説明

焦点調節装置及び方法

【課題】 被写体検出機能を用いた焦点検出において、主被写体が検出できている状態から検出できない状態になった場合に、ピント合わせを安定的に行いつつ、画面全体がボケた見苦しい動画像が記録されることを防止すること。
【解決手段】 被写体を撮影して得られる画像信号に基づいて撮影画面内の特定の被写体を検出し(S12)、検出された場合に被写体の領域を焦点検出領域として設定し(S14)、検出されなかった場合に予め設定された所定領域を焦点検出領域として設定し(S33)、焦点検出領域の画像信号から焦点信号を生成し(S20)、焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節制御を行う(S21)。被写体が検出された状態から、検出されない状態に遷移した場合に、所定領域の合焦度が予め設定された閾値以上のとき、被写体が検出されなくなってから予め設定された時間、閾値よりも小さい場合に比べて、前記焦点調節部材の駆動量及び駆動速度の少なくとも一方を小さくする(S502)。
【選択図】 図

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等で用いられる焦点調節装置及び焦点調節方法に関し、更に詳しくは、撮影して得られた画像に基づいて自動焦点調節を行う焦点調節装置及び焦点調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のビデオカメラ等の焦点調節制御では、撮像素子により被写体像を光電変換して得られた画像信号中より鮮鋭度(コントラスト状態)を表す焦点信号を検出し、その焦点信号に基づいてフォーカスレンズ位置を制御するTV−AF方式が主流である。
【0003】
しかしながら、このTV−AF方式によって人物を撮影した場合、撮影条件や被写体条件によってはピントが主被写体である人物ではなく、コントラストの高い背景に合ってしまうという問題点があった。このような問題を解決するために、顔検出機能を有する撮像装置が知られている。近年では、検出された顔領域が含まれるように焦点検出領域(AFエリア)を設定し、焦点検出を行う手法(例えば、特許文献1参照)や、人物の目を検出し、その結果に基づいて焦点検出を行う手法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【0004】
上述した顔認識機能を用いた焦点検出の場合、顔検出機能により検出された顔に対して合焦させるために、検出された顔の位置に対応してAFエリアを設定する。一方、顔が検出されていない場合には、例えば撮影画面の中央位置といった撮影画面内の所定の固定位置にAFエリアを設定する。そして、設定されたAFエリア内の画像信号から生成された焦点信号に基づき、合焦制御を行う。
【0005】
ところで、上述した顔検出機能では、人物である主被写体(以下、主人物被写体と呼ぶ)の映像の変化による影響や、撮影者の手振れの影響などによって、顔の認識が困難になることがあるために、常に顔が検出されるとは限らない。特に動画撮影の場合には、主人物被写体は動いていることが多く、主人物被写体が横を向いた状態になったり、一時的に他の被写体が主人物被写体を覆った場合などは、主人物被写体が直前まで検出されていても、顔検出に失敗してしまうことになる。
【0006】
このような条件下では、顔が検出された場合とそうでない場合で、AF枠や、AF枠内の被写体距離が頻繁に変化することから、焦点信号が大きく変動してしまい、安定したピント合わせを行うことができない。このような問題を回避するため、顔が検出されなくなった場合でも、一定期間はフォーカスレンズ位置を保持してピントが変動しないようにする焦点調節制御などが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−227080号公報
【特許文献2】特開2001−215403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来技術には以下のような問題があった。
【0009】
上記のように、顔が検出されなくなった場合に一定期間フォーカスレンズ位置を保持する制御は、画面内に主人物被写体があるにも関わらず一時的に顔認識に失敗した場合には有効である。
【0010】
しかし一方で、動画撮影においては、撮影中に主人物被写体が移動して完全に画面外に出てしまったり、撮影者がカメラの方向を変える(パンニング)ことでそれまでの主人物被写体が画面外となるような撮影状況も頻繁に生じる。この場合、それまで合焦していた主人物被写体が画面からいなくなったにも関わらずフォーカスレンズ位置が保持される結果、合焦していない背景のみの映像が一定期間に持続し、画面全体がボケた、見苦しい動画像が記録されてしまうという問題があった。
