説明

無菌カテーテル環境を維持するための装置および方法

無菌カテーテル環境を維持するための装置および方法。本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、装置は、第一と第二のハウジングが少なくとも一つのカプラーで互いに連結されており、閉鎖配置にある時に互いに係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングおよび第二のハウジング、および第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの中に画定された少なくとも一つの開口部および/またはノッチを含み、前述の開口部および/またはノッチはそこを通してカテーテルの少なくとも一部を配置できるような寸法と形状になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮出願第61/239,629号(2009年9月3日出願)に関連し、これに対して優先権を主張し、その全開示が参照により本書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
透析に使用されるものを含めて不衛生な身体カテーテルから生じる感染は、費用がかさむ上に痛みを伴う。現在、患者または技師が、透析または別の処置のために埋め込み型身体カテーテルを準備する時、透析または他の機器に接続する前にカテーテルの外部表面を清浄する必要がある。清浄が不適切または非効果的な場合は「汚れた」接続につながることがあり、これはしばしば費用がかさみ、痛みを伴う生死に関わる感染を生じさせる。年間500万以上の中心カテーテルが配置され、250,000件の血流感染を引き起こしている。導尿カテーテルの場合、このようなカテーテルは年間500,000件の尿路感染を引き起こす。
【0003】
さまざまな身体カテーテルに関連した細菌または他の感染を減少させるのに有用な装置および方法は、この問題を解決し、市場で歓迎されるであろう。
【発明の概要】
【0004】
本出願の開示は、中心カテーテルや末梢挿入中心カテーテル (PICCまたはPICCライン) など透析に使用されるものを含む、さまざまな身体カテーテルに関連する細菌または他の感染の低減および/または防止に対応している。このような身体カテーテルは、血液透析、腹膜透析、腸管透析、血液透析、および肝透析などの他のタイプの透析を含むがこれに限定されないさまざまなタイプの透析処置に加えて、注射および/または、体内のさまざまな領域から過剰な流体を除去するのに有用なものを含む吸引処置に使用される場合がある。例えば本開示の装置は、透析を行っていない時または透析を行っている時に、患者が無菌身体カテーテル環境を維持するために使用することができ、このような装置は透析の前、最中、後に身体カテーテルの外側部分、透析装置の血液ラインコネクタやキャップなどを「清浄する」。このような装置はまた、シャワーを浴びることなどの一般的なタスクを行なうためのより大きな自由度を患者に提供しつつ、このようなタスクによる感染リスクを低減し得る。またこのような装置は比較的薄く軽量で、使用時の快適性を提供し得る。さまざまな実施形態では、このような装置は、患者の体と接触した時にさらに快適なように丸みを帯びた部分を持つことがある。
【0005】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の典型的実施形態では、装置は、第一と第二のハウジングが少なくとも一つのカプラーで互いに連結されており、閉鎖配置にある時に互いに係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングおよび第二のハウジング、および第一のハウジングおよび/または第二のハウジング内に画定された少なくとも一つの開口部および/またはノッチを含み、前述の開口部はそこを通してカテーテルを配置できるような寸法と形状になっている。
【0006】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、装置は、第一と第二のハウジングが少なくとも一つのカプラーで互いに連結されており、閉鎖配置にある時に互いに係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングおよび第二のハウジング、および第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの中に画定された少なくとも一つの開口部および/またはノッチを含み、前述の開口部および/またはノッチはそこを通してカテーテルの少なくとも一部を配置できるような寸法と形状になっている。別の実施形態では、少なくとも一つのカプラーは、第一のハウジングと第二のハウジングが互いの周りでヒンジで動くように、第一のハウジングと第二のハウジングに連結されたヒンジを含む。また別の実施形態では、少なくとも一つのカプラーは少なくとも一つのクリップを含み、この少なくとも一つのクリップは第一のハウジングを第二のハウジングに可逆的に固定する働きをする。
【0007】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つは、第一のハウジングおよび/または第二のハウジングの周辺の少なくとも一部の周りに配置されたハウジングガスケットを含む。さらなる実施形態では、第一のハウジングはハウジングガスケットを含み、第二のハウジングは第二のハウジングの周辺の少なくとも一部の周りに配置された溝を含み、この溝は前述のハウジングガスケットを受け入れるように構成されている。さらに別の実施形態では、ハウジングガスケットは、第一のハウジングと第二のハウジングが閉鎖配置で互いに係合する時に流体密封シールを提供する。別の実施形態では、装置は、少なくとも一つの開口部またはその近くに配置された少なくとも一つの開口部ガスケットおよび/またはノッチをさらに含み、ここで少なくとも一つの開口部ガスケットは、カテーテルが前述の開口部および/またはノッチ内に配置された時に流体密封シールを提供する。
【0008】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、装置は、装置の内部空間内に配置された一つ以上の可飽和材料をさらに含む。さらなる実施形態では、一つ以上の可飽和材料はスポンジ、織物および/またはガーゼから成る群から選択される。
