説明

焦点位置補正を有する投写型画像表示装置

【課題】ユーザーに設置状態の切り替えを行わせることなしに、焦点位置を固定して使用する際には焦点位置の補正による焦点位置の移動を行わないようにする。
【解決手段】 焦点位置を固定して使用していることを自動で判別し、焦点位置を固定して使用していることを判別した際には、焦点位置補正およびパルス信号の検出誤差をリセットする為の焦点位置の移動を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焦点位置補正機構を有する投写型画像表示装置の焦点位置補正アルゴリズムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ等の投写型画像表示装置では、偏光変換素子等の光学素子によって光源からの光を画像に変換し、前記画像をレンズユニットによって拡大投写しスクリーン等の投写面に焦点を合わせている。前記光源が点灯している間は、前記プロジェクタ等の投写型画像表示装置の有する光学素子および光学素子保持部材は前記光源からの光を常に受けている状態となる。前記光の影響から、前記光学素子および光学素子保持部材には投写開始直後から温度上昇が生じる。前記温度上昇によって、前記光学素子は屈折率等の光学特性が変化し、また前記光学素子保持部材は線膨張によって伸縮が生じ前記光学素子の間隔が変化する。前記光学特性の変化および前記光学素子間隔の変化によって、前記スクリーン等の投写面合わせた焦点位置が投写開始直後から移動してしまう。前記焦点位置の移動が前記投写画像の深度内に収まっていれば問題とならないが、深度を超えると前記投写画像が劣化する為問題となる。
【0003】
この問題に対して、前記焦点位置の移動に合わせて焦点位置を調整することで投写画像の劣化を回避する技術が知られている。例えば、特許文献1では、投写型画像表示装置内に温度センサを配置し、予め定めた焦点位置調整アルゴリズムと前記温度センサの検出結果から焦点位置の調整を行って投写画像の劣化を回避する技術が開示されている。
【0004】
また、前記焦点位置の調整を行った後に電源を切り再点灯する際には、環境温度の変化や放熱によって前記光学素子および光学素子保持部材が電源を切った時の温度と異なっている場合があり、焦点位置を電源を切った時のままにしておくと画像が劣化してしまい問題となる。また、再点灯時に前回点灯時に焦点位置の調整を開始した位置まで焦点位置を移動しても、環境温度の変化や放熱によって前記光学素子および光学素子保持部材が前記焦点位置の調整を開始した時の温度と異なっている場合があり、やはり画像が劣化してしまい問題となる。この問題に対して、前記温度センサの前回点灯時に焦点位置補正を開始した際の検出結果と再点灯時の検出結果との差から焦点位置補正量を算出し、前回点灯時に焦点位置の調整を開始した位置から前記焦点位置補正量を加えた位置に焦点位置を移動することで前記画像の劣化を回避する技術がある。
【0005】
また、焦点位置の調整の際には温度センサの測定誤差、焦点位置を移動するモータのバックラッシュ等の影響から焦点位置の移動には誤差が加算されている。前記誤差は焦点位置調整の度に積み上っていくと、再点灯を行う度に画像劣化が生じてしまい問題となる。この問題に対して、焦点位置の絶対置を検出する構成とし、前記焦点位置の調整量を移動量ではなく前記絶対置への移動とすることで前記誤差の積み上がりを回避する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−19648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プロジェクタ等の投写型画像表示装置を天吊り等によって固定設置して使用する際には焦点位置も固定して使用する。この為、背景技術に記載のレンズユニットでは焦点位置の補正によって焦点位置が移動してしまい前記焦点位置を固定して使用している場合には問題となる。また、前記焦点位置の絶対値を検出する為に分解能、コストおよびスペースの点から、基準点を検出する為のスイッチと基準点からの移動量を検出する為にモータの出力軸にパルス板を取り付けパルス信号を用いる場合がある。この構成では頻繁に基準点検出を行いパルス信号の検出誤差をリセットしないと誤差が積み上がってしまう為、点灯の度に焦点位置をスイッチまで移動させ前記パルス信号の検出誤差をリセットする必要がある。しかし、前記焦点位置を固定して使用する際には、点灯の度に焦点位置が移動してしまう為やはり問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、焦点位置を固定して使用していることを自動で判別する手段を有し、焦点位置を固定して使用していることを判別した際には、焦点位置補正およびパルス信号の検出誤差をリセットする為の焦点位置の移動を行わない事を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プロジェクタ等の投写型画像表示装置に焦点位置補正を持たせても、ユーザーに設置状態の切り替えを行わせることなしに、焦点位置を固定して使用する際には焦点位置の補正による焦点位置の移動を行わないプロジェクタ等の投写型画像表示装置が提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1および2である液晶プロジェクタの外観図。
【図2】実施例1のレンズユニットの分解斜視図。
【図3】実施例1のモーターユニットの分解斜視図。
【図4】実施例1のフローチャート。
