信停止期間)の最短期間を、(法定)送信禁止期間としなければ違法となる。
【0019】
図12は、上述の従来の通信システム300において、無線通信装置間で間欠的にデータ送信を行い(図10参照)、さらに、連続通信可能時間に制約がある場合(図11参照)の通信タイミングについて示した説明図である。
【0020】
通信システム300において、連続データ送信に係る制約がある場合、図12に示すように、無線通信装置301が無線通信装置302にデータTを送信(S701)した後、送信待機時間後に、次のデータ送信を行おうとする(S702)ものとする。
【0021】
この際、例えば、無線通信装置301の送信待機時間が法定連続送信可能期間以上であった場合、ステップS702において次に無線通信装置302にデータ送信を行おうとすると法定送信禁止期間に入ってしまい、送信を行うことができず、法定送信禁止期間が経過するまで更に待機する必要がある。
【0022】
図12に示すように、無線通信装置301では、送信待機時間及び法定送信禁止期間の両方が経過するまで、次のデータ送信を行うことができず、スループットが低下してしまう。
【0023】
そのため、各無線通信装置の連続データ送信に係る制限のある通信システムにおいて、通信効率を向上させることができる無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
第1の本発明は、他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置において、(1)転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、(2)上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段とを有することを特徴とする。
【0025】
第2の本発明の無線通信プログラムは、(1)他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置に搭載されたコンピュータを、(2)転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、(3)上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段として機能させることを特徴とする。
【0026】
第3の本発明は、複数の無線通信装置を備える無線通信システムにおいて、それぞれの上記無線通信装置として、第1の本発明の無線通信装置を適用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、各無線通信装置の連続データ送信に係る制限のある通信システムにおいて、通信効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示したブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る無線通信システムの全体構成について示した説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る無線通信システムにおいて、各無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る無線通信システムにおいて、データ転送が複数回繰り返される場合の各無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図5】第2の実施形態に係る無線通信システムの全体構成について示した説明図である。
【図6】第2の実施形態に係る無線通信システムにおいて、各無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図7】従来の無線通信システムの全体構成について示した説明図である。
【図8】従来の無線通信システムにおける、無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図9】従来の無線通信システムにおいて、無線通信装置間で連続データ送信を行った場合の通信タイミングについて示した説明図である。
【図10】従来の無線通信システムにおいて、無線通信装置間で、間欠的にデータ送信を行う場合の通信タイミングについて示した説明図である。
【図11】950MHz帯の無線通信における連続データ送信に係る制約について示した説明図である。
【図12】従来の通信システムにおいて、連続通信可能時間に制約がある場合の通信タイミングの例について示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0030】
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態の無線通信システム10の全体構成を示すブロック図である。なお、図2において、括弧内の符号は、後述する第2の実施形態においてのみ用いる符号である。
【0031】
無線通信システム10には、3つの無線通信装置20(20−1〜20−3)が配置さている。なお、無線通信システム10に配置される無線通信装置20の数は、限定されないものである。
【0032】
第1の実施形態では、無線通信装置20−1〜20−3の間でマルチホップ通信可能なものとして説明するが、マルチホップ通信以外の通信(例えば、単に2つの無線通信装置が直接通信する場合)を行うようにしても良い。無線通信装置20−1〜20−3の間でマルチホップ通信を行う場合は、例えば、無線通信装置20−1から無線通信装置20−3へ向けて送出されたデータが、無線通信装置20−2を中継して無線通信装置20−3に到達するものとして説明する。
【0033】
なお、第1の実施形態においては、例として、各無線通信装置20は、フレーム単位(パケット単位)でデータ送信を行い、複数のフレーム(パケット)を続けて送信することを連続データ送信というものとして説明する。
【0034】
また、無線通信システム10においては、各無線通信装置20について、連続データ送信に係る制約があるものとする。無線通信システム10における、連続データ送信に係る制約の具体的な内容としては、上述の図11に示すような、連続送信可能期間と送信禁止期間とが設定されているものとする。なお、無線通信システム10において適用される連続送信可能期間及び送信禁止期間は、法定されたものに限定されない。すなわち、連続送信可能期間及び送信禁止期間は、無線通信システム10において、任意に定める長さを適用するようにしても良い。
【0035】
図1は、それぞれ無線通信装置20の内部の機能的構成について示したブロック図である。
【0036】
無線通信装置20は、送信部201、受信部202、送信元送信停止期間推定部203、制御部204を有している。
【0037】
ここで、無線通信装置20は、例えば、ハードウェア的な通信部(送信部201、受信部202等)の他は、通信処理やデータ処理(データ送受信処理や転送処理等)等を実行するためのCPU、ROM、RAM等を有しており、CPUが実行するプログラム(実施形態の無線通信プログラムを含む)がインストールされている。上述したプログラムを含め、無線通信装置20の機能的構成を示すと図1に示すようになる。
【0038】
送信部201、受信部202は、無線通信装置20において、他の無線通信装置20と無線通信を行うため通信インタフェースであり、通信方式は限定されないものであるが、無線LAN(例えば、IEEE 802.11シリーズ等)、ZigBee、無線タグ等の既存の無線通信装置における無線通信手段を適用することができる。また、無線通信システム10における各無線通信装置20が、無線通信に用いる周波数帯域は、950MHz帯に通信帯域に限定されず、任意の帯域を用いるようにしても良い。
【0039】
また、受信部202は、他の通信装置から受信したデータを送信元送信停止期間推定部203へ与える。
【0040】
