説明

無線IDタグシステム

【課題】複数の無線IDタグが接近すると、所期の無線IDタグの判定が困難であり、また判定精度を高めようとすると手数が嵩む。
【解決手段】近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;ゲート毎に、無線IDタグがゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手段と、第1の読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、第2の読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なう手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ID(Identification)タグシステムに関し、特に、近距離内に存在し
得る複数の無線IDタグの内の所定の無線IDタグからID情報を取得するための無線IDタグシステム,無線IDタグ取得方法および無線IDタグ取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の無線IDタグシステムとして、従来から様々なものが考案されてきており、例
えば、以下のような技術が周知である。その1は、RFID(Radio Frequency Identification)タグを装着した物品や人物を通過させるためのゲートを設け、RFIDリーダー
/ライタ装置から送信する信号の送信電力値を変化させて読取範囲の調整を行なうことに
より、そのゲート内を通過したRFIDタグだけを読み、ゲート外のRFIDタグは不要
タグとして読まないようにする。
【0003】
その2は、RFIDリーダー/ライタ装置とRFIDタグとの間で信号を送受信するためのアンテナの取り付け角度を設置場所毎に調整して指向性を変化させ、読取範囲の調整を行なう。
【0004】
その3は、アンテナを金属製の筐体の中に収容し、電波吸収体や電波反射板を使って読
取範囲の調整を行なうというものである(以上、いずれも文献公知発明に係るものではな
い)。
【0005】
また、文献上では、RFIDタグに対して読出信号を送信し、RFIDタグから受信し
た応答信号の電力値と基準電力値との比較により、RFIDタグが所定の領域に存在する
RFIDタグを判定し、RFIDタグが所定の領域に存在すると判定した場合、ID情報
を取得するというRFIDリーダー装置およびRFIDシステムが知られている(例えば
、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−323423(第2頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術1では、送信電力値を変化させて読取範囲の調整を行なうため
ゲート内の電波も弱くなるので、本来必要なゲート内の読取率が悪化する。更に、電波法
により送信電力値の低減幅は定められているが、ドックドアのようにゲートが複数併設さ
れる場所ではゲート間の距離が短いため、送信電力値の調整ができない。
【0008】
また、従来技術2では、設置場所毎にアンテナ角度を調整するため、多大な調整時間を
要する。更に、不要タグの読取範囲になるよう調整すると、最適なアンテナ角度からずれ
るため読取率が悪くなる。
【0009】
また、従来技術3では、電波吸収体や電波反射板を用いるため、装置が大きくなり広い
設置スペースが必要になる。
【0010】
また、特許文献1記載の技術では、RFIDタグから受信した応答信号の電力値と基準
電力値との比較により、所定の領域に存在するRFIDタグを判定するため、近距離内に
存在する複数の無線IDタグが接近すると、それらの応答信号の電力値の差異が僅少とな
って、そのRFIDタグが所定の領域に存在するか否かの判定が困難になってくるという
第1の問題点がある。
【0011】
更に、基準電力値との比較を応答信号の電力値のみで行っているため、RFIDタグが
所定の領域を移動する場合には、応答信号が反射を伴って変動の激しい波形となり、その
電力値が基準電力値を一時的にも超過すると、そのRFIDタグを所定の領域に存在する
ものと誤認してしまうという第2の問題点がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記全ての問題点を解消し、受信した不要タグのID情報を
フィルタリングすることにより、所期の無線IDタグのみからID情報を取得することが
できる無線IDタグシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の無線IDタグシステムは、通信エリア内に存在する無線IDタグからID情報
を取得する無線IDタグシステムにおいて、通信エリアに向けて読取信号を送信する手段
と、該読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号によりID情報を取得する手
段と、該ID情報から不要な無線IDタグのID情報を除外するフィルタリングを行なう
ことにより所期のID情報を得る手段を有する。
【0014】
また、本発明の無線IDタグシステムは、近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;前記ゲート毎に、無線IDタグがゲート内に入ると読取信号を放射する手段と、該読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、応答信号の受信信号強度を取得する手段を備え;また、受信信号強度値の時系列的変化により不要な無線タグを判定する手段と、受信した全ての無線IDタグのID情報から不要な無線タグのID情報を削除するフィルタリングを行なう手段を有する。
【0015】
