説明

無線電力伝送方式オーバーベッドテーブル

【課題】ベッドまたは他の進退支持装置に隣接して配置されるオーバーヘッドテーブル等において、占有する人の利便性の為に移動可能に電力伝送能力を持たせる。
【解決手段】物品支持装置は電力を無線で受け取り、その電力を物品支持装置の電力貯蔵装置に貯蔵する電力供給システム50から送られる電力118を受け取る電力受信機54及び電力貯蔵装置62、電力供給回路60を持つ。該電力供給回路は、電子装置の充電、無線データ送信、および/またはオーバーベッドテーブルの作動など、1つ以上の電子装置および/またはアプリケーションのために電力を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、介護者および/または身体支持装置を占有する人の利便性のために、病院、長期ケア施設、老人ホーム、および住宅などの医療施設で、ベッドまたは他の身体支持装置に隣接して通常配置される、オーバーベッドテーブルおよび他の物品支持装置に関する。さらに具体的には、本開示は無線電力伝送能力を持つオーバーベッドテーブルに関するが、これに限定されない。
【発明の概要】
【0002】
本開示には、添付した請求項に詳説に記述した特徴および/または単独あるいは任意の組み合わせにより特許性のある主題を構成しうる下記の特徴のうち1つ以上の特徴が含まれている。
【0003】
本開示の態様の1つによると、物品支持装置は、基部、基部から上方に延長する支持カラム、支持カラムから片持ちされたテーブル表面、受信機と物理的に接触していない送信機によって無線媒体を通して伝送される電力を受け取るように構成された受信機、および受信機が受け取った電力を貯蔵するように構成された電力貯蔵装置を含む。
【0004】
物品支持装置は、受信機が受け取った電力を電力貯蔵装置に伝送するように構成された電力供給回路を含み得る。物品支持装置は、電力供給回路に電気的に接続され、レセプタクルに接続された電子装置に電力を供給するように構成されたレセプタクルを含み得る。電力供給回路は、電子装置に伝送するために、充電電力およびレセプタクルへの直接電力の少なくとも1つを選択的に供給するよう構成され得る。レセプタクルはテーブル表面によって支持され得る。
【0005】
物品支持装置は、多数のレセプタクルを持つことができ、各レセプタクルは受信機によって受け取られる電力を受け取るために電力供給回路に接続され、各レセプタクルは電子装置に異なる形態の電力を供給するように構成される。電力供給回路は、各レセプタクルに供給するために適切な電力の形態を決定し、電力貯蔵装置から各レセプタクルに適切な形態の電力を伝送するよう構成され得る。受信機は誘導コイルを含み得る。受信機は共鳴磁気コイルを含み得る。
【0006】
物品支持装置は、基部に対してテーブル表面の位置を調節するように構成された電動アクチュエータを含むことができ、このアクチュエータは、受信機が受け取った電力で作動する。物品支持装置は、テーブル表面で支持されたレセプタクルを含むことができ、ここで電力貯蔵装置は基部によって支持され、レセプタクルは電力貯蔵装置に電気的に接続される。物品支持装置は、テーブル表面によって支持されたライト組立体を含むことができ、ここでライト組立体は、受信機が受け取った電力で作動する。物品支持装置は、基部によって支持された無線データ送信機を含むことができ、ここで無線データ送信機は受信機が受け取った電力で作動する。物品支持装置は、受信機が受け取った電力を電子娯楽機器に供給するよう構成されたレセプタクル、およびスピーカーへの無線送信のために音声出力を電子娯楽機器から無線データ送信機に届けるように構成された電力供給回路を含み得る。物品支持装置は、テーブル表面によって支持された音声スピーカーを含むことができ、ここで音声スピーカーは受信機が受け取った電力で作動する。
【0007】
物品支持装置は、テーブル表面によって支持された多数のレセプタクルおよびレセプタクルの上に位置付けることのできるカバーを含むことができ、ここで各レセプタクルは、受信機によって受け取られ、電力貯蔵装置中に貯蔵された電力を受け取るように構成される。物品支持装置の基部は、脚を含むことができ、ここで脚は内部領域を画定し、受信機は脚の内部領域内に位置する。
【0008】
物品支持装置は、テーブル表面によって支持された1つ以上のランプソケット、シガレットライター用電気ポート、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)用電気ポート、デジタルメディアプレーヤー用電気ポート、および携帯電子計算装置用充電ポートを含み得る。
【0009】
本開示の別の態様によると、無線電力伝送システムは、少なくとも水平位にある人物を支持するように構成された身体支持装置を含み、その身体支持装置は、身体支持装置の通常使用中に無線媒体を通して電力を伝送するよう構成された送信機、および 物品支持装置の通常使用中、送信機または身体支持装置に物理的に接触することなく送信機によって伝送された電力を受け取るように構成された受信機を含む物品支持装置を含む。
【0010】