送信元送信停止期間推定部203は、受信部202から、他の無線通信装置20へ転送が必要なデータ(以下、「転送データ」という)が与えられると、その転送データの直接の送信元の通信装置において、次に送信禁止期間が開始すると推定される時刻(以下、「送信禁止開始推定時刻」という)と、送信禁止の期間の長さ(以下、「送信停止期間長」という)を推定(又は保持)し、推定結果(又は保持内容)を制御部204へ通知する。なお、送信元送信停止期間推定部203は、送信停止期間長の推定処理を省略し、送信停止期間開始時刻だけを推定するようにしても良い。
【0041】
なお、この実施形態では、通信システム10において、各無線通信装置20の送信停止期間は、送信禁止期間と一致する期間であるものとして説明するが、送信禁止期間以上の期間を適用するようにしても良い。第1の実施形態においては、各無線通信装置20の送信停止期間を、送信禁止期間と同じ長さにすることは通信効率上望ましい。
【0042】
送信元送信停止期間推定部203において、送信停止期間開始時刻及び送信停止期間長を推定する方法としては、例えば、以下の3つの方法が挙げられる。
【0043】
(推定方法1)転送データの送信元の通信装置から、連続的なデータ送信が終了された時刻(以下、「連続送信終了時刻」という)を、送信停止期間開始時刻と推定し、送信停止期間長は、送信禁止期間と同じと推定する。連続送信終了時刻は、例えば、当該通信装置において、所定の時間以上データ送信がなかった場合に、最後にデータ送信があった時刻を適用することができる。
【0044】
(推定方法2)転送データの送信元の通信装置の、連続データ送信の開始時刻から、連続送信可能期間が経過した時刻を、送信停止期間開始時刻と推定し、送信停止期間長は送信禁止期間と同じと推定する。
【0045】
(推定方法3)転送データの送信元の通信装置から、送信停止期間開始時刻及び送信停止期間長の通知を受けて通知内容を保持する。この場合、各無線通信装置20が、他の無線通信装置20に、転送データ(当該他の無線通信装置20がさらに転送する必要があるデータ)について連続データ送信を行う際に、次の送信停止期間開始時刻の予定時刻を、送信先の無線通信装置20に通知する手段を別途備える必要がある。
【0046】
制御部204は、無線通信装置20内の各部の動作を制御するものであり、送信部201、受信部202に係る通信制御等を行う。制御部204は、送信元送信停止期間推定部203による推定結果を用いて、当該無線通信装置20における通信制御を行う。
【0047】
制御部204は、データ送受信の開始、データ送受信禁止の制御および受信部202から受信したデータが転送依頼データであった場合に送信部201から転送するように制御する。また、制御部204は、送信元送信停止期間推定部203から通知された情報により、送信元が送信禁止期間でないと推定される場合にはデータ送信は行わないように制御する。
【0048】
制御部204は、連続データ送信に係る制約がある周波数帯域で、マルチホップ通信に係る転送データ送受信の制御を行う際に、当該無線通信装置20が送信側である場合には、受信側の無線通信装置20に対して連続送信可能期間内で、連続データ送信を行う。また、制御部204は、当該無線通信装置20が受信側である場合には、送信側の無線通信装置20が連続送信可能期間の間は、受信した転送データを蓄積し、転送データの転送は行わないように制御する。
【0049】
例えば、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2を介して、無線通信装置20−3へデータ送信を行う場合には、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ連続してデータを送信している間は、無線通信装置20−2は、受信データを転送せずに蓄積のみ行い、無線通信装置20−1が送信禁止期間に入ってから、無線通信装置20−3へのデータ転送を開始する。なお、この場合、無線通信装置20−1から発信されたデータは、無線通信装置20−3が最終的な宛先であるので、無線通信装置20−3はデータ転送を行わないため、無線通信装置20−2に係る送信停止期間開始時刻の推定等を行う必要はない。
【0050】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の無線通信システム10の動作(無線通信方法)を説明する。
【0051】
図3は、無線通信システム10において、各無線通信装置20の通信タイミングの例について示した説明図である。
【0052】
図3においては、無線通信装置20−1から、無線通信装置20−2を経由して、無線通信装置20−3へマルチホップ通信によるデータ送信が行われる場合について説明している。
【0053】
まず、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ、連続送信可能期間の間データ送信が行われたものとする(S101)。
【0054】
ステップS101において、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ、データ送信が開始されると、無線通信装置20−2では、制御部204により、受信データが転送データであるか否かが判定されるが、ここでは、転送データであったものとする。そして、無線通信装置20−2では、制御部204の制御に応じて、送信元送信停止期間推定部203により、転送データの送信元である無線通信装置20−1における、次の送信停止期間開始時刻及び送信停止期間長が推定され、推定結果が、制御部204に返される。
【0055】
次に、無線通信装置20−2では、推定した送信停止期間開始時刻となるまで、無線通信装置20−1から受信した転送データを蓄積し、送信停止期間開始時刻が経過すると、無線通信装置20−3へ蓄積した転送データの送信を開始する(S102)。
【0056】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0057】
無線通信システム10の無線通信装置20では、上述の例では、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2を介して無線通信装置20−3に、マルチホップ通信によりデータ送信を行う場合、無線通信装置20−2では、無線通信装置20−1が送信停止期間に入るまで、データを蓄積して、無線通信装置20−3へのデータ転送を開始しない。これにより、無線通信装置20−1と、無線通信装置20−2で、データ送信を行う期間が重なることを防止することができるので、コリジョンを回避し、データ転送がスムーズにおこなわれ、通信効率の向上を図ることができる。
【0058】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0059】
第1の実施形態の無線通信システム10では、マルチホップ通信を行う際に、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ連続してデータを送信している間は、無線通信装置20−2は、受信データを転送せずに蓄積のみ行い、無線通信装置20−1が送信停止期間に入ってから、無線通信装置20−3へのデータ転送を開始するものとして説明した。
【0060】
しかしながら、例えば、通信システム10において、第4の無線通信装置20−4が追加配置され、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2、20−3を介して無線通信装置20−4へデータ転送を複数回繰り返すことによりマルチホップ通信が行われる場合等では、後述するようにコリジョンが発生するおそれがある。
【0061】
図4は、無線通信システム10においてデータ転送が複数回繰り返される場合の各無線通信装置20の通信タイミングの例について示した説明図である。以下、上述のコリジョンが発生する動作について図4を用いて説明する。
【0062】
