説明

照光付回転型電気部品

【課題】 装着する操作つまみの外形を小さくできる照光ユニットを備えた照光付回転型電気部品を提供する。
【解決手段】 操作部6の回転により操作される回転検出ユニットKと、回転検出ユニットKに装着される照光ユニットSとを備え、照光ユニットSは、一対の固定接点8が設けられたハウジング7と、固定接点8と摺接する一対の可動接点11を有しハウジング7に対して回転可能に保持された回転体10と、可動接点11に一対の端子13cが導通される照光部材13が保持され回転体10に取り付けられたホルダ部10b、10c、10dを有し、照光部材13が回転体10と共に回転するように構成されており、回転体10には、照光部材13を保持するホルダ部10b、10c、10dを回転体10と同一材料で一体に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器等の照光表示機能付き入力装置として使用される照光付回転型電気部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照光付回転型電気部品としては、操作部の回転により操作されるエンコーダからなる回転検出ユニットと、この回転検出ユニットの操作部側に装着(積層)され、LED等からなる光源を有する回転体を備えた照光ユニットとから構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の照光付回転型電気部品の構造を図8、図9に示す。図8は従来の照光付回転型電気部品を示す斜視図、図9は照光ユニットの分解斜視図である。
図において、回転検出ユニットKは、合成樹脂の成型品からなり軸を構成する円筒の筒状部32aを有する下ケース32と、合成樹脂の成型品からなり中央の孔に筒状部32aが挿通された状態で結合された上ケース33とで構成されており、内部にエンコーダ部(図示せず)を有している。
【0004】
エンコーダ部は、上下ケース33、32内に配設されたバネ性のある金属板からなる図示しない固定接点と、同じく上下ケース33、32内に回転可能に配設された絶縁材からなる図示しない回転板の一面に設けられ、固定接点と摺接する図示しないコードパターンとから構成されている。
【0005】
合成樹脂の成型品からなる円筒状の操作部36は、下端部に設けられた図示しない係合爪部と、上端部に設けられた取付爪部36bとを有し、この操作部36は、その中心部に筒状部32aが挿入され、係合爪部が回転板にスナップ止めされて取り付けられている。そして、操作部36は、筒状部32aを軸として回転可能となると共に、操作部36が回転した時、回転板が回転して、コードパターンと固定接点との間で回転検出(電気的な信号の出力)が行われ、このような構成によって、エンコーダからなる回転検出ユニットKが形成されている。
【0006】
照光ユニットSは、合成樹脂の成型品からなるリング状のハウジング37と、絶縁材からなる支持体39と、合成樹脂の成型品からなるリング状の回転体40と、合成樹脂の成型品からなるホルダ42と、金属板からな取付部材44とから構成されている。
【0007】
ハウジング37は、中心部に挿通孔37aを有し、基体37bと、基体37bの外側部に設けられた凹部37cと、基体37bの上面に設けられた凹部からなる収納部37eとを有する。また、ハウジング37の収納部37e内には、バネ性のある金属材からなる摺動片38aと引出端子38bを有する固定接点38が固着された支持体39が取り付けられている。
【0008】
リング状の回転体40は、上面の全外周部に設けられた段差部40aと、厚肉部の上面から上方に突出して設けられた抱持部40bと、抱持部40bの中央部に設けられた凹部からなる圧入部40cと、この圧入部40cの底部に設けられた一対の孔(図示せず)とを有する。また、回転体40の下面には互いに並設された金属板等の導電体からなる円弧状の一対の可動接点(図示せず)が設けられている。そして、回転体40はハウジング37の溝内に収納され、一対の可動接点が固定接点38の摺動片38aに接触すると共に、ハウジング37に対して回転可能になっている。
【0009】
ホルダ42は、外形が圧入部40cと同形で、中央に凹部からなる挟持部42aを有し、圧入部40cに圧入されて、抱持部40bに取り付けられている。また、ホルダ42には、LED等からなる光源43が挟持部42aで挟持されて取り付けられ、端子43bの先端が圧入部40cの底部に設けられた一対の孔(図示せず)に挿通され可動接点に半田付けされて導通されている。
【0010】