【0009】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、装置は消毒液を含む流体嚢をさらに含み、流体嚢は第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの上に配置される。別の実施形態では、流体嚢は、前述の装置内に配置された破裂器で破裂させることができる。さまざまな実施形態では、破裂器は、ピン、針、第一のハウジングの一部、および第二のハウジングの一部から成る群から選択される。さらなる実施形態では、流体嚢が破裂すると、流体嚢は装置の内部空間内に流体を放出し、装置の内部空間内に無菌環境を作り出す。さらに別の実施形態では、流体嚢は装置を閉じることによって破裂させることができ、ここで第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つからの圧力で流体嚢が破裂する。別の実施形態では、流体嚢が破裂すると、流体嚢は装置の内部空間内に流体を放出し、装置の内部空間内に無菌環境を作り出す。
【0010】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、少なくとも一つの開口部および/またはノッチは少なくとも二つの開口部および/またはノッチを含む。追加的実施形態では、少なくとも一つの開口部および/またはノッチは少なくとも四つの開口部および/またはノッチを含み、ここで少なくとも四つの開口部および/またはノッチのうち少なくとも二つは、少なくとも四つの開口部および/またはノッチの他の少なくとも二つとは相対的に反対側に配置される。別の追加的実施形態では、装置はそれに連結されたストラップをさらに含み、ストラップは患者の体の一部の周りに配置されるように構成されている。別の実施形態では、ストラップは、患者がストラップを調整できるようにするストラップ調整器をさらに含む。
【0011】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、装置は、第一と第二のハウジングが少なくとも一つのカプラーで互いに連結されており、閉鎖配置にある時に互いに係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングおよび第二のハウジング、第一のハウジングを第二のハウジングに可逆的に固定する働きをする第一のハウジングまたは第二のハウジングに連結されている少なくとも一つのクリップ、装置の内部空間内に配置された一つ以上の可飽和材料、第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの上に配置された消毒液を含む流体嚢、および第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの中に画定された少なくとも一つの開口部および/またはノッチを含み、前述の開口部および/またはノッチはそこを通してカテーテルの少なくとも一部を配置できるような寸法と形状になっている。
【0012】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、装置は、第一と第二のハウジングが少なくとも一つのカプラーで互いに連結されており、閉鎖配置にある時に互いに係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングおよび第二のハウジング、第一のハウジングを第二のハウジングに可逆的に固定する働きをする第一のハウジングまたは第二のハウジングに連結されている少なくとも一つのクリップ、装置の内部空間内に配置された一つ以上の可飽和材料、第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの上に配置された消毒流体を含む流体嚢、および第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの中に画定された少なくとも四つの開口部および/またはノッチを含み、ここで少なくとも四つの開口部および/またはノッチの少なくとも二つはそこを通してカテーテルの少なくとも一部を配置できるような寸法と形状になっている。
【0013】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の使用方法の少なくとも一つの典型的実施形態では、方法は、無菌カテーテル環境を維持するための装置の開口部および/またはノッチ内に身体カテーテルの遠位端を配置するステップ、前述の装置を閉めるステップ、前述の装置を起動して消毒流体を前述の装置内に放出するステップを含む。別の実施形態では、前述の装置を起動するステップは、装置に圧力を加えて前述の装置内の消毒流体を放出させることによって実施される。
【0014】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置を使用して透析を進める方法の少なくとも一つの典型的実施形態では、方法は、無菌カテーテル環境を維持するための装置を、そこに少なくとも部分的に配置された一つ以上の身体カテーテルから取り外すステップ、一つ以上の身体カテーテルの遠位端またはその近くに配置されたキャップを取り外すステップ、一つ以上の身体カテーテルを一つ以上の透析装置カテーテルに接続するステップ、一つ以上の身体カテーテル上に配置されたクランプを取り外すステップ、および透析を進めるステップを含む。
【0015】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置を使用して透析を進める方法の少なくとも一つの典型的実施形態では、方法は、身体カテーテルの遠位端またはその近くに配置されたキャップを取り外すステップ、身体カテーテルを透析装置カテーテルに接続するステップ、無菌カテーテル環境を維持するための装置を身体カテーテルの少なくとも一部および透析装置カテーテルの少なくとも一部の周りに配置するステップ、前述の装置を閉じるステップ、前述の装置を起動して消毒流体を前述の装置内に放出するステップ、身体カテーテル上に配置されたクランプを取り外すステップ、および透析を進めるステップを含む。
【0016】
本開示の接着装置の少なくとも一つの典型的実施形態では、装置は、患者の体から延長する身体カテーテルの一部がその中に位置付けられることを可能にする寸法と形状を持つ袋、および前述の袋に連結された接着リングを含み、ここで身体カテーテルが袋の中に配置されたとき、接着リングは患者の体に接着して少なくとも実質的な流体密封および/または気密シールを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1Aは、本開示に従った無菌カテーテル環境を維持するための装置の典型的実施形態の正面図を示す。図1B と1Cは、本開示の実施形態に従った典型的装置の側面図を示す。図1Dは、本開示の実施形態に従った典型的装置の上面図を示す。
