説明

無線電気通信デバイスを使用する電子商取引の認証

【課題】クレジットカードの不正ユーザがインターネット上で取引を行うことができる危険を減らすか除去する付加的な安全対策を提供する。
【解決手段】電子商取引は、消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電気通信デバイスの間で行なわれる。マーチャント・システムは、電子商取引を終える前に消費者の認証装置から認可を得る。マーチャント・システムによってアクセス可能なレジストリ・サーバは、消費者のアカウント上で電子商取引を行なうことを認可された電気通信デバイスのデータベースを維持するために使用されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には電気通信に関し、さらに詳細には、無線電気通信デバイスを使用して電子商取引を認証するためのシステム及び技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上での電子商取引(e−コマース)は驚異的な速さで拡大している。今日では、最も世慣れない消費者でさえ、コンピュータ上での数回のキーストロークだけでインターネット上で取引を行なうことができ、インターネットをおそらく世界で最も便利なセールス媒体にしている。ほとんどの会社が、何年にもわたり成功裡にこの新しいセールス媒体を開発しており、そして、小売り業者らが、主要なオンライン・ショッピング・サイトの後に続いている。電子商取引が成長し続けるにつれて、セキュリティ上の問題に対処する必要性が増加している。
【0003】
電子商取引は、通常、コンピュータ上の消費者が、それによってあるアイテムを探し当てるために商人のウェブサイトをナビゲートするプロセスを含む。これらのアイテムは、種々のスクリーン表示に応答して一連のコンピュータ入力を通じて消費者によって購入され、そのスクリーン表示の1つはある範囲の支払いオプションの表示であってもよい。最も一般的なオンライン支払いオプションは、クレジットカードによる支払いであり、それは、カード名義人の氏名及びカードの有効期限と共に、カード番号を入力することを消費者に要求する。しかし、消費者がそのような情報を入力する前に、商人のウェブサイトは安全な運転モードに変わる。その安全なモードでは、商人のウェブサイトとのすべての通信が、クレジットカード情報を盗む立ち聞きする人(eavesdroppers)に対して防御する方法で暗号化される。
【0004】
暗号作成法は、インターネット上で盗まれるクレジットカード情報を防護するにはかなり有効であると分かっているが、それはクレジットカード自体の窃盗に対する保護は提供しない。盗まれたクレジットカードは、検知されないでインターネット上の種々の商人から製品を購入するために犯罪者によって使用されるかもしれない。従って、クレジットカードの不正ユーザがインターネット上で取引を行うことができる危険を減らすか除去する付加的な安全対策の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
マーチャント・システムの1つの態様が開示される。そのマーチャント・システムは、消費者のアカウント上で電気通信デバイスと電子商取引を行なうように構成されたプロセッサを含んでおり、そのプロセッサは、電子商取引を終了する前に、消費者の認証装置から認証を得るようにさらに構成される。
【0006】
レジストリ・サーバの1つの態様が開示される。そのレジストリ・サーバは、消費者のアカウント上で電子商取引を行なうことを認可された電気通信デバイスのデータベースを維持するように構成されたプロセッサを含んでおり、そのプロセッサは、データベースにおいて、認可された電気通信デバイスのそれぞれを、消費者の認証装置を識別する情報にマップする。
【0007】
認証装置の1つの態様が開示される。その認証装置は、消費者に所属し、そして、消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電気通信デバイスとの間の電子商取引を認可するためにマーチャント・システムと通信するように構成されたプロセッサを含んでいる。
【0008】
電気通信デバイスの1つの態様が開示される。その電気通信デバイスは、消費者のアカウント上でマーチャント・システムとの電子商取引を行なうことを電気通信デバイスに認可するデータベースにその電気通信デバイスを追加するためのレジストリ・サーバへの要求を送るように構成されたプロセッサを含んでおり、その要求は、消費者の認証装置を識別する情報を含む。
【0009】
電子商取引を行なう方法が開示される。その方法は、消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電気通信デバイスの間の電子商取引を行なうこと、及びその電子商取引を終了する前に消費者の認証装置から認可を得ることを含む。