取付部材44は、リング状の押さえ部44aと、複数個の第1の取付脚44bと、第2の取付脚44cを有し、押さえ部44aが回転体40の段差部40a上に載置され、第1の取付脚44bの先端部をハウジング37の下面側に折り曲げることにより、回転体40とハウジング37とが一体化されて、照光ユニットSが形成される。
【0011】
照光ユニットSは、回転体40がハウジング37と取付部材44との間に挟まれた状態で、回転可能になると共に、回転体40の回転に伴って、ホルダ42と光源43も回転するようになっている。また、照光ユニットSは、挿通孔37aに操作部36が挿通され、ハウジング37が上ケース33上に載置されて、ケース上に積層されて配置されている。
【0012】
【特許文献1】特開2004−265825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の照光付回転型電気部品の構造においては、照光ユニットの回転体に取り付けられる、LED等からなる光源を取り付けるホルダを別部品として備えているため、回転体にホルダを取る付けるための圧入部や抱持部を設ける必要があり、取り付け部を含めた外形が大きくなっていた。このため、操作部に装着される操作つまみの外形も大きくなってしまうという問題があった。
【0014】
従って、本発明は上記した問題点を解決し、装着する操作つまみの外形を小さくできる照光ユニットを備えた照光付回転型電気部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、操作部の回転により操作される回転検出ユニットと、この回転検出ユニットに装着される照光ユニットとを備え、前記照光ユニットは、一対の固定接点が設けられたハウジングと、前記固定接点と摺接する一対の可動接点を有し前記ハウジングに対して回転可能に保持された回転体と、前記可動接点に一対の端子が導通される照光部材が保持され前記回転体に設けられたホルダ部を有し、前記照光部材が前記回転体と共に回転するように構成されており、前記回転体には、前記照光部材を保持する前記ホルダ部を前記回転体と同一材料で一体に形成した構成とした。
【0016】
また、第2の解決手段として、前記ホルダ部は、前記照光部材の端子が挿通される孔を有し前記回転体の上面側に突出した台座部と、この台座部上に設けられた素子保持部からなり、この素子保持部を前記回転体の周方向に前記孔を挟んで対向して設けると共に、周方向と直交する両面側を開口状とした構成とした。
また、第3の解決手段として、前記照光部材は、基部と、この基部より細形の発光部を有する発光ダイオードからなり、前記ホルダ部の前記素子保持部で前記発光ダイオードの前記基部を保持した構成とした。
【0017】
また、第4の解決手段として、前記ホルダ部の前記台座部の下面側に前記可動接点を配設し、前記照光部材の前記端子を前記孔に挿通して屈曲することなく垂下させると共に、前記可動接点と導通させた構成とした。
また、第5の解決手段として、前記固定接点は、前記ハウジングに一体に埋設された円弧状の金属板からなり、前記可動接点はバネ性を有する薄板金属板で形成され、前記ホルダ部の下面側で前記端子と半田付けされることにより前記可動接点を前記回転体に直接保持した構成とした。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明の照光付回転型電気部品は、操作部の回転により操作される回転検出ユニットと、回転検出ユニットに装着される照光ユニットとを備え、照光ユニットは、一対の固定接点が設けられたハウジングと、固定接点と摺接する一対の可動接点を有しハウジングに対して回転可能に保持された回転体と、可動接点に一対の端子が導通される照光部材が保持され回転体に設けられたホルダ部を有し、照光部材が回転体と共に回転するように構成されており、回転体には、照光部材を保持するホルダ部を回転体と同一材料で一体に形成したことから、回転体にホルダを取る付けるための圧入部や抱持部を設ける必要がないので、取り付け部を含めた外形を小型化できる。また、部品点数の削減、コストの低減を図ることができる。
【0019】
また、ホルダ部は、照光部材の端子が挿通される孔を有し回転体の上面側に突出した台座部と、台座部上に設けられた素子保持部からなり、素子保持部を回転体の周方向に孔を挟んで対向して設けると共に、周方向と直交する両面側を開口状としたことから、回転体の周方向において照光部材を保持するようにしたので、周方向と直交する両面側には保持部を設ける必要がなく、その分、さらに小型化が可能となる。
