説明

照明されるタイルシステム

本発明は、少なくとも1つの導電層12、13を備えるバックパネル10、前記導電層12、13と電気的に接触する突起21、23を備えるプラグ20、及び前記プラグに固定されることができる(O)LEDを備える光タイル30を有する照明されるタイルシステム100に関する。簡単なタイル張りのために、ダミータイルが、最初に従来のタイル2と共にタイル張りされ、後に光タイル30と交換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明されるタイルシステム、このようなシステムのためのダミータイル、及びこのような照明されるタイルシステムを使用する壁にタイルを張る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この国際特許出願公開第2007/112851A1号パンフレットは、ハウジング内の有機発光ダイオード(OLED)を有する照明されるタイルを開示している。前記ハウジングの後部におけるスナップ式の要素は、前記OLEDを電源に接続するように前記壁上に予め取り付けられている対応するスナップ式の要素と協働する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この取り組み方の問題は、前記壁上の要素が、予め正確に位置されていなければならないことにある。
【0004】
この背景に基づいて、本発明の目的は、製造及び/又は取付けに関して簡単で費用効果的である照明されるタイルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、添付の請求項1に記載の照明されるタイルシステム、添付の請求項8に記載のダミータイル、及び添付の請求項9に記載の方法によって達成される。好ましい実施例は、添付の従属請求項に開示されている。
【0006】
本発明による照明されるタイルシステムは、以下の構成要素を有する:
a)(電気的)絶縁材料によって少なくとも1つの側部において覆われている少なくとも1つの導電層を備える少なくとも1つのバックパネル。自身の名前が示しているように、前記バックパネルは、好ましくは、前記導電層が前記板の平面に対して平行に延在している形状のような、平らな、板を有する。前記導電層は、好ましくは、前記バックパネルの領域全体を覆っているが、オプションとして、一部の副次的な領域に制限されていても良い。前記導電層は、典型的には、銅のような金属でできており、前記絶縁材料は、典型的には、プラスチックである。更に、前記バックパネルは、好ましくは、おそらく壁の非平面の表面に対する適応を可能にするのに十分な可撓性を有している。
b)電気端子と、前記バックパネルの前記導電層を前記プラグ端子に電気的に接続するように上述のバックパネルに貫通されることができる突起とを備えている少なくとも1つのプラグ(以下では、「プラグ端子」と呼ぶ)。最も簡単な場合において、前記突起は、(釘のような)金属ピンであっても良いが、好ましくは、埋め込まれた電気ラインを備える絶縁担体材料を有している組立構造を有する。前記突起の主な目的は、前記バックパネルの前記導電層への電気接触を作ることであるが、前記突起は、オプションとして、前記プラグを前記バックパネルに機械的に取り付けることもできる。前記バックパネルが、2つ以上の導電層を有する場合、前記突起は、単一の、全ての又は何らかのサブセットのこれらの層を、対応するプラグ端子に対して電気的に接続することができる。
c)少なくとも1つの電気端子(以下、「タイル端子」と呼ぶ)を備える光源としての発光ダイオード(LED)を有する少なくとも1つ光タイルであって、前記タイル端子は、前記光タイルが前記プラグに取り付けられた場合、上述のプラグの前記プラグ端子に電気的に結合される。この文脈において、「電気的な結合」とは、定義上、電気エネルギ及び/又は信号の伝達を可能にするものとする。
【0007】
各構成要素(バックパネル、プラグ、光タイル)の最小数が1であるにもかかわらず、当該システムは、典型的には、前記構成要素の各々を複数有する。
【0008】
この記載されている照明されるタイルシステムは、導電層を備える前記バックパネルが前記壁の大きな領域内に(オプションとして壁全体に亘って)電源を設けているので、光タイルを壁の従来のタイル内に組み込むという非常に柔軟で使用し易い取り組みを提供する。この電源は、単に、前記バックパネルに前記システムのプラグを貫通させることによって如何なる所望の場所においても接触されることができ、この貫通は、従来のタイルの張りの後(即ち前記所望の光タイルに関する正確な場所が分かっているとき)になされることができる。次いで、前記光タイルが前記プラグに接続されることができ、従って、このタイル張りの範囲内の所望の照明を提供する。