【0011】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、被写体検出機能を用いた焦点検出において、主被写体が検出できている状態から検出できない状態になった場合に、ピント合わせを安定的に行いつつ、画面全体がボケた見苦しい動画像が記録されることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の焦点調節装置は、被写体を撮影して画像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段から得られる画像信号に基づいて撮影画面内の特定の被写体を検出する被写体検出手段と、前記被写体検出手段により前記被写体が検出された場合に、前記被写体検出手段により検出された前記被写体の領域を焦点検出領域として設定し、前記被写体検出手段により前記被写体が検出されなかった場合に、予め設定された所定領域を焦点検出領域として設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記焦点検出領域の画像信号から、焦点信号を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された前記焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節制御を行う焦点調節手段とを有し、前記焦点調節手段は、前記被写体検出手段により前記被写体が検出された状態から、検出されない状態に遷移した場合に、前記所定領域の合焦度が予め設定された閾値以上のとき、前記被写体が検出されなくなってから予め設定された時間、前記所定領域の合焦度が予め設定された閾値よりも小さい場合に比べて、前記焦点調節部材の駆動量及び駆動速度の少なくとも一方を小さくするように制御する。
【0013】
また、本発明の焦点調節方法は、撮影手段が、被写体を撮影して画像信号を出力する撮像工程と、被写体検出手段が、前記撮像工程で得られる画像信号に基づいて撮影画面内の特定の被写体を検出する被写体検出工程と、設定手段が、前記被写体検出工程により前記被写体が検出された場合に、前記被写体検出工程により検出された前記被写体の領域を焦点検出領域として設定し、前記被写体検出工程により前記被写体が検出されなかった場合に、予め設定された所定領域を焦点検出領域として設定する設定工程と、生成手段が、前記設定工程により設定された前記焦点検出領域の画像信号から、焦点信号を生成する生成工程と、焦点調節手段が、前記生成工程により生成された前記焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節制御を行う焦点調節工程とを有し、前記焦点調節工程では、前記被写体検出工程により前記被写体が検出された状態から、検出されない状態に遷移した場合に、前記所定領域の合焦度が予め設定された閾値以上のとき、前記被写体が検出されなくなってから予め設定された時間、前記所定領域の合焦度が予め設定された閾値よりも小さい場合に比べて、前記焦点調節部材の駆動量及び駆動速度の少なくとも一方を小さくするように制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被写体検出機能を用いた焦点検出において、主被写体が検出できている状態から検出できない状態になった場合に、ピント合わせを安定的に行いつつ、画面全体がボケた見苦しい動画像が記録されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態におけるビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における焦点調節制御の全体の流れを示すフローチャートである。
【図3】図2で行われるTV−AF制御の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図3で行われる微小駆動動作の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3で行われる山登り駆動動作の詳細を示すのフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態における微小駆動モードにおけるフォーカスレンズの動きを示した図である。
【図7】山登り駆動モードにおけるフォーカスレンズの動きを示した図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における焦点調節制御の全体の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置の一例として、ビデオカメラの構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、ビデオカメラについて説明するが、本発明は、、デジタルスチルカメラ等、動画像を取得することのできる他の撮像装置にも適用することができる。
【0018】
図1において、101は第1固定レンズ、102は光軸方向に移動して変倍を行う変倍レンズ、103は絞りである。また、104は第2固定レンズ、105は変倍に伴う焦点面の移動を補正する機能とフォーカシングの機能とを兼ね備えたフォーカスコンペンセータレンズ(以下、「フォーカスレンズ」という。)である(焦点調節部材)。第1固定レンズ101、変倍レンズ102、絞り103、第2固定レンズ104及びフォーカスレンズ105により撮像光学系が構成される。
【0019】
106は、CCDセンサやCMOSセンサにより構成される、光電変換部を有する画素を複数備えた撮像素子である。この画素において、被写体像を光電変換し撮像画像を得ることができる。107は撮像素子106の出力をサンプリングし、ゲイン調整し、デジタル化するCDS/AGC/AD変換回路である。108はカメラ信号処理回路であり、CDS/AGC/AD変換回路107からの出力信号に対して各種の画像処理を施し、画像信号を生成する。