【0010】
マーチャント・システムの他の態様が開示される。そのマーチャント・システムは、消費者のアカウント上で電気通信デバイスとの電子商取引を行なうための手段と、電子商取引処理を終了する前に消費者の認証装置から認可を得るための手段を含んでいる。
【0011】
レジストリ・サーバの他の態様が開示される。そのレジストリ・サーバは、消費者のアカウント上で電子商取引を行なうことを認可された電気通信デバイスのデータベースとインターフェースするための手段と、認可された電気通信デバイスのそれぞれを、消費者の認証装置を識別する情報にマップすることによってデータベースを維持するための手段を含んでいる。
【0012】
消費者の認証装置の他の態様が開示される。その認証装置は、消費者のアカウント上のマーチャント・システムと電気通信デバイスの間の電子商取引処理を認可するためのマーチャント・システムから要求を受け取るための手段と、その要求に応答するための手段を含んでいる。
【0013】
電気通信デバイスの他の態様が開示される。その電気通信デバイスは、消費者のアカウント上でマーチャント・システムとの電子商取引を行なうための電気通信デバイスを認可するデータベースにその電気通信デバイスを追加するレジストリ・サーバへの要求を生成するための手段であって、その要求が消費者の認証装置を識別する情報を含む手段と、その要求をレジストリ・サーバに送るための手段を含んでいる。
【0014】
本発明の種々の態様だけが例示として示されそして記述される下記の詳細な説明から他の態様が当業者には容易に明白になるであろうことが理解される。理解されるように、本発明は、他の異なる態様が可能であり、また、それのいくつかの詳細は、本発明の精神及び範囲からまったく逸脱することなしに、種々の他の点における修正が可能である。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に例示でありかつ限定的ではないと看做されるべきである。電気通信システムの種々の態様は、添付の図面において、例示としてかつ限定としてではなく、例証される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、電子商取引の1つの例を示す概念ブロック図である。
【図2】図2は、無線電気通信デバイスからの認可を必要とする電子商取引の1つの例を示す概念ブロック図である。
【図3】図3は、無線電気通信デバイスからの認可を必要とする電子商取引におけるサーバ登録の使用を示す概念ブロック図である。
【図4】図4は、マーチャント・システムの1つの態様を示す概念ブロック図である。
【図5】図5は、レジストリ・サーバの1つの態様を示す概念ブロック図である。
【図6】図6は、無線電気通信デバイスの1つの態様を示す概念ブロック図である。
【図7】図7は、マーチャント・システムの1つの態様の機能ブロック図である。
【図8】図8は、レジストリ・サーバの1つの態様の機能ブロック図である。
【図9】図9は、認証装置の1つの態様の機能ブロック図である。
【図10】図10は、電気通信デバイスの1つの態様の機能ブロック図である。
【詳細な説明】
【0016】
添付図面に関連して下記に開示される詳細な説明は、本発明の種々の態様の説明として意図されているのであり、本発明が実施されうる唯一の態様を表すものとして意図されてはいない。詳細な説明は、本発明についての完全な理解を提供する目的のための特定の詳細を含む。しかし、本発明はこれらの特定の詳細なしで実行されてもよいことが当業者には明白であろう。いくつかの事例では、公知の構造及びコンポーネントは、本発明の概念を不明瞭にするのを避けるためにブロック図の形で示される。
【0017】
図1は、電子商取引をサポートする電気通信システムの1つの例を示す概念図である。この例では、コンピュータ102上のユーザは、インターネット106でマーチャント・システム104との電子商取引を行なうことができる。ユーザは、コンピュータ102上でソフトウェア・アプリケーションを立ち上げることにより、又は他のある許可手段により取引を開始する。同時に、又はそこらあたりで、コンピュータ102は、標準のツイストペア電話線、デジタル加入者線(DSL)、ケーブル・モデム、あるいは他のある適切な媒体上でインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)108における相互動作機能(IWF)(図示なし)とのネットワーク接続を確立する。その後、コンピュータ102は、インターネット106上でマーチャント・システム104と電気通信するためにそれのインターネット・プロトコル(IP)アドレスを使用して、両方のシステム上のより高いレベルのソフトウェア・アプリケーションを一緒に動作させて電子商取引を行なわせることができる。コンピュータ102が永久的なインターネット・プロトコル(IP)アドレスを有していない場合には、ISP106がそれに一時的なものを割り当てる。