また、照光部材は、基部と、基部より細形の発光部を有する発光ダイオードからなり、ホルダ部の素子保持部で発光ダイオードの基部を保持したことから、発光ダイオードの光がホルダ部によって遮られることがなく、多くの光を照射でき、照光効率アップが図れる。
【0020】
また、ホルダ部の台座部の下面側に可動接点を配設し、照光部材の端子を孔に挿通して屈曲することなく垂下させると共に、可動接点と導通させたことから、照光部材の端子の曲げ加工が不要となり、組立て性が向上すると共に、コストの低減が図れる。
また、固定接点は、ハウジングに一体に埋設された円弧状の金属板からなり、可動接点はバネ性を有する薄板金属板で形成され、ホルダ部の下面側で端子と半田付けされることにより可動接点を回転体に直接保持したことから、可動接点を直接、回転体に保持するので、従来のような可動接点を支持する支持体が不要となり、部品点数の削減が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図7に示す。図1は操作部材を取り付けた状態における本発明の照光付回転型電気部品の斜視図、図2は本発明の照光付回転型電気部品に係り、照光部材の取付状態を示す断面図、図3は本発明の照光付回転型電気部品に係り、操作部材の取付状態を示す断面図、図4は本発明の照光付回転型電気部品に係り、操作部材を取り去った状態の斜視図、図5は本発明の照光付回転型電気部品に係り、照光ユニットの分解斜視図、図6は本発明の照光付回転型電気部品に係り、照光ユニットを上方から見た斜視図、図7は本発明の照光付回転型電気部品に係り、ハウジングと取付部材を取り去った状態で、照光ユニットを下方から見た斜視図である。
【0022】
次に、本発明の照光付回転型電気部品の構成を図1〜図7に基づいて説明すると、ケース1は、合成樹脂の成型品からなる下ケース2と、合成樹脂の成型品からなる上ケース3とで構成されている。
【0023】
下ケース2は、軸を構成する円筒の筒状部2aと、この筒状部2aの下端部から外方に延びるリング状の底壁2bと、この底壁2bの外周部から上方に延びる筒状の側壁2cとを有し、また、上ケース3は、中央部に孔3aを有するリング状の上壁3bと、この上壁3bの外周部から下方に延びる筒状の側壁3cと、上壁3bの上面から上方に突出するリング状の凸部3dを有する。
【0024】
そして、上ケース3の中央部の孔3aには、筒状部2aが挿通された状態で、側壁2c、3cの先端同士が当接され、ここでは図示しないが、下ケース2と上ケース3とは、金属からなる取付板によって両者が結合されて、ケース1が形成されている。
【0025】
バネ性のある金属板からなる固定接点4は、バネ性のある接点部4aと、この接点部4aに接続された引出端子4bを有し、この固定接点4は、ケース1内に接点部4aが位置すると共に、引出端子4bをケース1外に突出した状態で、ケース1に取り付けられている。なお、接点部4aは、電気的に独立して3本設けられている。
【0026】
絶縁材からなる回転板5は、一面に導電パターンからなるコードパターン(図示せず)が形成されており、この回転板5は、ケース1内に回転可能に収納され、コードパターンに接点部4aが摺接するようになっている。
【0027】
合成樹脂の成型品からなる円筒状の操作部6は、下端部に設けられた係合爪部6aと、上端部に設けられた取付爪部6bと、中間部から外方に突出する突起6cを有する。この操作部6は、その中心部に筒状部2aが挿入され、突起6cが凸部3d上に位置した状態で、係合爪部6aが回転板5にスナップ止めされて取り付けられている。
【0028】
そして、操作部6は、筒状部2aを軸として回転可能となると共に、操作部6が回転した時、回転板5が回転して、コードパターンと固定接点4との間で回転検出(電気的な信号の出力)が行われ、このような構成によって、エンコーダからなる回転検出ユニットKが形成されている。
【0029】
なお、上記実施例では、コードパターンを設けた回転板5を可動側として説明したが、これを固定側とすると共に、固定接点4を可動側としても良い。また、回転検出ユニットKは、可変抵抗器等のエンコーダ以外の電気部品を使用しても良い。すなわち、導電パターンと接点部とが相対的に摺動する検出手段からなるものが使用されるが、この検出手段は、磁気式等の非接触タイプのものであってもよく、その形態は限定されるものではない。
【0030】
合成樹脂の成型品からなるリング状のハウジング7は、中心部に挿通孔7aを有し、断面がU字状で平面視リング状に形成された基体7bと、この基体7bの外側部に間隔をおいて設けられた複数個の凹部7cと、基体7bの溝内に設けられた一対のストッパー部7dと、基体7bの上面に設けられた凹部からなる収納部7eとを有する。