【0020】
109はLCD等により構成される表示装置であり、カメラ信号処理回路108からの画像信号を表示する表示装置、110は記録装置であり、カメラ信号処理回路108からの画像信号を磁気テープ、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
【0021】
111はCDS/AGC/AD変換回路107からの全画素の出力信号のうち、焦点検出に用いられる領域(焦点検出領域)の信号のみを通すAFゲートである。焦点信号処理回路112は、AFゲート111を通過した画像信号から高周波成分や、高周波信号から生成した輝度差成分(AFゲート111を通過した信号の輝度レベルの最大値と最小値の差分)等を抽出して、焦点信号を生成する。焦点信号は、カメラ/AFマイコン114に出力される。なお、焦点信号は、撮像素子106からの出力信号に基づいて生成される画像の鮮鋭度(コントラスト状態)を表すものであるが、鮮鋭度は撮像光学系の焦点状態によって変化するので、結果的に撮像光学系の焦点状態を表す信号となる。
【0022】
113は画像信号に対して顔検出処理を施し、被写体情報(撮影画面内の人物の顔の大きさ、位置、顔の確からしさを示す信頼性)を検出する顔検出処理回路(被写体検出手段)である。顔検出処理回路113は、その検出結果を後述のカメラ/AFマイコン114に送信する。カメラ/AFマイコン114は、送信された検出結果に基づき、焦点検出領域が検出された顔領域を含むように焦点検出領域を設定し、AFゲート111へ情報を送信する。なお、顔認識処理としては、例えば、画像データで表される各画素の階調色から、肌色領域を抽出し、予め用意する顔の輪郭プレートとのマッチング度で顔を検出する方法が知られている。また、周知のパターン認識技術を用いて、目、鼻、口等の顔の特徴点を抽出することで顔を検出する方法等があるが、本願発明は顔認識処理により限定されるものではなく、どのような方法を用いても構わない。
【0023】
114は、焦点信号処理回路112の出力信号に基づいて、後述のフォーカスレンズ駆動源116を制御しフォーカスレンズ105を駆動するとともに、記録装置110へ画像記録命令を出力するカメラ/AFマイコンである。
【0024】
115は変倍レンズ102を移動させるためのアクチュエータおよびそのドライバを含む変倍レンズ駆動源、116はフォーカスレンズ105を移動させるためのアクチュエータおよびそのドライバを含むフォーカスレンズ駆動源である。変倍レンズ駆動源115およびフォーカスレンズ駆動源116は、ステッピングモータ、DCモータ、振動型モータおよびボイスコイルモータ等のアクチュエータにより構成される。
【0025】
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態においてカメラ/AFマイコン114で行われる焦点調節制御の概要について、図2〜図5を用いて説明する。このAF制御は、カメラ/AFマイコン114内に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。なお、以下の説明では顔検出処理回路113で検出された顔の領域に設定する焦点検出領域を示すAF枠を「顔枠」、画面上の所定領域に設定する焦点検出領域を示すAF枠を「通常枠」と呼ぶ。
【0026】
図2において、ステップS11では、まず通常枠の焦点信号を取得する。次にステップS12では、顔検出処理回路113から顔検出処理結果の情報(顔検出結果)を取得する。ステップS13では、ステップS12で取得した顔検出結果から顔が検出されたか否かを判別し、検出されなかった場合はステップS23へ、検出された場合はステップS14へ遷移する。
【0027】
ステップS14では、ステップS13で検出された顔領域に焦点信号を取得するための顔枠を設定する。ステップS15では、ステップS14で設定した顔枠の焦点信号を取得する。ステップS16では、現在顔が検出されていることから、後述するTV−AF制御用のAF枠として顔枠を設定する。なお、TV−AF制御用のAF枠としてはこの顔枠に加えて、AF動作を安定させるためにより大きな領域を含むAF枠を重ね合わせて設定し、それぞれの焦点信号を重み付け加算して用いるなどの手法を用いても良い。
【0028】
ステップS17では、現在顔が検出されていることを示す顔枠設定中フラグをセットすると共に、ステップS18にて、フォーカス位置を保持するかどうかの判定に用いるフォーカス位置保持フラグをクリアする。これは、顔が検出できている間はフォーカス位置を保持せずに、TV−AF制御による焦点調節を実行させるためである。その後、ステップS19に進む。
【0029】
一方、ステップS13で顔が検出されていないと判別された場合は、ステップS23において顔枠設定中フラグがセットされているかどうかを判別する。セットされている場合は、直前まで顔が検出されていたことになるので、顔が検出できている状態から検出できない状態になったとしてステップS24に進む。
【0030】
