説明

照射硬化性アミノ(メト)アクリレート

本発明は、エポキシ(メト)アクリレートおよび(メト)アクリレート化希釈剤の混合物とアミン化合物との反応から得られるアミノ(メト)アクリレートおよび可撓性ワニス、コーティング、接着剤およびインキの製造におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メト)アクリレートとアミンとの付加反応から得られるアミノ(メト)アクリレートおよびコーティング、インキまたはワニスの製造に有用な照射硬化性組成物の製造におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
照射硬化性低粘度インキおよびコーティングは典型的に1種または2種以上の(メト)アクリレート化モノマーおよび/またはオリゴマーを含有する。エポキシ(メト)アクリレートは長年の間、照射硬化性組成物に使用されてきた。その理由は、これらが良好な化学的および熱的耐性、接着硬度および高反応性を有することにある。しかしながら、エポキシ(メト)アクリレートは一般にまた、高い粘度および低い可撓性(flexibility)および低い衝撃耐性を有するという欠点を有する。
【0003】
可撓性および衝撃耐性を改善するために、エポキシアクリレートは、例えばブタジエンコポリマーを用いる連鎖延長により修飾することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
我々はここに、エポキシ(メト)アクリレートの利点を示し、かつ改善された可撓性を有する(メト)アクリレートを製造するための別の方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、少なくとも2個の(メト)アクリレート基を含有する少なくとも1種のエポキシ(メト)アクリレート(B)25〜99重量%および少なくとも1種の(メト)アクリレート化希釈剤(C)1〜75重量%を含有する混合物とアミン(A)との反応から得られるアミノ(メト)アクリレートに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明において、「(メト)アクリル」の用語はアクリルおよびメタアクリル化合物または誘導体の両方およびその混合物を包含するものと理解されるべきである。
本発明のアミノ(メト)アクリレートの製造に使用されるアミン(A)は一般に、少なくとも1個の第一アミノ基−NHを含有する第一アミン化合物(A1)および少なくとも2個の第二アミノ基−NHを含有する第二アミン化合物(A2)から選択される。
【0007】
第一アミン化合物(A1)は好ましくは、31〜300、さらに好ましくは45〜250の分子量を有する。適当なアミン化合物(A1)は式R−NH(I)(式中、Rはアルキルであり、この基はヒドロキシ、アルコキシ、第三アミンおよび/またはアリールにより置換されていてもよい)に相当する。
そのアルキル基が炭素原子1〜30個、好ましくは炭素原子2〜18個を有し、1個または2個以上のヒドロキシ基により置換されていてもよいアルキルアミン化合物(A1)は好適である。
【0008】
本明細書で使用されているものとして、「アルキル」の用語は直鎖状、分枝鎖状または環状分子またはそれらの組み合わせを有する飽和一価炭化水素基を包含するものとする。
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、エタノールアミンおよびその混合物は特に好適である。
【0009】
適当な第二アミン化合物(A2)は式RHN−R−NHRに相当し、式中RおよびRはそれぞれ独立して、アルキルを表し、この基はヒドロキシ、アルコキシ、第三アミンおよび/またはアリールにより置換されていてもよく、但しRおよびRは結合して環を形成していてもよく、およびRは20個までの炭素原子を含有し、1個〜8個のエーテル架橋および/または1〜3個の第三アミン架橋を含有することができるアルキレンおよびアラルキレン鎖の群から選択される。好ましくは、Rはエチレン、1,2−プロピレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、2,2−ジメチルプロピレン、1−メチルトリメチレン、1,2,3−トリメチルテトラメチレン、2−メチルペンタメチレン、2,2,4−(または2,4,4−)トリメチルヘキサメチレン、メタキシリレン、3,5,5−トリメチルシクロヘキシル−1−エン−3−メチレン、ビス(シクロヘキシル−4−エン)メタン、ビス(4−メチルシクロヘキシル−3−エン)メタン、シクロヘキシル−1,3−エン、シクロヘキシル−1,4−エン、1,4−ビス(プロポキシ−3−エン)ブタン、N,N−ビス(トリメチレン)メチルアミン、3,6−ジオキサオクチレン、3,8−ジオキサドデシレン、4,7,10−トリオキサトリデシレン、ポリ(オキシテトラメチレン)、1,2−プロピレンオキサイド単位2〜15個を有するポリ(オキシプロピレン)、1,2−プロピレンオキサイド単位2〜15個およびエチレンオキサイド単位2〜15個を有するポリ(オキシプロピレン−コ−オキシエチレン)、2,2−ジメチルプロピレンの群から選択される。