【0031】
また、収納部7eの内底部には、金属板等の導電体からなる円弧状の一対の固定接点8が互いに並設された状態で設けられ、一対の固定接点8のそれぞれの一端は、ハウジング7の側面から外方に導出され下方に屈曲されて一対の引出端子9が設けられている。
【0032】
合成樹脂の成型品からなるリング状の回転体10は、上面の全外周部に設けられた段差部10aと、厚肉部の上面から上方に突出して設けられた台座部10bと、この台座部10b上に設けられた素子保持部10cと、この素子保持部10cの底部に設けられた一対の孔10d(図7参照)と、孔10dの両側で、下面側に設けられた一対のストッパー部10eを有する。
【0033】
また、一対のストッパー部10e間には、バネ性のある金属材からなる一対の可動接点11が、回転体10の下面側に設けられた小突起をつぶしてかしめることにより取り付けられている。この可動接点11の一端側にはバネ性を有する接片部11aが設けられており、また、可動接点11の他端側は孔10dまで延びて形成されている。
【0034】
また、前記回転体10の上面側に突出した台座部10bは、周方向に延びて形成され、素子保持部10cは、台座部10b上に一対の孔10dを挟んで対向する円弧状の突起部からなり、周方向と直交する両面側が開口状となっている。これら台座部10bと素子保持部10cと孔10dで後述する照光部材13を保持するホルダ部を構成しており、このホルダ部は回転体10と同じ合成樹脂材で回転体10と一体に形成(成形)されている。このため、周方向と直交する両面側を開口状に形成することが可能となっている。
【0035】
そして、可動接点11を設けた回転体10は、可動接点11側を下方にして、ハウジング7の収納部7e内に収納され、一対の可動接点11は、接片部11aが一対の固定接点8に接触すると共に、回転体10は、ハウジング7に対して回転可能となり、この回転動作は、ストッパー部10eがストッパー部7dに係合するまで行われるようになっている。
【0036】
照光部材13は、円形状の一部が削除され略円形状(D字状)をした太形の基部13aと、この基部13aより細形の柱状をした発光部13bと、基部13aから導出された一対の端子13cを有する発光ダイオード(LED)からなっている。この照光部材13は、回転体10の円弧状をした素子保持部10cに略円形状の基部13aが面接触状態で挟持されて取り付けられると共に、端子13cは、孔10dに挿通され、先端部が可動接点11の他端部に半田付けされて、電気的に導通した状態となっている。従って、照光部材13は、端子13cから可動接点11、固定接点8、及び引出端子9を介して外部に導出されるようになっている。尚、図7は、端子13cの先端部が可動接点11の他端部に半田付けされる前の状態を示している。
【0037】
このように、回転体10の素子保持部10cで発光ダイオードの基部13aを保持するようにしたので、発光ダイオードの光がホルダ部によって遮られることがなく、多くの光を照射でき、照光効率アップが図れるものとなる。
【0038】
また、この時、回転体10の台座部10bの下面側には、可動接点11が配設されており、照光部材13の端子13cを孔10dに挿通して屈曲することなく垂下させることで、可動接点11の他端と導通させることができるので、照光部材13の端子13cの曲げ加工が不要となり、組立て性が向上すると共に、コストの低減が図れるものとなっている。
また、台座部10bの下面側で端子13cと半田付けされることにより、可動接点11を回転体10に直接保持できるので、従来のような可動接点を支持する支持体が不要となり、部品点数の削減が図れるものとなる。
【0039】
金属板からな取付部材14は、リング状の押さえ部14aと、この押さえ部14aの外周部から下方に折り曲げられた比較的短い複数個の第1の取付脚14bと、押さえ部14aの外周部から下方に折り曲げられた比較的長い複数個の第2の取付脚14cを有する。
【0040】
この取付部材14は、押さえ部14aが回転体10の段差部10a上に載置され、第1の取付脚14bを回転体10とハウジング7の外側部に位置した状態で、第1の取付脚14bの先端部をハウジング7の下面側に折り曲げると、回転体10とハウジング7とが一体化されて、照光ユニットSが形成される。
【0041】
このように構成された照光ユニットSは、回転体10がハウジング7と取付部材14との間に挟まれた状態で、回転可能になると共に、回転体10の回転に伴って、ホルダ部に保持された発光部材13も回転するようになっている。
