説明

照光ユニット

【課題】光源からの光をできるだけ効率良く導光シートに導入させて輝度を向上させることができる照光ユニットを提供すること。
【解決手段】光源ユニット14内の発光ダイオード141が発光した光は、導光シート13の端面Bから入射して導光シート13内を導光する。そして、導光シート13内を導光した光は、導光シート13の主面Aに設けられた発光領域で拡散された外界に出射される。また、隙間Sから出射する光や光源ユニット14の上面から外界に出射される光は、カバー部材15で反射して導光シート13内に導光する。このため、光源ユニット14からの光を効率良く導光シート13に導光させることができる。その結果、照光ユニットにおける輝度が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話のような携帯端末装置の操作領域を照光する照光ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示装置、主に液晶表示装置の照光手段として、液晶表示パネルの背面側から表示面側に向けて光を供給する面状光源、例えばバックライト装置が知られている。このようなバックライト装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に開示されているように、バックライト装置の光源である発光ダイオードの厚さは配線基板の厚さとほぼ同等か又はそれ以上である。
【特許文献1】特開2003−298119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、上記のような面状光源を利用して携帯電話のような携帯端末装置の操作領域を発光させるために導光シートが開発されている。この導光シートは、携帯端末装置の操作領域上に配置されるので、ユーザの操作を確実に行わせるために可撓性が必要であり、厚さも薄いものとなっている。この導光シートは、光源である発光ダイオードの厚さと比べると薄いため、発光ダイオードからの光をできるだけ効率良く導入させる必要がある。
【0004】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、光源からの光をできるだけ効率良く導光シートに導入させて輝度を向上させることができる照光ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照光ユニットは、主面及び端面を有する導光シートと、前記導光シートの端面近傍に配置された光源と、少なくとも前記光源と前記導光シートの端面との間の隙間を覆うように設けられ、前記導光シートの端面に入射せずに漏れた光を前記導光シートに戻すカバー部材と、を具備することを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、光源からの光が導光シートの端面から入射して導光シート内を導光する際に、隙間から出射する光や光源の上面から外界に出射される光も、カバー部材で反射して導光シート内に導光する。このため、光源からの光を効率良く導光シートに導光させることができる。その結果、照光ユニットにおける輝度が向上する。
【0007】
本発明の照光ユニットにおいては、前記カバー部材は、前記導光シートの端面に入射せずに漏れた光を吸収する光吸収層を有することが好ましい。
【0008】
本発明の照光ユニットにおいては、前記カバー部材は、前記導光シートの主面に粘着材により接着されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の照光ユニットは、主面及び端面を有する導光シートと、前記導光シートの端面近傍に配置された光源と、少なくとも前記光源と前記導光シートの端面との間の隙間を覆うように設けられ、前記導光シートの端面に入射せずに漏れた光を前記導光シートに戻すカバー部材と、を具備するので、光源からの光をできるだけ効率良く導光シートに導入させて輝度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る構成を有しない照光ユニットを示す図である。図1に示す照光ユニットは、操作領域を有する基体11を有する。基体11の操作領域の構成については特に制限はない。基体11上には、コンタクトシート12が配置されている。コンタクトシート12は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などのプラスチック材料で構成されている。
【0011】
コンタクトシート12上には、導光シート13が配置されている。導光シート13の端面Bの近傍には、光源ユニット14が配置されている。この光源ユニット14内には、光源である発光ダイオード(LED)141が取り付けられている。この導光シート13は、操作領域での操作(例えば、ボタンの押圧)を確実に行わせるために厚さを薄くする必要がある。このため、導光シート13の厚さは、光源ユニット14の厚さよりも薄くなる。
【0012】
導光シート13は、主面A及び端面Bを有しており、可撓性を有する材料、例えばプラスチックで構成されている。具体的には、この導光シート13は、ポリウレタン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂などで構成されている。
【0013】
光源ユニット14と導光シート13の端面Bとの間には隙間Sが存在する。この隙間Sを確実になくすことは非常に難しい。光源ユニット14から出射された光のうち、導光シート13の端面Bに入射せずに漏れた光P1は、図1に示すように、この隙間Sから外界に出射される。また、光源ユニット14の上面から外界に出射される光P2も存在する。このような光P1,P2は、導光シート13内に導入されないので、照光ユニットにおける輝度には寄与せず、このため輝度が低下してしまうことになる。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態に係る照光ユニットを示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。図2に示す照光ユニットは、少なくとも光源ユニット14と導光シート13の端面Bとの間の隙間Sを覆うようにカバー部材15が設けられている。このカバー部材15は、光源ユニット14の上面も覆うように設けられている。このカバー部材15は、導光シート13の端面Bに入射せずに漏れた光、すなわち、図1において隙間Sから出射する光P1や光源ユニット14の上面から外界に出射される光P2を導光シート13に戻す働きをする。
【0015】
光源ユニット14内の発光ダイオード141が発光した光は、導光シート13の端面Bから入射して導光シート13内を導光する。そして、導光シート13内を導光した光は、導光シート13の主面A(基体11と反対側の主面)に設けられた発光領域で拡散された外界に出射される。また、隙間Sから出射する光や光源ユニット14の上面から外界に出射される光は、カバー部材15で反射して導光シート13内に導光する。このため、光源ユニット14からの光を効率良く導光シート13に導光させることができる。その結果、照光ユニットにおける輝度が向上する。
【0016】