【図5】実施例2のフローチャート。
【図6】実施例3のフローチャート。
【図7】実施例4のフローチャート。
【図8】実施例5のフローチャート。
【図9】実施例6のフローチャート。
【図10】実施例7のフローチャート。
【図11】実施例8のフローチャート。
【図12】実施例9のフローチャート。
【図13】実施例10のフローチャート。
【図14】実施例11のフローチャート。
【図15】実施例12のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
[実施例1]
図1には、本発明の実施例1であるレンズユニット100を備えたプロジェクタ300の外観を示している。
【0013】
プロジェクタ300の液晶駆動回路には、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、テレビチューナ等の画像供給装置が接続されている。画像供給装置から入力された画像(映像)情報に基づいて、投写レンズ100によって画像をスクリーンなどの被投写面に焦点を合わせて拡大投写している。
【0014】
またプロジェクタ300は、光学素子および光学素子保持部材の温度変化による焦点位置移動を調整する機構を有している。
【0015】
図2には、本実施例のレンズユニット100の分解斜視図を示す。
【0016】
101は第1レンズ群を保持した第1鏡筒である。102は第2レンズ群を保持した2群鏡筒である。103は第3レンズ群を保持した第3鏡筒である。104は第4レンズ群を保持した第4鏡筒、105は第5レンズ群を保持した第5鏡筒である。106は第6レンズ群を保持した第6鏡筒である。
【0017】
107は鏡筒本体としての固定筒である。該固定筒107の光軸方向後端部(第6鏡筒側の端部)の位置には、前述した光学ボックスにビス止めされるマウント部(フランジ部)107Bが形成されている。
【0018】
108は固定筒107の内周のうちマウント部よりも前側(第1鏡筒側)の領域に配置され、光軸回りで回転する第1の回転環としてのカム環である。110は固定筒107の外周のうちマウント部よりも前側(第1鏡筒側)の領域に配置され、光軸回りで回転する第2の回転環としてのフォーカス環である。109は第1〜第5鏡筒101〜105にビスで取り付けられたカムフォロアである。カムフォロア109が取り付けられた第1鏡筒101は固定筒107の端部(第1鏡筒側)にカムフォロア109を介して固定される。カムフォロア109が取り付けられた第2鏡筒102はフォーカス環110に形成されたカム溝に係合する。カムフォロア109が取り付けられた第3〜5の鏡筒103〜105はそれぞれカム環108に形成されたカム溝に係合する。111はギア部有するしカム環108の第1鏡筒側に取り付けられているズーム環である。
【0019】
112はアクチュエータとしてのモータユニットである。該モータユニットは、ステッピングモータ、DCモータ、振動型モータ等のモータ本体と、該モータ本体の回転を減速して出力する減速ギヤボックスと、モータの駆動を回転角として表す為のパルス板と前記回転角の検出結果をパルス信号として出力する為のフォトインタラプタを保持した基板とを含む。モータユニット112はフォーカス駆動源およびズーム駆動源である。114はフォーカス環110が光軸周りに回転した際の焦点位置の基準を検出する為のスイッチである。113はモータ112およびスイッチ114を保持する保持部材である。モータ112およびスイッチ114はビスにより保持部材113に固定される。そして、保持部材113はビスにより固定筒107に固定される。
【0020】
第2鏡筒102はフォーカスレンズである。ここでフォーカス駆動機構について説明する。第2鏡筒102の外周における周方向120°毎の3箇所には、カムフォロア109が取り付けられている。第2鏡筒102に設けられたカムフォロア109は、固定筒107に光軸方向に延びるように形成された直進溝部107Aに係合する。さらに、フォーカス環110に形成されたカム溝部にも係合する。
【0021】
また、フォーカス環110は、固定筒107に対してバヨネット結合構造等によって光軸方向への移動が阻止された状態で光軸回りで回転可能となっている。
【0022】
フォーカス環110と噛み合ったモータユニット112を駆動すると、フォーカス環110が回転駆動される。フォーカス環110が回転すると、カム溝部とカムフォロア109との係合作用によって、第2鏡筒102が光軸方向に移動する。これにより、電動フォーカス駆動が行われる。
【0023】
第6鏡筒106は、第6レンズ群としてのリレー系レンズを保持しており、固定筒107の後端部にスラスト方向からビス(図示せず)により固定される。
【0024】
第2鏡筒102,第3鏡筒103,第4鏡筒104および第5鏡筒105はそれぞれ、第2〜第5レンズ群としての変倍系レンズを保持する。第2鏡筒102,第3鏡筒103,第4鏡筒104および第5鏡筒105が光軸方向に移動することで、変倍(ズーム)が行われる。
【0025】
ここで、ズーム駆動機構について説明する。第2鏡筒102,第3鏡筒103,第4鏡筒104および第5鏡筒105の外周における周方向120°毎の3箇所には、カムフォロア109が取り付けられている。これら鏡筒102〜104に設けられたカムフォロア109は、固定筒107に光軸方向に延びるように形成された直進溝部107Aに係合する。さらに、カム環108に形成された第2,第3および第4カム溝部108A,108B,108Cにも係合する。
【0026】