本発明の第1の無線IDタグシステムは、近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;前記ゲート毎に、無線IDタグがゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手段と、第1の読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、第2の読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を備え;また、第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の無線IDタグシステムは、近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;前記ゲート毎に、無線IDタグがゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、該第1の読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、応答信号の受信信号強度を取得する手段と、無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手段と、第2の読取信号に対する全ての無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を備え;また、受信信号強度の所定値以上のピークが所定時間内で1つである無線IDタグ以外の無線IDタグを不要と判定する手段と、受信した全ての無線IDタグのID情報から不要な無線タグのID情報を削除する第1のフィルタリングを行なう手段と、第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引く第2のフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする。
【0017】
なお、判定される不要な無線タグは、受信信号強度値の時系列的変化が、基準信号強度
値に満たない低い山形の様相を示すものと、殆どないものと、激しいものであることを特
徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、不要な無線タグのID情報の受信は避け得ないものとして受信し、全
ての受信ID情報からそのような不要タグのID情報をフィルタリングする構成としたた
め、不要な無線タグの受信を回避しようとすると嵩んでくる多大な資源を費やすことなく
、所期の無線タグのみからID情報を取得できるようになるという第1の効果が得られる

【0019】
また、上記の構成を採用した結果、近距離内に存在する複数の無線IDタグが接近して
、それらの応答信号の電力値の差異が僅少であっても、所期の無線タグのみからID情報
を取得できるようになるという第2の効果も得られる。
【0020】
更に、上記の構成を採用した結果、停止したり、引き返したり、不規則な動きをしたり
、といった様々な挙動を示す不要な無線タグであっても排除できるという第3の効果も得
られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用される典型的な一シーンを示す図
【図2】本発明の無線IDタグシステムの基本的な機器構成例を示す図
【図3】本発明の無線IDタグシステムの基本的なブロック図
【図4】本発明の無線IDタグシステムのより現実的な機器構成例を示す図
【図5】本発明の無線IDタグシステムのより現実的なブロック図
【図6】本発明におけるフィルタリング処理1のフローチャート
【図7】本発明における全データ記憶部に記憶されるデータの構造を示す図
【図8】本発明におけるテーブル展開を示す図
【図9】本発明におけるテーブル展開を登録内容例と共に示す図
【図10】フィルタリング処理1のタイムチャート
【図11】フィルタリング処理1における受信電界強度変化モデルを示す図
【図12】フィルタリング処理1を総括した図
【図13】本発明におけるフィルタリング処理2の原理を説明するための図
【図14】フィルタリング処理2の補足説明図
【図15】本発明におけるフィルタリング処理2のフローチャート
【図16】フィルタリング処理2のタイムチャート
【図17】フィルタリング処理2を総括した図
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の無線IDタグシステムは、通信エリア内に存在する無線IDタグからID情報
を取得する。そのために、通信エリアに向けて読取信号を送信し、該読取信号に対する全
ての無線IDタグからの応答信号によりID情報を取得する。そして、ID情報から不要
な無線IDタグのID情報を除外するフィルタリングを行なうことにより所期のID情報
を得ることを特徴とする。以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明す
る。
【0023】
図1は本発明が適用される典型的な一シーンを示す。無線IDタグ(以下、無線タグと
記す)が貼付された物品がトレーラに積載され、ゲートを通過することで無線タグからID情報が読み取られる。読み取られたID情報は、物品の入出庫管理等に提供される。図
1では、図面の煩雑化を回避するため、ゲートAとゲートBのみが示されているが、実際
は、通常、より多くのゲートが設けられる。
【0024】
各ゲートは、同じ構成であって、トレーラのゲートへの進入とゲートからの退出を検知
するためのセンサと、通過中であることを表示する表示灯と、無線タグのID情報を読み
取るために読取信号を電波で放射し、また当該ゲートを通過する無線タグからの応答信号
を受信するアンテナを備えている。アンテナは、読取率を向上させるためには複数個(図
1では4個)を設けることが望ましい。