【0010】
好適環状第二アミン化合物は、ジアザ−シクロペンタン類、ペンテン類、ヘキサン類、ヘキセン類、ヘプタン類およびヘプテン類である。特に好適な第二アミン化合物(A2)はピペラジンおよびイミダゾリジンである。
(メト)アクリレート化希釈剤(C)の用語は、本発明の定義において、エポキシ(メト)アクリレートが溶解性であるか、または混和性である(メト)アクリレート化(acrylated)化合物を意味する。
好適(メト)アクリレート化希釈剤(C)は室温で液状であるか、または25℃で1〜2000mPa.sの粘度を示す化合物、特に1〜200mPa.sの粘度を有する化合物である。
【0011】
(メト)アクリレート化希釈剤(C)の例には、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、ブチル(メト)アクリレート、メチル(メト)アクリレート、イソブチル(メト)アクリレート、2−エチルヘキシル(メト)アクリレート、シクロヘキシル(メト)アクリレート、n−ヘキシル(メト)アクリレート、イソボルニル(メト)アクリレート、イソオクチル(メト)アクリレート、n−ラウリル(メト)アクリレート、オクチル/デシル(メト)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、フェノキシエチル(メト)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレートモノ(メト)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メト)アクリレート、2−ブトキシエチル(メト)アクリレート、ネオデカン酸グリシジルエステル(メト)アクリレート、N−ビニルピロリドン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETIA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジプロポピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、フェニルグリシジルエーテルアクリレートおよびその(メト)アクリレート化、エトキシレート化または/およびプロポキシレート化誘導体(例えば、(メト)アクリレート化、エトキシレート化または/およびプロポキシレート化トリメチロールプロパン、グリセロール、ネオペンチルグリコールおよび/またはペンタエリスリトール)がある。
【0012】
好適(メト)アクリレート化希釈剤(C)は1分子あたり少なくとも2個の(メト)アクリル基を含有するものである。ジ−(メト)アクリレートは特に好適である。一般に、ポリオール、特にジオールの(メト)アクリレートが使用される。アクリレートは好適である。1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびジプロポピレングリコールジアクリレートは特に好適である。
【0013】
エポキシ(メト)アクリレート(B)の用語は、ポリエポキシドの(メト)アクリル酸エステル、すなわち少なくとも2個のエポキシド官能性基を含有する化合物を表わす意味を有する。本発明で使用されるエポキシ(メト)アクリレート(B)は一般に、(メト)アクリル酸のポリエポキシド化合物によるエステル化反応から得られる化合物である。ポリエポキシド化合物は一般に、芳香族または脂肪族ポリオールのグリシジルエーテル化合物から、および環状脂肪族ポリエポキシド化合物から選択される。好適ポリエポキシド化合物は芳香族および脂肪族ジオールならびに環状脂肪族ジエポキシドのジグリシジルエーテル、例えばビスフェノール−Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド−コ−プロピレンオキサイド)のジグリシジルエーテル、プロピレンオキサイドのジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、ブタンジオールのジグリシジルエーテルである。ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテルは特に好適である。