【0009】
この照明されるタイルシステムは、好ましくは、前記光タイル並びに/又は前記光タイル及び前記プラグ(如何なる機能的な構成要素も有していない)と類似の寸法を有する「ダミータイル」を更に有する。このダミータイルは、壁のタイル張りの間、光タイルのためのプレースホルダとして使用されることができる。従って、前記タイル張りは、通常通り、即ち(敏感な)光タイルに関して気にかける必要なく、実行されることができる。ひとたび前記タイル張りが完了すると、前記ダミータイルは、光タイルと交換されることができる。
【0010】
上述したダミータイルの光タイルとの交換を容易にするために、前記ダミータイルは、好ましくは、そのままにタイル張りのために使用されるような、所与のタイル張りモルタル、セメント又は接着剤に対して粘着性でない表面を有していても良い。このようなダミータイルが従来のタイルと同じ結合材内に入れられた場合でさえも、このことは、この後の取り除きを妨げない。更に、前記ダミータイルは、オプションとして、前記ダミータイルを手動で又はツールによって握持するのを容易にするための凸部(tongue)、フック又は切欠き等のような手段を有し得る。
【0011】
前記光タイルに組み込まれるLED光源は、好ましくは、有機発光ダイオード(OLED)である。OLEDは、特に、堅牢な同種の大きい領域照明を提供するのに有利であり、冷たい表面及び可変な色を有する。
【0012】
前記プラグ端子と前記タイル端子との間の電気的な結合は、前記バックパネルの前記導電層から前記光源までの電気的エネルギ及び/又は信号の伝送を可能にし、例えば、これらの端子間の直接的な電気的な(物理的な)接触によって達成されることができる。代替的には、前記端子は、ワイヤレスで結合されても良い。後者の場合、前記端子は、電磁的波を介してエネルギを発する及び受け取る(小さい)アンテナ又はコイルとして設計される。ワイヤレス結合は、前記端子が、該端子を腐食から保護する絶縁体(isolation)内に完全に埋め込まれることができるという有利な点を有する。
【0013】
このプラグの主な務めは、これを介して前記光タイルが前記バックパネル内の(複数の)前記導電層に結合されることができるプラグ端子を提供することにある。オプションとして、前記プラグ及び前記光タイルは、更に、これらを機械的に結合する協働接続ユニットを更に有していても良い。この接続ユニットは、例えば、前記光タイル上に位置されている雄形のユニットと前記プラグ上の雌型のユニットとによる又はこの逆によるプラグソケット形のものであり得る。前記光タイルを前記プラグに機械的に取り付けることによって、前記光タイルの固定は、従来のタイルの固定に使用される接着剤又はモルタルから独立したものになる。更に、このような接続は、典型的には、可逆的なものであり、即ち光タイルは、必要な場合、容易に交換されることができる。
【0014】
この照明されるタイルシステムは、更に、オプションで、隣接するバックパネルの対応する導電層を電気的に接続するための少なくとも1つコネクタを有していても良い。従って、複数のバックパネルが、同じ電位にあるバックパネルの対応する導電層によってタイルを張られることになっている壁領域を覆うように、並んで配されることができる。
【0015】
本発明は、更に、上述した種類の照明されるタイルステムのための、プラグ、光タイル、及びダミータイル、それぞれに関連する。これらの要素は、これら自体の製品として製造及び販売されることができるからである。
【0016】
更に、前記本発明は、ダミータイルを有する上述の種類の照明されるタイルシステムを使用している壁をタイル張りする方法に関する。「壁」なる語は、本発明の状況において、最も一般的な意味に、即ちタイルを張られることになっている如何なる領域(例えば、床、天井、直立した部屋の壁等)を示しているものと理解されるべきであることに留意するべきである。この方法は、以下のステップを有する:
a)前記照明されるタイルシステムの少なくとも1つバックパネルを前記壁に取り付けるステップ。この取付けは、如何なる適切な手段(例えば、接着又はネジ止め)によっても達成されることができる。
b)ダミータイルを前記バックパネルに取り付けるステップ。この取付けは、前記バックパネルに、直接的に及び/又は後述される前記プラグを介して、機械的になされることができる。更に、この取付けは、これらによって従来のタイルが固定されるモルタル、セメント又は接着剤に、前記ダミータイルを埋め込むことによって達成されても良い。
c)従来のタイル(例えば、セラミックタイル)を前記バックパネルに取り付けるステップ。従来のタイルのこの取付けは、前記ダミータイルの取付けの前、取り付けの間及び/又は取り付けの後に、なされても良い。