図4では、上述の通り、通信システム10において、第4の無線通信装置20−4がさらに配置されている場合を想定する。図4では、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ送信されたデータが、無線通信装置20−3へ転送され、さらに無線通信装置20−4へ再転送されるマルチホップ通信を例として示している。
【0063】
まず、無線通信装置20−1から、無線通信装置20−2へデータが連続送信され(S201)、さらに、無線通信装置20−2から無線通信装置20−3へそのデータが転送されたものとする(S202)。
【0064】
ステップS201及びS202の動作については、上述のステップS101、S102と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0065】
そして、次に、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2への次の連続データ送信(S203)と、無線通信装置20−3から無線通信装置20−4へのデータ転送(S204)が同時期に発生した場合には、図4に示すように、無線通信装置20−2においてコリジョンが発生してしまうことになる。
【0066】
第2の実施形態では、上述の図4に示すようなコリジョンの発生を解消することなどを行う構成について説明する。
【0067】
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、第2の実施形態の無線通信システム10Aの全体構成を示す説明図である。
【0068】
無線通信システム10Aには、4つの無線通信装置20A(20A−1〜20A−4)が配置さている。なお、無線通信システム10Aに配置される無線通信装置20Aの数は、限定されないものである。
【0069】
それぞれの無線通信システム10A内部の機能的構成についても、上述の図1のブロック図を用いて説明することができる。なお、図1において、括弧内の符号は、第2の実施形態でのみ用いられる符号である。
【0070】
無線通信装置20Aは、送信部201、受信部202、送信元送信停止期間推定部203A、制御部204Aを有している。
【0071】
送信部201、受信部202、送信元送信停止期間推定部203は、第1の実施形態と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0072】
制御部204Aは、第1の実施形態の制御部204と同様に、マルチホップ通信に係る転送データ送受信の制御を行う際に、当該無線通信装置20Aが送信側である場合には、受信側の無線通信装置20Aに対して連続送信可能期間内で、連続データ送信を行う。また、制御部204Aは、当該無線通信装置20が受信側である場合には、送信側の無線通信装置20Aが連続送信可能期間の間は、受信した転送データを蓄積し、転送データの転送は行わないように制御する。
【0073】
第1の実施形態の制御部204では、連続送信可能期間後の送信停止期間を、基本的に送信禁止期間と同じ期間であるものとして説明しているが、第2の実施形態の制御部204Aは、連続送信可能期間後の送信停止期間を、送信禁止期間より長い期間に設定している。
【0074】
制御部204Aでは、例えば、連続送信可能期間後の送信停止期間を、送信禁止期間に、所定の期間(以下、「送信休止期間」という)を加えた期間(すなわち、送信停止期間=送信禁止期間+送信休止期間)に設定するものとして説明する。
【0075】
送信休止期間の長さは限定されないものであるが、連続送信可能期間と同じに設定するようにしても良い。
【0076】
また、送信休止期間と送信禁止期間の合計の長さが送信禁止期間より短い場合、送信休止期間と送信禁止期間の合計を送信禁止期間と同じ長さになるように、送信休止期間および送信禁止期間の長さが設定されていることが望ましい。連続送信可能期間と送信休止期間がそれぞれ送信禁止期間の半分の長さに設定できる場合には、通信効率が良くなる。
【0077】
なお、第2の実施形態においては、説明を簡易にするため、送信休止期間及び送信禁止期間は、連続送信可能期間と同じ長さであるものとして説明する。すなわち、送信停止期間=連続送信可能期間×2となる。
【0078】
また、制御部204Aでは、当該無線通信装置20Aが、他の無線通信装置20Aに送信したデータの宛先が、当該他の無線通信装置20である場合には、送信停止期間を、送信禁止期間より長い期間とせずに、送信禁止期間と一致する期間としても良い。言い換えると、制御部204Aでは、当該無線通信装置20Aが、他の無線通信装置20Aに送信したデータについて、当該他の無線通信装置20Aが更にデータ転送する必要がある場合にだけ、送信停止期間を、上述のように送信禁止期間より長い期間に設定するようにしても良い。
【0079】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態の無線通信システム10Aの動作(無線通信方法)を説明する。
【0080】
図6は、無線通信システム10Aにおいて、各無線通信装置20Aの通信タイミングの例について示した説明図である。
【0081】
図6においては、無線通信装置20A−1から無線通信装置20A−2へ送信されたデータが、無線通信装置20A−3へ転送され、さらに無線通信装置20A−4へ転送された場合の動作の例について示している。
【0082】
まず、無線通信装置20A−1から、無線通信装置20A−2へデータが連続送信され(S301)、さらに、無線通信装置20A−2から無線通信装置20A−3へそのデータが転送されたものとする(S302)。
【0083】
S301及びS302の動作については、上述のステップS101、S102と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0084】
そして、無線通信装置20A−1では、上述のステップS301によるデータの連続送信終了後に、送信停止期間となるが、ここでは、送信停止期間=送信禁止期間+送信休止期間(送信停止期間=連続送信可能期間×2)となるため、送信禁止期間が経過した後も送信停止期間が継続される。
【0085】
そうすると、無線通信装置20A−1は、無線通信装置20A−2から無線通信装置20A−3へデータが送信される上述のステップS302の期間に加えて、無線通信装置20−3から無線通信装置20−4へのデータ再転送(S303)を行う期間も送信停止期間を継続し、上述の図4に示すようなコリジョンが発生しないことになる。
【0086】
(B−3)第2の実施形態の効果
第1の実施形態の無線通信装置20を用いた上述の図4においては、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2への次の連続データ送信と、無線通信装置20−3から無線通信装置20−4へのデータ再転送が同時期に発生するため、無線通信装置20−2においてコリジョンが発生していた。一方、第2の実施形態では、図6に示すように、送信停止期間=送信禁止期間+送信休止期間とすることにより、無線通信装置20A−3から無線通信装置20A−4へのデータ転送と、無線通信装置20A−1からのデータ送信のタイミングが重なることを防止し、通信システム10において、コリジョンの発生する頻度を低減し、通信効率を向上させることができる。
【0087】
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0088】
(C−1)上記の各実施形態において、各無線通信装置において、送信停止期間が適用される間、その無線通信装置の通信部(送信部及び受信部)の動作を停止するモードを備えるようにしても良い。例えば、通信部(送信部及び受信部)へ供給する電力をOFFにすることにより、その無線通信装置における消費電力を低減することができる。
【0089】
また、上記の各実施形態において、各無線通信装置において、送信停止期間が適用される間、受信部だけを動作させるモードを備えるようにしても良い。その場合、各無線通信装置において、送信停止期間に、送信部に係る消費電力を低減することができるので、消費電力を低減しつつ、送信停止期間に、自装置に送信されたデータを受信できるので、効率の高い通信を行うことができる。