【図2】図2Aと2Bは、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための開放装置の図を示す。図2Cと2Dは、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための装置の断面図を示す。図2Eは、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための典型的装置の典型的使用方法のステップを示す。図2Fは、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための開放装置とその中に配置された身体カテーテルの図を示す。図2Gは、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための閉鎖装置とその中に配置された身体カテーテルの図を示す。図2Hは、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための典型的装置を使用した後に、透析を進めるための典型的方法のステップを示す。
【図3】図3Aは、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための装置の典型的実施形態の正面図を示す。図3Bと3Cは、本開示の実施形態に従った典型的装置の側面図を示す。図3Dは、本開示の実施形態に従った典型的装置の上面図を示す。図3Eは、本開示の実施形態に従った典型的装置の下面図を示す。
【図4】図4は、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための開放装置とその中に配置された身体カテーテルと透析装置カテーテルの図を示す。
【図5】図5は、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための典型的装置の典型的使用方法のステップを示す。
【図6】図6は、本開示の実施形態に従った無菌カテーテル環境を維持するための装置とそれに連結されたストラップの典型的実施形態の正面図を示す。
【図7】図7は、本開示の実施形態に従った典型的接着装置を示す。
【図8】図8は、本開示の実施形態に従った典型的接着装置とその中に配置された身体カテーテルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願の開示は、無菌カテーテル環境を維持するためのさまざまな装置と方法を提供する。本開示の原理の理解を深める目的で、図面に描写されている実施形態を参照しながら、その説明に特定の用語を使用する。しかし当然のことながら、これによって本開示の範囲を制限することは意図していない。
【0019】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の典型的実施形態を図1A-1Dに示す。図1Aの正面図に示されるように、装置100の典型的実施形態はヒンジ102と一つ以上のクリップ104を含む。少なくとも一つの実施形態では、図1B-1Dに示されるように、ヒンジ102とクリップ104は互いに対立して装置100に連結され、第一のハウジング106と第二のハウジング108の開放、閉鎖、および互いへの固定を促進する。図1A-1Dに示されるように、装置100は「閉鎖」配置にあり、ここで第一のハウジングと第二のハウジング108は装置100内の容積を画定する。
【0020】
第一のハウジング106、第二のハウジング108、ヒンジ102、およびクリップ104は、本書に記載の典型的装置100に適した当技術分野で知られている任意の数の材料を含むことができ、これにはさまざまなプラスチックおよび/または金属を含むがこれに限定されない。少なくとも一つの実施形態では、第一のハウジング106、第二のハウジング108、ヒンジ102、およびクリップ104はそれぞれポリプロピレンプラスチックを含む。少なくとも一つの実施形態では、本開示の装置100のさまざまな実施形態が十分に作動し、例えば身体カテーテルが装置100内に配置されたときに閉じたままであり、また装置100が「閉鎖」配置にある時に適切なシールを形成するように、前述の材料は十分な剛性を持たなければならない。少なくとも一つの実施形態では、第一のハウジング106、第二のハウジング108、およびヒンジ102は、例えば一つの成形プラスチック片として形成されることにより、本来単一である。
【0021】
図1Bは、本開示の典型的装置100の側面図を示す。図1Bに示されるように、装置100は第一のハウジング106と第二のハウジング108を含み、ここで第一のハウジング106と第二のハウジング108はヒンジ102で互いに連結されている。ヒンジ102は、ヒンジ102が第一のハウジング106と第二のハウジング108が互いに関してヒンジで動くことを可能にするように、柔軟プラスチックヒンジを含むがこれに限定されない当技術分野で知られている任意の数のヒンジ機構を含み得る。
【0022】
図1Cは、本開示の典型的装置100の側面図を示す。図1Cに示されるように、装置100は第一のハウジング106と第二のハウジング108を含み、ここで第一のハウジング106と第二のハウジング108は一つ以上のクリップ104で互いに可逆的に固定され得る。図1Cに示されるように、クリップ104は、第一のハウジング106および第二のハウジング108のどちらかから延長するクリップを含むことがあり、これは第一のハウジング106を第二のハウジング108に可逆的に固定する働きをする。本開示の目的では、ヒンジ102とクリップ104は一般的に「カプラー」と呼ばれる場合がある。このような実施形態では、第一のハウジング106を第二のハウジング108に連結するために、例えばヒンジ102ではなくクリップ104が使用される。
【0023】
本開示の装置100の典型的実施形態の上面図を図1Dに示す。図1Dに示されるように、装置100はそれを通して配置された少なくとも一つの開口部110を画定する。図1Dに示される典型的実施形態では、開口部110は第一のハウジング106によって部分的に画定され、第二のハウジング108によって部分的に画定される。別の実施形態では、開口部110は、第一のハウジング106および/または第二のハウジング108のどちらかの中に完全に画定され得る。さらに図1Aと1Dに示されるように、装置100は、開口部110またはその近くに配置された一つ以上の開口部ガスケット112をさらに含むことがあり、これにより開口部ガスケット112は、例えば以降に記載されるようにカテーテル(非表示)が開口部110を通して配置される時、開口部110の部位の流体密封シールを促進する。
