説明

照明ランプ

【課題】蛍光管等の側面にランプピンを有し直列に配置される蛍光ランプ等において、照明の連続性を向上させる。
【解決手段】蛍光管11aの少なくとも一端面13aの一部が蛍光管11aの円筒軸14aに対し傾いており、隣接する二本の蛍光管11aの対向する端面13a同士が、蛍光管11aの長さ方向に対し垂直方向から見て少なくとも一部重なって対向する端面13a間の間隙を相補的に補うような形状に、蛍光ランプを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ管の側面にランプピンを有する照明ランプに関し、特にその形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来特許文献1に記載されているように、ランプピンをランプ管の両端面ではなく側面に設けた、所謂シームレスランプ(「シームレスライン」は商標)が提案されている。それにより、複数の照明ランプを直列に配置する際に、照明ランプのランプ口金やランプソケット等の非発光部を極力除き、照明の連続性を保って一様な照明を行うことができる。
【特許文献1】特開2001−210135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の円柱型ランプ管を用いたシームレスランプでは、複数の照明ランプを直列に配置する際に、照明ランプの脱着作業における便宜上隣接するランプ管の対向する端部同士を完全に密着させることができず、隣接するランプ管の間に若干の間隙が残り暗部が生じてしまうという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、照明の連続性を向上させるため、複数のシームレスランプを直列に配置する際に、隣接するランプ管の若干の間隙により生じる暗部を極力除く照明ランプの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による照明ランプは、ランプ管の側面にランプピンを有し直列に配置される照明ランプにおいて、ランプ管の少なくとも一端面の一部がランプ管の円筒軸に対し傾いており、隣接する二本のランプ管の対向する端面同士が、ランプ管の長さ方向に対し垂直方向から見て少なくとも一部重なって、対向する端面間の間隙を相補的に補うような形状に形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
さらに、本発明による照明ランプは、ランプ管の両端面が互いに平行な平面であることが望ましい。この場合、両端面が、ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して、垂直であっても傾いていてもよい。すなわち、両端面が、ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して「垂直」であるものとは、本発明による照明ランプを、ランプ管の円筒軸にもランプピンにも垂直な方向から見た際、ランプ管の形状が平行四辺形のように見える照明ランプのことを意味し、「傾いて」いるものとは、ランプ管の円筒軸に対し垂直で上記以外の一方向から見た際、ランプ管の形状が平行四辺形のように見える照明ランプのことを意味する。
【0007】
あるいは、本発明による照明ランプは、ランプ管の両端面が、ランプ管の長さ方向に対し垂直でかつランプ管の中心を通る平面に関して互いに面対称な平面であることが望ましい。またこの場合、両端面が、ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して、垂直であっても傾いていてもよい。すなわち、両端面が、ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して「垂直」であるものとは、本発明による照明ランプを、ランプ管の円筒軸にもランプピンにも垂直な方向から見た際、ランプ管の形状が等脚台形のように見える照明ランプのことを意味し、「傾いて」いるものとは、ランプ管の円筒軸に対し垂直で上記以外の一方向から見た際、ランプ管の形状が等脚台形のように見える照明ランプのことを意味する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による照明ランプによれば、複数のシームレスランプを直列に配置する際に、隣接するランプ管の対向する端部同士を完全に密着させずとも、ランプ管の端面がランプ管の長さ方向に対し垂直方向から見て、少なくとも一部重なって対向する端面間の間隙を相補的に補うような形状に形成されているため、照明の連続性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
(実施形態1)
まず、本発明の第一の実施形態について説明する。図1は本発明の第一の実施形態による蛍光ランプの概略的側面図、図2,3,4は上記同様それぞれ上面図,底面図,正面図である。
【0011】