d)前記ダミータイル(50)を取り除くステップであって、この取り除きは、典型的には、従来のタイルの取付けが十分に固定された後(例えば、使用されたモルタルが硬化した後)になされる。
【0017】
「従来のタイル」なる語は、壁及び/又はバックパネルを覆うのに適切な、規則的に又は不規則に成形されたタイル、モザイク又は敷石の全ての種類を含むものである。
【0018】
ステップa)乃至d)は、考えられるあらゆる順序において及び/又は並列に実行されることができる。特に、最初に壁全体に従来のタイルを張り、次いでこれらのタイルの少なくとも1つをダミータイルと交換することも可能である。
【0019】
プレースホルダとしてのダミータイルの利用により、上述された方法が、従来のタイルが使用されているかのように、独特に壁にタイルを張るのを可能にする。このタイル張りのみが終わった後、(敏感な)光タイルが、前記光タイルを前記ダミータイルに対して変更することによって所望の位置に挿入される。
【0020】
前記壁のタイル張りの工程を達成するために、前記照明されるタイルシステムの少なくとも1つプラグが、前記バックパネルの前記少なくとも1つ導電層に電気的に接触するように前記バックパネルに貫通されることが必要である。この貫通は、前記ダミータイルが前記バックパネルに取り付けられる前に(ステップc)又は前記バックパネルから取り除かれた(ステップd)後になされることができる。この第1の変形は、前記プラグが嵌入されることになっている前記バックパネル上に設けられることができるモルタル又は接着剤が、依然として柔軟であるという有利な点を有する。
【0021】
前記プラグが固定された後、光タイルは、例えば、前記光タイルを前記プラグに及び/又は前記関連するバックパネルに直接的に取り付けることによって、前記プラグの位置に取り付けられることができる。
【0022】
本発明のこれら及び他の見地は、以下に記載される実施例を参照して、明らかになり、説明されるであろう。これらの実施例は、添付図面の助けを借りて一例として記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による照明されるタイルシステムによって覆われている壁の表面の断面を模式的に示している。
【図2】プラグと図1のシステムの光タイルの底側とを通る断面を詳細に示している。
【図3】図1のタイルシステムの作製の3つの連続的な段階を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面における類似の符号は、同一又は類似の構成要素を参照している。
【0025】
例えば、浴室において見つけられるタイル及びモザイクは、照明を組み込むのに良好な自由度を与えるものであり、ここで、「モザイク」とは、定義上、(典型的には小さい)敷石の規則的な又は不規則なパターンである。この場合、光源として、LEDが使用されることができる。点光源の特性を回避するために、OLEDを光源として使用するのが更に好ましく、このことは、
− 均一な光、
− 極端に薄い厚さ、
− 広い領域、
− 容易に調光可能である、
− 冷たい表面、
− 色の可変性、
− 種々の形態(例えば、文字、シンボル)、及び
− 可変的なオフ状態の外観、
という有利な点を提供する。
【0026】
光源をタイル又はモザイク内に組み込もうとする場合、以下の問題に直面することになる:
− 前記光源の予めの取り付けは、正確な位置決めが、前記タイルの配置が非常にきわどいものであるように知られていなければないので、実用的に不可能である。
− 更に、前記タイルの後方の空間が制限されるので、ワイヤは前記敷石の後方に配置されることができない。前記壁内へのワイヤのための屈曲溝は、あまりに困難で費用がかかるので、実用的ではない。
− このタイル間の合わせ目にワイヤを隠すことは、ワイヤを有する領域が前記合わせ目にグラウトを詰めた後に見えるので、不利である。
【0027】
この上述の問題は、殆どの場合において、光源の数が比較的多い(典型的には、mあたりの10よりも大きい)という事実により更に悪化する。従って、大量のケーブルが扱われなければならず、多くの空間が必要とされる。
【0028】
図1は、上述の問題に対処する本発明による照明されるタイルシステム100の断面を模式的に示している。照明されるタイルシステム100は、3つの基本的な構成要素を有している。
【0029】
第1の構成要素として、これは、少なくとも1つのバックパネル10を有している。このバックパネル10は、2つの平行な導電層12、13が埋め込まれている(電気的な、並びにオプションとして音響的な及び/又は熱的な)絶縁材料11からなる。典型的には、壁1の全面積は、継ぎ目のない態様においてこのようなバックパネル10によって覆われており、隣接するバックパネル10の対応する導電層が電気的に接続されている。このことは、例えば、図1に模式的に示されているステープル41、42によって、又は、好ましくは幾つかの種類の側部コネクタによって達成されることができる。