【0024】
本開示の装置100の典型的実施形態の開放図を図2Aに示す。図2Aに示されるように、装置100は、ヒンジ102で第二のハウジング108に連結された第一のハウジング106を含むことがあり、ここで第一のハウジング106に沿って配置されたクリップ104は、装置100が「閉鎖」配置にあるときに第二のハウジング108と係合する働きをし得る。本書に記載のように、代替的実施形態は、図2Aに示される装置100の典型的実施形態に類似しているように見えるが、例えばクリップ104が第一のハウジング106を第二のハウジング108に可逆的に固定するように、ヒンジ102の代わりに追加のクリップ104を含む場合がある。さらに、クリップ104は、第一のハウジング106および/または第二のハウジング108のどちらかまたは両方の上に存在し得る。
【0025】
図2Aに示されるように、装置100は、第一のハウジング106および/または第二のハウジング108の周辺の少なくとも一部分の周りに配置された任意選択のハウジングガスケット200をさらに含み得る。ハウジングガスケット200は、装置100が「閉鎖」配置にあるとき、装置100内に配置された流体が装置100の外側に漏れないように、流体密封または実質的な流体密封シールを促進する。このような流体密封シールは、装置100が「閉鎖」配置にある時に開口部110がノッチ202によって画定されるように、図2Aで第一のハウジング106と第二のハウジング108内に配置されたノッチ202によって確定されるものとして示されるように、開口部110内にカテーテルが配置されていることによって生じる流体密封と関連して存在することがある。典型的実施形態では、開口部ガスケット112(図1Dに示す)は、例えばカテーテルが流体密封シールを通りそれと接触して配置される時、流体密封シールをさらに促進するために、(図2Aに示すように)ノッチ202またはその近くに配置され得る。
【0026】
前述に加えて、ハウジングガスケット200を含むハウジングの反対側のハウジングに一つ以上の溝204を配置することができ、ここで装置が「閉鎖」配置の時にハウジングガスケット200は溝204と係合し得る。少なくとも一つの実施形態では、図2Bに示されるように、第一のハウジング106のハウジングガスケット200が第二のハウジング108の溝と係合し、第二のハウジング108のハウジングガスケット200が第一のハウジング106の溝と係合して流体密封および/または気密シールを形成するように、各ハウジングはハウジングガスケット200と溝204を含む。
【0027】
図2Aに示される実施形態では、装置100は、装置100の「内側に」配置された一つ以上の可飽和材料206をさらに含む。図2Aは、第一のハウジング106と第二のハウジング108上に配置された可飽和材料206を示すが、一つの可飽和材料206を含む任意の数の可飽和材料206を使用し得る。可飽和材料206は、例えばスポンジ、織物、またはガーゼなど、流体によって部分的または完全に飽和させることのできる任意の数の材料を含むことができ、初めは「乾燥した状態」(すなわち、流体なし)または「濡れた状態」(すなわち、生理食塩水、消毒流体などをその上に配置して)のどちらかで提供され得る。
【0028】
このような可飽和材料206は、例えば図2Aに示されるように流体嚢208内に最初に配置された流体で部分的または完全に飽和され得る。少なくとも一つの実施形態では、流体嚢208は一つ以上の破裂器210で破裂させることができ、これには例えば、第一のハウジング106および/または第二のハウジング108に連結されたピンまたは針を含み得る。代替的実施形態では、装置100の使用者が破裂器210に圧力を加えた時、破裂器210が流体嚢208の破裂を促進するように、破裂器210は、第一のハウジング106および/または第二のハウジング108から突き出ている比較的「鋭い」部分を含むことがあるか、または比較的「鋭く」はないが柔軟/しなやかな第一ハウジング106および/または第二ハウジング108の一部を含むことがある。図2Aの装置100の典型的実施形態に示されるように、破裂器210は第一のハウジング106に連結されているか、またはその一部として形成されている。少なくとも一つの実施形態では、破裂器210は、装置100内のそこに配置された身体カテーテルを穿刺する可能性がない場所に配置される。このような穿刺防止は、装置100の設計要素、カテーテルを受け入れるための可飽和要素206内の溝、および/または装置100内でのカテーテルの動きを防止するための装置100内の物理的バリアを含むがこれに限定されないいくつかの方法で達成し得る。
【0029】
本開示の装置100の少なくとも一つの実施形態では、前述の装置100を閉じることで流体嚢208が破裂する。例えば、少なくとも一つの実施形態では、流体嚢208は装置100が閉じた時に(その中のカテーテルの一部があるかないかにかかわらず)、閉じることで流体嚢208に圧力が加わって流体嚢が破裂するような寸法と形状になっており、また十分な流体を含有している。
【0030】
流体嚢208内の流体には、例えば、ベータダイン、ヨード、さまざまなアルコール類、さまざまな塩素および/または次亜塩素酸塩類、クロルヘキシジン、低刺激性溶液、および/または当技術分野で知られている他の任意の抗菌剤を含み得る。このような流体は、流体嚢208から放出された時に装置100の内部空間(装置100が「閉鎖」配置にあるときに作り出される)に入ることができ、消毒/抗菌剤の役割を果たして装置100内に「無菌」環境を効果的に作り出す。
【0031】
図2Cと2Dは、本開示の典型的装置100の断面図を示す。図2Cに示されるように、装置100は、第一のハウジング106と第二のハウジング108の間の空間内にある流体嚢208に関連して位置し、第一のハウジング106に連結/取り付けられている破裂器210を含む。図2Cに示されるように装置100が「閉じて」いる時、ハウジングガスケット200は溝204の中に位置し、流体密封および/または気密シール(または実質的に流体密封および/または気密シール)を形成する。例えば、図2Dの第一のハウジング106のたわみによって示されるように、第一のハウジング106を強く押すと、破裂器210が流体嚢208を破裂させ、これによって閉じた装置100内の容積/空間に流体嚢208からの流体212が放出される。次に流体212は装置100内にある可飽和材料206に吸収され、装置100内に配置された身体カテーテル250の一部またはすべてもコーティングし、本書に記載のように無菌環境を作り出す。図2Cと2Dに示されるこのような装置100の実施形態は、流体嚢208が破裂して装置100内に流体212を放出するため、「使い捨て装置」と呼ばれることがある。