本開示のさらなる態様によると、電子装置に無線で電力を伝送する方法は、身体支持装置上に位置する電力送信機によって無線で伝送された電力を物品支持装置で受け取ること、物品支持装置に位置する電力貯蔵装置に電力を貯蔵すること、および物品支持装置にある電子装置に電力を供給することを含む。
【0011】
追加的な特徴は単独でも、または上記および請求項に列記され下記で詳述されるものを含む他のいかなる特徴と組み合わせても、特許性のある主題を構成し得る。別の特徴も、現時点で理解されている発明を実施するための最良の形態の模範例を示す例証となる実施形態の下記の詳細な説明を考察することにより当業者にとって明らかとなろう。
【0012】
次に、図面の用例を参照するが、ここで類似の数字は、全体を通して同一または類似した要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、透視で示されている無線電力伝送機能を持つ物品支持装置の斜視図である。
【図2】図2は、身体支持装置と関連して使用するように位置付けられた図1の物品支持装置の斜視図であるが、無線電力伝送機能の要素を示すために身体支持装置の一部が切り取られている。
【図3】図3は、図1の物品支持装置の部分斜視図であり、その支持表面およびそれと共に提供される機能を示している。
【図4】図4は、図1の物品支持装置と関連して使用できる無線電力伝送機能のブロック図である。
【図5】図5は、図1の物品支持装置の部分側面図であり、それと関連して、無線電力伝送機能の送信機を含む身体支持装置の一部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は数多くの異なる形態をとりうる一方で、この開示の原理の理解を促進する目的で、ここで図面に示した実施形態への参照をし、またそれらを説明するために特定の文言を使用する。従って、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書で説明した本開示の原理のさまざまな変更、説明した実施形態のさらなる修正、および何らかのさらなる応用が意図されている。
【0015】
本開示は、物品支持装置(例えばオーバーベッドテーブル)10の例示的実施形態を記述する。物品支持装置10は、基部20、支持カラム22、支持表面組立体24、側面組立体26、および電力供給システム50を含む。
【0016】
基部20は、物品支持装置10に安定性を与えるような形をしている。例えば、図1に示されるように、相隔たる一対の脚28を持つU形の基部、または1本の脚を持つI形の基部を使用できる。基部20は、複数の車輪またはキャスター30で支持され、これは典型的には4つの先端または角に位置して、物品支持装置10を容易に位置付けられるようにする。例示した実施形態では、脚28は、無線電力伝送機能の構成要素が位置する内部領域を画定する成形品であるが、脚28の他の設計も使用し得る。例えば、各脚28は分かれたまたは中空でない物であり得る。
【0017】
支持カラム22は、基部20によって支持され、そこから垂直に上に向かって延在する。支持カラム22は、上部セクション32と下部セクション34を含む。介護者、身体支持装置を使用している人物、またはその他の人物の利便性のために必要な場合があるため、支持表面組立体24の位置付けを容易にするために支持カラム22の高さを調節できるように、上部および下部セクション32、34の1つは、他方に対して垂直に動くように構成される。例示した実施形態では、図1および3で示されるように、上部および下部セクション32、34は、無線電力伝送機能の構成要素を格納するように構成された中空の内部領域を持つカラム状またはチューブ状の構造を含む。例示した実施形態では、下部セクション34は基部20に固定され、上部セクション32は下部セクション34に対してはめ込むようにスライドする。しかし、他の適切な設計も使用できる。例えば、非はめ込み式の構成を使用し得る。
【0018】
一部の実施形態では、支持カラム22の高さを調節するために機械的リフト機構を使用し得る。例示された実施形態では、電動リフト機構36は、支持カラム22の高さの上下移動を容易にする。電動リフト機構36は、上部および/または下部セクション32、34の内部領域に取り付けられる。電動リフト機構36は、上部および/または下部セクション32、34に接続され、上部および下部セクション32、34の1つを他方に対して垂直に動かすように構成された電子駆動アクチュエータ(リニアアクチュエータなど)を含む。例示した実施形態では、電動リフト機構36は棒を含み、その一端は上部セクション32に接続され、もう一方の端は、モーターの作動が棒の延長またはモーターハウジングへの格納を引き起こすようにモーターに接続される。
【0019】
また、例示した実施形態では、物品支持装置10が支持カラム22の高さの電子的制御から解除され得るように、機械的リフト機構も提供される。機械的リフト機構はハンドル82で動かされ、これは電動リフト機構36を無効にし、既存の技術または本開示の日付以降に開発される技術を使用して、支持カラム22の高さを手動で調節することを可能にする。