【0090】
(C−2)上記の各実施形態において、通信システムを構成する各無線通信装置は、連続データ送信に係る制約がある周波数帯域では、連続送信可能期間及び送信禁止期間を遵守した通信を行うように通信制御しているが、それ以外の周波数帯域で通信する場合には、上述のような制約を守った通信制御を行わないようにしても良い。
【符号の説明】
【0091】
10…通信システム、20、20−1〜20−4…無線通信装置201…送信部、202…受信部、203…送信元送信禁止期間推定部、204…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムに関し、例えば、マルチホップ通信を行う無線通信システムに適用することができる。
【背景技術】
【0002】
複数の無線通信装置で、同一チャネル(周波数)を共用し、マルチホップ通信を行う無線通信システムでは、同一のチャネルに複数の無線通信装置がアクセスする際の競合を回避する方式として、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式がある。CSMA/CA方式を採用する無線通信装置間の通信では、コリジョン(同じチャネルを流れる信号の衝突)を直接的に検出できないため、各無線通信装置は、通信路が一定時間以上継続して空いていることを確認してからデータを送信する。
【0003】
また、同様のマルチホップ通信を行う通信システムにおいて、データを連続送信するのではなく、間欠的にデータ送信を行う方が、スループットが高いことが知られている(特許文献1、図13等参照)。なぜなら、データを連続送信すると隣の無線通信装置がキャリア検出をしてしまい、データ送信が行えないからである。なお、CSMA/CAを用いない場合でも、データを連続送信するとデータ転送時にコリジョンが発生しデータを正しく受信できなくなる。
【0004】
次に、従来の、複数の無線通信装置においてマルチホップ通信を行う無線通信システムにおいてコリジョンを回避する技術の例について図面(図7〜図10)を参照しながら説明する。
【0005】
図7は、従来の通信システムの構成例について示した説明図であり、図7に示すように、従来の通信システム300は、3つの無線通信装置301〜303を有しているものとして説明する。通信システム300では、無線通信装置301から無線通信装置302を介して無線通信装置303ヘデータを、マルチホップ通信により送信するものとする。
【0006】
図8は、通信システム300において、無線通信装置301〜303の通信タイミングについて示した説明図である。
【0007】
図8に示すように、任意の時刻T無線通信装置301から送信されたデータ(データT)はまず無線通信装置302で受信され(S401)、その後、無線通信装置302から無線通信装置303へ送信される(S402)。
【0008】
図9は、通信システム300において、無線通信装置間で連続データ送信をおこなった場合の通信タイミングについて示した説明図であり、図10は、通信システム300において、無線通信装置間で間欠的にデータ送信を行う場合の通信タイミングについて示した説明図である。
【0009】
図9に示すように、通信システム300において、無線通信装置間で連続データ送信を行う場合、無線通信装置301が無線通信装置302へ、時刻TにデータTを送信した直後に、連続して他のデータを送信する(S501)。その場合、無線通信装置302がデータTを無線通信装置303へ転送する際に、無線通信装置301が無線通信装置302へ他のデータ送信を行っているため、コリジョンが発生し、データTを転送することができず(S502)、スループットが低下してしまうという問題がある。
【0010】
図9に示すような問題点を解決するために、従来、図10に示すような、無線通信装置間で間欠的にデータ送信を行う方式がある。
【0011】
図10に示すように、無線通信装置301がノード302へデータTを送信すると(S601)、データTは、さらに無線通信装置302から無線通信装置303へ転送される(S602)。
【0012】
そして、無線通信装置301は、上述のステップS601のデータ送信終了後に、次のデータを無線通信装置302に送信する際には、ノード302による上述のステップS602のデータ送信が完了するのに十分な時間(送信待機時間)待機してから、データ送信を再開する(S603)。
【0013】
図10のように、無線通信装置301が、間欠的にデータ送信を行うことにより、上述の図9に示すようなコリジョンなどは発生せず、スムーズに無線通信装置間のマルチホップ通信を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−319787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来の無線通信システムにおいて、上述の図10のような無線通信装置(無線通信装置)間で間欠的にデータ送信を行った場合でも、連続通信可能時間に制約がある無線通信システムでは、後述するような問題点がある。
【0016】
例えば、日本国においては法令で、950MHz帯域の無線通信について「送信を開始してから100m秒(法定連続送信可能期間)経過後、データ送信を100m秒(法定送信禁止期間)以上禁止しなければならない。ただし、送信を開始してから100m秒(法定連続送信可能期間)以内に送信をやめた場合、その時刻から100m秒(法定送信禁止期間)以上データ送信を休止すればデータ送信を再開できる。」と定められている。
【0017】
図11は、950MHz帯の無線通信における連続データ送信に係る制約について示した説明図である。
【0018】
図11に示すように、950MHz帯の周波数を無線通信に用いる無線通信装置では、連続して他の無線通信装置にデータ送信を行う際、データ送信を開始してから、データ送信を行う期間(連続送信期間)の最長期間を、(法定)連続送信可能期間としなければならず、データ送信を停止してから、データ送信を停止する期間(送信停止期間)の最短期間を、(法定)送信禁止期間としなければ違法となる。
【0019】
図12は、上述の従来の通信システム300において、無線通信装置間で間欠的にデータ送信を行い(図10参照)、さらに、連続通信可能時間に制約がある場合(図11参照)の通信タイミングについて示した説明図である。
【0020】
通信システム300において、連続データ送信に係る制約がある場合、図12に示すように、無線通信装置301が無線通信装置302にデータTを送信(S701)した後、送信待機時間後に、次のデータ送信を行おうとする(S702)ものとする。
【0021】
この際、例えば、無線通信装置301の送信待機時間が法定連続送信可能期間以上であった場合、ステップS702において次に無線通信装置302にデータ送信を行おうとすると法定送信禁止期間に入ってしまい、送信を行うことができず、法定送信禁止期間が経過するまで更に待機する必要がある。
【0022】
図12に示すように、無線通信装置301では、送信待機時間及び法定送信禁止期間の両方が経過するまで、次のデータ送信を行うことができず、スループットが低下してしまう。
【0023】
そのため、各無線通信装置の連続データ送信に係る制限のある通信システムにおいて、通信効率を向上させることができる無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0024】
第1の本発明は、他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置において、(1)転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、(2)上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段とを有することを特徴とする。
【0025】