本発明の第一の実施形態による蛍光ランプ10aは、図1に示すように蛍光管11aの側面12aにJISの定めるG5口金に対応したランプ口金15aが二つ取り付けられてなり、それぞれのランプ口金15aの口金本体16aの下面には2本のランプピン17aが設けられている。蛍光管11aの両端面13aは、互いに平行な平面で、蛍光管11aの円筒軸14aとの成す角θが45°であり、かつその円筒軸14aを含みランプピン17aに平行な平面に対して垂直になるような形状に形成されている。
【0012】
そして、上記のように構成された本実施形態による蛍光ランプ10aを、図5に示すように円筒軸14aに垂直でランプピン17aに平行な矢印P方向を主要な照明方向とし、隣接する二つの蛍光管11aの対向する端面13a同士が互いに平行となるように、複数直列に配置する。これにより、蛍光管11aの端面13aが、隣接する蛍光管11aの対向する端面13a間の間隙を相補的に補うため、矢印P方向に対する照明の連続性を向上させることができる。
【0013】
(実施形態2)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態における蛍光ランプ10b,10cは、図6に示すようにそれぞれ第一の実施形態における蛍光管11aを蛍光管11b,11cに変更したものであり、その他の構成は第一の実施形態と同様である。蛍光管11b,11cは、それぞれの両端面13b,13cが、蛍光管11b,11cの長さ方向に対し垂直でかつ蛍光管11b,11cの中心を通る平面に関して互いに面対称な平面で、円筒軸14b,14cとの成す角θが45°であり、かつ円筒軸14b,14cを含みランプピン17b,17cに平行な平面に対して垂直になるような形状に形成されているものである。そして、蛍光ランプ10bは、口金15bが蛍光管11bの側面12b上の最長母線側に取り付けられているものであり、蛍光ランプ10cは、口金15cが蛍光管11cの側面12c上の最短母線側に取り付けられているものである。なお、図1に示す第一の実施形態と同等の要素についての説明は、特に必要のない限り省略する。
【0014】
そして、上記のように構成された本実施形態による蛍光ランプ10b,10cを、図7に示すように矢印P方向を主要な照明方向とし、隣接する二つの蛍光管11b,11cの対向する端面13b,13cが互いに平行となるように、複数交互に直列に配置することにより、第一の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態は上記第一の実施形態に比べ、脱着作業上の利点を有する。すなわち、図5に示すように蛍光ランプ10aを複数直列に配置した第一の実施形態の場合、ある蛍光ランプ10aをランプピンに平行な方向に取り外す際、隣接する二つの蛍光ランプ10aのうちどちらかの一端部が必ず障害となるため、まず上記障害となっている蛍光ランプ10aを先に取り外さなければならない。結局これが繰り返され最終的に、蛍光ランプ10a全体の端に配置された蛍光ランプ10aまで取り外すことになり、場合によっては取り外す蛍光ランプ数が非常に多くなってしまう。しかしながら、図7に示すように蛍光ランプ10b,10cを複数交互に直列に配置する本実施形態の場合は、蛍光ランプ10cの脱着作業は通常通りそのまま行え、蛍光ランプ10bの脱着作業においても両隣の二つの蛍光ランプ10cを取り外すだけで行える。
【0015】
(実施形態3)
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態における蛍光ランプ10d,10eは、図8に示すようにそれぞれ第二の実施形態における蛍光管11c,11bの一端面13c,13bを、蛍光管11c,11bの円筒軸14c,14bに垂直な平面13d’,13e’に変更したものであり、その他の構成は第二の実施形態と同様である。なお、図6に示す第二の実施形態と同等の要素についての説明は、特に必要のない限り省略する。
【0016】
そして、上記のように構成された本実施形態による蛍光ランプ10d,10eを、例えば図9に示すように蛍光ランプ10b,10cを複数交互に直列に配置した第二の実施形態による蛍光ランプ全体の両端に、それぞれ蛍光ランプ10d及び/又は蛍光ランプ10eを隣接する蛍光ランプの端面が平行となるように配置することにより、第一の実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに、上記蛍光ランプ全体の両端を外観的にすっきりさせ空間的に効率よく使用することができる。
【0017】