【0030】
バックパネル10の厚さは、好ましくは、10乃至50mmの範囲にあり、典型的には、20mmの値を有する。バックパネル10の面積は、通常、従来のタイルの面積の数倍の大きさである(例えば、1m)。バックパネル10は、好ましくは、壁の輪郭に適応することができるある程度の柔軟性を有する。
【0031】
示されている例において、バックパネル10は、典型的には、2つの導電層12、13を有しているが、このような層を1つ又は3つ以上有していても良い。この種のバックパネルは、商業的に利用可能であり(例えば、SAITEC社、CHALLANS、FRANCE)、例えば、フランス国特許第2718197A1号、フランス国特許第2712377A1号、ドイツ国特許第29810124U1号、又は国際特許出願公開第94/03947A2号パンフレットに記載されている。
【0032】
第2の構成要素として、照明されるタイルシステム100は、プラグ20を有しており、プラグ20は、所望の位置においてバックパネル10内に貫通されることができると共に導電層12、13に電気的に接触するタスクを有する。図1の実施例において、プラグ20は、バックパネル10内に延在している2つの突起21、23を有しており、突起21、23の各々は、異なる導電層と接触している。この突起21、23は、2つの外向きに面している孔24を有するブリッジ22によって接続される。プラグ20は、典型的には、金属的な電気的リードが必要に応じて埋め込まれているプラスチックから作られる。
【0033】
第3の構成要素として、照明されるタイルシステム100は、ハウジング34内に取り付けられているOLED31を有する光タイル30を有する。光タイル30をプラグに20取り付けるように形状適合する態様においてプラグ20の孔24に挿入されることができる2つのピン32が、ハウジング34の後方において、壁に向かって突出している。後述するように、ピン32は、OLED31に対して、電源への電気的接触を更に提供する。
【0034】
この光タイルは、更に、OLEDを駆動するのに必要な電気的構成要素を有する幾つかの回路33を更に有する。従って、回路33は、例えば、直流/電流コンバータトポロジ又は調光手段を有する。
【0035】
図1は、光タイル30が、いくらかのモルタル又は接着剤3によってバックパネル10に取り付けられている従来のタイル2間に埋め込まれていることを更に示している。壁1は、タイル又はモザイクによって覆われることになっている如何なるものであっても良く、例えば、狭義おける(垂直な)壁、床、天井、屋根又は物体であっても良いことに留意されたい。
【0036】
壁1は、タイル又はモザイクによって覆われるものとする何かであることができ、例えば、狭義における(垂直な)壁、床、天井、屋根又は対象であり得る。モザイクにおいて、タイル2及び/又は光タイル30の典型的な大きさは、約2cm×2cmである。
【0037】
図2は、プラグ20と、光タイル30の対応する底部とを詳細に示している。この例において、プラグ20は、バックパネルに貫通されることができる2つの突起21、23を有する。この2つの突起21、23は、前記プラグがバックパネル10完全に貫通された場合に、電気的接触25、26がバックパネル10の異なる導電層12、13と接触するようになるような、異なる高さにおける電気的接触25、26を有している。この接触25及び26は、突起21及び23の外側上のリングであることができ、それぞれ、プラグ20の外側における孔24内に位置されている「プラグ端子」27及び28に内部的に電気的に接続されている。
【0038】
既に述べたように、光タイル30は、孔24に嵌合する自身の底側における対応するピン32を有している。このピン32は、ピン32が孔24内に挿入された場合にプラグ端子27、28と接触するようになっていると共に、OLED31及び/又はOLED31に接続されている回路と内部的に接続される「タイル端子」35、36を有する。
【0039】
プラグ20の特定の形状及び大きさは、図に示されている実施例と異なっていても良いことに留意されたい。従って、前記プラグは、例えば、(2つの電極を有する)ちょうど1つの突起を持ち得る。更に、端子27、28及び35、36は、オプションとして、(例えばコイルとして)ワイヤレスエネルギ輸送のために設計されており、絶縁材料内に埋め込まれることができる。
【0040】
バックパネル10は、正しい電圧及び電流を生成するべきである電源43に接続されている。従って、これは、光モジュールの要件に調整されなければならない。好ましくは、直流電圧が使用される。この電圧は、更に、前記光モジュールを調光するのにも使用されることができる。調光に関する可能性は、