ステップS24では、まず、顔が検出されていないことから顔枠設定中フラグをクリアする。次にステップS25にて、画面全体がボケているかを判別するために、ステップS11で取得した通常枠の焦点信号の合焦度を演算する。合焦度としては、焦点信号のレベルの大小で判別することも考えられるが、焦点信号のレベルは撮影された画像のコントラストの大小によっても変わることに注意する必要がある。従って、合焦度をより適切に判別するには、例えば焦点信号と、焦点信号処理回路112で抽出された輝度差成分の最大値との比を用いるなどの手法を用いることがより望ましい。この輝度差成分の最大値は、撮影された画像のコントラストの最大値に相当する。このことから、焦点信号を輝度差成分の最大値で割ることで、焦点信号を、撮影された画像のコントラストの大小に対して正規化することができ、簡易的な合焦度の指標として用いることができる。そしてこの簡易合焦度が高いほど合焦に近いことから、その大小で合焦度を判別することができる。さらに、合焦度を演算する通常枠を、画面の大部分を含むように大きく設定しておくことで、画面全体がボケている状態かどうかを判別することが可能である。
【0031】
ステップS26では、通常枠の合焦度が所定の閾値以上かどうかを判別する。閾値以上の場合は、画面はあまりボケていないことから、顔が検出できない状態になったものの、主人物被写体はまだ画面内に存在するか、存在しなくとも、合焦に近い別の被写体が画面内に存在することになる。このような場合は、フォーカスレンズ105を急に動かさずに焦点状態を維持した方が動画としての見栄えが良い。そこでこの場合は、ステップS27にて、フォーカスレンズ位置を保持するためのフォーカス位置保持フラグをセットする。さらにステップS28にて、フォーカス位置を保持している時間をカウントするためのフォーカス位置保持時間カウンタを0にリセットして、ステップS19に進む。
【0032】
一方、ステップS26で通常枠の合焦度が所定の閾値より小さいと判別された場合には、画面がボケてしまっている状態であるので、すぐに焦点調節を開始し、見苦しい動画像が記録されることを防ぐ必要がある。このためステップS32に進んでフォーカス位置保持フラグをクリアし、さらにステップS33にて、TV−AF制御用のAF枠として通常枠を設定し、ステップS19に進む。なお、ステップS33で設定する通常枠は画面上の所定領域に設定するものであるが、必ずしもステップS11で用いた画面の大部分を含む枠でなくともよく、画面の中央付近のみの枠としたり、これらの枠を重ね合わせたものであっても良い。このように複数の枠を用いる場合、それぞれの焦点信号を重み付け加算して用いるなどの手法を用いても良い。
【0033】
また、ステップS23で顔枠設定中フラグがセットされていないと判別された場合は、それ以前から顔が検出されていない状態であったことになるので、ステップS29に進む。ステップS29ではフォーカス位置保持フラグがセットされているかを判別する。セットされていない場合は通常枠でのTV−AF制御を行うため、ステップS33に進み通常枠を設定してステップS19に進む。一方、ステップS29でフォーカス位置保持フラグがセットされていると判別された場合は、ステップS30にてフォーカス位置保持時間カウンタをカウントアップする(1増やす)。ステップS31にて、フォーカス位置を保持する時間が所定時間継続したかどうかを、カウンタと所定の閾値とを比較することで判別する。閾値より小さい場合は、そのままフォーカス位置を保持するためステップS19に進む。一方、閾値以上の場合はステップS32に進んでフォーカス位置保持フラグをクリアし、さらにステップS33にて、通常枠でのTV−AF制御が行われるようにAF枠として通常枠を設定し、ステップS19に進む。
【0034】
ステップS19では、フォーカス位置保持フラグがセットされているかを判別する。上述したように、フォーカス位置保持フラグがセットされる(ステップS27)のは、顔が検出できている状態から検出できない状態になった場合であって、通常枠の合焦度が閾値以上の場合である。フォーカス位置保持フラグがセットされている場合には、ステップS22においてフォーカスレンズ位置を保持し、ステップS11へ戻る。
【0035】
一方、フォーカス位置保持フラグがセットされていない場合はフォーカス位置を保持しないので、ステップS20にて、ここまでの処理で設定されたTV−AF用のAF枠の焦点信号を取得する。即ち、ステップS13で顔が検出されていると判別された場合には、ステップS16で設定された顔枠がTV−AF制御に用いられる。一方、顔が検出できている状態から検出できない状態になり、且つ、通常枠の合焦度が閾値より低い場合には、ステップS33で設定された通常枠がTV−AF制御に用いられる。更に、顔が検出されなくなってから所定時間経過した場合にも、ステップS33で設定された通常枠がTV−AF制御に用いられる。そしてステップS21では、取得した焦点信号を用いてTV−AF制御により焦点調節を行う。なお、ステップS21におけるTV−AF制御の詳細な動作は図3を参照して後述する。その後、ステップS11へ戻る。
【0036】
上記の通り本第1の実施形態によれば、顔が検出できている状態から検出できない状態になった場合に、画面上の所定領域に設定する通常枠の合焦度に応じてフォーカスレンズ105の動作を変更する。このような制御を行うことで、動画撮影時においてピント合わせを安定的に行いつつ、画面全体がボケないような焦点調節制御を行うことができる。
【0037】
図3は、ステップS21で行われるTV−AF制御を示すフローチャートである。