【0032】
本出願の装置100の典型的使用方法が図2Eに示され、下記に説明されている。例えば、図1A-2Aに示される装置100は、患者の循環係(例えば、患者の頸静脈、鎖骨下静脈、大静脈など)と連通しており、患者の体から延長している一つ以上のカテーテルを持つ透析患者によって使用され得る。このようなカテーテルは単一または複数の管腔を持ち得る。図1A-2Aに示される装置100の典型的実施形態では、患者は、二つのカテーテルに枝分かれする(一つは患者の体からの血液/流体の流れ用で、もう一つは血液/流体が透析装置で処理された後に患者の体内へと戻り透析装置に行く血液/流体の流れ用)一つの身体カテーテル(二重管腔を持つ)を持つか、または患者は身体から延長しており本書に記載されたものと類似の目的を果たす二つの身体カテーテルを持つことがある。
【0033】
図2Eに示されるように本開示の典型的方法220では、新規の透析セッションの前、または前の透析セッション後しばらくして、患者は、例えば身体カテーテルの周りの過剰な細菌を除去および/または中性化するために、当技術分野で知られている任意の数の手段(任意選択の清浄ステップ222)によって身体カテーテルを任意選択で「清浄する」ことができる。事前のカテーテル清浄にかかわらず、カテーテルの露出端が装置100内に配置されるようにするため(カテーテル配置ステップ224)、患者または装置100の使用者は、次にカテーテルの遠位端を装置100の開口部110またはノッチ202内に配置することによって装置100を身体カテーテルの周りに配置し得る。身体カテーテルが装置100内に配置された後、装置100は身体カテーテルの遠位端の周囲で「閉じる」ことができる(閉鎖ステップ226)。装置100が「閉じた」後、患者および/または装置100の使用者は、例えば破裂器210が流体嚢208を破裂させて装置100内に消毒流体を放出し(起動ステップ228)、無菌環境を作り出すように、装置100を強く押さえて装置100を「起動」し得る。装置100内にある消毒流体が身体カテーテルの遠位端と接触した後、身体カテーテルはすでに「清潔」で、身体透析カテーテルを透析装置に接続した時によく見られる細菌または他の感染の確率/リスクが低減されるため、患者は追加的/広範囲の身体カテーテル清浄を行なう必要なく、透析を進めることができる。少なくとも一つの実施形態では、装置100の取り外しには、装置100を「開ける」ステップと装置100を身体カテーテルから取り外すステップを含み、これにより患者を透析装置への身体カテーテルに接続して透析を進めることが可能となる。
【0034】
身体カテーテル250がその中に配置されている本開示の装置100の実施形態を図2Fに示す。図2Fに示されるように、身体カテーテル250に例えばキャップ252を使用してキャップをし、例えばクランプ254を使って任意選択でクランプ締めした状態で、身体カテーテル250の遠位端を装置100のノッチ202(または開口部110)内に配置し得る。キャップ252および/またはクランプ254は、患者の体から身体カテーテル250への流体の流れ(血液透析の場合は血液)を防止するよう機能し得る。上記のように装置100を「閉じ」て「起動」したら、キャップ252を含む身体カテーテル250の遠位端は、装置100によって作り出された無菌環境内にあり、このため下記のように患者が透析手順を進める時の潜在的感染のリスクが減少する。図2Fで「開放」配置で示されている装置100は、図2Gに示すように「閉じる」ことができ、これにより身体カテーテル250は装置100の内部空間内に配置される。
【0035】
図2Gに示されるように本開示の透析を進める典型的方法260では、患者または装置100の使用者は、装置100を身体カテーテル250から取り外し(取り外しステップ262)、透析を進める前に透析装置を透析のために準備し得る(透析装置準備ステップ264、これには透析実施に関連する任意の数の既知のタスクが含まれ得る)。取り外しステップ262および透析装置準備ステップ264はどちらの順序でも実施し得るが、図2Gの典型的方法では、透析装置準備ステップ264の前に取り外しステップ262を行なうものとして示されている。次に患者または装置100の使用者は、キャップ252を取り外し(患者の体からの流体の流れを防止するためにクランプ254は配置したままにする)(キャップ取り外しステップ266)、その後身体カテーテル250を対応する透析装置カテーテル/コネクタに接続し得る(接続ステップ268)。次に患者または装置100の使用者は、クランプ254を取り外し(クランプ取り外しステップ270)、透析を進め得る(透析ステップ272)。
【0036】
本開示の無菌カテーテル環境を維持するための装置の別の典型的実施形態を図3A-3Eに示す。図3Aの正面図に示されるように、装置100の典型的実施形態はヒンジ102と一つ以上のクリップ104を含み得る。少なくとも一つの実施形態では、図3B-3Eと4に示されるように、ヒンジ102とクリップ104は互いに対立して装置100に連結され、第一のハウジング106と第二のハウジング108の開放、閉鎖、および互いへの固定を促進する。第一のハウジング106、第二のハウジング108、ヒンジ102、およびクリップ104は、本書に記載の典型的装置100に適した当技術分野で知られている任意の数の材料を含むことができ、これにはさまざまなプラスチックおよび/または金属を含むがこれに限定されない。少なくとも一つの実施形態では、第一のハウジング106、第二のハウジング108、ヒンジ102、およびクリップ104はそれぞれポリプロピレンプラスチックを含む。
【0037】
図3Bは、本開示の典型的装置100の側面図を示す。図3Bに示されるように、装置100は第一のハウジング106と第二のハウジング108を含むことがあり、ここで第一のハウジング106と第二のハウジング108はヒンジ102で互いに連結されている。ヒンジ102は、ヒンジ102が第一のハウジング106と第二のハウジング108が互いの周囲でヒンジで動くことを可能にするように、柔軟プラスチックヒンジを含むがこれに限定されない当技術分野で知られている任意の数のヒンジ機構を含み得る。