第2の本発明の無線通信プログラムは、(1)他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置に搭載されたコンピュータを、(2)転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、(3)上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段として機能させることを特徴とする。
【0026】
第3の本発明は、複数の無線通信装置を備える無線通信システムにおいて、それぞれの上記無線通信装置として、第1の本発明の無線通信装置を適用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、各無線通信装置の連続データ送信に係る制限のある通信システムにおいて、通信効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態に係る無線通信装置の機能的構成について示したブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る無線通信システムの全体構成について示した説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る無線通信システムにおいて、各無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る無線通信システムにおいて、データ転送が複数回繰り返される場合の各無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図5】第2の実施形態に係る無線通信システムの全体構成について示した説明図である。
【図6】第2の実施形態に係る無線通信システムにおいて、各無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図7】従来の無線通信システムの全体構成について示した説明図である。
【図8】従来の無線通信システムにおける、無線通信装置の通信タイミングの例について示した説明図である。
【図9】従来の無線通信システムにおいて、無線通信装置間で連続データ送信を行った場合の通信タイミングについて示した説明図である。
【図10】従来の無線通信システムにおいて、無線通信装置間で、間欠的にデータ送信を行う場合の通信タイミングについて示した説明図である。
【図11】950MHz帯の無線通信における連続データ送信に係る制約について示した説明図である。
【図12】従来の通信システムにおいて、連続通信可能時間に制約がある場合の通信タイミングの例について示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0030】
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態の無線通信システム10の全体構成を示すブロック図である。なお、図2において、括弧内の符号は、後述する第2の実施形態においてのみ用いる符号である。
【0031】
無線通信システム10には、3つの無線通信装置20(20−1〜20−3)が配置さている。なお、無線通信システム10に配置される無線通信装置20の数は、限定されないものである。
【0032】
第1の実施形態では、無線通信装置20−1〜20−3の間でマルチホップ通信可能なものとして説明するが、マルチホップ通信以外の通信(例えば、単に2つの無線通信装置が直接通信する場合)を行うようにしても良い。無線通信装置20−1〜20−3の間でマルチホップ通信を行う場合は、例えば、無線通信装置20−1から無線通信装置20−3へ向けて送出されたデータが、無線通信装置20−2を中継して無線通信装置20−3に到達するものとして説明する。
【0033】
なお、第1の実施形態においては、例として、各無線通信装置20は、フレーム単位(パケット単位)でデータ送信を行い、複数のフレーム(パケット)を続けて送信することを連続データ送信というものとして説明する。
【0034】
また、無線通信システム10においては、各無線通信装置20について、連続データ送信に係る制約があるものとする。無線通信システム10における、連続データ送信に係る制約の具体的な内容としては、上述の図11に示すような、連続送信可能期間と送信禁止期間とが設定されているものとする。なお、無線通信システム10において適用される連続送信可能期間及び送信禁止期間は、法定されたものに限定されない。すなわち、連続送信可能期間及び送信禁止期間は、無線通信システム10において、任意に定める長さを適用するようにしても良い。
【0035】
図1は、それぞれ無線通信装置20の内部の機能的構成について示したブロック図である。
【0036】
無線通信装置20は、送信部201、受信部202、送信元送信停止期間推定部203、制御部204を有している。
【0037】
ここで、無線通信装置20は、例えば、ハードウェア的な通信部(送信部201、受信部202等)の他は、通信処理やデータ処理(データ送受信処理や転送処理等)等を実行するためのCPU、ROM、RAM等を有しており、CPUが実行するプログラム(実施形態の無線通信プログラムを含む)がインストールされている。上述したプログラムを含め、無線通信装置20の機能的構成を示すと図1に示すようになる。
【0038】
送信部201、受信部202は、無線通信装置20において、他の無線通信装置20と無線通信を行うため通信インタフェースであり、通信方式は限定されないものであるが、無線LAN(例えば、IEEE 802.11シリーズ等)、ZigBee、無線タグ等の既存の無線通信装置における無線通信手段を適用することができる。また、無線通信システム10における各無線通信装置20が、無線通信に用いる周波数帯域は、950MHz帯に通信帯域に限定されず、任意の帯域を用いるようにしても良い。
【0039】
また、受信部202は、他の通信装置から受信したデータを送信元送信停止期間推定部203へ与える。
【0040】
送信元送信停止期間推定部203は、受信部202から、他の無線通信装置20へ転送が必要なデータ(以下、「転送データ」という)が与えられると、その転送データの直接の送信元の通信装置において、次に送信禁止期間が開始すると推定される時刻(以下、「送信禁止開始推定時刻」という)と、送信禁止の期間の長さ(以下、「送信停止期間長」という)を推定(又は保持)し、推定結果(又は保持内容)を制御部204へ通知する。なお、送信元送信停止期間推定部203は、送信停止期間長の推定処理を省略し、送信停止期間開始時刻だけを推定するようにしても良い。
【0041】
なお、この実施形態では、通信システム10において、各無線通信装置20の送信停止期間は、送信禁止期間と一致する期間であるものとして説明するが、送信禁止期間以上の期間を適用するようにしても良い。第1の実施形態においては、各無線通信装置20の送信停止期間を、送信禁止期間と同じ長さにすることは通信効率上望ましい。
【0042】
送信元送信停止期間推定部203において、送信停止期間開始時刻及び送信停止期間長を推定する方法としては、例えば、以下の3つの方法が挙げられる。
【0043】
(推定方法1)転送データの送信元の通信装置から、連続的なデータ送信が終了された時刻(以下、「連続送信終了時刻」という)を、送信停止期間開始時刻と推定し、送信停止期間長は、送信禁止期間と同じと推定する。連続送信終了時刻は、例えば、当該通信装置において、所定の時間以上データ送信がなかった場合に、最後にデータ送信があった時刻を適用することができる。
【0044】
(推定方法2)転送データの送信元の通信装置の、連続データ送信の開始時刻から、連続送信可能期間が経過した時刻を、送信停止期間開始時刻と推定し、送信停止期間長は送信禁止期間と同じと推定する。
【0045】
