説明

焼却燃焼用容器

【課題】簡単・安価な形態で効果的に利用できる焼却燃焼用容器を提供すること。
【解決手段】焼却炉内で燃焼される焼却燃焼用容器であって、被燃焼物を収容する凹部11を備える容器本体10と、凹部11の全面を密閉しない状態で覆うと共に圧着することで容易には離脱しないように閉塞する蓋20とを具備する。この容器本体10と蓋20とは、被燃焼物を焼却するための燃焼時の熱量を有する。蓋20が、容器本体10の凹部11の内周縁11aに内嵌状態で圧着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、焼却炉や燃焼装置内で燃焼される焼却燃焼用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
焼却炉や燃焼装置については、従来から種々の形態があり、様々な提案がなされている。例えば、本出願の発明者によれば、先に、家庭のゴミや刈草等の焼却に用いて好適な焼却炉(特許文献1参照)や、種々雑多な燃料を燃焼させることができる燃焼装置(特許文献2参照)を提案してある。さらに、本出願の発明者は、上記の燃焼装置の改良発明として、二次燃焼室を構成する壁の排気口より下方側の壁に乾燥木投入口を設けた無煙燃焼装置(特許文献3参照)や、複数の燃焼促進板を設けた燃焼装置(特願2010−179211)を提案してある。
【0003】
しかし、水分が多いものなどの燃えにくい被燃焼物を収容して適切に燃やすための焼却燃焼用容器は、適切なものが提案されていない。
一方、山小屋のトイレのほとんどが、し尿垂れ流しの地下浸透方式となっている。また、低開発国の被災地では、劣悪なトイレ事情になっており、医療廃棄物の処分についても劣悪な状況になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−196216号公報(第1頁)
【特許文献2】特許第3066066号公報(請求項1、第1図)
【特許文献3】特許第4465013号公報(請求項1、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
焼却燃焼用容器に関して解決しようとする問題点は、従来、被燃焼物を好適に焼却する焼却炉は提案されているが、水分が多いものなどの燃えにくい被燃焼物を収容して適切に燃やすための焼却燃焼用容器が提案されていないことにある。
そこで、本発明の目的は、簡単・安価な形態で効果的に利用できる焼却燃焼用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる焼却燃焼用容器の一形態によれば、焼却炉や燃焼装置内で燃焼される焼却燃焼用容器であって、被燃焼物を収容する凹部を備える容器本体と、前記凹部の全面を密閉しない状態で覆うと共に圧着することで容易には離脱しないように閉塞する蓋とを具備し、前記被燃焼物を焼却するための燃焼時の熱量を有する。
【0007】
また、本発明にかかる焼却燃焼用容器の一形態によれば、前記蓋が、前記容器本体の凹部の内周縁に内嵌状態で圧着されることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の焼却燃焼用容器によれば、簡単・安価な形態で衛生的に利用できるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る焼却燃焼用容器の形態例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の焼却燃焼用容器に係る形態例を、添付図面(図1)に基づいて詳細に説明する。この焼却燃焼用容器は、焼却炉や燃焼装置内で燃焼されるものである。
【0011】
本形態例の焼却燃焼用容器によれば、被燃焼物を収容する凹部11を備える容器本体10と、凹部11の全面を密閉しない状態で覆うと共に圧着することで容易には離脱しないように閉塞する蓋20とを具備する。そして、この容器本体10と蓋20とは、被燃焼物を焼却するための燃焼時の熱量を有する。この焼却燃焼用容器は、間伐材を輪切り状にした木材によって形成されており、燃料として十分な熱量(カロリー)を有する。
【0012】
また、蓋20が、容器本体10の凹部11の内周縁11aに内嵌状態で圧入されることで圧着されるように形成されている。
【0013】
この焼却燃焼用容器は、丸太、厚板の升、厚い段ボール箱、やしの実、パイナップルの皮などによっても設けることができる。
燃焼時の補助燃料としては、紙ごみ、廃材、枯木や枯草などを用いることができる。
【0014】
以上の構成を備える木質の焼却燃焼用容器を用いて、トイレの汚物を焼却する方法について、以下に説明する。
先ず、焼却燃焼用容器の蓋20を外し、便座に置き、凹部11に汚物が入るように用をたしてから外に出す。次に、蓋20を載せて木ハンマーで軽くたたき、その蓋20が圧入状態で凹部11を覆って閉塞する。なお、小便は入れない。
そして、例えば背景技術に記載した焼却炉や燃焼装置内に入れ続け、半分ぐらいまで溜まったら、薪、竹、廃材、紙ごみを加え、マッチ一本で点火する。前記の焼却炉や燃焼装置を用いれば、煙はほとんど出ないで適切に焼却できる。なお、蓋20で完全に密閉(シール)をしないように閉塞するため、破裂することがなく、蓋20が吹き飛ぶことがない。最後は、燃え残りが無く、きれいな白い灰になる。
【0015】
この焼却燃焼用容器によれば、次のような特長を有する。
蓋20をするため、不潔感がなく、蝿も悪臭も全く出ない。燃料となる焼却燃焼用容器は木質などの自然再生可能な有機物であり、石油、電気、ガスなどの燃料は不要であり、CO2の排出量はゼロである。
【0016】
また、これによれば、山小屋のトイレや、低開発国のトイレや医療廃棄物などの焼却がしにくい被燃焼物を、容易に収納して適切に焼却することができる。使用済の紙おむつ、生ゴミなどについても、小蝿や悪臭を生じさせないように適切に焼却できる。
世界中どこでも使用でき、最低コストで衛生面と環境面の問題点を全てクリアできる。
【0017】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0018】
10 容器本体
11 凹部
11a 内周縁
20 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却炉や燃焼装置内で燃焼される焼却燃焼用容器であって、被燃焼物を収容する凹部を備える容器本体と、前記凹部の全面を密閉しない状態で覆うと共に圧着することで容易には離脱しないように閉塞する蓋とを具備し、前記被燃焼物を焼却するための燃焼時の熱量を有することを特徴とする焼却燃焼用容器。
【請求項2】
前記蓋が、前記容器本体の凹部の内周縁に内嵌状態で圧着されることを特徴とする請求項1記載の焼却燃焼用容器。

【図1】
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【公開番号】特開2012−78067(P2012−78067A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226138(P2010−226138)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(593190928)株式会社モキ製作所 (11)
【Fターム(参考)】