【0014】
本発明で使用される混合物は好ましくは、エポキシ(メト)アクリレート(B)25〜75重量%および(メト)アクリレート化希釈剤(C)25〜75重量%を含有する。
(メト)アクリレートとアミン化合物との反応はミカエル(Michael)付加反応として知られている。この(メト)アクリレートとアミンとの反応はいずれの触媒または溶媒も用いることなく生起させることができる。この反応は−30〜150℃の温度で行うことができ、好適温度は25〜100℃である。溶媒は不必要であるが、熱および物質の移動の促進に使用することができる。このアクリレートとアミンとの反応は不活性気体雰囲気中で、例えば窒素またはアルゴン雰囲気下に行うと好ましく、これにより望ましくない副反応を防止するか、または最低にすることができる。しかしながら、反応を成功させるためには、これは必要ではない。
【0015】
本発明によるアミノ(メト)アクリレートは一般に、使用されるアミン(A)の量がエポキシ(メト)アクリレート(B)および(メト)アクリレート化希釈剤(C)により提供される(メト)アクリル性二重結合に対するアミン(A)からのアミノ基−N−Hの当量比が0.1〜0.9であるような量でアミン(A)をエポキシ(メト)アクリレート(B)および(メト)アクリレート化希釈剤(C)を含有する混合物と反応させることによって得られる。ここで、第一アミン化合物(A1)が使用される場合、−N−H基の数は当該第一アミンにより提供される−NH基の数の2倍であるものとして計算する。好ましくは、アミン(A)の量は、(B)および(C)により提供される(メト)アクリル性二重結合に対する(A)のアミノ基−N−Hの当量比が少なくとも0.2、さらに好ましくは少なくとも0.3であるような量である。この当量比は0.8を超えないと好ましく、0.7を超えないとさらに好ましい。
【0016】
本発明はまた、本明細書に記載されているとおりのアミノ(メト)アクリレートの製造方法に関し、この方法は少なくとも2個の(メト)アクリレート基を含有する少なくとも1種のエポキシ(メト)アクリレート(B)25〜99重量%および少なくとも1種の(メト)アクリレート化希釈剤(C)1〜75重量%を含有する混合物を少なくとも1種のアミン(A)と反応させる方法である。
一般に、残留(未反応)(メト)アクリレート(B)および/または(C)が存在することもある種々のアミノ(メト)アクリレートの混合物が得られる。
【0017】
この反応の完了の追跡は、例えば遊離アミンの量を測定することによって行うことができる。反応完了時点で、アミンアクリレートは残留生成物として回収することができる;しかしながら、慣用の蒸留および分別方法による回収も可能な場合もある。好ましくは、残留遊離アミンは、1000ppm以下のレベル、さらに好ましくは500ppm以下のレベル、特に最大で200ppmのレベルでアミノ(メト)アクリレートから排除する。この遊離アミンの排除は、それに適したあらゆる方法、例えば減圧下に空気または窒素を用いるストリッピングなどによって行うことができる。未反応(メト)アクリレート(B)および/または(C)はアミノ(メト)アクリレートから分離することができるが、一般に(メト)アクリレート(B)および/または、照射硬化性組成物にさらに使用する以前にアミノ(メト)アクリレートから分離しない。
【0018】
早過ぎる(メト)アクリレート重合を防止するために、種々の抑制剤または安定剤を反応中に、または反応後に添加することもできる。芳香族または脂肪族ホスファイトなどの典型的な抑制剤を使用することができる。
本発明によるアミノ(メト)アクリレートは25℃において100〜50000mPa.s、さらに好ましくは2000〜20000mPa.sの粘度を有する。
【0019】
本発明によるアミノ(メト)アクリレートは好ましくは、少なくとも0.1重量%、さらに好ましくは少なくとも1.0重量%の窒素含有量を有する。この窒素含有量は5.0重量%を超えないと好ましく、3.5%を超えないとさらに好ましい。
本発明によるアミノ(メト)アクリレートは好ましくは、0.1〜10meq/g、さらに好ましくは1〜5meq/gの二重結合含有量(meqC=C/gとして計算)を有する。
【0020】
本発明はまた、このようなアミノ(メト)アクリレートの使用、特に以下に記載されているような照射硬化性組成物における使用に関する。