【0020】
支持表面組立体24は、支持カラム22の上端から片持ちされている。支持表面組立体24はテーブル表面84を含み、これは例えば食品トレー、作業台、または収納場所として使用できる。また支持表面組立体24は、本明細書に定義された1つ以上の非電気的容器86、88も含む。非電気的容器86、88は、例えばコップ、ティッシュペーパー、および/または手指消毒剤などの物品を収納するように特に大きさが決められているか、そのように構成され得る。
【0021】
ライト組立体78も、例示した支持表面組立体24に含まれる。ライト組立体78は、テーブル表面84を照らすように構成される。例示した実施形態では、ライト組立体78は1つ以上の発光ダイオード(LED)を含むが、任意の適切な光源をライト組立体78に使用し得る。
【0022】
支持表面組立体24は、本明細書で定義された多数の電力レセプタクル66、68、70、72をさらに含む。1つ以上のレセプタクル66、68、70、72が、物品支持装置10によって支持された電子装置または物品支持装置10の電子的機能に直接電力を提供するように構成され得る。別の方法として、またはさらに、電子装置の電力貯蔵庫を充電または再充電するために、1つ以上のレセプタクル66、68、70、72が、電子装置の電力貯蔵装置(例えば、充電式バッテリー)に充電電力を提供するように構成され得る。
【0023】
例えば、例示された実施形態では、レセプタクル66、68、70、72は、充電用および/または直接電力レセプタクルであり、例えば、自動車のシガーソケット用ポート66、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート68、デジタルメディア(例えば、音楽またはビデオ)プレーヤーポート70、および携帯型計算装置(例えば、ラップトップまたはネットブックコンピュータ)ポート72などがある。ポート66は、アダプタの構成に応じて、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、デジタルメディアプレーヤー、カメラ、ゲームステーション、または同類のものなど、1つ以上の携帯用電子装置に電力を供給できる車のシガレットライターアダプタ(または「車用充電器」)を受け入れるように構成される。典型的なシガーソケットは、12ボルトの直流(DC)を必要とする。
【0024】
パソコン、スマートフォン、PDA、デジタルメディアプレーヤー、カメラ、ゲームステーション、および同類のものなど、1つ以上の電子装置と通信できるように、ポート68はUSBコネクタをサポートする。ポート68は、例えば、標準5ボルトUSBレセプタクル、またはミニUSB、マイクロUSB、USB−A、またはUSB−Bレセプタクルを含む、USBレセプタクルの1つ以上の利用可能なタイプを含み得る。ポート70は、MP3コネクタプラグまたはミニプラグ(例えば、TSRコネクタ)などの、デジタルメディアプレーヤー・コネクタをサポートする。
【0025】
ポート72は、パソコンまたはコンピュータ周辺機器(例えば、プリンター、スキャナー、モニター、TVなど)コネクタをサポートし、これには例えば光ファイバーコネクタ(例えば、TOSLINK)、ビデオコネクタ(例えば、VGA、DVI、S−ビデオ)、音声/ビデオコネクタ(例えば、RCA、HDMI、DisplayPort)、データコネクタ(例えば、IEEE 1394、eSATA)およびネットワークコネクタ(例えば、RJ11電話コネクタ、RJ45イーサネットコネクタ)などの非USBコネクタのさまざまなタイプの任意の1つ以上を含む。
【0026】
電子装置は、適切な嵌め合わせコネクタ(例えば、装置の製造業者または該当する業界標準によって指定されたもの)を使用して、レセプタクル66、68、70、72に接続できる。レセプタクル66、68、70、72に接続されている装置が使用中の場合、レセプタクル66、68、70、72は、接続された装置に直接電力を提供するために使用され得る。接続された装置が使用されていない場合、または接続された装置が使用されている場合でも、接続された装置の充電式電力貯蔵庫に充電電力を提供するためにレセプタクル66、68、70、72を使用し得る。
【0027】
支持表面組立体24に関連して提供される電力レセプタクルの数は、物品支持装置10の空間および設計の制約によってのみ制限される。当然ながら、電力レセプタクルの他のタイプまたは構成(例えば、ブランド特定またはその他)も、本明細書で言及されたものの代わりに、またはそれに加えて使用され得る。さらに、このようなレセプタクルの1つ以上は、側面組立体26の任意の適切な位置を含む、物品支持装置10上の他の場所に位置付け得る。
【0028】
カバー80は、使用のためにレセプタクル66、68、70、72にアクセスできる、カバーの開いた位置で示されている。レセプタクル66、68、70、72が使用されていない時、食品、液体、または他の危険から保護するため、または他の理由のため、カバー80を閉じてレセプタクル66、68、70、72の上に配置することができる。
【0029】