【0038】
図3Cは、本開示の典型的装置100の側面図を示す。図3Cに示されるように、装置100は第一のハウジング106と第二のハウジング108を含むことがあり、ここで第一のハウジング106と第二のハウジング108は一つ以上のクリップ104で互いに可逆的に固定され得る。図3Cに示されるように、クリップ104は、第一のハウジング106および第二のハウジング108のどちらかから延長するクリップを含むことがあり、これは第一のハウジング106を第二のハウジング108に可逆的に固定する働きをする。本開示の目的では、ヒンジ102とクリップ104は一般的に「カプラー」と呼ばれる場合がある。
【0039】
本開示の装置100の典型的実施形態の上面図を図3Dに示し、本開示の装置100の典型的実施形態の下面図を図3Eに示す。図3Dと3Eに示されるように、装置100はそれを通して配置された四つの開口部110を画定する(上部の二つの開口部および下部の二つの開口部110)。身体カテーテル250または透析装置カテーテルが複数の管腔カテーテルを含む実施形態では、装置100の典型的実施形態は、装置100の上部に配置された一つの開口部と装置100の下部に配置された一つの開口部を含み得る。開口部110の数および/または装置100の周辺の開口部の物理的配置は、実施形態によって異なり得る。図3Dと3Eに示される典型的実施形態では、開口部110は第一のハウジング106によって部分的に画定され、第二のハウジング108によって部分的に画定される。他の実施形態では、開口部110は、第一のハウジング106および/または第二のハウジング108のどちらかの中に完全に画定され得る。さらに図3A、3Dおよび3Eに示されるように、装置100は、開口部110またはその近くに配置された一つ以上の開口部ガスケット112をさらに含むことがあり、これにより開口部ガスケット112は、例えばカテーテル(非表示)が開口部110を通して配置される時に開口部110の部位の流体密封シールを促進する。
【0040】
身体カテーテル250と透析装置カテーテル400が装置内に配置されていることを示す、本開示の装置100の実施形態を図4に示す。図4に示されるように、身体カテーテル250の遠位端は、例えばクランプ254を使用して身体カテーテル250をクランプ締めした状態で、装置100のノッチ202(または開口部110)内に配置され得る。さらに、身体カテーテル250と透析装置カテーテル400が互いに流体連結するように、透析装置402の透析装置カテーテル400の遠位端は、図4に示されるように例えばコネクタ404を使用して身体カテーテル250の遠位端に接続され得る。上記のように装置100を「閉じ」て「起動」したら、身体カテーテル250と透析装置カテーテル400の遠位端(身体カテーテル250を透析装置カテーテル400に接続するために使用される場合はコネクタ404を含む)は、装置100によって作り出された無菌環境内にあり、このため下記のように患者が透析手順を進める時の潜在的感染のリスクが減少する。
【0041】
図5に示されるように本開示の透析を進める典型的方法500では、患者または技師は、例えば身体カテーテルの周りの過剰な細菌を除去および/または中性化するために、当技術分野で知られている任意の数の手段(任意選択の清浄ステップ502)によって身体カテーテルを任意選択で「清浄する」ことができる。事前のカテーテル清浄にかかわらず、患者または技師は、キャップ252を身体カテーテル250から取り外し(患者の体からの流体の流れを防止するためにクランプ254は配置したままにする)(キャップ取り外しステップ504)、その後身体カテーテル250を対応する透析装置カテーテル400に接続し得る(接続ステップ506)。身体カテーテル250を透析装置カテーテル400に接続して装置100内に配置した後、装置100は身体カテーテルの遠位端の周囲で「閉じる」ことができる(閉鎖ステップ508)。装置100が「閉じた」後、患者は、例えば破裂器210が流体嚢208を破裂させて装置100内に消毒流体を放出し(起動ステップ510)無菌環境を作り出すように、装置100を押して装置100を「起動」し得る。(装置100内にある無菌流体が身体カテーテル250の遠位端と透析装置カテーテル400の遠位端と接触するように)望ましい時間が経過した後、患者は、追加的/広範囲な身体カテーテル250および/または透析装置カテーテル400の清浄手順を行なう必要なく透析に進む準備ができるが、これはこれらのカテーテルがすでに「清潔」であり、透析を実施する時によく見られる細菌または他の感染の確率/リスクが低減されるためである。次に患者または技師は、クランプ254を取り外し(クランプ取り外しステップ512)、透析を進め得る(透析ステップ514)。透析を完了したら、患者または技師は(本書の一つ以上の方法500ステップの逆を使用して)装置100を取り外し、透析および/または他の医療処置を行っていない時に無菌状態を維持するため、(図1Aに示されるように)身体カテーテルに装置100の実施形態を任意選択で取り付け得る。
【0042】
本開示の装置100の典型的実施形態は、図6に示されるようにそれに連結された一つ以上のストラップ600と共に使用し得る。図6に示されるように、装置100はそれに連結されたストラップ600を含み、ここでストラップ600は患者の胴体など患者の体の一部の周りに配置されるように構成されている。ストラップ600は、弾性ストラップを含む、当技術分野で知られている任意の数のストラップを含むことができ、快適性のためにパッドを付けることができる。ストラップ600の典型的実施形態は、患者が好みによってストラップ600を調整できるように、ストラップ調整器602も含み得る。ストラップ600に代わりに、または前述の使用と関連して、当技術分野で知られている一つ以上の接着剤を使用して装置100を可逆的に患者の身体に接着することもできる。本開示の装置100のさまざまな典型的実施形態は、使用者が望む場合にストラップ600を組み込むことができる。
【0043】
本開示の接着装置700の典型的実施形態を図7に示す。図7に示されるように、接着装置は袋702および袋702に連結された接着リング704を含む。患者は一つ以上の身体カテーテル250の遠位端を前述の袋702に挿入し、患者の身体の周りの接着リング704に圧力を加えることによって、接着リング704は患者の身体に接着し、流体、粒子および/または空気が袋702に入るのを減少または防止するような袋702内の環境を提供する。接着リング704は、取り外し可能カバー706を取り外すと接着リング704の周辺に配置された接着剤が露出するように、取り外し可能カバー706でカバーし得る。