(推定方法3)転送データの送信元の通信装置から、送信停止期間開始時刻及び送信停止期間長の通知を受けて通知内容を保持する。この場合、各無線通信装置20が、他の無線通信装置20に、転送データ(当該他の無線通信装置20がさらに転送する必要があるデータ)について連続データ送信を行う際に、次の送信停止期間開始時刻の予定時刻を、送信先の無線通信装置20に通知する手段を別途備える必要がある。
【0046】
制御部204は、無線通信装置20内の各部の動作を制御するものであり、送信部201、受信部202に係る通信制御等を行う。制御部204は、送信元送信停止期間推定部203による推定結果を用いて、当該無線通信装置20における通信制御を行う。
【0047】
制御部204は、データ送受信の開始、データ送受信禁止の制御および受信部202から受信したデータが転送依頼データであった場合に送信部201から転送するように制御する。また、制御部204は、送信元送信停止期間推定部203から通知された情報により、送信元が送信禁止期間でないと推定される場合にはデータ送信は行わないように制御する。
【0048】
制御部204は、連続データ送信に係る制約がある周波数帯域で、マルチホップ通信に係る転送データ送受信の制御を行う際に、当該無線通信装置20が送信側である場合には、受信側の無線通信装置20に対して連続送信可能期間内で、連続データ送信を行う。また、制御部204は、当該無線通信装置20が受信側である場合には、送信側の無線通信装置20が連続送信可能期間の間は、受信した転送データを蓄積し、転送データの転送は行わないように制御する。
【0049】
例えば、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2を介して、無線通信装置20−3へデータ送信を行う場合には、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ連続してデータを送信している間は、無線通信装置20−2は、受信データを転送せずに蓄積のみ行い、無線通信装置20−1が送信禁止期間に入ってから、無線通信装置20−3へのデータ転送を開始する。なお、この場合、無線通信装置20−1から発信されたデータは、無線通信装置20−3が最終的な宛先であるので、無線通信装置20−3はデータ転送を行わないため、無線通信装置20−2に係る送信停止期間開始時刻の推定等を行う必要はない。
【0050】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の無線通信システム10の動作(無線通信方法)を説明する。
【0051】
図3は、無線通信システム10において、各無線通信装置20の通信タイミングの例について示した説明図である。
【0052】
図3においては、無線通信装置20−1から、無線通信装置20−2を経由して、無線通信装置20−3へマルチホップ通信によるデータ送信が行われる場合について説明している。
【0053】
まず、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ、連続送信可能期間の間データ送信が行われたものとする(S101)。
【0054】
ステップS101において、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ、データ送信が開始されると、無線通信装置20−2では、制御部204により、受信データが転送データであるか否かが判定されるが、ここでは、転送データであったものとする。そして、無線通信装置20−2では、制御部204の制御に応じて、送信元送信停止期間推定部203により、転送データの送信元である無線通信装置20−1における、次の送信停止期間開始時刻及び送信停止期間長が推定され、推定結果が、制御部204に返される。
【0055】
次に、無線通信装置20−2では、推定した送信停止期間開始時刻となるまで、無線通信装置20−1から受信した転送データを蓄積し、送信停止期間開始時刻が経過すると、無線通信装置20−3へ蓄積した転送データの送信を開始する(S102)。
【0056】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0057】
無線通信システム10の無線通信装置20では、上述の例では、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2を介して無線通信装置20−3に、マルチホップ通信によりデータ送信を行う場合、無線通信装置20−2では、無線通信装置20−1が送信停止期間に入るまで、データを蓄積して、無線通信装置20−3へのデータ転送を開始しない。これにより、無線通信装置20−1と、無線通信装置20−2で、データ送信を行う期間が重なることを防止することができるので、コリジョンを回避し、データ転送がスムーズにおこなわれ、通信効率の向上を図ることができる。
【0058】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による無線通信装置及びプログラム、並びに、無線通信システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0059】
第1の実施形態の無線通信システム10では、マルチホップ通信を行う際に、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ連続してデータを送信している間は、無線通信装置20−2は、受信データを転送せずに蓄積のみ行い、無線通信装置20−1が送信停止期間に入ってから、無線通信装置20−3へのデータ転送を開始するものとして説明した。
【0060】
しかしながら、例えば、通信システム10において、第4の無線通信装置20−4が追加配置され、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2、20−3を介して無線通信装置20−4へデータ転送を複数回繰り返すことによりマルチホップ通信が行われる場合等では、後述するようにコリジョンが発生するおそれがある。
【0061】
図4は、無線通信システム10においてデータ転送が複数回繰り返される場合の各無線通信装置20の通信タイミングの例について示した説明図である。以下、上述のコリジョンが発生する動作について図4を用いて説明する。
【0062】
図4では、上述の通り、通信システム10において、第4の無線通信装置20−4がさらに配置されている場合を想定する。図4では、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2へ送信されたデータが、無線通信装置20−3へ転送され、さらに無線通信装置20−4へ再転送されるマルチホップ通信を例として示している。
【0063】
まず、無線通信装置20−1から、無線通信装置20−2へデータが連続送信され(S201)、さらに、無線通信装置20−2から無線通信装置20−3へそのデータが転送されたものとする(S202)。
【0064】
ステップS201及びS202の動作については、上述のステップS101、S102と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0065】
そして、次に、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2への次の連続データ送信(S203)と、無線通信装置20−3から無線通信装置20−4へのデータ転送(S204)が同時期に発生した場合には、図4に示すように、無線通信装置20−2においてコリジョンが発生してしまうことになる。
【0066】
第2の実施形態では、上述の図4に示すようなコリジョンの発生を解消することなどを行う構成について説明する。
【0067】
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、第2の実施形態の無線通信システム10Aの全体構成を示す説明図である。
【0068】
無線通信システム10Aには、4つの無線通信装置20A(20A−1〜20A−4)が配置さている。なお、無線通信システム10Aに配置される無線通信装置20Aの数は、限定されないものである。