支持表面組立体24は、本明細書で定義された、1つの音声スピーカーまたは一式のスピーカー74、およびランプソケット98も含む。スピーカー74は、有線または無線で、デジタルムービーまたは音楽プレーヤー、携帯型ゲームシステムまたは他の携帯電子娯楽装置などの電子メディアプレーヤーに接続できる。例示された実施形態では、スピーカー74は統合変換器スピーカーであり、ノブ、ダイアル、スライドまたは類似の機構73を含み、これはスピーカー出力の音量を制御するために支持表面組立体24に取り付けられる。ランプソケット98はライト組立体78をサポートし、それに直接電力を提供する。
【0030】
側面組立体26は基部20および支持カラム22によって支持される。側面組立体26は、基部20から上方に延在する一対の垂直支柱38を含む(このうち1つは図では隠れている)。支柱38は、支持カラム22と共にまたはそれと組み合わせて、一対のパネル40、42、棚または容器組立体44、およびテーブル表面48を支持する。任意の1つ以上の棚または容器44またはテーブル表面48を、例えば紙、読み物、携帯電子装置、薬、健康管理機器、および医療機器などのさまざまな物品の収納のために使用できる。
【0031】
例示された実施形態では、パネル40は、無線電力伝送機能の構成要素60、62、76が格納されている中空内部領域を画定する成形品を含む。図1で示されるように、無線電力伝送機能の一部の構成要素、またはその部分も、支持カラム22の内部領域内に位置し得る。他の実施形態では、無線電力伝送機能の一部またはすべての構成要素は、別々のハウジング内に設置する、および/またはパネル40の1つ以上の外部表面、支持カラム22、または物品支持装置10の別の部分によって(例えば、取付金具を介して)支持され得る。
【0032】
図2および5を参照すると、物品支持装置10は身体支持装置12と共に使用できる。例示された身体支持装置12は病院ベッドであるが、当然ながら、物品支持装置10は、ストレッチャー、患者用の椅子、車椅子、および同類のものなど、他のタイプの身体支持装置に関連して使用され得る。また、本明細書に記述された無線電力伝送機能の目的で、物品支持装置10は、ベッドロケーター、支持アームまたはカラム、ヘッドウォール、医療用ヘッドボード、および無線電力伝送をサポートできる他の類似の装置など、他の装置に関連しても使用され得る。
【0033】
図のように、身体支持装置12は一対の長手基部部材14を持ち、これは複数の車輪またはキャスター15によって支持されている。基部部材14は、フレーム16、および基部部材14とフレーム16の間に位置する複数のサポート(例えばリフトアーム)18を支持する。身体支持装置12は、ヘッドボード110などの1つ以上のエンドボード、および1つ以上のサイドレール112も含み得る。また、図2にはヘッドウォール116が示され、これは身体支持装置12が使用され得る患者の部屋または他の部屋の壁または他の垂直支持構造に取り付けられ得る。
【0034】
物品支持装置10が図2に示されたように配置される時、物品支持装置10の基部20は、身体支持装置12の基部部材14に隣接して、またはその下に位置付けることができ、支持表面組立体24の高さはフレーム16の上方で調節できる。使用していない時、物品支持装置10は身体支持装置12から離して収納できる。
【0035】
物品支持装置10の無線電力伝送機能は、電力供給システム50を含む。電力供給システム50は、1つ以上の受信機54を含み、これは図5に最もよく示されるように、無線送信機52から無線で電気エネルギーまたは電力118を受け取るように構成され、無線送信機52は物品支持装置10から間隔を開けて、隣接して、または離れて位置する(すなわち、送信機52は物品支持装置10に直接接続されていない)。
【0036】
例示した実施形態では、無線電力受信機54は物品支持装置10の基部20によって支持される。さらに具体的には、例示した実施形態では、受信機54はそれぞれ、物品支持装置10の脚28によって画定される内部領域に設置される。他の実施形態では、受信機54は、脚28の外部表面に取り付けられるか、物品支持装置10上の他の場所、または別の位置に位置する。例えば、受信機54は、支持カラム22、支持表面組立体24、または側面組立体26によって支持されるか、エンドボード110、サイドレール112、またはヘッドウォール116上に位置し得る。当然ながら、受信機54は、送信機52から受信機54への電気エネルギーまたは電力の無線伝送が行なわれ、電気エネルギーまたは電力が電力供給回路60によってさまざまな装置およびそれによって作動するアプリケーションに配給される任意の適切な位置に取り付けまたは配置され得る。
【0037】
例示した実施形態では、無線送信機52は身体支持装置12上に位置する。さらに具体的には、送信機52は、基部部材14の1つまたは両方に取り付けられ、受信機54が送信機52の送信範囲内に位置付けられて、無線媒体を通して伝送された電気エネルギーまたは電力118を受け取ることができるように配置される。一部の実施形態では、送信機52は基部部材14の底部(すなわち下方に面する)または側面に(例えば、ボルト、接着剤、溶接、または他の締結技術で)固定される。他の実施形態では、図5に示されるように、送信機52は基部部材14によって画定される中空空間または内部領域内に取り付けられる。