【0018】
電子商取引は、例えば、対称及び非対称鍵音号方式のような暗号化技術を使用して安全な態様で通常行なわれる。付加的な安全対策は、コンピュータ又はマーチャント・システム以外のエンテイテイに取引を認可することを要求することによって実現されてもよい。1つの態様では、他の実体エンテイテイ又は「認証装置」は、携帯電話、あるいは他の無線又は有線の電気通信デバイスである。この態様では、携帯電話の所有者(すなわち「消費者」)は、電子商取引に対して財政的に責任を負う人であり、それはコンピュータ102上のユーザであってもなくてもよい。この手順の一例が図2を参照して次に記述される。
【0019】
図2は、任意の数の無線電気通信デバイスをインターネット106に接続する無線ネットワーク202を有する電気通信システムを示す。無線ネットワーク202は、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、移動体電気通信電気通信におけるグローバル・システム(GSM(登録商標))ネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、ユニバーサル移動体電気通信システム(UMTS)ネットワーク、又は任意の他の適当な広域ネットワーク(WAN)のような広域ネットワークであってもよい。あるいは、無線ネットワーク202は、802.11、ホームRF、ブルートゥース、超広帯域(UWA)、等のようなローカル・エリア・ネットワーク(LAN)であってもよい。当業者は、電気通信システム100に課されたシステム・パラメータ及び全面的な設計制約に基づいて任意特定のアプリケーションに最も適した特定の無線ネットワークを容易に決定することができるであろう。
【0020】
図2に示される無線ネットワーク202は、コンピュータ102とマーチャント・システム104の間の電子商取引を認可するために携帯電話204がインターネット106に接続する手段を提供する。この例では、コンピュータ102は、図1に関して上に記述された同じ又は同様の手順を使用して、インターネット106を通じてマーチャント・システム104との接続を確立する。同時に、又はそこらで、ユーザは、電子商取引を行なうのに必要な他の情報と共に、彼又は彼女の携帯電話番号をコンピュータ110に入力する。携帯電話番号は、消費者のアカウント、すなわち、携帯電話の所有者のアカウントに請求される前に、マーチャント・システム104を携帯電話と通信させて取引を認可できるようにする。その通信は、SMS 206を通じて、又は直接無線ネットワーク202によって起こってもよい。その後、消費者は、携帯電話104を使用して、取引を認可するか又は拒絶してマーチャント・システム104に応答を送ることができる。応答は、指定されたキーを叩いて、暗証番号を入力して、生物計測学的認証(biometrics)を使用して、及び/又は任意の他の適当な方法によって生成することができる。電子商取引は、消費者がそれを認可すれば、マーチャント・システム104だけで終了する。いったん終了すると、コンピュータ102上のユーザによって負担される料金は、携帯電話番号に対して徴収されることができる、またある場合には、消費者の電話料金に含めることができる。
【0021】
電気通信システム100の他の態様では、コンピュータ102のような電気通信デバイスは、消費者の携帯電話アカウントに請求される電子商取引を行なう前に、レジストリ・サーバに対してまず登録されなければならない。この態様の一例が、図3を参照して説明される。
【0022】
図3は、インターネット106に接続されたレジストリ・サーバ302の追加を除けば、図2の電気通信システム100に類似している。図3を参照すると、消費者は、コンピュータ102からレジストリ・サーバ302に対する登録手順を行なうことにより、彼又は彼女のコンピュータ102を登録する。この登録手順は、コンピュータ102上にソフトウェア・アプリケーションを立ち上げることから始まる。その後、消費者の携帯電話番号が登録要求と一緒にコンピュータ102に入力される。同時に、又はそのあたりで、コンピュータ102はISP108によってインターネット接続を確立する。コンピュータ102は、レジストリ・サーバ302へ情報を送るためにインターネット接続を使用する。その情報は、コンピュータ102のIPアドレス、消費者によって入力される携帯電話番号、及び登録要求を含む。
【0023】