【0069】
それぞれの無線通信システム10A内部の機能的構成についても、上述の図1のブロック図を用いて説明することができる。なお、図1において、括弧内の符号は、第2の実施形態でのみ用いられる符号である。
【0070】
無線通信装置20Aは、送信部201、受信部202、送信元送信停止期間推定部203A、制御部204Aを有している。
【0071】
送信部201、受信部202、送信元送信停止期間推定部203は、第1の実施形態と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0072】
制御部204Aは、第1の実施形態の制御部204と同様に、マルチホップ通信に係る転送データ送受信の制御を行う際に、当該無線通信装置20Aが送信側である場合には、受信側の無線通信装置20Aに対して連続送信可能期間内で、連続データ送信を行う。また、制御部204Aは、当該無線通信装置20が受信側である場合には、送信側の無線通信装置20Aが連続送信可能期間の間は、受信した転送データを蓄積し、転送データの転送は行わないように制御する。
【0073】
第1の実施形態の制御部204では、連続送信可能期間後の送信停止期間を、基本的に送信禁止期間と同じ期間であるものとして説明しているが、第2の実施形態の制御部204Aは、連続送信可能期間後の送信停止期間を、送信禁止期間より長い期間に設定している。
【0074】
制御部204Aでは、例えば、連続送信可能期間後の送信停止期間を、送信禁止期間に、所定の期間(以下、「送信休止期間」という)を加えた期間(すなわち、送信停止期間=送信禁止期間+送信休止期間)に設定するものとして説明する。
【0075】
送信休止期間の長さは限定されないものであるが、連続送信可能期間と同じに設定するようにしても良い。
【0076】
また、送信休止期間と送信禁止期間の合計の長さが送信禁止期間より短い場合、送信休止期間と送信禁止期間の合計を送信禁止期間と同じ長さになるように、送信休止期間および送信禁止期間の長さが設定されていることが望ましい。連続送信可能期間と送信休止期間がそれぞれ送信禁止期間の半分の長さに設定できる場合には、通信効率が良くなる。
【0077】
なお、第2の実施形態においては、説明を簡易にするため、送信休止期間及び送信禁止期間は、連続送信可能期間と同じ長さであるものとして説明する。すなわち、送信停止期間=連続送信可能期間×2となる。
【0078】
また、制御部204Aでは、当該無線通信装置20Aが、他の無線通信装置20Aに送信したデータの宛先が、当該他の無線通信装置20である場合には、送信停止期間を、送信禁止期間より長い期間とせずに、送信禁止期間と一致する期間としても良い。言い換えると、制御部204Aでは、当該無線通信装置20Aが、他の無線通信装置20Aに送信したデータについて、当該他の無線通信装置20Aが更にデータ転送する必要がある場合にだけ、送信停止期間を、上述のように送信禁止期間より長い期間に設定するようにしても良い。
【0079】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態の無線通信システム10Aの動作(無線通信方法)を説明する。
【0080】
図6は、無線通信システム10Aにおいて、各無線通信装置20Aの通信タイミングの例について示した説明図である。
【0081】
図6においては、無線通信装置20A−1から無線通信装置20A−2へ送信されたデータが、無線通信装置20A−3へ転送され、さらに無線通信装置20A−4へ転送された場合の動作の例について示している。
【0082】
まず、無線通信装置20A−1から、無線通信装置20A−2へデータが連続送信され(S301)、さらに、無線通信装置20A−2から無線通信装置20A−3へそのデータが転送されたものとする(S302)。
【0083】
S301及びS302の動作については、上述のステップS101、S102と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0084】
そして、無線通信装置20A−1では、上述のステップS301によるデータの連続送信終了後に、送信停止期間となるが、ここでは、送信停止期間=送信禁止期間+送信休止期間(送信停止期間=連続送信可能期間×2)となるため、送信禁止期間が経過した後も送信停止期間が継続される。
【0085】
そうすると、無線通信装置20A−1は、無線通信装置20A−2から無線通信装置20A−3へデータが送信される上述のステップS302の期間に加えて、無線通信装置20−3から無線通信装置20−4へのデータ再転送(S303)を行う期間も送信停止期間を継続し、上述の図4に示すようなコリジョンが発生しないことになる。
【0086】
(B−3)第2の実施形態の効果
第1の実施形態の無線通信装置20を用いた上述の図4においては、無線通信装置20−1から無線通信装置20−2への次の連続データ送信と、無線通信装置20−3から無線通信装置20−4へのデータ再転送が同時期に発生するため、無線通信装置20−2においてコリジョンが発生していた。一方、第2の実施形態では、図6に示すように、送信停止期間=送信禁止期間+送信休止期間とすることにより、無線通信装置20A−3から無線通信装置20A−4へのデータ転送と、無線通信装置20A−1からのデータ送信のタイミングが重なることを防止し、通信システム10において、コリジョンの発生する頻度を低減し、通信効率を向上させることができる。
【0087】
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0088】
(C−1)上記の各実施形態において、各無線通信装置において、送信停止期間が適用される間、その無線通信装置の通信部(送信部及び受信部)の動作を停止するモードを備えるようにしても良い。例えば、通信部(送信部及び受信部)へ供給する電力をOFFにすることにより、その無線通信装置における消費電力を低減することができる。
【0089】
また、上記の各実施形態において、各無線通信装置において、送信停止期間が適用される間、受信部だけを動作させるモードを備えるようにしても良い。その場合、各無線通信装置において、送信停止期間に、送信部に係る消費電力を低減することができるので、消費電力を低減しつつ、送信停止期間に、自装置に送信されたデータを受信できるので、効率の高い通信を行うことができる。
【0090】
(C−2)上記の各実施形態において、通信システムを構成する各無線通信装置は、連続データ送信に係る制約がある周波数帯域では、連続送信可能期間及び送信禁止期間を遵守した通信を行うように通信制御しているが、それ以外の周波数帯域で通信する場合には、上述のような制約を守った通信制御を行わないようにしても良い。
【符号の説明】
【0091】
10…通信システム、20、20−1〜20−4…無線通信装置201…送信部、202…受信部、203…送信元送信禁止期間推定部、204…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置において、
転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、
上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段と
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
上記データ送信停止期間保持手段は、上記送信元の無線通信装置から当該無線通信装置への転送データの送信が停止した時刻を、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻と推定して保持することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