【0038】
他の実施形態では、送信機52は、エンドボード110またはサイドレール112の上または中、または他の位置など、身体支持装置12のその他の場所に位置し得る。例えば、送信機52は、フレーム16によって支持されるか、またはヘッドウォール116または壁に接続されたベッドロケーター(非表示)上に位置する、または物品支持装置10が位置付けられ得る患者の部屋または他の部屋の床に設置するか、天井に取り付けることができる。当然ながら、送信機52は、送信機52から受信機54への電気エネルギーまたは電力の無線伝送を行なうことのできる任意の位置に取り付けまたは配置し得る。
【0039】
物品支持装置10のさまざまな電子機能および装置に電力供給、充電、または再充電するために、電力供給システム50は、物品支持装置10に電気エネルギーまたは電力118を提供し、物品支持装置10を配線で電気(例えば壁)レセプタクルに接続する必要性を排除する。受信機52が受け取る電気エネルギーまたは電源118は、物品支持装置10の電力貯蔵装置62に貯蔵される。電力貯蔵装置62は、電力供給回路60によってアクセスされ、これは物品支持装置10で接続されているさまざまな装置および/またはアプリケーションに必要に応じて電力を配給し、これには例えば、携帯電子装置の充電または再充電、および/またはオーバーベッドテーブルのリフト機構36、ライト組立体78、スピーカー74、および/またはレセプタクル66、68、70、72の1つ以上に接続され得る他の電子装置の作動のための直接電流の提供がある。また、電力供給システム50は、代替的またはそれに加えて、物品支持装置10によって支持されている、隣接している、または近くにある電子装置に電気エネルギーまたは電力を提供し得る。
【0040】
電力供給システム50の例示実施形態のブロック図が、図4に示されている。ここで示されるように、無線電力送信機52は身体支持装置12に含まれ、信号経路112を介して身体支持装置12の電力システム56からの電気エネルギーを受け取る。電力は、病院の発電機または外部電力ネットワークなどの外部電力源58によって、信号経路114を介して電力システム56に供給される。
【0041】
上述のように、送信機52は、送信機52と受信機54の間の物理的接触なしに、無線媒体を通して電気エネルギーまたは電力118を受信機54に伝送する。明確にするために、送信機52によって伝送されるエネルギーは、(例えば太陽エネルギーまたは光エネルギーとは対照的に)本来電気的で、直流(DC)または交流(AC)の形態である。電気エネルギーまたは電力の無線伝送は、例えば磁気誘導、磁気結合、または磁気共鳴などの既存の技術、または本開示の日付以降に開発される任意の技術を含む任意の他の適切な技術を使用して達成される。一部の実施形態では、図5に示されるように、送信機52および受信機54を視界から完全に隠すことができるため、磁気誘導または共鳴磁気結合が望ましいことがある。
【0042】
磁気誘導が使用される実施形態では、送信機52は、銅(非表示)などの導電材料で作られた誘導コイルを含み、これは基部部材14(または上述のような他の構造)内の中空内部領域内に位置する。誘導コイルは、AC流の形で電気エネルギーまたは電力を受け取るために、電力システム56に接続される。受信機54は別の誘導コイルを含み、これは基部20(または上述のような他の構造)内に位置する。電気エネルギーまたは電力の無線伝送が起こり得る位置に物品支持装置10が移動した時(例えば、脚28が身体支持装置12の下に位置付けられる時)、コイル間に無線電場が生成されるように(すなわち、コイルまたは送信機52の任意の部分および受信機54が互いに物理的に接触することなく)、誘導コイルは配置される。誘導コイル間に生成される無線活動場は、送信機52から受信機54への電気エネルギー(例えば電流)の無線伝送を作り出す。
【0043】
共鳴磁気結合が使用される実施形態では、送信機52と受信機54の両方が共鳴磁気コイル(すなわち、変動または振動磁場を持つコイル)を含む。送信機52のコイルはAC電源に接続される。コイルは、その固有振動数がほぼ同じであるように構成される。2つのコイルの固有共鳴振動数を一致させると磁気結合が起こり、これは2つの装置間の物理的接触なしに、送信機52から受信機54への送電を誘導する。
【0044】
送信機52と受信機54の間の伝送範囲または距離は、物品支持装置10および/または身体支持装置12の特定の設計要件および/または他の考慮事項に従って決定され得る。つまり、本開示の無線エネルギー伝送機能は、電気エネルギーの短距離の無線伝送に限定されない。例えば、電気エネルギーまたは電力を長距離に渡って無線伝送するために、WiTricity(www.witricity.comを参照)として知られる共鳴磁気結合の一形態を使用し得る。
【0045】