本発明によるアミノ(メト)アクリレートはUV/EB硬化に非常に有効であり、単独でまたは別の(メト)アクリレートとともに使用することができることが見出された。これらのアミノ(メト)アクリレートは紫外部光照射または電子ビーム照射によって容易に硬化する。
【0021】
本発明によるアミノ(メト)アクリレートは高反応性を示す。
本発明によるアミノ(メト)アクリレートは多くの有益な性質、例えば化学的および熱的耐性、接着性および硬度を示すコーティングを得ることを可能にする。さらにまた、これらは良好な可撓性および衝撃耐性を示す。
本発明によるアミノ(メト)アクリレートはインキの製造に特に有用であり、さらに特にスクリーン印刷およびフレキソ印刷用インキに、および上塗りワニスの製造に有用である。
本発明によるアミノ(メト)アクリレートはまた、エレクトロニクス市場の用途に有用である。
【0022】
本発明によるアミノ(メト)アクリレートは、慣用の成分を含有する照射硬化性組成物に単独の照射硬化性化合物として、または別種の照射硬化性、特に(メト)アクリレート化合物と共に、使用することができる。
従って、本発明は、1種または2種以上の本発明によるアミノ(メト)アクリレートを少なくとも5重量%の量で含有する照射硬化性組成物に関する。好ましくは、当該組成物はアミノ(メト)アクリレートを少なくとも10重量%の量で含有する。アミノ(メト)アクリレートの量は通常、99重量%を超えない量である。
【0023】
本発明の照射硬化性組成物は通常、アミノ(メト)アクリレート以外に、少なくとも1種の照射硬化性ポリマー先駆化合物を含有する。本明細書で使用されているものとして、ポリマー先駆化合物の用語は適当な重合官能性を有し、好ましくはその鎖末端に、または鎖に沿った分枝鎖に1個または2個以上のアクリル基、メタアクリル基またはビニル基を有するモノマーまたはオリゴマーまたはその混合物を意味する。この照射硬化性ポリマー先駆化合物は一般に、1個または2個以上のアクリル基、メタアクリル基またはビニル基を有するモノマーまたはオリゴマーである。
【0024】
好適オリゴマーは、(メト)アクリレート化アクリル系オリゴマー、芳香族酸(メト)アクリレート、(メト)アクリレート化ポリブタジエン、(メト)アクリレート化ポリエステル、ウレタン(メト)アクリレート、エポキシ(メト)アクリレート、および超分枝鎖状(メト)アクリレート、例えば超分枝鎖状ポリエステルポリオール(メト)アクリレート、を包含する。
好適オリゴマーは少なくとも1000であって、6000ダルトンよりも多くない分子量を有するオリゴマーである。
使用する場合、照射硬化性組成物中のオリゴマーの量は一般に、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%である。オリゴマーの量は通常、50重量%を超えない量であり、好ましくは40重量%を超えない量である。
【0025】
本発明の照射硬化性組成物はまた、低分子量モノマー、例えば(メト)アクリル酸、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、ブチル(メト)アクリレート、メチル(メト)アクリレート、イソブチル(メト)アクリレート、2−エチルヘキシル(メト)アクリレート、シクロヘキシル(メト)アクリレート、n−ヘキシル(メト)アクリレート、イソボルニル(メト)アクリレート、イソオクチル(メト)アクリレート、n−ラウリル(メト)アクリレート、オクチル/デシル(メト)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、フェノキシエチル(メト)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレートモノ(メト)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メト)アクリレート、2−ブトキシエチル(メト)アクリレート、カルデュラ(メト)アクリレート、N−ビニルピロリドン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETIA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、フェニルグリシジルエーテルアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)およびそれらの(メト)アクリレート化、エトキシレート化および/またはプロポキシレート化誘導体(例えば(メト)アクリレート化、エトキシレート化および/またはプロポキシレート化トリメチロールプロパン、グリセロール、ネオペンチルグリコールおよび/またはペンタエリスリトール)を含有することができる。