【0042】
また、このような照光ユニットSは、挿通孔7aに操作部6が挿通され、ハウジング7が上ケース3上に載置されて、ケース1上に積層されて配置される。この時、第2の取付脚14cがケース1(ケース3)の係止部3eに係止され、引出端子9は、ケース1の外側部を通って下方に突出している。
【0043】
合成樹脂の成型品からなる操作部材15は、中央部に孔15aを有するリング状の摘み部15bと、この摘み部15bから下方に延びる筒状の脚部15cと、この脚部15cの内側に設けられた係止部15dと、台座部10bに対応する位置で、脚部15cに設けられた筒状の係合部15eとを有する。
【0044】
この操作部材15は、筒状の脚部15c内に操作部6が挿入されて、係止部15dが取付爪部6bに係止するようにスナップ止めされると、操作部材15によって操作部6が回転されるようになる。
【0045】
また、操作部材15が取り付けられると、筒状の係合部15eは、ホルダ部を構成する台座部10b、素子保持部10c、及び照光部材13の発光部13bの外周部を覆うと共に、係合部15eの内面が台座部10bの円周方向の端面と係合し、その結果、操作部材15の回転によって、係合部15eが台座部10bを引っかけて、回転体10を回転するものとなっている。
【0046】
また、操作部材15は、発光部13bの近傍に位置する側部や上部において、透明、或いは半透明の透光性のある樹脂が設けられて、その箇所から光を目視するようになっているが、その他の部分は、光の漏れを無くするために、黒等の不透光性の樹脂で形成されている。
【0047】
このような構成を有する照光付回転型電気部品は、ここでは図示しないが、導電パターンを有するプリント基板上に載置されて、引出端子4b、9と、図示しないが、下ケース2と上ケース3とを結合する金属からなる取付板に設けられた脚部がプリント基板に半田付けされて、取り付けと配線が行われている。
【0048】
次に、このような構成を有する照光付回転型電気部品の動作を説明すると、先ず、操作部材15を回転する。すると、操作部6を介して回転板5が回転して接点の切り換を行い、これによって、回転検出(電気的な信号の出力)が行われると共に、操作部材15と共に回転体10、及び照光部材(LED)13が回転する。
【0049】
そして、一対の可動接点11は、固定接点8に常時接触した状態で回転するため、照光部材(LED)13は点灯した状態で回転し、その結果、1個の照光部材(LED)13によって、操作部材15の回転位置を照光によって表示するようになっている。また、操作部材15の回転は、ストッパー部10eがストッパー部7dに係合するまで行われるようになり、そして、反対方向に回転すると、ストッパーが外れて、操作部材15の回転が可能となる。
【0050】
なお、上記した本発明の実施例においては、固定接点8を金属板からなる円弧状のもので、可動接点11をバネ性を有する接片部11aを有するもので照光ユニットSを構成したが、本発明はこれに限らず、固定接点側をバネ性を有する接片部を有するもので形成し、可動接点側を円弧状をなした一対の金属板で形成するようにしても良い。
【0051】
上記した本発明の実施例によれば、操作部6の回転により操作される回転検出ユニットKと、この回転検出ユニットKに装着される照光ユニットSとを備え、照光ユニットSは、一対の固定接点8が設けられたハウジング7と、固定接点8と摺接する一対の可動接点11を有しハウジング7に対して回転可能に保持された回転体10と、可動接点11に一対の端子13cが導通される発光ダイオードからなる照光部材13が保持され回転体10に設けられたホルダ部を有し、照光部材13が回転体10と共に回転するように構成されており、回転体10には、照光部材13を保持するホルダ部を回転体10と同一材料で一体に形成するようにしたので、回転体10にホルダを取る付けるための圧入部や抱持部を設ける必要がなく、取り付け部を含めた外形を小型化できると共に、部品点数の削減、コストの低減を図ることができるものとなっている。
【0052】
また、ホルダ部は、照光部材13の端子13cが挿通される孔10dを有し回転体10の上面側に突出した台座部10bと、この台座部10b上に一体に設けられた素子保持部10cで形成し、この素子保持部10cを回転体10の周方向に孔10dを挟んで対向して一対設け、周方向と直交する両面側を開口状として回転体10の周方向においてのみ照光部材13を保持(ガイド)するようにしたので、周方向と直交する両面側には照光部材13を保持(ガイド)する肉厚となる保持部を設ける必要がなく、その分、さらに小型化が可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】操作部材を取りつけた状態における本発明の照光付回転型電気部品を示す斜視図である。