レジストリ・サーバ302は、登録要求を認可しそして消費者によって登録された電気通信デバイスのデータベース304の維持を含む種々の機能を提供してもよい。図3に示される電気通信システム100の態様では、レジストリ・サーバ302は、マーチャント・システム104が電子商取引を認可するのとほぼ同じ方法で登録要求に対する認可を得る。すなわち、レジストリ・サーバ302は、コンピュータ102を登録する認可を要求して、SMS 206によって、又は直接無線ネットワーク202を通じて携帯電話204と通信する。消費者は、指定されたキーを叩いて、暗証番号を入力して、生物計測学的認証(biometrics)を使用して、及び/又は任意の他の適当な方法によって通話に応答することができる。その応答は、携帯電話204からレジストリ・サーバ302へ送られる。その応答が登録要求を認可する場合には、レジストリ・サーバ302は消費者の携帯電話番号をコンピュータ102のIPアドレスをマップ(maps)し、そしてその結果をデータベース304に格納する。
【0024】
上記に示されたように、すべてのコンピュータが永久的なIPアドレスを有しているわけではない。ある場合には、コンピュータ及び他の電気通信デバイスは、それぞれのISPによって維持されたIPアドレスのプールから一時的なアドレスを割り当てられる。一時的なアドレスは、一般に、インターネット・セッションの期間の間、コンピュータ(又は他の電気通信デバイス)に割り当てられる。一時的なIPアドレスを有するコンピュータがそれのインターネット・セッションを終了するときには、その一時的なIPアドレスは、ISPによって他の電気通信デバイスに割り当てのためにIPアドレスのプールに返される。この方法中で動作するISPは、新しい一時的なIPアドレスが登録された電気通信デバイスに割り当てられるごとに、レジストリ・サーバ302によって維持されるデータベースを更新しなければならない。
【0025】
図3に戻ると、コンピュータ102上のユーザ(それは消費者であってもなくてもよい)は、ソフトウェア・アプリケーションを立ち上げることにより、又はある他の許可手段によりマーチャント・システム104での電子商取引を開始する。その後、コンピュータ102は、ISP 108におけるIWFとのネットワーク接続を確立する。コンピュータ102が永久のIPアドレスを有しない場合には、ISP 106はコンピュータ102に一時的なIPアドレスを割り当てて、レジストリ・サーバ302によって維持されるデータベース304を更新する。インターネット106を通じてマーチャント・システム104との接続を確立するために、IPアドレスがコンピュータ102によって使用される。同時に、又はそこらあたりで、ユーザは、消費者の携帯電話番号を含む電子商取引を行なうのに必要なある情報をコンピュータ102に入力する。この情報は、コンピュータのIPアドレスと共に、コンピュータ102によりインターネット106を通じてマーチャント・システム104に送られる。マーチャント・システム104は、レジストリ・サーバ302とのインターネット接続を確立し、そして、コンピュータ102が消費者によって登録されたかどうか、すなわち、データベース304がコンピュータのIPアドレスを消費者の携帯電話番号にマップする入力を含むかどうかを決定するためのクエリーを送る。コンピュータ102が登録されることをレジストリ・サーバ302が確認すると、マーチャント・システム104は、携帯電話104へ無線ネットワーク202を通じて認可要請を送るために携帯電話番号を使用する。携帯電話104上の消費者がそれを認可する場合のみ、電子商取引はマーチャント・システム104によって終了される。一旦終了されると、コンピュータ102上のユーザによって負担される料金は、消費者の携帯電話番号に対して徴収されてもよく、またある場合には、消費者の電話料金に含められてもよい。
【0026】
図4は、マーチャント・システム104の機能性を示す単純化されたブロック図である。少なくとも1つの態様では、マーチャント・システム104は、システム・バス404によって多くの周辺機器と通信する少なくとも1つのプロセッサ402を含む。プロセッサ402は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアあるいはそれらの任意の組合せでインプリメントされてもよい。典型的には、プロセッサ402は、種々のソフトウェア・アプリケーションをサポートするマイクロプロセッサでインプリメントされるであろう。これらのソフトウェア・アプリケーションは、そのような取引のために適切な認可を得ることを含む電子商取引をサポートするような多くの機能を提供する。
【0027】
周辺機器は、例として、揮発性及び不揮発性のメモリを含むコンピュータ読取り可能媒体406を含んでいてもよい。揮発性メモリは、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)又は任意の他の適切な高速メモリ・デバイスであってもよい。不揮発性メモリは、磁気ハードドライブ、光ディスク、及び/又は、大量のデータ及びソフトウェア・アプリケーションのための任意の他の形式の記憶装置を含んでもよい。プロセッサ402によるメモリ・アクセスの速度を増加させるために、不揮発性メモリからのソフトウェア・アプリケーション及びデータは、揮発性メモリに書き込まれてもよい。当業者は、用語「コンピュータ読取り可能媒体」は、プロセッサ402によってアクセス可能な任意のタイプの記憶装置を含みさらにデータ信号を符号化するキャリア波をも包含することを認識するであろう。