電気エネルギーが受信機54によって受け取られると、電力供給回路60はそれをさまざまなポート、装置およびアプリケーション36、62、64、66、68、70、72、74、76の要件に従って、1つ以上の信号経路90、92、94、96、98、100、102、104、106、108を介して配給する。そのため、電力供給回路60は、コンピュータ論理、パラメータ、および指示を保存するためのメモリ、および電気的入力を受け取り、それにコンピュータ論理、パラメータおよび指示を適用し、電気エネルギーまたは電力をそれに接続されたそれぞれの装置およびアプリケーションに伝送するために必要に応じて電気的出力を電力供給システム50のさまざまな構成要素に伝送するよう構成されたマイクロプロセッサを含む。例えば、もしレセプタクル66、68、70、72のいずれにも電子装置が接続されておらず、ランプ78が点灯しておらず、電動リフト機構36、スピーカー74、およびBluetooth/WIFIポート76が使用されていない場合は、受信機54が受け取った電気エネルギーまたは電力のすべては電力貯蔵装置62に伝送されるべきであると、電力供給回路60のコンピュータ論理は判断し得る。
【0046】
一般的に、電力貯蔵装置62は、後で使用するために、受信機54が受け取った電気エネルギーまたは電力を貯蔵する。電力貯蔵装置62は、典型的にはリチウムイオン電池などの充電式バッテリー、または所定の設計の要件に従った、任意の他の適切なバッテリーまたは電気エネルギー貯蔵装置である。一部の実施形態では、例えば電力供給システム50によって物品支持装置10に加えられる重量を減らすため、またはその他の理由のために、比較的軽量の貯蔵装置を使用することが望ましいことがある。
【0047】
電力貯蔵装置62の出力は、電力供給システム50に接続され得るさまざまな装置およびアプリケーションによって必要とされる、DC流またはAC流であり得る。例えば、電力供給回路60は、DC流をAC流に変換するインバータを含み得る。
【0048】
電力供給回路60によって実行されるコンピュータ論理は、電子装置が1つ以上のレセプタクル66、68、70、72を介して電力供給システム50に接続されているか、またはランプ78が点灯されているか、または電動リフト機構36、スピーカー74、および/またはBluetooth/WIFIポート76が使用されているかどうかを判断するように構成される。どの装置またはアプリケーションが電流を必要としているかを判断したら、電力供給回路60はコンピュータ論理を実行して、それぞれの接続された装置またはアプリケーションの電圧および/またはアンペア数要件を決定し、電力貯蔵装置62から必要量を引き出し(例えば、電圧またはアンペア数を漸増または漸減)、必要に応じて1つ以上の信号経路94、96、98、100、102、104、106、108を介して接続された装置またはアプリケーションに当該量を送る。
【0049】
このように、電力供給回路60は、送信機52から無線で受け取られた電気エネルギーまたは電力を調節し、物品支持装置10(または上述のような他の構造)上に位置する、またはそれによって支持されるさまざまなポートに必要な電力を伝送するよう構成される。従って、電力供給回路60は、信号経路90を介した受信機54からの電力の受取り、電力貯蔵装置62の充電、および電力貯蔵装置62によるさまざまな出力ポート(例えば、36、64、66、68、70、72、74、76)への電気エネルギーまたは電力の供給を制御する。
【0050】
例示した実施形態では、無線データ送信機(BluetoothまたはWIFI送信機など)110は、図1に示されるように、物品支持装置10によって支持され、電力供給システム50のBluetooth/WIFIポート76に接続される。送信機110は、物品支持装置10から互換無線受信機への無線データ送信のために構成される。一部の実施形態では、例えば、近接近無線データ通信のためのBluetooth実装が望ましい場合があるが、他の実施形態では、例えば、より長距離の無線通信のためのWIFI実装が好ましい場合がある。例えば、デジタル音楽プレーヤーが物品支持装置10のポート70に接続されている場合、音声出力は増幅され、ポート74に接続されているスピーカーを通して(例えば、有線接続102で)放送されるか、または音声出力は送信機110によって無線で、例示した実施形態ではヘッドウォール120に位置するBluetooth受信機120などの互換無線受信機に伝送され得る。次に、受信機120は、信号経路75を介して、ヘッドウォール120に取り付けられている増幅器/スピーカー74に音声出力を伝送する。他の実施形態では、受信機120、増幅器/スピーカー74および信号経路75は、エンドボード110、サイドレール112、または送信機110の送信範囲内の他の任意の適切な位置に位置し得る。
【0051】
この実施形態では、スイッチは物品支持装置10に取り付けられ、スイッチが有効化された時に、電力供給回路60がポート70からスピーカー74ではなくポート76に音声出力を送るように、電力供給回路60に接続され得る。他の実施形態では、電力供給回路60は、いつ送信機110が受信機120の範囲内にあるかをユーザー入力なしで判断し、範囲内である場合は音声信号をスピーカー74よりもむしろ受信機120に送るように構成され得る。