【0044】
このような接着装置700は、例えば患者がシャワーを浴びたいが細菌または他の感染因子を身体カテーテルに導入したくはない時に有用であり得る。例えば、図8に示されるように、身体カテーテル250は装置700内に配置することができ、接着リング704を患者の身体800に押し付けて流体密封および/または気密シールまたは実質的に流体密封および/または気密シールを形成し得る。
【0045】
本開示の装置100のさまざまな実施形態は、さまざまなタイプの医療グレードプラスチックなど、当技術分野で知られている医療装置に適した任意の数の材料を含み得る。さらに、装置100のさまざまな実施形態は、例えば一つ以上の透析カテーテルまたはPICCラインをそこに配置できるように、さまざまな寸法と構成で装置に配置された任意の数の開口部110および/またはノッチ202を含み得る。さらに、装置100のさまざまな実施形態は、単回使用(使い捨て)または複数回使用に適している場合がある。
【0046】
無菌カテーテル環境を維持するための装置と方法のさまざまな実施形態をかなり詳細に本書で記載してきたが、実施形態は本書に記載の開示の単なる非限定的例として提供されているに過ぎない。従って当然ながら、本開示の範囲を逸脱することなく、さまざまな変更および修正を加え、その要素を同等品で置き換え得る。本開示は、本開示はすべてを網羅することも本開示の範囲を限定することも意図していない。
【0047】
さらに、代表的実施形態の説明において、本開示は方法および/またはプロセスをステップの特定の順序として示されている場合がある。しかし、方法またはプロセスが本書に説明されたステップの特定の順序に依存しない範囲では、方法またはプロセスは記載されたステップの特定の順序に限定されないはずである。ステップの他の順序も可能であり得る。従って、本書に開示されたステップの特定の順序は、本開示の限定として解釈されるべきではない。さらに、方法および/またはプロセスを対象にした開示は、記載された順序でのステップの実施に限定されるべきではない。このような順序は異なる場合があるが、それでもなお本開示の範囲内に含まれる。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図2F】

【図2G】

【図2H】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌カテーテル環境を維持する装置であって、
第一のハウジングと第二のハウジングが少なくとも一つのカプラーで互いに連結され、第一のハウジングと第二のハウジングが閉鎖配置にある時に係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングと第二のハウジングと、
それを通してカテーテルの少なくとも一部を配置できるような寸法と形状であり、第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの中に画定された少なくとも一つの開口部および/またはノッチを含む装置。
【請求項2】
少なくとも一つのカプラーが第一のハウジングと第二のハウジングが互いの周りでヒンジで動くように、第一のハウジングと第二のハウジングに連結されたヒンジを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも一つのカプラーが少なくとも一つのクリップを含み、この少なくとも一つのクリップが第一のハウジングを第二のハウジングに可逆的に固定する働きをする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つが、第一のハウジングおよび/または第二のハウジングの周辺の少なくとも一部の周りに配置されたハウジングガスケットを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
第一のハウジングがハウジングガスケットを含み、第二のハウジングは第二のハウジングの周辺の少なくとも一部の周りに配置された溝を含み、この溝が前述のハウジングガスケットを受け入れるように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ハウジングガスケットが、第一のハウジングと第二のハウジングが閉鎖配置で互いに係合する時に流体密封シールを提供する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも一つの開口部またはその近くに配置された少なくとも一つの開口部ガスケットおよび/またはノッチをさらに含み、少なくとも一つの開口部ガスケットが、カテーテルが前述の開口部および/またはノッチ内に配置された時に流体密封シールを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
装置の内部空間内に配置された一つ以上の可飽和材料をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
一つ以上の可飽和材料がスポンジ、織物および/またはガーゼから成る群から選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
消毒流体を含有する流体嚢をさらに含み、
流体嚢が第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの上に配置された、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前述の装置内に配置された破裂器で流体嚢を破裂させることができる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
破裂器が、ピン、針、第一のハウジングの一部、および第二のハウジングの一部から成る群から選択される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
流体嚢が破裂すると、流体嚢が装置の内部空間内に流体を放出し装置の内部空間内に無菌環境を作り出す、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
装置を閉じることによって流体嚢を破裂させることができ、第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つからの圧力で流体嚢が破裂する、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