カバー部材15は、導光シート13から漏れた光を導光シート13に導光できる機能を有していれば、その構成については特に制限はない。カバー部材15は、図3(a)に示すように、光反射層151のみで構成されていても良く、図3(b)に示すように、光反射層151の外側に光吸収層152を設けた構成でも良い。特に、外側に光吸収層152を設けた構成によれば、図3(b)に示すように、光反射層151を通過する光があってもその光を吸収することができるので、外界に漏れる光を確実に遮蔽することができる。その結果、本発明に係る照光ユニットを機器に装着したときに、機器筐体から光が漏れ出すことを防止できる。ここで、光反射層151としては、白色の樹脂層などを挙げることができ、光吸収層152としては、黒色の樹脂層や黒色のテープなどを挙げることができる。また、光反射層151の長さLは、図2(b)に示すように、光源ユニット14の幅よりも長いことが好ましい。これにより、導光シート13から漏れた光を確実に導光シートに導光させることが可能となる。
【0017】
また、カバー部材15としては、図3(c)に示すように、金属層153で構成しても良く、図3(d)に示すように、金属層153の内側に透明樹脂層154を設けて構成しても良い。図3(d)に示すように透明樹脂層154を設けることにより、金属層153が光源ユニット14における配線などと短絡を起こすことを確実に防止することができる。
【0018】
図4は本発明の実施の形態に係る照光ユニットの光源ユニットを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図4に示す光源ユニットは、発光ダイオード141が透明樹脂層142内に埋め込まれており、その透明樹脂層142の周囲にリフレクタ143が配置された構成を有する。リフレクタ143を有する光源ユニット14では、発光ダイオード141からの光は、図4(a)に示すように、リフレクタ143が存在しない開口部から出射されるので、光源ユニット14の上面から出射される光を考慮する必要がない。このため、カバー部材15は、光源ユニット14と導光シート13の端面Bとの間の隙間Sを覆うように設けられていれば良く、光源ユニット14の上面まで覆わなくても良い。
【0019】
図5は本発明の実施の形態に係る照光ユニットの光源ユニットを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。図5に示す光源ユニットは、発光ダイオード141が透明樹脂層142内に埋め込まれてなり、リフレクタを有しない。この光源ユニット14では、発光ダイオード141からの光は、図5(a)に示すように、4方向から出射されるので、光源ユニット14の上面から出射される光をもカバー部材15で導光シート13に導光させる必要がある。このため、カバー部材15は、光源ユニット14と導光シート13の端面Bとの間の隙間Sを覆うと共に、光源ユニット14の上面も覆うように設ける必要がある。図5に示すような光源ユニット14の場合、基体11の表面に略垂直な方向に漏れる光(光源ユニット14の上面から出射される光)があるため、照光ユニットにおける均一照光性を阻害することになる。前述のように、光源ユニット14と導光シート13の端面Bとの間の隙間Sを覆うと共に、光源ユニット14の上面も覆うようにカバー部材15を設けることにより、照光ユニットにおける均一照光性も向上させることが可能となる。
【0020】
光源ユニット14を基体11上に実装する場合、光源ユニット14は、図6に示すように、不可避的に基体11に対して上方に浮き上がる。この光源ユニット14の実装時の浮き上がり量Hは約0.01mm〜0.09mmである。このように、光源ユニット14が浮き上がると、図6に示すように、光源ユニット14と導光シート13との間の位置関係が変わってしまい、すなわち、光源ユニット14の厚さ方向の中心と導光シート13の厚さ方向の中心との距離が離れてしまい、光源ユニット14からの光が導光シート13の端面Bから効率良く導光しなくなる。このため、照光ユニットにおける輝度が低下する可能性がある。
【0021】
このようなことを想定して、カバー部材15が、導光シート13の主面Aに粘着材により接着されることが好ましい。すなわち、図7(a)に示すように、導光シート13の主面Aとカバー部材15との間に粘着材層16を介在させる。このような構成においては、光源ユニット14を基体11に実装して光源ユニット14が浮き上がると、光源ユニット14の上昇に伴ってカバー部材15が上昇する。このカバー部材15は、粘着材層16を介して導光シート13の主面A上に接着されているので、カバー部材15の上昇に伴って導光シート13も浮き上がることになる。したがって、図7(b)に示すように、光源ユニット14と導光シート13との間の位置関係は変わらない、すなわち、光源ユニット14の厚さ方向の中心と導光シート13の厚さ方向の中心との距離が変わらない。このため、光源ユニット14からの光が導光シート13の端面Bから効率良く導光する。その結果、照光ユニットにおける輝度が低下することを防止できる。
【0022】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、基体における操作領域の構成、各部の寸法、材料などについては本発明の効果を逸脱しない範囲で適宜設定することができる。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る構成を有しない照光ユニットを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る照光ユニットを示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係る照光ユニットのカバー部材を示す図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る照光ユニットの光源ユニットを示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る照光ユニットの光源ユニットを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る照光ユニットの他の例を説明するための図である。
【図7】(a),(b)は、本発明の実施の形態に係る照光ユニットの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
11 基体
12 コンタクトシート
13 導光シート
14 光源ユニット
15 カバー部材
16 粘着材層
141 発光ダイオード
142,154 透明樹脂層
143 リフレクタ
151 光反射層
152 光吸収層
153 金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面及び端面を有する導光シートと、前記導光シートの端面近傍に配置された光源と、少なくとも前記光源と前記導光シートの端面との間の隙間を覆うように設けられ、前記導光シートの端面に入射せずに漏れた光を前記導光シートに戻すカバー部材と、を具備することを特徴とする照光ユニット。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記導光シートの端面に入射せずに漏れた光を吸収する光吸収層を有することを特徴とする請求項1記載の照光ユニット。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記導光シートの主面に粘着材により接着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の照光ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−204652(P2008−204652A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36590(P2007−36590)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】