【0038】
図3において、ステップS101では、フォーカスレンズ105を微小量駆動する微小駆動モードであるか否かを判別し、微小駆動モードでない場合はステップS108へ遷移する。
【0039】
一方、微小駆動モードである場合はステップS102へ遷移し、フォーカスレンズ105を微少量移動させる微小駆動動作を行う。なお、ステップS102における微小駆動動作の詳細は、図4を参照して後述する。ステップS103では、ステップS102の微小駆動動作によって合焦判別が行われたか否かを判別し、微小駆動動作によって合焦判別が行われた場合はステップS106へ、そうでない場合はステップS104へ遷移する。ステップS104では、ステップS102の微小駆動動作によって方向判別ができたか否かを判別する。方向判別ができた場合はステップS105へ進み、焦点信号が大きくなる方向へ高速でフォーカスレンズ105を移動させる山登り動作モードへ移行し、方向判別ができなかった場合には微小駆動モードを継続する。また、ステップS106では、合焦時の焦点信号レベルをメモリに格納した後、ステップS107へ遷移して再起動判定モードへ移行する。ここで、再起動判定モードとは、後述するステップS116及びS117で行われる、再び方向判別のために微小駆動を行うか否かを判定する処理のことである。
【0040】
ステップS108では、山登り駆動モードであるか否かを判別し、山登り駆動モードでない場合はステップS113へ遷移する。
【0041】
一方、山登り駆動モードである場合はステップS109へ遷移し、焦点信号が大きくなる方向へ微小駆動動作時よりも高速でフォーカスレンズを移動させる、山登り駆動動作を行う。なお、ステップS109における山登り駆動動作の詳細な動作は図5を参照して後述する。ステップS110では、ステップS109の山登り駆動動作によって焦点信号のピークが発見されたか否かを判別し、焦点信号のピークが発見された場合はステップS111へ遷移し、発見されなかった場合は山登り駆動モードを継続する。ステップS111では、焦点信号がピークとなったフォーカスレンズ位置を目標位置に設定した後、設定した目標位置に向けてフォーカスレンズ105を移動し、ステップS112へ遷移して停止モードへ移行する。
【0042】
ステップS113では、停止モードであるか否かを判別し、停止モードでない場合はステップS116へ遷移し、停止モードである場合はステップS114へ遷移する。ステップS114では、フォーカスレンズ105がステップS111で設定された焦点信号がピークとなる目標位置に戻ったか否かを判別し、戻っていない場合にはステップS101へ戻って停止モードを継続する。また、目標位置に戻った場合には、ステップS115へ遷移して合焦判別のために微小駆動モードへ移行する。
【0043】
再起動判定モードの場合はステップS116に進み、現在の焦点信号レベルとステップS106で保持した焦点信号レベルとを比較し、その変動量が所定値より大きいか否かを判別する。ここで、変動量が大きいと判断された場合はステップS117へ遷移して方向判別のために微小駆動モードへ移行し、そうでない場合は再起動判定モードを継続する。
【0044】
次に、図6および図4を参照してステップS102で行われる微小駆動動作について説明する。
【0045】
微小駆動動作においては、まずフォーカスレンズ105を至近側、無限側に交互に微小に駆動する。至近側・無限側に駆動する基準となる位置を振動中心と呼び、振動中心に対して至近側・無限側に駆動する駆動量を振動振幅と呼ぶ。そして至近側と無限側の焦点信号を比較して、至近側の焦点信号レベルが高ければ至近側に、逆であれば無限側に振動中心を移動する。このときの移動量を中心移動振幅と呼ぶ。
【0046】
この微小駆動におけるフォーカスレンズ動作の時間経過を図6に示す。同図上部は映像信号の垂直同期信号を表しており、同図下部の横軸は時間、縦軸はフォーカスレンズ105の位置を表している。
【0047】
ラベルAの時刻に撮像素子106に蓄積された電荷に対する焦点信号EVは、時刻Tでカメラ/AFマイコン114に取り込まれる。またラベルBの時刻に撮像素子106に蓄積された電荷に対する焦点信号EVは、時刻Tでカメラ/AFマイコン114に取り込まれる。時刻TCでは焦点信号EVとEVを比較し、EVが大きい場合のみ振動中心を移動する。なお、ここでのフォーカスレンズ105の移動は焦点深度を基準とし、画面で認識できない移動量に設定する。
【0048】
図4において、ステップS201では、微小駆動の動作状態を示すカウンタが現在0であるかを判別し、そうである場合はステップS202へ、そうでない場合はステップS203へ遷移する。ステップS202では現在の焦点信号レベルを保持するが、ステップS202は図6におけるTのタイミングに当たる。従って、ここで保持される焦点信号は図6のラベルAの時刻に撮像素子106に蓄積された電荷に対する焦点信号EVであり、フォーカスレンズ105が無限側にあるときに撮像素子106に蓄積された電荷から生成された映像信号によるものである。
【0049】
ステップS203では、現在のカウンタが1であるかを判別し、そうである場合はステップS204へ、そうでない場合はステップS209へ遷移する。ステップS204では、後述のステップS208でフォーカスレンズ105を駆動するための振動振幅、中心移動振幅を演算する。通常、これらの振幅は焦点深度内に設定されるのが一般的である。ステップS205では、ステップS202で保持した無限側の焦点信号レベルと後述のステップS210で保持した至近側の焦点信号レベルを比較し、前者が大きい場合はステップS206へ、後者が大きい場合はステップS207へ遷移する。