流体嚢が破裂すると、流体嚢が装置の内部空間内に流体を放出し装置の内部空間内に無菌環境を作り出す、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも一つの開口部および/またはノッチが少なくとも二つのの開口部および/またはノッチを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも一つの開口部および/またはノッチが少なくとも四つの開口部および/またはノッチを含み、少なくとも四つの開口部および/またはノッチのうち少なくとも二つが、少なくとも四つの開口部および/またはノッチの他の少なくとも二つとは相対的に反対側に配置された、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
それに連結されているストラップをさらに含み、
ストラッブが患者の体の一部の周囲に配置されるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
ストラップが、患者がストラップを調整できるようにするストラップ調整器をさらに含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
無菌カテーテル環境を維持する装置であって、
第一のハウジングと第二のハウジングが少なくとも一つのヒンジで互いに連結され、第一のハウジングと第二のハウジングが閉鎖配置にある時に係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングと第二のハウジングと、
少なくとも一つのクリップが第一のハウジングを第二のハウジングに可逆的に固定する働きをする、第一のハウジングまたは第二のハウジングに連結された少なくとも一つのクリップと、
装置の内部空間内に配置された一つ以上の可飽和材料と、
第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの上に位置し、消毒流体を含む流体嚢と、
それを通してカテーテルの少なくとも一部を配置できるような寸法と形状であり、第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの中に画定された少なくとも一つの開口部および/またはノッチを含む装置。
【請求項21】
無菌カテーテル環境を維持する装置であって、
第一のハウジングと第二のハウジングが少なくとも一つのヒンジで互いに連結され、第一のハウジングと第二のハウジングが閉鎖配置にある時に係合し、閉鎖配置にある時に内部空間を画定するように構成された第一のハウジングと第二のハウジングと、
少なくとも一つのクリップが第一のハウジングを第二のハウジングに可逆的に固定する働きをする、第一のハウジングまたは第二のハウジングに連結された少なくとも一つのクリップと、
装置の内部空間内に配置された一つ以上の可飽和材料と、
第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの上に位置し、消毒流体を含む流体嚢と、
第一のハウジングと第二のハウジングの少なくとも一つの中に画定された少なくとも四つの開口部および/またはノッチを含み、少なくとも四つの開口部および/またはノッチのうち少なくとも二つが、少なくとも四つの開口部および/またはノッチの他の少なくとも二つとは相対的に反対側に位置し、少なくとも四つの開口部および/またはノッチが、それを通してカテーテルの少なくとも一部を配置できるような寸法と形状となっている装置。
【請求項22】
無菌カテーテル環境を維持するための装置の使用方法であって、
無菌カテーテル環境を維持するために装置の開口部および/またはノッチ内に身体カテーテルの遠位端を配置するステップと、
装置を閉じるステップと、
前述の装置を起動して装置内に消毒流体を放出させるステップを含む方法。
【請求項23】
前述の装置を起動するステップが、装置に圧力を加えて前述の装置内の消毒流体を放出させることによって実施される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
無菌カテーテル環境を維持するための装置の透析を進める方法であって、
無菌カテーテル環境を維持するための装置を、そこに少なくとも部分的に配置された一つ以上の身体カテーテルから取り外すステップと、
一つ以上の身体カテーテルの遠位端またはその近くに配置されたキャップを取り外すステップと、
一つ以上の身体カテーテルを一つ以上の透析装置カテーテルに接続するステップと、
一つ以上の身体カテーテル上に配置されたクランプを取り外すステップと、
透析を進めるステップを含む方法。
【請求項25】
無菌カテーテル環境を維持するための装置の透析を進める方法であって、
身体カテーテルの遠位端またはその近くに配置されたキャップを取り外すステップと、
身体カテーテルを透析装置カテーテルに接続するステップと、
無菌カテーテル環境を維持するための装置を、身体カテーテルの少なくとも一部分および透析装置カテーテルの少なくとも一部分の周りに配置するステップと、
前述の装置を閉じるステップと、
前述の装置を起動して装置内に消毒流体を放出させるステップと、
身体カテーテル上に配置されたクランプを取り外すステップと、
透析を進めるステップを含む方法。
【請求項26】
接着装置であって、
患者の身体から延長する身体カテーテルの一部をその中に配置できるような寸法と形状の袋と、
前述の袋に連結された接着リングを含み、
身体カテーテルが袋内に配置される時、接着リングが患者の身体に接着して少なくとも実質的に流体密封および/または気密シールを形成する接着装置。

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2013−503709(P2013−503709A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528043(P2012−528043)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/047668
【国際公開番号】WO2011/028898
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(512055787)デイビス・アンド・サン・ディベロップメンツ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】