また、カム環108の端部(第1鏡筒側)には、これと一体回転可能にズーム環111が取り付けられている。カム環108は、固定筒107に対してバヨネット結合構造等によって光軸方向への移動が阻止された状態で光軸回りで回転可能となっている。
【0027】
ズーム環111と噛み合ったモータユニット112を駆動すると、ズーム環111が回転駆動される。ズーム環111が回転すると、これと一体的にカム環108が固定筒107に対して光軸回りで定位置回転する。カム環108が回転すると、カム溝部108A,108B,108Cとカムフォロア109との係合作用によって、第2,第3および第4鏡筒102〜104が光軸方向に移動する。これにより、電動ズーム駆動が行われる。
【0028】
次に、モータユニット112について図3を用いて説明する。モータユニット112は、モータ本体112Aと、該モータ本体の回転を減速して出力する減速ギヤボックス112Bと、モータの駆動を回転角で表す為のパルス板112Cと前記回転角をパルス信号として検出する為のフォトインタラプタを保持した基板112Dを有する。
【0029】
モータ本体112Aの出力ギアと減速ギアボックス112Bの入力ギアは噛み合い取り付けられている。これによりモータ本体112Aの出力トルクおよび回転速度は減速ギアボックス112Bで意図する出力トルクおよび回転速度に変換されてフォーカス環110およびズーム環111と噛み合っている減速ギアボックス112Bの出力ギアへと伝達される。また、モータ本体112Aの出力軸には円板形状で周方向に一定の位相毎に切り欠きを有するパルス板112Cが取り付けられている。モータ本体112Aが駆動するとパルス板112Cも回転する。この為、パルス板112Cの前記切り欠きを有する径の任意1点を見ると、切り欠きの有る無しでモータ本体112Aの回転角を検出することが出来る。減速ギアボックス112Bには前記切り欠きの有る無しを読み取れる様にフォトインタラプタが取り付いた基板112Dが取り付けられており、フォトインタラプタが取り付いた基板112Dは記切り欠きの有る無しをパルス信号として出力する。
【0030】
本実施例のレンズユニット100は、フォトインタラプタが取り付いた基板112Dの出力から焦点位置の相対値を検出し、点灯の度にスイッチ114が作動するまで焦点位置を移動することで焦点位置の基準を検出する。前記焦点位置の基準と前記焦点位置の相対値とを組み合わせることで略絶対値として焦点位置を検出することが出来る。また、点灯の度に焦点位置の基準を検出すること、バックラッシュ等の焦点位置調整の誤差をリセットする為、十分な焦点位置の絶対値を検出できなくても焦点位置が深度を外れることはない。
【0031】
図4には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0032】
焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回点灯時にユーザーが焦点位置を移動した履歴の有無を確認する。前記履歴がある場合には、スイッチ114が作動するまで焦点位置を移動して焦点位置の基準を検出し、焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を開始する。前記履歴がない場合には、焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行わない。
【0033】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0034】
[実施例2]
本発明の実施例2では、実施例1に記載のフォトインタラプタが取り付いた基板112Dからの焦点位置の相対値と、スイッチ114からの焦点位置の基準とを組み合わせることで焦点位置の略絶対値を検出する変わりに焦点位置の絶対位置を検出する構成としている。
【0035】
図5には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0036】
焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回点灯時にユーザーが焦点位置を移動した履歴の有無を確認する。前記履歴がある場合には、焦点位置の調整を開始する。前記履歴がない場合には焦点位置の調整を行わない。
【0037】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0038】
[実施例3]
本発明の実施例3では、実施例1と同じ構成としている。
【0039】
図6には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0040】
焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯時とを今回点灯開始時の温度差を確認する。温度差が5℃以上ある場合には、焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を開始する。温度差が5℃未満の場合には焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行わない。
【0041】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0042】
[実施例4]
本発明の実施例4では、実施例2と同じ構成としている。
【0043】
図7には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0044】
焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯時とを今回点灯開始時の温度差を確認する。温度差が5℃以上ある場合には、焦点位置の調整を開始する。温度差が5℃未満の場合には焦点位置の調整を行わない。
【0045】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0046】
[実施例5]
本発明の実施例5では、実施例1と同じ構成としている。
【0047】
図8には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0048】
焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの時間を確認する。時間が2週間以上の場合には、焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を開始する。時間が2週間未満の場合には焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行わない。
【0049】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0050】
[実施例6]
本発明の実施例6では、実施例2と同じ構成としている。
【0051】
図9には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0052】
焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの時間を確認する。時間が2週間以上の場合には、焦点位置の調整を開始する。時間が2週間未満の場合には焦点位置の調整を行わない。
【0053】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0054】
[実施例7]
本発明の実施例7では、実施例1と同じ構成としている。
【0055】
図10には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0056】
焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの間のレンズ交換履歴の有無を確認する。履歴が有る場合には、焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を開始する。履歴が無い場合には焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行わない。
【0057】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0058】
[実施例8]
本発明の実施例8では、実施例2と同じ構成としている。
【0059】
図11には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0060】
焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの間のレンズ交換履歴の有無を確認する。履歴が有る場合には、焦点位置の調整を開始する。履歴が無い場合には焦点位置の調整を行わない。
【0061】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0062】
[実施例9]
本発明の実施例9では、実施例1と同じ構成としている。
【0063】
図12には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0064】
焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの間のランプ交換履歴の有無を確認する。履歴が有る場合には、焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を開始する。履歴が無い場合には焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行わない。
【0065】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0066】
[実施例10]
本発明の実施例10では、実施例2と同じ構成としている。
【0067】
図13には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0068】
焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの間のランプ交換履歴の有無を確認する。履歴が有る場合には、焦点位置の調整を開始する。履歴が無い場合には焦点位置の調整を行わない。
【0069】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0070】
[実施例11]
本発明の実施例11では、実施例1と同じ構成としている。
【0071】
図14には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0072】
焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの間の主電源の操作についての履歴の有無を確認する。履歴が有る場合には、焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を開始する。履歴が無い場合には焦点位置の基準を検出す為の焦点位置の移動および焦点位置の調整を行わない。