【0025】
ゲートAのアンテナから放射された読取信号はゲートAを通過する無線タグからID情
報を読み取り、ゲートBのアンテナから放射された読取信号はゲートBを通過する無線タ
グからID情報を読み取るべきことが予定されている。しかし、アンテナから放射された
電波は、ある程度の電界強度を持つ必要があり、ゲート間の間隔が短いときは、図中の点
線で示すように、近隣のゲートエリアに及ぶことがあり得る。このとき、ゲートBのエリ
アに無線タグが存在すると、例えば、ゲートAのアンテナから放射された読取信号に対し
て、ゲートBのエリアにいる無線タグの応答信号をゲートAのアンテナで受信することが
ある。
【0026】
また、各ゲートのアンテナから放射された読取信号は、ゲートを通過する無線タグのID情報を読み取るべきことが予定されている。しかし、アンテナから放射された電波は、
図中の点線で示すように、当該ゲートエリア内でも脹らみを持つ。このため、ゲート通過
待機中であったり、途中で引き返したりして、未だゲートを通過せずゲート周辺を静止し
たり移動したりしている無線タグのID情報を読み取ってしまうこともあり得る。
【0027】
本発明は、以上のような不要タグからのID情報の読取は避け難いものとして受け入れ
た後で、フィルタリングして不要タグからのID情報を削除することにより所期のID情
報のみを得ることができるようにするものである。
【0028】
図2は本発明の無線IDタグシステムの基本的な機器構成例を示す。この無線IDタグ
システムは、1つのゲートに対するものであってリーダライタ制御装置10を中核として
、ヒューマンインターフェースをとるための情報端末20と、RFIDリーダ/ライタ(以下
、リーダライタと記す)31と、アンテナ32と、センサ33とで構成されている。
【0029】
リーダライタ制御装置10は、センサ33からトレーラ等の進入検知信号を受けると、
リーダライタ31を起動する。リーダライタ31は、リーダライタ制御装置10による制
御の下、アンテナ32から読取信号を放射させ、またアンテナ32が無線タグから受信し
たID情報をリーダライタ制御装置10へ送る。リーダライタ制御装置10は、このID
情報についてフィルタリングを行なう。
【0030】
図3は図2に示した機器構成に対する機能ブロックを示す。センサ33は1つのみを示
す。図3にはリーダライタ制御装置10の詳細が示されており、メインコントローラ11,情報端末インターフェース部12,リーダライタ制御部13,センサ制御部14,フィ
ルタリング処理部15,リーダライタインターフェース部16,センサインターフェース
部17,全データ記憶部18,個別データ記憶部19および基準信号強度記憶部1Aで構
成されている。
【0031】
メインコントローラ11はリーダライタ制御装置10の全体的な制御を行い、情報端末
インターフェース部12は情報端末20、リーダライタインターフェース部16はリーダ
ライタ311、センサインターフェース部17はセンサ33それぞれとの間のインターフ
ェースをとる。
【0032】
センサ制御部14は、センサインターフェース部17を介してセンサ33から監視信号
を受けて、リーダライタ制御部13をイネーブル化し(センサオン時)、またフィルタリ
ング処理部15をデゼーブル化する(センサオフ時)。リーダライタ制御部13は、リー
ダライタインターフェース部16を介して、読取指令によりリーダライタ31にアンテナ
32から読取信号を放射させ、また書込指令によりリーダライタ31にアンテナ32が無
線タグから受信したID情報等の全受信データ(後に詳細を示す)を全データ記憶部18
へ書き込ませる。
【0033】
フィルタリング処理部15は、リーダライタ制御装置10の中核部分であって、全デー
タ記憶部18に書き込まれたデータから、リーダライタテーブル,アンテナテーブルおよ
びIDテーブルを生成して、個別データ記憶部19に書き込む。
【0034】
ここで、リーダライタテーブルとは、全受信データの内、リーダライタ番号毎にソーテ
ィングしたものである。また、アンテナテーブルとは、全受信データの内、リーダライタ
番号毎にソーティングし、更にアンテナ毎にソーティングしたものである。また、IDテ
ーブルとは、全受信データの内、リーダライタ番号毎にソーティングし、更にアンテナ毎
にソーティングし、更にID番号毎にソーティングしたものである。そして、これらのテ
ーブルを使用して不要タグからのID情報をフィルタリングする。基準信号強度記憶部1Aには、フィルタリング処理において必要な基準値を記憶している。
【0035】
上述の各テーブルは、機器構成を図4、機能ブロック図5に示す、無線IDタグシステ
ムのより現実的な構成例を参照することにより理解できよう。この無線IDタグシステム
は、2つのゲートに対するものであって、ゲート毎に、リーダライタ31,41を備え、
読取率を向上させるため、各リーダライタには図4では2つ、図5では4つのアンテナが
接続されている。リーダライタテーブルはリーダライタ31,41毎に生成される。また
、アンテナテーブルは、リーダライタ31の各アンテナ32、リーダライタ41の各アン
テナ42毎に生成される。そして、IDテーブルは、アンテナテーブルそれぞれについて
、そこに含まれているID番号毎に生成される。なお、リーダライタ制御装置10は、図
2および図3におけるものと異なるところがない。
[実施例1]
この実施例のフィルタリング処理1は、ゲート通過待機中であったり、途中で引き返し
たりして、未だゲートを通過せず、ゲート周辺で静止したり移動したりしている無線タグ
からの応答信号をも読み取ることを想定し、そのような不要な無線タグのID情報を削除
するものである。そのため、読み取った無線タグの受信信号強度を受信時刻と共に採取し
て受信信号強度値の時系列的な変化を計算し、その変化の様相から所期の無線タグ(被対
象無線タグ)と不要な無線タグを識別する。