− 上述のように供給電圧を変化させること、
− 1つ以上の付加的な電力ラインの取り付け、
− 通信信号の重ね合せ(電力ライン通信)、及び
− ワイヤレス通信(例えばブルートゥース、RF等)、
である。
【0041】
以下において、図1のタイル張りを製造する好ましい方法が、図3を参照して記載されている。
【0042】
図3aを参照すると、壁1は、タイル張りの工程が開始する前に、最初に準備される必要がある。この準備は、結果として、平坦な表面になる。準備された前記表面に、導電性バックパネル10が接着されており、後に、前記壁にわたって電流を輸送する。全てのパネルは、(好ましくは、側部接続として)前記パネル内に持ち出されるコネクタによって相互接続される。
【0043】
この接着剤が設けられた後、図3bに示されている次のステップは、グラウト詰めを含む従来のタイル2による実際のタイル張り工程である。光源が必要とされる位置において、ダミータイル50が、接着剤3に対して化学的に不活性であるプレースホルダとして挿入される。ダミータイル50は、例えば、(成形された一部として)ゴムの特性を有するプラスチックから及び/又は木から作られることができる。これは、このタイル張り工程の標準を保持し、この後、この光源を配置するのに使用される。
【0044】
この図は、このダミータイル50が、最初から、従来のタイルの代わりに、この位置に挿入されていることを提案しているが、最初に、従来のタイルによってこの場所を埋め、次いで、これを取り除き、前記ダミータイルと交換することも可能である。後者の方法は、特に、複数のタイルが格子に取り付けられるモザイクに適用されることができ、この場合、最初に、完全な格子を前記バックパネルに取り付け、次いで前記格子から単一のタイルを取り除き、これらをダミータイルと交換することが有利であり得る。
【0045】
ひとたび、前記タイル又はモザイクが取り付けられ、前記グラウトが設けられると、図3cに示されている次の段階が始まることができる。このダミータイル50は取り除かれ、(OLEDごとに1つ以上の)導電性プラグ20が、必要とされる壁内に位置される。これらのプラグ20は、ステープルのように挿入される。これらは、自身の外側における前記バックパネル内の導電層への電気的な接触を作り、これらの内部に対する電気的及び力学的な接触を提供する。
【0046】
プラグ20は、代替的には、ダミータイル50が取り付けられる前に前記バックパネル内に挿入されることができることに留意されたい。このことは、前記バックパネル上に設けられることができるモルタル又は接着剤が、依然として、柔軟であり、従って透過し易いという有利な点を有する。
【0047】
この最終ステップは、前記OLEDを備える前記光タイル30をプラグ20内に配置し、これにより前記導電層との電気接触を作ることにある。いま、この据え付けが準備されており、電源及びドライバ43が、この据え付けを点灯させるように取り付けられることができる。調光は、前記バックパネルに印加される電圧を変化させることによって達成されることができる。
【0048】
要約すると、上述の方法は、
− 前記電源の取り付けを含む前記バックパネルの取り付けのステップ、
− 前記モザイクタイルの取り付けのステップ、
− 前記光モジュールが後で取り付けられなければならない(又は最初から自由にこれらの位置を離れる)位置における、これらのタイルを取り除くステップ、
− ダミーの取り付けのステップ(重要でない接着剤は、取り除かれることができる)
− 乾燥工程のステップ、
− 前記ダミーを前記光モジュールと交換するステップ、
− グラウトによって前記溝を埋めるステップ、
を含んでいる。
【0049】
上述の照明されるタイルシステム100は、
− これは、平坦であり、
− これは、計測可能であり、
− 各光源に対する別個のワイヤが必要なく、
− 光源は、至る所に位置されることができ、位置合わせの問題がなく、
− 前記光源の配置は、前記タイル張り工程の後になされることができ、
− 前記光源の交換は、容易であり、
− この解決案は、将来有用である、
という有利な点を有する。
【0050】
勿論、上述された特定の実施例の多くの変形が、可能であり、例えば、
− このバックパネルは、前記光源に動的さ(dynamics)加えるためのデータ通信に使用される第3の(又は更なる)伝導層を含むことができ、
− 有線において使用される他の電力/データ通信の組合せから知られているような、データ通信が、当該2つの伝導層上に付加されることもでき、
− データ通信は、ワイヤレスでなされることができ、