上記データ送信停止期間保持手段は、上記送信元の無線通信装置から当該無線通信装置への転送データ送信の開始時刻から、上記データ送信最長期間経過後の時刻を、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻と推定して保持することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
上記データ送信停止期間保持手段は、上記送信元の無線通信装置から、データ送信停止期間の開始時刻を受信して保持することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
当該無線通信装置が、他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、当該無線通信装置において次にデータ送信停止期間が開始する時刻を、その他の無線通信装置へ通知するデータ送信停止期間通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
上記データ送信停止期間として、上記データ送信停止最短期間に所定のデータ送信休止期間を加算した期間を適用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項7】
上記データ送信休止期間を、上記データ送信最長期間とすることを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
上記データ送信停止最短期間が、上記データ送信最長期間と同じ長さであり、
上記データ送信休止期間を、上記データ送信最長期間と同じ長さとする
ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項9】
当該無線通信装置が、データ送信停止期間である間は、当該無線通信装置を、データ送信停止期間でない期間と比べて、消費電力を低い状態にする省電力モード設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項10】
省電力モード設定手段は、当該無線通信装置が、データ送信停止期間である間は、当該無線通信装置が他の無線通信装置と通信する通信部を、データ受信のみを行うように設定することを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項11】
他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置に搭載されたコンピュータを、
転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、
上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段と
して機能させることを特徴とする無線通信プログラム。
【請求項12】
複数の無線通信装置を備える無線通信システムにおいて、
それぞれの上記無線通信装置として、請求項1〜10のいずれかに記載の無線通信装置を適用したことを特徴とする無線通信システム。
【請求項1】
他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置において、
転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、
上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段と
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
上記データ送信停止期間保持手段は、上記送信元の無線通信装置から当該無線通信装置への転送データの送信が停止した時刻を、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻と推定して保持することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
上記データ送信停止期間保持手段は、上記送信元の無線通信装置から当該無線通信装置への転送データ送信の開始時刻から、上記データ送信最長期間経過後の時刻を、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻と推定して保持することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
上記データ送信停止期間保持手段は、上記送信元の無線通信装置から、データ送信停止期間の開始時刻を受信して保持することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
当該無線通信装置が、他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、当該無線通信装置において次にデータ送信停止期間が開始する時刻を、その他の無線通信装置へ通知するデータ送信停止期間通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
上記データ送信停止期間として、上記データ送信停止最短期間に所定のデータ送信休止期間を加算した期間を適用したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項7】
上記データ送信休止期間を、上記データ送信最長期間とすることを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
上記データ送信停止最短期間が、上記データ送信最長期間と同じ長さであり、
上記データ送信休止期間を、上記データ送信最長期間と同じ長さとする
ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項9】
当該無線通信装置が、データ送信停止期間である間は、当該無線通信装置を、データ送信停止期間でない期間と比べて、消費電力を低い状態にする省電力モード設定手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項10】
省電力モード設定手段は、当該無線通信装置が、データ送信停止期間である間は、当該無線通信装置が他の無線通信装置と通信する通信部を、データ受信のみを行うように設定することを特徴とする請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項11】
他の無線通信装置に連続してデータ送信を行う際、データ送信最長期間を限度とする期間ごとに、データ送信停止最短期間以上の期間、データ送信を停止するデータ送信停止期間を設定する無線通信装置に搭載されたコンピュータを、
転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、送信元の無線通信装置から受信した場合に、少なくとも、上記送信元の無線通信装置におけるデータ送信停止期間の開始時刻を保持するデータ送信停止期間保持手段と、
上記転送先の無線通信装置へ転送が必要な転送データを、上記送信元の無線通信装置から受信した場合に、その転送データを蓄積して、上記データ送信停止期間保持手段が保持したデータ送信停止期間が開始してから、上記転送先の無線通信装置へ、蓄積した転送データの送信を開始するデータ転送手段と
して機能させることを特徴とする無線通信プログラム。
【請求項12】
複数の無線通信装置を備える無線通信システムにおいて、
それぞれの上記無線通信装置として、請求項1〜10のいずれかに記載の無線通信装置を適用したことを特徴とする無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−49771(P2011−49771A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195811(P2009−195811)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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