【0036】
図6はフィルタリング処理1のフローチャートを示す。以下、図5に示した構成を例に
とって説明する。先ず、センサ制御部14がセンサ33あるいはセンサ43の一方、また
は両方からトレーラ等の進入検知信号を受けると(図6のS1)、メインコントローラ11の命令を受けて、リードライタ制御部13は読取指令を当該リーダライタへ下す。その
リーダライタは、当該アンテナから読取信号を送信させる(図6のS2)。
【0037】
これに対して、当該ゲートの無線タグから応答信号が当該アンテナで受信され、ID情
報が得られると(図6のS3)、当該リーダライタは、当該アンテナからID情報,受信
信号強度および受信アンテナ番号を取得する(図6のS4)。そして、これらのデータに
受信時刻およびリーダライタ番号を付加した全受信データ(図7に示す)を全データ記憶
部18に順次に書き込む(図6のS5)。なお、S2〜S4では、2つのゲートの各アン
テナ、各リーダライタが同時に機能する。
【0038】
フィルタリング処理部15は、全データ記憶部18に書き込まれている上記データにつ
いて、図8に示すように、リーダライタ毎、アンテナ毎およびID情報毎にソーティング
して上記個別データテーブル(リーダライタテーブル,アンテナテーブル,IDテーブル
)を生成し個別データ記憶部19へ書き込む(図6のS6)。リーダライタテーブルとは
、全受信データをリーダライタ番号単位に、アンテナテーブルとは、全受信データをリー
ダライタ番号単位かつアンテナ番号単位に、IDテーブルとは、全受信データをリーダラ
イタ番号単位かつアンテナ番号単位かつID単位に、受信時刻,ID情報および受信信号
強度をテーブル化したものである。
【0039】
図8には、ゲートAの2つのアンテナとゲートBの2つのアンテナが、共に同じくID1とID2を読み込んだ場合のテーブル展開を例示している。しかし、ゲートAの2つの
アンテナがID1とID2、ゲートBの2つのアンテナがID3とID4というように異
なったID情報を読み込む場合もあるし、一方のゲートに侵入する無線タグが無く、その
アンテナからは応答信号が無い場合も当然あり得る。
【0040】
また、図9は、全受信データを網羅した全データテーブルから、図8のリーダライタA
アンテナA1ID1テーブルに到るテーブル展開を登録内容例と共に示している。図示の
範囲において、リーダライタAテーブルは全データテーブルの内のリーダライタAに係わ
るデータのみ、リーダライタAアンテナA1はリーダライタAテーブルの内のアンテナA1に係わるデータのみ、リーダライタAアンテナA1ID1テーブルはリーダライタAア
ンテナA1テーブルの内のID1に係わるデータのみを注したものであることが分かる。
【0041】
次に、フィルタリング処理部15は、個別データ記憶部19から、リーダライタテーブ
ルとアンテナテーブルとIDテーブルから特定されるID毎に受信信号強度値の時系列的
な変化を計算する(図6のS7)。この計算では、受信間隔刻みに受信信号強度値の変化
を順次に算出して傾斜を求めていく。以上のS2〜S7をセンサ制御部14がセンサ33
または/およびセンサ43からトレーラ等の退出検知信号を受けるまで繰り返し行なう(
図6のS8)。
【0042】
退出検知信号を受けると、フィルタリング処理部15は、最後にIDテーブルを使用し
て不要タグを削除して(図6のS9)、フィルタリング処理1を終了する。
【0043】
図10はS1〜S9におけるイベントの流れを時系列的に示す。図10においては、セ
ンサオン(図6のS1)からセンサオフ(図6のS8)までの間、データ取得(図6のS2〜S4),取得データ記憶(図6のS5),個別データ抽出(図6のS6)および計算
(図6のS7)を繰返し、最後に不要タグ削除(図6のS9)というイベントが示されて
いる。
【0044】
次に、不要タグ削除(図6のS9)の一例について図11を参照しながら説明する。図
11は、上記の計算の結果をID毎にプロットして得られた受信電界強度値の変化を示し
たグラフである。フィルタリング処理部15は、センサオン時(図11の(T0−a))
からセンサオフ時(図11の(T0+a))間での期間にピークを見つけ、ピークの数と
ピークの受信信号強度Eを基に不要タグか正常にゲートを通過したタグ化の判定を行なう

【0045】
更に、フィルタリング処理部15の動作を詳細に説明すると以下のとおりとなる。図11に示したタイミングT1とタイミングT2の時間(T2−T1=Δt)の受信信号強度
Eの変位(E2−E1=Δe)を基に傾きk=Δe/Δtを求める。この傾きkをタイミ
ング(T0−a)からタイミング(T0+a)まで時間Δtづつ計算し、傾きkが正から
負に変化したときにピーク値1個としてカウントする。このようにして、ピークの数をカ
ウントし、ピークが1個のID(図11の(A),(B))を正常にゲート内を通過した
無線タグの候補とする。
【0046】
次に、ピークが1個であるIDのピーク時の受信信号強度Eをピーク値とすると、この
ピーク値が基準値より低い場合(図11の(B))、無線タグは正常にゲートを通過して
いないと判定する。また、ピークが複数個カウントされる場合(図11の(D))は、無
線タグがゲートの周りを不規則に移動し、ピークがカウントされない場合(図11の(C))は、無線タグが静止しており不要タグと判定する。
【0047】
なお、以上の説明では、ピークの個数をカウントした後、ピーク値と基準値を比較して
いるが、先に受信信号強度Eと基準値との比較を行って不要タグの判定を行なってからピ
ークの個数をカウントしてもよい。
【0048】
以上、傾きkを計算することによってピークの個数を求める手段について説明したが、
ピークの個数を求める手段はこのような手段に限定されない。
【0049】
また、図11の基準値はファイリング処理部15内の基準信号強度記憶部1Aに予め設
定しておくが、ゲート内の所定の位置に基準タグを設置し、その基準タグが発信する信号