【0028】
周辺機器はまた、ネットワーク・インターフェース又はモデム408を含む種々のインターフェースを含んでもよい。ネットワーク・インターフェース又はモデム408は、インターネット上でのマーチャント・システム104による電気通信をサポートするためのプロトコル変換を提供するために使用されてもよい。
【0029】
図5は、レジストリ・サーバ302の機能性を例証する単純化されたブロック図である。レジストリ・サーバ302のアーキテクチャーは、マーチャント・システム104のそれに類似している。システム・バス504は、1つ又は複数のプロセッサ502を任意の数の周辺機器に接続するために使用される。プロセッサ502は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せでインプリメントされてもよいが、典型的には、種々のソフトウェア・アプリケーションをサポートするマイクロプロセッサを含むであろう。ソフトウェア・アプリケーションは、システム・バス504に装着されたコンピュータ読取り可能媒体506に存在してもよい。コンピュータ読取り可能媒体506は、マーチャント・システム104に関して記述されたものと類似の揮発性及び不揮発性のメモリを含んでいてもよい(図4参照)。これらのソフトウェア・アプリケーションは、とりわけ、消費者所有者に登録された電気通信デバイスのデータベースを維持する多くの機能を提供する。
【0030】
システム・バス504に接続されたデータベース・インターフェース508は、プロセッサ502がデータベース304にアクセスすることを可能にする(図3を参照)。レジストリ・サーバ302の少なくとも1つの態様では、データベースは、消費者の携帯電話番号を彼又は彼女の電気通信デバイスのIPアドレスにマップするために使用される。そのデータベースは、無線又はワイヤー・ラインT1又はT3、光ファイバー接続、イーサネット(登録商標)、又は他のIP接続を有するレジストリ・サーバ304の外側にあってもよい。あるいは、データベースは、ハードドライブ又はある他の適切な不揮発性メモリ上でレジストリ・サーバ304内に完全に又は部分的に統合されてもよい。ネットワーク・インターフェース又はモデム510は、レジストリ・サーバ302とインターネットの間の通信をサポートするためのプロトコル変換を提供するために使用されてもよい。
【0031】
図6は、電気通信デバイスの機能性を例証する単純化されたブロック図である。電気通信デバイスは、図2−3などに示された携帯電話204のような認証装置として役立つことができる。あるいは、電気通信デバイスは、図1−3に示されるコンピュータ102のような電子商取引端末であってもよく、又は電子商取引をサポートすることができる任意の他の適切なアクセス端末であってもよい。
【0032】
電気通信デバイスは、上述のサーバと同様に、システム・バス604によって多くの周辺機器と通信する少なくとも1つのプロセッサ602を含む。プロセッサ402は、典型的には、種々のソフトウェア・アプリケーションをサポートするマイクロプロセッサでインプリメントされるだろうが、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せでインプリメントされてもよい。電子商取引端末の場合には(及び認証装置のいくつかの態様では)、ソフトウェア・アプリケーションが、インターネットを通じて電子商取引を行なうための手段を提供する。認証装置で動作するソフトウェア・アプリケーションはまた、消費者が他のデバイスによって電子商取引を認可することを可能にする。ソフトウェア・アプリケーションは、システム・バス604に装着されたコンピュータ読取り可能媒体606に存在してもよい。コンピュータ読取り可能媒体606は、マーチャント・システム104に関して記述されたのと類似した揮発性及び不揮発性のメモリを含んでいてもよい(図1を参照)。
【0033】
周辺機器はまた、電気通信デバイスとネットワークの間の物理的なインターフェースをサポートするためのトランシーバ608を含んでいてもよい。トランシーバ608は、無線トランシーバ又は標準ツイストペア電話線モデム、DSLモデム、ケーブル・モデム、ファイバ・オプテイック・モデム、イーサネット・モデム、T1又はT3モデム、又はネットワークに対する物理的インターフェースをサポートするのに適した任意の他のモデムのような有線の接続を駆動できるものであってもよい。