【0052】
また、他の実施形態では、Bluetooth/WIFIポート76および送信機110は、音声信号の代わりにまたはそれに加えて、他の無線通信に対して使用され得る。例えば、ポート76および送信機110は、ポート66、68、72の1つに接続された計算装置から受信機120にデータまたは指示を送信するために使用でき、前記受信機は、スピーカーではなく、遠隔計算装置、またはナースコールシステム、患者またはベッド監視システム、電子カルテシステム、または同類のものなどのコンピュータシステムに接続され得る。
【0053】
さらに、無線(例えば、BluetoothまたはWIFI)受信機(例えば120)または送受信機は、ポート76に接続されて、(送信機110ではなく)物品支持装置10によって支持され、遠隔電子装置と無線データおよび/または指示通信を受け取るかまたは交換するよう構成され得る。これらの実施形態では、電力供給回路60は、ポート66、68、70、72、74の1つに接続された装置に、受信した通信を送るまたは出力するよう構成され得る。
【0054】
当然ながら、信号経路75、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、112、114のいずれかが、有線(例えば、絶縁配線)または無線接続またはその組み合わせを含むことがある、および/またはイーサネットネットワークなどの電子ネットワークに接続され得る。また、電力供給システム50のさまざまな構成要素の間またはその中での、電気エネルギーまたは電力、信号、データおよび/または指示の送信および/または受信を達成することが必要になり得るため、一般的に、代表的な信号経路75、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、112、114のそれぞれは、その中に1つ以上の一方向または双方向信号経路を含み得る。
【0055】
本明細書に記載した一切の理論、動作メカニズム、実例実施形態、証明、または所見は、本開示の原理の理解をさらに高めることを意図し、本開示をそうした理論、動作メカニズム、実例実施形態、証明、または所見に依存させることは決して意図していない。また、記述中の望ましい、好ましい、好ましくは、または好適という言葉の使用は、そのように記述された特徴が特定の適用に対してより有利であり得ることを示すが、このような特徴は単に1つの例示オプションであり、同じ特徴を欠く実施形態も本開示の範囲内であることが理解されるべきである。
【0056】
一部の実施形態のみ表示され説明されており、本明細書により、または下記の請求項のいずれかにより定義されるように、本開示の精神を逸脱しない、考えられるすべての変更、修正、態様、組み合わせ、原理、変形物、および等価物が保護されることが望ましいことが理解されるべきである。
【0057】
本開示の実施形態について、図面および上述の説明で詳細に図示・説明してきたが、これらは説明のためのものとして考慮されるべきであり、完全性を意図するものでも、開示された正確な形態に限定することを意図するものでもない。例えば、例示された実施形態は、無線媒体を通して電力を物品支持装置10に供給するが、当然ながら物品支持装置10の電子機能は、有線接続で作動し得る(例えば、送信機52および受信機54を、ACプラグなどの有線接続で置き換えることができる)。追加的な変更、修正および変形物が、当業者にとって明白となりうる。
【0058】
また、発明の複数の態様や原理が提示されているが、上記の各種の実施形態に照らすと、これらを組み合わせで利用する必要はなく、また発明の態様や原理のさまざまな組み合わせが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品支持装置であって、
基部と、
前記基部から上方に延長する支持カラムと、
前記支持カラムから片持ちされたテーブル表面と、
受信機であって、前記受信機とは物理的に接触していない送信機によって無線媒体を通して伝送される電力を受け取るよう構成された受信機と、
前記受信機が受け取った電力を貯蔵するよう構成された電力貯蔵装置と、
を備える物品支持装置。
【請求項2】
前記受信機が受け取った電力を前記電力貯蔵装置に伝送するように構成された電力供給回路を備える、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項3】
前記電力供給回路に電気的に接続されたレセプタクルを備え、前記レセプタクルに接続された電子装置に電力を供給するように構成された、請求項2に記載の物品支持装置。
【請求項4】
前記電子装置に伝送するために、前記電力供給回路が充電電力および前記レセプタクルへの直接電力の少なくとも1つを選択的に供給するよう構成された、請求項3に記載の物品支持装置。
【請求項5】
前記レセプタクルが前記テーブル表面によって支持される、請求項3に記載の物品支持装置。
【請求項6】