を受信した際の受信信号強度値を基準信号強度記憶部1Aに記憶させてもよい。
【0050】
図12は、以上に説明したフィルタリング処理1を総括した図であり、上記(A)の無
線タグのみを正しい読取タグとして残し、他の(B),(C)および(D)の無線タグは
不要タグとして削除(図6のS9)することを示している。
【0051】
なお、フィルタリング処理部15は、受信電界強度の変化に基づいて、波形A〜Dにつ
いての上記特徴を認識できるような演算を行なうが、この演算は、図11に示したように
、タイミング(T0−a)からタイミング(T0+a)の間まで続行することなく、上記
特徴を認識できた時点で打ち切るようにしてもよい。
[実施例2]
この実施例のフィルタリング処理2は、アンテナから放射された読取信号が近隣のゲー
トエリアに及ぶことにより、近隣のゲートエリアに存在する無線タグからの応答信号をも
受信することを想定し、当該アンテナで受信したID情報から、そのような不要な無線タ
グのID情報を差し引くものである。そのため、近隣のゲートエリアに当該ゲートエリア
に背を向けた不要タグ読取アンテナを設け、当該アンテナで読み取ったID情報から不要
タグ読取アンテナで読み取ったID情報を差し引く。
【0052】
図13は、フィルタリング処理2の原理を説明するために、2つのゲートアンテナANT1-1,ANT1-2を備えたゲートAと、2つのゲートアンテナANT2-1,アンテナANT2-2を備えたゲ
ートBを示している。ゲートアンテナとは、これまで説明してきたアンテナと同義である
が、不要タグ読取アンテナと区別するために命名したまでである。ここでは、ゲートAに
注目してフィルタリング処理2を説明するため、ゲートAとゲートBの間にゲートAのた
めの不要タグ読取アンテナANT1-3がゲートAに背を向けて設けられている。
【0053】
ゲートアンテナANT1-1、ANT1-2は、図示するように、それぞれ右方向、左方向へ送信信
号を放射し、同様に、ゲートアンテナANT2-1、ANT2-2は、図示を省略するが、それぞれ右
方向、左方向へ送信信号を放射する。更に、不要タグ読取アンテナANT1-3からもゲートB
に向けて右方向へ送信信号を放射する。不要タグ読取アンテナANT1-3はゲートBから右方
向を指向し、ゲートA内の無線タグと通信することはない。
【0054】
ゲートアンテナANT1-1から放射された送信信号はゲートBのエリアにまで及び、ゲート
Aを通過する無線タグaの他に、ゲートBのエリアに存在する無線タグbからもID情報
を読み取ることがある。このとき、不要タグ読取アンテナANT1-3は無線タグbからID情
報を読み取る。図14は、この様子を端的に示す。そこで、ゲートアンテナANT1-1が読み
取った無線タグaのID情報および無線タグbのID情報から、不要タグ読取アンテナANT1-3が読み取った無線タグbのID情報を差し引くことにより、ゲートアンテナANT1-1は
無線タグaのID情報のみを結果として正しく読み取る。
【0055】
フィルタリング処理2を行なうための構成は、基本的には、図1〜図5に示した構成と
同様でよいが、不要タグ読取アンテナを追加する必要がある。そのような構成の変更方法
は図13から明らかであろう。また、図1,図4および図5にも示したように、読取率を
向上させるためにゲート当たり複数のゲートアンテナが存在する多くの場合、それらの重
複するゲートアンテナの1つ、例えば、図13のゲートアンテナANT2-1を不要タグ読取ア
ンテナに転用することも可能である。その場合、不要タグ読取アンテナANT1-3は「不要」
となる。
【0056】
また、フィルタリング処理2において、リーダライタ31,41からリーダライタ制御
装置10へ流れるデータは、図7に示したフィルタリング処理1の場合のデータの内、ID情報,受信時刻,受信アンテナ番号およびリーダライタ番号で足り、そのようなデータ
が全データ記憶部18に書き込まれる。
【0057】
図15は、フィルタリング処理2のフローチャートを示す。先ず、センサ制御部14が
センサ33あるいはセンサ43の一方、または両方からトレーラ等の進入検知信号を受け
ると(図15のT1)、リーダライタ制御部13は読取指令を当該リーダライタへ下す。
そのリーダライタは、当該アンテナから読取信号を送信させる(図15のT2)。
【0058】
これに対して、当該ゲートの無線タグから応答信号が当該アンテナで受信され、ID情
報が得られると(図15のT3)、当該リーダライタは、当該アンテナからID情報およ
び受信アンテナ番号を取得する(図15のT4)。そして、これらのデータにリーダライ
タ番号を付加したデータを全データ記憶部18に順次に書き込む(図15のT5)。なお
、T2〜T4では、2つのゲートの各アンテナ、各リーダライタが同時に機能する。
【0059】
以上のデータ取得(図15のT2〜T4),取得データ記憶(図15のT5)をセンサ
制御部14がセンサ33または/およびセンサ43からトレーラ等の退出検知信号を受け
るまで繰返し行なう(図15のT6)。
【0060】
退出検知信号を受けると、フィルタリング処理部15は、全データ記憶部18に書き込
まれている上記データについて、リーダライタ毎およびアンテナ毎にソーティングして個
別データテーブル(リーダライタテーブル,アンテナテーブル)を生成し個別データ記憶
部19へ書き込む(図15のT7)。リーダライタテーブルはリーダライタ単位、アンテ
ナテーブルはリーダライタ単位、かつアンテナ単位にID情報をテーブル化したものであ
る。
【0061】
最後に、フィルタリング処理部15は、リーダライタテーブルとアンテナテーブルで特
定されるゲートアンテナの中のID情報から、そのゲートアンテナ対応の不要タグ読取ア
ンテナのID情報を差し引く(図15のT8)。当該ゲートアンテナにとって、どのアン