【0034】
図6に示された残りの周辺機器は、ユーザ・インターフェース610である。ユーザ・インターフェースは、例えば、キーパッド、ディスプレイ、マウス、ジョイスティックなどを含む任意の数のデバイスを含んでいてもよい。これらのデバイスは、インターネットにより電子商取引を行い、そして認証装置の場合には、他の装置によって電子商取引を認可するような種々のタスクを電気通信デバイスのユーザが実行できるようにする。
【0035】
マーチャント・システム104、レジストリ・サーバ304及び電気通信デバイスが実際にインプリメントされる方法は、特定のアプリケーション、及び全システムに課された設計制約に依存して変わるであろう。当業者は、これらの状況におけるハードウェア、ファームウェア及びソフトウェア構成の互換性、及び各特定のアプリケーションに対する上述の機能性をいかに最も良くインプリメントするかについて認識するであろう。
【0036】
図7は、マーチャント・システムの1つの態様の機能ブロック図である。マーチャント・システム104は、消費者のアカウント上で電気通信デバイスと電子商取引を行なうためのモジュール704と、電子商取引を終了する前に消費者の認証装置から認可を得るためのモジュール702を含んでいる。
【0037】
図8は、レジストリ・サーバの1つの態様の機能ブロック図である。レジストリ・サーバ302は、消費者のアカウント上で電子商取引を行なうことを認可された電気通信デバイスのデータベースとインターフェースするためのモジュール804と、認可された電気通信デバイスのそれぞれを消費者の認証装置を識別する情報にマップすることによってデータベースを維持するためのモジュール802を含んでいる。
【0038】
図9は、認証装置の1つの態様の機能ブロック図である。認証装置204は、消費者のアカウント902上でマーチャント・システムと電気通信デバイスの間の電子商取引を認可するためにマーチャント・システムから要求を受け取るためのモジュール902と、その要求に応答するためのモジュール904を含んでいる。
【0039】
図10は、電気通信デバイスの1つの態様の機能ブロック図である。電気通信デバイス102は、消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電子商取引を行なう電気通信デバイスを認可するデータベースに電気通信デバイスを追加するためのレジストリ・サーバに対する要求を生成するためのモジュールであって、その要求が消費者の認証装置を識別する情報を含むモジュール1002と、その要求をレジストリ・サーバに送るためのモジュールを含んでいる。
【0040】
ここに開示された態様に関連して記述された種々の例示的論理ブロック、モジュール、回路、エレメント、及び/又はコンポーネントは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル・ロジック・コンポーネント、個別ゲート、個別ハードウエア・コンポーネント、又は上述の機能を発揮するように設計されたそれらの任意の組合せでインプリメント又は実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代案では、そのプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステート・マシンであってもよい。プロセッサはまた、計算コンポーネントの組合せ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連した1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこのような構成としてインプリメントされてもよい。
【0041】
ここに開示された態様に関連して記述された方法又はアルゴリズムは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュール、あるいはそれら2つの組合せで直接具体化されてもよい。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリー、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROMあるいは技術的に公知の任意の他の形式の記憶媒体に存在してもよい。記憶媒体は、プロセッサがその記憶媒体から情報を読取ることができ、また、その記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合されてもよい。代案では、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。
【0042】