【0050】
ステップS206では、振動振幅と中心移動振幅を加算し、駆動振幅とする。ステップS207では、振動振幅を駆動振幅とする。ステップS208では、ステップS206またはステップS207で求めた駆動振幅に基づき、無限方向へ駆動する。
【0051】
ステップS209では、現在のカウンタが2であるかを判別し、そうである場合はステップS210へ、そうでない場合はステップS211へ遷移する。ステップS210では現在の焦点信号レベルを保持するが、ステップS210は図6におけるTのタイミングに当たる。従って、ここで保持される焦点信号は、図6のラベルBの時刻に撮像素子106に蓄積された電荷に対する焦点信号EVであり、フォーカスレンズ105が至近側にあるときに撮像素子106に蓄積された電荷から生成された映像信号によるものである。
【0052】
ステップS211では、後述のステップS215でフォーカスレンズ105を駆動するための振動振幅、中心移動振幅を演算する。通常、これらの振幅は焦点深度内に設定されるのが一般的である。ステップS212では、ステップS210で保持した至近側の焦点信号レベルと後述のステップS202で保持した無限側の焦点信号レベルを比較し、前者が大きい場合はステップS213へ、後者が大きい場合はステップS214へ遷移する。ステップS213では、振動振幅と中心移動振幅を加算し、駆動振幅とする。ステップS214では、振動振幅を駆動振幅とする。ステップS215では、ステップS213またはステップS214で求めた駆動振幅に基づき、至近方向へ駆動する。
【0053】
ステップS216では、現在方向判別モードであるかを判別し、そうである場合はステップS217へ、そうでない場合はステップS219へ遷移する。
【0054】
ステップS217では、所定回数連続して同一方向に合焦点が存在しているかを判別し、そうである場合はステップS218へ、そうでない場合はステップS221へ遷移する。ステップS218では、方向判別ができたものと判断する。
【0055】
ステップS219ではフォーカスレンズが所定回数同一エリアで往復しているかを判別し、そうである場合はステップS220へ、そうでない場合はステップS221へ遷移する。ステップS220では合焦判別できたものと判断する。
【0056】
ステップS221では、微小駆動の動作状態を示すカウンタが3であれば0に戻し、その他の値であればカウンタを加算する。
【0057】
次に、図5を参照して、図3のステップS109で行われる山登り駆動動作について説明する。
【0058】
ステップS301では、フォーカスレンズ105の駆動速度を設定する。ステップS302では、現在の焦点信号のレベルが前回より増加しているかを判別し、増加している場合はステップS303へ、そうでない場合はステップS304へ遷移する。ステップS303では、ステップS301で設定した速度に基づき、フォーカスレンズ105を前回と同じ方向に山登り駆動する。焦点信号のレベルが増加していない場合、ステップS304では、焦点信号のレベルがピークを越えて減少しているかどうかを判別し、ピークを越えて減少している場合はステップS305へ、そうでない場合はステップS306へ遷移する。ステップS305では、ピーク位置を発見したものと判断する。また、ステップS306では、ステップS301で設定した速度に基づき、フォーカスレンズ105を前回と逆の方向に山登り駆動する。なお、山登り駆動モードでこのステップS306を繰り返している場合、被写体の焦点信号の変化量が十分に得られないためにフォーカスレンズ105がハンチング状態にあることを意味する。
【0059】
この山登り駆動におけるフォーカスレンズ105の動作を図7に示す。同図において、フォーカスレンズ105がAのように駆動している場合は焦点信号が増加しているため、同じ方向への山登り駆動を継続する。ここで、フォーカスレンズ105をBの範囲で駆動すると焦点信号はピーク位置を越えて減少する。このとき、合焦点が存在するとして山登り駆動動作を終了し、フォーカスレンズ105をピーク位置まで戻した後、微小駆動動作に移行する。一方、Cのようにピーク位置を越えずに焦点信号のレベルが減少した場合は駆動すべき方向が逆方向であるとして反転し、山登り駆動動作を継続する。
【0060】
このように、TV−AF方式による焦点調節制御では、再起動判定→微小駆動→山登り駆動→停止→微小駆動→再起動判定を繰り返しながらフォーカスレンズ105を移動させることで、焦点信号が常に最大となるように合焦状態を維持する。
【0061】
さらに、上記焦点調節制御に使用される焦点信号は、顔検出状態に応じて効果的に生成することができる。そのため、特に動画撮影時において、常に撮影者の意図する主被写体の人物に安定した焦点調節動作を提供することが可能となる。
【0062】
なお、どの顔エリアの情報に従って焦点調節動作を行っているかを示す情報を表示装置109によって表示するようにしてもよい。
【0063】