テナが不要タグ読取アンテナであるかは、フィルタリング処理部15で認識できるよう予
め設定してある。
【0062】
図16は、フィルタリング処理2におけるイベントの流れを時系列的に示す。図16に
おいては、センサオン(図15のT1)からセンサオフ(図15のT6)までの間、デー
タ取得(図15のT2〜T4)および全データ記憶(図15のT5)を繰り返し、最後に
テーブル抽出(図15のT7)および不要タグ削除(図15のT8)というイベントが示
されている。図10に示したイベントの流れの内で個別データ抽出と計算は不要である。
【0063】
図17は、フィルタリング処理2を取り纏めたものであり、例えば、ゲートAに注目し
た場合は、ゲートAの読取タグから、ゲートAに背を向けたゲートBのアンテナ、もしく
は不要タグ読取アンテナでの読取タグを差し引くことを示している。
[実施例3]
この実施例のフィルタリング処理3は、フィルタリング処理1とフィルタリング処理2
を共に実行して、両フィルタリング処理の特徴を同時に享受することにより、より高精度
なフィルタリング処理を行うことを意図するものである。
【0064】
この場合、フィルタリング処理1では図9のリーダライタA/アンテナA1/IDテー
ブル、フィルタリング処理2では図9のリーダライタA/アンテナA1テーブルを使用す
る。
【0065】
以上に述べた全てのフィルタリング処理は、リーダライタ制御装置を構成するCPUで
実行されるコンピュータプログラムによって行なうことができる。それらの内容は、これ
まで述べてきた、特に、図6,図10,図12,図15,図16および図17を参照して
の説明部分から読み取ることができよう。
【0066】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0067】
(付記1)近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手段と、前記第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を備え;また、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする無線IDタグシステム。
【0068】
(付記2)近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、該第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、前記応答信号の受信信号強度を取得する手段と、前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手段と、前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を備え;また、前記受信信号強度の所定値以上のピークが所定時間内で1つである無線IDタグ以外の無線IDタグを不要と判定する手段と、前記受信した全ての前記無線IDタグのID情報から前記不要な無線タグのID情報を削除する第1のフィルタリングを行なう手段と、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引く第2のフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする無線IDタグシステム。
【0069】
(付記3)前記判定される不要な無線タグは、前記受信信号強度値の時系列的変化が、
基準値に満たない低い山形の様相を示すものと、殆どないものと、激しいものであることを特徴とする付記2記載の無線IDタグシステム。
【0070】
(付記4)近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおけるコンピュータが;前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手順と、前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手順と、前記第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手順と、前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手順を有し;また、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なう手順を有することを特徴とする無線ID取得方法。
【0071】
(付記5)近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおけるコンピュータが;前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手順と、該第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手順と、前記応答信号の受信信号強度を取得する手順と、前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手順と、前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手順を有し;また、前記受信信号強度の所定値以上のピークが所定時間内で1つである無線IDタグ以外の無線IDタグを不要と判定する手順と、前記受信した全ての前記無線IDタグのID情報から前記不要な無線タグのID情報を削除する第1のフィルタリングを行なう手順と、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引く第2のフィルタリングを行なう手順を有することを特徴とする無線ID取得方法。
【0072】