前記の説明は、どんな当業者でもここに記述された種々の態様を実行することを可能にするために提供される。これらの態様に対する種々の修正が当業者には容易に明白になるであろう、また、ここに定義された包括的な原理は、他の態様に適用されてもよい。従って、請求項は、ここに示された態様に限定されたようには意図されておらず、言語請求と一致した十分な範囲を与えられるべきであり、単数でのエレメントの参照は、特にそのように述べられていないかぎり、「1つ及び1つだけ」を意味するようには意図されておらず、それより「1つ又は複数の」である。当業者に知られた又は後で知られるようになる本開示全体にわたって記述された種々の態様の要素に対するすべての構造的又は機能的均等物は、参照としてここに明白に取り入れられ、そして、請求項によって包含されるように意図されている。さらに、ここに開示されたものは、そのような開示が請求項に明示的に記載されているか否かに関係なく、公共に献呈されるようには意図されていない。請求項の要素は、その要素が「ための手段」という語句を使用して明白に記述されていない場合、あるいは、方法の請求項の場合には、その要素が「ためのステップ」という語句を使用して記述されていない場合には、35USC112第6パラグラフの規定に基づいて解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者のアカウント上で電気通信デバイスとの電子商取引を行なうように構成されたプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記電子商取引を終了する前に前記消費者の認証装置から認可を得るようにさらに構成されているマーチャント・システム。
【請求項2】
前記認証装置は無線である請求項1のマーチャント・システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、無線ネットワークにおけるSMSを通じて前記認証装置から認可を得るようにさらに構成される請求項2のマーチャント・システム。
【請求項4】
前記認証装置は、携帯電話である請求項2のマーチャント・システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記電気通信デバイスが前記電子商取引を終了する前に前記電子商取引を行なうための認可されたデバイスであるという情報をレジストリ・サーバから得るようにさらに構成される請求項1のマーチャント・システム。
【請求項6】
前記認証装置は携帯電話であり、そして前記プロセッサは、前記電気通信デバイスのIPアドレス及び前記携帯電話の電話番号を含む情報を前記電気通信デバイスから受け取りかつ前記受け取られた情報を前記レジストリ・サーバに送って前記第1の電気通信デバイスが前記電子商取引を行なうための認可されたデバイスであることの確認を得るようにさらに構成される請求項5のマーチャント・システム。
【請求項7】
消費者のアカウント上で電子商取引を行なうために認可された電気通信デバイスのデータベースを維持するように構成されたプロセッサを備え、前記プロセッサは前記データベースにおいて前記認可された電気通信デバイスのそれぞれを前記消費者の認証装置を識別する情報にマップするレジストリ・サーバ。
【請求項8】
前記認証装置は無線である請求項7のレジストリ・サーバ。
【請求項9】
前記認証装置は、携帯電話である請求項8のレジストリ・サーバ。
【請求項10】
前記携帯電話を識別する情報は、携帯電話番号である請求項9のレジストリ・サーバ。
【請求項11】
前記プロセッサは、電気通信デバイスから前記電気通信デバイスを前記データベースに追加するための要求を受け取り、かつ前記要求に応答して、前記電気通信デバイスを前記データベースに追加するための認可を得るために前記認証装置と通信するようにさらに構成される請求項7のレジストリ・サーバ。
【請求項12】
前記認証装置は無線であり、かつ前記プロセッサは無線ネットワークにおけるSMSを通じて前記認証装置と通信するようにさらに構成される請求項11のレジストリ・サーバ。
【請求項13】
前記プロセッサは、マーチャント・システムと通信して、前記マーチャント・システムと電子商取引を行なうことを試みる電気通信デバイスが前記データベースにおいて前記認証装置を識別する情報にマップされることを確認するようにさらに構成される請求項7のレジストリ・サーバ。
【請求項14】
前記認証装置は携帯電話を備え、前記認証装置を識別する情報は前記携帯電話の電話番号である請求項13のレジストリ・サーバ。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記携帯電話番号を各電気通信デバイスのIPアドレスにマップするようにさらに構成される請求項14のレジストリ・サーバ。
【請求項16】
消費者の認証装置であって、
前記消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電気通信デバイスの間の電子商取引を認可するためにマーチャント・システムと通信するように構成されたプロセッサを備える認証装置。