また、本第1の実施形態では、メインAFエリアは、撮像画面内で検出された顔の領域(顔が検出された場合)にしているが、顔以外に、画像検出により特定の被写体を検出しても構わない。例えば、背景から被写体像を切り出して検出したりすることも考えられる。その他、外部入力手段から撮像画面内の位置を入力したり、ファインダーを見ている撮影者の視線を検出して撮像画面内の位置を決定しても構わない。
【0064】
<第2の実施形態>
次に、カメラ/AFマイコン114で行われる本発明の第2の実施形態における焦点調節制御の概要について、図8を用いて説明する。なお、図8において図2と同様の処理には同じ参照番号を付し、説明を適宜省略する。
【0065】
第1の実施形態においては、図2のステップS26で通常枠の合焦度が閾値以上である場合には、フォーカスレンズ位置を所定時間保持していた。このようにすることで、主人物被写体がまだ画面内に存在したり、合焦に近い別の被写体が画面内に存在する場合の動画の見栄えをよくしていた。これに対し、本第2の実施形態においては、通常枠の合焦度が閾値以上である場合に、フォーカスレンズ位置を保持する代わりに、TV−AF制御の微小駆動モード時の駆動量、駆動量の中心までの距離や、山登りモード時の駆動速度を小さくする。このようにすることで、フォーカスレンズ105の急激な動きを抑制する点が第1の実施形態と異なる。
【0066】
図8において、顔が検出され(ステップS13でYES)、ステップS17で顔枠設定中フラグをセットした後、ステップS501においてTV−AF制御におけるフォーカスレンズ105の動きを抑制するためにフォーカス移動抑制フラグをクリアする。これのステップS501の処理は、図2のステップS18でフォーカス位置を保持するためのフォーカス位置保持フラグをクリアしていた代わりに行われる。その後、ステップS505に進む。
【0067】
一方、顔が検出されず(ステップS13でNO)、通常枠の合焦度が閾値以上である場合(ステップS26でYES)、ステップS502でフォーカス移動抑制フラグをセットする。さらにステップS503にて、フォーカスの移動を抑制する時間をカウントするためのフォーカス移動抑制保持時間カウンタを0にリセットして、ステップS505に進む。
【0068】
また、通常枠の合焦度が閾値より小さいと判別された場合(ステップS26でNO)、ステップS504においてフォーカス移動抑制フラグをクリアする。さらにステップS33にて、TV−AF制御用のAF枠として通常枠を設定し、ステップS505に進む。
【0069】
また、ステップS23で顔枠設定中フラグがセットされていないと判別された場合(以前から顔が検出されていない状態)、フォーカス移動抑制時間経過後(ステップS31でYES)にも、ステップS504においてフォーカス移動抑制フラグをクリアする。さらにステップS33にて、TV−AF制御用のAF枠として通常枠を設定し、ステップS505に進む。
【0070】
ステップS505では、ステップS16またはステップS33で設定されたTV−AF用のAF枠の焦点信号を取得する。次にステップS506において、フォーカス移動抑制フラグがセットされているかどうかを判別する。セットされている場合、ステップS508に進み、フォーカス移動抑制モード用のTV−AF制御パラメータをセットする。これによりフォーカスレンズ105の動きを抑制する。なお、TV−AF制御パラメータとは、例えば微小駆動モード時の駆動量、駆動量までの中心や、山登りモード時の駆動速度等である。フォーカス移動抑制モード時はこれらTV−AF制御パラメータの少なくとも1つを通常のTV−AF制御時よりも小さくし、フォーカスレンズ105の動きを抑制する。なお、TV−AF制御パラメータはステップS25で演算された合焦度に応じて連続的に変化させたり、複数の水準で段階的に変化させたりしても良い。この場合、合焦度が高いほど駆動量や速度のパラメータが小さくなるように設定する。
【0071】
一方、ステップS506でフォーカス移動抑制フラグがセットされていないと判別された場合は、フォーカスレンズの動きを抑制しなくて良いので、ステップS507で通常のTV−AF制御で用いられるTV−AF制御パラメータをセットする。
【0072】
ステップS507またはS508でTV−AF制御パラメータをセット後、ステップS21に進む。ステップS21ではステップS505で取得した焦点信号と、ステップS507またはS508で設定されたTV−AF制御パラメータとを用いて、上述したようにTV−AF制御により焦点調節を行った後、ステップS11に戻る。
【0073】
上記の通り本第2の実施形態によれば、顔が検出できている状態から検出できない状態になった場合に、画面上の所定領域に設定する通常枠の合焦度に応じてフォーカスレンズ105の動きを抑制するかどうかを変更する。このような制御を行うことで、動画撮影時においてピント合わせを安定的に行いつつ、画面全体がボケないような焦点調節制御を行うことができる。
【0074】
<他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェイス機器、カメラヘッドなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなど)に適用してもよい。
【0075】