(付記6)前記判定される不要な無線タグは、前記受信信号強度値の時系列的変化が、基準値に満たない低い山形の様相を示すものと、殆どないものと、激しいものであることを特徴とする付記5記載の無線ID取得方法。
【0073】
(付記7)
近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムのCPUで実行され;前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射するステップと、前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射するステップと、前記第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップと、前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップを備え;また、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なうステップを有することを特徴とするプログラム。
【0074】
(付記8)近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムのCPUで実行され;前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射するステップと、該第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップと、前記応答信号の受信信号強度を取得するステップと、前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射するステップと、前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップを有し;また、前記受信信号強度の所定値以上のピークが所定時間内で1つである無線IDタグ以外の無線IDタグを不要と判定するステップと、前記受信した全ての前記無線IDタグのID情報から前記不要な無線タグのID情報を削除する第1のフィルタリングを行なうステップと、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引く第2のフィルタリングを行なうステップを有することを特徴とするプログラム。
【0075】
(付記9)前記判定される不要な無線タグは、前記受信信号強度値の時系列的変化が、
基準値に満たない低い山形の様相を示すものと、殆どないものと、激しいものであることを特徴とする付記8記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は物品の入出庫管理、人の入室退室管理、車両の入退管理等に利用できる。
【符号の説明】
【0077】
10 リーダライタ制御装置
11 メインコントローラ
12 情報端末インターフェース部
13 リーダライタ制御部
14 センサ制御部
15 フィルタリング処理部
16 リーダライタインターフェース部
17 センサインターフェース部
18 全データ記憶部
19 個別データ記憶部
1A 基準信号強度値記憶部
20 情報端末
30 ゲートA構成機器
31 リーダライタ
32 アンテナ
33 センサ
34 無線タグ
40 ゲートB構成機器
41 リーダライタ
42 アンテナ
43 センサ
44 無線タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;
前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、
前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手段と、
前記第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、
前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を備え;
また、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする無線IDタグシステム。
【請求項2】
近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムにおいて;
前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、
該第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、
前記応答信号の受信信号強度を取得する手段と、
前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射する手段と、
前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を備え;
また、前記受信信号強度の時系列的変化により不要な無線IDタグを判定する手段と、
前記受信した全ての前記無線IDタグのID情報から前記不要な無線タグのID情報を削除する第1のフィルタリングを行なう手段と、
前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引く第2のフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする無線IDタグシステム。
【請求項3】
前記不要な無線IDタグは、前記受信信号強度値の時系列的変化が、
基準値に満たない低い山形の様相を示すものと、
殆どないものと、
激しいものであることを特徴とする請求項2記載の無線IDタグシステム。
【請求項4】
近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグリーダライタ制御装置において