【0026】
本発明で使用される照射硬化性組成物は一般に、少なくとも1種の光開始剤、すなわち光、典型的にUV光の吸収によってラディカル基を発生することができる化合物を含有する。一般に、組成物中の光開始剤の量は、0〜15重量%、好ましくは0.01〜8重量%を含有する。
別法として、光開始剤を含有していない照射硬化性組成物を一般に、電子ビームにより硬化させることができる。
【0027】
照射硬化性組成物はまた、ワニス、コーティング、接着剤およびインキに常用される添加剤を含有することができる。例えば基板湿潤剤、発泡防止剤、分散剤、流れ調整剤、スリップ剤、可塑性希釈剤、難燃剤、UV−保護剤、接着促進剤、補強剤および安定剤である。該常用される添加剤の総量は通常、10重量%を超えない。好ましくは、組成物は上記常用される添加剤を0.01〜5重量%の量で含有する。
【0028】
本発明の照射硬化性組成物はまた、1種または2種以上の顔料または着色剤を含有することができる。本発明の組成物に使用できる着色剤および顔料は当技術で知られているあらゆる顔料である。このような顔料のリストはカラーインデックス(Color Index)に見出すことができる。さらに好ましくは、これらの顔料として、プロセスイエロー13(Process Yellow 13)[ジアリールライドイエロー(Diarylide Yellow)−Irgalite BAW ofCiba、Permanent GR of Clariant]、プロセスマゼンタピグメント57(Process Magenta Pigment57)[ボナカルシウム(Bona Calcium)−Ilobona 4BY of Sun、Irgalite SMA of Ciba]、プロセスブルー15.3(Process Blue 15.3)[カッパーフェロシアニン(Copper Phthalocyanin)−Irgalite GLO ofCiba、Hostaperm Blue B2G of Clariant]、プロセスブラック7(Process Black7)[酸化カーボンブラック(Oxidised Carbon Black)−Special Black 250;Special Black 350 of Degussa]などを挙げることができる。着色剤および/または顔料は好ましくは、照射硬化性組成物の総重量の0〜50重量%、さらに好ましくは0〜40重量%の量で使用する。
【0029】
本発明の照射硬化性組成物はまた、充填剤または非反応性希釈剤または溶剤を0〜20重量%の量で含有することができる。
本発明の照射硬化性組成物は、選択された成分を慣用の公知方法に従い混合することによって製造することができる。この配合物は、所望により、加熱し、混合を促進させることができる。
上記照射硬化性組成物はワニス、コーティング、接着剤およびインキの製造に使用される。ここで、インキは液状インキ、ならびにペースト状インキであるものと理解される意味を有する。本発明の照射硬化性組成物はまた、ステレオリトグラフイに使用することもできる。
【0030】
本発明を下記の非制限的例により説明する。
例1:
油浴に連結されており、また攪拌機を備えた1.5リットル二重ジャケット付反応容器に、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステル(EBECRYL(登録商標)600として市販されている)470g、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)470gおよび安定剤3.25gを添加した。この反応混合物を加熱し、温度を40℃に設定し、次いでモノエタノールアミン60gを温度が60℃を超えないように少しずつ添加した。消耗の終了後、混合物を2時間にわたり60℃で加熱し、遊離アミノ濃度を0.2%より低下させた。
【0031】
例2〜4:
アクリレート化希釈剤およびアミンの量および種類を下記表1に示されているとおりに変える以外は例1を反復した。
最終アミノアクリレートの粘度、N含有量および残留アクリル性二重結合を測定し、表1に示した。
【0032】
比較例5R:
反応中、DGPDAを省略する以外は例3を反復した。固形生成物が得られた。この生成物をDGPDA50重量%でさらに希釈した。
【0033】
比較例6R:
エポキシアクリレートを省略する以外は例3を反復した。DPGDA(85.3重量%)とMEA(14.3重量%)との反応生成物42重量%にビスフェノールAエポキシ樹脂のジグリシジルエステル58重量%を添加した。
【0034】
比較例7R:
エポキシアクリレートを省略する以外は例1を反復した。HDDA(84.75重量%)とMEA(15.25重量%)との反応生成物39重量%にビスフェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステル61重量%を添加した。
【0035】
比較例8R:
エポキシアクリレートを省略する以外は例1を反復した。HDDA(83.5重量%)とMEA(16.5重量%)との反応生成物50重量%にビスフェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステル50重量%を添加した。
【0036】
【表1】

【0037】
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
MEA:モノエタノールアミン
DDA:ドデシルアミン
粘度は25℃においてコーンおよびプレートにより測定した。
例1〜4および比較例5R〜8Rのアミノアクリレートを用いて50μm厚さの薄膜を形成し、5mrad−250eVのEB光下に50mm/分で硬化させた。記録された応力−歪曲線を表2に示す。例2のアミノアクリレート70重量%およびHDDA30重量%を含有する組成物をまた、同一試験に従い評価し、表2に示した。
【0038】
【表2】

【0039】
表2の結果は、比較例で得られた混合物が、本発明によるアミノアクリレートよりも低い可撓性しか有しないことを示している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個の(メト)アクリレート基を含有する少なくとも1種のエポキシ(メト)アクリレート(B)25〜99重量%および少なくとも1種の(メト)アクリレート化希釈剤(C)1〜75重量%を含有する混合物とアミン(A)との反応から得られるアミノ(メト)アクリレート。
【請求項2】
アミン(A)が少なくとも1個の第一アミノ基−NHを有する第一アミン化合物(A1)および少なくとも2個の第二アミノ基−NHを有する第二アミン化合物(A2)から選択される、請求項1に記載のアミノ(メト)アクリレート。
【請求項3】
アミン化合物(A1)が式R−NH(式中、Rはアルキルであり、この基はヒドロキシ、アルコキシ、第三アミンおよび/またはアリールにより置換されていてもよい)に相当する、請求項2に記載アミノ(メト)アクリレート。
【請求項4】
エポキシ(メト)アクリレート(B)が、芳香族または脂肪族ポリオールのジグリシジルエーテルおよび環状脂肪族ポリエポキシドから選択されるポリエポキシド化合物と(メト)アクリル酸との反応生成物から選択される、請求項1に記載のアミノ(メト)アクリレート。
【請求項5】
エポキシ(メト)アクリレート(B)が、(メト)アクリル酸とビスフェノールAのジグリシジルエーテルとの反応生成物である、請求項4に記載のアミノ(メト)アクリレート。
【請求項6】
(メト)アクリレート化希釈剤(C)が、室温で液体であるか、または25℃度において1〜2000mPa.sの粘度を示す希釈剤から選択される、請求項1に記載のアミノ(メト)アクリレート。
【請求項7】
使用されるアミン(A)の量が、エポキシ(メト)アクリレート(B)および(メト)アクリレート化希釈剤(C)により提供される(メト)アクリル性二重結合に対するアミン(A)により提供される第一アミノ基−N−Hの当量比が0.1〜0.9である量である、請求項1に記載のアミノ(メト)アクリレート。
【請求項8】
0.1〜10meq/gの二重結合含有量を有する、請求項1〜7のいずれかに記載のアミノ(メト)アクリレート。
【請求項9】
コーティング、インキまたはワニスの製造に適する照射硬化性組成物における、請求項1〜8のいずれかに記載のアミノ(メト)アクリレートの使用。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載のアミノ(メト)アクリレートの1種または2種以上を5重量%〜99重量%の量で含有する照射硬化性組成物。


【公表番号】特表2009−541553(P2009−541553A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517135(P2009−517135)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056238
【国際公開番号】WO2008/000696
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(505365965)サイテック サーフェース スペシャリティーズ、エス.エイ. (38)
【Fターム(参考)】