【請求項17】
前記認証装置は無線である請求項16の認証装置。
【請求項18】
前記認証装置は携帯電話である請求項17の認証装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記消費者のアカウント上で前記マーチャント・システムと電子商取引を行なうように認可された電気通信装置を含むデータベースを維持するためにレジストリ・サーバと通信するようにさらに構成される請求項16の認証装置。
【請求項20】
消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電子商取引を行なう前記電気通信デバイスを認可するデータベースに前記電気通信デバイスを追加するための要求をレジストリ・サーバに送るように構成され、前記要求は前記消費者の認証装置を識別する情報を含むプロセッサを備える電気通信デバイス。
【請求項21】
前記認証装置は携帯電話であり、前記認証装置を識別する情報は前記携帯電話の携帯電話番号である請求項20の電気通信デバイス。
【請求項22】
ユーザ・インターフェースをさらに備え、前記プロセッサは、前記ユーザ・インターフェース上での前記携帯電話番号の入力に応答して前記要求を前記レジストリ・サーバに送るようにさらに構成される請求項21の電気通信デバイス。
【請求項23】
電子商取引を行なう方法であって、
消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電気通信デバイスの間の電子商取引を行なうこと、
前記電子商取引を終了する前に前記消費者の認証装置から認可を得ること、
を備える方法。
【請求項24】
前記消費者のアカウント上で電子商取引を行なうために認可された電気通信デバイスのデータベースを維持すること、そして、前記電子商取引を終了する前に前記電気通信デバイスが前記データベース内にある確認をレジストリ・サーバから得ることをさらに備える請求項23の方法。
【請求項25】
前記認証装置は携帯電話である請求項24の方法。
【請求項26】
前記データベースは、前記データベース内の各電気通信デバイスに前記携帯電話の携帯電話番号をマップすることによって維持される請求項25の方法。
【請求項27】
前記電子商取引は、前記携帯電話番号を前記電気通信デバイスから前記マーチャント・システムに送ることを含み、前記マーチャント・システムは、前記電気通信デバイスが前記データベース内にあるという確認を得るため、及び前記電子商取引を認可するために前記携帯電話と通信するために前記携帯電話番号を使用する求項26の方法。
【請求項28】
前記マーチャント・システムは、無線ネットワーク内のSMSを通じて前記マーチャント・システムと通信する請求項27の方法。
【請求項29】
消費者のアカウント上で電気通信デバイスと電子商取引を行なうための手段と、
前記電子商取引を終了する前に前記消費者の認証装置から認可を得るための手段と、 を備えるマーチャント・システム。
【請求項30】
消費者のアカウント上で電子商取引を行なうように認可された電気通信デバイスのデータベースとインターフェースするための手段と、
前記認可された電気通信デバイスのそれぞれを前記消費者の認証装置を識別する情報にマップすることにより前記データベースを維持するための手段と、
を備えるレジストリ・サーバ。
【請求項31】
消費者の認証装置であって、
前記消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電気通信デバイスの間の電子商取引を認可するための要求をマーチャント・システムから受け取るための手段と、
前記要求に応答するための手段と、
を備える認証装置。
【請求項32】
消費者のアカウント上でマーチャント・システムと電子商取引を行なう電気通信デバイスを認可するデータベースに前記電気通信デバイスを追加するレジストリ・サーバへの要求を生成するための手段であって、前記要求は前記消費者の認証装置を識別する情報を含む手段と、
前記要求を前記レジストリ・サーバへ送るための手段と、
を備える電気通信デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−198908(P2012−198908A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−108715(P2012−108715)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2009−539445(P2009−539445)の分割
【原出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】