前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると前記ゲート毎に設置されている第1の無線IDタグリーダライタに対して第1の読取信号の放射を支持する手段と、
前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて読取信号を放射するように設置されている第2の無線IDタグリーダライタに対して前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号の放射を指示する手段と、
前記第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段と、
前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を有し;
また、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする無線IDタグリーダライタ制御装置
【請求項5】
近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグリーダライタ制御装置において
前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射する手段と、
該第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手順と、
前記応答信号の受信信号強度を取得する手段と、
前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて読取信号を放射するように設置されている第2の無線IDタグリーダライタに対して前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号の放射を指示する手段と、
前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得する手段を有し;
また、前記受信信号強度の時系列的変化により不要な無線IDタグを判定する手段と、
受信した全ての前記無線IDタグのID情報から前記不要な無線タグのID情報を
削除する第1のフィルタリングを行なう手段と、
前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引く第2のフィルタリングを行なう手段を有することを特徴とする無線IDタグリーダライタ制御装置
【請求項6】
前記不要な無線IDタグは、前記受信信号強度値の時系列的変化が、
基準値に満たない低い山形の様相を示すものと、
殆どないものと、
激しいものであることを特徴とする請求項5記載の無線IDタグリーダライタ制御装置
【請求項7】
近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムのCPUで実行され;
前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射するステップと、
前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射するステップと、
前記第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップと、
前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップを備え;
また、前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引くフィルタリングを行なうステップを有することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
近接した複数のゲートを通過する無線IDタグからID情報を取得する無線IDタグシステムのCPUで実行され;
前記ゲート毎に、前記無線IDタグが前記ゲート内に入ると第1の読取信号を放射するステップと、
該第1の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップと、
前記応答信号の受信信号強度を取得するステップと、
前記無線IDタグが通過するゲートの外側に向けて前記第1の読取信号と同時かつ同方向に第2の読取信号を放射するステップと、
前記第2の読取信号に対する全ての前記無線IDタグからの応答信号を受信してID情報を取得するステップを有し;
また、前記受信信号強度の時系列的変化により不要な無線IDタグを判定するステップと、
前記受信した全ての前記無線IDタグのID情報から前記不要な無線タグのID情報を削除する第1のフィルタリングを行なうステップと、
前記第1の読取信号に対する応答信号によるID情報から前記第2の読取信号に対する応答信号によるID情報を差し引く第2のフィルタリングを行なうステップを有することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記不要な無線IDタグは、前記受信信号強度値の時系列的変化が、
基準値に満たない低い山形の様相を示すものと、
殆どないものと、
激しいものであることを特徴とする請求項8記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−133802(P2012−133802A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40081(P2012−40081)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【分割の表示】特願2008−126511(P2008−126511)の分割
【原出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】