【図2】本発明の照光付回転型電気部品の照光部材の取付状態を示す断面図である。
【図3】本発明の照光付回転型電気部品の操作部材の取付状態を示す断面図である。
【図4】本発明の照光付回転型電気部品の操作部材を取り去った状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の照光付回転型電気部品の照光ユニットを示す分解斜視図である。
【図6】本発明の照光付回転型電気部品の照光ユニットを上方から見た状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の照光付回転型電気部品のハウジングと取付部材を取り去った状態で照光ユニットを下方から見た状態を示す斜視図である。
【図8】従来の照光付回転型電気部品の操作部材を取り去った状態を示す斜視図である。
【図9】従来の照光付回転型電気部品の照光ユニットを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1:ケース
2:下ケース
2a:筒状部
2b:底壁
2c:側壁
3:上ケース
3a:孔
3b:上壁
3c:側壁
3d:凸部
3e:係止部
4:固定接点
4a:接点部
4b:引出端子
5:回転板
6:操作部
6a:係合爪部
6b:取付爪部
6c:突起
K:回転検出ユニット
7:ハウジング
7a:挿通孔
7b:基体
7c:凹部
7d:ストッパー部
7e:収納部
8:固定接点
9:引出端子
10:回転体
10a:段差部
10b:台座部(ホルダ部)
10c:素子保持部(ホルダ部)
10d:孔(ホルダ部)
10e:ストッパー部
11:可動接点
11a:接片部
13:照光部材(発光ダイオード)
13a:基部
13b:発光部
13c:端子
14:取付部材
14a:押さえ部
14b:第1の取付脚
14c:第2の取付脚
S:照光ユニット
15:操作部材
15a:孔
15b:摘み部
15c:脚部
15d:係止部
15e:係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部の回転により操作される回転検出ユニットと、この回転検出ユニットに装着される照光ユニットとを備え、前記照光ユニットは、一対の固定接点が設けられたハウジングと、前記固定接点と摺接する一対の可動接点を有し前記ハウジングに対して回転可能に保持された回転体と、前記可動接点に一対の端子が導通される照光部材が保持され前記回転体に設けられたホルダ部を有し、前記照光部材が前記回転体と共に回転するように構成されており、前記回転体には、前記照光部材を保持する前記ホルダ部を前記回転体と同一材料で一体に形成したことを特徴とする照光付回転型電気部品。
【請求項2】
前記ホルダ部は、前記照光部材の端子が挿通される孔を有し前記回転体の上面側に突出した台座部と、この台座部上に設けられた素子保持部からなり、この素子保持部を前記回転体の周方向に前記孔を挟んで対向して設けると共に、周方向と直交する両面側を開口状としたことを特徴とする請求項1記載の照光付回転型電気部品。
【請求項3】
前記照光部材は、基部と、この基部より細形の発光部を有する発光ダイオードからなり、前記ホルダ部の前記素子保持部で前記発光ダイオードの前記基部を保持したことを特徴とする請求項2記載の照光付回転型電気部品。
【請求項4】
前記ホルダ部の前記台座部の下面側に前記可動接点を配設し、前記照光部材の前記端子を前記孔に挿通して屈曲することなく垂下させると共に、前記可動接点と導通させたことを特徴とする請求項2、又は3記載の照光付回転型電気部品。
【請求項5】
前記固定接点は、前記ハウジングに一体に埋設された円弧状の金属板からなり、前記可動接点はバネ性を有する薄板金属板で形成され、前記ホルダ部の下面側で前記端子と半田付けされることにより前記可動接点を前記回転体に直接保持したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の照光付回転型電気部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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