前記受信機によって受け取られる電力を受け取るためにそれぞれが前記電力供給回路に接続され、電子装置に異なる形態の電力を供給するようにそれぞれが構成された、多数のレセプタクルを備える、請求項2に記載の物品支持装置。
【請求項7】
前記電力供給回路が、前記レセプタクルのそれぞれに供給するために適切な電力の形態を決定し、前記電力貯蔵装置から前記レセプタクルのそれぞれに適切な形態の電力を伝送するよう構成された、請求項6に記載の物品支持装置。
【請求項8】
前記受信機が誘導コイルを備える、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項9】
前記受信機が共鳴磁気コイルを備える、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項10】
前記基部に対して前記テーブル表面の位置を調節するように構成された電動アクチュエータを備える、前記アクチュエータには前記受信機が受け取った電力が供給される、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項11】
前記テーブル表面で支持されたレセプタクルを備え、前記電力貯蔵装置が前記基部によって支持され、前記レセプタクルが前記電力貯蔵装置に電気的に接続された、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項12】
前記テーブル表面によって支持されたライト組立体を備え、前記ライト組立体には前記受信機が受け取った電力が供給される、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項13】
前記基部によって支持された無線データ送信機を備え、前記無線データ送信機には前記受信機が受け取った電力が供給される、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項14】
前記受信機が受け取った電力を電子娯楽機器に供給するよう構成されたレセプタクルと、スピーカーへの無線送信のために、前記電子娯楽機器からの音声出力を前記無線データ送信機に送るように構成された電力供給回路とを備える、請求項13に記載の物品支持装置。
【請求項15】
前記テーブル表面によって支持された音声スピーカーを備え、前記音声スピーカーには前記受信機が受け取った電力が供給される、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項16】
前記テーブル表面によって支持された多数の前記レセプタクルと、前記レセプタクルの上に位置付けることのできるカバーとを備え、前記レセプタクルのそれぞれが、前記受信機によって受け取られて前記電力貯蔵装置中に貯蔵された電力を受け取るように構成された、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項17】
前記基部が脚を備え、前記脚が内部領域を画定し、前記受信機が前記脚の前記内部領域内に位置する、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項18】
前記テーブル表面によって支持される、ランプソケット、シガレットライター用電気ポート、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)用電気ポート、デジタルメディアプレーヤー用電気ポート、および携帯電子計算装置用充電ポートの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の物品支持装置。
【請求項19】
無線電力伝送システムであって、
少なくとも水平位置に人を支持するように構成された身体支持装置であって、前記身体支持装置の通常使用中に無線媒体を通して電力を伝送するよう構成された送信機を有する身体支持装置と、
前記送信機または前記身体支持装置と物理的に接触することなく、前記物品支持装置の通常使用中に、前記送信機から伝送された電力を受け取るように構成された受信機を有する物品支持装置と、
を備える無線電力伝送システム。
【請求項20】
電力を電子装置に無線伝送する方法であって、
身体支持装置上に位置する電力送信機によって無線伝送される電力を物品支持装置で受け取ることと、
物品支持装置に位置する電力貯蔵装置に電力を貯蔵することと、
物品支持装置の電子装置に電力を供給することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−254299(P2012−254299A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−130015(P2012−130015)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.イーサネット
3.BLUETOOTH
【出願人】(503278256)ヒル−ロム サービシズ,インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】