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【0073】
[実施例12]
本発明の実施例12では、実施例2と同じ構成としている。
【0074】
図15には、本実施例の焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムのフローチャートを示す。
【0075】
焦点位置補正を行うか判別するアルゴリズムはプロジェクタ300の点灯開始と同時に開始する。まず、前回消灯から今回の点灯までの間の主電源の操作についての履歴の有無を確認する。履歴が有る場合には、焦点位置の調整を開始する。履歴が無い場合には焦点位置の調整を行わない。
【0076】
上記構成およびアルゴリズムによって、ユーザーが焦点位置を合わせた際には光学素子および光学素子保持部材に温度変化が生じても画像劣化が生じず、天吊り等の焦点位置を固定して使用する際には焦点位置が移動しないプロジェクタを提供出来る様になる。
【符号の説明】
【0077】
100 投写レンズ
100a 投写レンズの光軸
101から106 第1〜第6鏡筒
107 固定筒
107A レンズ鏡筒用案内溝
108 カム環
108A,108B,108C,108D カム溝
109 2、3、4、5群用カムフォロア
110 フォーカス環
111 ズーム環
112 モーター
112A モーター本体
112B 減速ギアボックス
112C パルス板
112D フォトインタラプタが取り付いた基板
113 モータベース
114 スイッチ
300 プロジェクタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスおよびズームの少なくとも1つを調整可能で画像を投写するレンズユニットと、
光源と、
前記光源からの光を画像に変換しレンズユニットに導く照明光学系および色分離合成系とを有する投写型画像表示装置において、
前記レンズユニット、前記照明光学系および前記色分離合成系の有する少なくとも1つの光学素子の温度変化に伴う焦点位置変動補正を行うか行わないかを切り替える手段を有することを特徴とする投写型画像表示装置。
【請求項2】
フォーカス動作についての履歴を記憶する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投写型画像表示装置。
【請求項3】
前回点灯から消灯までの間にフォーカス動作についての履歴によって、再点灯の際に焦点位置変動補正を行うか行わないかを切り替える手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投写型画像表示装置。
【請求項4】
光学素子の温度についての履歴を記憶する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投写型画像表示装置。
【請求項5】
前回消灯時と今回点灯開始時の光学素子の温度差によって焦点位置変動補正を行うか行わないかを切り替える手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の投写型画像表示装置。
【請求項6】
消灯から再点灯までの時間を記憶する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投写型画像表示装置。
【請求項7】
前回消灯から今回の点灯までの時間よって焦点位置変動補正を行うか行わないかを切り替える手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の投写型画像表示装置。
【請求項8】
レンズ交換の履歴を記憶する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投写型画像表示装置。
【請求項9】
レンズ交換を行った履歴よって焦点位置変動補正を行うか行わないかを切り替える手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項8に記載の投写型画像表示装置。
【請求項10】
ランプ交換の履歴を記憶する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投写型画像表示装置。
【請求項11】
ランプ交換を行った履歴よって焦点位置変動補正を行うか行わないかを切り替える手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項10に記載の投写型画像表示装置。
【請求項12】
主電源の操作の履歴を記憶する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の投写型画像表示装置。
【請求項13】
主電源の操作の履歴よって焦点位置変動補正を行うか行わないかを切り替える手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項12に記載の投写型画像表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−155055(P2012−155055A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12725(P2011−12725)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】