− 調光は、他の仕方において(例えばPWM又はAM)又はデータ通信を経てなされることもでき、
− 色の可変性は、データ通信を又は前記バックパネルの別個の導体を経て導入されることができる。
【0051】
ソケットベースの構造を備える上述されたOLEDは、一般照明、装飾的な照明、公共空間のための照明、屋内の照明、屋外の照明、都市美化、アンビエント照明、タイル張りの領域の生成、タイル張りされた物体、モザイク等において利用されることができる。
【0052】
最後に、本出願において、「有する」なる語は、他の構成要素又はステップを除外するものではなく、単数形の構成要素は、複数のこのような構成要素を排除するものではなく、単一のプロセッサ又は他のユニットは、幾つかの手段の機能を実現することができることを指摘しておく。本発明は、如何なる新しい特徴的なフィーチャにもあるものであり、特徴的なフィーチャの如何なる組合せにもあるものである。更に、添付請求項における符号は、これらの範囲を制限するものとして解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)絶縁材料によって覆われている少なくとも1つの導電層を備える少なくとも1つのバックパネルと、
b)前記導電層を前記プラグ端子に電気的に接続するように、前記バックパネル内に貫通されることができるプラグ端子及び突起を備える少なくとも1つのプラグと、
c)前記光タイルが前記プラグに取り付けられた場合に、前記プラグ端子に電気的に結合される少なくとも1つの光タイルを備える光源としてのLEDを有する少なくとも1つの光タイルと、
を有する照明されるタイルシステム。
【請求項2】
前記光タイルに及び/又は前記プラグを有する前記光タイルに類似した寸法を有するダミータイルを有することを特徴とする、請求項1に記載の照明されるタイルシステム。
【請求項3】
タイル張りのための所与のモルタル、セメント又は接着剤に対して粘着性でない表面を備えるダミータイルを有することを特徴とする、請求項1に記載の照明されるタイルシステム。
【請求項4】
前記光源がOLEDを有することを特徴とする、請求項1に記載の照明されるタイルシステム。
【請求項5】
前記プラグ端子及び前記タイル端子が互いに接触していること、及び/又は前記プラグ端子及び前記タイル端子がワイヤレスで結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の照明されるタイルシステム。
【請求項6】
前記プラグ及び前記光タイルが、前記プラグ及び前記光タイルを機械的に結合する協働接続ユニットを有することを特徴とする、請求項1に記載の照明されるタイルシステム。
【請求項7】
前記プラグが、前記バックパネルの異なる導電層を異なるプラグ端子に接続することができる少なくとも少なくとも2つの突起を有することを特徴とする、請求項1に記載の照明されるタイルシステム。
【請求項8】
プラグ端子と、前記導電層を前記プラグ端子に電気的に接続するように、絶縁材料によって覆われている少なくとも1つの導電層を有するバックパネル内に貫通されるのに適している突起とを備えている、請求項1に記載の照明されるタイルシステムのためのプラグ。
【請求項9】
請求項8に記載のプラグのプラグ端子に電気的に結合されるのに適している少なくとも1つのタイル端子を備える光源としてのLEDを有する、請求項1に記載の照明されるタイルシステムのための光タイル。
【請求項10】
請求項2に記載の照明されるタイルシステムのためのダミータイル。
【請求項11】
請求項2に記載の照明されるタイルシステムを使用して壁をタイル張りする方法であって、
a)少なくとも1つバックパネルを前記壁に取り付けるステップと、
b)ダミータイルを前記バックパネルに取り付けるステップと、
c)従来のタイルを前記バックパネルに取り付けるステップと、
d)前記ダミータイルを取り除くステップと、
を有する方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプラグが、前記ステップb)の前及び/又は前記ステップd)の後に、前記バックパネル内に貫通されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公表番号】特表2011−509364(P2011−509364A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541865(P2010−541865)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050009
【国際公開番号】WO2009/087585
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】