また、本発明の目的は、以下の様にして達成することも可能である。まず、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0076】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、以下のようにして達成することも可能である。即ち、読み出したプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合である。ここでプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、CD−ROM、CD−R、DVD、光ディスク、光磁気ディスク、MOなどが考えられる。また、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)やWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)などのコンピュータネットワークを、プログラムコードを供給するために用いることができる。
【符号の説明】
【0077】
101 第1固定レンズ
102 変倍レンズ
103 絞り
104 第2固定レンズ
105 フォーカスコンペンセータレンズ
106 撮像素子
107 CDS/AGC/AD変換回路
108 カメラ信号処理回路
109 表示装置
110 記録装置
111 AFゲート
112 焦点信号処理回路
113 顔検出処理回路
114 カメラAFマイコン
115 変倍レンズ駆動源
116 フォーカスレンズ駆動源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して画像信号を出力する撮像手段と、
前記撮像手段から得られる画像信号に基づいて撮影画面内の特定の被写体を検出する被写体検出手段と、
前記被写体検出手段により前記被写体が検出された場合に、前記被写体検出手段により検出された前記被写体の領域を焦点検出領域として設定し、前記被写体検出手段により前記被写体が検出されなかった場合に、予め設定された所定領域を焦点検出領域として設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記焦点検出領域の画像信号から、焦点信号を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節制御を行う焦点調節手段とを有し、
前記焦点調節手段は、前記被写体検出手段により前記被写体が検出された状態から、検出されない状態に遷移した場合に、前記所定領域の合焦度が予め設定された閾値以上のとき、前記被写体が検出されなくなってから予め設定された時間、前記所定領域の合焦度が前記閾値よりも小さい場合に比べて、前記焦点調節部材の駆動量及び駆動速度の少なくとも一方を小さくするように制御することを特徴とする焦点調節装置。
【請求項2】
前記焦点調節手段は、前記被写体検出手段により被写体が検出された状態から検出されない状態に遷移した場合に、前記所定領域の合焦度が高いほど、前記焦点調節部材の移動量がより小さくなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の焦点調節装置。
【請求項3】
前記焦点調節手段は、前記被写体検出手段により被写体が検出された状態から、検出されない状態に遷移した場合に、前記所定領域の合焦度が高いほど、前記焦点調節部材の駆動速度がより遅くなるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の焦点調節装置。
【請求項4】
撮影手段が、被写体を撮影して画像信号を出力する撮像工程と、
被写体検出手段が、前記撮像工程で得られる画像信号に基づいて撮影画面内の特定の被写体を検出する被写体検出工程と、
設定手段が、前記被写体検出工程により前記被写体が検出された場合に、前記被写体検出工程により検出された前記被写体の領域を焦点検出領域として設定し、前記被写体検出工程により前記被写体が検出されなかった場合に、予め設定された所定領域を焦点検出領域として設定する設定工程と、
生成手段が、前記設定工程により設定された前記焦点検出領域の画像信号から、焦点信号を生成する生成工程と、
焦点調節手段が、前記生成工程により生成された前記焦点信号に基づいて焦点調節部材を移動して焦点調節制御を行う焦点調節工程とを有し、
前記焦点調節工程では、前記被写体検出工程により前記被写体が検出された状態から、検出されない状態に遷移した場合に、前記所定領域の合焦度が予め設定された閾値以上のとき、前記被写体が検出されなくなってから予め設定された時間、前記所定領域の合焦度が前記閾値よりも小さい場合に比べて、前記焦点調節部材の駆動量及び駆動速度の少なくとも一方を小さくするように制御することを特徴とする焦点調節方法。
【請求項5】
コンピュータに、請求項4に記載の焦点調節方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−92793(P2013−92793A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−283589(P2012−283589)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2008−335228(P2008−335228)の分割
【原出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】