なお、上記第一の実施形態において、蛍光管11aの両端面13aと円筒軸14aとが成す角θを45°と設定したが、本発明による蛍光ランプ10aは必ずしも上記角度に限定されるものではない。また、蛍光管11aの両端面13aが、円筒軸14aを含みランプピン17aに平行な平面に対して垂直になるような形状に形成された蛍光管11aを設定したが、本発明による蛍光ランプは必ずしも上記形状に限定されるものではない。すなわち、口金15aを蛍光ランプ10aに示す位置から、蛍光管11aの円筒軸14a周りに任意に回転した位置に取り付けることも可能で、これにより蛍光ランプ10aの主要な照射方向を任意に設定することができる。例えば図10に示すように、口金15aが蛍光ランプ10aに示す位置から、円筒軸14aを中心として時計周りに45°回転した位置に取り付けられた蛍光ランプ20の場合、蛍光管21の円筒軸24とランプピン26に垂直な図10中の矢印Qの方向に対する照明の連続性を向上させることができる。また、蛍光管10aの両端面13aを構成する面は必ずしも単一平面に限定されるものではなく、例えば曲面や複数の平面またはそれらの集合によって構成されていてもよい。また、ランプの種類を蛍光ランプとして設定したが本発明による照明ランプは必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば白熱ランプに適用してもよい。また、ランプに取り付けられるランプ口金についても、JISの定めるG5口金に対応したものと設定したが、必ずしもこれに限定されるものではない。一方、第二,第三の実施形態においても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第一の実施形態による蛍光ランプの概略的側面図
【図2】本発明の第一の実施形態による蛍光ランプの概略的上面図
【図3】本発明の第一の実施形態による蛍光ランプの概略的底面図
【図4】本発明の第一の実施形態による蛍光ランプの概略的正面図
【図5】図1の蛍光ランプを複数直列に配置した際の概略的側面図
【図6】本発明の第二の実施形態による蛍光ランプのうち口金が蛍光管の最長母線側に取り付けられているものの概略的側面図(A)、本発明の第二の実施形態による蛍光ランプのうち口金が蛍光管の最短母線側に取り付けられているものの概略的側面図(B)
【図7】図6の二つの蛍光ランプを複数交互に直列に配置した際の概略的側面図
【図8】本発明の第三の実施形態による蛍光ランプのうち口金が蛍光管の最短母線側に取り付けられているものの概略的側面図(A)、本発明の第二の実施形態による蛍光ランプのうち口金が蛍光管の最長母線側に取り付けられているものの概略的側面図(B)
【図9】第二,第三の実施形態による蛍光ランプを併用して複数直列に配置した際の概略的側面図
【図10】本発明の第一の実施形態による蛍光ランプとランプピンの取り付け位置が異なるものの概略的側面図
【符号の説明】
【0019】
10a〜e,20 蛍光ランプ
11a〜e,21 蛍光管
12a〜e,22 蛍光管の側面
13a〜e,13d’,13e’,23 蛍光管の端面
14a〜e,24 蛍光管の円筒軸
15a〜e,25 口金
16a〜e,26 口金本体
17a〜e,27 ランプピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ管の側面にランプピンを有し直列に配置される照明ランプにおいて、前記ランプ管の少なくとも一端面の一部が該ランプ管の円筒軸に対し傾いており、隣接する二本の該ランプ管の対向する端面同士が、該ランプ管の長さ方向に対し垂直方向から見て少なくとも一部重なって、前記対向する端面間の間隙を相補的に補うような形状に形成されていることを特徴とする照明ランプ。
【請求項2】
前記ランプ管の両端面が互いに平行な平面で、該両端面が、該ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して、垂直であることを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
【請求項3】
前記ランプ管の両端面が互いに平行な平面で、該両端面が、該ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して、傾いていることを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
【請求項4】
前記ランプ管の両端面が、該ランプ管の長さ方向に対し垂直でかつ該ランプ管の中心を通る平面に関して互いに面対称な平面で、該両端面が、該ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して、垂直であることを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。
【請求項5】
前記ランプ管の両端面が、該ランプ管の長さ方向に対し垂直でかつ該ランプ管の中心を通る平面に関して互いに面対称な平面で、該両端面が、該ランプ管の円筒軸を含みランプピンに平行な平面に対して、傾いていることを特徴とする請求項1記載の照明ランプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−282743(P2008−282743A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127267(P2007−127267)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000111166)ニッポ電機株式会社 (21)
【Fターム(参考)】